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審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する G01C
管理番号 1391968
総通号数 12 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-12-28 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2022-07-19 
確定日 2022-09-27 
訂正明細書 true 
事件の表示 特許第6973522号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6973522号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6973522号は、令和2年2月14日に出願された特願2020−23321号の請求項1〜12に係る発明について、令和3年11月8日に特許権の設定登録がされたものである。
そして、令和4年7月19日に本件訂正審判の請求がされた。

第2 請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第6973522号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」というものであって、その訂正の内容は、次の事項(以下「訂正事項」という。)からなる。なお、下線部は訂正の前後の対応箇所を示す。

<訂正事項>
特許請求の範囲の請求項1に「一前記第2のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが前記第2のプルーフマスカルテットから外方に半径方向に動くと、前記第1のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが前記デバイス平面内で前記第1のカルテット中心点に向かって半径方向に動き、および、逆のときは逆の動きになり、」と記載されているのを、「一前記第2のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが前記第2のカルテット中心点から外方に半径方向に動くと、前記第1のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが前記デバイス平面内で前記第1のカルテット中心点に向かつて半径方向に動き、および、逆のときは逆の動きになり、」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2〜12も同様に訂正する)。

第3 当審の判断
1 訂正の目的について
(1) 訂正前の請求項1の記載
訂正前の請求項1の記載は、次のとおりである(下線は訂正箇所に対応する訂正前の箇所であり、当合議体による。)。
「【請求項1】
対応する第1のカルテット中心点および対応する第2のカルテット中心点が横軸上にある、デバイス平面内の第1のプルーフマスカルテットおよび第2のプルーフマスカルテットを備えることを特徴とする微小電気機械ジャイロスコープであって、
前記第1のプルーフマスカルテットを形成する4つのプルーフマスは、静上位置において、前記第1のカルテット中心点の周りに対称に配置され、
前記第1のカルテット中心点において、前記横軸が前記デバイス平面内で第1の交差軸に直交し、
前記第2のプルーフマスカルテットを形成する4つのプルーフマスは、静上位置において、前記第2のカルテット中心点の周りに対称に配置され、
前記第2のカルテット中心点において、前記横軸が前記デバイス平面内で第2の交差軸に直交し、
各プルーフプルーフマスカルテット内の第1のプルーフマスおよび第2のプルーフマスは、静止位置において前記横軸上で位置整合し、
前記第1のプルーフマスカルテット内の第3のプルーフマスおよび第4のプルーフマスは、静止位置において前記第1の交差軸上で位置整合し、
前記第2のプルーフマスカルテット内の第3のプルーフマスおよび第4のプルーフマスは、静上位置において前記第2の交差軸上で位置整合し、
対応する前記カルテット中心点に関する前記第1のプルーフマス、前記第2のプルーフマス、前記第3のプルーフマス、および前記第4のプルーフマスの相対位置は両方のカルテットにおいて同じであり、
前記第1のプルーフマスカルテット内の前記第2のプルーフマスは、前記第2のプルーフマスカルテット内の前記第1のプルーフマスに隣接し、機械的に結合されており、
前記ジャイロスコープは、前記第1のプルーフマスカルテットおよび前記第2のプルーフマスカルテットを一次振動運動に設定するための1つまたは複数の駆動トランスデューサと、前記ジャイロスコープが角回転を受ける場合に、コリオリの力によって誘導される前記第1のプルーフマスカルテットおよび前記第2のプルーフマスカルテットの二次振動運動を検出するための1つまたは複数のセンストランスデューサとをさらに備え、
前記ジャイロスコープは、前記第1のプルーフマスカルテットおよび前記第2のプルーフマスカルテットを固定支持構造から懸架するためのサスペンション構成をさらに備え、
前記構造は、前記第1のプルーフマスカルテットおよび前記第2のプルーフマスカルテットの前記一次振動運動および前記二次振動運動に対応するように構成されており、
前記駆動トランスデューサは、各プルーフマスカルテット内の4つのプルーフマスすべてを、第1の一次振動モードまたは第2の一次振動モードのいずれかにおいて、前記デバイス平面内の一次振動に設定するように構成されており、
結果、前記第1の一次振動モードにおいて、
−前記第1のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが前記第1のカルテット中心点に向かっておよび前記第1のカルテット中心点から外方にともに半径方向に動き、前記第2のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが前記第2のカルテット中心点に向かっておよび前記第2のカルテット中心点から外方にともに半径方向に動き、
−前記第2のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが前記第2のプルーフマスカルテットから外方に半径方向に動くと、前記第1のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが前記デバイス平面内で前記第1のカルテット中心点に向かって半径方向に動き、および、逆のときは逆の動きになり、
前記第2の一次振動モードにおいて、
−前記第1のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが前記第1のカルテット中心点に対して時計回りおよび反時計回りに、前記デバイス平面内でともに接線方向に動き、前記第2のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが前記第2のカルテット中心点に対して時計回りおよび反時計回りに、前記デバイス平面内でともに接線方向に動き、
−前記第2のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが前記第2のカルテット中心点に対して反時計回りに、前記デバイス平面内で接線方向に動くと、前記第1のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが前記第1のカルテット中心点に対して時計回りに、前記デバイス平面内で接線方向に動き、および、逆のときは逆の動きになり、
前記第1のプルーフマスカルテットおよび前記第2のプルーフマスカルテットの二次振動モードは、z軸二次モード、x軸二次モード、および/またはy軸二次モードを含み、結果、前記一次振動モードが前記第1の一次振動モードである場合、
−前記デバイス平面に垂直なz軸を中心とした前記ジャイロスコープの回転に応答して、前記z軸二次モードは、前記第2の一次振動モードと同じであり、
−前記横軸に平行なx軸を中心とした前記ジャイロスコープの回転に応答して、前記x軸二次モードは、各プルーフマスカルテット内の前記第3のプルーフマスおよび前記第4のプルーフマスによって形成される2つのプルーフマス対が前記デバイス平面から外方に接線方向に振動する動きを含み、
−前記第1の交差軸および前記第2の交差軸に平行なy軸を中心とした前記ジャイロスコープの回転に応答して、前記y軸二次モードは、各プルーフマスカルテット内の前記第1のプルーフマスおよび前記第2のプルーフマスによって形成される2つのプルーフマス対が前記デバイス平面から外方に接線方向に振動する動きを含み、
結果、各プルーフマスカルテットの前記一次振動モードが前記第2の一次振動モードである場合、
−前記z軸を中心とした前記ジャイロスコープの回転に応答して、前記z軸二次モードは、前記第1の一次振動モードと同じであり、
−前記x軸を中心とした前記ジャイロスコープの回転に応答して、前記x軸二次モードは、各プルーフマスカルテット内の前記第1のプルーフマスおよび前記第2のプルーフマスによって形成される前記2つのプルーフマス対が前記デバイス平面から外方に接線方向に振動する動きを含み、
−前記y軸を中心とした前記ジャイロスコープの回転に応答して、前記y軸二次モードは、各プルーフマスカルテット内の前記第3のプルーフマスおよび前記第4のプルーフマスによって形成される前記2つのプルーフマス対が前記デバイス平面から外方に接線方向に振動する動きを含む、
微小電気機械ジャイロスコープ。」

