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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06Q
管理番号 1388001
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-07-13 
確定日 2022-08-04 
事件の表示 特願2020−181776「侵害情報抽出システム、方法及びプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 5月17日出願公開、特開2022− 72383〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、令和2年10月29日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 3年 1月28日 拒絶理由通知書(起案日)
令和 3年 3月24日 意見書の提出
令和 3年 6月 8日 拒絶査定(起案日)
令和 3年 7月13日 審判請求書の提出
令和 3年10月27日 拒絶理由通知書(起案日)
令和 3年12月20日 意見書、手続補正書の提出
令和 4年 1月18日 拒絶理由通知書(最後)(起案日)
令和 4年 3月25日 意見書、手続補正書の提出

第2 令和4年1月18日付けの拒絶理由の概要
令和4年1月18日付けで当審が通知した最後の拒絶理由のうち、請求項1についての理由の概要は次のとおりのものである。
この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された引用文献1及び引用文献2に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
引用文献1 中国特許出願公開第104408334号明細書
引用文献2 特開2005−234868号公報
引用文献3 特開2005−038402号公報
なお、引用文献3は、請求項4〜16について提示された文献である。

第3 令和4年3月25日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年3月25日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)
「 対象となる特許または実用新案の請求の範囲を、特許又は実用新案の請求の範囲のキーワードを学習したモデルを利用して解析する解析手段と、
前記解析の結果から、検索するために必要な文字を判断する判断手段と、
前記判断した文字を用いて、検索エンジンでインターネット上に掲載されたコンテンツを検索する検索手段と、
前記検索の結果から、前記対象となる特許または実用新案の権利を侵害している可能性のある侵害情報を抽出する抽出手段と、
を備える侵害情報抽出システム。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和3年12月20日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「 対象となる特許または実用新案の請求の範囲を解析する解析手段と、
前記解析の結果から、検索するために必要な文字を判断する判断手段と、
前記判断した文字を用いて、検索エンジンでインターネット上に掲載されたコンテンツを検索する検索手段と、
前記検索の結果から、前記対象となる特許または実用新案の権利を侵害している可能性のある侵害情報を抽出する抽出手段と、
を備える侵害情報抽出システム。」

2 補正の適否
本件補正により追加された「特許又は実用新案の請求の範囲のキーワードを学習したモデルを利用して」解析するという事項は、当初明細書の段落【0036】に記載されているから、新規事項を追加するものではなく、特許法第17条の2第3項に違反するものではない。また、同第4項に違反するものでもない。
そして、本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「解析手段」の「解析」について、「特許又は実用新案の請求の範囲のキーワードを学習したモデルを利用して」との限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献の記載事項
ア 引用文献1について
(ア)令和4年1月18日付けで当審が通知した最後の拒絶理由に引用した引用文献1には、次のとおりの記載がある。当審訳中の下線は、注目個所である。


(当審訳)
技術分野
[0001] 本発明は、特許情報活用の分野における意匠特許の早期警告方法に関し、特に画像コンテンツに基づく意匠特許の早期警告方法に関するものである。


(当審訳)
[0006] 本発明の目的は、増加する意匠権製品の侵害状況に対する意匠権早期警告方法を提供することである。本発明は、画像内容比較に基づいて、指定されたショッピングサイトのすべての商品画像と指定された意匠権画像を比較し、類似度によって侵害の可能性がある商品を特定し、意匠権製品の製造者に警告してさらなる確認を求める。
[0007] 本発明の意匠特許早期警告方法は,以下のステップを含むものである。
[0008] 1)ユーザは、警告する特許番号、検索するショッピングサイト、警告情報を受け取る連絡先、警告のしきい値などのパラメータ情報を設定する。
[0009] 2)指定したWebサイトから定期的に画像を収集する。
[0010] 3)注意喚起を必要とする意匠特許の画像と、指定されたWebサイトから収集した画像を、画像の形状、質感、構造、色などを表現する特徴データに変換する。
[0011] 4)Webサイト、画像、特徴量データを画像データベースに格納する。
[0012] 5)Webサイトから収集した画像と、早期警告が必要な意匠特許の画像との類似度を計算する。
[0013] 6)類似性が設定された閾値よりも大きい場合、画像と対応するWebアドレスをユーザに送信する。
[0014] 本発明は、警告したい特許番号、検索したいショッピングサイト、ユーザが設定した警告情報を受け取る連絡先を利用し、指定したサイトから定期的に画像を収集し、警告したい意匠特許の画像と指定したサイトから収集した画像を、画像の形状、質感、構造、色などを表現する特徴データに変換し、URL、画像、特徴データを画像データベースに格納する。Webサイトから収集した画像と、警告が必要な意匠特許の画像との類似度を計算し、類似度が設定した閾値よりも大きい場合に、画像と対応するWebサイトをユーザに送信する。本発明は、指定された範囲から侵害の疑いのある商品を自動的かつ迅速に見つけ出し、特許権者に通知して注意を促し、さらなる行動を促すことができる。本発明は、特許権者の正当な利益を確保し、特許権侵害紛争を軽減し、電子商取引分野の健全な発展を促進する効果がある。


