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審決分類 審判 一部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  G06Q
審判 一部申し立て 2項進歩性  G06Q
審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載  G06Q
管理番号 1392109
総通号数 12 
発行国 JP 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2022-12-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-09-26 
確定日 2022-12-05 
異議申立件数
事件の表示 特許第7043371号発明「実施依頼管理システムおよび実施依頼管理方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第7043371号の請求項3〜15、17〜19に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第7043371号の請求項1〜19に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、平成30年9月10日に出願され、令和4年3月18日にその特許権の設定登録がされ、令和4年3月29日に特許公報が発行された。その後、本件特許のうち請求項3〜15、17〜19に係る特許に対し、令和4年9月26日に特許異議申立人 八木峰子(以下「異議申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った。

第2 本件発明
特許第7043371号の請求項3〜15、17〜19の特許に係る発明(以下、それぞれ「本件発明3」等という。)は、それぞれその特許請求の範囲の請求項3〜15、17〜19に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

【請求項3】
第1ユーザが用いる第1ユーザ端末から第2ユーザが用いる第2ユーザ端末に送信された実施依頼を管理する実施依頼管理システムであって、
前記第1ユーザ端末で作成された前記実施依頼を、当該実施依頼を実施する実施期間の開始日に前記第2ユーザ端末に対して送信する実施依頼発信部と、
前記実施依頼発信部により前記第2ユーザ端末に対して送信された前記実施依頼を当該実施依頼の期限管理情報と共に前記第2ユーザ端末の表示装置に表示する実施依頼表示部と、
前記第2ユーザ端末から前記実施依頼に対する回答結果を受信する実施依頼回答部と、を有する実施依頼管理システム。
【請求項4】
前記実施依頼回答部が受信した前記実施依頼に対する回答結果に基づいて算出した前記第2ユーザによる前記実施依頼の回答状況を前記第1ユーザの管理者が用いる端末に送信する依頼元管理部を有する請求項1から請求項3の何れか一項に記載の実施依頼管理システム。
【請求項5】
前記依頼元管理部は、前記回答状況を複数の前記第2ユーザに対する回答者の割合を回答率として、前記第1ユーザの管理者が用いる端末に送信する請求項4の実施依頼管理システム。
【請求項6】
前記実施依頼回答部が受信した前記実施依頼に対する回答結果に基づいて算出した前記第2ユーザによる前記実施依頼の回答状況を前記第2ユーザの管理者が用いる端末に送信する依頼先管理部を有する請求項1から請求項3の何れか一項に記載の実施依頼管理システム。
【請求項7】
前記依頼先管理部は、前記回答状況を複数の前記第2ユーザに対する回答者の割合を実施率として、前記第2ユーザの管理者が用いる端末に送信する請求項6の実施依頼管理システム。
【請求項8】
前記実施依頼表示部は、前記実施依頼発信部により前記第2ユーザ端末に対して送信された前記実施依頼を当該実施依頼の期限管理情報と共に前記第2ユーザ端末の表示装置に表示し、回答済みの前記実施依頼には未回答に戻すボタンを表示する請求項1から請求項3の何れか一項に記載の実施依頼管理システム。
【請求項9】
前記第1ユーザ端末から前記第2ユーザ端末に送信された実施依頼をデータベースに登録する実施依頼登録部を有し、
前記実施依頼登録部は、前記実施依頼に含まれる項目を定義する定義ファイルを有し、当該定義ファイルで定義された項目に基づいて前記実施依頼を前記データベースに登録する請求項1から請求項3の何れか一項に記載の実施依頼管理システム。
【請求項10】
前記データベースに登録された前記実施依頼は、少なくとも当該実施依頼を実施する実施期間の開始日を含み、
前記実施依頼発信部は、前記第1ユーザ端末で作成された前記実施依頼を、前記実施期間の開始日に前記第2ユーザ端末に送信する請求項9に記載の実施依頼管理システム。
【請求項11】
前記実施依頼表示部は、前記第2ユーザ端末の表示装置に、未回答の実施依頼と、前記第1ユーザ端末から送信された過去の全ての実施依頼とのうち、少なくとも何れか一つを表示する請求項1から請求項3の何れか一項に記載の実施依頼管理システム。
【請求項12】
前記実施依頼回答部は、前記第2ユーザ端末の入力装置と、前記第2ユーザ端末で受信した前記実施依頼を委託した第3ユーザが用いる第3ユーザ端末の入力装置と、前記第2ユーザ端末に代わる第4ユーザ端末の入力装置と、他のシステムの入力装置とのうち、少なくとも何れか一つの入力装置を用いて前記実施依頼に対する回答を取得する請求項1から請求項3の何れか一項に記載の実施依頼管理システム。
【請求項13】
前記依頼元管理部は、前記実施依頼発信部により前記第2ユーザ端末に対して送信された前記実施依頼に対する回答状況を算出し、前記実施依頼に対する回答を送信していない前記第2ユーザ端末に対して催促情報を送信する請求項4又は5に記載の実施依頼管理システム。
【請求項14】
前記依頼先管理部は、前記実施依頼発信部により前記第2ユーザ端末に対して送信された前記実施依頼に対する回答を算出し、前記実施依頼に対する回答を送信していない前記第2ユーザの前記管理者が用いる端末に対して催促情報を送信し、当該管理者の用いる端末から前記第2ユーザの代わりに回答された回答結果を取得する請求項6又は7に記載の実施依頼管理システム。
【請求項15】
前記第2ユーザ端末により前記実施依頼の内容を確認したことを示す内容確認部を有し、
前記内容確認部は、前記第2ユーザ端末による前記実施依頼の内容の確認に基づいて、前記第2ユーザ端末により前記実施依頼の内容が確認されたことを示す情報を前記第1ユーザ端末に送信する請求項1から請求項3の何れか一項に記載の実施依頼管理システム。
【請求項17】
第1ユーザが用いる第1ユーザ端末から第2ユーザが用いる第2ユーザ端末に送信された実施依頼を管理する実施依頼管理方法であって、
前記第1ユーザ端末で作成された前記実施依頼を、当該実施依頼を実施する実施期間の開始日に前記第2ユーザ端末に対して送信し、
前記第2ユーザ端末に対して送信された前記実施依頼を当該実施依頼の期限管理情報と共に前記第2ユーザ端末の表示装置に表示し、
前記第2ユーザ端末から前記実施依頼に対する回答結果を受信する
実施依頼管理方法。
【請求項18】
前記第2ユーザ端末から受信した前記実施依頼に対する回答結果に基づいて算出した前記第2ユーザによる前記実施依頼の回答状況を前記第1ユーザの管理者が用いる端末に送信する請求項16又は17に記載の実施依頼管理方法。
【請求項19】
前記第2ユーザ端末から受信した前記実施依頼に対する回答結果に基づいて算出した前記第2ユーザによる前記実施依頼の回答状況を前記第2ユーザの管理者が用いる端末に送信する請求項16又は17に記載の実施依頼管理方法。

第3 申立理由の概要
1 異議申立人が提出した甲第1号証〜甲第7号証(以下、それぞれ「甲1」等という。)は、以下のとおりである。
甲1:特表2018−508877号公報
甲2:特開2015−141427号公報
甲3:特開2008−146182号公報
甲4:国際公開第2018/125358号
甲5:特開2018−106494号公報
甲6:特開2012−14438号公報
甲7:特開平11−250127号公報

2 異議申立人は、特許異議申立書において以下の理由を主張する。
(1)請求項3、4、12、17及び18に係る特許は、甲1を証拠として特許法第29条第1項に違反してされたものであるから、同法第113条第2項により取り消されるべきものである。(以下「理由1」という。)

(2)請求項3、4、12、15、17及び18に係る特許は、甲1を証拠として特許法第29条第2項に違反してされたものであり、請求項5に係る特許は、甲1を主たる証拠とし甲2を従たる証拠として特許法第29条第2項に違反してされたものであり、請求項6、19に係る特許は、甲1を主たる証拠とし甲3を従たる証拠として特許法第29条第2項に違反してされたものであり、請求項7に係る特許は、甲1を主たる証拠とし甲2、甲3を従たる証拠として特許法第29条第2項に違反してされたものであり、請求項8、11に係る特許は、甲1を主たる証拠とし甲4を従たる証拠として特許法第29条第2項に違反してされたものであり、請求項9、10に係る特許は、甲1を主たる証拠とし甲5を従たる証拠として特許法第29条第2項に違反してされたものであり、請求項13に係る特許は、甲1を主たる証拠とし甲2、甲6を従たる証拠として特許法第29条第2項に違反してされたものであり、請求項14に係る特許は、甲1を主たる証拠とし甲2、甲3、甲6、甲7を従たる証拠として特許法第29条第2項に違反してされたものであるから、これらの特許は同法第113条第2項により取り消されるべきものである。(以下「理由2」という。)。

(3)請求項5、7、13及び14に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4項により取り消されるべきものである。(以下「理由3」という。)

