• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1388180
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-11-04 
確定日 2022-08-04 
事件の表示 特願2020− 96927「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 8月27日出願公開、特開2020−127887〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成29年11月17日(以下、「遡及日」という。)に出願した特願2017−222008の一部を令和2年6月3日に新たな特許出願(特願2020−96927)としたものであって、令和3年3月11日付けで拒絶の理由が通知され、同年5月24日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年7月27日付け(送達日:同年8月3日)で拒絶査定(以下、「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年11月4日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 令和3年11月4日になされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年11月4日になされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲の補正を含む補正であって、特許請求の範囲は、本件補正前の
「【請求項1】
大入賞口と当該大入賞口とは異なる複数の入賞口とを備え、前記大入賞口へ遊技球が入球した場合には1球の入球に対して所定個数の賞球の払出しが行われるとともに、前記入賞口へ遊技球が入球した場合には1球の入球に対して入賞口毎に定められた個数の賞球の払出しが行われる遊技機において、
発射手段によって打ち出された遊技球のうち、遊技領域へ到達した遊技球である有効球を検知する有効球検知手段と、
有効球のうち、前記入賞口へ入球した遊技球を検知する入球検知手段と、
前記遊技機から通常遊技時に払出された賞球の総数を計数する通常時賞球計数手段と、
通常遊技時における有効球の総数を計数する通常時有効球計数手段と、
全ての遊技状態における有効球の総数を計数する全状態時有効球計数手段と、
前記全状態時有効球計数手段で計数されている有効球の総数が所定数に達したときの前記通常時賞球計数手段で計数されている前記賞球の総数を記憶する賞球記憶手段と、
前記全状態時有効球計数手段で計数されている有効球の総数が所定数に達したときの前記通常時有効球計数手段で計数されている有効球の総数を記憶する有効球記憶手段と、
前記通常遊技時における有効球の総数に対する前記通常遊技時における前記賞球の総数の割合を示すベース値を計数するベース値計数手段と、
前記ベース値計数手段によって計数されたベース値を特定し得るベース値情報を記憶するベース値記憶手段と、
表示手段と、
大当り確率を定めた設定情報を設定する設定手段と、
前記設定手段が前記設定情報を設定する契機を与える設定契機手段と、を備え、
前記ベース値は、所定の計数期間ごとに計数され、
前記ベース値には、今回の計数期間におけるベース値である第1ベース値と、前回の計数期間から順に遡った複数の計数期間のそれぞれにおけるベース値である複数の第2ベース値と、があり、
前記表示手段は、前記ベース値を表示するベース表示部と、前記ベース表示部に表示されている前記ベース値の識別子を表示する識別子表示部と、を有し、
前記ベース値記憶手段には、前記第1ベース値を特定し得るベース値情報と、前記複数の第2ベース値のそれぞれを特定し得るベース値情報と、が記憶可能であり、
前記ベース表示部には、前記第1ベース値と、前記複数の第2ベース値と、が表示され、
前記識別子には、前記第1ベース値を識別する第1識別子と前記第2ベース値を識別する第2識別子と、があり、
前記表示手段は、前記設定情報を表示する設定情報表示部として兼用されており、
前記表示手段では、前記遊技機に電源が投入されている電源投入期間において前記設定情報が表示されている設定情報表示期間は前記ベース値が非表示とされ、前記設定情報表示期間を除く期間は前記ベース値が所定の表示態様で表示されており、
前記表示手段では、前記全状態時有効球計数手段で計数されている有効球の総数に応じて定めたタイミングで表示態様が変更されるが、その変更のタイミングでは前記表示態様を変更することが報知されずに前記表示態様が変更され、
前記遊技機は、前記設定情報の設定を許容する第1モードと、前記設定情報として現在の設定情報を報知する第2モードと、を有し、
前記遊技機は、前記第1モードであることの報知と前記第2モードであることの報知をそれぞれ行うことが可能であって、各報知は変動ゲームにおいて図柄を表示する図柄表示手段で行われ、当該各報知において前記図柄表示手段には大当り図柄の表示パターンとは異なる表示パターンが表示されるとともに、前記第1モードである場合の前記図柄表示手段の表示パターンと前記第2モードである場合の前記図柄表示手段の表示パターンが異なり、
前記第1モードへ移行する条件と前記第2モードへ移行する条件のそれぞれには前記遊技機の電源が投入されるときに前記設定契機手段を第1態様で操作することを含み、
前記第1モードの移行中に前記設定契機手段が前記第1態様とは異なる第2態様で操作された場合には前記第1モードが終了し、前記設定契機手段が前記第2態様で操作されたことを契機に前記表示手段には前記遊技機への電力供給が停止した際に表示されていた前記ベース値の表示が復帰し、
前記第2モードの移行中に前記設定契機手段が前記第2態様で操作された場合には前記第2モードが終了し、前記設定契機手段が前記第2態様で操作されたことを契機に前記表示手段には前記電力供給が停止した際に表示されていた前記ベース値の表示が復帰し、
前記遊技機は、予め定めた事項について遊技者によるカスタマイズが可能なカスタマイズ機能を有し、
前記カスタマイズは、前記ベース値に関係なく行うことができるとともに、前記表示手段が前記第1ベース値を表示する第1表示状態と前記第2ベース値を表示する第2表示状態とが切り替わることによる表示態様の変更時であっても行うことができる遊技機。
【請求項2】
前記遊技機は、主基板と、前記主基板から一方向に情報が送信される副基板と、を備えており、
前記主基板には、管理番号が付されており、
前記表示手段は、前記管理番号以外の情報を表示する表示部と重ならない位置に配置されている請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記遊技機は、主基板と、前記主基板から一方向に情報が送信される副基板と、を備えており、
前記主基板には、管理番号が付されており、
前記表示手段は、前記管理番号の表示部と重ならない位置に配置されている請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
前記遊技機は、主基板と、前記主基板から一方向に情報が送信される制御基板と、前記主基板と双方向に情報が送信される制御基板と、を備え、
前記表示手段は、前記主基板と双方向に情報が送信される制御基板に配置されている請求項1に記載の遊技機。」

から、本件補正後の

「【請求項1】
大入賞口と当該大入賞口とは異なる複数の入賞口とを備え、前記大入賞口へ遊技球が入球した場合には1球の入球に対して所定個数の賞球の払出しが行われるとともに、前記入賞口へ遊技球が入球した場合には1球の入球に対して入賞口毎に定められた個数の賞球の払出しが行われる遊技機において、
発射手段によって打ち出された遊技球のうち、遊技領域へ到達した遊技球である有効球を検知する有効球検知手段と、
有効球のうち、前記入賞口へ入球した遊技球を検知する入球検知手段と、
前記遊技機から通常遊技時に払出された賞球の総数を計数する通常時賞球計数手段と、
通常遊技時における有効球の総数を計数する通常時有効球計数手段と、
全ての遊技状態における有効球の総数を計数する全状態時有効球計数手段と、
前記全状態時有効球計数手段で計数されている有効球の総数が所定数に達したときの前記通常時賞球計数手段で計数されている前記賞球の総数を記憶する賞球記憶手段と、
前記全状態時有効球計数手段で計数されている有効球の総数が所定数に達したときの前記通常時有効球計数手段で計数されている有効球の総数を記憶する有効球記憶手段と、
前記通常遊技時における有効球の総数に対する前記通常遊技時における前記賞球の総数の割合を示すベース値を計数するベース値計数手段と、
前記ベース値計数手段によって計数されたベース値を特定し得るベース値情報を記憶するベース値記憶手段と、
表示手段と、
大当り確率を定めた設定情報を設定する設定手段と、
前記設定手段が前記設定情報を設定する契機を与える設定契機手段と、を備え、
前記ベース値は、所定の計数期間ごとに計数され、
前記ベース値には、今回の計数期間におけるベース値である第1ベース値と、前回の計数期間から順に遡った複数の計数期間のそれぞれにおけるベース値である複数の第2ベース値と、があり、
前記表示手段は、前記ベース値を表示するベース表示部と、前記ベース表示部に表示されている前記ベース値の識別子を表示する識別子表示部と、を有し、
前記ベース値記憶手段には、前記第1ベース値を特定し得るベース値情報と、前記複数の第2ベース値のそれぞれを特定し得るベース値情報と、が記憶可能であり、
前記ベース表示部には、前記第1ベース値と、前記複数の第2ベース値と、が表示され、
前記識別子には、前記第1ベース値を識別する第1識別子と前記第2ベース値を識別する第2識別子と、があり、
前記表示手段は、前記設定情報を表示する設定情報表示部として兼用されており、
前記表示手段では、前記遊技機に電源が投入されている電源投入期間において前記設定情報が表示されている設定情報表示期間は前記ベース値が非表示とされ、前記設定情報表示期間を除く期間は前記ベース値が所定の表示態様で表示されており、
前記表示手段では、前記全状態時有効球計数手段で計数されている有効球の総数に応じて定めたタイミングで表示態様が変更されるが、その変更のタイミングでは前記表示態様を変更することが報知されずに前記表示態様が変更され、
前記遊技機は、前記設定情報の設定を許容する第1モードと、前記設定情報として現在の設定情報を報知する第2モードと、を有し、
前記遊技機は、前記第1モードであることの報知と前記第2モードであることの報知をそれぞれ行うことが可能であって、各報知は変動ゲームにおいて図柄を表示する図柄表示手段で行われ、当該各報知において前記図柄表示手段には大当り図柄の表示パターンとは異なる表示パターンが表示されるとともに、前記第1モードである場合の前記図柄表示手段の表示パターンと前記第2モードである場合の前記図柄表示手段の表示パターンが異なり、
前記第1モードへ移行する条件と前記第2モードへ移行する条件のそれぞれには前記遊技機の電源が投入されるときに前記設定契機手段を第1態様で操作することを含み、
前記第1モードの移行中に前記設定契機手段が前記第1態様とは異なる第2態様で操作された場合には前記第1モードが終了し、前記設定契機手段が前記第2態様で操作されたことを契機に前記表示手段には前記遊技機への電力供給が停止した際に表示されていた前記ベース値の表示が復帰し、
前記第2モードの移行中に前記設定契機手段が前記第2態様で操作された場合には前記第2モードが終了し、前記設定契機手段が前記第2態様で操作されたことを契機に前記表示手段には前記電力供給が停止した際に表示されていた前記ベース値の表示が復帰し、
前記図柄表示手段では、前記第1モードの終了を契機に前記第1モードであることの報知が前記図柄の表示に切り替わり、前記第2モードの終了を契機に前記第2モードであることの報知が前記図柄の表示に切り替わり、
前記遊技機は、予め定めた事項について遊技者によるカスタマイズが可能なカスタマイズ機能を有し、
前記カスタマイズは、前記ベース値に関係なく行うことができるとともに、前記表示手段が前記第1ベース値を表示する第1表示状態と前記第2ベース値を表示する第2表示状態とが切り替わることによる表示態様の変更時であっても行うことができ、
前記図柄表示手段に前記図柄を表示する制御は、前記表示手段が前記第1ベース値を表示する第1表示状態と前記第2ベース値を表示する第2表示状態とが切り替わることによる表示態様の変更時であっても行うことができ、
前記ベース値の計数に関する制御は、前記設定情報の設定を許容する前記第1モードを経由しても経由しなくても同一制御が行われ、
前記ベース値の表示に関する制御は、前記設定情報の設定を許容する前記第1モードを経由しても経由しなくても同一制御が行われ、
前記ベース値計数手段は、前記第1モードへ移行しているとき及び前記第2モードへ移行しているときには前記ベース値を計数しない遊技機。
【請求項2】
前記遊技機は、主基板と、前記主基板から一方向に情報が送信される副基板と、を備えており、
前記主基板には、管理番号が付されており、
前記表示手段は、前記管理番号以外の情報を表示する表示部と重ならない位置に配置されている請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記遊技機は、主基板と、前記主基板から一方向に情報が送信される副基板と、を備えており、
前記主基板には、管理番号が付されており、
前記表示手段は、前記管理番号の表示部と重ならない位置に配置されている請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
前記遊技機は、主基板と、前記主基板から一方向に情報が送信される制御基板と、前記主基板と双方向に情報が送信される制御基板と、を備え、
前記表示手段は、前記主基板と双方向に情報が送信される制御基板に配置されている請求項1に記載の遊技機。」