(当審訳)
[0020] ステップ1では、ユーザが警告パラメータを設定するが、基本パラメータには、(1)ユーザが警告を必要とする特許番号、(2)警告を必要とするWebサイト、(3)ユーザが警告情報を受信するための通信情報、(4)警告時間帯の設定が含まれる。さらに、ユーザパラメータには、特許番号に関連するキーワードを設定してもよく、これをユーザキーワードと呼び、(Ukey_1, Ukey_2, ..., Ukey_n)のように表記する。
[0021] ステップ2では、Webサイトのユーザが警告を喚起する必要がある商品の画像を定期的に収集する。このステップは以下のように実行される。
[0022] まず、ユーザが設定した特許番号に応じて、意匠特許データベースから対応する特許名とエントリ情報(テキスト情報)を見つけ出し、それらから単語分離法により(Ukey_1, Ukey_2,..., Ukey_m)と表記された特許キーワードを得る。
[0023] 次に、特許キーワードとユーザキーワード(ユーザがユーザキーワードを入力している場合)をショッピングサイトで検索し、検索結果のWebアドレス(URL)をWebクローラソフトのシードとして使用する。
[0024] 最後に、Webクローラソフトウェアは、シードWebページから出発して、商品Webページをクロールし、Webページから商品画像を抽出する。
[0025] ステップ3では、ステップ2からのクロールされた商品画像と警告保護の特許画像の特徴ベクトルFを抽出する、つまり、画像を元の画像データよりも少ないデータで表現して、画像間の類似性をより良く保存・計算する。算出される画像の特徴には、主に形状、質感、色の情報など様々な側面がある。本発明の特許の実装では、これらのタイプの機能のうち1つまたは複数を選択することができる。
[0026] ステップ4:クロールされた製品のWebアドレス(URL)、画像、および画像特徴データは、警告が必要な意匠特許情報および画像特徴データとともにデータベースに保存される。


(当審訳)
[0030] ステップ6では、警告対象のデザイン画像との類似度が予め設定された閾値(ユーザが設定、デフォルトでは0.95)よりも大きい製品の画像を警告情報として選択する。ステップ5で算出された類似度をソートし、ユーザが設定した意匠特許画像との類似度が予め設定された閾値よりも大きい商品画像を選択し、ステップ4から記憶された商品画像に関連付けられたWebアドレス(URL)などの情報を警告情報としてユーザにタイムリーに送信することができる。
[0031] 図2は、本発明の特許をショッピングサイトに適用した場合のシステム構成図である。ユーザ端末、WEBサーバ、アプリケーションサーバ、データベース、通信ネットワークなどのモジュールが含まれている。ここで、各モジュールの機能は以下の通りである。
[0032] ユーザ端末:ユーザがシステムのパラメータを設定することや、システムから返される早期警報情報を受信することなど、人間とコンピュータとのインタラクションのための端末。
[0033] ショッピングサイト:大量の商品情報(商品画像を含む)を含み、ユーザが早期警告を必要とする範囲である。
[0034] Webサーバ:本システムのWebサービス機能を実行するために使用する。アプリケーションソフトとユーザの間の通信や、ショッピングサイトから商品画像をクロールするクローラソフトを実装している。中でもWebサーバは、インターネットのネットワークを介してショッピングサイトとユーザに接続されている。
[0035] Web情報データベース:クローラソフトがショッピングサイトからクロールした商品の画像や、Webアドレス(URL)を格納する。
[0036] 意匠特許データベース:意匠特許データを保存するためのもので、特許のテキストデータや画像データが含まれる。
[0037] アプリケーションサーバ:画像特徴抽出や画像類似性計算などの機能を実行するために、Webページ情報データベースや意匠特許データベースから必要な画像データを取得する。
(イ)上記(ア)の記載によると、引用文献1には、
「大量の商品情報(商品画像を含む)を含むショッピングサイトから、意匠権侵害状況の早期警告情報を受け取る意匠権早期警告システムであって、
ユーザ端末から、警告する意匠特許番号、検索するショッピングサイト、警告情報を受け取る連絡先、警告のしきい値などのパラメータ情報を設定し、
特許データベースから、前記意匠特許番号に対応する特許名とエントリ情報(テキスト情報)を見つけ出し、当該エントリ情報(テキスト情報)から単語分離法により、特許キーワードを抽出し、
抽出された特許キーワードによりショッピングサイトを検索し、検索結果のWebアドレス(URL)に基づいて、Webクローラソフトが、商品画像を収集し、
ユーザが設定した意匠特許画像と収集された商品画像との類似度を算出し、類似度が設定された閾値よりも大きい商品画像をWeb情報データベースに格納し、商品画像に関連付けられたWebアドレス(URL)などの情報を警告情報としてユーザに送信する、意匠権製品の侵害状況に対する意匠権早期警告システム。」の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている。

