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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06Q
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 G06Q
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06Q
管理番号 1391702
総通号数 12 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-12-14 
確定日 2022-10-27 
事件の表示 特願2020−219620「受付装置、受付方法、受付プログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 7月 8日出願公開、特開2022−104418〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、令和2年12月28日の出願であって、令和3年4月9日付けで拒絶理由が通知され、同年6月11日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年9月8日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年12月14日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 令和3年12月14日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年12月14日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について
(1)本件補正後の特許請求の範囲の請求項3
本件補正は、特許請求の範囲の請求項3についての補正を含むものであり、本件補正による補正後の特許請求の範囲の請求項3の記載は、次のとおりである(下線部は、補正箇所を示す。)。
「所定のプラットフォームを介して利用者から取引対象の事前注文を受け付ける店舗により登録された情報であって、前記利用者に提供可能な取引対象の取引対象情報に対し、前記利用者に前記取引対象を割引価格で提供する時間帯を示す時間情報と、前記取引対象ごとの割引価格の情報を示す価格情報とを含む店舗属性情報が対応付けて登録された所定の記憶装置から、前記利用者が事前注文した取引対象と対応する取引対象情報と店舗属性情報とを取得し、前記店舗に対し、当該取引対象のうち選択した取引対象を前記利用者に割引価格で提供する時間帯を示す時間情報と、選択した取引対象の割引価格の情報を示す価格情報との入力を受け付けるコンテンツを提供し、当該コンテンツに入力された情報を取得する取得部と、
利用者が前記取引対象の注文を行った時間帯が前記取引対象を割引価格で提供する時間帯である場合は、割引価格で前記取引対象の注文を受け付ける受付部と、
を有する受付装置。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲の請求項3
本件補正前の、令和3年6月11日になされた手続補正による特許請求の範囲の請求項3の記載は次のとおりである。
「所定のプラットフォームを介して利用者から取引対象の注文を受け付ける店舗に対し、当該取引対象のうち選択した取引対象を前記利用者に割引価格で提供する時間帯を示す時間情報と、選択した取引対象の割引価格の情報を示す価格情報との入力を受け付けるコンテンツを提供し、当該コンテンツに入力された情報を取得する取得部と、
利用者が前記取引対象の注文を行った時間帯が前記取引対象を割引価格で提供する時間帯である場合は、割引価格で前記取引対象の注文を受け付ける受付部と、
を有する受付装置。」

(3)本件補正による請求項3の補正について
本件補正における請求項3の補正は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項3に記載された発明(以下、「本件補正前発明」という。)の発明特定事項である「所定のプラットフォームを介して利用者から取引対象の注文を受け付ける店舗に対し、当該取引対象のうち選択した取引対象を前記利用者に割引価格で提供する時間帯を示す時間情報と、選択した取引対象の割引価格の情報を示す価格情報との入力を受け付けるコンテンツを提供し、当該コンテンツに入力された情報を取得する取得部」について、さらに、「所定のプラットフォームを介して利用者から取引対象の事前注文を受け付ける店舗により登録された情報」であって、「前記利用者に提供可能な取引対象の取引対象情報に対し、前記利用者に前記取引対象を割引価格で提供する時間帯を示す時間情報と、前記取引対象ごとの割引価格の情報を示す価格情報とを含む店舗属性情報が対応付けて登録された所定の記憶装置から、前記利用者が事前注文した取引対象と対応する取引対象情報と店舗属性情報とを取得」する旨(以下「補正事項1」という。)を追加する補正を含むものである。
そして、この補正事項1は、文言上、「店舗属性情報」に「利用者に取引対象を割引価格で提供する時間帯を示す時間情報」と「取引対象ごとの割引価格の情報を示す価格情報」とを含み、「取引対象情報」に対し「店舗属性情報」を対応付けて所定の記憶装置に登録されたという技術的事項を含むものである。

2 本件補正の適否
(1)新規事項の追加について
ア 本件補正により請求項3に追加された、「店舗属性情報」に「利用者に取引対象を割引価格で提供する時間帯を示す時間情報」と「取引対象ごとの割引価格の情報を示す価格情報」とを含み、「取引対象情報」に対し「店舗属性情報」を対応付けて所定の記憶装置に登録されたという技術的事項(以下「技術的事項1」という。)について、願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)の記載の範囲内のものであるかについて、検討する。