に補正された(下線部は補正箇所を示す。)

2 補正の適否
2−1 補正の目的及び新規事項について
本件補正は、
補正前の請求項1に記載の遊技機を特定するために必要な事項である「図柄表示手段」による「図柄の表示」及び「第1モードであることの報知と第2モードであることの報知」に関して、「前記図柄表示手段では、前記第1モードの終了を契機に前記第1モードであることの報知が前記図柄の表示に切り替わり、前記第2モードの終了を契機に前記第2モードであることの報知が前記図柄の表示に切り替わ」ることを限定し、
同じく「図柄表示手段に図柄を表示する制御」に関して、「前記表示手段が前記第1ベース値を表示する第1表示状態と前記第2ベース値を表示する第2表示状態とが切り替わることによる表示態様の変更時であっても行うことができ」ることを限定し、
同じく「ベース値の計数に関する制御」及び「ベース値の表示に関する制御」に関して、「前記設定情報の設定を許容する前記第1モードを経由しても経由しなくても同一制御が行われ」ることを限定し、
同じく「ベース値計数手段」に関して、「前記第1モードへ移行しているとき及び前記第2モードへ移行しているときには前記ベース値を計数しない」ことを限定することを含むものである。

したがって、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
また、本件補正の補正事項は、願書に最初に添付した明細書及び図面の【0183】、【0209】〜【0212】、【0219】及び図16の記載に基づくものであり、新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。

2−2 独立特許要件について
本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて、以下に検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号A1等は、分説するため当審にて付した。)。

「A1 大入賞口と当該大入賞口とは異なる複数の入賞口とを備え、前記大入賞口へ遊技球が入球した場合には1球の入球に対して所定個数の賞球の払出しが行われるとともに、前記入賞口へ遊技球が入球した場合には1球の入球に対して入賞口毎に定められた個数の賞球の払出しが行われる遊技機において、
A2 発射手段によって打ち出された遊技球のうち、遊技領域へ到達した遊技球である有効球を検知する有効球検知手段と、
A3 有効球のうち、前記入賞口へ入球した遊技球を検知する入球検知手段と、
A4 前記遊技機から通常遊技時に払出された賞球の総数を計数する通常時賞球計数手段と、
A5 通常遊技時における有効球の総数を計数する通常時有効球計数手段と、
A6 全ての遊技状態における有効球の総数を計数する全状態時有効球計数手段と、
A7 前記全状態時有効球計数手段で計数されている有効球の総数が所定数に達したときの前記通常時賞球計数手段で計数されている前記賞球の総数を記憶する賞球記憶手段と、
A8 前記全状態時有効球計数手段で計数されている有効球の総数が所定数に達したときの前記通常時有効球計数手段で計数されている有効球の総数を記憶する有効球記憶手段と、
A9 前記通常遊技時における有効球の総数に対する前記通常遊技時における前記賞球の総数の割合を示すベース値を計数するベース値計数手段と、
A10 前記ベース値計数手段によって計数されたベース値を特定し得るベース値情報を記憶するベース値記憶手段と、
A11 表示手段と、
A12 大当り確率を定めた設定情報を設定する設定手段と、
A13 前記設定手段が前記設定情報を設定する契機を与える設定契機手段と、を備え、
A14 前記ベース値は、所定の計数期間ごとに計数され、
A15 前記ベース値には、今回の計数期間におけるベース値である第1ベース値と、前回の計数期間から順に遡った複数の計数期間のそれぞれにおけるベース値である複数の第2ベース値と、があり、
A16 前記表示手段は、前記ベース値を表示するベース表示部と、前記ベース表示部に表示されている前記ベース値の識別子を表示する識別子表示部と、を有し、
A17 前記ベース値記憶手段には、前記第1ベース値を特定し得るベース値情報と、前記複数の第2ベース値のそれぞれを特定し得るベース値情報と、が記憶可能であり、
A18 前記ベース表示部には、前記第1ベース値と、前記複数の第2ベース値と、が表示され、
A19 前記識別子には、前記第1ベース値を識別する第1識別子と前記第2ベース値を識別する第2識別子と、があり、
A20 前記表示手段は、前記設定情報を表示する設定情報表示部として兼用されており、
A21 前記表示手段では、前記遊技機に電源が投入されている電源投入期間において前記設定情報が表示されている設定情報表示期間は前記ベース値が非表示とされ、前記設定情報表示期間を除く期間は前記ベース値が所定の表示態様で表示されており、
A22 前記表示手段では、前記全状態時有効球計数手段で計数されている有効球の総数に応じて定めたタイミングで表示態様が変更されるが、その変更のタイミングでは前記表示態様を変更することが報知されずに前記表示態様が変更され、
A23 前記遊技機は、前記設定情報の設定を許容する第1モードと、前記設定情報として現在の設定情報を報知する第2モードと、を有し、
A24 前記遊技機は、前記第1モードであることの報知と前記第2モードであることの報知をそれぞれ行うことが可能であって、各報知は変動ゲームにおいて図柄を表示する図柄表示手段で行われ、当該各報知において前記図柄表示手段には大当り図柄の表示パターンとは異なる表示パターンが表示されるとともに、前記第1モードである場合の前記図柄表示手段の表示パターンと前記第2モードである場合の前記図柄表示手段の表示パターンが異なり、
A25 前記第1モードへ移行する条件と前記第2モードへ移行する条件のそれぞれには前記遊技機の電源が投入されるときに前記設定契機手段を第1態様で操作することを含み、
A26 前記第1モードの移行中に前記設定契機手段が前記第1態様とは異なる第2態様で操作された場合には前記第1モードが終了し、前記設定契機手段が前記第2態様で操作されたことを契機に前記表示手段には前記遊技機への電力供給が停止した際に表示されていた前記ベース値の表示が復帰し、
A27 前記第2モードの移行中に前記設定契機手段が前記第2態様で操作された場合には前記第2モードが終了し、前記設定契機手段が前記第2態様で操作されたことを契機に前記表示手段には前記電力供給が停止した際に表示されていた前記ベース値の表示が復帰し、
A28 前記図柄表示手段では、前記第1モードの終了を契機に前記第1モードであることの報知が前記図柄の表示に切り替わり、前記第2モードの終了を契機に前記第2モードであることの報知が前記図柄の表示に切り替わり、
A29 前記遊技機は、予め定めた事項について遊技者によるカスタマイズが可能なカスタマイズ機能を有し、
A30 前記カスタマイズは、前記ベース値に関係なく行うことができるとともに、前記表示手段が前記第1ベース値を表示する第1表示状態と前記第2ベース値を表示する第2表示状態とが切り替わることによる表示態様の変更時であっても行うことができ、
A31 前記図柄表示手段に前記図柄を表示する制御は、前記表示手段が前記第1ベース値を表示する第1表示状態と前記第2ベース値を表示する第2表示状態とが切り替わることによる表示態様の変更時であっても行うことができ、
A32 前記ベース値の計数に関する制御は、前記設定情報の設定を許容する前記第1モードを経由しても経由しなくても同一制御が行われ、
A33 前記ベース値の表示に関する制御は、前記設定情報の設定を許容する前記第1モードを経由しても経由しなくても同一制御が行われ、
A34 前記ベース値計数手段は、前記第1モードへ移行しているとき及び前記第2モードへ移行しているときには前記ベース値を計数しない
A35 遊技機。」

(2)引用文献
(2−1)引用文献1
ア 記載事項
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された、遡及日前に公知となった文献である「性能表示モニタの搭載要件(Ver.107)」,日本,日本遊技機工業組合,2017年11月9日(以下、「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。

(1頁)




(2頁)




(3頁)




(4頁)




(5頁)




(6頁)




(7頁)




(8頁)




イ 認定事項
(ア)引用文献1の2頁の図及び図に付された説明によれば、
「表示器の左の二桁の数字及びドットは、識別セグとして用いられ、右の二桁の数字及びドットは、比率セグとして用いられ、識別セグ「bL.」は「全遊技状態のアウト60000個毎の低確時短無時のベース(計測中のリアルタイム値)」を示し、識別セグ「b1.」は「全遊技状態のアウト60000個毎の低確時短無時のベース(1回前60000個の累計値)」を示し、識別セグ「b2.」は「全遊技状態のアウト60000個毎の低確時短無時のベース(2回前60000個の累計値)」を示し、識別子「b3.」は「全遊技状態のアウト60000個毎の低確時短無時のベース(3回前60000個の累計値)」を示」すこと(以下、「認定事項1」という。)が理解される。

(イ)引用文献1の3〜7頁の記載から、「総アウト個数60000個毎にベースの計測を行」うことが理解される(以下、「認定事項2」という。)。

ウ 引用発明
上記ア及びイによれば、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる(記号a等は、分説のため当審にて付した。)。

「a 裏面に配置される主制御基板上に表示器および回路部を搭載する遊技機であって、表示部は、遊技機裏面の見やすい場所に設置し、シールや構造物等で隠れず、表示器は、7セグLED等を使用して、4桁の数字を表示することが可能であり、7セグLED等の数字の下にはドットポイントを設け、正確なアウト個数または発射球数を計測するために、主制御基板に接続されたスイッチ等を設け(1頁(1)〜(6))、
b 表示器の左の二桁の数字及びドットは、識別セグとして用いられ、右の二桁の数字及びドットは、比率セグとして用いられ、識別セグ「bL.」は「全遊技状態のアウト60000個毎の低確時短無時のベース(計測中のリアルタイム値)」を示し、識別セグ「b1.」は「全遊技状態のアウト60000個毎の低確時短無時のベース(1回前60000個の累計値)」を示し、識別セグ「b2.」は「全遊技状態のアウト60000個毎の低確時短無時のベース(2回前60000個の累計値)」を示し、識別子「b3.」は「全遊技状態のアウト60000個毎の低確時短無時のベース(3回前60000個の累計値)」を示し(2頁、認定事項1)、
c 表示器は常に表示を行い(3頁(1))、
d 初回電源投入(RWMオール初期化)から全遊技状態のアウト個数(以下、「総アウト個数」)の計測を開始し(3頁)、
e 総アウト個数60000個毎にベースの計測を行い(認定事項2)、5回目以降の計測は以下の繰り返しであり、
・(n−3)回目計測の識別セグ「bL.」の比率セグ最終値をXXとして保存する。
・(n−2)回目計測の識別セグ「bL.」の比率セグ最終値をYYとして保存する。
・(n−1)回目計測の識別セグ「bL.」の比率セグ最終値をZZとして保存する。
・総アウト個数、低確払出個数、低確アウト個数を初期化してn回目の計測を開始する。
n回目の総アウト個数が60000個に達するまでの区間において、
【識別セグの「bL.」側】識別セグ「bL.」は低確アウト個数が0〜5999は点滅、低確アウト個数が6000以上は点灯、比率セグは低確率時かつ時短無時のベースをリアルタイムに計算して表示する。
【識別セグの「b1.」側】識別セグ「b1.」は点灯、比率セグは保存したZZを表示する。
【識別セグの「b2.」側】識別セグ「b2.」は点灯、比率セグは保存したYYを表示する。
【識別セグの「b3.」側】識別セグ「b3.」は点灯、比率セグは保存したXXを表示する。(5頁)
f 比率セグに表示される数値は、「(低確払出個数÷低確アウト個数)×100」で計算し、RWMクリア時(RWM消去スイッチを押して電源投入)および電源再投入では、計測に必要なRWMは0クリアせず、「bL.」「b1.」「b2.」「b3.」の表示切換え時間は、5.0秒(許容差±10%)である(8頁(3)、(4)、(5)
カ)
g 遊技機(1頁(1))。」