イ 引用文献2について
(ア)令和4年1月18日付けで当審が通知した最後の拒絶理由に引用した引用文献2には、以下のとおりの記載がある。下線は、当審が付した。
「【技術分野】
【0001】
本発明は、特許審査に及び特許明細書の作成において、請求範囲の類似する先行出願明細書の調査を支援するシステムであり、請求項に記載された情報に基づく、類似特許明細書検索システム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
文章を作成するには、通常、何らかの参考文献を参照することが多い。例えば、特許審査における先行特許の調査を行う場合や、特許の明細書などの特許に関連する文章を書く場合には、先行出願された特許明細書(公開特許公報)や、技術論文において、検索語による文書検索を行い、検索して得られた文献が参考とされている。
また、参考文献となる文献を検索するための検索システムが数多く開発されており、例えば、特許庁の「特許電子図書館」に代表されるシステムなどである。
【0003】
ところで、文書検索は、検索のキーとなる検索語と、検索の被対象の文章に含まれている文書記載語との文字列照合により実行される。
しかし、文章における語の表記が多用であるため、同一の概念を表す語が異なる文字列により表記された場合、文書検索においては検索漏れが生じることがある。
したがって、文書検索においては、上記検索漏れを防止するために、検索語に対応した適切な関連語を展開し、この関連語を新たな検索語として拡張して、さらに文書検索の精度を高めることが重要課題となる。
【0004】
従来、与えられた語の検索語に対して、適切な関連語を網羅的に展開できる手法として、
(A)シソーラスやオントロジー等の手動構築情報源に基づく関連語展開手法
(B)コーパスの共起語解析やパターン解析に基づく関連語展開手法
が発明されている。具体的な先行技術としては、
上記(A)の手法としては、シソーラス登録の同義語を検索語句として展開する手法(特許文献1,2参照)がある。
【0005】
また、上記(B)の手法として、辞書記載の定義文中の語を検索語として展開する手法(特許文献3参照)、辞書記載の定義文の類似度を算出して類義語を抽出し、検索語として展開する手法(特許文献4参照)、コーパスから共起語に関する統計解析に基づき類義語を抽出し、検索語として展開する手法(特許文献5参照)、文書中の丸括弧内の表記を、その前後の語の定義文として抽出する手法(特許文献6参照)、文書中の「αはβである」文型を定義文として抽出する手法(特許文献7参照)、文書中の連休修飾節を被修飾語の定義文として抽出する手法(特許文献8参照)がある。
(略)」
「【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の類似特許明細書検索システムは、調査対象の調査特許明細書から抽出したキーにより、データベースに蓄積された複数の特許明細書から、類似の特許明細書を検索する類似特許明細書検索システムであり、前記調査特許明細書の請求項に記載された語を抽出し、検索語として出力する検索語抽出部と、前記調査特許明細書から、前記検索語の発明理論の根拠となる概念が記述された概念説明文を抽出する概念説明文抽出部と、該概念説明文に記載された語を抽出し、関連語として出力する関連語抽出部と、前記検索語及び関連語とにより、前記データベースから類似の特許明細書を検索する文書検索部とを有することを特徴とする。」
(イ)引用文献2に記載された技術的事項
上記(ア)によると、引用文献2には、次の技術的事項が記載されている。
特許調査における先行出願明細書の調査において、調査対象の特許請求の範囲の請求項に記載された語を抽出し、抽出された語を検索語として用いて、調査対象の特許明細書に類似する特許明細書を検索すること。

