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審決分類 審判 一部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  H01L
審判 一部申し立て 2項進歩性  H01L
管理番号 1393129
総通号数 13 
発行国 JP 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2023-01-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-09-06 
確定日 2022-12-12 
異議申立件数
事件の表示 特許第7031141号発明「半導体加工用テープ」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第7031141号の請求項1、2、5〜7に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第7031141号(以下、「本件特許」という。)の請求項1〜7に係る特許についての出願は、平成29年6月1日に出願され、令和4年2月28日にその特許権の設定登録がされ、令和4年3月8日に特許掲載公報が発行された。
その後、請求項1、2、5〜7に係る特許に対して、令和4年9月6日に特許異議申立人山田友則(以下、「異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされた。

第2 本件発明について
本件特許の請求項1、2、5〜7に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」、「本件発明2」、「本件発明5」〜「本件発明7」といい、これらを合わせて「本件発明」という。)は、本件特許の特許請求の範囲の請求項1、2、5〜7に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
基材層と、粘着層と、熱硬化性を有する接着層とがこの順序で積層されている半導体加工用テープであって、
130℃で1時間の硬化処理がされた後において、前記接着層の収縮率が2%未満であり、且つ、前記接着層の 100℃における熱時弾性率が 1MPa以上5MPa未満である、半導体加工用テープ。
【請求項2】
130℃で1時間の硬化処理がされた後において、ウェ−ハに対する前記接着層のピール剥離力が15N/m以上である、請求項1に記載の半導体加工用テープ。
【請求項5】
前記接着層は、熱可塑性樹脂と、熱硬化性樹脂と、硬化促進剤と、フィラーとを含み、
前記接着層における前記熱可塑性樹脂の含有量を100質量部とした際の、前記接着層における前記熱硬化性樹脂の含有量が1〜40質量部である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体加工用テープ。
【請求項6】
前記接着層における前記熱可塑性樹脂の含有量を100質量部とした際の、前記接着層における前記フィラーの含有量が1〜330質量部である、請求項5に記載の半導体加工用テープ。
【請求項7】
前記粘着層は非UV型粘着剤から形成される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体加工用テープ。」

第3 特許異議の申立ての概要
1 特許異議の申立ての理由(以下、「申立理由」という。)の概要は、次のとおりである。
(1)(進歩性)本件発明1、2、5〜7は、甲第1号証に記載された発明と、甲第2号証〜甲第4号証に記載された周知技術とに基づき、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項1、2、5〜7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきである。
(2)(サポート要件)本件発明1、2、5〜7は、発明の詳細な説明に記載されたものではないから、本件特許の請求項1、2、5〜7に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、取り消されるべきである。

2 異議申立人が提出した証拠は次のとおりである
甲第1号証:特開平10−292163号公報
甲第2号証:特開2015−149398号公報
甲第3号証:国際公開第2016/151911号
甲第4号証:特開2011−082480号公報

第4 甲号証の記載
1 甲第1号証の記載
(1)甲第1号証には以下の記載がある。(下線は、当審で付した。以下同じ。)
「【請求項1】 (メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマ―を含有する熱硬化型感圧性接着剤において、硬化前のガラス転移温度が0℃以下、硬化前の貯蔵弾性率が50〜100℃の範囲で105〜106dyn/cm2であり、硬化後の100〜300℃の範囲の貯蔵弾性率が106dyn/cm2以上であることを特徴とする熱硬化型感圧性接着剤。」

「【0002】
【従来の技術】作業の簡便化や安全衛生の向上などのため、液状の接着剤を塗布乾燥する方式に代えて、あらかじめ作製した接着シ―ト類を用いて接着処理する方式が多用されている。また、この接着シ―ト類として、電子部品などの接着用途に向けて、加熱処理により硬化する熱硬化型のものも提案されている。・・・(略)・・・」

「【0004】このため、被着体との接合初期には粘着シ―ト類としての作業性を有し、かつ接合後には接着剤同等の高接着性、高耐熱性を発揮する接着シ―ト類の出現が強く望まれている。このような接着シ―ト類として、天然ゴム、合成ゴム、アルキルフエノ―ル樹脂を主成分とした粘着剤からなる熱硬化型の粘着シ―ト類が市販されているが、このものは、加熱硬化時に貯蔵弾性率が105dyn/cm2以下になるという、貯蔵弾性率の著しい低下をきたし、軟化流動による外観不良を起こすばかりか、硬化後の接着特性が非常に低下する欠点があつた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような従来の事情に鑑み、常温で粘着性を有して、すぐれた加工性ないし接着作業性を発揮するとともに、加熱処理により、100℃以上の高温での使用やハンダ付け工程での使用にも耐えうる、すぐれた耐熱性を発揮する熱硬化型感圧性接着剤と、これをシ―ト状やテ―プ状などの形態とした接着シ―ト類を提供することを目的としている。」