(2−2)引用文献2
原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用された、遡及日前に公知となった文献である「設定値を表示する表示器について(案)」,日本,日本遊技機工業組合,2017年8月4日(以下、「引用文献2」という。)には、以下の事項が記載されている。

「設定値を表示する表示器(以下、「設定表示LED」という。)については、不正防止対策の観点から主制御基板又は主制御基板ケース内に収められた副基板に搭裁することを検討しています。
また、平成30年2月1日の申請から主制御基板上には性能表示モニタの搭載を予定しています。
現状の主制御基板ケース内の基板に性能表示モニタ、設定変更及び設定確認を開始するために使用する設定開始スイッチ、設定表示LEDの部品が新たに搭裁される予定のため、設定表示LEDと性能表示モニタを兼用することにより、部品配置スペースの確保とコスト削減に取り組みたいと考えています。
設定変更状態及び設定確認状態の限られた時間のみ性能表示モニタを設定値の表示用として使用するため、当該状態を終了させれば性能表示モニタは直ぐに性能表示を行います。

質問
設定値を表示する表示器について、性能表示モニタと兼用しても問題ないでしょうか。」

(2−3)引用文献3
原査定の拒絶の理由に引用文献3として引用された、遡及日前に公知となった文献である「設定変更装置の搭載について」,日本,日本遊技機工業組合,2017年10月18日(以下、「引用文献3」という。)には、以下の事項が記載されている。

「1 PQ−28 設定値を表示する表示器について
質問のケースでは設置値を表示する表示器を主制御基板に搭載することとなるところ、この場合に、性能表示モニタと兼用しても問題ない。
ただし、その場合にあっても設定値の表示に係る処理はすべて使用領域内で行うこと。」

(2−4)引用文献4
原査定の拒絶の理由に引用文献4として引用された、遡及日前に公知となった文献である「設定確認タイムチャート(案)/設定変更タイムチャート(案)/RWM異常時遊技停止タイムチャート(案)/不正防止に関する外部端子版から出力する信号及び報知仕様の統一」,日本,日本遊技機工業組合,2017年10月5日(以下、「引用文献4」という。)には、以下の事項が記載されている。

(設定確認タイムチャート(案))




(設定変更タイムチャート(案))




引用文献4が遊技機に関する資料であることは明らかであり、「設定確認タイムチャート(案)」及び「設定変更タイムチャート(案)」を参照すると、以下の事項(以下、「引用文献4記載事項」という。)が記載されていると認められる。

(引用文献4記載事項)
「遊技機において、設定キーをON、RWMクリアスイッチをOFFにして、電源をONにすると、遊技状態が、「ブート中」、「各スイッチ読み込み」の後に「設定確認中」となり、その後、設定キーをOFFとすると、遊技状態が「設定確認終了中」の後に「通常遊技中」となり、遊技状態が「設定確認中」及び「設定確認終了中」の間は、性能表示モニタは「設定値」を表示し、遊技状態が「通常遊技中」の間は、性能表示モニタは「ベース値」を表示し、遊技状態が「各スイッチ読み込み」、「設定確認中」及び「設定確認終了中」の間は、スイッチ状態は「設定装置に係るスイッチ以外無効」であり、遊技状態が「通常遊技中」の間は、スイッチ状態は「全スイッチ有効」であり(以上、「設定確認タイムチャート(案)」より)、
設定キーをONにして、RWMクリアスイッチ及び電源をONにすると、遊技状態が、「ブート中」、「各スイッチ読み込み」の後に「設定変更中」となり、その後、設定キーをOFFとすると、遊技状態が「設定変更終了中」の後に「通常遊技中」となり、遊技状態が「設定変更中」及び「設定変更終了中」の間は、性能表示モニタは「設定値」を表示し、遊技状態が「通常遊技中」の間は、性能表示モニタは「ベース値」を表示し、遊技状態が「各スイッチ読み込み」、「設定変更中」及び「設定変更終了中」の間は、スイッチ状態は「設定装置に係るスイッチ以外無効」であり、遊技状態が「通常遊技中」の間は、スイッチ状態は「全スイッチ有効」であること(以上、「設定変更タイムチャート(案)」より)。」

(2−5)引用文献5
ア 記載事項
原査定の拒絶の理由に引用文献5として引用された、遡及日前に頒布された刊行物である特開2013−22221号公報(以下、「引用文献5」という。)には、以下の事項が記載されている(下線は当審にて付した。)。

「【0214】
図25に示すパチンコ遊技機51は、木製の外枠54の前面に前枠52を開閉可能に取り付け、前枠52の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤53を装着し、この遊技盤53の表面に形成した遊技領域53aを前枠52の開口部に臨ませた構成を有する。上記遊技領域53aは、遊技盤53の面上に配設したガイドレール55(図26参照)で囲まれた領域からなる。この遊技領域53aの前側に、透明ガラスを支持したガラス扉56が設けられている。」

「【0236】 液晶表示装置36は装飾図柄表示手段として働き、特別図柄表示装置38による特別図柄の変動表示と時間的に同調して装飾図柄を変動表示するもので、1個または複数個、ここでは左右方向に3個の装飾図柄を各種の演出画像と共に変動表示可能に構成されている。装飾図柄は、上始動口34または下始動口35に遊技球が入賞することを条件に、特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、左、右、中等の所定の順序で停止するようになっている。」

「【0274】 演出制御部24側に設定変更中コマンドが送信されると、設定演出表示手段である液晶表示装置36に「設定変更中」等のメッセージによる報知画像が表示され、これにより設定変更中である旨が報知される。また、払出制御基板29側に発射禁止コマンドが送信されると、この払出制御基板29により、発射制御基板28に対する発射制御信号がONからOFFに切り替えられる。これにより発射装置32の動作が停止され、発射操作ハンドル65を操作しても遊技球を発射することができなくなる。なお、電源投入時に発射制御信号がOFFの状態で払出制御基板29が起動されるように構成されている場合にはステップS33の処理は不要である。」

「【0289】 演出制御部24側に設定確認中コマンドが送信されると、設定演出表示手段である液晶表示装置36に「設定確認中」等の報知画像が表示され、これにより設定確認中である旨が報知される。また、払出制御基板29側に発射禁止コマンドが送信されると、この払出制御基板29に接続されている発射制御基板28により発射装置32の動作が停止され、発射操作ハンドル65を操作しても遊技球を発射することができなくなる。」

以上によれば、引用文献5には、以下の事項(以下、「引用文献5記載事項」という。)が記載されていると認められる。

(引用文献5記載事項)
「パチンコ遊技機51において(【0214】)、液晶表示装置36は装飾図柄表示手段として働き、左右方向に3個の装飾図柄を各種の演出画像と共に変動表示可能であり(【0236】)、演出制御部24側に設定変更中コマンドが送信されると、設定演出表示手段である液晶表示装置36に「設定変更中」等のメッセージによる報知画像が表示され、これにより設定変更中である旨が報知され(【0274】)、演出制御部24側に設定確認中コマンドが送信されると、設定演出表示手段である液晶表示装置36に「設定確認中」等の報知画像が表示され、これにより設定確認中である旨が報知されること(【0289】)。」

また、引用文献5には、以下の事項も記載されている。

「【0042】
この回胴設定基板430には、設定キースイッチ601、リセットスイッチ602、打止めスイッチ603、自動精算スイッチ604がそれぞれ配設されている。リセットスイッチ602は、通常時においてはROM異常エラーやRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、確率設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(払い出し率)の確率設定値を変更するための設定スイッチとして機能する。打止めスイッチ603は、後述のビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するためのスイッチである。打止めスイッチ603がONのまま電源がONになると打ち止め有り設定となり、第一種特別役物の作動終了後に、打ち止め状態となる。自動精算スイッチ604は、このスイッチがONのまま電源がONになると自動精算設定となり、第一種特別役物の作動終了後、貯留メダル枚数を受け皿に払出し、メダル払出枚数表示部21に「0」を表示する機能を有するスイッチである。設定キースイッチ601は、起動時にホール関係者が所持する設定鍵を挿入してON側に操作することにより設定変更モードに切り替えるためのキースイッチである。これらのスイッチは、前扉2を開放することにより、遊技機の前方から操作できるようになっている。」

「【0218】図26に示すように、遊技盤53の略中央部には、3つ(左、中、右)の表示エリアにおいて、独立して数字やキャラクタや記号などによる図柄(装飾図柄)の変動表示が可能である画像表示装置としての液晶表示装置36(LCD:Liquid Crystal Display)が配設されている。この液晶表示装置36の真下には、第1の特別図柄始動口である上始動口34と、第2の特別図柄始動口である下始動口35とが上下に配設され、それぞれの内部には、入賞球を検出する特別図柄始動口センサが設けられている。下始動口35には、左右一対の可動翼片47が下始動口35を開閉可能に設けられ、いわゆるチューリップ型の電動役物(普通変動入賞装置41)を構成している。
【0219】
上始動口34より上左側には、ゲートからなる普通図柄始動口37が配設されており、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサが配設されている。また上記下始動口35の下方には、大入賞口40を開閉する開放扉42bで開閉可能に構成した特別変動入賞装置42が配設され、その内部には、入賞球を検出する大入賞口センサが配設されている。
【0220】
特別変動入賞装置42の両側に一般入賞口43が計4つ配設されており、それぞれ内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサが形成されている。各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域53aから排出される。」

(2−6)引用文献6
原査定の拒絶の理由に周知技術を示す引用文献7として引用された、遡及日前に頒布された刊行物である特開2015−139470号公報(以下、「引用文献6」という。)には、以下の事項が記載されている(下線は当審にて付した。)。

