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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G11B |
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管理番号 | 1052631 |
審判番号 | 不服2001-5005 |
総通号数 | 27 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1993-12-10 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-04-02 |
確定日 | 2002-02-08 |
事件の表示 | 平成 4年特許願第154400号「ビデオテープレコーダ」拒絶査定に対する審判事件〔平成 5年12月10日出願公開、特開平 5-325322、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
1 手続の経緯、本願発明 本願は、平成4年5月20日の出願であって、その請求項1及び2に係る発明は、原審及び当審において補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される次のとおりのものと認める。 「【請求項1】 映像信号を所定の信号処理単位でデイジタル信号処理して記録信号を生成し、上記信号処理単位分の記録信号を複数のブロツクに分割し、当該分割した各ブロツクの記録信号を複数の記録トラツクに割り当てながらそれぞれ異なるタイミングで順次記録することにより、磁気テープ上に順次斜めに形成した記録トラツクに上記映像信号をセグメント記録するビデオテープレコーダにおいて、 上記映像信号を記録する際に、上記信号処理単位で切り換わる識別データを付して上記映像信号を上記記録トラツクに記録し、 上記映像信号の記録開始時、再生モードに切り換わり、上記記録トラツクから再生される上記識別データに基づいて、上記信号処理単位の切れ目を検出し、上記信号処理単位の切れ目で上記再生モードから記録モードに切り換わる ことを特徴とするビデオテープレコーダ。」(以下、「本願発明1」という。) 「【請求項2】 記録モードに応じて異なる所定の信号処理単位で、映像信号をデイジタル信号処理して記録信号を生成し、上記信号処理単位分の記録信号を複数のブロツクに分割し、当該分割した各ブロツクの記録信号を複数の記録トラツクに割り当てながらそれぞれ異なるタイミングで順次記録することにより、磁気テープ上に順次斜めに形成した記録トラツクに上記映像信号をセグメント記録するビデオテープレコーダにおいて、 上記映像信号を記録する際に、上記信号処理単位で切り換わる第1の識別データと、上記記録モードを識別する第2の識別データを付して上記映像信号を上記記録トラツクに記録し、 上記映像信号の記録開始時、再生モードに切り換わり、上記記録トラツクから再生される上記第1及び第2の識別データに基づいて、上記信号処理単位の切れ目を検出し、上記信号処理単位の切れ目で上記再生モードから記録モードに切り換わる ことを特徴とするビデオテープレコーダ。」(以下、「本願発明2」という。) 2 引用刊行物に記載された発明 原査定の拒絶の理由に引用された特公平3-5712号公報(以下、「引用刊行物1」という。)、及び特開平3-107285号公報(以下、「引用刊行物2」という。)には、それぞれ次の発明が記載されている。 (1) 引用刊行物1 上記引用刊行物1には、次の発明が記載されている。 「ビデオ信号を2フレーム毎の信号処理単位で各フレームをA相とB相の2相に分割してそれぞれ2相のビデオ信号を生成し、当該分割した各相のビデ信号を複数の記録トラツクに割り当てながらそれぞれ異なるタイミングで順次記録することにより、磁気テープ(2)上に順次斜めに形成した記録トラツクに上記ビデオ信号をセグメント記録するビデオ信号の記録装置において、 上記ビデオ信号を記録する際に、上記2フレーム毎の信号処理単位の第1フレームを示すパルス信号(FP)をコントロール信号(CTL)に重畳して、上記磁気テープの長手方向に延長するコントロールトラックに記録し、 編集時には、再生モードに切り換わり、上記コントロールトラックから再生されるパルス信号(FP)に基づいて、上記信号処理単位の切れ目を検出し上記信号処理単位の切れ目で上記再生モードから記録モードに切り換わるビデオ信号の記録装置。」(以下、「引用刊行物1記載の発明」という。) (2) 引用刊行物2 上記引用刊行物2には、次の発明が記載されている。 「高品位テレビジョン信号や標準テレビジョン信号等の映像信号を磁気テープ上に斜めに形成した記録トラックに記録する磁気記録再生装置において、 (i) 上記映像信号をディジタル信号に変換して記録してもよいこと。 (ii) 上記映像信号の1フィールドを数セグメントに分割して記録するアナログ方式、ディジタル方式のセグメント記録方式としてもよいこと。 (iii) 上記映像信号の種別判別用のID情報を上記記録トラックに記録しておいてもよいこと。」(以下、「引用刊行物2記載の発明」という。) 3 対比・判断 本願発明1と引用刊行物1及び2記載の各発明とを比較すると、引用刊行物1及び2記載の各発明は、本願発明1の構成に欠くことができない事項の一部である以下の点を備えていない。 「映像信号を記録する際に、信号処理単位で切り換わる識別データを付して映像信号を記録トラツクに記録し、上記映像信号の記録開始時、上記記録トラツクから再生される上記識別データに基づいて、上記信号処理単位の切れ目を検出し、上記信号処理単位の切れ目で再生モードから記録モードに切り換わる」点。 また、本願発明2と引用刊行物1及び2記載の各発明とを比較すると、引用刊行物1及び2記載の各発明は、本願発明2の構成に欠くことができない事項の一部である以下の点を備えていない。 「映像信号を記録する際に、信号処理単位で切り換わる第1の識別データと、記録モードを識別する第2の識別データを付して上記映像信号を記録トラツクに記録し、上記映像信号の記録開始時、上記記録トラツクから再生される上記第1及び第2の識別データに基づいて、上記信号処理単位の切れ目を検出し、上記信号処理単位の切れ目で再生モードから記録モードに切り換わる」点。 そして、本願発明1及び2は、上記それぞれの点を備えることにより、「確実に信号処理単位の切れ目で動作モードを切り換え得、これによりスムーズにつなぎ撮り録画することができるビデオテープレコーダを得ることができる。」という明細書に記載された効果を奏するものである。 してみれば、本願発明1及び2は、上記引用刊行物1及び2記載の発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることができない。また、原査定の拒絶の理由で述べているように、映像信号を記録する記録トラックに識別データを記録することが、特開平4-86173号公報(「特開平4-861723号公報」は誤記と認められる)に記載されているように従来から周知の技術手段であるとしても、上記の「容易に発明をすることができたものではない」との判断に影響を及ぼすものではない。 4 むすび したがって、本願は、原査定の拒絶の理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2002-01-28 |
出願番号 | 特願平4-154400 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(G11B)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 西山 昇 |
特許庁審判長 |
内藤 二郎 |
特許庁審判官 |
犬 飼 宏 田良島 潔 |
発明の名称 | ビデオテープレコーダ |
代理人 | 田辺 恵基 |