「【0007】すなわち、本発明は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを含有する熱硬化型感圧性接着剤において、硬化前のガラス転移温度が0℃以下、硬化前の貯蔵弾性率が50〜100℃の範囲で105〜106dyn/cm2であり、硬化後の100〜300℃の範囲の貯蔵弾性率が106dyn/cm2以上であることを特徴とする熱硬化型感圧性接着剤(請求項1,2)と、基材の片面または両面に上記構成の熱硬化型感圧性接着剤からなる層を有することを特徴とするシ―ト状やテ―プ状などの接着シ―ト類(請求項3)に係るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマ―は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、つまり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デカニル基、イソデカニル基などのアルキル基を有するアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステルを主単量体とし、これに必要により、アクリル酸やメタクリル酸などのカルボキシル基含有単量体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ―トなどの水酸基含有単量体、アクリル酸やメタクリル酸のグリシジルエステルなどのエポキシ基含有単量体、酢酸ビニル、スチレンなどの各種の改質用単量体を加えてなる単量体混合物を、溶液重合法、電子線や紫外線などによる光重合法、それらの併用法などの公知の方法により、重合処理して得られるものである。
【0009】本発明では、このようなポリマーを架橋処理し、ガラス転移温度が0℃以下、好ましくは−60℃〜−20℃を保持して、かつ貯蔵弾性率が50〜100℃の範囲で105〜106dyn/cm2となるように調節し、常温で粘着性を有するとともに、加熱時の軟化や劣化などによる糊はみだしを抑制できる、すぐれた加工性ないし接着作業性を発揮する感圧性接着剤とする。架橋処理には、上記ポリマーの合成に際し内部架橋剤を加えて架橋処理する方法、上記ポリマーの合成後に外部架橋剤を加えて加熱などにより架橋処理する方法がある。
【0010】内部架橋剤としては、トリメチロ―ルプロパントリ(メタ)アクリレ―ト、ペンタエリスリト―ルテトラ(メタ)アクリレ―ト、1,2−エチレングリコ―ルジ(メタ)アクリレ―ト、1,6−ヘキサジオ―ルジ(メタ)アクリレ―ト、1,12−ドデカンジオ―ル(メタ)アクリレ―トなどの多官能(メタ)アクリレ―トが用いられる。また、外部架橋剤としては、イソシアネ―ト系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤などが用いられる。」

「【0014】本発明では、このように架橋処理されるアクリル系の感圧性接着剤にさらに硬化性を付与して、硬化後の100〜300℃の範囲の貯蔵弾性率が106dyn/cm2以上、好ましくは5×106〜5×107dyn/cm2となるように構成し、これにより、100℃以上の高温での使用やハンダ付け工程での使用にも耐えうる、すぐれた耐熱性を発揮する熱硬化型感圧性接着剤とする。
【0015】硬化性の付与は、硬化剤の選択など適宜の方式で行うことができるが、硬化後の特性や接着シ―ト類の貯蔵安定性などを考慮して、硬化成分としてエポキシ樹脂を配合する方式が好ましい。エポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有する、ビスフエノ―ルエポキシ樹脂、フエノリツクエポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフエノ―ルエポキシ樹脂などがある。
【0016】このエポキシ樹脂の使用量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマ―100重量部あたり、通常5〜30重量部、好ましくは5〜20重量部とするのがよい。エポキシ樹脂の使用量が5重量部より少ないと、硬化反応が十分に進行せず、貯蔵弾性率の上昇も不十分であり、耐熱性も不十分となる。また、30重量部より多くなると、加熱硬化時の軟化、流動により、糊のはみ出しなどの外観異常をきたし、貯蔵安定性も低下する。
【0017】本発明の熱硬化型感圧性接着剤には、上記の各成分のほか、任意成分として、粘着付与剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、顔料、染料、老化防止剤などの公知の各種添加剤を配合してもよい。この熱硬化型感圧性接着剤は、上述のとおり、常温で粘着性を有して被着体に容易に仮接着でき、しかも加熱処理により硬化反応が起こつて短時間に硬化し、強固な接着強度と耐熱性を備えた、とくに100℃以上の高温での使用やハンダ付け工程での使用に耐える、熱硬化型感圧性接着剤として望まれるすぐれた性能を発揮する。中でも、前記ポリマ―が紫外線照射による重合物であるとき、格段にすぐれた高耐熱性を発揮する。
【0018】本発明の接着シ―ト類は、このような熱硬化型感圧性接着剤からなる層を基材の片面または両面に設けて、シ―ト状やテ―プ状などの形態としたものである。基材上への上記層の形成は、基材上に熱硬化型感圧性接着剤を塗工したのち、必要により加熱などにより架橋処理する方式、紫外線照射による重合方式などの従来公知の方法に準じた方式にて行うことができる。
【0019】基材には、ポリエステルフイルムなどの合成樹脂フイルムや繊維基材などの非剥離性基材が用いられるほか、剥離紙などの剥離性基材を使用してもよい。剥離性基材の場合、この上に形成した熱硬化型感圧性接着剤からなる層を非剥離性基材上に転写してもよい。本発明の接着シ―ト類には、基材として非剥離性基材を用いたものと、剥離性基材を用いたものとの両方が含まれる。」