第4 甲1〜甲7の記載
1 甲1の記載事項と甲1発明
(1)甲1の記載事項
ア 請求項1には、以下のとおり記載されている。
【請求項1】
プロジェクトの検証済みフリーランス人材へのアウトソーシングを容易にするシステムであって、
顧客のユーザデバイスからコンピュータネットワークを介して、前記顧客によりアウトソーシングされるプロジェクトについてのプロジェクト仕様書を受信するように構成された第1のプラットフォームと、
前記第1のウェブベースのプラットフォームに通信可能に結合され、前記プロジェクトを管理するために前記顧客による選択を取り合う複数のプロジェクトマネージャにアクセス可能な第2のプラットフォームであって、
前記第1のプラットフォームから前記プロジェクト仕様書を受信し、
前記複数のプロジェクトマネージャによるレビューのために前記プロジェクト仕様書を投稿し、
前記コンピュータネットワークを介して、前記複数のプロジェクトマネージャから前記プロジェクトを完了するための複数の提案書を受信し、ここで、それぞれの提案書は、別々のプロジェクトマネージャによって前記第2のプラットフォームに提出され、
前記複数の提案書を前記第1のプラットフォームに通信する
ように構成された第2のプラットフォームと
を備えており、
前記第1のプラットフォームは、さらに、前記複数の提案書を受信した時に、
前記顧客によるレビューのために前記複数の提案書を投稿し、
前記複数の提案書のうち1つの提案書を前記顧客が選択することを可能にするユーザインタフェースを生成し、
前記顧客が前記提案書を選択したことを示すユーザ入力に応答して、前記顧客による選択の提案書に関連するプロジェクトマネージャに自動的に通知する
ように構成されており、
前記第2のプラットフォームは、さらに、前記顧客が前記提案書を選択した時に、
前記プロジェクトマネージャが、前記プロジェクトマネージャの監督下で前記プロジェクトに関連するマイルストーンを完了することを担当するフリーランス作業員と通信できるようにするインタフェースを提供する
ように構成されており、
前記顧客が、ネットワークにアクセス可能なユーザデバイスを使用して、前記第1のウェブベースのプラットフォームにアクセスし、前記複数のプロジェクトマネージャのそれぞれが、複数のネットワークにアクセス可能なユーザデバイスのうち別々のものを使用して、前記第2のウェブベースのプラットフォームにアクセスする、システム。

イ 発明の詳細な説明には、次の事項が記載されている。
【0002】
発明の分野
本開示の少なくとも1つの実施形態は、技術プロジェクトをクラウドソーシングするためのシステム及び技法に関し、より詳細には、顧客又はパートナーの顧客を、顧客によって投稿された技術プロジェクトを取り合うフリーランスプロジェクトマネージャと繋ぐためのシステム及び技術に関する。

【発明の概要】
【0006】
本明細書にて提示される技術は、企業(「顧客」とも称される)の代表者が、顧客によって投稿された技術プロジェクトを取り合う複数のプロジェクトマネージャを容易に閲覧すること、及び、該複数のプロジェクトマネージャとセキュアに接続することを可能にする方法、装置、及びシステムを含む。より具体的には、顧客は、技術プロジェクトを完了するための提案書を、別々のプロジェクトマネージャによって提出された複数の提案書の中から選択することができる。提案書が顧客によって選択されると、提案書に対応するプロジェクトマネージャは、プロジェクトマネージャの監督下で技術プロジェクトを完了するために一緒に作業することが可能な1人以上のフリーランサーを含むチームを構成することができる。「顧客」とは、複数のフリーランサー(例えば、フリーランスプロジェクトマネージャ(「プロジェクトマネージャ」とも称される)、及び、少なくとも1人の他のフリーランス作業員(「フリーランサー」とも称される))のサービスを必要としている任意の事業又は事業の代表者である。また、「顧客」とは、管理者(又は管理体)又は管理者のパートナーのいずれかの顧客でもあり得る。パートナーは、例えば、顧客のためにクラウドソーシングプラットフォームの使用を希望するコンサルティング会社であり得る。プロジェクトマネージャとフリーランサーとは、顧客にサービスを提供する独立したコンサルタントである。

【発明を実施するための形態】
【0009】
例えば、本明細書では、顧客によって投稿された技術プロジェクトを互いに取り合うプロジェクトマネージャのプールから、顧客がプロジェクトマネージャを選択することを可能にするプラットフォームが図示及び説明される。通常、プール内の各プロジェクトマネージャは、クラウドソーシングプロセスを監督する管理者によって検証される。また、本明細書では、プロジェクトマネージャが選択されたプロジェクトを完了するために使用可能なリソース(例えば、プロプライエタリの技術及び/又はサードパーティの技術のようなフリーランサー及びツール)について、プロジェクトマネージャがレビュー及びアクセスできるようにするプラットフォームも説明される。
【0010】
クラウドソーシングプラットフォームは、新興企業から大企業まで、あらゆる規模の顧客がプロジェクトに関する詳細を投稿できるようにする。例えば、顧客は、プロジェクトを完了するためのパラメータ、完了のために求められるタイムライン、見積り予算などを含むプロジェクト仕様書を投稿し得る。クラウドソーシングプラットフォームを介して、顧客はまた、プロジェクトマネージャにより提出された提案書を閲覧し、プロジェクトマネージャの1人にプロジェクトを授与して、プロジェクトの実行を管理(例えば、進捗をレビュー)することもできる。顧客により選出されたプロジェクトマネージャは、「アカウントマネージャ」とも称されることがある。

【0012】
一方、フリーランシングプラットフォームは、プロジェクトマネージャが、プロジェクトの提案書を提出して(例えば、チームについてフリーランサーを選択し、それらのフリーランサーにタスクを割り当てることによって)プロジェクトを実行できるようにする。例えば、各々がクラウドソーシングプラットフォーム及びフリーランシングプラットフォームを管理する管理者によって検証されているプロジェクトマネージャは、投稿されたプロジェクト仕様書について提案書を顧客に提出し、プロジェクトが授与された場合には、プロジェクトを実行するために必要とされるフリーランサー(例えば、開発者、デザイナー、テスター)を特定して選択する。この後、フリーランシングプラットフォームは、選択されたフリーランサーをプロジェクトのライフスパン全体にわたって管理し、プロジェクトのステータスを顧客に通信するように、プロジェクトマネージャによって使用され得る。

【0014】
併せて、クラウドソーシングプラットフォーム及びフリーランシングプラットフォームによって、顧客は、プロジェクトを取り合う複数のプロジェクトマネージャの間から容易に選出することができ、サードパーティプロバイダに何ら仕事をアウトソーシングすることなく、プロジェクトのためのチームを調達してプロジェクトの完了を管理することができる。本明細書にて提示される技術の様々な実施形態は、顧客によって使用されるクラウドソーシングプラットフォーム、フリーランサーによって使用されるフリーランシングプラットフォーム、管理者によって使用される管理ポータル、ワークフロー及びユーザインタフェース、実行モデル、並びに、本開示の全体にわたって説明される他の機能的な詳細及び構想を採用する。
【0015】
図1は、クラウドソーシングプラットフォーム102及びフリーランシングプラットフォーム104を含む両面フリーランシングシステムの一例を示す。種々の実施形態において、クラウドソーシングプラットフォーム102及びフリーランシングプラットフォーム104は、それぞれ1つ以上のコンピュータネットワークに接続される。このようなコンピュータネットワークは、1つ以上のローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)及び/又はインターネットを含んでいてもよい。全般的に、クラウドソーシングプラットフォーム102は、顧客の使用を意図したインタフェースを生成する役割を担い、フリーランシングプラットフォーム104は、フリーランサー(例えば、プロジェクトマネージャ112及び他のフリーランサー114)の使用を意図したインタフェースを生成する役割を担う。管理者108(例えば、ユーザ又は処理システム)又は関連する事業体は、管理ポータル106を介して(又はいずれかのプラットフォームを介して直接)両方のプラットフォームを管理することができる。