イ 当初明細書等には、「決済サーバ10」が有する「記憶部30」が「事業者データベース32」を有し(段落【0073】、【0076】)、その「事業者データベース32」は、事業者に関する各種情報を記憶し、図10の例では、「事業者ID」に「店舗ID」、「口座ID」、「所在地」、「取引対象情報」という項目に係る情報を紐づけて記憶し(段落【0080】、図10)、このうち「事業者ID」は、事業者を識別するための識別情報を示し、「店舗ID」は、事業者が管理する店舗を識別するための識別情報を示し、「口座ID」は、事業者が所有する口座を識別するための識別情報を示し、「所在地」は、事業者が管理する店舗の位置情報(例えば、住所)を示し、「取引対象情報」は、事業者が提供する取引対象に関する情報を示し、例えば、「取引対象ID」、「価格」、「画像」という項目を有し、「取引対象ID」は、取引対象を識別するための識別情報を示し、「価格」は、取引対象の価格を示し、「画像」は、取引対象の画像を示すこと(段落【0081】、図10)が記載されている。
これらの記載によれば、当初明細書等には、請求項3に記載された「所定の記憶装置」に対応する明細書に記載された「決済サーバ10」の「記憶部30」において、店舗の属性の一つである店舗の「所在地」を登録することが記載されているから、「所定の記憶装置」に「店舗属性情報」を登録することや「店舗属性情報」を登録した「所定の記憶装置」は記載されているといえる。

ウ しかしながら、上記の記載は、「取引対象情報」として示されている「取引対象ID」、「価格」、「画像」を「店舗属性情報」として登録することを記載したものとはいえない。
当初明細書等においては、図10の例に示されているように、取引対象の「価格」、「画像」は、「店舗」の「所在地」等のように店舗を識別する「店舗ID」毎に登録されているのではなく、「取引対象情報」の項目欄に、取引対象を識別する「取引対象ID」毎に登録されている。このことは、「決済サーバ10」の「記憶部30」において、「価格」、「画像」が「取引対象情報」として登録されていることを示し、当初明細書等においては、「取引対象」の「属性」と、「店舗」の「属性」は区別されており、前者が後者に含まれるものとはされていない。
当初明細書等の段落【0025】、【0026】の記載によれば、「決済サーバ10」は事業者から受け付けた「商品名や、価格、説明テキスト、商品画像、商品に付与可能なオプション(商品のサイズや、トッピングなど)などを含む商品情報」の登録を受け付け、「店舗の情報(例えば、店舗IDや、店舗名、所在地など)」に「紐付けて管理する」ものである。この記載内容は、図10に示された、「決済サーバ10」の「記憶部30」において、店舗を識別する「店舗ID」毎に「所在地」のような店舗の属性が登録され、店舗の情報に紐付けて、「取引対象情報」として、取引対象を識別する「取引対象ID」毎に「価格」や「画像」が「取引対象」の属性として登録されることを示している。
また、当初明細書等において、事業者から取得される「価格情報」は「取引対象ごとの割引価格を示す情報」であり、「時間情報」は「取引対象を割引価格で提供する時間帯を示す情報」であって(段落【0029】)、「割引価格」、「時間情報」は、「取引対象」と関連付けて事業者から取得されるものであり(段落【0036】)、事業者が事業者端末から、商品ごとに割引価格と時間情報とを入力する(段落【0040】〜【0045】、図2)ことは、取引対象ごとに価格情報と時間情報とを登録することを示している。
そして、当初明細書等には、「取引対象」と関連付けて取得される「価格情報」と「時間情報」が、請求項3に記載された「所定の記憶装置」に対応する当初明細書等に記載の「決済サーバ10」の「記憶部30」において、「取引対象情報」として、取引対象を識別する「取引対象ID」毎に「価格」として登録され、「取引対象」についての「価格情報」、「時間情報」は、「店舗の情報(例えば、店舗IDや、店舗名、所在地など)」、すなわち、店舗属性情報に紐付けて登録されることが記載されているから、当初明細書等においては、「価格情報」と「時間情報」は、「店舗属性情報」に含まれるものではなく、「店舗属性情報」とは別の「取引対象」の「属性」として登録され、「取引対象情報」は「店舗情報」に対応付けて登録されるのであり、「店舗属性情報」が「取引対象情報」に対応付けて登録されるのではないことは明らかである。

