• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H04N
審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 取り消して特許、登録 H04N
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04N
管理番号 1389163
総通号数 10 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-12-02 
確定日 2022-09-27 
事件の表示 特願2018−187069「動画像復号方法及び動画像符号化方法」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 2月28日出願公開、特開2019− 33508、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 本願は、2013年(平成25年)2月28日(優先権主張 2012年3月6日 米国(US))を国際出願日とする特願2014−503460号の一部を、平成30年10月2日に新たに特願2018−187069号として特許出願したものであり、その後の手続の経緯は以下のとおりである。

平成30年10月 2日 上申書の提出
令和 元年 9月10日付け 拒絶理由通知書
同年10月 9日 意見書、手続補正書の提出
令和 2年 2月27日付け 拒絶理由通知書
同年 8月 7日 意見書、手続補正書の提出
令和 3年 1月29日付け 拒絶理由通知書(最後)
同年 7月 8日 意見書、手続補正書の提出
同年 7月28日付け 補正の却下の決定、拒絶査定
同年12月 2日 拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提出

ここで、本願の請求項1ないし5に係る発明は、令和3年12月2日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された以下のとおりのものである。

「【請求項1】
復号対象ピクチャに含まれる復号対象ブロックを、動きベクトルを用いたインター予測復号する動画像復号方法であって、
前記復号対象ピクチャと異なる復号済みピクチャに含まれるブロックの動きベクトルである時間予測動きベクトルを用いる時間動きベクトル予測が用いられるか否かを示す第1のフラグをシーケンスパラメータセットから取得し、復号する第1のフラグ復号ステップと、
(A)前記第1のフラグが、前記時間動きベクトル予測が用いられることを示す場合、
前記時間動きベクトル予測が用いられるか否かを示す第2のフラグをスライスヘッダから取得し、復号する第2のフラグ復号ステップと、
(i)前記第2のフラグが、前記時間動きベクトル予測が用いられることを示す場合、
前記時間予測動きベクトルを算出するための第1のパラメータを復号するパラメータ復号ステップと、
前記第1のパラメータを用いて、前記時間予測動きベクトルを含む複数の第1の予測動きベクトル候補を導出する第1の候補導出ステップと、 前記複数の第1の予測動きベクトル候補のうち1つを用いて、前記復号対象ブロックのインター予測復号に用いられる動きベクトルを復号する第1の動きベクトル復号ステップと、
(ii)前記第2のフラグが、前記時間動きベクトル予測が用いられないことを示す場合、
前記時間予測動きベクトルを含まない複数の第2の予測動きベクトル候補を導出する第2の候補導出ステップと、
前記複数の第2の予測動きベクトル候補のうち1つを用いて、前記復号対象ブロックのインター予測復号に用いられる動きベクトルを復号する第2の動きベクトル復号ステップと、
(B)前記第1のフラグが、前記時間動きベクトル予測が用いられないことを示す場合、
前記第2のフラグ、及び、前記第1のパラメータを復号せず、前記時間予測動きベクトルを含まない複数の第3の予測動きベクトル候補を導出する第3の候補導出ステップと、
前記複数の第3の予測動きベクトル候補のうち1つを用いて、前記復号対象ブロックのインター予測復号に用いられる動きベクトルを復号する第3の動きベクトル復号ステップとを含み、
前記第1、第2、又は、第3の候補導出ステップでは、前記複数の第1の予測動きベクトル候補、前記複数の第2の予測動きベクトル候補、又は、前記複数の第3の予測動きベクトル候補に、前記時間予測動きベクトルに代わる代替ベクトルを含め、 前記動画像復号方法は、多視点映像に含まれる基本ビュー及び依存ビューそれぞれに属するピクチャを復号する方法であり、前記基本ビューと前記依存ビューとの間の視差に相当する視差ベクトルを生成する視差ベクトル生成ステップをさらに含み、
前記第1の候補導出ステップでは、前記復号対象ピクチャが、前記依存ビューに属し、且つGOP(Group Of Pictures)先頭のピクチャである場合、前記複数の第1の予測動きベクトル候補に、前記代替ベクトルとして前記視差ベクトルを含め、
前記第2の候補導出ステップでは、前記複数の第2の予測動きベクトルに、前記代替ベクトルとして前記視差ベクトルを含める
動画像復号方法。
【請求項2】
前記第1のパラメータは、前記復号済みピクチャを特定するためのパラメータを含む 請求項1記載の動画像復号方法。
【請求項3】
前記第1のパラメータは、前記復号対象ピクチャを復号するために用いられる参照ピクチャリストで示される複数のピクチャのうち前記復号済みピクチャを特定するための参照ピクチャインデックスを含む 請求項2記載の動画像復号方法。
【請求項4】
前記第1のパラメータは、前記復号対象ピクチャを復号するために用いられる複数の参照ピクチャリストのうち、前記復号済みピクチャを特定するために、どの参照ピクチャリストを用いるかを示すフラグを含む 請求項2記載の動画像復号方法。
【請求項5】
符号化対象ピクチャに含まれる符号化対象ブロックを、動きベクトルを用いたインター予測符号化する動画像符号化方法であって、
前記符号化対象ピクチャと異なる符号化済みピクチャに含まれるブロックの動きベクトルである時間予測動きベクトルを用いる時間動きベクトル予測が用いられるか否かを示す第1のフラグを符号化し、シーケンスパラメータセットに格納する第1のフラグ符号化ステップと、
(A)前記第1のフラグが、前記時間動きベクトル予測が用いられることを示す場合、
前記時間動きベクトル予測が用いられるか否かを示す第2のフラグを符号化し、スライスヘッダに格納する第2のフラグ符号化ステップと、
(i)前記第2のフラグが、前記時間動きベクトル予測が用いられることを示す場合、
前記時間予測動きベクトルを算出するための第1のパラメータを符号化するパラメータ符号化ステップと、
前記第1のパラメータを用いて、前記時間予測動きベクトルを含む複数の第1の予測動きベクトル候補を導出する第1の候補導出ステップと、 前記複数の第1の予測動きベクトル候補のうち1つを用いて、前記符号化対象ブロックのインター予測符号化に用いられる動きベクトルを符号化する第1の動きベクトル符号化ステップと、
(ii)前記第2のフラグが、前記時間動きベクトル予測が用いられないことを示す場合、
前記時間予測動きベクトルを含まない複数の第2の予測動きベクトル候補を導出する第2の候補導出ステップと、
前記複数の第2の予測動きベクトル候補のうち1つを用いて、前記符号化対象ブロックのインター予測符号化に用いられる動きベクトルを符号化する第2の動きベクトル符号化ステップと、
(B)前記第1のフラグが、前記時間動きベクトル予測が用いられないことを示す場合、
前記第2のフラグ、及び、前記第1のパラメータの符号化をスキップするステップと、
前記時間予測動きベクトルを含まない複数の第3の予測動きベクトル候補を導出する第3の候補導出ステップと、
前記複数の第3の予測動きベクトル候補のうち1つを用いて、前記符号化対象ブロックのインター予測符号化に用いられる動きベクトルを符号化する第3の動きベクトル符号化ステップとを含み、
前記第1、第2、又は、第3の候補導出ステップでは、前記複数の第1の予測動きベクトル候補、前記複数の第2の予測動きベクトル候補、又は、前記複数の第3の予測動きベクトル候補に、前記時間予測動きベクトルに代わる代替ベクトルを含め、
前記動画像符号化方法は、多視点映像に含まれる基本ビュー及び依存ビューそれぞれに属するピクチャを符号化する方法であり、前記基本ビューと前記依存ビューとの間の視差に相当する視差ベクトルを生成する視差ベクトル生成ステップをさらに含み、
前記第1の候補導出ステップでは、前記符号化対象ピクチャが、前記依存ビューに属し、且つGOP(Group Of Pictures)先頭のピクチャである場合、前記複数の第1の予測動きベクトル候補に、前記代替ベクトルとして前記視差ベクトルを含め、
前記第2の候補導出ステップでは、前記複数の第2の予測動きベクトルに、前記代替ベクトルとして前記視差ベクトルを含める
動画像符号化方法。」