【0017】
より具体的には、クラウドソーシングプラットフォーム及びフリーランシングプラットフォームは、管理者108によって検証されたプロジェクトマネージャ112が、顧客110によって提出されたプロジェクトを取り合うことを可能にする。プロジェクトは、顧客110により、クラウドソーシングプラットフォーム102を介して提出され、顧客がネットワークアクセス可能なユーザデバイス(例えば、携帯電話、タブレット、ラップトップコンピュータ、時計)上で閲覧可能になる。例えば、顧客110は、プロジェクトに関する様々な詳細を含むプロジェクト仕様書を提出してもよい。
【0018】
プロジェクトマネージャ112は、フリーランシングプラットフォーム104を使用して、顧客110によって投稿されたプロジェクトを閲覧することができ、また、プロジェクトマネージャ112同士で通信することができると共に、投稿されたプロジェクト等に関する他のフリーランサー114と通信することができる。フリーランサー114は、フリーランシングプラットフォーム104を使用して、顧客110によって投稿されたプロジェクトに関する少なくとも一部の情報を閲覧することができ、また、フリーランサー114同士で通信することができると共に、投稿されたプロジェクト等に関するプロジェクトマネージャ112と通信することができる。例えば、プロジェクトマネージャ112は、全ての利用可能なプロジェクトを、フリーランシングプラットフォームを介して閲覧することができ、それらのプロジェクトは、プロジェクトマネージャがネットワークアクセス可能なユーザデバイス(例えば、携帯電話、タブレット、ラップトップコンピュータ、時計)上で閲覧可能になる。クラウドソーシングプラットフォーム、フリーランシングプラットフォーム及びパートナープラットフォーム120は、例えば、(例えば、ブラウザベースのポータルとしての)ウェブサイトを介して、又は、(例えば、iOS又はAndroid用の)ソフトウェアアプリケーションを介してアクセスされ得る。
【0019】
図2は、クラウドソーシングプラットフォーム、フリーランシングプラットフォーム、パートナープラットフォーム、パートナー管理ポータル及び/又は管理ポータルを構築するために使用され得るシステムアーキテクチャの一例を示す。フロントエンドインタフェースは、(例えば、ウェブブラウザ、ソフトウェアプログラム、iOSアプリケーション及びAndroidアプリケーションのいくつかの組み合わせを介して)複数のデバイスを介してアクセス可能であることが好ましい。クラウドソーシングプラットフォーム、パートナープラットフォーム及び/又はフリーランシングプラットフォームのバックエンドは、例えば、Amazon Web Services(AWS)又は同様の技術によって動作するクラウドコンピューティングサービスによって実行され得る。さらに、クラウドソーシングプラットフォーム、フリーランシングプラットフォーム、パートナープラットフォーム、パートナー管理ポータル及び管理ポータルは、全てAWSの同じインスタンス上に(例えば、ただし別のフォルダ内に、ウェブアクセス用に別のポートを使用して)存在し得ると共に、同じデータベースを共有し得る。
【0020】
クラウドソーシングプラットフォーム及び/又はフリーランシングプラットフォームは、例えば、JavaScript MEANスタック(すなわち、MongoDB、Express.js、Angular.js、Node.js)を使用して構築されてもよい。そのような実施形態では、MongoDBは、データベースサーバとして機能することができ、Angular.jsは、プラットフォームのフロントエンドインタフェースを表すことができ、Express.js及びNode.jsは、ウェブインタフェース及びモバイルアプリケーションの両方のバックエンドロジックを包含することができ、該ウェブインタフェース及びモバイルアプリケーションは、表現状態転送(Representational State Transfer)(REST)アプリケーションプログラミングインタフェース(API)呼び出しを介して、ウェブインタフェースにアクセスできる。

【0022】
図3Aは、顧客、プロジェクトマネージャ、管理者及び1人以上のフリーランサー(例えば、開発者、デザイナー、テスター)の間のワークフロー及び対話の一例を示す。図3Bは、顧客、プロジェクトマネージャ、管理者、パートナー管理者及び1人以上のフリーランサー(例えば、開発者、デザイナー、テスター)間のワークフロー及び対話の一例を示す。顧客は、名前や企業の電子メールアドレスのような基本情報を入力することによって、クラウドソーシングプラットフォームにサインアップ及びログインすることができる(ステップ301)。顧客は、クラウドソーシングプラットフォームによって円滑にされるクラウドソーシングサービスにサインアップする前に、特定の利用規約やプライバシーポリシーに同意する必要があってもよい。顧客がサインアップした後、管理者(例えば、両方のプラットフォームを管理する管理者)は、顧客を検証して、顧客のアカウントをアクティブ化する(ステップ302)。通常、管理者が(例えば、企業が支払を処理するように設定されていることを検証することによって)検証プロセスを完了するまで、顧客がクラウドソーシングプラットフォームにプロジェクトを投稿することは許可されない。同様に、パートナーの顧客は、パートナープラットフォームを使用して名前や企業の電子メールアドレスのような基本情報を入力することによって、クラウドソーシングプラットフォームにサインアップ及びログインすることができる。パートナーの顧客は、クラウドソーシングプラットフォームによって円滑にされるクラウドソーシングサービスにサインアップする前に、特定の利用規約やプライバシーポリシーに同意する必要があってもよい。顧客がサインアップした後、パートナー管理者(例えば、コンサルティング会社などのパートナー企業の管理者)は、顧客を検証して、顧客のアカウントをアクティブ化する(ステップ327)。通常、パートナーの管理者が検証プロセスを完了するまで、パートナーの顧客がクラウドソーシングプラットフォームにプロジェクトを投稿することは許可されない。顧客が検証された後に、顧客は、プロジェクトマネージャ及び1人以上のフリーランサーによって完了されることとなるプロジェクトの詳細を含むプロジェクト仕様書を、クラウドソーシングプラットフォームに投稿することができる(ステップ303)。

【0026】
プロジェクト仕様書が顧客によって提出された後、フリーランシングプラットフォームは、プロジェクトについてプロジェクトマネージャに通知する。例えば、フリーランシングプラットフォームは、全てのプロジェクトマネージャ、又は、特定の基準(例えば、プロジェクト仕様書が、ヘルスケアのドメイン知識が必要であることを示している等)を満たすプロジェクトマネージャのサブセットに送信される電子メールメッセージを自動的に生成するように構成されてもよい。プロジェクトマネージャには、プロジェクトマネージャの提案書を提出するための期限が授与されてもよい(この期限は、設定されたとしても、プロジェクト又は管理者に関連する顧客によって延長される可能性がある)。プロジェクトマネージャは、フリーランシングプラットフォームを使用して、顧客によって投稿されたプロジェクト仕様書をレビューすることができる(ステップ308)。いくつかの例では、プロジェクトマネージャが(例えば、プロジェクト仕様書を明確化するため、又は、プロジェクトに関する質問をするために)顧客とのディスカッションを開始する必要があってもよい(ステップ309、310)。プロジェクトマネージャはまた、専門知識を求めたり、質問をしたり、意見を追求したりする等のために(これらは、提案書を準備するために必要であり得る)、他のフリーランサー(例えば、開発者、デザイナー又はテスター)とのディスカッションを開始することが可能であってもよい(ステップ310、311)。
【0027】
フリーランサーは、通常、プロジェクトのタイトル及びプロジェクトマネージャによって提供される他の情報のようなプロジェクトに関する基本情報しか見ることができないが、フリーランサーはプロジェクトに関心を表明し(ステップ312)、プロジェクトマネージャが提案書を準備できるようにする広く様々なトピックスについて、プロジェクトマネージャに意見を提供することができる。フリーランサーによって提供される情報は、通常、全てのプロジェクトマネージャに見えているが、プロジェクトマネージャは、個々人に対して(例えば、特定の時間枠内において手が空いているかどうかについて)個人的に回答を募ることもできる。プロジェクトマネージャが提案書を生成及び提出するのに十分な情報を(例えば、フリーランサー及び顧客とのディスカッションを通じて、又は、プロジェクトに関連する自身の専門知識を通じて)取得すると、プロジェクトマネージャは、フリーランシングプラットフォーム上で提案書を提出することができる(ステップ313)。この提案書は、例えば、提案されたマイルストーンと、各マイルストーンについての見積りコストとを含み得る。
【0028】
次に、顧客は、フリーランスのプロジェクトマネージャによって提出された提案書をレビューし、必要に応じて追加の明確化を求めることができる(ステップ314)。顧客が全ての提案書をレビューし、プロジェクトマネージャから十分な情報を取得すると、顧客はプロジェクトを1人のプロジェクトマネージャに授与する(ステップ315)。勝ち取ったプロジェクトマネージャは、プロジェクトの完了及び配信を担当する。
【0029】
続いて、勝ち取ったプロジェクトマネージャは、1人以上のフリーランサーを選択することによってチームを作成する(ステップ316)。プロジェクトの投稿を担当する顧客は、顧客が追加の専門知識を望んでいる場合や、1人又は複数人のフリーランサーがチームの残りの者といまいち合っていないと考えている場合、チームをレビューして、追加のチームメンバー及び/代わりのチームメンバー(1人又は複数人)を求めてもよい(ステップ317)。選択されたフリーランサーは、プロジェクトに関心を表明したフリーランサー又は提案書を提出したプロジェクトマネージャの1人と以前にプロジェクトについてディスカッションしていたフリーランサーの群に由来していてもよい。勝ち取ったプロジェクトマネージャはまた、以前はフリーランサーが利用できなかったプロジェクトに関する詳細を(例えば、フリーランシングプラットフォームを介して)投稿することによって、追加のフリーランサーを募集してもよい。勝ち取ったプロジェクトマネージャは、プロジェクトを実行するのに十分な人材/経験者が見つかるまで、フリーランサーの招集を続ける。チームメンバー(すなわち、選択されたフリーランサー)のマイルストーン及び賃金構造は、通常、勝ち取ったプロジェクトマネージャによって設定される。いくつかの実施形態では、全てのチームメンバーは、プロジェクトの作業を開始する前に、チームをレビューしてマイルストーン及び賃金構造を承諾しなければならない(ステップ318)。