エ さらに、当初明細書等においては、「表示情報」によって「取引対象ごと利用者端末100に表示する方法」に係る表示(段落【0045】、【0051】〜【0053】、図4)と「店舗ごとに割引価格で取引対象の注文を受け付ける旨を表示する方法」に係る表示(段落【0045】、【0054】〜【0056】、図5)とを切り替えることが想定されており、後者の表示について、「店舗の属性ごと」に「割引価格で注文を受け付ける店舗、並びに店舗の割引価格を表示してもよい」(段落【0055】)との記載があるところ、これらの段落の記載は、「割引価格」が「取引対象」の「属性」であって、これを「店舗」の「属性」として扱わないことを前提とした意味で記載されている。つまり、この記載における「割引価格で注文を受け付ける店舗」とは、「割引価格で注文を受け付ける取引対象が存在する店舗」、すなわち、「店舗」が「割引価格」が設定された「取引対象」を扱っていることであり、また、「店舗の割引価格」とは、「店舗」に存在する「取引対象」の「属性」として登録された「割引価格」のことである。
このことは、後者の表示が「店舗ごとに割引価格で取引対象の注文を受け付ける旨を表示する方法」である旨の記載(段落【0054】)や「これにより、利用者Uは割引価格で注文を受け付ける取引対象が存在する店舗を特定したうえで注文を行うことができる。したがって、利用者Uは、例えば現在地から近い店舗、かつ、利用者Uがよく利用する店舗で、割引価格で取引対象の注文を受け付けているか否かを即座に把握することが可能となる。・・・事業者M1の店舗において割引価格で注文を受け付ける取引対象以外にも、利用者Uの注文を受ける機会を創出することが可能となる。」との記載(段落【0056】)からみて、明らかである。
そうすると、当初明細書等において、「割引価格」は、「店舗」に存在する「取引対象」の「属性」として登録されたものであり、「店舗」の「属性」には含まれないことを前提としたものとなっている。段落【0045】には、図4の表示と図5の表示を「任意に設定可能である」旨が記載されているが、これは「店舗ごと」の「割引価格」が「取引対象」の「属性」として登録された「割引価格」であることを前提として、表示する方法を「任意に設定可能である」旨を記載したものである。
よって、本件補正による上記アに示した技術的事項1は、「割引価格」を「店舗属性情報」に含めることにより、「店舗ごとに割引価格で取引対象の注文を受け付ける旨を表示する方法」に係る表示(段落【0054】〜【0056】、図5)の開示内容自体を変更するものである。

オ 以上によれば、当初明細書等には、「利用者に取引対象を割引価格で提供する時間帯を示す時間情報」と「取引対象ごとの割引価格の情報を示す価格情報」は、「取引対象情報」に含まれること、「取引対象情報」が「店舗属性情報」に対応づけて登録されることは記載されているが、本件補正は、「店舗属性情報」に「利用者に取引対象を割引価格で提供する時間帯を示す時間情報」と「取引対象ごとの割引価格の情報を示す価格情報」とを含み、「取引対象情報」に対し「店舗属性情報」を対応付けて所定の記憶装置に登録されたという技術的事項1を追加することによって、「利用者に取引対象を割引価格で提供する時間帯を示す時間情報」と「取引対象ごとの割引価格の情報を示す価格情報」が、「取引対象情報」とは別の「店舗属性情報」に含まれるものとするものであるから、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものであり、特許法第17条の2第3項の規定に適合しない。

(2)独立特許要件について
ア 上記2(2)で示したとおり、補正事項1を含む本件補正後発明は、当初明細書等の記載の範囲内のものではないが、補正事項1は形式的には「所定のプラットフォームを介して利用者から取引対象の注文を受け付ける店舗に対し、当該取引対象のうち選択した取引対象を前記利用者に割引価格で提供する時間帯を示す時間情報と、選択した取引対象の割引価格の情報を示す価格情報との入力を受け付けるコンテンツを提供し、当該コンテンツに入力された情報を取得する取得部」を限定する補正であり、かつ、本件補正の前後において発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(本件補正後発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、検討する。

イ 本件補正後発明
本件補正後発明は、上記補正事項1を含むものであって、「店舗属性情報」に「利用者に取引対象を割引価格で提供する時間帯を示す時間情報」と「取引対象ごとの割引価格の情報を示す価格情報」とを含み、「取引対象情報」に対し「店舗属性情報」を対応付けて所定の記憶装置に登録されたという技術的事項1を含むものである。

ウ 本願発明の課題について
発明の詳細な説明には、「取引対象を割引価格で提供する時間帯を設定し、割引価格で取引対象の注文を受け付ける受付装置、受付方法、受付プログラムを提供することを目的とする」(段落【0006】)と記載されている。
この記載における「割引価格」と「時間帯」が「取引対象」についてのものであることは明らかであり、本願発明の課題は、「割引価格」と「時間帯」が「取引対象」についてのものであることを前提とするものである。