ウ 引用文献4について
(ア)新たに周知技術を示す文献として引用する特開2003−263441号公報(以下「引用文献4」という。)には、以下のとおりの記載がある。下線は、当審が付した。
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テキストからキーワードを決定する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、キーワード決定手法として、テキスト中の様々な言語的情報をもとにキーワードを決定する手法が提案されている。その代表として、単語が対象のテキスト中に出現するほど、また、他のテキストに出現しないほど、その単語はキーワードらしいと考え、単語の出現頻度をもとにキーワード決定を行うTF・IDF法が擧げられる。他にも、テキスト中の位置情報を利用したものや、係り受け関係を利用したもの、文脈情報を利用したものなど様々な手法が提案されている。これらの言語的情報同士には相関関係があるため、単一の言語的情報ではキーワードを特定できない。例えば、TF・IDF法によってキーワードらしいと判定された単語であっても、「例えば、」で始まる文の中にその単語が多数含まれていた場合、それほど重要なキーワードではないなどということが考えられる。そのため、複数の言語的情報を用いてキーワード抽出を行う必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、複数の言語的情報を考慮したルールを人手で記述するのは困難である。例えば、単語の頻度がある値以上で、テキストの第1文に含まれていて、他の単語から修飾されていて、文の先頭が「例えば、」で始まらない場合にはキーワードとして決定するというようなルールを個々に書いていくのは現実的には不可能である。また、複数の言語的情報を考慮したルールによってキーワード決定ができたとしても、テキストの分野によって重要な言語的情報が異なるため、異なる分野のテキストに同じルールを適用しても正しくキーワードが決定されない。例えば、新聞記事などではテキストの先頭にキーワードが多く存在するため位置情報は有効な言語的情報であるが、Webページなどでは必ずしもそうとはいえない。
【0004】本発明の目的は、どのような分野のテキストに対してもロバストにキーワードを決定する方法および装置を提供することにある。
【0005】本発明の他の目的は、テキスト中の単語に関する複数の言語的情報からキーワードを決定するためのキーワード決定データベースを作成する方法および装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のキーワード決定方法は、テキスト文書を構成する文について形態素解析して単語とその品詞、係り受けを含む言語的情報を分析するステップと、分析された特定の品詞の単語について、各言語的情報の要素値からなるベクトルを算出するステップと、該ベクトルのパターンと、該言語的情報と同一の言語的情報の要素値からなるベクトルと重要度とを対応付けたデータベースに格納されたベクトルのパターンと比較し、前者のパターンと一致する後者のパターンがあれば、該後者のパターンに対応する重要度を当該単語の重要度と決定し、前者のパターンと一致する後者のパターンがなければ、前者のパターンと類似する後者のパターンの類似度に応じて、該後者のパターンに対応する重要度を増減することにより、当該単語の重要度を決定するステップと、前記単語のうち、重要度の高い単語から順に予め定められた数をキーワードと決定するステップを有する。