(2) 訂正の目的についての当審の判断
ア 前記訂正事項1における訂正箇所に特に関連する訂正前の請求項1の記載を摘記すると、次のとおりである。
(ア) 「結果、前記第1の一次振動モードにおいて、」
(イ) 「−前記第1のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが前記第1のカルテット中心点に向かっておよび前記第1のカルテット中心点から外方にともに半径方向に動き、前記第2のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが前記第2のカルテット中心点に向かっておよび前記第2のカルテット中心点から外方にともに半径方向に動き、」
(ウ) 「−前記第2のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが前記第2のプルーフマスカルテットから外方に半径方向に動くと、前記第1のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが前記デバイス平面内で前記第1のカルテット中心点に向かって半径方向に動き、および、逆のときは逆の動きになり、」

イ 前記ア(ア)〜(ウ)の記載について検討すると、当該記載は、前記ア(ア)で特定される第1の一次振動モードにおける、第1のプルーフマスカルテット内の全てのプルーフマス及び第2のプルーフマスカルテット内の全てのプルーフマスが動く方向を前記ア(イ)で特定したうえで、第2のプルーフマスカルテット内の全てのプルーフマスが動く向きと第1のプルーフマスカルテット内の全てのプルーフマスが動く向きとの関係を前記ア(ウ)で特定するものであることが理解される。
そうすると、前記ア(ウ)における第2のプルーフマスカルテット内の全てのプルーフマスの動きの向きについての「前記第2のプルーフマスカルテットから外方に半径方向に動くと」との記載は、前記ア(イ)における第2のプルーフマスカルテット内の全てのプルーフマスが動く方向についての「前記第2のカルテット中心点から外方にともに半径方向に動き」との記載と整合すべきところ、両記載は整合しておらず、両記載のいずれかが誤記であることは自明に理解できることである。
そして、前記ア(ウ)における第1のプルーフマスカルテット内の全てのプルーフマスカルテットの動きの向きについての「前記第1のカルテット中心点に向かって半径方向に動き」との記載を参考にすれば、前記ア(ウ)における「前記第2のプルーフマスカルテットから外方に半径方向に動くと」との記載は誤記であり、正しくは、「前記第2のカルテット中心点から外方に半径方向に動くと」と記載すべきこともまた、自明に理解できることである。