「【0021】実施例1
冷却管、窒素導入管、温度計、撹拌機を備えた反応容器に、溶媒としての酢酸エチル150部とともに、アクリル酸n−ブチル60部、アクリル酸エチル15部、メタクリル酸メチル15部、アクリル酸10部および過酸化ベンゾイル0.3部を入れ、窒素気流中で重合処理し、重量平均分子量が63万、ガラス転移温度が−24℃のアクリル系ポリマ―溶液を得た。
【0022】このアクリル系ポリマ―溶液に、その固形分100部あたり、イソシアネ―ト系架橋剤3部と、エポキシ樹脂(油化シエルエポキシ社製の商品名「エピコ―ト828」)15部を、均一に混合して、熱硬化型感圧性接着剤溶液を調製した。つぎに、この感圧性接着剤溶液をセパレ―タ上に塗布し、80℃で2分間乾燥処理して、厚さが50μmの接着剤層を形成し、接着シ―トを得た。」

「【0031】<ガラス転移温度、貯蔵弾性率の測定>レオメトリツクス社製の粘弾性スペクトルメータ(RDS−II)を用いて、硬化前のガラス転移温度を測定し、また、50〜100℃の範囲での硬化前の貯蔵弾性率と、さらに100〜300℃の範囲での硬化後の貯蔵弾性率を、周波数1ヘルツの条件下で、測定した。」

「【0034】<ハンダ耐熱性>接着テ―プにより、1mm厚のガラスエポキシ板と銅貼り積層板〔CCL〕(圧延銅箔/接着剤/カプトンフイルム=35μm/15μm/25μm)とを、両者間に気泡が入らないように貼り合わせた。これを30mm角に切断したサンプルを、150℃×5Kgf/cm2×5分のプレス条件で圧着し、150℃×1時間の加熱処理により硬化させたのち、ガラスエポキシ板を上にして、260℃に溶融したハンダ浴に浮かせた状態で30秒間処理した。処理後のシ―トの貼り合わせ状態を目視で観察し、接着剤の発泡と接着異常(浮き、しわ、剥がれ、ずれ)の有無を判別し、○:変化・異常なし、×:変化・異常あり、と評価した。」

「【0035】



(2)上記(1)より、甲第1号証には以下の技術事項が記載されている。
ア 段落【0007】には「(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを含有する熱硬化型感圧性接着剤において、硬化前のガラス転移温度が0℃以下、硬化前の貯蔵弾性率が50〜100℃の範囲で105〜106dyn/cm2であり、硬化後の100〜300℃の範囲の貯蔵弾性率が106dyn/cm2以上であることを特徴とする熱硬化型感圧性接着剤」、及び、「基材の片面」「に上記構成の熱硬化型感圧性接着剤からなる層を有する」「テ―プ状などの接着シ―ト類」と記載されている。
よって、甲第1号証には、基材の片面に熱硬化型感圧性接着剤からなる層を有するテ―プ状の接着シ―ト類が記載され、さらに、熱硬化型感圧性接着剤は(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを含有し、硬化前のガラス転移温度が0℃以下、硬化前の貯蔵弾性率が50〜100℃の範囲で105〜106dyn/cm2であり、硬化後の100〜300℃の範囲の貯蔵弾性率が106dyn/cm2以上であることが記載されている。