【0007】また、本発明のキーワード決定データベース作成方法は、主テキストと要約テキストを構成する文それぞれについて形態素解析して単語とその品詞、係り受けを含む言語的情報を分析するステップと、分析された特定の品詞の単語のうち、主テキストと要約テキストの両者に存在する単語を対応付けるステップと、各単語の言語的情報の要素値からなるベクトルについて、対応付けられた単語と対応付けられなかった単語各々についてベクトル空間での座標を分類する分類面を算出するステップと、対応付けられた単語について分類面からの距離を単語の重要度として算出するステップと、対応付けられた単語について各言語的情報の要素値からなるベクトルと重要度とを対応付けたデータベースを作成するステップを有する。
【0008】まず、テキストを入力として、テキスト中の各文は単語に切り分けられ、それぞれの単語に品詞が付与される。この品詞付き単語に対し、特定の品詞を持つ単語のみが内容語として選択される。一方、要約付きテキストの集合を入力として、まずテキスト中および要約中の各文は品詞付きの単語に分割され、特定の品詞を持つ単語が内容語として選択され、得られたテキストと要約の内容語の間で一致または類似した単語が対応付けされ、テキスト中の内容語のうち要約中の内容語と対応付けられたものはキーワードに必要な内容語として、対応付けられなかったものは不要な内容語として分類される。さらに、2値分類の機械学習手法を用いて、テキスト中の内容語に関する様々な言語的情報から、必要な内容語の場合は正の重要度を、不要な内容語の場合は負の重要度を出力する重要語選択モデルが学習される。得られた内容語に対し、得られた重要語選択モデルを用いて重要度が付与される。この重要度が付与された内容語のうち、重要度の高いものから順に指定された個数の内容語がキーワードとして決定され、出力される。」
「【0015】まず、テキストとその要約の対を複数用意し、単語分割部1でテキストと要約を形態素解析し、品詞付きの単語に分割する(ステップ21)。内容語選択部2で、分割された単語に対し、それが特定の品詞の単語かどうかを判定し(ステップ22)、特定の品詞を内容語として選択する(ステップ23)という操作を各単語について繰り返す(ステップ24)。重要度算出部3で、得られたテキストと要約の内容語の間で一致または類似した単語を対応付けし(ステップ25)、テキスト中の内容語のうち要約中の内容語と対応付けられたかどうかの判定を行い(ステップ26)、対応付けられたものをキーワードに必要な内容語として分類し(ステップ27)、対応付けられなかったものを不要な内容語として分類する(ステップ28)ということを各内容語について繰り返す(ステップ29)。最後に、2値分類の機械学習手法を用いて、テキスト中の内容語に関する様々な言語的情報から、必要な内容語の場合は正の重要度を、不要な内容語の場合は負の重要度を出力する重要語選択モデル(言語的情報の要素値からなるベクトルと重要度の組)を学習し、重要語選択モデルDB4に格納する(ステップ30)。」
(イ)引用文献4に記載された技術的事項
上記(ア)によると、引用文献4には、次の技術的事項が記載されている。
テキストからキーワードを決定する方法に関し、複数の言語的情報を考慮して、キーワードの抽出ルールを個々に定義していくことが困難であることを課題とし、要約付きテキストについて、テキスト中の内容語と要約中の内容語の間で一致または類似すると対応付けられた内容語をキーワードに必要な内容語とし、対応付けられなかったものは不要な内容語として分類し、2値分類の機械学習法を用いて、重要語選択モデルを学習し、得られた重要語選択モデルを用いてテキストの内容語に重要度を付与し、重要度の高い内容語をキーワードとして決定すること。

