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審決分類 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する B60W
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する B60W
審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する B60W
審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する B60W
審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する B60W
管理番号 1393038
総通号数 13 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2023-01-27 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2022-08-16 
確定日 2022-10-27 
訂正明細書 true 
事件の表示 特許第7082265号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第7082265号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲面のとおり訂正後の請求項〔1〜7〕について訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件訂正審判に係る特許第7082265号(以下「本件特許」という。)の請求項1〜7に係る特許についての出願は、2015年(平成27年)9月29日(優先権主張 平成26年9月30日 日本国)を国際出願日とする特願2016−552064号の一部を平成30年10月29日に新たな特許出願である特願2018−203031号とし、その一部を令和元年11月6日に新たな特許出願である特願2019−201651号とし、さらにその一部を令和3年3月9日に新たな特許出願としたものであって、令和4年5月31日にその特許権の設定登録がされ、その後、令和4年8月17日に本件訂正審判が請求されたものである。

第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第7082265号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1〜7について訂正することを認める、との審決を求めるものである。

第3 訂正の内容
本件訂正審判の請求に係る訂正(以下「本件訂正」という。)は、特許法第126条第3項の規定に従い、一群の請求項を構成する請求項1〜7を訂正単位とするものであって、その内容は次のとおりである。

<訂正事項>
本件訂正前の請求項1に「前記高度自動化モードにおいて実行するように設定されている前記自動制御機能は、前記自動発進/停止制御、前記車線変更制御、前記右左折制御、及び前記車両を目標駐車位置に駐車させる駐車制御、のうちのいずれか1以上を含み、」と記載されているを「前記高度自動化モードにおいて実行するように設定されている前記自動制御機能は、前記車両を目標駐車位置に駐車させる駐車制御を含み、」と訂正する。(下線は訂正箇所を示す。)

第4 当審の判断
1 訂正の目的
訂正事項に係る訂正は、訂正前にあった「前記高度自動化モードにおいて実行するように設定されている前記自動制御機能」が含む自動制御機能の選択肢から「前記自動発進/停止制御」、「前記車線変更制御」及び「前記右左折制御」を削除するものであって、訂正前に記載された択一的記載の要素の削除に該当するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

2 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項に係る訂正は、訂正前にあった択一的記載の要素を削除するものであり、本件特許明細書の段落【0088】には「駐車制御は、目的地として特定の目標駐車位置(例えば特定の駐車場の駐車区画内)が設定された場合に、目標駐車位置までの走行軌跡を演算し、その走行軌跡に沿って車両の駆動力・制動力や操舵を制御して自動で駐車させる制御である。」と記載され、段落【0091】には「各運転モード毎のレベル設定は、運転モード毎に、運転席近傍に設けられたレベル設定操作部45を操作することにより可能である。本実施形態では、基本モードの自動運転レベルはデフォルトではレベル0に設定されており、高度自動化モードの自動運転レベルはデフォルトではレベル7に設定されている。そして、各運転モード毎に、現在設定されている自動運転レベルを任意に設定変更することができる。例えば、基本モードがレベル0に設定されている場合、高度自動化モードは、レベル1〜7の間で任意に設定変更できる。また例えば、基本モードがレベル1に設定されている場合は、高度自動化モードは、レベル2〜7の間で任意に設定変更できる。また例えば、高度自動化モードがレベル4に設定されている場合は、基本モードは、レベル0〜レベル3の間で任意に設定変更できる。」と記載され、段落【0092】には「なお、どのレベルでどの自動制御機能を実行させるかについては、図3Aに例示した内容に限定されない。例えば、レベルが1つ上がる毎に実行される自動制御機能が1つずつ増えていくことは必須ではない。どのレベルでどの自動制御機能を実行させるかについては適宜決めてもよい。また、自動制御機能が上述した7種類であることもあくまでも一例であり、自動制御機能の数や各自動制御機能の具体的内容は適宜決めてもよい。」と記載され、また、段落【0094】には「本実施形態の車両1は、通常は、運転モードが基本モードに設定されている。一方、自動運転起動SW42を押すと、一定条件下で、運転モードが高度自動化モードとなる。なお、車線変更制御、右左折制御、及び駐車制御を実行するよう設定されている場合は、目的地(駐車制御の場合は目標駐車位置)を設定してもよい。具体的には、経路案内機能を立ち上げ、タッチパネルを介して目的地を入力してもよい。目的地が設定されている場合の自動運転は、基本的には、経路案内機能との協働により、自車両の位置を確認しながら、演算された目的地までのルートに沿うように行われる。」と記載され、段落【0095】には「自動運転レベルがレベル1以上の運転モードに設定されている場合に、目的地が設定されていない場合、現在の運転モードにおいて適用されている自動制御機能を具体的にどのように実行させるかについては、適宜決めてもよい。例えば、右左折制御機能が実行されるような運転モードに設定されている場合に、目的地が設定されていない場合、原則として道なりに走行するように右左折制御機能を実行させるようにしてもよい。そして、例えば二股の分岐点にさしかかった場合のように、進行方向を選択する必要が生じた場合は、例えば予め決められた方向に進むように右左折制御機能を実行させるようにしてもよい。また、目的地が設定されていない場合は、右左折制御機能は無効としてもよい。駐車制御機能についても、目的地(具体的には駐車させる場所)が設定されていない場合は無効としてもよい。」とも記載されていることから、当該訂正は、新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。