エ 当審の判断
本願の発明の詳細な説明については補正がなされていないから、上記(1)に示したことに照らせば、本願の発明の詳細な説明には、上記イの技術的事項1に対応する内容は記載されていない。
また、上記イの技術的事項1は、「利用者に取引対象を割引価格で提供する時間帯を示す時間情報」と「取引対象ごとの割引価格の情報を示す価格情報」とを「店舗属性情報」に含むことを内容としていることから、「割引価格」と「時間帯」が「取引対象」ごとではなく「店舗」ごとのものである場合を含んでいる。そして、この場合には、本願発明の課題である「取引対象を割引価格で提供する時間帯を設定し、割引価格で取引対象の注文を受け付ける」という前提が成り立たなくなることから、上記技術的事項1を含む本件補正後発明は、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものではない。
よって、本件補正後発明は、特許法第36条第6項1号に適合するものでないから、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 補正の却下の決定についてのむすび
よって、補正事項1を含む本件補正は、上記2(1)に示したとおり、特許法第17条の2第3項の規定に適合するものでない。また、本件補正が、同法第17条の2第3項の規定に適合するものであったとしても、上記2(2)に示したとおり、本件補正後の特許請求の範囲の記載は、同法第36条第6項第1号に適合しないから、本件補正は、同法17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に適合しない。
よって、本件補正は、補正事項1以外の補正事項を検討するまでもなく、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
以上のとおりであるから、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
令和3年12月14日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1〜18に係る発明は、令和3年6月11日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1〜18に記載された事項により特定されるものであり、そのうち、請求項3に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。

「所定のプラットフォームを介して利用者から取引対象の注文を受け付ける店舗に対し、当該取引対象のうち選択した取引対象を前記利用者に割引価格で提供する時間帯を示す時間情報と、選択した取引対象の割引価格の情報を示す価格情報との入力を受け付けるコンテンツを提供し、当該コンテンツに入力された情報を取得する取得部と、
利用者が前記取引対象の注文を行った時間帯が前記取引対象を割引価格で提供する時間帯である場合は、割引価格で前記取引対象の注文を受け付ける受付部と、
を有する受付装置。」

第4 原査定の拒絶の理由の概要
原査定(令和3年9月8日付け拒絶査定)の拒絶の理由の概要は、この出願の請求項1〜18に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明並びに引用文献2〜10に記載された周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1.特開2007−102750号公報
引用文献2.特開2016−181238号公報(周知技術を示す文献)
引用文献3.国際公開第2008/035659号(周知技術を示す文献)
引用文献4.特開2020−123026号公報(周知技術を示す文献)
引用文献5.特開2012−160032号公報(周知技術を示す文献)
引用文献6.特開2003−196418号公報(周知技術を示す文献)
引用文献7.特開2013−247637号公報(周知技術を示す文献)
引用文献8.特開2002−342654号公報(周知技術を示す文献)
引用文献9.登録実用新案第3203779号公報(周知技術を示す文献)
引用文献10.特開2008−040859号公報(周知技術を示す文献)

第5 引用文献及び引用発明
1 引用文献1について
(1)引用文献1に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は、注目箇所に当審が付した。)

ア 「【0039】
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態のシステム構成図を図1に示す。図1において、インターネット1にはWWWサーバ3、ユーザ5のパソコン及び商店等7のパソコンが接続されている。但し、パソコンに限定するものではなく、携帯電話や移動携帯端末等でも同様である。商店等7は、商品を販売するデパート、スーパー、通信販売の店等の他、産地直送店や農家、製造メーカー、問屋等であってもよい。また、病院、介護、ビジネス、流通、その他のサービス業も含む。WWWサーバ3の運営するホームページにはソフトウェア9のダウンロード可能なページがあり、商店等7はソフトウェア9をダウンロードする。また、ソフトウェア9はCD−ROMの形でも提供される。ソフトウェア9は、商店等7が自己のホームページを作成し、完成したホームページをWWWサーバ3に登録申請等するために利用される。また、WWWサーバ3より必要なデータを入手可能なようになっている。
【0040】
ソフトウェア9がダウンロードされたパソコンにはスタートメニューやデスクトップに起動用アイコンが登録されるようになっている。起動用アイコンを起動した場合には、例えば図2に示すような商品等の分類項目を示す画面がパソコン画面に表示される。商店等7はこの分類項目の中から自店で販売やサービス等を行っている項目の内特売、販売したい項目や提供するサービス等を選択する。」