エ 引用文献5について
(ア)新たに周知技術を示す文献として引用する特開2018−45575号公報(以下「引用文献5」という。)には、以下のとおりの記載がある。下線は、当審が付した。
「【技術分野】
【0001】
本発明は、特許公報(出願公開公報、特許掲載公報、再公表を含む)などの公報を検索する際に用いられる検索式をユーザに提示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許公報などの公報を検索する場合、ユーザは、例えば「出願人」、「発明者」、「特許請求の範囲」、「全文」などの検索項目を指定し、かつ、対応する検索キーワードを入力する。このように、検索項目と検索キーワードとを組み合わせたものを検索式と呼ぶ。このような検索式同士をさらに組み合わせた検索式を構築することも可能である。」
「【0038】
次に、各修正エンジンについて説明する。エキスパートシステムエンジン141は、特定の分野についての情報を解析するルール群から構成されるプログラムである。エキスパートシステムエンジン141は、例えば推論エンジンと知識データベースとを有する。本実施形態におけるエキスパートシステムエンジン141は、検索サービスにおける各種のノウハウを格納した知識データベースを有しており、知識データベースに基づいて推論エンジンによる修正が行われる。例えば、「出願人・権利者」は、企業名であることが多いことや、「特許請求の範囲」に検索キーワードとして単に「装置」と入力すると、ほとんど検索の意味を成さないことなどの、各種のノウハウを格納した知識データベースを有している。エキスパートシステムエンジン141は、このような知識データベースに基づく修正を行う。」
「【0073】
本実施形態においては、検索項目に応じた複数の学習モデルが用意されている。例えば、検索項目として「出願人・権利者(最新)」が指定された場合の学習モデル、検索項目として「発明者(最新)」が指定された場合の学習モデル、および検索項目として「全文」が指定された場合の学習モデルなどが用意されている。」
「【0080】
学習モデルの中には、ユーザに固有の学習モデルが用意されている。第三の学習モデル1163は、ユーザが予め選別した公報を用いて構築された学習モデルである。つまり、ユーザ固有の学習モデルである。例えば、ユーザが予め選別した公報の公報全文、特許請求の範囲、または要約などのデータから、学習モデルエンジン143が形態素分析を行い、学習用の学習キーワードを抽出する。そして、抽出した学習キーワードとその公報とを教師データとして用いて第三の学習モデル1163を構築する。このように構築された第三の学習モデル1163に、検索キーワードを投入すると、関連する学習キーワードが出力データとして出力される。
【0081】
なお、先に説明したように、第三の学習モデル1163もさらに細分化した学習モデルとして構成されることができる。例えば、特許分類のサブクラスレベルの学習モデルの集合を総称して第三の学習モデル1163と呼んでよい。また、学習モデルを構築する際に用いる公報は、ユーザが予め選別した公報に加えて、その公報の引用公報または被引用公報を含めてもよい。すなわち、公報Xの明細書中の先行技術文献に記載されている公報、公報Xの出願経過において拒絶理由通知で引用されている公報、他の公報であって公報Xを拒絶理由通知で引用している公報、他の公報であって先行技術文献に公報Xが記載されている公報などを含めてもよい。
【0082】
また、学習キーワードの公報における分布状況を加味した第三の学習モデル1163が構築されてもよい。例えば、学習キーワードW1が公報の全体にわたって分布されている場合、または学習キーワードW1が公報の中の特許請求の範囲や要約に記載されている場合には、その学習キーワードW1を重要なキーワードとして扱ってよい。例えば、公報の一部のみに存在し、特許請求の範囲や要約などの重要な箇所に記載されていない学習キーワードW2よりも、学習キーワードW1を重要なキーワードであるとして扱ってよい。この場合、学習キーワードの重みを変更した教師データとして使用され、第三の学習モデル1163が構築されてもよい。」
(イ)引用文献5に記載された技術的事項
上記(ア)によると、引用文献5には、次の技術的事項が記載されている。
特許公報などの公報を検索する際に用いられる検索式をユーザに提示する技術に関し、ユーザが予め選別した公報全文、特許請求の範囲、または要約などのデータから、学習モデルエンジンが形態素解析を行い、抽出した学習キーワードとその公報とを教師データとして用いて学習モデルを構築し、構築された学習モデルを用いて検索キーワードの提示を行うこと、特許請求の範囲には、「装置」など検索の意味をなさない語を含むこと、学習キーワードが特許請求の範囲に記載されている場合には、その学習キーワードを重要なキーワードとして扱うこと。