イ 段落【0009】に「本発明では、このようなポリマーを架橋処理し、」「すぐれた加工性ないし接着作業性を発揮する感圧性接着剤とする。」と記載されている。ここで、「このようなポリマー」及び「感圧性接着剤」は上記アの「(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマー」及び「熱硬化型感圧性接着剤」であると認められる。
そして、段落【0014】には「このように架橋処理されるアクリル系の感圧性接着剤にさらに硬化性を付与して、硬化後の100〜300℃の範囲の貯蔵弾性率が」「5×106〜5×107dyn/cm2となるように構成し」と記載されている。
よって、熱硬化型感圧性接着剤は、硬化後の100〜300℃の範囲の貯蔵弾性率が5×106〜5×107dyn/cm2となるように構成したものであるといえる。

ウ 段落【0019】には「本発明の接着シ―ト類には、基材として非剥離性基材を用いたもの」「が含まれる。」と記載されている。
よって、基材として非剥離性基材を用いた接着シート類が記載されている。

エ 上記ア〜ウより、甲第1号証には以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
「基材の片面に熱硬化型感圧性接着剤からなる層を有するテ―プ状の接着シ―ト類であって、
熱硬化型感圧性接着剤は(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを含有し、硬化前のガラス転移温度が0℃以下、硬化前の貯蔵弾性率が50〜100℃の範囲で105〜106dyn/cm2であり、硬化後の100〜300℃の範囲の貯蔵弾性率が5×106〜5×107dyn/cm2となるように構成し、
基材として非剥離性基材を用いた、
接着シ―ト類。」

2 甲第2号証の記載
甲第2号証には以下の記載がある。
「【請求項2】
光照射前において、SUS基板に対するピール強度が0.8N/25mm〜1.3N/25mmである、請求項1に記載のダイシングテープ。」

「【0004】
近年、生産性を更に高めるため、ダイシング工程において半導体ウェ−ハを固定する機能とダイボンディング工程において半導体チップを基板等と接着させる機能とを併せ持つ粘接着シート(ダイシング・ダイボンディング一体型テープ)が考案された。ダイシング・ダイボンディング一体型テープは、個片化されたチップ状のワーク(例えば、半導体チップ等)と被着対象とを接着させる接着剤であり、ダイシング前にワーク(例えば、半導体ウェ−ハ等)に貼り付けた状態で、ワークをダイシングするために用いられる。このダイシング・ダイボンディング一体型テープを用いた半導体装置の製造方法は、半導体ウェ−ハへのラミネート工程が1回で済むため、ダイボンドテープ及びダイシングテープを順次ラミネートする方法よりも生産性に優れる。」

「【0020】
図1は、本発明のダイシング・ダイボンディング一体型テープの好適な一実施形態を示す模式断面図である。このダイシング・ダイボンディング一体型テープ1は、基材層10、粘着層20及び接着層30がこの順で積層された構成からなる。基材層10及び粘着層20がダイシングテープであり、接着層30がダイボンディングテープである。・・・(略)・・・」






3 甲第3号証の記載
甲第3号証には以下の記載がある。
「[0050] 粘着剤層は、非エネルギー線硬化性粘着剤から構成されてもよく、エネルギー線硬化性粘着剤から構成されてもよい。非エネルギー線硬化性粘着剤としては、所望の粘着力および再剥離性を有するものが好ましく、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリビニルエーテル系粘着剤等を使用することができる。これらの中でも、半導体チップの脱落を効果的に抑制することのできるアクリル系粘着剤が好ましい。一方、エネルギー線硬化性粘着剤を使用する場合、半導体加工用シートに対してエネルギー線を照射することで、半導体加工用シートの半導体チップに対する粘着力が低下し、半導体チップのピックアップをより容易に行うことができる。」

「[0095] また他の実施形態として、半導体加工用シートは、最外層に位置する接着剤層を備えたものであってもよい。例えば、半導体加工用シートは、基材と接着剤層とから構成されてよく、あるいは、基材と粘着剤層と接着剤層とがこの順に積層された構成であってよい。当該接着剤層は、加熱等のトリガーによって粘着性を発現することが好ましい。」

4 甲第4号証の記載
甲第4号証には以下の記載がある。
「【0061】
本発明のダイアタッチフィルムは、硬化の際の硬化収縮率が1%未満であることが好ましい。硬化の際の硬化収縮率が1%以上であると、硬化時に生じる内部応力により、接合された半導体チップへの応力が大きくなり半導体チップが剥がれやすくなることがある。
なお、本発明のダイアタッチフィルムの硬化収縮率は、JIS A06024に基づき、硬化前後の比重差より体積収縮率(%)として求める値をいう。比重の測定は測定温度25℃において行う。」

