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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 A63F |
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管理番号 | 1410090 |
総通号数 | 29 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2024-05-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2023-08-21 |
確定日 | 2024-04-18 |
事件の表示 | 特願2019− 33273「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 9月 3日出願公開、特開2020−137561〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成31年2月26日の出願であって、令和4年12月13日付けで拒絶の理由が通知され、令和5年2月8日に期間延長請求書が提出され、同年4月17日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年5月9日付け(送達日:同年同月23日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、それに対して、同年8月21日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出されたものである。 第2 令和5年8月21日に提出された手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和5年8月21日にされた手続補正による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正の内容 本件補正は、特許請求の範囲についてする補正を含むものであって、令和5年8月21日提出の手続補正書によって、本件補正前の同年4月17日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1について、 「【請求項1】 遊技領域に設けられた始動入球手段と、 前記始動入球手段への入球に基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、 前記情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段と、 前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の移行情報と対応しているか否かを判定する移行判定手段と、 前記移行判定手段による判定の結果が前記所定の移行情報に対応しているとする移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を所定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、 遊技球が入球可能又は入球し易い第1状態及び入球が不可又は入球しにくい第2状態に切替可能な可変入球手段と、 前記特別遊技状態において、所定の切替条件が成立した場合に前記可変入球手段を所定態様にて前記第2状態から前記第1状態に切り替え可能として前記特別遊技状態の所定の遊技を開始させる手段と、 前記特別遊技状態において、前記可変入球手段への入球数が所定数となったこと又は所定期間が経過したことの少なくともいずれか一方で前記可変入球手段を前記第1状態から前記第2状態に切り替え可能とする手段と、 前記可変入球手段を前記第2状態へ切り替える場合に前記所定の遊技を終了させることが可能な手段と、 前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記移行判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段と、 前記先特定手段による特定の結果に対応する特定報知を実行可能な手段と、 前記特別遊技状態にて実行される前記所定の遊技における前記可変入球手段への入球数が前記所定数より多い特定数となった場合に、当該特定数の入球が生じたタイミングよりも後のタイミングで前記特定報知が実行されるようにすることが可能な手段と、 を備えていることを特徴とする遊技機。」とあったものを、 「【請求項1】 遊技領域に設けられた始動入球手段と、 前記始動入球手段への入球に基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、 前記情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段と、 前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の移行情報と対応しているか否かを判定する移行判定手段と、 前記移行判定手段による判定の結果が前記所定の移行情報に対応しているとする移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を所定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、 遊技球が入球可能又は入球し易い第1状態及び入球が不可又は入球しにくい第2状態に切替可能な可変入球手段と、 前記特別遊技状態において、所定の切替条件が成立した場合に前記可変入球手段を所定態様にて前記第2状態から前記第1状態に切り替え可能として前記特別遊技状態の所定の遊技を開始させる手段と、 前記特別遊技状態において、前記可変入球手段への入球数が所定数となったこと又は所定期間が経過したことの少なくともいずれか一方で前記可変入球手段を前記第1状態から前記第2状態に切り替え可能とする手段と、 前記可変入球手段を前記第2状態へ切り替える場合に前記所定の遊技を終了させることが可能な手段と、 前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記移行判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段と、 前記先特定手段による特定の結果に対応する特定報知を実行可能な手段と、 前記特別遊技状態にて実行される前記所定の遊技における前記可変入球手段への入球数が前記所定数より多い特定数となった場合の所定報知の実行後、前記特定報知が実行されるようにすることが可能な手段と、 を備えていることを特徴とする遊技機。」とすることを含む補正である(なお下線は、補正箇所を明示するために合議体にて付した。)。 2 補正の目的 本件補正は、請求項1について、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「特別遊技状態にて実行される所定の遊技における可変入球手段への入球数が所定数より多い特定数となった場合」の「特定報知」の実行タイミングに関して、「特定数の入球が生じたタイミングよりも後のタイミング」とあったものを「所定報知の実行後」と限定することを含むものである。 そうすると、本件補正後の請求項1に係る発明は、本件補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が依然として同一であると認められるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 3 新規事項について 本件補正は、願書に最初に添付した明細書の【0437】〜【0463】の第3の実施形態に関する記載に基づくものであり、願書に最初に添付した明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。 4 独立特許要件について そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて、以下検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、前記「1」に記載したとおりのものであるところ、再掲すると次のとおりである(記号A〜Mは、分説するため合議体にて付した。)。 「【請求項1】 A 遊技領域に設けられた始動入球手段と、 B 前記始動入球手段への入球に基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、 C 前記情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段と、 D 前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の移行情報と対応しているか否かを判定する移行判定手段と、 E 前記移行判定手段による判定の結果が前記所定の移行情報に対応しているとする移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を所定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、 F 遊技球が入球可能又は入球し易い第1状態及び入球が不可又は入球しにくい第2状態に切替可能な可変入球手段と、 G 前記特別遊技状態において、所定の切替条件が成立した場合に前記可変入球手段を所定態様にて前記第2状態から前記第1状態に切り替え可能として前記特別遊技状態の所定の遊技を開始させる手段と、 H 前記特別遊技状態において、前記可変入球手段への入球数が所定数となったこと又は所定期間が経過したことの少なくともいずれか一方で前記可変入球手段を前記第1状態から前記第2状態に切り替え可能とする手段と、 I 前記可変入球手段を前記第2状態へ切り替える場合に前記所定の遊技を終了させることが可能な手段と、 J 前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記移行判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段と、 K 前記先特定手段による特定の結果に対応する特定報知を実行可能な手段と、 L 前記特別遊技状態にて実行される前記所定の遊技における前記可変入球手段への入球数が前記所定数より多い特定数となった場合の所定報知の実行後、前記特定報知が実行されるようにすることが可能な手段と、 M を備えていることを特徴とする遊技機。」 (2)引用文献1の記載及び引用発明 ア 引用文献1の記載事項 原査定の拒絶の理由において引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である引用文献1(特開2017−185014号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は合議体にて付した。)。 (ア) 「【発明が解決しようとする課題】 ・・・ 【0006】 本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。即ちその課題とするところは、超過入賞の発生を報知する演出についての興趣を向上させることにある。」 (イ) 「【課題を解決するための手段】 【0007】 上記の課題を解決するためになされた本発明について以下に説明する。なお、以下の説明では、後述の[発明を実施するための形態]における対応する構成名や表現、図面に使用した符号等を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、本発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。 【0008】 〈A〉本発明に係る遊技機は、 遊技領域(3)に設けられた入球口(第1始動口20又は第2始動口21)への遊技球の入球を検知する入球検知手段(第1始動口センサ20a又は第2始動口センサ21a)と、 前記入球検知手段による入球検知に基づき判定用情報を取得する判定用情報取得手段(ステップS206又はS212を実行する遊技制御用マイコン81)と、 記判定用情報取得手段により取得された前記判定用情報を記憶可能な記憶手段(特図保留記憶部85)と、 所定の判定条件の成立時に、前記記憶手段に記憶された前記判定用情報に基づいて当否を判定する当否判定処理を実行可能な当たり判定手段(ステップS1402又はS1408を実行する遊技制御用マイコン81)と、 前記当否判定処理の判定結果に基づいて、前記遊技領域に設けられた特別入賞口(大入賞口30)を1回又は複数回開放させるラウンド遊技を複数含む特別遊技(大当たり遊技)を実行する特別遊技実行手段(ステップS1005〜S1008を実行する遊技制御用マイコン81)と、 1回の前記ラウンド遊技における前記特別入賞口への入賞球の数をカウントする入賞数カウント手段(ステップS2603を実行する遊技制御用マイコン81)と、を備え、 前記特別遊技実行手段は、 前記ラウンド遊技の実行中に、前記入賞数カウント手段によるカウント値が所定の入賞閾値(「9」)に達した場合には、前記特別入賞口を閉塞してそのラウンド遊技を終了させるものである遊技機(パチンコ遊技機1)であって、 前記判定用情報取得手段により取得された判定用情報に基づいて、その判定用情報が前記当たり判定手段により当たりと判定される当たり情報であるか否かの情報(当否情報)を少なくとも含む入賞情報(始動入賞コマンド)を、その判定用情報の取得時に生成する入賞情報生成手段(ステップS207又はS213を実行する遊技制御用マイコン81)と、 前記入賞数カウント手段によるカウント値が前記入賞閾値よりも大きい値となる超過入賞があった場合には、前記入賞情報生成手段により生成された前記入賞情報に基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記判定用情報の中に前記当たり情報があるかを判定可能な先読み判定手段(ステップS5305を実行する演出制御用マイコン91)と、 前記先読み判定手段によって前記当たり情報があると判定された場合には、前記当たり情報の記憶があることを示唆又は報知する当選示唆演出(図43参照)を実行可能な演出実行手段(ステップS5308を実行する演出制御用マイコン91)と、を備えていることを特徴とする遊技機である。」 (ウ) 「【発明を実施するための形態】 【0020】 1.遊技機の構造 本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から遠のく方向として説明する。 ・・・ 【0029】 遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(入球口の一例)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20を、第1の入球口、固定始動口、第1始動入賞口ともいう。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、即ち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。 【0030】 第1始動口20の下方には、第2始動口(入球口の一例)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる「電チュー」)22が設けられている。第2始動口21を、第2の入球口、可変始動口、第2始動入賞口ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、可動部材23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図3参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。即ち、可動部材23が閉じているときには遊技球が入球不可能となっている。なお、電チュー22は、可動部材23が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口21への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口21への入球を不可能とするものでなくてもよい。 【0031】 遊技領域3における第1始動口20の右方には、大入賞口(特別入賞口に相当、特定入賞口ともいう)30を備えた大入賞装置(特別可変入賞装置)31が設けられている。大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、大入賞口ソレノイド33(図3参照)により駆動される。大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。」 (エ) 「【0048】 RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。このうち第1特図保留記憶部85aは、図5(A)に示すように、記憶可能な第1特図保留の数に対応した4つの記憶領域(第1記憶領域〜第4記憶領域)からなる。また第2特図保留記憶部85bは、図5(B)に示すように、第1特図保留記憶部85aと同じく、記憶可能な第2特図保留の数に対応した4つの記憶領域(第1記憶領域〜第4記憶領域)からなる。各記憶領域は図5(C)に示すように、さらに4つの記憶領域に分かれている。これらの4つの記憶領域とは、後述の大当たり乱数を記憶する領域、大当たり種別乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、および、変動パターン乱数を記憶する領域である。」 (オ) 「【0064】 3.大当たり等の説明 本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」および「ハズレ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄として特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「ハズレ」のときには、特別図柄として特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、大入賞装置31を作動させ開放させる「特別遊技(大当たり遊技ともいう)」が実行される。よって「大当たり」に当選した場合には、「特別遊技(大当たり遊技)」の実行により、遊技者に所定の利益が付与される。即ち、特別遊技中に開放する大入賞装置31(大入賞口30)に入球した遊技球の数に応じた賞球が払い出されることとなる。 【0065】 大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(ラウンド間インターバル)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。」 (カ) 「【0079】 なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に「低確低ベース状態」という。本形態では低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。」 (キ) 「【0085】 6.遊技制御用マイコン81の動作 [主制御メイン処理]次に図13〜図32に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図13に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタ等の値のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。」 (ク) 「【図13】 」 (ケ) 「【0088】 [メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図14に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず入力処理(S101)を実行する。入力処理(S101)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、大入賞口センサ30a、普通入賞口センサ27a等(図3参照))が検知した検出信号を読み込む。また、入力処理(S101)では、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。 ・・・ 【0091】 普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S104)に次いで、後述する始動口センサ検出処理(S105)、普通動作処理(S106)および特別動作処理(S107)を実行する。その後、出力処理(S108)を実行する。出力処理(S108)では、各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。 