(3)引用発明1との対比
本件補正発明と引用発明1とを対比する。
ア 引用発明1の「意匠特許」と本件補正発明の「特許または実用新案」とは、いずれも「産業財産権」である点で共通する。
イ 引用発明1の「警告情報としてユーザに送信する、意匠権製品の侵害状況に対する意匠権早期警告システム」は、意匠権製品の侵害に関する情報をショッピングサイトから抽出しているから、本件補正発明と同様の「侵害情報抽出システム」といえる。
ウ 引用発明1の「意匠特許番号に対応する特許名とエントリ情報(テキスト情報)を見つけ出し、エントリ情報(テキスト情報)から単語分離法」は手段により行われるといえ、また、「単語分離法」により「単語分離」を行うことは解析といえる。
そして、本件補正発明の「特許または実用新案の請求の範囲」は、「テキスト情報」であるから、引用発明1の「意匠特許番号に対応する特許名とエントリ情報(テキスト情報)を見つけ出し、エントリ情報(テキスト情報)から特許キーワードを単語分離法」を行う手段と、本件補正発明の「対象となる特許または実用新案の請求の範囲を、特許又は実用新案の請求の範囲のキーワードを学習したモデルを利用して解析する解析手段」とは、いずれも、「対象となる産業財産権のテキスト情報を解析する解析手段」である点で共通する。
エ 引用発明1の「単語分離法」による「特許キーワード」の抽出は手段により行われるといえ、引用発明1の「特許キーワード」は、本件補正発明の「検索するために必要な文字」に相当するから、引用発明1の「単語分離法」により「特許キーワード」を抽出する手段は、本件補正発明の「前記解析の結果から、検索するために必要な文字を判断する判断手段」に相当する。
オ 引用発明1の「ショッピングサイト」の個々のWebアドレス(URL)で特定される商品情報のWebページの内容は、本件補正発明の「インターネット上に掲載されたコンテンツ」に相当し、引用発明1において、特許キーワードによりショッピングサイトを検索する手段は、「検索エンジン」で検索する検索手段であるといえる。
よって、引用発明1の「抽出された特許キーワードによりショッピングサイトを検索し、」「Webアドレス(URL)」を「検索結果」として取得する手段は、本件補正発明の「前記判断した文字を用いて、検索エンジンでインターネット上に掲載されたコンテンツを検索する検索手段」に相当する。
カ 引用発明1における、抽出された特許キーワードによりショッピングサイトを検索した結果、取得した「Webアドレス(URL)」は、権利を侵害している可能性のあるWebページの情報であるから、引用発明1の、ショッピングサイトを検索した検索結果の「Webアドレス(URL)」を取得することは、「検索の結果から、権利を侵害している可能性のある侵害情報を抽出する」といえ、また、引用発明1の検索結果の「Webアドレス(URL)」に基づいて、商品画像を検索することは、「検索の結果から、侵害している可能性のある侵害情報を抽出する」といえ、また、引用発明1の「商品画像を収集し、ユーザが設定した意匠特許画像と収集された商品画像との類似度を算出し、類似度が設定された閾値よりも大きい商品画像をWeb情報データベースに格納」することも、「検索の結果から、侵害している可能性のある侵害情報を抽出する」といえる。
ここで、引用発明1は、「Webアドレス(URL)」を取得した後に、さらに、検索結果のWebアドレス(URL)に基づいて、Webクローラソフトが、商品画像を収集し、ユーザが設定した意匠特許画像と収集された商品画像との類似度を算出し、類似度が設定された閾値よりも大きい商品画像をWeb情報データベースに格納し、商品画像に関連付けられたWebアドレス(URL)などの情報を警告情報とするものであるが、本件補正発明の「抽出手段」は、「検索の結果から、・・権利を侵害している可能性のある侵害情報を抽出する」ものであり、本願明細書の【0029】には、「侵害情報抽出サーバ10は、前記検索の結果から、前記対象となる知的財産の権利を侵害している可能性のある侵害情報を抽出する(ステップS7)。具体的には、検索結果に表示されたWebページ/動画/画像などのコンテンツの中から侵害情報を抽出する。なお、これらのコンテンツを解析して侵害情報を抽出してもよいし、解析せずにランダムに抽出してもよいし、解析せずに全てを抽出してもよい。例えば、解析の精度が高い場合には、Webページ/動画/画像などのコンテンツを解析して侵害情報を抽出すると、最終的な強化学習後の抽出の精度がより高くなることが期待できる。」と記載されているように、本件補正発明の「抽出手段」の「検索結果から、・・侵害情報を抽出する」ことは、検索の結果からさらに、コンテンツを解析して精度を高めて抽出することを排除するものではないから、本件補正発明の「抽出手段」により抽出される「権利を侵害している可能性のある侵害情報」との対比において、引用発明1の、キーワードによる検索の結果の「Webアドレス(URL)」は、検索の結果である権利を侵害している可能性のある侵害情報といえ、また、当該Webアドレスに基づいた「商品画像」も、検索の結果の権利を侵害している可能性のある侵害情報といえ、さらに、引用発明1の、類似度が設定された閾値より大きい商品画像は、キーワードによる検索の結果から、類似度の算出により抽出された権利を侵害している可能性のある侵害情報である。
したがって、引用発明1のキーワードによる検索結果の「Webアドレス(URL)」を取得すること、キーワードによる検索結果の「Webアドレス(URL)」に基づいて、商品画像を検索すること、又は、「商品画像を収集し、ユーザが設定した意匠特許画像と収集された商品画像との類似度を算出し、類似度が設定された閾値よりも大きい商品画像をWeb情報データベースに格納」することと、本件補正発明の「前記検索の結果から、前記対象となる特許または実用新案の権利を侵害している可能性のある侵害情報を抽出する抽出手段」とは、いずれも、「前記検索の結果から、前記対象となる産業財産権の権利を侵害している可能性のある侵害情報を抽出する抽出手段」である点で共通する。