ウ また、前記訂正事項の内容は、以下に摘記する明細書の【0042】の記載や、図2aの記載とも整合するものである。(下線は訂正箇所に対応する明細書の記載であり、当合議体による。)。

(ア) 【0042】の記載
「【0042】
図示されている瞬間において、第2のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが第2のカルテット中心点に向かって同時に動く間に、第1のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスは、第1のカルテット中心点から外方に同時に動く。振動周期の反対の半周期では、第2のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスがカルテット中心点から外方に動く間に、第1のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスは、第1のカルテット中心点に向かって動く。図2aに示されている振動モードは、拍動モードと呼ばれる場合がある。」

(イ) 図2a




エ したがって、前記訂正事項による訂正は、本来その意であることが明細書、特許請求の範囲又は図面の記載から明らかな内容の字句、語句に正すものであって、訂正前の記載が当然に訂正後の記載と同一の意味を表示するものと客観的に認められるものであるから、前記訂正事項による訂正は、特許法126条1項ただし書2号に掲げる、誤記の訂正を目的とするものに該当する。

新規事項の追加の有無及び特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の有無について
前記1で検討したとおり、前記訂正事項による訂正は、請求項中の記載がそれ自体誤りであることが明らかであり、かつ、設定登録時の明細書、特許請求の範囲又は図面の記載から正しい記載が自明な事項として定まる場合であって、その誤りを正しい記載にする訂正であるから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の全てを総合することによって導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものでなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことは明らかである。
したがって、前記訂正事項による訂正は、特許法126条5項及び6項の規定に適合するものである。

3 独立特許要件について
前記1で検討したとおり、前記訂正事項による訂正は誤記の訂正を目的とするものであるところ、当該訂正により新たな特許要件違反を生じるものではない。
そして、当合議体は、前記訂正事項による訂正後の請求項1〜12に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができない、その他の理由を発見しない。
したがって、前記訂正事項による訂正は、特許法126条7項の規定に適合するものである。