【0042】
顧客は、ログイン時に、顧客のプロフィール、以前のプロジェクト、投稿されたプロジェクト、他の重要な又は時間依存の情報(例えば、差し迫った締め切り日)などに関する詳細を提供するダッシュボードページ(「ダッシュボード」)等に移動させられ得る(図5F)。上記のように、ダッシュボードは、ウェブブラウザ、モバイルアプリケーション又はその両方を介してアクセス可能であってもよい。一方で、新規の顧客は、新規のユーザダッシュボードに誘導させられて、各顧客がプロフィールを完成させ、支払いオプションを設定して、新規のプロジェクトを開始できるようにされ得る(図5G)。
【0043】
顧客は、リンクをクリックして顧客が投稿した全てのプロジェクトを見て(図5H)、メッセージボードを使用して関心のあるプロジェクトマネージャと投稿されたプロジェクトについてディスカッションし(図5J)、プロジェクトマネージャにより投稿された提案書をレビューして(図5K)、特定のプロジェクトマネージャにプロジェクトを授与することができる(図5K)。いくつかの実施形態では、顧客は、チーム(すなわち、プロジェクトマネージャ及びプロジェクトマネージャによって選択されたフリーランサー)及びチームの各メンバーのプロフィール、平均評価並びに他の詳細についてレビューすることができる(図5L)。顧客はまた、クラウドソーシングプラットフォームを介して、プロジェクトマネージャを評価することもできる。それに加えて又はそれに代えて、顧客は、1つ以上のアルゴリズムによって生成されたプロジェクトマネージャ及び/又は他のフリーランサーについての評価を閲覧することができる。

【0045】
図6A〜図6Mは、フリーランシングプラットフォームを介して閲覧できる、プロジェクトマネージャが対話可能なGUIの一例を示す。図6A〜図6Mは、典型的にはプロジェクトマネージャによってナビゲートされるスクリーンのフローをまとめて示す。プロジェクトマネージャは、最初に、名、姓、電子メールアドレスのような基本情報を提供することによって、フリーランシングプラットフォームのアカウントを作成する(図6A)。プロジェクトマネージャは、新規のアカウントを作成するのではなく、ソーシャルネットワーキングアカウント(例えば、LinkedIn、Facebook又はTwitter)を使用して、プラットフォームにサインアップすることもできる(図6B)。プロジェクトマネージャがフリーランシングプラットフォームに登録するためにソーシャルネットワーキングアカウントを使用することを選択した場合には、フリーランシングプラットフォームのアカウントを設定するために、ソーシャルネットワーキングアカウント(例えば、名前、電子メール、スキル)からの情報を使用することができる。
【0046】
アカウントが作成されると、プロジェクトマネージャは、プロフィール情報をいつでも更新することができる。例えば、プロジェクトマネージャは、追加の詳細を指定することを選択してもよく(図6C)、パスワードを変更することを選択してもよい(図6D)。ログイン時には、プロジェクトマネージャは通常、プロジェクトマネージャのプロフィール、顧客によって投稿された新規のプロジェクト、プロジェクトのステータス(例えば、提出済、進行中)、他の重要な又は時間依存の情報(例えば、差し迫った締め切り日など)等に関する詳細を提供するダッシュボードページ(「ダッシュボード」)に移動させられる(図6E)。顧客用のダッシュボードと同様に、プロジェクトマネージャのダッシュボードは、Webブラウザ、モバイルアプリケーション又はその両方を介してアクセス可能であってもよい。新規のプロジェクトマネージャは、典型的には新規のユーザダッシュボードに移動させられて、ログイン時にダッシュボードに表示すべき情報を各プロジェクトマネージャが指定できるようにされる(図6F)。
【0047】
プロジェクトマネージャは、ダッシュボード上に提示されたリンクをクリックすることにより、顧客によって投稿されたプロジェクトを見ることができ、かつ/又は、特定のプロジェクト(例えば、特定の状態又はプロジェクト名に適合するプロジェクト)を検索することができる(図6G)。投稿されたプロジェクトを選択した時に、プロジェクトマネージャは、顧客によって提供されたプロジェクト仕様書と共に、顧客によって提供された任意の添付ファイルを閲覧することができる(図6H)。クラウドソーシングプラットフォームのように、フリーランシングプラットフォームは、投稿されたプロジェクトについてプロジェクトマネージャが顧客又は他のフリーランサーとディスカッションできるディスカッションフォーラムを提供する(図6I)。フリーランシングプラットフォームはまた、投稿されたプロジェクトの提案書をプロジェクトマネージャが提出できるようにするインタフェースをも含んでいる(図6J)。
【0048】
プロジェクトマネージャはまた、プロジェクトがプロジェクトマネージャに授与された時に、1人又は複数人のフリーランサーを含むチームを、フリーランシングプラットフォームを介して招集することもできる。より具体的には、プロジェクトマネージャは、プロジェクトにて作業することに関心を表明したフリーランサー又はフリーランサーのディスカッションに参加していたフリーランサーの中から選択することができる。それに加えて又はそれに代えて、プロジェクトマネージャは、ディスカッションに参加していなかった又は関心を表明していなかったフリーランサーに対して、議論に参加したりプロジェクトに関心を表明するように要請したりすることができる(図6K)。例えば、プロジェクトマネージャは、特定のスキルを持っている、又は、プロジェクトが完了する時間枠内において手が空いていることがプロフィールに示されている全てのフリーランサーを検索し得る。その後、プロジェクトマネージャは、プロジェクトを完了させて進捗に関する更新を顧客に提供するために、フリーランシングプラットフォームによって提供される様々なツール及び選択されたフリーランサーを使用することができる(図6L)。プロジェクト又はマイルストーンが完了した時に、プロジェクトマネージャは、チームに含まれるフリーランサーを、フリーランシングプラットフォームを介して評価することができる。例えば、顧客が更新を要求した時、又は、作業が完了したことについてチームメンバーが示した時に、電子メールメッセージ及び/又はモバイル通知が、いずれかのプラットフォームによってプロジェクトマネージャに送信されてもよい(図6M)。

【0054】
例:モバイルアプリケーション開発プロジェクト
ABC Corporation(ABC Corp.)は中規模企業であって、モバイルデバイスから食品を注文するためにエンドユーザが使用可能なモバイルアプリケーションを構築することを望んでいる。ABC Corp.の指定代理人(例えば、情報技術プロジェクトマネージャのJake Smith)は、クラウドソーシングプラットフォームのアカウントを作成し、モバイルアプリケーションの詳細、及び、どのようにモバイルアプリケーションを構築する予定であるか(例えば、サポート予定のオペレーティングシステム、見積り予算、見積りタイムライン)を含むプロジェクト仕様書を投稿する。いくつかの実施形態では、フリーランシングプラットフォームは、プロジェクトマネージャの少なくとも一部に対して、ABC Corp.によって新しいプロジェクトが投稿されたことを通知する。
【0055】
プロジェクト仕様書は、通常、クラウドソーシングシステム及びフリーランシングシステムを監督する管理者によって検証された全てのプロジェクトマネージャに(例えば、フリーランシングプラットフォームを介して)見えている。しかしながら、いくつかの実施形態では、クラウドソーシングプラットフォームは、プロジェクト仕様書を閲覧可能なプロジェクトマネージャを(例えば、特定の地理的エリア内のプロジェクトマネージャ又は特定の産業に従事しているプロジェクトマネージャのみに)制限することを選択してもよい。その後、プロジェクトマネージャは、プロジェクトの仕様書をレビューして、プロジェクトの提案書を提出することができる。
【0056】
多くの場合、プロジェクトマネージャは、提案書を提出するためにプロジェクトをより高度に理解する必要があり得る。そのような場合には、プロジェクトマネージャは、プロジェクト仕様書に関する質問をしたり、追加の詳細を要求したりするために、(例えば、フリーランシングプラットフォームのディスカッションフォーラムを通じて)Jakeに接触する。プロジェクトマネージャは、(例えば、プロジェクトに関連する専門知識を有するフリーランサーを特定するために)ディスカッションフォーラムを介して他のフリーランサーと交流することもできる。プロジェクトマネージャがJakeやその他のフリーランサーから十分な情報を入手すると、プロジェクトマネージャは、前提条件、マイルストーン、要素成果物及びその他の必要な情報についての詳細な要約を含むプロジェクトの提案書を、フリーランシングプラットフォームを介して提出することを選択できる。