【0092】 次に、大入賞口ソレノイド33の駆動データを出力する処理(S109)を行う。つまり大入賞口30を開放したり閉塞したりする。そしてその他の処理(S110)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S110)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。また、後述の普図保留球数に基づいて普図保留表示器44をその数を示す表示態様に制御したりする。」 (コ) 「【図14】 」 (サ) 「【0094】 [始動口センサ検出処理]次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)で実行される始動口センサ検出処理(S105)について説明する。図15に示すように、始動口センサ検出処理(S105)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ちゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、後述のステップS203に進むが、ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、ゲート通過処理(S202)を行う。ゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留の数(普通図柄保留球数)が「4」未満であれば、普通図柄に関する普通図柄乱数のカウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値)を取得し、所定の記憶領域に格納する。 【0095】 ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合には(S203でNO)ステップS209に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が「4」に達している場合には(S204でYES)、ステップS209に進むが、特図2保留球数が「4」未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。 【0096】 続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)および変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図8(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部85bの記憶領域に格納する。」 (シ) 「【図15】 」 (ス) 「【0112】 [特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S106)に次いで特別動作処理(S107)を行う。特別動作処理(S107)は、特別図柄表示器41および大入賞装置31に関する処理である。特別動作処理(S107)ではまず、図17に示すように、特別動作ステータスの値を読み出して(S1001)、この値に応じたいずれかの処理(S1002〜S1008のうちのいずれかの処理)を実行する。 【0113】 具体的には、特別動作ステータスの値が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1002)を行う。また、特別動作ステータスの値が「2」である場合には、特別図柄変動中処理(S1003)を行う。また、特別動作ステータスの値が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1004)を行う。また、特別動作ステータスの値が「4」である場合には、大当たり開始処理(S1005)を行う。また、特別動作ステータスの値が「5」である場合には、大当たり開放処理(S1006)を行う。また、特別動作ステータスの値が「6」である場合には、大当たり閉鎖処理(S1007)を行う。また、特別動作ステータスの値が「7」である場合には、大当たり終了処理(S1008)を行う。これらの各処理(S1002〜S1008)については後述する。なお、特別動作ステータスの初期値は「1」である。 【0114】 [特別図柄待機処理]図18に示すように、特別図柄待機処理(S1002)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1413)、そうであれば(S1413でYES)本処理を終え、そうでなければ(S1413でNO)、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする(S1414)。 【0115】 ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)および特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1405)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1406)を実行する。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。」 (セ) 「【0118】 [特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図19に基づいてまとめて説明する。図19に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1408)では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。 【0119】 次に、大当たり判定テーブル(図9(A))をセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONであるか否か、即ち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、即ち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図9(A))のうち非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「189」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図9(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「1899」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。 【0120】 大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図9(B)に示す大当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄の種別を判定する(S1506)。大当たり図柄の種別を判定した後は、大当たりフラグをONにするとともに(S1507)、大当たり図柄の種別に応じた特図停止図柄データ(図7(A)参照)を、RAM84に設けた特図バッファにセットして(S1508)、本処理を終える。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)を特図バッファにセットして(S1508)、本処理を終える。」 (ソ) 「【図17】 【図18】 【図19】 」 (タ) 「【0132】 [特別図柄確定処理]図23に示すように、特別図柄確定処理(S1004)ではまず、特別図柄の停止時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる停止時間、図10参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちに本処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。一方、停止時間が経過していれば(S1801でYES)、後述の遊技状態管理処理(S1802)を行う。 【0133】 次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1803)。大当たりフラグがONであれば(S1803でYES)、後述の遊技状態リセット処理(S1804)を行う。その後、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1805)。そして大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニング設定を行うとともに(S1806)、大当たりのオープニングコマンドをセットする(S1807)。オープニング設定では大当たり遊技のオープニングの時間が所定のタイマにセットされる。 【0134】 続いて、特別電役作動有効カウンタの値を、当選した大当たりの種別に応じたラウンド数(図7参照)にセットして(S1808)、本処理を終える。特別電役作動有効カウンタは、大当たり遊技におけるラウンド遊技の残回数を示すカウンタである。このカウンタを残ラウンド数カウンタともいう。」 (チ) 「【図23】 」 (ツ) 「【0140】 [大当たり開始処理]図26に示すように、大当たり開始処理(S1005)ではまず、大当たりのオープニングの時間が経過したか否かを判定する(S2301)。経過していなければ(S2301でNO)、直ちに本処理を終える。経過していれば(S2301でYES)、大入賞口動作設定処理(S2302)を行う。 【0141】 [大入賞口動作設定処理]図27に示すように、大入賞口動作設定処理(S2302又はS2805)ではまず、特別動作ステータスの値を「5」にセットする(S2401)。次いで、1R分の大入賞口の動作設定を行う(S2402)。つまり、当選した大当たり図柄の種別に応じた開放パターン(図7参照)で大入賞口30が開放されるように、これから実行するラウンドに応じた大入賞口30の動作設定を行う。具体的には例えば、特図1_確変図柄(16R確変大当たり)に当選しており、これから1ラウンド目を開始する場合には、図7に示すように大入賞口30を最大28秒にわたって1回開放させるための駆動データを設定する。上記ステップS2402の実行後に、図14のステップS109の処理(大入賞口ソレノイドの駆動データ出力処理)が実行されると、大入賞口30が開放される。」 (テ) 「【図26】 【図27】 」 (ト) 「【0143】 [大当たり開放処理]図28に示すように、大当たり開放処理(S1006)ではまず、後述する大入賞口センサ検出処理(S2501)を行う。その後、大入賞口入賞カウンタの値が入賞閾値(本形態では「9」)以上であるか否かを判定する(S2502)。大入賞口入賞カウンタは、1回のラウンド遊技における大入賞口への総入賞球数を加算方式(カウントアップ)にてカウントするカウンタである。このカウンタのカウントアップは、大入賞口センサ検出処理(S2501)で行われる。また入賞閾値は、大入賞口入賞カウンタの値に対して設けられた閾値であり、実行中のラウンド遊技を終了させるためのものである。よって大入賞口入賞カウンタの値が入賞閾値に達した場合には、後述の大入賞口動作タイマの値によらず、大入賞口30が閉塞されてラウンド遊技が終了となる。なお本形態の入賞閾値は、大入賞口入賞カウンタの値に加え、演出制御用マイコン91がカウントする賞球数カウント値に対する閾値でもある。賞球数カウント値については後ほど説明する。 【0144】 ステップS2502の判定結果がNOであれば、続いて大入賞口動作タイマの値が「0」でないか否かを判定する(S2503)。大入賞口動作タイマは、大入賞口の動作時間(開放時間や閉鎖時間)を計測するためのタイマである。ステップS2503において大入賞口動作タイマの値が「0」でなければ(S2503でYES)、直ちに本処理を終える。 【0145】 なお、大入賞口入賞カウンタの値が入賞閾値以上の場合(S2502でYES)、又は、大入賞口動作タイマの値が「0」の場合には(S2503でNO)、大入賞口30の閉鎖設定を行う(S2504)。この処理により大入賞口30は閉鎖される。次いでステップS2505では、特別動作ステータスの値を「6」にセットする。そして、大入賞口30の球ハケ時間(つまりラウンド間インターバルの時間、本形態では2000ms)を、大入賞口動作タイマにセットして(S2506)、本処理を終える。 【0146】 [大入賞口センサ検出処理]図29に示すように、大入賞口センサ検出処理(S2501又はS2801)ではまず、大入賞口30への通過があったか否か(つまり大入賞口センサ30aによる遊技球の通過検知があったか否か)を判定する(S2601)。通過検知がなければ(S2601でNO)、直ちに本処理を終える。一方、通過検知があれば(S2601でYES)、大入賞口30への入賞があったことをサブ制御基板90に通知するための大入賞口入賞コマンドを出力バッファにセットする(S2602)。その後、上述した大入賞口入賞カウンタの値に「1」を加算して(S2603)、本処理を終える。」 (ナ) 「【図28】 【図29】 」 (ニ) 「【0147】 [大当たり閉鎖処理] 図30に示すように、大当たり閉鎖処理(S1007)ではまず、図29に示した大入賞口センサ検出処理(S2801)を行って、ステップS2802に進む。この大入賞口センサ検出処理(S2801)は、球ハケ期間中に、大入賞口センサ30aが遊技球を検知した場合のための処理である。 【0148】 続いてステップS2802では、大入賞口30の球ハケ時間が経過したか否かを判定する。経過していなければ(S2802でNO)、直ちに本処理を終える。一方、経過していれば(S2802でYES)、大入賞口入賞カウンタの値を「0」にクリアする(S2803)。そして遊技制御用マイコン81は、特別電役作動有効カウンタ(残ラウンド数カウンタ)の値が「0」であるか否かを判定する(S2804)。「0」でなければ(S2804でNO)、まだ未実行のラウンド遊技が残っているため、既に図27に基づいて説明した大入賞口動作設定処理(S2805)を行って、本処理を終える。 【0149】 一方、ステップS2804で「0」であると判定した場合には(S2804でYES)、実行中の大当たり遊技における全てのラウンド遊技が終わっているため、特別動作ステータスを「7」にセットする(S2806)。そして、大当たりのエンディング設定を行うとともに(S2807)、エンディングコマンドを出力バッファにセットして(S2808)、本処理を終える。なおエンディング設定では、大当たり遊技のエンディングの時間が所定のタイマにセットされる。 【0150】 [大当たり終了処理]図31に示すように、大当たり終了処理(S1008)ではまず、大当たり遊技のエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S3001)、エンディング時間が経過していなければ(S3001でNO)、直ちに本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S3001でYES)、大当たりフラグをOFFし(S3002)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S3003)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(図17)として再び特別図柄待機処理(S1002)が実行されることになる。その後、遊技状態設定処理(S3004)を行って本処理を終える。」 (ヌ) 「【図30】 【図31】 」 (ネ) 「【0153】 7.演出制御用マイコン91の動作 [サブ制御メイン処理]次に図33〜図41に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図33に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理(S4001)を行う。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定などを行う。 ・・・ 【0156】 乱数更新処理(S4005)が終了すると、演出制御用マイコン91は続いて、コマンド送信処理(S4006)を行い、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。 ・・・ 【0159】 [10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10ms周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図36に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理(S4301)を行う。その後、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理(S4302)を行う。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理(S4303)を行う。」 (ノ) 「【図33】 【図36】 」 (ハ) 「【0162】 [受信コマンド解析処理]図37に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、第1始動入賞コマンド(S214でセット)又は第2始動入賞コマンド(S208でセット)を主制御基板80から受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば(S4401でYES)後述する先読み演出判定処理(S4402)を行う。 ・・・ 【0165】 続いて、主制御基板80からラウンド指定コマンド(S2404でセット)を受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば(S4407でYES)、賞球数カウンタの値(賞球数カウント値)をゼロクリアする処理(S4408)を行う。賞球数カウンタは、演出制御用マイコン91が1回のラウンド遊技における大入賞口30への総入賞球数をカウントするためのものである。賞球数カウンタは、上述した大入賞口入賞カウンタと同じく、加算方式(カウントアップ)である。 ・・・ 【0168】 続いて、主制御基板80から大入賞口入賞コマンド(S2602でセット)を受信したか否か判定し(S4410)、受信していれば(S4410でYES)後述する大入賞口入賞コマンド受信処理(S4411)を行う。 【0169】 続いて、主制御基板80からエンディングコマンド(S2808でセット)を受信したか否か判定し(S4412)、受信していれば(S4412でYES)、超過入賞カウンタの値(超過入賞カウント値)をゼロクリアする処理(S4413)を行う。超過入賞カウンタは、演出制御用マイコン91が超過入賞の累積値をカウントするためのものである。超過入賞カウンタは、上記大入賞口入賞カウンタや賞球数カウンタと同じく、加算方式(カウントアップ)である。」 (ヒ) 「【図37】 」 (フ) 「【0182】 [大入賞口入賞コマンド受信処理]図40に示すように、大入賞口入賞コマンド受信処理(S4411)ではまず、演出制御用マイコン91は、受信した大入賞口入賞コマンドを解析する(S5301)。そして、上述の賞球数カウンタの賞球数カウント値に「1」を加算する(S5302)。その後、賞球数カウント値が上記入賞閾値(「9」)を超えているかどうかを判定する(S5303)。即ちサブ制御基板90側で、現在実行中のラウンド遊技にて入賞閾値を超える超過入賞(「オーバー入賞」)が発生したかどうかを判定する。 【0183】 賞球数カウント値が入賞閾値(「9」)を超えていない場合(S5303でNO)、つまり賞球数カウント値が入賞閾値以下の場合には、後述のステップS5310に進む。一方、賞球数カウント値が入賞閾値を超えている場合(S5303でYES)、つまり超過入賞が発生した場合には、ステップS5304に進み、上述した超過入賞カウント値に「1」を加算する。 【0184】 なお本形態では、同じラウンド遊技中に複数の超過入賞があった場合には、超過入賞毎に超過入賞カウント値に「1」を加算する。具体的に例えば、同じラウンド遊技中に「10個目」および「11個目」の2つの超過入賞があった場合には、「10個目」の入賞で超過入賞カウント値にまず「1」を加算する。そして、その後の別の大入賞口入賞コマンド受信処理(S4411)にて、超過入賞カウント値にさらに「1」を加算することになる(「11個目」の入賞分)。よって本パチンコ遊技機1は、超過入賞カウンタを用いて、1回の大当たり遊技中に生じた超過入賞をもれなく累積することが可能な構成になっている。よって例えば、超過入賞が生じたラウンド遊技の回数を累積し、その累積値に応じて後述の当選示唆演出や超過入賞演出を実行するような構成よりも、当選示唆演出や超過入賞演出の実行機会をより多く設けることが可能となっている。特に本形態では、超過入賞演出として、態様の異なる複数種類の演出を設けているため、1回の大当たり遊技中の複数回の超過入賞演出を異なる態様で実行することが可能となっている。