第4 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法126条1項ただし書2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条5項から7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対応する第1のカルテット中心点および対応する第2のカルテット中心点が横軸上にある、デバイス平面内の第1のプルーフマスカルテットおよび第2のプルーフマスカルテットを備えることを特徴とする微小電気機械ジャイロスコープであって、
前記第1のプルーフマスカルテットを形成する4つのプルーフマスは、静止位置において、前記第1のカルテット中心点の周りに対称に配置され、
前記第1のカルテット中心点において、前記横軸が前記デバイス平面内で第1の交差軸に直交し、
前記第2のプルーフマスカルテットを形成する4つのプルーフマスは、静止位置において、前記第2のカルテット中心点の周りに対称に配置され、
前記第2のカルテット中心点において、前記横軸が前記デバイス平面内で第2の交差軸に直交し、
各プルーフマスカルテット内の第1のプルーフマスおよび第2のプルーフマスは、静止位置において前記横軸上で位置整合し、
前記第1のプルーフマスカルテット内の第3のプルーフマスおよび第4のプルーフマスは、静止位置において前記第1の交差軸上で位置整合し、
前記第2のプルーフマスカルテット内の第3のプルーフマスおよび第4のプルーフマスは、静止位置において前記第2の交差軸上で位置整合し、
対応する前記カルテット中心点に関する前記第1のプルーフマス、前記第2のプルーフマス、前記第3のプルーフマス、および前記第4のプルーフマスの相対位置は両方のカルテットにおいて同じであり、
前記第1のプルーフマスカルテット内の前記第2のプルーフマスは、前記第2のプルーフマスカルテット内の前記第1のプルーフマスに隣接し、機械的に結合されており、
前記ジャイロスコープは、前記第1のプルーフマスカルテットおよび前記第2のプルーフマスカルテットを一次振動運動に設定するための1つまたは複数の駆動トランスデューサと、前記ジャイロスコープが角回転を受ける場合に、コリオリの力によって誘導される前記第1のプルーフマスカルテットおよび前記第2のプルーフマスカルテットの二次振動運動を検出するための1つまたは複数のセンストランスデューサとをさらに備え、
前記ジャイロスコープは、前記第1のプルーフマスカルテットおよび前記第2のプルーフマスカルテットを固定支持構造から懸架するためのサスペンション構成をさらに備え、
前記構造は、前記第1のプルーフマスカルテットおよび前記第2のプルーフマスカルテットの前記一次振動運動および前記二次振動運動に対応するように構成されており、
前記駆動トランスデューサは、各プルーフマスカルテット内の4つのプルーフマスすべてを、第1の一次振動モードまたは第2の一次振動モードのいずれかにおいて、前記デバイス平面内の一次振動に設定するように構成されており、
結果、前記第1の一次振動モードにおいて、
−前記第1のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが前記第1のカルテット中心点に向かっておよび前記第1のカルテット中心点から外方にともに半径方向に動き、前記第2のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが前記第2のカルテット中心点に向かっておよび前記第2のカルテット中心点から外方にともに半径方向に動き、
−前記第2のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが前記第2のカルテット中心点から外方に半径方向に動くと、前記第1のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが前記デバイス平面内で前記第1のカルテット中心点に向かって半径方向に動き、および、逆のときは逆の動きになり、
前記第2の一次振動モードにおいて、
−前記第1のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが前記第1のカルテット中心点に対して時計回りおよび反時計回りに、前記デバイス平面内でともに接線方向に動き、前記第2のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが前記第2のカルテット中心点に対して時計回りおよび反時計回りに、前記デバイス平面内でともに接線方向に動き、
−前記第2のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが前記第2のカルテット中心点に対して反時計回りに、前記デバイス平面内で接線方向に動くと、前記第1のプルーフマスカルテット内のすべてのプルーフマスが前記第1のカルテット中心点に対して時計回りに、前記デバイス平面内で接線方向に動き、および、逆のときは逆の動きになり、
前記第1のプルーフマスカルテットおよび前記第2のプルーフマスカルテットの二次振動モードは、z軸二次モード、x軸二次モード、および/またはy軸二次モードを含み、結果、前記一次振動モードが前記第1の一次振動モードである場合、
−前記デバイス平面に垂直なz軸を中心とした前記ジャイロスコープの回転に応答して、前記z軸二次モードは、前記第2の一次振動モードと同じであり、
−前記横軸に平行なx軸を中心とした前記ジャイロスコープの回転に応答して、前記x軸二次モードは、各プルーフマスカルテット内の前記第3のプルーフマスおよび前記第4のプルーフマスによって形成される2つのプルーフマス対が前記デバイス平面から外方に接線方向に振動する動きを含み、