(2)甲1発明
上記(1)イの記載からみて、上記(1)アの「第1のプラットフォーム」及び「第2のプラットフォーム」は、それぞれ「クラウドソーシングプラットフォーム」及び「フリーランシングプラットフォーム」のことであるから、上記(1)より、甲1には次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているといえる。
(甲1発明)
プロジェクトの検証済みフリーランス人材へのアウトソーシングを容易にするために、
顧客のユーザデバイスからコンピュータネットワークを介して、前記顧客によりアウトソーシングされるプロジェクトについてのプロジェクト仕様書を受信するように構成されたクラウドソーシングプラットフォームと、
前記クラウドソーシングプラットフォームに通信可能に結合され、前記プロジェクトを管理するために前記顧客による選択を取り合う複数のプロジェクトマネージャにアクセス可能なフリーランシングプラットフォームであって、前記クラウドソーシングプラットフォームから前記プロジェクト仕様書を受信し、前記複数のプロジェクトマネージャによるレビューのために前記プロジェクト仕様書を投稿し、前記コンピュータネットワークを介して、前記複数のプロジェクトマネージャから前記プロジェクトを完了するための複数の提案書を受信し、ここで、それぞれの提案書は、別々のプロジェクトマネージャによって前記フリーランシングプラットフォームに提出され、前記複数の提案書を前記クラウドソーシングプラットフォームに通信するように構成されたフリーランシングプラットフォームと
を備えており、
前記クラウドソーシングプラットフォームは、受信した前記複数の提案書のうち1つの提案書を前記顧客が選択することを可能にするユーザインタフェースを生成し、前記顧客が前記提案書を選択したことを示すユーザ入力に応答して、前記顧客による選択の提案書に関連するプロジェクトマネージャに自動的に通知するように構成されており、
前記顧客が、ネットワークにアクセス可能なユーザデバイスを使用して、前記クラウドソーシングプラットフォームにアクセスし、前記複数のプロジェクトマネージャのそれぞれが、複数のネットワークにアクセス可能なユーザデバイスのうち別々のものを使用して、前記フリーランシングプラットフォームにアクセスするシステム(以上【請求項1】)であって、
顧客は、プロジェクトマネージャ及び1人以上のフリーランサーによって完了されることとなるプロジェクトの詳細を含むプロジェクト仕様書を、クラウドソーシングプラットフォームに投稿し(【0022】)、
プロジェクト仕様書が顧客によって提出された後、フリーランシングプラットフォームは、プロジェクトについてプロジェクトマネージャに通知し、ここで、フリーランシングプラットフォームは、全てのプロジェクトマネージャ、又は、特定の基準を満たすプロジェクトマネージャのサブセットに送信される電子メールメッセージを自動的に生成するように構成され、プロジェクトマネージャには、プロジェクトマネージャの提案書を提出するための期限が授与されてもよく(【0026】)、
プロジェクトマネージャは、フリーランシングプラットフォームを使用して、顧客によって投稿されたプロジェクト仕様書をレビューすることができ(【0026】)
プロジェクトマネージャは、フリーランシングプラットフォーム上で提案書を提出し(【0027】)、
顧客は、フリーランスのプロジェクトマネージャによって提出された全ての提案書をレビューし、プロジェクトを1人のプロジェクトマネージャに授与する(【0028】)ものであり、
フリーランシングプラットフォームを介して閲覧できる、プロジェクトマネージャが対話可能なGUIとして、ログイン時には、プロジェクトマネージャは通常、プロジェクトマネージャのプロフィール、顧客によって投稿された新規のプロジェクト、プロジェクトのステータス(例えば、提出済、進行中)、他の重要な又は時間依存の情報(例えば、差し迫った締め切り日など)等に関する詳細を提供するダッシュボードページ(「ダッシュボード」)に移動させられる(【0045】、【0046】)
システム。

2 甲2の記載
甲2には、以下の記載がある。
【0053】
工程ID223aは、工程を特定する識別情報であって、工程DB222の工程ID222aと対応している。進捗率223bは、工程の進捗割合を特定する値であって、例えば工程が全部終了した状態を100とした、工程の進み具合の割合を示す。進捗遅れ状況223cは、工程の進捗が予定よりも遅れている度合いを示す情報である。例えば、進捗遅れ状況223cが「済」である場合は、既に工程が終了しており、未記入である場合は予定通り工程が進行しており、数値である場合には遅れている期間を示す。問題点223dは、PMが工程に関して把握している問題点や懸案事項である。

3 甲3の記載
甲3には、以下の記載がある。
【0081】
全体スケジュール表Aとチームスケジュール表B1〜Bnが作成された後に、各チームリーダによって、各チームリーダ端末装置T1〜Tnに自チームの進捗情報が入力されると、この進捗情報は通信ネットワーク40を介してプロジェクト管理装置10に送られる。プロジェクト管理装置10の端末I/F部17は、進捗情報を受信して進捗情報入力部13に入力する。進捗情報入力部13は、入力された進捗情報をチームスケジュールDB33内のチームスケジュール表B1〜Bnに保存する(ステップS30)。
【0082】
プロジェクトリーダによって、プロジェクトリーダ端末装置21に進捗情報の取得要求が入力されると、この取得要求は通信ネットワーク40を介してプロジェクト管理装置10に送られる。プロジェクト管理装置10の端末I/F部17は、進捗情報の取得要求を受信して進捗情報反映部14に入力する。進捗情報反映部14は、進捗情報の取得要求に基づいて、チームスケジュール表から進捗情報を抽出し、全体スケジュール表Aに反映する。すなわち、チーム毎の進捗情報を吸い上げて全体スケジュール表Aに反映させる(ステップS40)。進捗情報の取得要求にに対応する進捗情報(進捗情報が反映された全体スケジュール表A)は、プロジェクトリーダ端末装置21に送られる。

4 甲4の記載
甲4には、以下の記載がある。(なお、訳文は、甲4のJPファミリである特表2020−513599号公報によるものであり、対応する段落を併せて示す。)
[00109] In some implementations, GUI 1400 can present user task view 1420. For example, user task view 1420 can present tasks associated with a specific user. For example, if the user "Phil Bowman" (e.g., as indicated by graphical element 1414) is using client device 240 and/or CMS client 242 and has logged into content management system 106, user task view 1420 can present tasks associated with (e.g., created by, assigned to, etc.) the user "Phil Bowman." CMS client 242 can obtain task information describing tasks associated with the user for presentation in user task view 1420 from tasks database 208 through project module 202, for example. Alternatively, CMS client 242 can obtain task information describing tasks associated with the user locally from managed content 250 on client device 240.
(訳文) いくつかの実施例において、GUI1400はユーザタスクビュー1420を提示できる。例えばユーザタスクビュー1420は、特定のユーザと関連付けられたタスクを提示できる。例えばユーザ「Phil Bowman」(例えば、グラフィック要素1414により示される)がクライアントデバイス240及び/又はCMSクライアント242を使用しており、コンテンツ管理システム106にログインしている場合、ユーザタスクビュー1420はユーザ「Phil Bowman」と関連付けられたタスク(例えば、ユーザ「Phil Bowman」により作成されたタスク、ユーザ「Phil Bowman」に割り当てられたタスク等)を提示できる。CMSクライアント242は、例えばユーザタスクビュー1420において提示するためにユーザと関連付けられたタスクを説明するタスク情報をタスクデータベース208からプロジェクトモジュール202を介して取得できる。あるいは、CMSクライアント242は、ローカルにクライアントデバイス240上の管理コンテンツ250からユーザと関連付けられたタスクを説明するタスク情報を取得できる。(【0088】)