従って、遊技者を飽きさせないパチンコ遊技機1となっている。 ・・・ 【0193】 本形態では、当選示唆演出に「激熱じゃ」のセリフを用いているため、このセリフを聞いた遊技者に、現在記憶している特図保留の中に上記当たり保留があるのを示唆可能となっている。よって実行中の大当たり遊技の終了後に新たな大当たり遊技が「連チャン」することへの喜びを遊技者に実感させることが可能となっている。」 (ヘ) 「【0198】 [超過入賞演出実行処理]図41に示すように、超過入賞演出実行処理(S5309)ではまず、演出制御用マイコン91は、上記ステップS5304で加算した超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値(本形態では「5」)以上かどうかを判定する(S5401)。超過入賞累積閾値は、超過入賞カウント値に対して設けられた閾値であり、超過入賞演出のうちの特別態様演出(図42(B)および図44(C)参照)の実行契機となる閾値である。よって、超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値に達している場合には、超過入賞演出として特別態様演出を実行することになる。 【0199】 即ち、ステップS5401で超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値(「5」)以上の場合には(S5401でYES)、ステップS5402に進み、超過入賞演出として特別態様演出を設定する。このステップS5402の実行後に、演出制御用マイコン91は、10msタイマ割り込み処理(図36)の音声制御処理(S4305)にて、特別態様演出(図42(B)および図44(C)参照)を実行する。なお特別態様演出については後ほど説明する。 【0200】 一方、ステップS5401で超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値(「5」)未満の場合には(S5401でNO)、超過入賞カウント値が「1」かどうかを判定する(S5403)。超過入賞カウント値が「1」の場合には(S5403でYES)、ステップS5404に進み、超過入賞演出として第1態様演出を設定する。このステップS5404の実行後に演出制御用マイコン91は、上記音声制御処理(S4305)にて、第1態様演出(図42(B)および図44(A)参照)を実行する。第1態様演出については後ほど説明する。 【0201】 一方、ステップS5403で超過入賞カウント値が「1」でない場合には(S5403でNO)、続いて超過入賞カウント値が「2」かどうかを判定する(S5405)。超過入賞カウント値が「2」の場合には(S5405でYES)、ステップS5406に進み、第2態様演出を設定する。このステップS5406の実行後に演出制御用マイコン91は、上記音声制御処理(S4305)で第2態様演出(図42(B)および図44(B)参照)を実行する。第2態様演出については後ほど説明する。 【0202】 また、ステップS5405で超過入賞カウント値が「2」でない場合には(S5405でNO)、続いて超過入賞カウント値が「3」かどうかを判定する(S5407)。超過入賞カウント値が「3」の場合には(S5407でYES)、ステップS5408に進み、第3態様演出を設定する。このステップS5408の実行後に演出制御用マイコン91は、上記音声制御処理(S4305)で第3態様演出(図42(B)参照)を実行する。第3態様演出については後ほど説明する。 【0203】 また、ステップS5407で超過入賞カウント値が「3」でない場合には(S5407でNO)、超過入賞カウント値が「4」であるため、ステップS5409に進み、第4態様演出を設定する。このステップS5409の実行後に演出制御用マイコン91は、上記音声制御処理(S4305)にて第4態様演出(図42(B)参照)を実行する。第4態様演出については後ほど説明する。」 (ホ) 「【図41】 」 (マ) 「【0236】 また上記形態では、超過入賞が生じた場合に、超過入賞カウンタの値(超過入賞カウント値)によらず、特図保留演出記憶部に大当たり当選に関する情報があるか否か、つまり特図保留の中に当たり保留があるか否かを判定する構成とした。しかしながら超過入賞が生じて、超過入賞カウント値が超過入賞累積値となった場合に、特図保留演出記憶部に大当たり当選に関する情報があるか否かを判定する構成でもよい。 【0237】 この構成の場合、上記形態の大入賞口入賞コマンド受信処理(図40)を図48に示す処理に変更する。即ち図48に示すように、上記ステップS5304の処理と上記ステップS5305の処理との間にステップS6301の処理を加え、ステップS5306およびステップS5307の各処理を行わないものに変更する。 【0238】 図48に示すステップS6301では、演出制御用マイコン91は、超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値(本形態では「5」)かどうかを判定する。超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値でない場合には(S6301でNO)、上述したステップS5309の処理に進む。一方、超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値の場合には(S6301でYES)、上述したステップS5305の処理に進んで、特図保留演出記憶部に大当たり当選に関する情報があるか否か、つまり特図保留の中に当たり保留があるか否かを判定する。なおステップS5305の処理でYESの判定であれば、当選示唆演出を実行する(S5308)。即ちこの構成では、超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値のときに特図保留演出記憶部に大当たり当選に関する情報があれば、つまり特図保留の中に当たり保留があれば、当選示唆演出を必ず実行する。」 (ミ) 「【図48】 」 (ム) 「【0239】 よって、超過入賞カウント値(超過入賞の累積値)が超過入賞累積閾値となる超過入賞が発生したタイミングのみで当選示唆演出が実行され得るため、1回の大当たり遊技の実行中に当選示唆演出が複数回実行されるのを防止可能となっている。また1回の大当たり遊技にて超過入賞累積閾値まで超過入賞を発生させようと遊技者が目指すようになり、遊技者の遊技意欲を向上させることが可能となっている。」 イ 引用発明 上記アの記載事項によると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(a〜mは、本件補正発明のA〜Mに概ね対応させて付与した。)。 「a 遊技領域3に設けられた第1始動口20又は第2始動口21(【0029】、【0030】)と、 ROM83から主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する遊技制御用マイコン81(【0085】)と、 ROM93からサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する演出制御用マイコン91(【0153】)と、 1回のラウンド遊技における大入賞口への総入賞球数を加算方式(カウントアップ)にてカウントするカウンタである大入賞口入賞カウンタ(【0143】)と、 大入賞口の動作時間(開放時間や閉鎖時間)を計測するためのタイマである大入賞口動作タイマ(【0144】)と、 演出制御用マイコン91が1回のラウンド遊技における大入賞口30への総入賞球数をカウントするための賞球数カウンタ(【0165】)と、 演出制御用マイコン91が超過入賞の累積値をカウントすることで、1回の大当たり遊技中に生じた超過入賞をもれなく累積することが可能な超過入賞カウンタ(【0169】、【0184】)と、 を備え、 電源投入後の遊技状態は、「通常遊技状態」であり(【0079】)、 c 大当たり乱数カウンタ値を記憶可能な特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)(【0048】、【0096】)と、 f 大入賞口30、開閉部材32を備えた大入賞装置31と、を備え、 開閉部材32の作動により大入賞口30を開閉し、大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる(【0031】)パチンコ遊技機(【0020】)において、 b、d、e、g〜i 遊技制御用マイコン81は、主制御メイン処理のメイン側タイマ割り込み処理(S005)(【0085】、【0088】、【図13】、【図14】)において、 b 始動口センサ検出処理(S105)では、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、大当たり乱数カウンタ値を取得し、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部85bの記憶領域に格納する特図2関係乱数取得処理(S206)を実行し(【0064】、【0091】、【0094】〜【0096】、【図14】、【図15】)、 d、e 特別動作処理(S107)の特別図柄待機処理(S1002)では(【0091】、【0112】〜【0114】、【図14】、【図17】、【図18】)、 特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、 特図2大当たり判定処理(S1402)において(【0115】)、 判定値として、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出し(S1501)(【0118】、【図19】)、 非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「189」)又は高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「1899」)に基づいて大当たりか否かを判定し(S1504,S1505) (【0119】)、 大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、大当たりフラグをONにし(S1507) (【0120】)、 特別動作処理(S107)の特別図柄確定処理(S1004)では(【0091】、【0112】、【0113】、【0132】、【図14】、【図17】、【図23】)、 大当たりフラグがONであれば(S1803でYES)、 