「【0063】
更に、本発明のダイアタッチフィルムは、半導体ウェ−ハをダイシングし、半導体チップを得、半導体チップをダイボンディングするのに用いられるダイシングダイアタッチフィルムにも好適に用いられる。
半導体ウェ−ハをダイシングし、半導体チップを得、半導体チップをダイボンディングするのに用いられるダイシングダイアタッチフィルムであって、本発明のダイアタッチフィルムと、該ダイアタッチフィルムの一方の面に貼付された非粘着フィルムとを有し、前記非粘着フィルムは、(メタ)アクリル樹脂架橋体を主成分として含有するダイシングダイアタッチフィルムもまた、本発明の1つである。」

5 特開2004−072010号公報(以下、「引用文献5」という。)の記載
引用文献5には以下の記載がある。
「【0010】
なお、本発明においては、貯蔵弾性率曲線(G’)の変曲点(X)とは、例えば、図1に示すように、樹脂に対して温度を加え、温度を徐々に高くしていった場合に、急激に貯蔵弾性率が低下しはじめた点(a)と、貯蔵弾性率の低下が緩やかになりはじめた点(b)とを直線でひき、その長さの中点の温度をいう。また、損失弾性率曲線(G’’)の変曲点(Y)とは、樹脂に対して温度を加え、温度を徐々に高くしていった場合に、急激に損失弾性率が低下しはじめた点(c)と、損失弾性率の低下が緩やかになりはじめた点(d)とを直線でひき、その長さの中点の温度をいう。」





6 特開2012−119563号公報(以下、「引用文献6」という。)の記載
引用文献6には以下の記載がある。
「【0021】
(引張試験条件)
サンプル幅:10mm、サンプル厚み:32μm、
引張速度:50mm/min、チャック間距離:50mm
接着剤層の弾性率は、たとえば、接着剤層を形成するために使用される接着剤の硬化温度を適宜変更することにより、前記の大きさに調整することができる。但し、接着剤の硬化温度は、密着力および金属層に影響がない範囲で調整が行われる。」

第5 申立理由1(特許法第29条第2項)について
1 本件発明1について
(1) 対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
ア 甲1発明は「基材の片面に熱硬化型感圧性接着剤からなる層を有するテ―プ状の接着シ―ト類」であり、「基材」はシート類となるものだから、層状のものであると認められる。よって、甲1発明の「基材」は本件発明1の「基材層」に相当する。
また、甲1発明の「熱硬化型感圧性接着剤からなる層」は本件発明1の「熱硬化性を有する接着層」に相当する。
さらに、甲1発明の「テ―プ状の接着シ―ト類」はテープであるといえる。
よって、甲1発明の「接着シート類」は、「基材の片面に熱硬化型感圧性接着剤からなる層を有するテ―プ状」のものであるから、基材層と、熱硬化性を有する接着層とが積層されているテープである点で、本件発明1の「半導体加工用テープ」と一致する。
しかし、本件発明1は「基材層と、粘着層と、熱硬化性を有する接着層とがこの順序で積層されている」構成を備えるのに対し、甲1発明は「粘着層」を有さない点、及び、本件発明1は「半導体加工用テープ」であるのに対し、甲1発明は用途が半導体加工用に限定されない点で、両者は相違する。

イ 本件発明1が「130℃で1時間の硬化処理がされた後において、前記接着層の収縮率が2%未満であり、且つ、前記接着層の 100℃における熱時弾性率が 1MPa以上5MPa未満である」のに対し、甲1発明はそのような構成を有さない点で相違する。

ウ よって、本件発明1と甲1発明とは、以下の点で一致し相違する。
(一致点)
「基材層と、熱硬化性を有する接着層とが積層されているテープ」

(相違点1)
本件発明1は「基材層と、粘着層と、熱硬化性を有する接着層とがこの順序で積層されている」構成を備えるのに対し、甲1発明は「粘着層」を有さない点。

(相違点2)
本件発明1は「半導体加工用テープ」であるのに対し、甲1発明は用途が半導体加工用に限定されない点。

(相違点3)
本件発明1が「130℃で1時間の硬化処理がされた後において、前記接着層の収縮率が2%未満であり、且つ、前記接着層の 100℃における熱時弾性率が 1MPa以上5MPa未満である」のに対し、甲1発明はそのような構成を有さない点。