ところで、本願は、米国特許仮出願61/607,028号(出願日:2012年3月6日)に基づく優先権の主張を伴うものである。
しかしながら、請求項1の
「前記復号対象ピクチャと異なる復号済みピクチャに含まれるブロックの動きベクトルである時間予測動きベクトルを用いる時間動きベクトル予測が用いられるか否かを示す第1のフラグをシーケンスパラメータセットから取得し、復号する第1のフラグ復号ステップと、
(A)前記第1のフラグが、前記時間動きベクトル予測が用いられることを示す場合、
前記時間動きベクトル予測が用いられるか否かを示す第2のフラグをスライスヘッダから取得し、復号する第2のフラグ復号ステップ」に関する事項、及び
請求項5の
「前記符号化対象ピクチャと異なる符号化済みピクチャに含まれるブロックの動きベクトルである時間予測動きベクトルを用いる時間動きベクトル予測が用いられるか否かを示す第1のフラグを符号化し、シーケンスパラメータセットに格納する第1のフラグ符号化ステップと、
(A)前記第1のフラグが、前記時間動きベクトル予測が用いられることを示す場合、
前記時間動きベクトル予測が用いられるか否かを示す第2のフラグを符号化し、スライスヘッダに格納する第2のフラグ符号化ステップ」に関する事項は、上記特願2014−503460号の願書に最初に添付した明細書の【0167】ないし【0168】に記載されている、ないし記載されているに等しい事項であるということができるが、上記米国特許仮出願61/607,028号には、記載されておらず、また記載されているに等しい事項であるということもできない。
したがって、上記米国特許仮出願61/607,028号に基づく優先権主張の効果は認められない。
よって、請求項1ないし5に係る発明に対する進歩性等の判断の基準日は、本願の原出願の出願日である、平成25年2月28日とする。

そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2022-09-13 
出願番号 P2018-187069
審決分類 P 1 8・ 537- WY (H04N)
P 1 8・ 536- WY (H04N)
P 1 8・ 121- WY (H04N)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 國分 直樹
特許庁審判官 新井 寛
川崎 優
発明の名称 動画像復号方法及び動画像符号化方法  
代理人 道坂 伸一  
代理人 寺谷 英作  
代理人 新居 広守  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