遊技者に所定の利益が付与される、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)を含む大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニング設定を行い(S1806)、 大当たりのオープニングコマンドをセットし(S1807)、 続いて、特別電役作動有効カウンタの値を当選した大当たりの種別に応じたラウンド数にセットし(S1808) (【0064】、【0065】、【0133】、【0134】)、 g〜i 特別動作処理(S107)の大当たり開始処理(S1005)では(【0091】、【0112】、【0113】、【図14】、【図17】、【図26】)、 大当たりのオープニングの時間が経過していれば(S2301でYES)、 これから実行する1R分の大入賞口30の動作設定を行う(例えば、特図1_確変図柄(16R確変大当たり)に当選しており、これから1ラウンド目を開始する場合には、大入賞口30を最大28秒にわたって1回開放させるための駆動データを設定する)大入賞口動作設定処理(S2302)を行い、 大入賞口ソレノイドの駆動データ出力処理(S109)を実行することで大入賞口30を開放させ(【0140】、【0141】)、 特別動作処理(S107)の大当たり開放処理(S1006) では(【0091】、【0112】、【0113】、【図14】、【図17】、【図28】)、 1回のラウンド遊技で大入賞口30への通過検知があれば、大入賞口入賞カウンタの値に「1」を加算する大入賞口センサ検出処理(S2501又はS2801)を実行し(【0143】、【0146】)、 その後、ラウンド遊技の実行中に、入賞数カウント手段による大入賞口入賞カウンタの値が所定の入賞閾値(「9」)以上の場合(S2502でYES)、又は、大入賞口30の動作時間(開放時間)を計測する大入賞口動作タイマの値が「0」の場合(S2503でNO)には、大入賞口30を閉鎖する閉鎖設定を行い(S2504)(【0145】)、 特別動作処理(S107)の大当たり閉鎖処理(S1007)では(【0091】、【0112】、【0113】、【0147】、【図14】、【図17】、【図30】)、 大入賞口30の球ハケ時間が経過し(S2802でYES)、まだ未実行のラウンド遊技が残っている場合(S2804でNO)、 これから実行する1R分の大入賞口30の動作設定を行う大入賞口動作設定処理(S2805)を行い、 大入賞口ソレノイドの駆動データ出力処理(S109)を実行することで大入賞口30を開放させ、 大入賞口30の球ハケ時間が経過し(S2802でYES)、実行中の大当たり遊技における全てのラウンド遊技が終わっている場合(S2804でYES)、大当たりのエンディング設定を行い(S2807)(【0141】、【0148】、【0149】)、 特別動作処理(S107)の大当たり終了処理(S1008)では(【0091】、【0112】、【0113】、【0150】、【図14】、【図17】、【図31】)、 エンディング時間が経過していれば(S3001でYES)、 大当たりフラグをOFFし(S3002)、 特別動作ステータスを「1」にセットし(S3003)、 これにより次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理として再び特別図柄待機処理(S1002)が実行されることになり(【0150】)、 j〜l 演出制御用マイコン91は、サブ制御メイン処理の10msタイマ割り込み処理(S4010)の受信コマンド解析処理(S4301)の大入賞口入賞コマンド受信処理(S4411)において(【0153】、【0156】、【0159】、【0162】、【0168】、【0237】、【図33】、【図36】、【図37】、【図48】)、 現在実行中のラウンド遊技にて入賞閾値を超える超過入賞(「オーバー入賞」)が発生したかどうかを、賞球数カウント値が入賞閾値(「9」)を超えているかどうかで判定する超過入賞演出実行処理(S5303)を実行し(【0182】、【0237】、【図48】)、 賞球数カウント値が入賞閾値(「9」)を超え、超過入賞が発生した場合(S5303でYES)、超過入賞カウント値に「1」を加算する処理を行い(S5304) (【0183】、【0237】)、 超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値(「5」)かどうかを判定し(S6301)、 超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値の場合(S6301でYES)に、特図保留演出記憶部85に記憶されている大当たり乱数カウンタ値の中に大当たり当選に関する情報があるかを判定し(S5305)、 特図保留演出記憶部85の中に大当たり当選に関する情報があれば、現在記憶している特図保留の中に当たり保留があることを示唆する当選示唆演出を実行し(S5308) (【0238】)、 超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値未満の場合には、超過入賞演出実行処理(S5309)に進み(【0198】、【0200】、【0238】)、 超過入賞カウント値が「1」の場合には、超過入賞演出として第1態様演出を設定し、第1態様演出を実行し(【0200】)、 超過入賞カウント値が「2」の場合には、超過入賞演出として第2態様演出を設定し、第2態様演出を実行し(【0201】)、 超過入賞カウント値が「3」の場合には、超過入賞演出として第3態様演出を設定し、第3態様演出を実行し(【0202】)、 超過入賞カウント値が「3」でない場合には、超過入賞カウント値が「4」であるため、第4態様演出を設定し、第4態様演出を実行する(【0203】)、 m パチンコ遊技機(【0020】)。」 (3)対比 本件補正発明と引用発明とを、分説に従い対比する。 ア 構成Aについて 引用発明の構成aの「遊技領域3」、「第1始動口20又は第2始動口21」は、それぞれ、本件補正発明の「遊技領域」、「始動入球手段」に相当する。 したがって、引用発明の構成aは、本件補正発明の構成Aに相当する。 イ 構成Bについて 引用発明の構成bの「第2始動口21に遊技球が入賞した場合」は、本件補正発明の「始動入球手段への入球に基づ」くことに相当する。 そして、引用発明の「大当たり乱数カウンタ値を取得」することは、本件補正発明の「特別情報を取得する」ことに相当する。 そうすると、引用発明の「第2始動口21に遊技球が入賞した場合には、大当たり乱数カウンタ値を取得」する「特図2関係乱数取得処理(S206)を実行」する構成b、d、e、g〜iの「遊技制御用マイコン81」は、本件補正発明の「始動入球手段への入球に基づいて特別情報を取得する情報取得手段」としての機能を有する。 したがって、引用発明の構成bは、本件補正発明の構成Bに相当する。 ウ 構成Cについて 上記イより、引用発明の構成cの「遊技制御用マイコン81」により「取得」される「大当たり乱数カウンタ値」は、本件補正発明の「情報取得手段により取得された特別情報」に相当する。 そして、引用発明の「特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)」は、本件補正発明の「取得情報記憶手段」に相当する。 したがって、引用発明の構成cの「大当たり乱数カウンタ値を記憶可能な特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)」は、本件補正発明の構成Cの「特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段」に相当する。 エ 構成Dについて 上記ウより、引用発明の構成cの「第2特図保留記憶部85b」、「大当たり乱数カウンタ値」は、それぞれ、本件補正発明の「取得情報記憶手段」、「特別情報」に相当することから、引用発明の構成d、eの「RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値」は、本件補正発明の「取得情報記憶手段に記憶されている特別情報」に相当する。 そして、引用発明の構成d、eの「大当たり判定値が「0」〜「189」」の「非高確率状態用のテーブル」や、「大当たり判定値が「0」〜「1899」」の「高確率状態用のテーブル」は、本件補正発明の「所定の移行情報」に相当する。 そうすると、引用発明の「大当たり乱数カウンタ値を読み出し、非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「189」)又は高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「1899」)に基づいて大当たりか否かを判定」する「大当たり判定処理を実行」する「遊技制御用マイコン81」は、本件補正発明の「取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の移行情報と対応しているか否かを判定する移行判定手段」としての機能を有する。 したがって、引用発明は、本件補正発明の構成Dに相当する構成を備える。 オ 構成Eについて 上記エより、引用発明の構成d、eの「大当たり判定の結果が「大当たり」であ」ることは、本件補正発明の「移行判定手段による判定の結果が所定の移行情報に対応しているとする移行対応結果となったこと」に相当する。 そして、引用発明の「通常遊技状態」(構成a)、「遊技者に所定の利益が付与される」「大当たり遊技」状態(構成d、e)は、それぞれ、本件補正発明の「所定遊技状態」、「所定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態」に相当する。 そうすると、引用発明の構成d、eの「大当たり遊技を開始するべく」「大当たりフラグをON」にする「遊技制御用マイコン81」は、本件補正発明の「所定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段」としての機能を有する。 したがって、引用発明は、本件補正発明の構成Eに相当する構成を備える。 カ 構成Fについて 引用発明の構成fの「遊技球が入球可能となる」「開閉部材32が開いている」状態、「開閉部材32が開いてい」ない状態は、それぞれ、本件補正発明の「遊技球が入球可能又は入球し易い第1状態」、「遊技球の入球が不可又は入球しにくい第2状態」に相当する。 そうすると、引用発明の「開閉部材32の作動により大入賞口30を開閉」する「大入賞装置31」は、本件補正発明の「第1状態及び」「第2状態に切替可能な可変入球手段」に相当する。 