「【0020】
図1は、本実施形態における遊技機1の外観構成を示す正面図である。図2は、遊技機1の下部を拡大して示す斜視図である。図3は、遊技機1の遊技機本体1aを開放した状態で背面側を示す図である。この遊技機1は、遊技者の指示操作によって発射装置が打ち出す遊技球が各種入賞口に入賞すると賞球を払い出すように構成された弾球式の遊技機であって、遊技の進行状況に応じて各種の演出を行う遊技機である。遊技機1は、図3に示すように、ホール(店舗)の島設備などに固定される本体枠1bを有し、その本体枠1bの左端部1cを中心に回動可能に軸支され、本体枠1bの内側に嵌め込んだ状態に固定することが可能な遊技機本体1aを有している。また遊技機1は、図1に示すように、遊技機本体1aの正面側に遊技球を転動させる遊技盤10が取り付けられており、その遊技盤10の正面側に透明ガラス板2が嵌め込まれた前枠扉3を有している。この前枠扉3は遊技機本体1aに左端部を中心に回動可能に軸支され、遊技機本体1aの正面側を開放可能である。前枠扉3の右側下方には鍵孔3aが配置されており、この鍵孔3aにホールで管理される鍵を差し込み、例えば右方向に回動させると、前枠扉3が解錠され、遊技機本体1aの正面側を開放することができる。また鍵を左方向に回動させると、遊技機本体1aが解錠され、遊技機本体1aが図3(a)に示すように本体枠1bの左端部1cを中心に回動可能となる。」

「【0205】
図柄変動演出中において現在実行中の演出パターンに操作演出が含まれていない場合(ステップS1201でNO)、通常遊技演出制御部82または特定遊技演出制御部84は、遊技者による第1操作ボタン6または第2操作ボタン7の操作を検知したか否かを判断する(ステップS1205)。遊技者によるボタン操作を検知した場合(ステップS1205でYES)、その操作が第2操作ボタン7に対する操作であるか否かを判断する(ステップS1206)。遊技者によって第2操作ボタン7が操作された場合(ステップS1206でYES)、音量調整部72aは、音量レベル調整処理(ステップS1207)を行う。この音量レベル調整処理では、画像表示器12の所定位置に音量調整画面GAを表示し、遊技者による第2操作ボタン7の操作に基づいて音量レベルを変更する処理が行われる。すなわち、演出制御基板52は、図柄変動演出の実行中であっても、その実行中の図柄変動演出に遊技者のボタン操作に応じて行う演出が含まれていない場合には、遊技者による第2操作ボタン7に対する操作を音量調整操作として受け付け、音量レベル調整処理を行う。言い換えると、現在実行中の図柄変動演出に遊技者のボタン操作に応じて行う演出が含まれている場合には、音量レベル調整処理は行われず、遊技者によって第2操作ボタン7が操作されたとしても、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルは変更されない。尚、音量レベル調整処理の詳細な処理手順については後述する。」

【0205】に記載の「図柄変動演出中」が「通常遊技中」であることは、技術常識から明らかであり、「遊技機において、通常遊技中に遊技者による操作に基づいて音量レベルを変更すること」は、遡及日前に周知の技術事項(以下、「周知技術1」という。)である。

また、引用文献6には、以下の事項も記載されている。

「【0029】
遊技盤10の中央には、遊技の進行に伴って各種演出を行うためのセンター役物11が設けられる。また遊技盤10は、センター役物11の周囲に、多数の釘や風車などの他、第1始動口13、第2始動口14、第1大入賞口15、第2大入賞口16、スルーゲート21およびアウト口23といった公知の部材を備えている。またこの他にも、遊技盤10には、図示を省略する普通入賞口なども設けられる。さらに、遊技盤10は、遊技球が転動する遊技領域の外側における盤面左下部に、特別図柄の変動表示を行って特別遊技判定(大当たり判定)の判定結果に応じた特別図柄を表示したり、第1始動口13および第2始動口14に遊技球が入賞したことによる保留数を表示したり、或いは、スルーゲート21を遊技球が通過したことによる普通図柄の抽選結果を表示したりするための図柄表示器22を備えている。」

「【0032】
第1始動口13および第2始動口14のそれぞれは、所定球数の賞球を払い出すための入賞口であると共に、遊技機1において遊技者に有利な特別遊技である大当たり遊技を行うか否かの特別遊技判定(大当たり判定)が行われる条件となる入賞口である。これら始動口13,14に入賞した遊技球が始動検知領域を通過して始動条件が成立すると、遊技機1において特別遊技判定が行われ、図柄表示器22において特別図柄の変動表示が開始されると共に、センター役物11などにおいてもその特別遊技判定の結果に応じた図柄変動演出が開始される。そして所定時間経過後に特別図柄の変動表示及び図柄変動演出が終了し、特別遊技判定の結果が表示される。その特別遊技判定の結果が大当たりを示すものであれば、遊技機1はその後、大当たり遊技として、遊技者にとって有利な特別遊技を開始する。」

「【0035】
第1大入賞口15は、遊技盤10において第2始動口14のさらに右側に設けられている。この第1大入賞口15は、遊技球が入賞可能な開放状態と、遊技球が入賞不可能な閉鎖状態とに駆動される第1可変入賞装置であり、通常は閉鎖状態となっている。そして、第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入賞することによって行われる特別遊技判定で大当たりに当選すると、その後に開始される特別遊技の予め定められたラウンドにおいて、第1大入賞口15が開放状態に駆動され、遊技球が第1大入賞口15に入賞可能な状態となる。第1大入賞口15が開放されると、所定時間が経過するまでの間、又は所定数の入賞がカウントされるまでの間、その開放状態が継続する。したがって、第1大入賞口15が開放状態になると、所定時間が経過するまでの間に、遊技球を所定数まで入賞させることが可能であり、それによって遊技者は賞球を獲得することができる。そして、開放状態に駆動された第1大入賞口15は、所定時間が経過した時点、又は所定数の入賞がカウントされた時点で閉鎖状態に戻る。
【0036】
第2大入賞口16は、センター役物11の右側に設けられている。この第2大入賞口16は、遊技球が入賞可能な開放状態と、遊技球が入賞不可能な閉鎖状態とに駆動される第2可変入賞装置であり、通常は閉鎖状態となっている。そして、第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入賞することにより行われる特別遊技判定で大当たりに当選すると、その後に開始される特別遊技の予め定められたラウンドにおいて、第2大入賞口16が開放状態に駆動され、遊技球が第2大入賞口16に入賞可能な状態となる。第2大入賞口16が開放されると、所定時間が経過するまでの間、又は所定数の入賞がカウントされるまでの間、その開放状態が継続する。したがって、第2大入賞口16が開放状態になると、所定時間が経過するまでの間に、遊技球を所定数まで入賞させることが可能であり、それによって遊技者は賞球を獲得することができる。そして、開放状態に駆動された第2大入賞口16は、所定時間が経過した時点、又は所定数の入賞がカウントされた時点で閉鎖状態に戻る。」

「【0048】 その後、メイン制御基板31は、第1始動口スイッチ36、第2始動口スイッチ37、普通入賞口スイッチ38、第1大入賞口スイッチ40、第2大入賞口スイッチ42のそれぞれが遊技球の入賞を検知した場合、払出制御基板51に対して賞球コマンドを送出する。払出制御基板51は、CPU51aとROM51bとRAM51cとを備え、遊技盤10の背面側に設けられた払出モーター51dを制御するように構成されており、メイン制御基板31から賞球コマンドを入力すると、入賞した入賞口に応じて所定球数の払い出しを行う。」

(3)対比
本願補正発明と引用発明とを、本願補正発明の分説に従い対比する。

(A1、A35)引用発明の構成a、gの「遊技機」は、本願補正発明の構成A1、A35の「遊技機」に相当する。
したがって、引用発明の構成a、gは、本願補正発明の構成A1、A35と「遊技機」である点で共通する。

(A2)引用発明の構成aの「正確なアウト個数または発射球数を計測するために、主制御基板に接続されたスイッチ等」は、本願発明の構成A2の「発射手段によって打ち出された遊技球のうち、遊技領域へ到達した遊技球である有効球を検知する有効球検知手段」に相当する。
したがって、引用発明の構成aは、本願補正発明の構成A2に相当する構成を備える。

(A4)引用発明の構成fの「低確払出個数」が本願補正発明の「前記遊技機から通常遊技時に払出された賞球の総数」に相当することは、技術常識から明らかである。
引用発明が構成fの「低確払出個数」を計数する手段を備えていることは自明であって、当該手段は、本願補正発明の「前記遊技機から通常遊技時に払出された賞球の総数を計数する通常時賞球計数手段」に相当する。
したがって、引用発明は、本願補正発明の構成A4に相当する構成を備える。

(A5)引用発明の構成fの「低確アウト個数」が本願補正発明の「通常遊技時における有効球の総数」に相当することは、技術常識から明らかである。
引用発明が構成fの「低確アウト個数」を計数する手段を備えていることは自明であって、当該手段は、本願補正発明の「通常遊技時における有効球の総数を計数する通常時有効球計数手段」に相当する。
したがって、引用発明は、本願補正発明の構成A5に相当する構成を備える。

(A6)引用発明は、構成dにおいて「初回電源投入(RWMオール初期化)から全遊技状態のアウト個数(以下、「総アウト個数」)の計測を開始する」ものであるところ、当該計測を行う手段は、本願補正発明の「全ての遊技状態における有効球の総数を計数する全状態時有効球計数手段」に相当する。
したがって、引用発明は、本願補正発明の構成A6に相当する構成を備える。

(A9)引用発明の構成fの「「(低確払出個数÷低確アウト個数)×100」で計算し」た「数値」は、本願補正発明の「前記通常遊技時における有効球の総数に対する前記通常遊技時における前記賞球の総数の割合を示すベース値」に相当する。
引用発明が上記「数値」を「計算」する手段を備えていることは自明であり、当該手段は、本願補正発明の「前記通常遊技時における有効球の総数に対する前記通常遊技時における前記賞球の総数の割合を示すベース値を計数するベース値計数手段」に相当する。
したがって、引用発明は、本願補正発明の構成A9に相当する構成を備える。

(A10)引用発明は、構成eにおいて「低確率時かつ時短無時のベースをリアルタイムに計算して表示する」ために、「リアルタイムに計測し」た「低確率時かつ時短無時のベース」又はベースを特定し得る情報を記憶する手段を備えていることは自明であって、当該手段は、本願補正発明の「前記ベース値計数手段によって計数されたベース値を特定し得るベース値情報を記憶するベース値記憶手段」に相当する。
また、引用発明は、構成eにおいて
「・(n−3)回目計測の識別セグ「bL.」の比率セグ最終値をXXとして保存する。
・(n−2)回目計測の識別セグ「bL.」の比率セグ最終値をYYとして保存する。
・(n−1)回目計測の識別セグ「bL.」の比率セグ最終値をZZとして保存する。」
ものであるところ、(n−3)、(n−2)、(n−1)回目計測の「識別セグ「bL.」の比率セグ最終値」は、本願補正発明の「前記ベース値計数手段によって計数されたベース値を特定し得るベース値情報」に相当し、引用発明が、(n−3)、(n−2)、(n−1)回目計測の「識別セグ「bL.」の比率セグ最終値」をそれぞれXX、YY、ZZとして保存する手段を備えることは自明であって、当該手段は、本願補正発明の「前記ベース値計数手段によって計数されたベース値を特定し得るベース値情報を記憶するベース値記憶手段」に相当する。
したがって、引用発明は、本願補正発明の構成A10に相当する構成を備える。