(2)当審の判断
(ア)事案に鑑み相違点3から検討する。
a 相違点3については、次のとおり相違点3−1と、相違点3−2とに分けて検討する。
(相違点3−1)
本件発明1が「130℃で1時間の硬化処理がされた後において、前記接着層の収縮率が2%未満で」あるのに対し、甲1発明はそのような構成を有さない点。

(相違点3−2)
本件発明1が「130℃で1時間の硬化処理がされた後において」「前記接着層の100℃における熱時弾性率が1MPa以上5MPa未満である」のに対し、甲1発明はそのような構成を有さない点。

b 相違点3−2について検討する。
(a)甲1発明は「硬化後の100〜300℃の範囲の貯蔵弾性率が5×106〜5×107dyn/cm2となるように構成」したものであり、硬化後の100℃における熱時弾性率が0.5MP以上5MPa以下であるといえる。
(b)しかし、甲1発明において「硬化」させる際の温度及び時間は特定されていない。そして、熱硬化性樹脂を硬化させる温度が異なれば硬化後の樹脂の弾性率も変化することは、例えば引用文献5の段落【0010】及び図1並びに引用文献6の段落【0021】に記載されているように技術常識であるから、硬化後の貯蔵弾性率が特定される甲1発明において硬化させる温度を任意に設定できるとはいえない。よって、相違点3−2に係る本件発明1の構成は実質的なものである。
(c)そして、130℃で1時間の硬化処理がされた後において接着層の100℃における熱時弾性率が1MPa以上5MPa未満であることは、甲第2号証〜甲第4号証のいずれにも記載されておらず、また、このことが本件特許の出願時の技術常識であることを示す証拠もない。
(d)よって、甲1発明に、甲第2号証〜甲第4号証に記載の周知技術を適用したとしても、相違点3−2に係る本件発明1の構成を得られるとはいえない。

c 異議申立人の主張
(a)異議申立人は上記の点について、異議申立書において「なお、接着層の硬化条件が、本件特許発明1では130℃で1時間であるのに対し、甲1発明では150℃で1時間であって、20℃の差がある。本件特許発明1における硬化条件は、同発明における接着層がイミダゾール類の硬化促進剤を含むことを前提としていることに起因して設定された条件であって、以下に述べる理由により、甲1発明との本質的な相違点ではなく、実質的に同一と言える。・・・(中略)・・・硬化促進剤とは、硬化反応の反応エネルギーを下げるための触媒の働きをするものであるのに対し、甲1発明における実施例の熱硬化型感圧性接着剤には硬化促進剤が含まれていないことから、硬化処理として150℃の温度が採用されたものと推測される。これに対し、硬化促進剤の有無や種類によって硬化処理の温度を適宜調整するのは技術常識である。本件特許発明1ではイミダゾール類の硬化促進剤を含むために130℃といった温度条件が採用されているに過ぎないものであって、甲1発明における熱硬化型感圧性接着剤が130℃で1時間の熱処理では硬化しないことを示すものではない。・・・(中略)・・・したがって、本件特許発明1と甲1発明の、接着層の硬化条件における20℃の差は、実質的な相違点ではない。」と主張している。
(b)しかし、甲第1号証の段落【0034】には「<ハンダ耐熱性>接着テ―プにより、1mm厚のガラスエポキシ板と銅貼り積層板〔CCL〕(圧延銅箔/接着剤/カプトンフイルム=35μm/15μm/25μm)とを、両者間に気泡が入らないように貼り合わせた。これを30mm角に切断したサンプルを、150℃×5Kgf/cm2×5分のプレス条件で圧着し、150℃×1時間の加熱処理により硬化させたのち、ガラスエポキシ板を上にして、260℃に溶融したハンダ浴に浮かせた状態で30秒間処理した。処理後のシ―トの貼り合わせ状態を目視で観察し、接着剤の発泡と接着異常(浮き、しわ、剥がれ、ずれ)の有無を判別し、○:変化・異常なし、×:変化・異常あり、と評価した。」と記載されており、「150℃×1時間」の加熱処理は、接着剤の発泡と接着異常の有無の判別の前の処理であり、貯蔵弾性率を測定する前の処理ではない。
(c)仮に、甲1発明において150℃×1時間の加熱処理による硬化後の100〜300℃の範囲の貯蔵弾性率が5×106〜5×107dyn/cm2となるとしても、上記「b(b)」のとおり、熱硬化性樹脂を硬化させる温度が異なれば硬化後の樹脂の弾性率も変化することは技術常識であるから、甲1発明において130℃×1時間の加熱処理による硬化後の貯蔵弾性率が上記値と異なることは明らかである。
(d)また、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを含有する熱硬化型感圧性接着剤にイミダゾール類等の硬化促進剤を入れることにより、硬化前のガラス転移温度及び貯蔵弾性率、並びに、硬化後の貯蔵弾性率に影響を与えることなく、接着の際の硬化温度を調整できることを示す証拠は示されていない。
(e)したがって、上記相違点3−2に係る本件発明1の構成が実質的なものではないとする異議申立人の主張を採用することはできない。