したがって、引用発明の構成fは、本件補正発明の構成Fに相当する。 キ 構成Gについて 上記オより、引用発明の「大当たり遊技」状態は、本件補正発明の「特別遊技状態」に相当する。 そして、引用発明の構成g〜iの「大入賞口30の球ハケ時間が経過し(S2802でYES)、まだ未実行のラウンド遊技が残っている場合」は、本件補正発明の「所定の切替条件が成立した場合」に相当する。 また、引用発明の「大入賞口30を最大28秒にわたって1回開放させる」ことは、本件補正発明の「可変入球手段を所定態様にて第2状態から第1状態に切り替え可能と」することに相当する。 さらに、引用発明の「ラウンド遊技」は、本件補正発明の「所定の遊技」に相当する。 そうすると、引用発明の「特別動作処理(S107)の大当たり開始処理(S1005)で」「これから実行する1R分の大入賞口30の動作設定を行」い「大入賞口30を開放させ」ることは、本件補正発明の「特別遊技状態の所定の遊技を開始させる」ことに相当する。 したがって、引用発明の「特別動作処理(S107)の大当たり開始処理(S1005)」を実行する「遊技制御用マイコン81」は、本件補正発明の「特別遊技状態の所定の遊技を開始させる手段」としての機能を有する。 よって、引用発明は、本件補正発明の構成Gに相当する構成を備える。 ク 構成Hについて 上記カより、引用発明の「大入賞口30」は、本件補正発明の「可変入球手段」に含まれ、上記キより、引用発明の「大当たり遊技」状態は、本件補正発明の「特別遊技状態」に相当する。 そして、引用発明の構成g〜iの「入賞数カウント手段による大入賞口入賞カウンタの値が所定の入賞閾値(「9」)以上の場合」、「大入賞口30の動作時間(開放時間)を計測する大入賞口動作タイマの値が「0」の場合」は、それぞれ、本件補正発明の「可変入球手段への入球数が所定数となったこと」、「所定期間が経過したこと」に相当する。 また、引用発明の構成g〜iの「大入賞口30を閉鎖」することは、本件補正発明の「可変入球手段を第1状態から第2状態に切り替え可能とする」ことに相当する。 そうすると、引用発明の構成g〜iの「特別動作処理(S107)の大当たり開放処理(S1006)」を実行する「遊技制御用マイコン81」は、本件補正発明の「可変入球手段を第1状態から第2状態に切り替え可能とする手段」としての機能を有する。 したがって、引用発明は、本件補正発明の構成Hに相当する構成を備える。 ケ 構成Iについて 上記クより、引用発明の「大当たり開放処理(S1006) で」「大入賞口30を閉塞」する場合は、本件補正発明の「可変入球手段を第1状態から第2状態に切り替え可能とする場合」に相当する。 そして、上記キより、引用発明の「ラウンド遊技」は、本件補正発明の「所定の遊技」に相当することから、引用発明の「大当たり閉鎖処理(S1007)で」「実行中の大当たり遊技における全てのラウンド遊技が終わっている場合、大当たりのエンディング設定を行」うことは、本件補正発明の「所定の遊技を終了させることが可能な」ことに相当する。 そうすると、引用発明の「特別動作処理(S107)の大当たり開放処理(S1006)」、及び「特別動作処理(S107)の大当たり閉鎖処理(S1007)」を実行する「遊技制御用マイコン81」は、本件補正発明の「可変入球手段を第1状態から第2状態に切り替え可能とする手段」としての機能を有する。 したがって、引用発明は、本件補正発明の構成Iに相当する構成を備える。 コ 構成Jについて 上記エより、引用発明の「特図保留記憶部85に記憶されている大当たり乱数カウンタ値」は、本件補正発明の「取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報」に相当する。 そして、引用発明において、構成j〜lの「大当たり当選に関する情報」は、構成d、eより「大当たり乱数カウンタ値」が「大当たり判定処理(特図2大当たり判定処理(S1402)」の判定対象になった場合に得られる、「大当たりか否か」の「大当たり判定の結果」に対応する情報である。 そうすると、引用発明の「大当たり当選に関する情報」は、本件補正発明の「取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が移行判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報」に相当する。 また、引用発明の「大当たり乱数カウンタ値の中に大当たり当選に関する情報があるか」否かの「判定」は、構成d、e、構成g〜iより、「大当たり終了」後の「特別図柄待機処理(S1002)」において、「再び」実行されることになる「大当たり判定処理」の判定対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されるものといえる。 そうすると、引用発明の「特図保留演出記憶部85に記憶されている大当たり乱数カウンタ値の中に大当たり当選に関する情報があるか」否かの「判定」を、「大当たり判定処理」の判定対象となるよりも先に実行する「演出制御用マイコン91」は、本件補正発明の「判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が(移行判定手段による)判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段」に相当する。 したがって、引用発明は、本件補正発明の構成Jに相当する構成を備える。 サ 構成Kについて 上記コより、引用発明の「特図保留演出記憶部85に記憶されている大当たり乱数カウンタ値の中に大当たり当選に関する情報があるか」否かの「判定」を実行する「演出制御用マイコン91」は、本件補正発明の「先特定手段」に相当する。 そして、引用発明の「特図保留演出記憶部85の中に大当たり当選に関する情報があ」るか否かに応じることは、本件補正発明の「特定の結果に対応する」ことに相当する。 また、引用発明の構成j〜lの「当選示唆演出」は、「現在記憶している特図保留の中に当たり保留があることを示唆する」ものであり、本件補正発明の「特定報知」に相当するから、引用発明の「当選示唆演出を実行」する「演出制御用マイコン91」は、本件補正発明の「先特定手段による特定の結果に対応する」「特定報知を実行可能な手段」としての機能を有する。 したがって、引用発明は、本件補正発明の構成Kに相当する構成を備える。 シ 構成Lについて 上記キより、引用発明の構成j〜lの「現在実行中のラウンド遊技」は、本件補正発明の「特別遊技状態にて実行される前記所定の遊技」に相当する。 そして、引用発明の「賞球数カウント値」、「入賞閾値(「9」)」は、それぞれ、本件補正発明の「可変入球手段への入球数」、「所定数」に相当する。 また、引用発明における「賞球数カウンタ」は、構成aより、「1回のラウンド遊技における大入賞口30への総入賞球数をカウントするための」カウンタである。 そうすると、引用発明の「賞球数カウント値が入賞閾値(「9」)を超え」て、「超過入賞カウント値」が「1」から「超過入賞累積閾値」(「5」)より一つ手前の「4」へと1ずつ増加することで取り得るそれぞれの状態は、いずれも、「超過入賞カウント値が入賞閾値(「9」)を超え」た状態であるから、本件補正発明の「可変入球手段への入球数が所定数より多い特定数となった場合」に相当する。 また、引用発明の構成j〜lの「超過入賞演出」は、「賞球数カウント値が入賞閾値(「9」)を超えている」場合に実行される演出であるから、本件補正発明の「所定の遊技における可変入球手段への入球数が所定数より多い特定数となった場合」に「実行」される「所定報知」に相当し、上記サより、引用発明の「当選示唆演出」は、本件補正発明の「特定報知」に相当する。 そして、引用発明の構成j〜lにおいて、「超過入賞カウント値」が「1」〜「4」のいずれかとなったときに、「超過入賞演出として第1態様演出」〜「第4態様演出」のうちの対応する演出が実行されるが、各「超過入賞演出」の実行時に「特図保留演出記憶部85に記憶されている大当たり乱数カウンタ値の中に大当たり当選に関する情報」が仮にあったとしても、「超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値」となるまでの間「大当たり当選に関する情報」に係る「当選示唆演出」は、実行条件が成立せずに実行されないものであり、「超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値(「5」)」となったときに「特図保留の中に当たり保留があれば」、初めて、「大当たり当選に関する情報」に係る「当選示唆演出」を実行するものである。 このように、引用発明における「超過入賞演出」の実行後に「当選示唆演出」を実行可能である「演出制御用マイコン91」は、本件補正発明の「所定報知の実行後、特定報知が実行されるようにすることが可能な手段」としての機能を有する。 したがって、引用発明は、本件補正発明の構成Lに相当する構成を備える。 ス 構成Mについて 引用発明の「パチンコ遊技機」は、本件補正発明の「遊技機」に相当する。 したがって、引用発明の構成mは、本件補正発明の構成Mに相当する構成を備える。 セ 小括 上記ア〜スによれば、本件補正発明と引用発明は、 「A 遊技領域に設けられた始動入球手段と、 B 前記始動入球手段への入球に基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、 C 前記情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段と、 D 前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の移行情報と対応しているか否かを判定する移行判定手段と、 E 前記移行判定手段による判定の結果が前記所定の移行情報に対応しているとする移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を所定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、 F 遊技球が入球可能又は入球し易い第1状態及び入球が不可又は入球しにくい第2状態に切替可能な可変入球手段と、 G 前記特別遊技状態において、所定の切替条件が成立した場合に前記可変入球手段を所定態様にて前記第2状態から前記第1状態に切り替え可能として前記特別遊技状態の所定の遊技を開始させる手段と、 H 前記特別遊技状態において、前記可変入球手段への入球数が所定数となったこと又は所定期間が経過したことの少なくともいずれか一方で前記可変入球手段を前記第1状態から前記第2状態に切り替え可能とする手段と、 I 前記可変入球手段を前記第2状態へ切り替える場合に前記所定の遊技を終了させることが可能な手段と、 J 前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記移行判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段と、 K 前記先特定手段による特定の結果に対応する特定報知を実行可能な手段と、 L 前記特別遊技状態にて実行される前記所定の遊技における前記可変入球手段への入球数が前記所定数より多い特定数となった場合の所定報知の実行後、前記特定報知が実行されるようにすることが可能な手段と、 M を備えている遊技機。」 