イ 「【0499】
次に、本発明の第32実施形態について説明する。本発明の第32実施形態は、商店等7がWeb上で簡単にセールを行えるシステムについてである。従来、商店等7が日常の販売以外にセールを行おうとする場合、改めてセールのホームページを別に作ったり、セール商品を混在させた形でホームページを作り、セールを開始する。そして、セールの終了したときには、元のセール前の状態のホームページに戻す必要があった。そして、手動にてセール終了を行った場合には、購入処理のセッション途中にあるユーザ5に対して、途中で購入処理が継続出来なくなる等多大の迷惑をかけるおそれがあった。
【0500】
また、このホームページが貸し店舗形式で行われるWWWサーバ3に掲載された場合には、セール品を含むホームページの更新をWWWサーバ3のサイトにその都度依頼しなければならず不便であった。
そこで、本発明の第32実施形態は、商店等7がセール品やサービス品の金額や商品情報等を通常販売データから修正若しくは追加するだけで、いつでも簡単にセールを設定出来、かつセールの終了時において何らの処理も不要であるWeb上でセールを行えるシステムを提供するものである。」

ウ 「【0501】
図109及び図110に本発明の第32実施形態のフローチャートを示す。図109は、商店等7がWWWサーバ3にアクセスし、セールの準備を行う処理について説明している。図110は、ユーザ5がセールにて商品等を購入する処理について説明している。
【0502】
図109において、ステップ3201では、商店等7がWWWサーバ3にアクセスし、セールの準備を開始する。ユーザ5はステップ3203で図示しない商店設定画面にログインする。この商店設定画面は、予めWWWサーバ3側で用意され、PHP: Hypertext Preprocessor 、Perl、Ruby、C、JAVA(登録商標)、VB等のソフトウェア言語によりプログラム生成された画面であり、商店等7がログインすることが可能なようになっている。そして、ステップ3205では、この商店設定画面に対し、商店等7はセール期間開始日時T10、セール期間終了日時T11を設定する。この設定は、タイムセールならば、例えば12月1日の午後1:00(T10)〜2:00(T11)、例えば歳末セールならば、12月15日午前10:00(T10)〜12月31日午後21:00(T11)といったように設定される。
【0503】
ステップ3207では、商店データベースより商品又はサービス品に関する価格、商品情報等が読み出され商店等7に対し表示される。この際の画像もPHP等のソフトウェア言語によりプログラム生成された画面である。この商店データベースには、WWWサーバ3の運営する貸し店舗サイトに登録された商店等7で通常(セールではない状態)販売品としてWeb上に掲載し、販売されているデータが保存されている。通常販売品としての情報は、例えば当該商品の当該商店等7における通常販売価格、底値、現金還元額等である。
【0504】
ステップ3209では、ステップ3207において読み出された商品又はサービス品の中から商店等7がセールを行いたいセール商品又はセールサービス品を選択する。そして、ステップ3211では、このセール商品又はセールサービス品に対し底値、現金還元額、特別価格等の金額やセールに関するデータ情報を設定する。設定したセール情報は、ステップ3213でセール専用データベースに保存する。ここに、セール専用データベースは、商店データベースとは異なるが、同一のデータベースとされてもよい。この場合には、同一の商品に対し通常販売のデータとセールのデータの2種類が共存される。
【0505】
一旦、セール専用データベースが作成された場合には、セール情報の更新が簡単に行える。即ち、この場合には、ステップ3215でセール専用データベースより必要なデータを読み出し、修正を加えることで更新が可能である。セール専用データベースには、直前のデータのみを保存してもよいが、直前データだけでなく、履歴データとして過去に実施されたセール情報を複数残すようにされてもよい。また、セール商品やセールサービス品を新たに追加したい場合には、商店データベースより商品やサービスを選択し追加を行う。」