[00118] FIG. 17 illustrates an example graphical user interface 1700 presenting a column view of tasks associated with the user. For example, CMS client 242 can present a columnar representation of user task view 1420 in response to the user selecting graphical element 1704. The user can, for example, switch between a list view and task view of user by selecting graphical element 1412 (e.g., for list view) and/or graphical element 1704 (e.g., for column view), respectively.
[00119] When presenting a column view of user tasks on user task view 1420, CMS client 242 can present graphical elements 1710, 1720, and/or 1730 representing respective task states. Each graphical element 1710, 1720, and/or 1730 can define an area (e.g., columns, rows, sections, etc.). A task can be presented within the area of a graphical element 1710, 1720, and/or 1730 when the current state of the task corresponds to the task state represented by the corresponding graphical element 1710, 1720, and/or 1730. For example, graphical element 1710 can represent a "to do" state indicating that corresponding tasks 1712, and/or 1714 have not yet been started. Graphical element 1720 can represent a "in progress" state indicating that corresponding task 1722 has been started but not yet completed. Graphical element 1730 can represent a "completed" state indicating that corresponding task 1732 has been completed. Other graphical elements may be presented representing other task states.
[00120] In some implementations, a user can provide input to user task view 1420 to change the state of a task. For example, the user can select the checkbox within task 1714 to indicate that task 1714 has been completed. Upon receiving the user input indicating that task 1714 has been completed, CMS client 242 can present a representation 1732 of task 1714 that indicates that task 1714 has been completed within the area defined by graphical element 1730. For example, CMS client 242 can remove task 1714 from graphical element 1710 and present task 1714 (now task 1732) within the area defined by graphical element 1730.
[00121] FIG. 18 illustrates an example graphical interface 1800 for changing the state of a task. For example, GUI 1800 can correspond to GUI 1700 of FIG. 17 described above.
[00122] In some implementations, a user can change the state of a task by dragging and dropping tasks into the areas defined by graphical elements 1710, 1720, and/or 1730. For example, the user can select and drag task 1802 from graphical element 1710 into graphical element 1720 to cause CMS client 242 to change the state of task 1802 from "to do" to "in progress." Similarly, the user can select and drag task 1804 from graphical element 1720 into graphical element 1730 to cause CMS client 242 to change the state of task 1802 from "in progress" to "completed." The user can select and drag task 1810 from graphical element 1710 into graphical element 1730 to cause CMS client 242 to change the state of task 1810 from "to do" to "completed," as indicated by task 1730. The user can also provide input to change task states by moving tasks from graphical elements 1730 and/or 1720 to graphical elements 1710 and 1720, for example. When the user changes the state of a task, CMS client 242 can send the updated task information, including the changed task state, to project module 202 for storage in task database 208 managed by content management system 106.
(訳文) 図17は、ユーザと関連付けられたタスクのカラムビューを提示する一例のグラフィカルユーザインタフェース1700を示す。例えばCMSクライアント242は、ユーザがグラフィック要素1704を選択したことに応じてユーザタスクビュー1420のカラム表現を提示できる。ユーザは、例えばグラフィック要素1412(例えば、リストビューに対する)及び/又はグラフィック要素1704(例えば、カラムビューに対する)をそれぞれ選択することによりユーザのリストビューとタスクビューとを切り替えられる。(【0097】)
ユーザタスクビュー1420のユーザタスクのカラムビューを提示する時、CMSクライアント242は、各タスク状態を表すグラフィック要素1710、1720及び/又は1730を提示できる。各グラフィック要素1710、1720及び/又は1730は、領域(例えば、カラム、行、セクション等)を規定できる。タスクの現在の状態が対応するグラフィック要素1710、1720及び/又は1730により表されるタスク状態に対応する時、タスクは、グラフィック要素1710、1720及び/又は1730の領域内に提示される。例えばグラフィック要素1710は、対応するタスク1712及び/又は1714がまだ開始されていないことを示す「未着手」状態を表せる。グラフィック要素1720は、対応するタスク1722が開始されているがまだ完了していないことを示す「進行中」状態を表せる。グラフィック要素1730は、対応するタスク1732が完了されたことを示す「完了」状態を表せる。他のタスク状態を表す他のグラフィック要素が提示されてもよい。(【0098】)
いくつかの実施例において、ユーザはユーザタスクビュー1420に入力を提供してタスクの状態を変更できる。例えばユーザは、タスク1714内のチェックボックスを選択して、タスク1714が完了されたことを示せる。タスク1714が完了されたことを示すユーザ入力を受信すると、CMSクライアント242は、タスク1714が完了されたことを示すタスク1714の表現1732をグラフィック要素1730により規定される領域内に提示できる。例えばCMSクライアント242は、グラフィック要素1710からタスク1714を除去し、グラフィック要素1730により規定される領域内にタスク1714(この時点でタスク1732)を提示できる。(【0099】)
図18は、タスクの状態を変更するための一例のグラフィカルユーザインタフェース1800を示す。例えばGUI1800は、上述した図17のGUI1700に対応しうる。(【0100】)
いくつかの実施例において、ユーザは、グラフィック要素1710、1720及び/又は1730により規定される領域にタスクをドラッグ及びドロップすることによりタスクの状態を変更できる。例えばユーザは、タスク1802を選択してグラフィック要素1710からグラフィック要素1720にドラッグし、CMSクライアント242にタスク1802の状態を「未着手」から「進行中」に変更させることができる。同様に、ユーザは、タスク1804を選択してグラフィック要素1720からグラフィック要素1730にドラッグし、CMSクライアント242にタスク1802の状態を「進行中」から「完了」に変更させることができる。ユーザは、タスク1810を選択してグラフィック要素1710からグラフィック要素1730にドラッグし、タスク1730により示すように、CMSクライアント242にタスク1810の状態を「未着手」から「完了」に変更させることができる。ユーザは、入力を提供して、例えばタスクをグラフィック要素1730及び/又は1720からグラフィック要素1710及び1720に移動することによりタスク状態を変更できる。ユーザがタスクの状態を変更する場合、CMSクライアント242は、変更されたタスク状態を含む更新されたタスク情報をコンテンツ管理システム106により管理されるタスクデータベース208に格納するためにプロジェクトモジュール202に送出できる。(【0101】)

5 甲5の記載
甲5には、以下の記載がある。
【0025】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係るコンピュータシステムの全体構成を示す図である。このコンピュータシステムは、予定(アポイントメント等)の管理と仕事(ジョブ)の管理とを連携して行うものである。会社Bの社内LAN(Local Area Network)1には、複数のクライアント端末2・・・が接続されており、その社内LAN1経由でインターネット3に接続されている。インターネット3にはクラウドサーバからなる管理サーバ4が接続されている。さらに、会社Bの従業員等が社外に持ち出しているモバイル端末からなるクライアント端末2も、インターネット3を経由して管理サーバ4に接続される。複数のクライアント端末2・・・は、スタンドアローンで動作するのではなく、クライアント・サーバモデルとして動作する。なお、スタンドアローンで動作する場合については、変形例として後述する。クライアント端末2は、会社内の営業部、経理部、開発部等の各部署に所属する従業員(ユーザともいう)によって操作される。管理サーバ4のデータベース5には、各従業員のID(identification)、所属している部署名、従業員の氏名、および、計画(プロジェクト)と仕事と予定と他律予定(後述する)の管理を行うための管理用データが対応付けられて記憶されている。この管理用データは、各従業員がサーバ上で共有管理している予定や仕事等からなるパブリック管理用データと、各従業員が個人的に管理している予定や仕事等からなるプライベート管理用データとからなる。なお、このプライベート管理用データについては、管理サーバ4のデータベース5に記憶させることなく、各自ローカルのクライアント端末2等に記憶させるようにしてもよい。
【0040】
これらの計画は、いつからいつまでの間にその計画を達成するかを定めた遂行時期(具体的には遂行期間)が設定されている。このように計画の「遂行期間」とは、計画を達成するために従業員(ユーザ)に許容された期間のことであり、本実施の形態ではこの「遂行期間」を「猶予期間」と表現する。ROOT計画6の場合には猶予期間が無限大である。基礎研究計画7および応用研究計画8はそれぞれに有限の猶予期間が設定されている。実験計画9および論文作成計画10は、その上位の計画である基礎研究計画7を達成するための具体的計画である。故に、これら具体的計画の猶予期間は、直属の上位の計画である基礎研究計画7の猶予期間の範囲内に設定される。同様に、課題解決計画11および特許取得計画12の猶予期間も、直属の上位の計画である応用研究計画8の猶予期間の範囲内に設定されている。
【0160】
次に、図19(a)に基づいて「計画新規編集表示画面」を説明する。この「計画新規編集表示画面」は、図4(a)のS23によりYESと判定される場合の編集表示画面である。パス表示領域40には、ルート計画から新規計画の生成先である直属の親計画までの経路が表示される。図19(a)の例では、ROOT計画が直属の親計画として選択されたことになる。パス表示領域40にはROOT計画の直下の項目のパスから表示される。計画名入力設定領域41には計画の略称を、概要入力設定領域4には計画の概要を、それぞれ入力する。完了チェックボックス47は、計画名入力設定領域41に入力されている計画が完了した場合にユーザがチェックを入れるものである。
【0163】
新規計画ボタン43は、ユーザが新規計画を生成するときにクリックされるボタンである。新規仕事ボタン44は、ユーザが新規仕事を生成するときにクリックされるボタンである。新規予定ボタン45は、ユーザが新規予定を生成するときにクリックされるボタンである。新規他律予定ボタン46は、ユーザが新規他律予定を生成するときにクリックされるボタンである。「計画新規編集表示画面」から他の新規編集画面に遷移することはないため(図16参照)、これらボタン43〜46は不能動化されており、ボタン表示が薄
くなっている。
【0164】
「猶予期間」における開始入力設定領域48は、計画名入力設定領域41に入力されている新規計画の猶予期間の開始日を入力する領域である。猶予期間における終了入力設定領域49は、計画名入力設定領域41に入力されている新規計画の猶予期間の終了日を入力する領域である。新規編集の場合「猶予期間」の開始入力設定領域48および終了入力設定領域49には直属の親計画の猶予期間が既定値としてコピー入力されているので、必要なら、ユーザがより整合した期間に縮小できる。図19(a)の例では、ルート計画の猶予期間がコピーされているので、「開始」には最小無限値が、「終了」には最大無限値が設定されている。

6 甲6の記載
甲6には、以下の記載がある。
【0013】
図2は、プロジェクトに含まれる各工程について予定期日が全て登録された状況の例を示した図である。図2に示す例のように、プロジェクトに含まれる全ての工程に予定期日が登録されている場合、管理サーバ100が、各工程の予定期日を基準として、予定期日の所定の日数前から、予定期日を通知するフォローメールや、予定期日を経過したことを通知するフォローメール等を行うことができる。