の点で一致し、相違するところはない。 よって、本件補正発明は、引用文献1に記載された発明である。 (4)請求人の主張について 請求人は、令和5年8月21日付けの審判請求書において、次の点について主張をする。 「【本願発明が特許されるべき理由】 ・・・ (2)補正について 特許請求の範囲において、「前記特別遊技状態にて実行される前記所定の遊技における前記可変入球手段への入球数が前記所定数より多い特定数となった場合に、当該特定数の入球が生じたタイミングよりも後のタイミングで前記特定報知が実行されるようにすることが可能な手段と、」との構成を、「前記特別遊技状態にて実行される前記所定の遊技における前記可変入球手段への入球数が前記所定数より多い特定数となった場合の所定報知の実行後、前記特定報知が実行されるようにすることが可能な手段と、」とした補正は、出願当初明細書における段落0437欄〜段落0463欄(第3の実施の形態)等を根拠とする。 すなわち、かかる箇所には、オーバー入賞が発生した場合(可変入球手段への入球数が所定数より多い特定数となった場合)に、表示ユニット350Yによる演出(所定報知)の後で、保留情報に基づく特別演出(特定報知)が実行される構成が開示されており、上記補正の根拠が明示されている。 明細書の補正は、上記特許請求の範囲の補正との整合を取るためのものに過ぎない。 よって、上記各補正は何ら新規事項を追加するものではない。また、特許請求の範囲についてした補正は、所謂限定的減縮に相当し、審判請求時の補正の規定に沿うものである。 (3)拒絶査定に対する意見 上記(2)のように補正した結果、本願発明は、オーバー入賞が生じた後、特定報知が実行されるまでに、所定報知が実行されるため、当該特定数となったことを所定報知により遊技者が把握した後で、特定報知により先読みの結果(所謂先読み演出としての特定報知)を確認することが可能な構成となった。これにより、オーバー入賞を生じさせることに気を取られ過ぎて特定報知を見逃してしまう不都合を解消することができるし、特定報知が実行されるまでのオーバー入賞数を所定報知によって明確に把握させ、あとどれくらいで特定報知が実行されるかを確認しながらオーバー入賞を発生させる、といった遊技をも実現可能となる。 これに対して引用文献1では、処理の順番的に超過入賞があったことの判定後(S5303)に当選示唆演出の設定処理(S5308)が行われる構成であり、審査において指摘されているように、『当選示唆演出が設定されるのは、ラウンド遊技中に超過入賞があったと判定された後である。してみれば、当選示唆演出の実行タイミングが、実際に超過入賞が生じたタイミングよりも後となることは自明である。』とも考えられるものの、実質的にその処理タイミングはほぼ同じであり、遊技者がその処理タイミングの差を把握できるようなものではない。つまり、引用文献1においては、オーバー入賞が発生したら、即、当選示唆演出を実行することを前提としており、オーバー入賞よりも後で当選示唆演出を行うような発想は皆無である。ましてや、オーバー入賞と当選示唆演出との間に別の演出を行うようにすることの発想は皆無であるし、そのようにすることの動機付けとなるような記載もない。そうすると、たとえ当業者であっても引用文献1に記載された発明に基づいて本願発明のようにするとは到底考えられない。 よって、本願発明は、特許法第29条第1項及び第2項の規定に違反するものではない。」 そこで、請求人の上記主張について検討する。 上記請求人の主張は、審査官が拒絶の理由で引用文献1について摘記した(【0182】〜【0193】、【図40】)に係る実施例と、(【0236】〜【0238】、【図48】)に係る実施例のうち、前者に係る実施例についての反論である。 しかしながら、上記(3)シにおいて検討したように、審査官が拒絶の理由で指摘した、引用文献1の(【0236】〜【0238】、【図48】)に係る実施例には、引用発明として認定した「演出制御用マイコン91」が、「超過入賞演出」の実行後に「当選示唆演出」を実行可能であることが記載及び図示されていることから、引用発明が、本件補正発明の構成Lに相当する構成を備えることは明らかである。 したがって、請求人の上記主張を採用することはできない。 (5)小括 上記(3)、(4)において検討したように、本件補正発明は、引用発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 5 まとめ 上記4において検討したことからみて、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記[補正の却下の決定の結論]のとおり、決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和5年4月17日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、上記「第2」の「1」に記載したとおりのものであるところ、分説して再掲すると、次のとおりである。 「【請求項1】 A 遊技領域に設けられた始動入球手段と、 B 前記始動入球手段への入球に基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、 C 前記情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段と、 D 前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の移行情報と対応しているか否かを判定する移行判定手段と、 E 前記移行判定手段による判定の結果が前記所定の移行情報に対応しているとする移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を所定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、 F 遊技球が入球可能又は入球し易い第1状態及び入球が不可又は入球しにくい第2状態に切替可能な可変入球手段と、 G 前記特別遊技状態において、所定の切替条件が成立した場合に前記可変入球手段を所定態様にて前記第2状態から前記第1状態に切り替え可能として前記特別遊技状態の所定の遊技を開始させる手段と、 H 前記特別遊技状態において、前記可変入球手段への入球数が所定数となったこと又は所定期間が経過したことの少なくともいずれか一方で前記可変入球手段を前記第1状態から前記第2状態に切り替え可能とする手段と、 I 前記可変入球手段を前記第2状態へ切り替える場合に前記所定の遊技を終了させることが可能な手段と、 J 前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記移行判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段と、 K 前記先特定手段による特定の結果に対応する特定報知を実行可能な手段と、 L´前記特別遊技状態にて実行される前記所定の遊技における前記可変入球手段への入球数が前記所定数より多い特定数となった場合に、当該特定数の入球が生じたタイミングよりも後のタイミングで前記特定報知が実行されるようにすることが可能な手段と、 M を備えていることを特徴とする遊技機。」 2 原査定における拒絶の理由 原査定の拒絶の理由の概要は、次のとおりである。 「1.(新規性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 2.(進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> 1.特開2017−185014号公報」というものである。 3 引用文献1の記載及び引用発明 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1である特開2017−185014号公報の記載事項及び引用発明の認定については、前記「第2[理由] 4(2)引用文献1の記載及び引用発明」に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記「第2[理由]」で検討した本件補正発明において、発明を特定するために必要な事項である「特別遊技状態にて実行される所定の遊技における記可変入球手段への入球数が所定数より多い特定数となった場合」の「特定報知」の実行タイミングに関して、「所定報知の実行後、」(構成L)とあったものを「特定数の入球が生じたタイミングよりも後のタイミングで」とその限定を省くものである。 そうすると、前記「第2[理由] 4(3)対比」における検討内容からみて、本願発明は、引用発明に一致するものであって、相違する点はない。 したがって、本願発明は、引用文献1に記載された発明である。 5 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 したがって、本願は、他の理由について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり、審決する。 |
別掲 |
(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 |
審理終結日 | 2024-02-14 |
結審通知日 | 2024-02-20 |
審決日 | 2024-03-04 |
出願番号 | P2019-033273 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(A63F)
P 1 8・ 113- Z (A63F) |
最終処分 | 02 不成立 |
特許庁審判長 |
渋谷 知子 |
特許庁審判官 |
長井 真一 長崎 洋一 |
発明の名称 | 遊技機 |
代理人 | 山田 強 |