(A11)引用発明の構成aの「表示器」は、本願補正発明の「表示手段」に相当する。

(A14)引用発明は、構成eにおいて「総アウト個数60000個毎にベースの計測を行」うものであり、このことは、本願補正発明の「前記ベース値は、所定の計数期間ごとに計数され」ることに相当する。
したがって、引用発明は、本願補正発明の構成A14に相当する構成を備える。

(A15)引用発明の構成bの「識別セグ「bL.」」が示す「全遊技状態のアウト60000個毎の低確時短無時のベース(計測中のリアルタイム値)」は、本願補正発明の「今回の計数期間におけるベース値である第1ベース値」に相当する。
引用発明の構成bの「識別セグ「b1.」」が示す「全遊技状態のアウト60000個毎の低確時短無時のベース(1回前60000個の累計値)」、「識別セグ「b2.」」が示す「全遊技状態のアウト60000個毎の低確時短無時のベース(2回前60000個の累計値)」、「識別子「b3.」」が示す「全遊技状態のアウト60000個毎の低確時短無時のベース(3回前60000個の累計値)」は、本願補正発明の「前回の計数期間から順に遡った複数の計数期間のそれぞれにおけるベース値である複数の第2ベース値」に相当する。
したがって、引用発明は、本願補正発明の構成A15に相当する構成を備える。

(A16)引用発明の「表示器」の「比率セグとして用いられ」る「右の二桁の数字及びドット」及び「識別セグとして用いられ」る「左の二桁の数字及びドット」は、それぞれ本願補正発明の「前記ベース値を表示するベース表示部」及び「前記ベース表示部に表示されている前記ベース値の識別子を表示する識別子表示部」に相当する。
したがって、引用発明は、本願補正発明の構成A16に相当する構成を備える。

(A17)上記(A10)で検討したように、引用発明は、「リアルタイムに計測し」た「低確率時かつ時短無時のベース」又はベースを特定し得る情報を記憶する手段を備えていることは自明であって、当該手段が「リアルタイムに計測し」た「低確率時かつ時短無時のベース」又はベースを特定し得る情報を記憶することは、本願補正発明の「前記ベース値記憶手段には、前記第1ベース値を特定し得るベース値情報」「が記憶可能であ」ることに相当する。
上記(A10)で検討したように、引用発明が、(n−3)、(n−2)、(n−1)回目計測の「識別セグ「bL.」の比率セグ最終値」をそれぞれXX、YY、ZZとして保存する手段を備えることは自明であって、当該手段が、(n−3)、(n−2)、(n−1)回目計測の「識別セグ「bL.」の比率セグ最終値」をそれぞれXX、YY、ZZとして保存することは、本願補正発明の「前記ベース値記憶手段には」、「前記複数の第2ベース値のそれぞれを特定し得るベース値情報」「が記憶可能であ」ることに相当する。
したがって、引用発明は、本願補正発明の構成A17に相当する構成を備える。

(A18)引用発明の構成eの「比率セグは低確率時かつ時短無時のベースをリアルタイムに計算して表示する」ことは、本願補正発明の「前記ベース表示部には、前記第1ベース値」「が表示され」ることに相当する。
引用発明の構成eの「比率セグは保存したZZを表示する」こと、「比率セグは保存したYYを表示する」こと、及び「比率セグは保存したXXを表示する」ことは、本願補正発明の「前記ベース表示部には」、「前記複数の第2ベース値」「が表示され」ることに相当する。
したがって、引用発明は、本願補正発明の構成A18に相当する構成を備える。

(A19)引用発明の「全遊技状態のアウト60000個毎の低確時短無時のベース(計測中のリアルタイム値)」を示す「識別セグ「bL.」」は、本願補正発明の「前記第1ベース値」に相当する。
引用発明の「全遊技状態のアウト60000個毎の低確時短無時のベース(1回前60000個の累計値)」を示す「識別セグ「b1.」」、「全遊技状態のアウト60000個毎の低確時短無時のベース(2回前60000個の累計値)」を示す「識別セグ「b2.」、及び「全遊技状態のアウト60000個毎の低確時短無時のベース(3回前60000個の累計値)」を示す「識別子「b3.」は、本願補正発明の「前記第2ベース値を識別する第2識別子」に相当する。
したがって、引用発明は、本願補正発明の構成A19に相当する構成を備える。

(A22)引用発明の構成eの「n回目の総アウト個数が60000個に達するまでの区間において」、「識別セグ「bL.」は低確アウト個数が0〜5999は点滅、低確アウト個数が6000以上は点灯」することは、本願補正発明の「前記表示手段では、前記全状態時有効球計数手段で計数されている有効球の総数に応じて定めたタイミングで表示態様が変更される」ことに相当する。
したがって、引用発明の構成eは、本願補正発明の構成A22と「前記表示手段では、前記全状態時有効球計数手段で計数されている有効球の総数に応じて定めたタイミングで表示態様が変更される」点で共通する。

以上によれば、本願補正発明と引用発明は、以下の一致点で一致し、以下の相違点で相違する。

(一致点)
「A1’ 遊技機において、
A2 発射手段によって打ち出された遊技球のうち、遊技領域へ到達した遊技球である有効球を検知する有効球検知手段と、
A4 前記遊技機から通常遊技時に払出された賞球の総数を計数する通常時賞球計数手段と、
A5 通常遊技時における有効球の総数を計数する通常時有効球計数手段と、
A6 全ての遊技状態における有効球の総数を計数する全状態時有効球計数手段と、
A9 前記通常遊技時における有効球の総数に対する前記通常遊技時における前記賞球の総数の割合を示すベース値を計数するベース値計数手段と、
A10 前記ベース値計数手段によって計数されたベース値を特定し得るベース値情報を記憶するベース値記憶手段と、
A11 表示手段と、
と、を備え、
A14 前記ベース値は、所定の計数期間ごとに計数され、
A15 前記ベース値には、今回の計数期間におけるベース値である第1ベース値と、前回の計数期間から順に遡った複数の計数期間のそれぞれにおけるベース値である複数の第2ベース値と、があり、
A16 前記表示手段は、前記ベース値を表示するベース表示部と、前記ベース表示部に表示されている前記ベース値の識別子を表示する識別子表示部と、を有し、
A17 前記ベース値記憶手段には、前記第1ベース値を特定し得るベース値情報と、前記複数の第2ベース値のそれぞれを特定し得るベース値情報と、が記憶可能であり、
A18 前記ベース表示部には、前記第1ベース値と、前記複数の第2ベース値と、が表示され、
A19 前記識別子には、前記第1ベース値を識別する第1識別子と前記第2ベース値を識別する第2識別子と、があり、
A22’ 前記表示手段では、前記全状態時有効球計数手段で計数されている有効球の総数に応じて定めたタイミングで表示態様が変更される
A35 遊技機。」

(相違点1)[構成A1、A3]
本願補正発明が、「大入賞口と当該大入賞口とは異なる複数の入賞口とを備え、前記大入賞口へ遊技球が入球した場合には1球の入球に対して所定個数の賞球の払出しが行われるとともに、前記入賞口へ遊技球が入球した場合には1球の入球に対して入賞口毎に定められた個数の賞球の払出しが行われる遊技機」であり、「有効球のうち、前記入賞口へ入球した遊技球を検知する入球検知手段」を備えるのに対して、引用発明の「遊技機」が当該構成を備えることが特定されていない点。

(相違点2)[構成A7〜A8]
本願補正発明が
「前記全状態時有効球計数手段で計数されている有効球の総数が所定数に達したときの前記通常時賞球計数手段で計数されている前記賞球の総数を記憶する賞球記憶手段と、
前記全状態時有効球計数手段で計数されている有効球の総数が所定数に達したときの前記通常時有効球計数手段で計数されている有効球の総数を記憶する有効球記憶手段」
を備えるのに対して、引用発明がこれらの手段を備えることが特定されていない点。

(相違点3)[構成A12〜A13]
本願補正発明が
「大当り確率を定めた設定情報を設定する設定手段と、
前記設定手段が前記設定情報を設定する契機を与える設定契機手段」
を備えるのに対して、引用発明がこれらの手段を備えることが特定されていない点。

(相違点4)[構成A20〜A21]
「表示手段」が、本願補正発明では「前記設定情報を表示する設定情報表示部として兼用されており」、「前記遊技機に電源が投入されている電源投入期間において前記設定情報が表示されている設定情報表示期間は前記ベース値が非表示とされ、前記設定情報表示期間を除く期間は前記ベース値が所定の表示態様で表示されて」いるのに対して、引用発明では、当該構成を備えることが特定されていない点。

(相違点5)[構成A22]
「表示手段で」「前記全状態時有効球計数手段で計数されている有効球の総数に応じて定めたタイミングで表示態様が変更され」るところ、「その変更のタイミングで」、本願補正発明では、「前記表示態様を変更することが報知され」ないのに対して、引用発明では、「表示態様を変更することが報知され」ないのか明らかでない点。

(相違点6)[構成A23、A25」
本願補正発明は、「前記設定情報の設定を許容する第1モードと、前記設定情報として現在の設定情報を報知する第2モードと、を有し」(構成A23)、
「前記第1モードへ移行する条件と前記第2モードへ移行する条件のそれぞれには前記遊技機の電源が投入されるときに前記設定契機手段を第1態様で操作することを含」(構成A25)むのに対して、引用発明は、当該構成を有することが特定されていない点。

(相違点7)[構成A24、A28]
本願補正発明は、「前記第1モードであることの報知と前記第2モードであることの報知をそれぞれ行うことが可能であって、各報知は変動ゲームにおいて図柄を表示する図柄表示手段で行われ、当該各報知において前記図柄表示手段には大当り図柄の表示パターンとは異なる表示パターンが表示されるとともに、前記第1モードである場合の前記図柄表示手段の表示パターンと前記第2モードである場合の前記図柄表示手段の表示パターンが異なり」(構成A24)、
「前記図柄表示手段では、前記第1モードの終了を契機に前記第1モードであることの報知が前記図柄の表示に切り替わり、前記第2モードの終了を契機に前記第2モードであることの報知が前記図柄の表示に切り替わ」(構成A28)るのに対して、引用発明では、当該構成を有することが特定されていない点。

(相違点8)[構成A26〜A27]
本願補正発明は、「前記第1モードの移行中に前記設定契機手段が前記第1態様とは異なる第2態様で操作された場合には前記第1モードが終了し、前記設定契機手段が前記第2態様で操作されたことを契機に前記表示手段には前記遊技機への電力供給が停止した際に表示されていた前記ベース値の表示が復帰し」(構成A26)、
「前記第2モードの移行中に前記設定契機手段が前記第2態様で操作された場合には前記第2モードが終了し、前記設定契機手段が前記第2態様で操作されたことを契機に前記表示手段には前記電力供給が停止した際に表示されていた前記ベース値の表示が復帰」(構成A27)するのに対して、引用発明の「遊技機」は、当該構成を有することが特定されていない点。

(相違点9)[構成A29〜A30]
本願補正発明の「遊技機」は、「予め定めた事項について遊技者によるカスタマイズが可能なカスタマイズ機能を有し、
前記カスタマイズは、前記ベース値に関係なく行うことができるとともに、前記表示手段が前記第1ベース値を表示する第1表示状態と前記第2ベース値を表示する第2表示状態とが切り替わることによる表示態様の変更時であっても行うことができ」るのに対して、引用発明の「遊技機」は、カスタマイズ機能を有することが特定されていない点。