3 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと
訂正事項に係る訂正は、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第126条第6項に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、本件訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。
そして、訂正事項は、訂正前にあった択一的記載の要素を削除することで、特許請求の範囲を減縮するものであるから、本件訂正後の請求項1に係る発明も、訂正前の請求項1に係る発明と同様、新規性進歩性を有している。また、本件訂正に起因する記載不備も認められない。したがって、当該発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見出せない。
また、本件訂正後の請求項1を引用する本件訂正後の請求項2〜7に係る発明についても、本件訂正後の請求項1に係る発明と同様に特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由はない。
したがって、本件訂正後における特許請求の範囲の請求項1〜7に係る発明は特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるから、訂正事項に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。

第5 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される自動運転制御装置であって、
前記車両の周囲の情報である周囲情報を取得するように構成された周囲情報取得部と、
前記車両の運転モードを、基本モード、及び、前記周囲情報に基づいて運転動作を自動で実行する自動制御機能の種類の多さを示す自動運転レベルが前記基本モードよりも高い高度自動化モード、の何れか一方に設定するように構成された運転モード設定部と、
前記運転モード設定部により設定された前記運転モードに基づき、その運転モードにおいて実行するように設定されている前記自動制御機能を実行するように構成された自動制御部と、
ドライバーの操作に応じて、前記基本モード、及び前記高度自動化モードにおける前記自動運転レベルを設定するレベル設定部と、
を備え、
前記基本モードは、前記自動制御機能を実行しない運転モード、若しくは、前記車両を発進又は停止させる自動発進/停止制御、前記車両を車線に沿って走行させる車線維持制御、他車両と前記車両との車間距離を制御する車間距離制御、前記車両に車線変更を行わせる車線変更制御、前記車両に右折又は左折を行わせる右左折制御、前記車両と障害物との衝突を抑止するために前記車両の操舵、及び制動又は停止を行う衝突抑止制御、のうちのいずれか1以上を含む前記自動制御機能を実行するように設定されている運転モードであり、
前記高度自動化モードにおいて実行するように設定されている前記自動制御機能は、前記車両を目標駐車位置に駐車させる駐車制御を含み、
前記運転モード設定部は、前記車両のイグニッションスイッチがオンされたとき、前記基本モードを設定するように構成された、
自動運転制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動運転制御装置であって、
設定された目的地まで前記車両を案内制御する案内制御部をさらに備え、
前記運転モード設定部は、前記イグニッションスイッチがオンされたときに設定された前記基本モードを、前記目的地が設定されるまでは継続するように構成された、
自動運転制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の自動運転制御装置であって、
前記イグニッションスイッチがオンされたときに設定された前記基本モードが継続しているとき、前記運転モードを前記基本モードから前記高度自動化モードに切り替え可能か否かを判断する切替確認部をさらに備え、
前記運転モードを前記基本モードから前記高度自動化モードに切り替え可能と前記切替確認部が判断した場合、前記運転モード設定部は、前記運転モードを前記基本モードから前記高度自動化モードに切り替える、
自動運転制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の自動運転制御装置であって、
前記運転モードを前記基本モードから前記高度自動化モードに切り替え可能と前記切替確認部が判断するための要件として、前記ドライバーが前記車両を正常に操作できるという要件を含む、
自動運転制御装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の自動運転制御装置であって、
前記運転モードを前記基本モードから前記高度自動化モードに切り替え可能と前記切替確認部が判断するための要件として、前記車両の乗員がシートベルトを装着しているという要件を含む、
自動運転制御装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動運転制御装置であって、
前記高度自動化モードにおいて実行するように設定されている前記自動制御機能は、前記車線維持制御と前記車間距離制御とを含む、
自動運転制御装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の自動運転制御装置を備えた車両。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2022-09-29 
結審通知日 2022-10-05 
審決日 2022-10-18 
出願番号 P2021-037384
審決分類 P 1 41・ 855- Y (B60W)
P 1 41・ 854- Y (B60W)
P 1 41・ 851- Y (B60W)
P 1 41・ 841- Y (B60W)
P 1 41・ 856- Y (B60W)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 水野 治彦
特許庁審判官 鈴木 充
木村 麻乃
登録日 2022-05-31 
登録番号 7082265
発明の名称 自動運転制御装置及び車両  
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