エ 「【図109】



オ 「【0506】
次に、図110に基づきユーザによる購入処理について説明する。ステップ3221では、ユーザ5によりセール商品又はセールサービス品の購入処理が開始される。セールページには、例えばステップ3223のように、商店等7の有する通常販売のページよりセールアイコンをクリックすることで進む。このセールアイコンにはセールページがリンクされている。ステップ3225ではセールページが開かれる。
【0507】
その後、ステップ3227では、セール期間開始日時T10を現在日時と比較し、現在日時がセール期間開始日時T10を過ぎているとき、ステップ3229で現在セールを行っていない旨の表示をセール画面に挿入しユーザ5に対し送る。このとき、ステップ3231で、ユーザ5がこのセール画面において商品選択してもステップ3233でログインできない。従って、この商品を購入することができない。しかしながら、リンク元である通常販売画面に戻り、購入処理をすればこの商品を購入することができる。この際には、商店データベースの金額にて購入処理される。
【0508】
あるいは、ステップ3233では、ログインを可能として、商店データベースによる金額等を参照しつつセールではない通常販売価格等にて購入可能とされてもよい。
一方、ステップ3227で現在日時がセール期間開始日時T10を超えているとき、ステップ3235に進む。そして、ステップ3235では、セール期間終了日時T11を現在日時と比較し、セール期間終了日時T11が現在日時より後のとき、ステップ3237で、只今歳末セール等のセール(又はタイムセール)中である旨の表示をセール画面に挿入しユーザ5に送信する。現在日時がセール期間終了日時T11を過ぎている場合には、ステップ3236でセールが終了した旨のメッセージをユーザ5に対し通知する。この際には、ステップ3238で商店データベースに保存された通常販売価格や底値等により販売が行われる。なお、ステップ3236のセールの終了メッセージはユーザ5に対して通知されなくてもよい。
【0509】
ステップ3239では、ユーザ5が商品若しくはサービス品の選択を行い、ステップ3241ではログインを行う。このとき、ログイン画面において、ユーザ5はユーザIDやパスワードを入力する。ログイン後において、ステップ3243では、再びセール期間終了日時T11を現在日時と比較する。ステップ3243において、セール期間終了日時T11が現在日時より後のとき、ステップ3245でセール専用データベースに保存された金額及びデータ情報に基づく販売を行う。このとき、ステップ3213で保存されたセール専用の金額や情報に基づいた販売となる。一方、ステップ3243で、現在日時がセール期間終了日時T11を過ぎた場合には、ステップ3247でセッションの途中であるか否かが判断される。このセッションの途中とは、現在日時がセール期間終了日時T11を過ぎる前にユーザ5がログインし、購入処理の途中にある場合である。このセッションの途中であるならば、ステップ3245に進みそのまま購入処理を継続させる。このことにより、購入処理のセッション途中にあるユーザ5が、途中で購入処理が継続出来なくなる等の不具合は無くなる。
【0510】
一方、セッションの途中でない場合には、ステップ3249でセールが終了したことをHTML文書にてユーザ5に対して通知する。従って、これ以降、ユーザ5は、セール専用データベースに保存された金額での購入が出来なくなる。しかしながら、ステップ3251で商店データベースに基づく通常販売が可能である。なお、ステップ3249のセールの終了メッセージはユーザ5に対して通知されなくてもよい。
【0511】
また、ユーザ5は、ステップ3225でセールページを開くことなく、ステップ3241のログイン画面に直接アクセスして購入処理を行うようにしてもよい。このとき、ステップ3227以降の判断処理が行われる。
以上により、商店等7自身がWeb上で簡単にセールを実行出来る。通常販売からセールへの移行、あるいは、セールから通常販売への移行が円滑に行える。セールの終了時においても、商店等7は何もしないでよい。また、次のセールを実施する際にも、商店等7は以前のセールデータを利用出来るので簡単にセールを実施できる。」

カ 「【図110】



(2)引用文献1に記載された発明
上記(1)ア〜カから、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

「商店等がセール品やサービス品の金額や商品情報等を通常販売データから修正若しくは追加するだけで、いつでも簡単にセールを設定出来、かつセールの終了時において何らの処理も不要であるWeb上でセールを行えるシステムにおけるWWWサーバであって(1(1)イ)、
インターネットにはWWWサーバ、ユーザのパソコン及び商店等のパソコンが接続されており(1(1)ア)、
商店等がWWWサーバにアクセスし、セールの準備を開始し、商店設定画面にログインし、この商店設定画面に対し、商店等はセール期間開始日時、セール期間終了日時を設定し(1(1)ウ)、
商店データベースより商品又はサービス品に関する価格、商品情報等が読み出され商店等に対し表示され、読み出された商品又はサービス品の中から商店等がセールを行いたいセール商品又はセールサービス品を選択し(1(1)ウ)、
このセール商品又はセールサービス品に対し底値、現金還元額、特別価格等の金額やセールに関するデータ情報を設定し(1(1)ウ)、
設定されたセール情報を、セール専用データベースに保存し(1(1)ウ)、
ユーザが商品若しくはサービス品の選択を行い、現在日時がセール期間開始日時を超え、セール期間終了日時が現在日時より後のとき、セール専用データベースに保存された金額及びデータ情報に基づく販売を行う(1(1)オ)、
WWWサーバ。」