(4)一致点、相違点
上記(3)によると、本件補正発明と引用発明1とは、次の一致点、相違点を有する。
[一致点]
「対象となる産業財産権のテキスト情報を解析する解析手段と、
前記解析の結果から、検索するために必要な文字を判断する判断手段と、
前記判断した文字を用いて、検索エンジンでインターネット上に掲載されたコンテンツを検索する検索手段と、
前記検索の結果から、前記対象となる産業財産権の権利を侵害している可能性のある侵害情報を抽出する抽出手段と、
を備える侵害情報抽出システム。」
[相違点1]
「産業財産権」が、本件補正発明では、「特許または実用新案」であるのに対し、引用発明1では、「意匠特許」である点。
[相違点2]
産業財産権において解析されるテキスト情報が、本件補正発明では「請求の範囲」であるのに対し、引用発明1ではそのような特定のない点。
[相違点3]
解析手段による解析が、本件補正発明では「特許又は実用新案の請求の範囲のキーワードを学習したモデルを利用」するのに対し、引用発明1では「単語分離法」による点。

(5)判断
ア [相違点1]及び[相違点2]について
特許権、実用新案登録権、意匠権は、それぞれ、工業製品等の発明、考案、デザインの保護を行うことを目的とした産業財産権であり、保護対象や保護期間に相違があるものの、保護対象としては重複した部分もあり、いずれも、他者に侵害される可能性のある権利であるから、引用発明1の意匠特許に関する侵害情報の抽出技術を特許、実用新案に適用することに何ら困難性はない。
特許、実用新案において、出願人が、特許請求の範囲、実用新案登録請求の範囲に、特許を受けようとする発明や登録を受けようとする考案の技術的範囲(権利範囲)を記載することは周知の事項であるから、権利範囲を特定する情報が、意匠では主として図面であるのに対し、特許、実用新案では、それぞれ、特許請求の範囲、実用新案登録請求の範囲に記載された事項であることは明白である。
このことは、引用文献2に記載された技術的事項が、調査対象の特許明細書に類似する特許明細書を検索する際に、特許請求の範囲の請求項に記載された語を検索語として用いていることからも、特許請求の範囲の請求項に記載された語は権利範囲を特定するものであることが裏付けられる。
したがって、引用発明の意匠特許に関する侵害情報の抽出技術を特許、実用新案に適用する際に、解析されるテキスト情報を「請求の範囲」とすることは当業者が容易に想到し得た事項である。

イ [相違点3]について
引用文献4に記載された技術的事項に例示されるように、個々のルールを設定することなく、テキスト情報の解析を、キーワードを学習したモデルを利用して行うことは周知技術であって、特許請求の範囲には重要な語が含まれ、特許請求の範囲に記載されている語を学習キーワードとして学習モデルを生成することも引用文献5に記載された技術的事項のように周知技術である。
そして、引用発明1の、検索に必要な文字を判断するためのテキストの解析において、どのような解析を行うかは既存の解析手法から当業者が適宜選択する事項であり、解析の精度を高める、設定を簡単にするなどの課題は、一般的な課題であるから、引用発明1において、引用文献4、引用文献5に記載された周知技術を採用して、テキストの解析を「特許又は実用新案の請求の範囲のキーワードを学習したモデルを利用」することにより行うことは当業者が容易に想到し得た事項である。

ウ そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する「自動で対象となる知的財産の権利を侵害している可能性のある侵害情報を抽出できる」という明細書段落【0128】記載の作用効果、令和4年3月25日に提出された意見書で請求人の主張する「検索に用いる文字判断の効率化が図れる」という作用効果は、引用発明1及び引用文献2、4、5に記載された技術的事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

エ したがって、本件補正発明は、引用発明1及び引用文献2、4、5に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第4 本願発明について
1 本願発明
令和4年3月25日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1〜18に係る発明は、令和3年12月20日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1〜18に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第3[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 令和4年1月18日付けの拒絶理由の概要
令和4年1月18日付けで当審が通知した最後の拒絶理由のうち、請求項1についての理由の概要は上記第2のとおりである。

3 引用文献
令和4年1月18日付けで当審が通知した最後の拒絶理由に引用した引用文献1、2及びその記載事項は、前記第3の[理由]2(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、前記第3の[理由]2で検討した本件補正発明から、「特許又は実用新案の請求の範囲のキーワードを学習したモデルを利用して」に係る限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明と引用発明1とは、前記第3の[理由]2(4)の[一致点]で一致し、[相違点1]、[相違点2]で相違する。
そして、前記第3の[理由]2(5)に示したとおり、[相違点1]及び[相違点2]については、引用発明1及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に想到し得た事項であるから、本願発明も、引用発明1及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第5 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
 
審理終結日 2022-05-26 
結審通知日 2022-06-07 
審決日 2022-06-21 
出願番号 P2020-181776
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G06Q)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 渡邊 聡
特許庁審判官 高瀬 勤
松田 直也
発明の名称 侵害情報抽出システム、方法及びプログラム  
代理人 小木 智彦  

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