(相違点10)[構成A31]
本願補正発明では、「前記図柄表示手段に前記図柄を表示する制御は、前記表示手段が前記第1ベース値を表示する第1表示状態と前記第2ベース値を表示する第2表示状態とが切り替わることによる表示態様の変更時であっても行うことができ」るのに対して、引用発明が当該事項を備えているか明らかでない点。

(相違点11)[構成A32〜A33]
本願補正発明では、「前記ベース値の計数に関する制御は、前記設定情報の設定を許容する前記第1モードを経由しても経由しなくても同一制御が行われ、
前記ベース値の表示に関する制御は、前記設定情報の設定を許容する前記第1モードを経由しても経由しなくても同一制御が行われ」るのに対して、引用発明では、当該制御が行わることが特定されていない点。

(相違点12)[構成A34]
本願補正発明では、「前記ベース値計数手段は、前記第1モードへ移行しているとき及び前記第2モードへ移行しているときには前記ベース値を計数しない」のに対して、引用発明では当該構成を有することが特定されていない点。

(4)判断
ア 相違点1について検討する。
引用文献1の技術資料を作成した日本遊技機工業組合は、主にパチンコ遊技機の製造業者によって構成される組合であるから、引用発明の「遊技機」がパチンコ遊技機であることは明らかである。
本願補正発明の構成A1の「大入賞口と当該大入賞口とは異なる複数の入賞口とを備え、前記大入賞口へ遊技球が入球した場合には1球の入球に対して所定個数の賞球の払出しが行われるとともに、前記入賞口へ遊技球が入球した場合には1球の入球に対して入賞口毎に定められた個数の賞球の払出しが行われる」ことは、パチンコ遊技機において、周知慣用の技術であり、例えば、引用文献5の【0218】〜【0220】には、「大入賞口40」(本願補正発明の構成A1の「大入賞口」に相当。)、「上始動口34」、「下始動口35」及び「一般入賞口43」(本願補正発明の構成A1の「複数の入賞口」に相当。)が配設されること、「上始動口34」、「下始動口35」及び「一般入賞口43」の内部に「入賞球を検出する特別図柄始動口センサ」及び「遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ」(以上、本願補正発明の構成A3の「有効球のうち、前記入賞口へ入球した遊技球を検知する入球検知手段」に相当。)が設けられることが記載され、引用文献6の【0029】、【0032】、【0035】、【0036】、【0048】には、「第1大入賞口15、第2大入賞口16」(本願補正発明の構成A1の「大入賞口」に相当。)、「第1始動口13、第2始動口14」及び「普通入賞口」(本願補正発明の構成A1の「複数の入賞口」に相当。)、遊技球が第1始動口13、第2始動口、普通入賞口に入賞したことを検知する「第1始動口スイッチ36」、「第2始動口スイッチ37」及び「普通入賞口スイッチ38」(本願補正発明の構成A3の「有効球のうち、前記入賞口へ入球した遊技球を検知する入球検知手段」に相当。)が設けられること、「入賞した入賞口に応じて所定球数の払い出しを行う」ことが記載されている。
引用発明において、相違点1に係る本願補正発明の構成A1及び構成A3とすることは、周知慣用の技術の適用にすぎない。

イ 相違点2について検討する。
引用発明は、(n−3)、(n−2)、(n−1)回目計測の識別セグ「bL.」の比率セグ最終値をそれぞれXX、YY、ZZとして保存して、n回目の計測を開始し、n回目の総アウト個数が60000個に達するまでの区間において、保存したZZ、YY、XXを表示するものであるところ、比率セグ最終値を保存するのは、n回目の計測を開始してから、比率セグ最終値を表示するためであることは明らかである。
引用発明において、比率セグ最終値は、「(低確払出個数÷低確アウト個数)×100」で計算されるものであるから、比率セグ最終値を表示するための方法として、「比率セグ最終値」を保存して表示しても、「低確払出個数」及び「低確アウト個数」を保存し、保存した「低確払出個数」及び「低確アウト個数」から「比率セグ最終値」を計算して表示してもよいことは明らかであり、いずれの方法によって「比率セグ最終値」を表示するかは、発明の実施にあたって、当業者が適宜決定しうる設計的事項であり、後者の方法を選択することに格別の困難はない。
また、複数の検知装置の出力に基づいて計算を行う場合、当該計算の元データとなる複数の検知装置の出力がそれぞれ適切であるか必要に応じて確認できるように、複数の検知装置のそれぞれの出力を保存しておくことは、分野を問わず利用可能であることが自明な常套手段であり、複数の検知装置の出力を、必要に応じてその他の計算にも用いることができるように保存しておくことも、分野を問わず利用可能であることが自明な常套手段である。
引用発明において、「比率セグ最終値」の元データの確認を可能とする観点から、また必要に応じて、「比率セグ最終値」とは別のデータの算出を可能とする観点から、「比率セグ最終値」とともに、「比率セグ最終値」の計算に用いられる「低確払出個数」及び「低確アウト個数」もあわせて保存しておくか否かは、発明の実施にあたって当業者が適宜決定しうる設計的事項であり、前者を選択することに格別の困難はない。
そして、引用発明において、「総アウト個数60000個毎に」行われる「ベースの計測」の「n回目の計測を開始し」、「n回目の総アウト個数が60000個に達するまでの区間において」、「低確払出個数」を保存する手段及び「低確アウト個数」を保存する手段は、それぞれ、本願補正発明の「前記全状態時有効球計数手段で計数されている有効球の総数が所定数に達したときの前記通常時賞球計数手段で計数されている前記賞球の総数を記憶する賞球記憶手段」及び「前記全状態時有効球計数手段で計数されている有効球の総数が所定数に達したときの前記通常時有効球計数手段で計数されている有効球の総数を記憶する有効球記憶手段」に相当する。
したがって、引用発明において、「総アウト個数60000個毎に」行われる「ベースの計測」の「n回目の計測を開始し」、「n回目の総アウト個数が60000個に達するまでの区間において」、「低確払出個数」を保存する手段及び「低確アウト個数」を保存する手段を設けることとし、相違点2に係る本願補正発明の構成A7及びA8とすることは、当業者が容易に想到できたことである。

ウ 相違点3について検討する。
引用文献4記載事項の「設定スイッチ」が本願補正発明の「大当り確率を定めた設定情報を設定する設定手段」に相当するものであることは、技術常識から明らかである。また、引用文献5の【0042】に記載の「確率設定変更モードにおいて」「内部抽選の当選確率(払い出し率)の確率設定値を変更するための設定スイッチとして機能する」「リセットスイッチ602」も、本願補正発明の「大当り確率を定めた設定情報を設定する設定手段」に相当するものである。
引用文献2に記載の「設定変更及び設定確認を開始するために使用する設定開始スイッチ」及び引用文献4に記載の「設定キー」は、本願補正発明の「前記設定手段が前記設定情報を設定する契機を与える設定契機手段」に相当するものである。
引用発明と引用文献2、引用文献4及び引用文献5に記載の技術は、いずれも遊技機の技術分野に属するものであるから、引用発明に引用文献2、引用文献4及び引用文献5に記載の技術を適用して、「設定スイッチ」及び「設定キー」を設け、相違点3に係る本願補正発明の構成A12及びA13とすることは、当業者が容易に想到できたことである。

エ 相違点4について検討する。
引用文献2及び引用文献3に記載の「性能表示モニタ」は、ベース値を表示するものであることは、技術常識から明らかであるから、引用文献2及び引用文献3には、設定値を表示する表示器について、ベース値を表示する性能表示モニタと兼用することが記載されているといえる。また、引用文献4の「設定確認タイムチャート(案)」及び「設定変更タイムチャート(案)」には、「性能表示モニタ」について「表示 設定値」の期間と「表示 ベース値」の期間が示されていることから、「性能表示モニタ」が「設定値」と「ベース値」の表示を兼用するものであると認められる。
さらに、引用文献2には、「設定変更状態及び設定確認状態の限られた時間のみ性能表示モニタを設定値の表示用として使用するため、当該状態を終了させれば性能表示モニタは直ぐに性能表示を行」うことが記載され、また、引用文献4には、「設定確認タイムチャート(案)」及び「設定変更タイムチャート(案)」において、「電源ON」の後、「遊技状態」が「設定確認中」及び「設定確認終了中」又は「設定変更中」及び「設定変更終了中」の期間は、「性能表示モニタ」は「表示 設定値」であり、その後、「遊技状態」が「通常遊技中」の期間は、「性能表示モニタ」は「表示 ベース値」であることが示されていることから、引用文献2及び引用文献4には、「性能表示モニタ」は、「電源ON」の後の「設定値」が表示されている期間は、「性能表示」すなわちベース値の表示が行われず、「設定値」が表示されている期間が終了すれば、直ぐに性能表示すなわちベース値の表示を行うことが記載されている。
引用発明と引用文献2ないし引用文献4に記載の技術は、いずれも遊技機の技術分野に属するものであるから、引用発明において、引用文献2ないし引用文献4に記載のように、表示器が「設定値」と「ベース値」の表示を兼用するものとし、「性能表示モニタ」は、「電源ON」の後の「設定値」が表示されている期間は、「性能表示」すなわちベース値の表示が行われず、「設定値」が表示されている期間が終了すれば、直ぐに性能表示すなわちベース値の表示を行うこととして、相違点4に係る本願補正発明の構成A20及びA21とすることは、当業者が容易に想到できたことである。

オ 相違点5について検討する。
引用発明は、「n回目の総アウト個数が60000個に達するまでの区間において」、「識別セグ「bL.」は低確アウト個数が0〜5999は点滅、低確アウト個数が6000以上は点灯」するものであるところ、「識別セグ「bL.」が「点滅」から「点灯」に表示態様が変更することを報知することの明示もなく、また、報知する必要はなく、報知すべき特段の事情も存在しないことから、当該報知を行わないこととして、相違点5に係る本願補正発明の構成A22とすることは、当業者が容易に想到できたことである。

カ 相違点6について検討する。
引用文献4記載事項の遊技状態が「設定変更中」である状態及び「設定確認中」である状態は、それぞれ本願補正発明の構成A23の「前記設定情報の設定を許容する第1モード」及び「前記設定情報として現在の設定情報を報知する第2モード」に相当する。よって、引用文献4記載事項は、本願補正発明の構成A23に相当する構成を含む。
引用文献4記載事項の「設定キーをONにして、RWMクリアスイッチ及び電源をONにする」こと、及び「設定キーをON、RWMクリアスイッチをOFFにして、電源をONにする」ことは、それぞれ本願補正発明の構成A25の「前記第1モードへ移行する条件」及び「前記第2モードへ移行する条件」に相当する。引用文献4記載事項の「設定キーをONにして、RWMクリアスイッチ及び電源をONにする」こと、及び「設定キーをON、RWMクリアスイッチをOFFにして、電源をONにする」ことは、それぞれ「電源をONにする」ときに「設定キーをON」にすることを含んでおり、このことは、本願補正発明の構成A25の「前記第1モードへ移行する条件と前記第2モードへ移行する条件のそれぞれには前記遊技機の電源が投入されるときに前記設定契機手段を第1態様で操作することを含」むことに相当する。よって、引用文献4記載事項は、本願補正発明の構成A25に相当する構成を含む。
引用発明と引用文献4記載事項は、ベース値を表示する表示器(引用文献4記載事項においては「性能表示モニタ」)を備えた遊技機である点で共通の技術分野に属し、引用発明において、設定値の確認及び変更ができることが望ましいことは自明であるから、引用発明において、引用文献4記載の事項を適用して相違点6に係る本願補正発明の構成A23及び構成A25とすることは、当業者が容易に想到できたことである。