第6 当審の判断
1 本願発明と引用発明との対比
本願発明と引用発明とを対比する。
(1)引用発明の「インターネット」に接続された「WWWサーバ」、「ユーザのパソコン」及び「商店等のパソコン」からなるWeb上でセールを行えるシステムは、本願発明の「所定のプラットフォーム」に相当し、引用発明の「ユーザ」、「商店等」、「商品又はサービス品」は、それぞれ、本願発明の「利用者」、「店舗」、「取引対象」に相当する。
また、引用発明の「商店等」が、ユーザから商品若しくはサービス品の注文を受けることは明らかであるから、引用発明の、Web上で、ユーザから商品若しくはサービス品の注文を受け付ける「商店等」は、本願発明の「所定のプラットフォームを介して利用者から取引対象の注文を受け付ける店舗」に相当する。
また、引用発明の「セール期間開始日時」及び「セール期間終了日時」で特定される「セール期間」は、本願発明の「割引価格で提供する時間帯を示す時間情報」に相当し、引用発明の「底値、現金還元額、特別価格等の金額」の情報は、本願発明の「割引価格の情報を示す価格情報」に相当する。
そして、引用発明は、「商店等」が、「商店設定画面」において、「セール期間開始日時」及び「セール期間終了日時」の情報を設定し、「商品又はサービス品の中から商店等がセールを行いたいセール商品又はセールサービス品を選択」し、このセール商品又はセールサービス品に対し底値、現金還元額、特別価格等の金額やセールに関するデータ情報を設定」し、「設定されたセール情報を、セール専用データベースに保存」するものであり、本願発明において、「当該取引対象のうち選択した取引対象を前記利用者に割引価格で提供する時間帯を示す時間情報と、選択した取引対象の割引価格の情報を示す価格情報との入力」は、取引対象と時間情報とを1対1に対応させるものに限らず、選択された取引対象全体に対して、時間情報を設定するものも含まれるから、引用発明の「セール期間開始日時」及び「セール期間終了日時」の情報を設定し、「商品又はサービス品の中から商店等がセールを行いたいセール商品又はセールサービス品を選択」し、このセール商品又はセールサービス品に対し底値、現金還元額、特別価格等の金額やセールに関するデータ情報を設定」することは、本願発明の「当該取引対象のうち選択した取引対象を前記利用者に割引価格で提供する時間帯を示す時間情報と、選択した取引対象の割引価格の情報を示す価格情報との入力を受け付ける」ことに相当する。
そして、引用発明の「商店設定画面」は、「商店等がWWWサーバにアクセス」した際に提供され、各種情報を入力・設定するものであり、「商品設定画面」に入力・設定された各種情報は、セール専用データベースに保存されることから、本願発明の「コンテンツ」に相当するものである。

よって、引用発明の「インターネット」に接続された「WWWサーバ」、「ユーザのパソコン」及び「商店等のパソコン」からなるWeb上でセールを行えるシステムにおいて、Web上で、ユーザから商品若しくはサービス品の注文を受け付ける「商店等」に対し、「セールを行いたいセール商品又はセールサービス品」を「ユーザ」に「特別価格等の金額」で提供する「セール期間開始日時」及び「セール期間終了日時」の情報と、「セールを行いたいセール商品又はセールサービス品」の「底値、現金還元額、特別価格等の金額」の情報を設定する「商品設定画面」を提供し、当該「商品設定画面」で設定された「セール情報」を「WWWサーバ」の「セール専用データベースに保存」することは、本願発明の「取得部」の「所定のプラットフォームを介して利用者から取引対象の注文を受け付ける店舗に対し、当該取引対象のうち選択した選択対象を前記利用者に割引価格で提供する時間帯を示す時間情報と、選択した取引対象の割引価格の情報を示す価格情報との入力を受け付けるコンテンツを提供し、当該コンテンツに入力された情報を取得する」ことに相当する。