d 小括
上記b及びcのとおりであるから、相違点3−1について検討するまでもなく、甲1発明を、甲第2号証〜甲第4号証に記載された周知技術に基づき、相違点3−2を含む相違点3に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。

(イ)まとめ
上記「(ア)b〜d」のとおりであるから、相違点1及び2について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明と、甲第2号証〜甲第4号証に記載された周知技術とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(2)本件発明2、5〜7について
本件特許の請求項2、5〜7は、いずれも直接的又は間接的に請求項1を引用し、本件発明1の構成を有するものであるから、本件発明2、5〜7は、少なくとも相違点3の点で甲1発明と相違する。そして、相違点3については上記「(1)(ア)b〜d」において検討したとおりであるから、本件発明2、5〜7は甲1発明及び甲第2号証〜甲第4号証に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3) まとめ
上記(1)及び(2)のとおり、本件発明1、2、5〜7は、甲第1号証に記載された発明と、甲第2号証〜甲第4号証に記載された周知技術とに基づき、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるとはいえない。

第6 申立理由2(サポート要件)について
(1)本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載
本件特許明細書の発明の詳細な説明(以下、単に「発明の詳細な説明」という。)には以下の記載がある。
「【0005】
本発明者らは、半導体装置の製造過程において、従来、用いられているダイシングダイボンディングテープを種々の工程で必要とされる仮固定用テープとして使用することを検討した。一種類のテープがダイシングダイボンディングテープ及び仮固定用テープの両方の用途に適用可能であれば、テープの汎用性が高まり、半導体装置を効率的に製造することが可能となる。」

「【0009】
本発明に係る半導体加工用テープは、基材層と、粘着層と、熱硬化性を有する接着層とがこの順序で積層されており、130℃で1時間の硬化処理がされた後において、接着層の収縮率が2%未満であり、且つ、接着層の熱時弾性率が5MPa未満である。130℃で1時間の硬化処理がされた後における接着層がこれらの条件を満たすことで、半導体加工用テープは半導体装置の製造過程における種々の加工工程に適用し得るものとすることができる。具体的には、上記種々の加工工程において求められる耐熱性及び剥離性を接着層に付与することができる。」

「【0018】
上述のとおり、130℃で1時間の硬化処理がされた後において、接着層3の収縮率は2%未満である。この値は1.8%以下が好ましく、1.6%以下がより好ましい。この値が2%未満であることで、半導体装置の製造過程において、接着層3に対してウエハ又は基板が仮固定された状態で接着層3に熱が加わっても位置ずれを十分に抑制できる。」

「【0020】
上述のとおり、130℃で1時間の硬化処理がされた後において、接着層3の熱時弾性率は5MPa未満である。この値は4.5MPa以下が好ましく、4MPa以下がより好ましい。この値が5MPa未満であることで、半導体装置の製造過程において、接着層3に対してウエハ又は基板が仮固定された状態で接着層3に熱が加わっても、接着層3が適度な柔軟性を有し、これにより、優れた剥離性を実現できる。なお、接着層3の上記熱時弾性率の下限値は、例えば、1MPaである。」

「【0064】
[ダイシングダイボンディングテープ]
図2(a)〜(f)及び図3は、半導体加工用テープ10を用いる半導体装置(半導体パッケージ)の製造方法の一実施形態を説明するための断面図である。本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、半導体加工用テープ10の接着層3を半導体ウエハに貼り付ける貼り付け工程(ウエハラミネート工程)と、半導体ウエハW及び接着層3を個片化するダイシング工程と、粘着層2に紫外線を照射する紫外線照射工程と、接着層3が付着した半導体素子50を基材層1からピックアップするピックアップ工程と、接着層3を介して半導体素子50を半導体素子搭載用の支持基板60に接着する接着工程とを含む。以下、図面を参照しながら、各工程について説明する。」