7 甲7の記載
甲7には、以下の記載がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解決するため、検証予定日、検証完了日等の情報を工程管理用ファイルに、プロジェクトの設計担当者、及び上長(PL)等の電子メールID情報をプロジェクト体制ファイルとして記憶装置に格納し、検証部署にて検証予定日のチェックを行い、一定期間以内(例えば7日以内)に検証が予定されているプロジェクトについては、該当プロジェクトID、システム名称、工程名称、メール送信日/回答期限等の情報を送受信管理ファイルとして記憶装置に格納し、プロジェクト体制ファイルより該当プロジェクトの設計担当者を検索し、設計担当者に対して成果物の提出、検証実施の旨を回答要求、及び回答期日を有する電子メールで通知するような構成にした。
【0007】また、送受信管理ファイルに返信メールを受け取ったか否かの情報を書き込むための受信区分の項目を設け、回答期限以内に検証担当者宛に電子メールの返信があったか否かの情報を検証担当者に通知するような構成とし、「返信メール未受信」のプロジェクトに対しては、プロジェクト体制ファイルより該当プロジェクトの設計担当者の上長(PL)を検索し、その上長(PL)に対して、成果物の提出、検証実施の旨を回答要求、及び回答期日を有する電子メールで再通知するようにし、これを、上位上長(PM)まで繰り返す構成とした。
【0012】図1は、本発明の実施形態による情報処理装置の構成を示すものである。同図において、14は所定のシステムを開発するシステム開発部門を示しており、システム開発を実施しているプロジェクト数だけ存在する。15はこれらのプロジェクトが開発したシステムの品質保証を行う品質保証部門である。なお、システム開発部門における端末装置13(13a・・・)と品質保証部門の検証担当者端末装置11は、企業または事業所内のLAN環境に接続され、メールサーバ12を介してメールの送受信を行う構成になっている。1は各プロジェクトにおける各工程の検証実施予定日等を格納するファイル、2は各プロジェクトの担当者、上長(PL)、上位上長(PM)の電子メールIDを格納するファイルであり、品質保証部門サーバ機10に格納される。3は該当プロジェクト抽出処理部4で抽出した情報(プロジェクトID、システム名称、工程名称、提出予定日、送信宛先、送信日、回答期限、宛先区分、受信区分)を編集し格納するファイルであり、検証担当者端末装置11に格納される。該当プロジェクト抽出処理部4は、工程管理用ファイル1を参照し、一定期間以内(例えば、7日以内)に検証が実施予定であるプロジェクトの抽出を行う処理部である。メール送信処理部5は、一定期間内(例えば7日以内)に検証が予定されているプロジェクトの設計担当者宛と、回答期限までに返信されなかったプロジェクトの上長(PM)又は上位上長(PL)宛に電子メールを送信する処理部である。送受信管理ファイル更新処理部6は、設計担当者、上長(PL)、上位上長(PM)から検証担当者宛に電子メールの返信があったか否かの情報等を、送受信管理ファイル3に更新する処理部である。該当プロジェクト抽出処理部4、メール送信処理部5、送受信管理ファイル更新処理部6は、プロジェクト工程管理システム制御処理部16によって制御され、処理装置9の記憶装置に格納されたプログラムを実行させることによって実現される。7は処理装置9に接続され、データを入力するためのキーボード、マウス等の入力装置であり、8は処理装置9に接続され、データを入力するための入力画面、及びメール送信処理部5により送受信された情報を表示する表示画面である。12は企業または事業所内における電子メールシステムのサーバ機であり、13はシステム開発部門における設計担当者、及び上長(PL)等の端末装置である。
【0026】また、電子メールの回答期限を超えても検証部署に対して回答がないプロジェクトについては、該当する設計担当者の上長(PL)とその上位上長(PM)に対して電子メールで再通知することによって、進捗状況の把握をプロジェクト全体で確認することが可能となり、プロジェクトの遅滞を防止することが可能となる。

第5 当審の判断
1 理由1及び理由2について
(1)本件発明3について
ア 対比
本件発明3と甲1発明とを対比する。
(ア)甲1発明の「顧客」、顧客の「ユーザデバイス」、「プロジェクトマネージャ」及びプロジェクトマネージャの「ユーザデバイス」は、後述の相違点に係る事項を除き、それぞれ本件発明3の「第1ユーザ」、「第1ユーザ端末」、「第2ユーザ」及び「第2ユーザ端末」に相当する。
そして、甲1発明の「クラウドソーシングプラットフォーム」が「顧客のユーザデバイスからコンピュータネットワークを介して」「受信」した、すなわち「顧客のユーザデバイス」が送信した「前記顧客によりアウトソーシングされるプロジェクトについてのプロジェクト仕様書」と、本件発明3の「第1ユーザが用いる第1ユーザ端末から第2ユーザが用いる第2ユーザ端末に送信された実施依頼」とは、甲1発明の「第1ユーザが用いる第1ユーザ端末から」「送信された依頼」である点で共通し、さらに、甲1発明は、顧客が提出した「プロジェクト仕様書」(依頼)に関して、下記(イ)〜(エ)の処理、すなわち管理を行うものといえるから、甲1発明の「システム」と本件発明3の「実施依頼管理システム」とは、「依頼を管理するシステム」である点で共通する。
一方、甲1発明は、「プロジェクトマネージャは、フリーランシングプラットフォームを使用して、顧客によって投稿されたプロジェクト仕様書をレビューすることができ」るものであって、「プロジェクト仕様書」(依頼)はプロジェクトマネージャのユーザデバイス(第2ユーザ端末)に送信されることまでは特定されていない点で本件発明3と相違する。

(イ)甲1発明においては、「プロジェクト仕様書が顧客によって提出された後、フリーランシングプラットフォームは、プロジェクトについてプロジェクトマネージャに通知し、ここで、フリーランシングプラットフォームは、全てのプロジェクトマネージャ、又は、特定の基準を満たすプロジェクトマネージャのサブセットに送信される電子メールメッセージを自動的に生成するように構成され」ているところ、「電子メールメッセージを自動的に生成」して「プロジェクトについてプロジェクトマネージャ(ユーザデバイス)に通知する」「フリーランシングプラットフォーム」と、本件発明3の「前記第1ユーザ端末で作成された前記実施依頼を、当該実施依頼を実施する実施期間の開始日に前記第2ユーザ端末に対して送信する実施依頼発信部」とは、「依頼に関する情報を、第2ユーザ端末に対して送信する発信部」である点で共通する。
一方、甲1発明は、「前記第1ユーザ端末で作成された前記実施依頼を、当該実施依頼を実施する実施期間の開始日に」「送信する」ことが特定されていない点で、本件発明3と相違する。

(ウ)甲1発明は、上記(ア)のとおり、「プロジェクトマネージャは、フリーランシングプラットフォームを使用して、顧客によって投稿されたプロジェクト仕様書をレビューすることができ」るものであり、プロジェクトマネージャのユーザデバイスが備える表示装置には「フリーランシングプラットフォームを介して閲覧できる、プロジェクトマネージャが対話可能なGUI」として、「ログイン時には、プロジェクトマネージャは通常、プロジェクトマネージャのプロフィール、顧客によって投稿された新規のプロジェクト、プロジェクトのステータス(例えば、提出済、進行中)、他の重要な又は時間依存の情報(例えば、差し迫った締め切り日など)等に関する詳細を提供するダッシュボードページ(「ダッシュボード」)」が表示されるといえる。
そうすると、甲1発明の「プロジェクト仕様書」をプロジェクトマネージャのユーザデバイスが備える表示装置に表示する「フリーランシングプラットフォーム」と、本件発明3の「前記実施依頼発信部により前記第2ユーザ端末に対して送信された前記実施依頼を当該実施依頼の期限管理情報と共に前記第2ユーザ端末の表示装置に表示する実施依頼表示部」とは、「前記依頼を、前記第2ユーザ端末の表示装置に表示する表示部」である点で共通する。
一方、甲1発明は、「前記実施依頼発信部により前記第2ユーザ端末に対して送信された前記実施依頼を当該実施依頼の期限管理情報と共に」「表示する」ことが特定されていない点で、本件発明3と相違する。

(エ)甲1発明の「前記コンピュータネットワークを介して、前記複数のプロジェクトマネージャから前記プロジェクトを完了するための複数の提案書を受信し、ここで、それぞれの提案書は、別々のプロジェクトマネージャによって前記フリーランシングプラットフォームに提出され、前記複数の提案書を前記クラウドソーシングプラットフォームに通信するように構成されたフリーランシングプラットフォーム」と、本件発明3の「前記第2ユーザ端末から前記実施依頼に対する回答結果を受信する実施依頼回答部」とは、「前記第2ユーザ端末から前記依頼に対する回答を受信する回答部」である点で共通する。

上記(ア)〜(エ)より、本件発明3と甲1発明は、以下の点で一致し、また相違する。

<一致点>
第1ユーザが用いる第1ユーザ端末から送信された依頼を管理するシステムであって、
依頼に関する情報を、第2ユーザ端末に対して送信する発信部と、
前記依頼を、前記第2ユーザ端末の表示装置に表示する表示部と、
前記第2ユーザ端末から前記依頼に対する回答を受信する回答部と、
を有するシステム。

<相違点1>
「依頼」について、本件発明3では、第1ユーザが用いる第1ユーザ端末から「第2ユーザが用いる第2ユーザ端末に送信された実施依頼」であるのに対し、甲1発明では、「顧客によりアウトソーシングされるプロジェクトについてのプロジェクト仕様書」であり、これに伴って、本件発明3は「実施依頼管理システム」であるのに対し、甲1発明は、「プロジェクトの検証済みフリーランス人材へのアウトソーシングを容易にする」ための「システム」である点。