−前記第1の交差軸および前記第2の交差軸に平行なy軸を中心とした前記ジャイロスコープの回転に応答して、前記y軸二次モードは、各プルーフマスカルテット内の前記第1のプルーフマスおよび前記第2のプルーフマスによって形成される2つのプルーフマス対が前記デバイス平面から外方に接線方向に振動する動きを含み、
結果、各プルーフマスカルテットの前記一次振動モードが前記第2の一次振動モードである場合、
−前記z軸を中心とした前記ジャイロスコープの回転に応答して、前記z軸二次モードは、前記第1の一次振動モードと同じであり、
−前記x軸を中心とした前記ジャイロスコープの回転に応答して、前記x軸二次モードは、各プルーフマスカルテット内の前記第1のプルーフマスおよび前記第2のプルーフマスによって形成される前記2つのプルーフマス対が前記デバイス平面から外方に接線方向に振動する動きを含み、
−前記y軸を中心とした前記ジャイロスコープの回転に応答して、前記y軸二次モードは、各プルーフマスカルテット内の前記第3のプルーフマスおよび前記第4のプルーフマスによって形成される前記2つのプルーフマス対が前記デバイス平面から外方に接線方向に振動する動きを含む、
微小電気機械ジャイロスコープ。
【請求項2】
前記x軸二次モードと前記y軸二次モードの両方における少なくとも1つのプルーフマス対の面外振動が、回転成分を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
【請求項3】
前記第1のプルーフマスカルテット内の第2のプルーフマスは、前記第1のプルーフマスカルテット内の前記第2のプルーフマスおよび前記第2のプルーフマスカルテット内の前記第1のプルーフマスが、対応する交差軸を中心として反対の面外方向に同時に回転することを可能にする少なくとも1つの結合ばねによって、前記第2のプルーフマスカルテット内の前記第1のプルーフマスに機械的に結合されることを特徴とする、
請求項2に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの結合ばねは、前記第1のプルーフマスカルテット内の前記第2のプルーフマスおよび前記第2のプルーフマスカルテット内の前記第1のプルーフマスが、対応する垂直軸を中心として反対の面内方向に同時に回転することを可能にすることを特徴とする、
請求項2から3のいずれか一項に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの結合ばねは、前記第1のプルーフマスカルテット内の前記第2のプルーフマスおよび前記第2のプルーフマスカルテット内の前記第1のプルーフマスの、前記横軸に平行な、任意の交差軸に平行な、または任意の垂直軸に平行な方向における同時の同位相線形並進を可能にすることを特徴とする、
請求項2から4のいずれか一項に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの結合ばねは、前記第1のプルーフマスカルテット内の前記第2のプルーフマスおよび前記第2のプルーフマスカルテット内の前記第1のプルーフマスの、任意の交差軸または任意の垂直軸に平行な対向する方向における同時の逆位相線形並進に抵抗することを特徴とする、
請求項2から5のいずれか一項に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの結合ばねは、前記第1のプルーフマスカルテット内の前記第2のプルーフマスおよび前記第2のプルーフマスカルテット内の前記第1のプルーフマスの、前記横軸を中心とした反対方向における同時回転に抵抗することを特徴とする、
請求項2から6のいずれか一項に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
【請求項8】
前記サスペンション構成は、前記第1のカルテット中心点に位置する第1の中央アンカーポイントから前記第1のプルーフマスカルテットを懸架する第1の中央サスペンション構成を備え、
前記サスペンション構成はまた、前記第2のカルテット中心点に位置する第2の中央アンカーポイントから前記第2のプルーフマスカルテットを懸架する第2の中央サスペンション構成をも備え、
前記第1の中央サスペンション構成および前記第2の中央サスペンション構成の少なくとも1つは、c1軸がc2軸と直交する、対応する前記第1の中央アンカーポイントまたは前記第2の中央アンカーポイントを中心とし、結果、前記c1軸は横方向または交差方向のいずれかであり、
前記中央サスペンション構成は、中央同期要素に囲まれた中央ジンバル要素を備え、
前記中央ジンバル要素は、対応する前記中央アンカーポイントからジンバルフレームまで延伸する内側ねじりばねと、前記ジンバルフレームから前記中央同期要素まで延伸する外側ねじりばねとを備え、
前記中央同期要素は、前記中央同期要素を囲む前記プルーフマスカルテット内の前記c1軸上に位置整合された前記2つのプルーフマスまで、前記c1軸に沿って反対方向に延伸する第1のc1トーションバーおよび第2のc1トーションバーを備え、
前記中央同期要素は、前記中央同期要素を囲む前記プルーフマスカルテット内の前記c2軸上に位置整合された前記2つのプルーフマスまで、前記c2軸に沿って反対方向に延伸する第1のc2トーションバーおよび第2のc2トーションバーを備えることを特徴とする、
請求項1から7のいずれか一項に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
【請求項9】
前記中央同期要素は、前記中央ジンバル要素の対向する両側で前記c1軸上に位置整合された第1の剛体および第2の剛体を備え、結果、前記第1の剛体の第1の端部が前記第2の剛体の第1の端部に対向しており、前記第1の剛体の第2の端部が前記第2の剛体の第2の端部に対向しており、