「【0070】
(接着工程)
粘着層付き半導体素子50をピックアップした後、図2(f)に示されるように、接着層付き半導体素子50を、熱圧着により、接着層3aを介して半導体素子搭載用の支持基板60に接着する。接着層3aを介して支持基板60上に接着層付き半導体素子50を搭載した後、再び、接着層付き半導体素子50を、熱圧着により、接着層3aを介して半導体素子Waに接着してもよい。これにより、複数の半導体素子Waを支持基板60上により一層確実に搭載することができる。」

(2)判断
ア 本件発明が解決しようとする課題について
発明の詳細な説明の段落【0005】及び段落【0009】の記載によれば、本件発明が解決しようとする課題は「半導体加工用テープをダイシングダイボンディングテープ及び仮固定用テープの両方の用途に適用し得るものとするため、半導体加工用テープの接着層に耐熱性及び剥離性を付与する」ことである。

イ 課題を解決する手段について
(ア)発明の詳細な説明の段落【0018】によれば、130℃で1時間の硬化処理がされた後の接着層3の収縮率が2%未満であることで、半導体装置の製造過程において、接着層3に対してウエハ又は基板が仮固定された状態で接着層3に熱が加わっても位置ずれを十分に抑制できることを理解することができる。
(イ)次に、発明の詳細な説明の段落【0020】によれば、130℃で1時間の硬化処理がされた後の接着層3の熱時弾性率が1MPa以上5MPa未満であることで、半導体装置の製造過程において、接着層3に対してウエハ又は基板が仮固定された状態で接着層3に熱が加わっても、接着層3が適度な柔軟性を有し、仮固定用テープの用途に適用できる優れた剥離性を実現できることを理解することができる。
(ウ)さらに、発明の詳細な説明の段落【0064】及び段落【0070】によれば、接着層3を有する半導体加工用テープ10は、接着層3が半導体素子50と半導体素子搭載用の支持基板60との間に介在して両者を接着する層として機能するから、ダイシングダイボンディングテープの用途に適用できることも明らかである。
(エ)上記(ア)及び(イ)より、130℃で1時間の硬化処理がされた後において、接着層の収縮率が2%未満であり、且つ、接着層の熱時弾性率が1MPa以上5MPa未満であることで、接着層は仮固定用テープの用途に適用できる耐熱性及び剥離性を有するいえ、上記(ウ)より、接着層を有する半導体加工用テープはダイシングダイボンディングテープの用途に適用できるといえる。したがって、発明の詳細な説明の記載から、当業者は本件発明1により上記アの課題を解決できることを理解できると認められる。また、請求項2、5〜7は請求項1を引用し、本件発明2、5〜7は本件発明1の構成を備えたものであるから、当業者は本件発明2、5〜7により上記アの課題を解決できることを理解できると認められる。

ウ 小括
したがって、発明の詳細な説明に開示された内容は本件発明1、2、5〜7の範囲まで拡張ないし一般化できるものであり、本件発明1、2、5〜7は発明の詳細な説明に記載されたものであるから、本件特許の請求項1、2、5〜7の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たすものである。

エ 異議申立人の主張
(ア)異議申立人は異議申立書において、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、課題を解決する手段として、接着層が熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、硬化促進剤、及び無機フィラーを含み、熱可塑性樹脂が反応性基としてグリシジル基を含有するアクリルゴムであり、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂及びフェノール樹脂であり、硬化促進剤がイミダゾール系硬化剤であり、グリシジル基を含有するアクリルゴム100質量部に対するエポキシ樹脂及びフェノール樹脂の合計の含有量が29〜37質量部であることが記載されているが、本件特許の請求項1、2、5〜7には、接着層が上記組成を有することが記載されていないため、本件特許の請求項1、2、5〜7の範囲まで、本件特許明細書の発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるとはいえない旨主張している。
(イ)しかし、上記イのとおり、本件発明1、2、5〜7の構成により、上記アの課題が解決されることを当業者が理解できる以上、上記異議申立人の主張を採用することはできない。

第7 むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由及び証拠によっては、本件請求項1、2、5〜7に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1、2、5〜7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2022-11-30 
出願番号 P2017-109398
審決分類 P 1 652・ 537- Y (H01L)
P 1 652・ 121- Y (H01L)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 瀧内 健夫
特許庁審判官 棚田 一也
小田 浩
登録日 2022-02-28 
登録番号 7031141
権利者 昭和電工マテリアルズ株式会社
発明の名称 半導体加工用テープ  
代理人 鈴木 洋平  
代理人 清水 義憲  
代理人 平野 裕之  
代理人 長谷川 芳樹  

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