<相違点2>
「発信部」について、本件発明3は、「前記第1ユーザ端末で作成された前記実施依頼を、当該実施依頼を実施する実施期間の開始日に前記第2ユーザ端末に対して送信する実施依頼発信部」であるのに対し、甲1発明は、「前記第1ユーザ端末で作成された前記実施依頼を、当該実施依頼を実施する実施期間の開始日に」「送信する」ことが特定されていない点。

<相違点3>
「表示部」について、本件発明3は、「前記実施依頼発信部により前記第2ユーザ端末に対して送信された前記実施依頼を当該実施依頼の期限管理情報と共に前記第2ユーザ端末の表示装置に表示する実施依頼表示部」であるのに対し、甲1発明は、「前記実施依頼発信部により前記第2ユーザ端末に対して送信された前記実施依頼を当該実施依頼の期限管理情報と共に」「表示する」ことが特定されていない点。

<相違点4>
「回答部」について、本件発明3は、「前記第2ユーザ端末から前記実施依頼に対する回答結果を受信する実施依頼回答部」であるのに対し、甲1発明は、「複数のプロジェクトマネージャから前記プロジェクトを完了するための複数の提案書を受信」するものである点。

イ 判断
(ア)理由1について
本件発明3と甲1発明とは、上記「ア 対比」で言及したように相違点1〜相違点4で相違するから、本件発明3と甲1発明は同一ではない。

(イ)理由2について
相違点2〜相違点4は、相違点1を前提とした相違点であるから、相違点1〜相違点4をまとめて検討する。
本件発明3は、「実施対象者へ依頼した実施依頼を適切に管理すること」(特許明細書【0007】)を技術課題とされ、「依頼者とは、実施依頼を発信する者であり、実施対象者とは、実施依頼を受けて回答を行う者」(同【0014】)とされており、実施対象者は実施依頼に対応して特定されているから、実施依頼は、実施依頼者(第1ユーザ)が用いる第1ユーザ端末から予め特定された実施対象者(第2ユーザ)が用いる第2ユーザ端末に送信され、前記第2ユーザ端末に対して送信された前記実施依頼は、当該実施依頼の期限管理情報と共に前記第2ユーザ端末の表示装置に表示され、実施対象者の前記第2ユーザ端末から前記実施依頼に対する回答結果を受信することで、実施依頼を管理するものである。
一方、甲1発明は、「顧客」が、「技術プロジェクトを完了するための提案書を、別々のプロジェクトマネージャによって提出された複数の提案書の中から選択することができる」(【0006】)システムに関するものであって、プロジェクト仕様書が顧客によって提出された後、フリーランシングプラットフォームは、全てのプロジェクトマネージャ、又は、特定の基準を満たすプロジェクトマネージャのサブセットに送信される電子メールメッセージを自動的に生成して、プロジェクトについてプロジェクトマネージャに通知されるものであり、プロジェクトマネージャは、フリーランシングプラットフォームを使用して、顧客によって投稿されたプロジェクト仕様書をレビューすることができるものである。
そして、甲1発明は、「別々のプロジェクトマネージャによって提出された複数の提案書の中から選択することができる」ように、顧客が「プロジェクト仕様書」を提出したときにはまだプロジェクトを実施するプロジェクトマネージャは決まっておらず、結果的にプロジェクトの実施対象者とはならないプロジェクトマネージャにもプロジェクトについての通知を行うものであり、また電子メールメッセージを受けたプロジェクトマネージャは必ずしも提案書を提出する必要はなく、提案書を提出してもプロジェクトを実施するかは定かでない。
そうすると、相違点1に係る本件発明3の「第2ユーザが用いる第2ユーザ端末に送信された実施依頼」と甲1発明の「顧客によりアウトソーシングされるプロジェクトについてのプロジェクト仕様書」は、それを受けた本件発明3の「第2ユーザ」と甲1発明の「プロジェクトマネージャ」がすべき事項がそれぞれ異なるから、甲1発明の「プロジェクト仕様書」に替えて本件発明3の「実施依頼」を採用することは、当業者が容易に想到し得るものではない。
そして、本件発明3の相違点2〜相違点4に係る構成は、相違点1を前提とした構成であるから、同様に甲1発明に相違点2〜相違点4に係る構成を採用することは、当業者が容易に想到し得るものではない。
また、甲2〜甲7の記載事項は、上記「第4」の「2〜7」のとおりであり、相違点1〜相違点4に係る構成を充足するものではない。
したがって、本件発明3は、甲1発明と甲2〜甲7に記載された事項から当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ 異議申立人の主張について
異議申立人は、特許異議申立書において、「甲1発明の「プロジェクト」は、本件発明3の「実施依頼」に相当する。」(45頁)と主張しているが、「プロジェクト」は、「送信」されるものではなく、本件発明3の「実施依頼」には相当しない。そして、甲1発明において、顧客のユーザデバイスから送信される「顧客によりアウトソーシングされるプロジェクトについてのプロジェクト仕様書」と、本件発明3の「実施依頼」が異なるものであることは、上記イ(イ)で説示したとおりであるから、異議申立人の前記主張は採用できない。
そして、特許異議申立書に記載したその他の主張についても、「甲1発明の「プロジェクト」は、本件発明3の「実施依頼」に相当する。」ことを前提としたものであるから、採用することはできない。

エ 本件発明3についての小括
以上のとおりであるから、本件発明3は、甲1発明ではなく、甲1発明と甲2〜甲7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。

(2)本件発明4〜15、17〜19
本件発明4〜15は、本件発明3を減縮した発明であって、上記(1)アの相違点1〜相違点4に係る構成を備えているから、本件発明4〜15は、本件発明3についての理由と同じ理由により、甲1に記載された発明ではなく、甲1発明と甲2〜甲7に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
本件発明17は、本件発明3を「実施依頼管理方法」と方法のカテゴリで表現した発明であり、本件発明18、19は、本件発明17を減縮した発明であって、いずれも上記(1)アの相違点1〜相違点4に係る構成に対応する構成を備えているから、本件発明17〜19は、本件発明3についての理由と同様の理由により、甲1に記載された発明ではなく、甲1発明と甲2〜甲7に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。

2 理由3について
異議申立人は、特許異議申立書(81頁)において、
「本件特許発明5には、「前記回答状況を複数の第2ユーザに対する回答者の割合を回答率として、」と記載されているが、当該記載は、日本語として表現が不適切であり、明確でない。
本件特許発明7には、「前記回答状況を複数の第2ユーザに対する回答者の割合を実施率として、」と記載されているが、当該記載は、日本語として表現が不適切であり、明確でない。
請求項5を引用する請求項13、及び、請求項7を引用する請求項14も同様に明確でない。」
と主張するので、以下検討する。

本件発明4及び本件発明5は、上記「第2」に記載のとおり、以下の発明である。
「【請求項4】
前記実施依頼回答部が受信した前記実施依頼に対する回答結果に基づいて算出した前記第2ユーザによる前記実施依頼の回答状況を前記第1ユーザの管理者が用いる端末に送信する依頼元管理部を有する請求項1から請求項3の何れか一項に記載の実施依頼管理システム。
【請求項5】
前記依頼元管理部は、前記回答状況を複数の前記第2ユーザに対する回答者の割合を回答率として、前記第1ユーザの管理者が用いる端末に送信する請求項4の実施依頼管理システム。」

請求項5の記載からみて、「前記依頼元管理部」は、「前記回答状況」を、「前記第1ユーザの管理者が用いる端末に送信する」ものであるところ、「前記回答状況」を、「複数の前記第2ユーザに対する回答者の割合を回答率として」という事項で特定していると解するのが自然である。
そして、請求項5で引用する請求項4には、「回答状況」について、「前記実施依頼回答部が受信した前記実施依頼に対する回答結果に基づいて算出した前記第2ユーザによる前記実施依頼の回答状況」と記載されており、「回答状況」は「回答結果に基づいて算出した」ものであるところ、請求項5は、回答結果に基づいて算出した「回答状況」を「複数の前記第2ユーザに対する回答者の割合を回答率として」示したものであると特定するものである。
したがって、請求項5の記載は明確である。
同様に、請求項5を引用する請求項13、請求項5と同様の記載がある請求項7、該請求項7を引用する請求項14の記載は、いずれも明確である。

よって、本件発明5、7、13及び14は明確であるから、異議申立人の前記主張は、理由がない。

第6 むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、特許第7043371号の請求項3〜15、17〜19に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に特許第7043371号の請求項3〜15、17〜19に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2022-11-24 
出願番号 P2018-168842
審決分類 P 1 652・ 113- Y (G06Q)
P 1 652・ 537- Y (G06Q)
P 1 652・ 121- Y (G06Q)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 佐藤 智康
特許庁審判官 相崎 裕恒
中野 浩昌
登録日 2022-03-18 
登録番号 7043371
権利者 株式会社日立ソリューションズ
発明の名称 実施依頼管理システムおよび実施依頼管理方法  
代理人 弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所  

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