(2)引用発明の「ユーザが商品若しくはサービス品の選択を行い、現在日時がセール期間開始時を超え、セール期間終了日時が現在日時より後のとき、セール専用データベースに保存された金額に基づいて販売を行う」ことに関して、当該「ユーザが商品若しくはサービス品の選択を行」う「現在日時」は、本願発明の「利用者が前記取引対象の注文を行った時間帯」に相当し、引用発明の「現在日時がセール期間開始時を超え、セール期間終了日時が現在日時より後のとき」は、「現在日時」が「セール期間」内のことであるから、本願発明の「利用者が前記取引対象の注文を行った時間帯が前記取引対象を割引価格で提供する時間帯」に相当する。
また、引用発明において「ユーザが商品若しくはサービス品の選択を行い」、商店等が「販売を行う」ことは、「商店等」が「ユーザ」から「商品若しくはサービス品」の注文を受け付けることを手順として当然含んでいることから、引用発明の、商店等が、「ユーザ」が選択した「商品若しくはサービス品」の注文を受け付けることは、本願発明の「利用者から取引対象の注文を受け付ける」ことに相当する。
よって、引用発明の「ユーザが商品若しくはサービス品の選択を行い、セール期間終了日時が現在日時より後のとき、セール専用データに保存された金額に基づいて」注文を受け付けることは、本願発明の「受付部」の「利用者が前記取引対象の注文を行った時間帯が前記取引対象を割引価格で提供する時間帯である場合は、割引価格で前記取引対象の注文を受け付ける」ことに相当する。

(3)引用発明の「WWWサーバ」は、「商店等」に対して「商店設定画面」を提供して、当該「商店設定画面」において設定される「セール期間」と「特別価格等の金額」に関する情報を取得するとともに、「ユーザ」から「商品若しくはサービス品の選択」を受け付ける機能を備え、当該機能は、本願発明の「受付装置」が「店舗」に対して「コンテンツ」を提供して、当該「コンテンツ」において入力される「割引価格で提供する時間を示す時間情報」と「割引価格の情報を示す価格情報」を取得し、「利用者」から「取引対象の注文」を受け付けることと機能が共通するから、引用発明の「WWWサーバ」は、本願発明と同様の「受付装置」であるといえる。

(4)以上、上記(1)〜(3)によると、本願発明と引用発明とは、次の一致点、相違点を有する。

[一致点]
「所定のプラットフォームを介して利用者から取引対象の注文を受け付ける店舗に対し、当該取引対象のうち選択した取引対象を前記利用者に割引価格で提供する時間帯を示す時間情報と、選択した取引対象の割引価格の情報を示す価格情報との入力を受け付けるコンテンツを提供し、当該コンテンツに入力された情報を取得する機能と、
利用者が前記取引対象の注文を行った時間帯が前記取引対象を割引価格で提供する時間帯である場合は、割引価格で前記取引対象の注文を受け付ける機能と、
を有する受付装置。」

[相違点]
本願発明は、「所定のプラットフォームを介して利用者から取引対象の注文を受け付ける店舗に対し、当該取引対象のうち選択した取引対象を前記利用者に割引価格で提供する時間帯を示す時間情報と、選択した取引対象の割引価格の情報を示す価格情報との入力を受け付けるコンテンツを提供し、当該コンテンツに入力された情報を取得する」機能と、「利用者が前記取引対象の注文を行った時間帯が前記取引対象を割引価格で提供する時間帯である場合は、割引価格で前記取引対象の注文を受け付ける」機能をそれぞれ「取得部」と「受付部」の複数の機能部において実施させるものであるに対し、引用発明はそのような複数の機能部について明示されていない点。

相違点の判断
一般に装置が備える各種機能をどのような機能部を設けていずれの機能部において実現させるかは当業者が適宜選択し得る設計的事項にすぎず、引用発明において、「所定のプラットフォームを介して利用者から取引対象の注文を受け付ける店舗に対し、当該取引対象のうち選択した取引対象を前記利用者に割引価格で提供する時間帯を示す時間情報と、選択した取引対象の割引価格の情報を示す価格情報との入力を受け付けるコンテンツを提供し、当該コンテンツに入力された情報を取得する」機能と、「利用者が前記取引対象の注文を行った時間帯が前記取引対象を割引価格で提供する時間帯である場合は、割引価格で前記取引対象の注文を受け付ける」機能を、「取得部」、「受付部」を設けて実施することで本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得た事項である。

3 本願発明の効果について
発明の詳細な説明の段落【0007】に記載された「本開示によれば、取引対象を割引価格で提供する時間帯を設定し、割引価格で取引対象の注文を受け付ける受付装置、受付方法、受付プログラムを提供することができる」という効果は、引用文献1の記載事項から当業者が予測し得る範囲を超えるものではない。

第7 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。

 
別掲 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
 
審理終結日 2022-08-24 
結審通知日 2022-08-30 
審決日 2022-09-13 
出願番号 P2020-219620
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06Q)
P 1 8・ 575- Z (G06Q)
P 1 8・ 561- Z (G06Q)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 高瀬 勤
特許庁審判官 相崎 裕恒
溝本 安展
発明の名称 受付装置、受付方法、受付プログラム  
代理人 弁理士法人酒井国際特許事務所  

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