前記中央ジンバル要素の前記外側ねじりばねは、それぞれ前記第1の剛体および前記第2の剛体まで延伸し、
前記第1のc1トーションバーおよび前記第2のc1トーションバーは、それぞれ前記第1の剛体および前記第2の剛体に取り付けられ、
前記中央同期要素はまた、前記第1の剛体の第1の端部から前記第1のc2トーションバーまで延伸する第1の屈曲部と、前記第2の剛体の第1の端部から前記第1のc2トーションまで延伸する第2の屈曲部と、前記第1の剛体の第2の端部から前記第2のc2トーションバーまで延伸する第3の屈曲部と、前記第2の剛体の第2の端部から前記第2のc2トーションバーまで延伸する第4の屈曲部とを備えることを特徴とする、
請求項8に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
【請求項10】
前記中央同期要素は、前記ジンバルフレームを囲む剛性中央同期フレームを備え、
前記中央ジンバル要素の前記外側ねじりばねは、前記中央同期フレームまで延伸し、前記中央同期要素は、
前記中央同期フレームの対向する両側で前記c1軸上に位置整合された第1の剛体および第2の剛体を備え、結果、前記第1の剛体の第1の端部が前記第2の剛体の第1の端部に対向しており、前記第1の剛体の第2の端部が前記第2の剛体の第2の端部に対向しており、
前記第1の剛体の第1の端部は、前記c2軸上に位置整合された第1のU字型屈曲部を用いて前記第2の剛体の第1の端部に接合され、
前記第1の剛体の第2の端部は、前記c2軸上に位置整合された第2のU字型屈曲部を用いて前記第2の剛体の第2の端部に接合され、
前記第1のc2トーションバーが前記第1のU字型屈曲部の底部に取り付けられ、
前記第2のc2トーションバーが前記第2のU字型屈曲部の底部に取り付けられ、
前記中央同期要素は、前記中央同期フレームから前記第1のU字型屈曲部の第1の分枝まで延伸する第1の屈曲部と、前記中央同期フレームから前記第1のU字型屈曲部の第2の分枝まで延伸する第2の屈曲部と、前記中央同期フレームから前記第2のU字型屈曲部の第1の分枝まで延伸する第3の屈曲部と、前記中央同期フレームから前記第2のU字型屈曲部の第2の分枝まで延伸する第4の屈曲部とを備えることを特徴とする、
請求項8に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
【請求項11】
前記中央同期要素は、
前記中央ジンバル要素の対向する両側で前記c1軸上に位置整合された第1の剛体およ び第2の剛体であって、結果、前記第1の剛体の第1の端部は前記第2の剛体の第1の端部に対向しており、前記第1の剛体の第2の端部は、前記第2の剛体の第2の端部に対向している、第1の剛体および第2の剛体と、
前記中央ジンバル要素の対向する両側で前記c2軸上に位置整合された第3の剛体および第4の剛体であって、結果、前記第3の剛体の第1の端部は前記第4の剛体の第1の端部に対向しており、前記第3の剛体の第2の端部は前記第4の剛体の第2の端部に対向している、第3の剛体および第4の剛体とを備え、
前記第1のc1トーションバーおよび前記第2のc1トーションバーはそれぞれ前記第1の剛体および前記第2の剛体に取り付けられ、
前記第1のc2トーションバーおよび前記第2のc2トーションバーはそれぞれ前記第3の剛体および前記第4の剛体に取り付けられ、
前記中央同期要素は、前記ジンバルフレームを囲む実質的に四角形可撓性中央同期フレームを備え、
前記中央ジンバル要素の前記外側ねじりばねは、前記四角形可撓性中央同期フレームの2つの対向するコーナまで、前記c1軸または前記c2軸のいずれかに沿って延伸し、
前記中央同期要素は4対のプッシュバーをさらに備え、
プッシュパーの各対は平行であり、前記第1の剛体、前記第2の剛体、前記第3の剛体または前記第4の剛体の2つの対向する端部から、前記四角形可撓性中央同期フレームの隣接する辺の中点まで延伸することを特徴とする、
請求項8に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
【請求項12】
前記サスペンション構成は、1つまたは複数の第1の周辺アンカーポイントから前記第1のプルーフマスカルテットを懸架する第1の周辺サスペンション構成を備え、
前記サスペンション構成はまた、1つまたは複数の第2の周辺アンカーポイントから前記第2のプルーフマスカルテットを懸架する第2の周辺サスペンション構成も備え、
前記第1の周辺サスペンション構成および前記第2の周辺サスペンション構成の少なくとも1つは、
−ジャイロスコープ中心点に対して対称に前記プルーフマスカルテットの周辺に配置された4つのコーナ要素を備え、隣接するコーナ要素の各対は、1つまたは複数の周辺サスペンダによって相互接続され、前記1つまたは複数の周辺サスペンダは、隣接する前記プルーフマスに取り付けられ、
各コーナ要素は、半径方向に柔軟なサスペンダによって1つまたは複数の周辺アンカーポイントから懸架されることを特徴とする、
請求項1から11のいずれか一項に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2022-08-25 
結審通知日 2022-08-30 
審決日 2022-09-15 
出願番号 P2020-023321
審決分類 P 1 41・ 852- Y (G01C)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 岡田 吉美
特許庁審判官 波多江 進
濱本 禎広
登録日 2021-11-08 
登録番号 6973522
発明の名称 振動に強い多軸ジャイロスコープ  
代理人 傍島 正朗  
代理人 吉川 修一  
代理人 傍島 正朗  
代理人 吉川 修一  

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