キ 相違点7について検討する。
引用文献5記載事項の「設定変更中」であること、「設定確認中」であること、及び「装飾図柄表示手段として働」く「液晶表示装置36」は、それぞれ本願補正発明の構成24の「第1モードであること」、「第2モードであること」及び「変動ゲームにおいて図柄を表示する図柄表示手段」に相当する。
引用文献5記載事項の「装飾図柄表示手段として働き、左右方向に3個の装飾図柄を各種の演出画像と共に変動表示可能であ」る「液晶表示装置36」は、大当り図柄を表示するときに、「左右方向に」表示される「3個の装飾図柄」としてそれぞれ同じ図柄を表示することが一般的であるから、「演出制御部24側」に「設定変更中コマンド」又は「設定確認中コマンド」が送信されたときには、「設定演出表示手段である液晶表示装置36に」表示される「設定変更中」又は「設定確認中」「等のメッセージによる報知画像」において、「液晶表示装置36」が大当り図柄を表示するときの表示パターンとは異なる表示パターンが表示されるとともに、「設定変更中」の「メッセージによる報知画像」の表示パターンと「設定確認中」の「メッセージによる報知画像」の表示パターンは異なるものであるといえる。したがって、引用文献5記載事項は、本願補正発明の構成A24の構成を含む。
引用文献5記載事項において、「設定変更中」又は「設定確認中」の状態が終了すると、遊技状態になること、「液晶表示装置36」は、遊技状態において、「装飾図柄表示手段として働き、左右方向に3個の装飾図柄を各種の演出画像と共に変動表示可能であ」るものであることは技術常識から明らかであるから、「液晶表示装置36」では、「設定変更中」又は「設定確認中」の状態が終了すると、「設定変更中」又は「設定確認中」「等のメッセージによる報知画像」が、「各種の演出画像と共に変動表示可能」な「3個の装飾図柄」に切り替わると認められ、このことは、本願補正発明の構成A28の「「前記図柄表示手段では、前記第1モードの終了を契機に前記第1モードであることの報知が前記図柄の表示に切り替わり、前記第2モードの終了を契機に前記第2モードであることの報知が前記図柄の表示に切り替わ」ることに相当し、引用文献5記載事項は、本願補正発明の構成A28に相当する構成を含む。
上記アで検討したように、引用発明の「遊技機」がパチンコ遊技機であることは明らかであり、パチンコ遊技機が装飾図柄表示手段を備えることは技術常識である。引用発明と引用文献5記載事項は、いずれもパチンコ遊技機という共通の技術分野に属しており、引用発明において、設定変更と設定確認を可能とし、「設定変更中」及び「設定確認中」である旨を報知可能であることが望ましいことは自明であるから、引用発明において、引用文献5記載事項を適用し、相違点7に係る本願補正発明の構成A24及び構成A28とすることは、当業者が容易に想到できたことである。

ク 相違点8について検討する。
引用文献4記載事項の「遊技状態が」、「「設定変更中」となり、その後、設定キーをOFFとすると、遊技状態が「設定変更終了中」の後に「通常遊技中」となり」、「遊技状態が「通常遊技中」の間は、性能表示モニタは「ベース値」を表示」することは、本願補正発明の構成A26の「前記第1モードの移行中に前記設定契機手段が前記第1態様とは異なる第2態様で操作された場合には前記第1モードが終了し、前記設定契機手段が前記第2態様で操作されたことを契機に前記表示手段には」「前記ベース値の表示が復帰」することに相当する。
引用文献4記載事項の「遊技状態が」、「「設定確認中」となり、その後、設定キーをOFFとすると、遊技状態が「設定確認終了中」の後に「通常遊技中」となり」、「遊技状態が「通常遊技中」の間は、性能表示モニタは「ベース値」を表示」することは、本願補正発明の構成A27の「前記第2モードの移行中に前記設定契機手段が前記第2態様で操作された場合には前記第2モードが終了し、前記設定契機手段が前記第2態様で操作されたことを契機に前記表示手段には」「前記ベース値の表示が復帰」することに相当する。
引用発明と引用文献4記載事項は、ベース値を表示する表示器(引用文献4記載事項においては「性能表示モニタ」)を備えた遊技機である点で共通の技術分野に属し、引用発明において、設定値の確認及び変更ができることが望ましいことは自明であるから、引用発明において、引用文献4記載の事項を適用することは、当業者が容易に想到できたことであり、その場合、遊技状態が「設定変更中」又は「設定確認中」のいずれの状態において「設定キーをOFF」として、遊技状態が「通常遊技中」となったときに性能表示モニタ(引用発明における「表示器」)に表示される「ベース値」は、引用発明の構成fによれば、「電源再投入では、計測に必要なRWMは0クリア」しないことから、電源をOFFにしたときに表示されていたベース値と同じであると認められ、このことは、本願補正発明の構成A26及び構成27における「前記設定契機手段が前記第2態様で操作されたことを契機に前記表示手段には前記遊技機への電力供給が停止した際に表示されていた前記ベース値の表示が復帰」することに相当する。
したがって、引用発明及び引用発明4記載事項から、相違点8に係る本願補正発明の構成A26及び構成A27に係る構成とすることは、当業者が容易に想到できたことである。

ケ 相違点9について検討する。
上記(2−6)における周知技術1の「遊技機において、通常遊技中に遊技者による操作に基づいて音量レベルを変更すること」は、本願補正発明の構成A29の「予め定めた事項について遊技者によるカスタマイズが可能なカスタマイズ機能を有」することに相当するものである。
そして、引用発明において、通常遊技中に遊技者による操作に基づいて音量レベルを変更可能であることが望ましいことは自明である。
そうすると、引用発明において、周知技術1を適用して、遊技者による操作に基づいて音量レベルを変更するよう構成することは、当業者が容易になしえたことである。そのように構成する際に、「音量レベルの変更」が行えなくなる時期的制限が少ないことが望ましいことは自明であり、「音量レベルの変更」と引用発明の「ベース値の表示」は、互いに関係のない量(値)の処理であるから、音量レベルの変更を、ベース値やベース値の表示によって制限すべき事情はなく、遊技者による操作に基づく音量レベルの変更を、ベース値に関係なく行うことができ、また「「bL.」「b1.」「b2.」「b3.」の表示切換え」が行われるときにも行えることできるように構成して、相違点9に係る本願発明の構成A29及び構成A30とすることは当業者が容易に想到できたことである。

コ 相違点10について検討する。
上記キで検討したように、引用発明の「遊技機」がパチンコ遊技機であることは明らかであり、パチンコ遊技機が装飾図柄表示手段を備えることは技術常識である。引用発明において、当該装飾図柄表示手段に図柄を表示する制御が、「「bL.」「b1.」「b2.」「b3.」の表示切換え」によって妨げられる事情はなく、「「bL.」「b1.」「b2.」「b3.」の表示切換え」が行われるときにも、上記制御が行われるものと認められ、少なくとも、そのように構成することに何の困難もない。
したがって、相違点10は実質的な相違点ではなく、少なくとも当業者が引用発明から容易に想到できたことである。

サ 相違点11について検討する。
上記カにおいて検討したように、引用発明に引用文献4記載事項を適用した場合、引用発明の「比率セグに表示される数値」を「「(低確払出個数÷低確アウト個数)×100」で計算」する制御、及び当該計算によって得られた数値を「比率セグに表示」する制御は、引用文献4記載事項の「設定変更中」である遊技状態に基づいて行われる制御ではないから、上記の各制御を、引用文献4記載事項の「設定変更中」である遊技状態となったか否かに関わらず同一の制御であると認められ、このことは、相違点11に係る本願補正発明の構成A32及び構成A33の「前記ベース値の計数に関する制御は、前記設定情報の設定を許容する前記第1モードを経由しても経由しなくても同一制御が行われ、
前記ベース値の表示に関する制御は、前記設定情報の設定を許容する前記第1モードを経由しても経由しなくても同一制御が行われ」ることに相当する。
したがって、相違点11に係る本願補正発明の構成A32及び構成A33は、引用発明及び引用文献4記載事項から、当業者が容易に想到できたことである。

シ 相違点12について検討する。
引用発明は、「正確なアウト個数または発射球数を計測するために、主制御基板に接続されたスイッチ等を設け」るものであり、引用文献4記載事項は、遊技状態が「設定確認中」又は「設定変更中」の間は、スイッチ状態は「設定装置に係るスイッチ以外無効」であることから、上記カにおいて検討したように、引用発明に引用文献4記載事項を適用した場合、遊技状態が「設定確認中」又は「設定変更中」の間は、「正確なアウト個数または発射球数を計測するために」設けられた「主制御基板に接続されたスイッチ」は、「設定装置に係るスイッチ」ではないため、「無効」であり、ベース値は計数されないと認められ、このことは、相違点12に係る本願補正発明の構成A34の「前記ベース値計数手段は、前記第1モードへ移行しているとき及び前記第2モードへ移行しているときには前記ベース値を計数しない」に相当する。
したがって、相違点12に係る本願補正発明の構成A34は、引用発明及び引用文献4記載事項から当業者が容易に想到できたことである。

(5)本願補正発明の効果について
本願補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献2、3に記載の事項、引用文献4記載事項、引用文献5記載事項、引用文献6等に記載の周知技術1が奏する作用効果や、遊技機の分野における周知の知見から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

(6)請求人の主張について
審判請求人は、令和3年11月4日提出の審判請求書において、以下の旨を主張する。
「(4)本願発明と引用文献との対比
令和3年8月3日付けの拒絶査定の備考欄で審査官殿は、令和3年5月24日付けで手続補正した請求項1に係る発明について「引用文献1〜4に開示された性能表示モニタは、全スイッチが有効である通常遊技中においてベース値を5.0秒ごとに切り替えて常に表示するものであるから、当該2つのベース値が切り替わる間も周知のカスタマイズ機能が有効であることは自明、あるいは当業者であれば自然に理解される事項である。」と認定されている。
この認定については、日本遊技機工業組合による性能表示モニタや設定変更装置の各仕様を記載した引用文献1〜4にカスタマイズに関して何ら言及されていない点を考えると自明あるいは自然に理解される事項であると言えるのかは疑問であるが、本願で特定したカスタマイズ機能が周知のカスタマイズ機能であるとの認定を考慮すれば審査官殿の認定も納得できるところもある。
しかし、本願発明1では、カスタマイズ機能に関する制御と図柄表示手段に図柄を表示する制御という異なる2つの制御がベース値に影響することなく行われることを特徴としている。このように、上記異なる2つの制御についてベース値に影響することなく行われることについては、上記引用文献1〜4に何ら言及されていないことは勿論のこと、引用文献5,7及び特開2017−196349号公報にも何ら言及されていない。
また、本願発明1では、上記に加え、ベース値の計数に関する制御、及びベース値の表示に関する制御についても、設定情報の設定に関わる制御との関係において前述したように特徴的構成を備えている。そして、本願発明1の特徴的構成は、引用文献1〜4に何ら言及されていないことは勿論のこと、引用文献5,7及び特開2017−196349号公報にも何ら言及されていない。
以上により、本願発明1は、審査官殿が引用した全ての引用文献に基づき当業者が容易に想到し得るものではない。また、審査官殿が引用した全ての引用文献に基づき想到される技術では、上記「3.本願発明が特許されるべき理由」の(1)欄で述べた本願発明1の作用効果は生じ得ず、本願発明1の作用効果は格別なものであると思料する。」

