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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04N
管理番号 1066876
審判番号 不服2001-12839  
総通号数 36 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2000-11-02 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-07-23 
確定日 2002-11-15 
事件の表示 特願2000- 72490「受信装置及び受信方法並びに放送システム」拒絶査定に対する審判事件〔平成12年11月 2日出願公開、特開2000-307967、請求項の数(20)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
出願日 平成12年3月10日(分割出願)
国内優先日 平成9年8月21日(特願平9-224745号)
原出願日 平成10年8月21日(特願平11-514167号)
審査請求 平成12年3月10日
早期審査請求 平成12年3月10日
拒絶理由 平成12年10月27日付
意見・補正 平成12年12月27日
拒絶査定 平成13年6月14日付
審判請求 平成13年7月23日
補正書 平成13年8月22日
理由補充 平成13年10月22日
前置報告書 平成14年3月7日

第2 本願発明
本願発明は、補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲(請求項の数20)に記載された「受信装置及び受信方法並びに放送システム」に係るものであり、特に独立項である請求項1,10,16に記載の発明は、次に掲げるとおりのものである。

【請求項1】
広告情報と電子番組ガイド情報とを含む放送信号を受信する受信装置において、
受信した放送信号から上記電子番組ガイド情報を分離する分離手段と、
分離した電子番組ガイド情報に基づいて、一部の表示領域に広告情報が表示されると共に、複数の番組に対応する番組欄を有する電子番組ガイド画面を表示するように表示処理を行う処理手段
を具え、
上記処理手段は、上記表示された電子番組ガイド画面上の1つの番組欄にカーソルが移動されると、当該カーソルが移動した1つの番組に対応した複数の広告情報を、上記電子番組ガイド画面の上記一部の表示領域に順次に表示するように表示処理を行う
ことを特徴とする受信装置

【請求項10】
広告情報と電子番組ガイド情報とを含む放送信号を受信し、
受信した放送信号から上記電子番組ガイド情報を分離し、
分離した電子番組ガイド情報に基づいて、一部の表示領域に広告情報が表示され、複数の番組に対応する番組欄を有する電子番組ガイド画面を表示すると共に、上記表示された電子番組ガイド画面上の1つの番組欄にカーソルが移動されると、当該カーソルが移動した1つの番組に対応した複数の広告情報を、上記電子番組ガイド画面の上記一部の表示領域に順次に表示する
ことを特徴とする受信方法

【請求項16】
広告情報と電子番組ガイド情報とを含む放送信号を送信する送信装置と、
上記放送信号を受信し、
受信した放送信号から電子番組ガイド情報を分離し、
分離した電子番組ガイド情報に基づいて、一部の表示領域に広告情報が表示され、複数の番組に対応する番組欄を有する電子番組ガイド画面を表示すると共に、上記表示された電子番組ガイド画面上の1つの番組欄にカーソルが移動されると、当該カーソルが移動した1つの番組に対応した複数の広告情報を、上記電子番組ガイド画面の一部の表示領域に順次に表示するように表示処理を行う複数の受信装置と
からなることを特徴とする放送システム

第3 拒絶理由・拒絶査定の要旨
拒絶理由には、次に掲げる刊行物1ないし3が引用され、拒絶査定には、次に掲げる刊行物4,5が引用されている。
刊行物1:国際公開第97/13368号パンフレット(特表平10-512420号公報)
刊行物2:特開平8-111823号公報
刊行物3:特開平7-288759号公報
刊行物4:特表平6-504165号公報
刊行物5:国際公開第96/7270号パンフレット
拒絶査定の備考には、刊行物1の広告情報を刊行物2のものに適用することは容易である旨記載されて、刊行物4,5は刊行物2と同様なものとして引用されている。

第4 請求人の主張の要旨
請求人は、理由補充において、刊行物1ないし3には、本願発明、特に独立項である請求項1,10,16に記載の発明における「表示された電子番組ガイド画面上の1つの番組欄にカーソルが移動されると、当該カーソルが移動した1つの番組に対応した複数の広告情報を、電子番組ガイド画面の一部の表示領域に順次に表示する」こと(以下「本願発明の主要な事項」という。)についての記載がない。
また、刊行物4,5にも本願発明の主要な事項について、記載ないしは示唆する記載がない。

第5 前置報告書の要旨
複数の広告情報を順次表示することは、次に掲げる刊行物6,7に記載されている。
刊行物6:特開平8-18521号公報
刊行物7:特開平8-234709号公報

第6 当審での判断
請求人が主張するように刊行物1、特に図12A及びその説明には、本願発明の主要な事項との関連においいて「電子番組ガイドの番組欄が画面に表示され、画面の一部の表示領域に、スクロールする複数の広告情報を表示する」ことは記載されていが、「番組欄にカーソルが移動されると、当該カーソルが移動した1つの番組に対応した複数の広告情報を画面の一部の表示領域に順次に表示する」ことは記載されていない。
また、刊行物2、特に図19及びその説明には、「表示された電子番組ガイド画面上の1つの番組欄にカーソルが移動されると、当該カーソルが移動した1つの番組に対応した放送局のロゴ、番組の内容を、電子番組ガイド画面の一部の表示領域に表示する」ことは記載されているが、「番組欄にカーソルが移動されると、当該カーソルが移動した1つの番組に対応した複数の広告情報を画面の一部の表示領域に順次に表示する」ことは記載されていない。
要するに、刊行物1には「電子番組ガイドに対応した広告情報を表示する」ことは記載されていても、本願発明のように「番組に対応した広告情報を表示する」ことは記載されていないし、示唆する記載もない。また、刊行物2には「番組に対応した放送局のロゴ及び番組の内容を表示する」ことは記載されていても、本願発明のように「番組に対応した広告情報を表示する」ことは記載されていないし、示唆する記載もない。
拒絶査定では、刊行物2は「番組に対応した情報(放送局のロゴ及び番組の内容)を表示する」から、この「情報(放送局のロゴ及び番組の内容)」として、刊行物1の「広告情報」とすることは、容易であるとしている。
しかし、上記検討したように、刊行物1の「広告情報」は「電子番組ガイド」に対応したものであり、刊行物2の「情報(放送局のロゴ及び番組の内容)」は「番組」に直接関係する「情報」であって、「番組」に直接関係しない「情報」であるところの「広告情報」は含まれていない。
したがって、「広告情報」が含まれていない刊行物2のものに、刊行物1の「広告情報」を適用した場合には、「広告情報」は「番組」に直接関係しないから、刊行物2の「電子番組ガイド」に対応した「広告情報」を表示することになり、本願発明のように「番組に対応した(番組には直接関係しない)広告情報を表示する」ことにはならない。
なお、刊行物3ないし5には、請求人が主張するように、本願発明の主要な事項が記載されていないし、示唆する記載もない。
前置報告書で挙げられている刊行物6,7には「複数の広告情報を順次表示すること」は記載されているといえるが、上記検討したように、本願発明の主要な事項が記載されていないし、示唆する記載もない。

第7 むすび
以上、本願発明(請求項1ないし20に記載の発明)は、刊行物1ないし7に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2002-10-31 
出願番号 特願2000-72490(P2000-72490)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 西谷 憲人  
特許庁審判長 谷川 洋
特許庁審判官 小林 秀美
小松 正
発明の名称 受信装置及び受信方法並びに放送システム  
代理人 田辺 恵基  

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