請求人の上記主張について検討する。「カスタマイズ機能に関する制御と図柄表示手段に図柄を表示する制御という異なる2つの制御がベース値に影響することなく行われること」(以下、「請求人主張の特徴的構成A」という。)は、上記相違点9及び相違点10に係る本願補正発明の構成A30及び構成A31に対応し、「ベース値の計数に関する制御、及びベース値の表示に関する制御について」の「設定情報の設定に関わる制御との関係」(以下、「請求人主張の特徴的構成B」という。)は、上記相違点11に係る本願補正発明の構成A32及び構成A33に対応するものである。請求人主張の特徴的構成A及び特徴的構成Bは、請求人の主張のように、引用文献1〜6(本審決における引用文献6は、請求人の主張における引用文献7に対応する。)に言及されていないが、それらに対応する上記相違点9〜11に係る本願補正発明の構成A30〜構成A33は、引用発明、周知技術1、引用文献4記載事項から、当業者が容易に想到できたものである。
したがって、請求人の上記主張を採用することはできない。

(7)独立特許要件についてのむすび
以上のように、本願補正発明は、引用発明、引用文献2、3に記載の事項、引用文献4記載事項、引用文献5記載事項、引用文献6等に記載の周知技術1、上記(4)ア及びウで検討したパチンコ遊技機における周知技術及び上記(4)イで検討した分野を問わず利用可能であることが自明な常套手段に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものである。

2−3 補正の適否のむすび
上記2−2(1)〜(7)より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1〜4に係る発明(そのうち、請求項1に係る発明を、以下、「本願発明」という。)は、令和3年5月24日提出の手続補正書の特許請求の範囲の請求項1〜4に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項1】
大入賞口と当該大入賞口とは異なる複数の入賞口とを備え、前記大入賞口へ遊技球が入球した場合には1球の入球に対して所定個数の賞球の払出しが行われるとともに、前記入賞口へ遊技球が入球した場合には1球の入球に対して入賞口毎に定められた個数の賞球の払出しが行われる遊技機において、
発射手段によって打ち出された遊技球のうち、遊技領域へ到達した遊技球である有効球を検知する有効球検知手段と、
有効球のうち、前記入賞口へ入球した遊技球を検知する入球検知手段と、
前記遊技機から通常遊技時に払出された賞球の総数を計数する通常時賞球計数手段と、
通常遊技時における有効球の総数を計数する通常時有効球計数手段と、
全ての遊技状態における有効球の総数を計数する全状態時有効球計数手段と、
前記全状態時有効球計数手段で計数されている有効球の総数が所定数に達したときの前記通常時賞球計数手段で計数されている前記賞球の総数を記憶する賞球記憶手段と、
前記全状態時有効球計数手段で計数されている有効球の総数が所定数に達したときの前記通常時有効球計数手段で計数されている有効球の総数を記憶する有効球記憶手段と、
前記通常遊技時における有効球の総数に対する前記通常遊技時における前記賞球の総数の割合を示すベース値を計数するベース値計数手段と、
前記ベース値計数手段によって計数されたベース値を特定し得るベース値情報を記憶するベース値記憶手段と、
表示手段と、
大当り確率を定めた設定情報を設定する設定手段と、
前記設定手段が前記設定情報を設定する契機を与える設定契機手段と、を備え、
前記ベース値は、所定の計数期間ごとに計数され、
前記ベース値には、今回の計数期間におけるベース値である第1ベース値と、前回の計数期間から順に遡った複数の計数期間のそれぞれにおけるベース値である複数の第2ベース値と、があり、
前記表示手段は、前記ベース値を表示するベース表示部と、前記ベース表示部に表示されている前記ベース値の識別子を表示する識別子表示部と、を有し、
前記ベース値記憶手段には、前記第1ベース値を特定し得るベース値情報と、前記複数の第2ベース値のそれぞれを特定し得るベース値情報と、が記憶可能であり、
前記ベース表示部には、前記第1ベース値と、前記複数の第2ベース値と、が表示され、
前記識別子には、前記第1ベース値を識別する第1識別子と前記第2ベース値を識別する第2識別子と、があり、
前記表示手段は、前記設定情報を表示する設定情報表示部として兼用されており、
前記表示手段では、前記遊技機に電源が投入されている電源投入期間において前記設定情報が表示されている設定情報表示期間は前記ベース値が非表示とされ、前記設定情報表示期間を除く期間は前記ベース値が所定の表示態様で表示されており、
前記表示手段では、前記全状態時有効球計数手段で計数されている有効球の総数に応じて定めたタイミングで表示態様が変更されるが、その変更のタイミングでは前記表示態様を変更することが報知されずに前記表示態様が変更され、
前記遊技機は、前記設定情報の設定を許容する第1モードと、前記設定情報として現在の設定情報を報知する第2モードと、を有し、
前記遊技機は、前記第1モードであることの報知と前記第2モードであることの報知をそれぞれ行うことが可能であって、各報知は変動ゲームにおいて図柄を表示する図柄表示手段で行われ、当該各報知において前記図柄表示手段には大当り図柄の表示パターンとは異なる表示パターンが表示されるとともに、前記第1モードである場合の前記図柄表示手段の表示パターンと前記第2モードである場合の前記図柄表示手段の表示パターンが異なり、
前記第1モードへ移行する条件と前記第2モードへ移行する条件のそれぞれには前記遊技機の電源が投入されるときに前記設定契機手段を第1態様で操作することを含み、
前記第1モードの移行中に前記設定契機手段が前記第1態様とは異なる第2態様で操作された場合には前記第1モードが終了し、前記設定契機手段が前記第2態様で操作されたことを契機に前記表示手段には前記遊技機への電力供給が停止した際に表示されていた前記ベース値の表示が復帰し、
前記第2モードの移行中に前記設定契機手段が前記第2態様で操作された場合には前記第2モードが終了し、前記設定契機手段が前記第2態様で操作されたことを契機に前記表示手段には前記電力供給が停止した際に表示されていた前記ベース値の表示が復帰し、
前記遊技機は、予め定めた事項について遊技者によるカスタマイズが可能なカスタマイズ機能を有し、
前記カスタマイズは、前記ベース値に関係なく行うことができるとともに、前記表示手段が前記第1ベース値を表示する第1表示状態と前記第2ベース値を表示する第2表示状態とが切り替わることによる表示態様の変更時であっても行うことができる遊技機。
【請求項2】
前記遊技機は、主基板と、前記主基板から一方向に情報が送信される副基板と、を備えており、
前記主基板には、管理番号が付されており、
前記表示手段は、前記管理番号以外の情報を表示する表示部と重ならない位置に配置されている請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記遊技機は、主基板と、前記主基板から一方向に情報が送信される副基板と、を備えており、
前記主基板には、管理番号が付されており、
前記表示手段は、前記管理番号の表示部と重ならない位置に配置されている請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
前記遊技機は、主基板と、前記主基板から一方向に情報が送信される制御基板と、前記主基板と双方向に情報が送信される制御基板と、を備え、
前記表示手段は、前記主基板と双方向に情報が送信される制御基板に配置されている請求項1に記載の遊技機。」

2 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由の概要は、次のとおりである。

1.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

●理由1(特許法第29条第2項)について
・請求項 1
・引用文献等 1−5、7

・請求項 2−3
・引用文献等 1−5、7

・請求項 4
・引用文献等 1−5、7、特開2017−196349号公報

<引用文献等一覧>
1.「性能表示モニタの搭載要件(Ver.107)」,日本,日本遊技機工業組合,2017年11月 9日
2.「設定値を表示する表示器について(案)」,日本,日本遊技機工業組合,2017年 8月 4日
3.「設定変更装置の搭載について」,日本,日本遊技機工業組合,2017年10月18日
4.「設定確認タイムチャート(案)/設定変更タイムチャート(案)/RWM異常時遊技停止タイムチャート(案)/不正防止に関する外部端子版から出力する信号及び報知仕様の統一」,日本,日本遊技機工業組合,2017年10月 5日
5.特開2013−22221号公報
7.特開2015−139470号公報(新たに引用された文献;周知技術を示す文献)

3 引用文献に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1〜5、7は、それぞれ上記「第2[理由]2−2(2)」における引用文献1〜6に対応するものであって、それらの記載事項及び引用発明の認定は、上記「第2[理由]2−2(2)引用文献」に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、上記「第2[理由]2−1 補正の目的及び新規事項について」で検討したように、
本願補正発明を特定するために必要な事項である「図柄表示手段」による「図柄の表示」及び「第1モードであることの報知と第2モードであることの報知」に関して、「前記図柄表示手段では、前記第1モードの終了を契機に前記第1モードであることの報知が前記図柄の表示に切り替わり、前記第2モードの終了を契機に前記第2モードであることの報知が前記図柄の表示に切り替わ」るとの限定を省き、
同じく「図柄表示手段に図柄を表示する制御」に関して、「前記表示手段が前記第1ベース値を表示する第1表示状態と前記第2ベース値を表示する第2表示状態とが切り替わることによる表示態様の変更時であっても行うことができ」るとの限定を省き、
同じく「ベース値の計数に関する制御」及び「ベース値の表示に関する制御」に関して、「前記設定情報の設定を許容する前記第1モードを経由しても経由しなくても同一制御が行われ」るとの限定を省き、
同じく「ベース値計数手段」に関して、「前記第1モードへ移行しているとき及び前記第2モードへ移行しているときには前記ベース値を計数しない」との限定を省いたものである。

そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「第2[理由]2−2 独立特許要件(3)対比、(4)判断」において検討したとおり、引用発明、引用文献2、3に記載の事項、引用文献4記載事項、引用文献5記載事項、引用文献6等に記載の周知技術1、上記(4)ア及びウで検討したパチンコ遊技機における周知技術及び上記(4)イで検討した分野を問わず利用可能であることが自明な常套手段に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明、引用文献2、3に記載の事項、引用文献4記載事項、引用文献5記載事項、引用文献6等に記載の周知技術1、上記(4)ア及びウで検討したパチンコ遊技機における周知技術及び上記(4)イで検討した分野を問わず利用可能であることが自明な常套手段に基いて当業者が容易に発明できたものである。

5 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、本願は拒絶すべきである。

よって、結論のとおり審決する。
 
別掲 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
 
審理終結日 2022-06-02 
結審通知日 2022-06-07 
審決日 2022-06-21 
出願番号 P2020-096927
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 鉄 豊郎
特許庁審判官 北川 創
▲高▼橋 祐介
発明の名称 遊技機  
代理人 山本 実  
代理人 恩田 博宣  
代理人 恩田 誠  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