• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する G10H
管理番号 1073932
審判番号 訂正2002-39242  
総通号数 41 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1982-04-01 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2002-11-14 
確定日 2003-02-03 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第1772142号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第1772142号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 1 手続の経緯
出 願 昭和55年9月19日
(特願昭55-130139号)
手続補正書提出 昭和57年5月28日
出願公告 平成1年2月15日
(特公平1-8833号)
手続補正書提出 平成1年12月29日
特許異議の決定 平成2年4月12日
拒絶査定 平成2年4月12日
拒絶査定不服審判請求 平成2年8月2日
(審判平2-13768号)
審決(原拒絶査定取消) 平成5年2月18日
登 録 平成5年7月14日
無効審判請求 平成9年4月7日
(審判平9-5421号)
審決(無効審判請求不成立)平成10年3月30日
本件訂正審判請求 平成14年11月14日

2 訂正の内容
請求された訂正の内容は、審判請求書及び訂正明細書の記載からみて、特許請求の範囲を次のとおり訂正するものである。なお、下線部が訂正箇所である。

「時間情報と音高情報とを含む一連の音符情報を記憶するとともに、楽音発生態様制御情報を変更箇所において識別データとともに記憶する楽譜データメモリと、
この楽譜データメモリから前記音符情報および前記楽音発生態様制御情報を前記識別データとともに順次読み出し、前記識別データから前記時間情報が読み出されたことを検出したとき該読み出しを中断し、該時間情報が示す時間が経過したことを検出したとき該読み出しを再開する楽譜データ読み出し回路と、
前記楽音発生態様制御情報を前記識別データに基づきそれぞれラッチするラッチ回路と、
該ラッチ回路の内容と前記音符情報に基づき楽音を形成する楽音形成回路と
を具え、自動演奏中前記楽音発生態様制御情報に基づき楽音発生態様を変更制御するようにした自動演奏装置。」

3 当審の判断
訂正の内容は、特許請求の範囲において、
(1)「前記楽音制御態様情報」を、「前記楽音発生態様制御情報」と訂正し、
(2)「楽譜データ読み出し手段」を、「楽譜データ読み出し回路」と訂正し、
(3)「ラッチ手段」を、「ラッチ回路」と訂正し、
(4)「楽音形成手段」を、「楽音形成回路」
と訂正するものである。

上記(1)の訂正は、訂正前の記載では「前記楽音制御態様情報」の語に先行する「楽音制御態様情報」という語が存在しておらず、該当する先行語は「楽音発生態様制御情報」であること、また、特許請求の範囲における該当する「情報」を示す他の用語がすべて「楽音発生態様制御情報」であること、及び、出願当初明細書の特許請求の範囲における用語が「楽音発生態様制御情報」であること、などから、「前記楽音制御態様情報」は「前記楽音発生態様制御情報」の誤記であることが認められる。
したがって、上記(1)の訂正は「誤記の訂正」を目的とするものであり、特許法第126条第1項の規定を満たしている。

上記(2)ないし(4)の訂正は、いずれも訂正前の記載では「……手段」となっていたところを、「……回路」とするものである。明細書及び図面の記載を参酌すれば、特許請求の範囲における「楽譜データ読み出し手段」も、「ラッチ手段」も、「楽音形成手段」も、電気的又は電子的な手段からなっていることが明らかであるところ、「……手段」という上位概念の表現を、下位概念である電気的又は電子的な回路からなっているものであることを明りょうにするために、訂正するものである。
したがって、上記(2)ないし(4)の訂正は「明りょうでない記載の釈明」を目的とするものであり、特許法第126条第1項の規定を満たしている。

さらに、上記(1)ないし(4)の訂正は、いずれも、願書に添付した明細書及び図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではないから、特許法第126条第2項の規定を満たしている。

4 むすび
したがって、本件訂正審判請求は、特許法第126条第1項ただし書き第2号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第2項の規定に適合する。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
自動演奏装置
(57)【特許請求の範囲】
(1) 時間情報と音高情報とを含む一連の音符情報を記憶するとともに、楽音発生態様制御情報を変更箇所において識別データとともに記憶する楽譜データメモリと、
この楽譜データメモリから前記音符情報および前記楽音発生態様制御情報を前記識別データとともに順次読み出し、前記識別データから前記時間情報が読み出されたことを検出したとき該読み出しを中断し、該時間情報が示す時間が経過したことを検出したとき該読み出しを再開する楽譜データ読み出し回路と、
前記楽音発生態様制御情報を前記識別データに基づきそれぞれラッチするラッチ回路と、
該ラッチ回路の内容と前記音符情報に基づき楽音を形成する楽音形成回路と
を具え、自動演奏中前記楽音発生態様制御情報に基づき楽音発生態様を変更制御するようにした自動演奏装置。
【発明の詳細な説明】
この発明は、記録された所定データの読み出しに基づき自動演奏を実行する自動演奏装置に関する。
従来、磁気テープ等に記録された楽音データを順次読み出し、この楽音データに基づき自動演奏を実行する自動演奏装置は周知である。しかし、かかる自動演奏装置は、音色、効果、テンポ等の楽音発生態様を最初に設定すると、この楽音発生態様がそのまま継持されて最後まで自動演奏が続けられる。このように楽音発生態様が固定されていると、自動演奏はつまらないものになるばかりか、演奏曲によっては不自然に感じられることすらある。
この発明は、自動演奏中において、楽音の発生態様を適宜変更制御することができるようにした自動演奏装置を提供することを目的とする。
この発明によれば、一連の音符情報のほかに楽音発生態様制御情報を楽音発生態様変更箇所毎に楽譜データメモリに記憶させ、楽音発生態様変更箇所毎にこの楽音発生態様制御情報を読み出してラッチし、そのラッチ内容に基づき楽音発生態様を変更制御するようにしている。
以下、この発明に係わる自動演奏装置を添付図面を参照して詳細に説明する。
第1図は、この発明に係わる自動演奏装置の一実施例を示すものである。楽符10には磁気テープ10aによって楽符データが記憶されており、この楽符データは読取装置11によって読み取られ、データメモリ12に加えられる。データメモリ12には、所定のデータフォーマットでこの楽符データに対応するデータフォーマットが記憶され、このデータフォーマットの1例を示すと第2図のようになる。すなわち、データメモリ12に記憶されるデータフォーマットは複数群のデータ群から構成され、各群は少なくとも上鍵盤鍵情報(UK,KC)および上鍵盤符長情報(UK,TL)を含み、必要に応じて上鍵盤音色効果情報(UK,TC,EF)根音およびコード種類情報(LKC,CN)コードベース音色情報(C,B,TC)およびオート機能情報(AF)を含む。ここで上鍵盤情報(UK,KC)は発音すべき上鍵盤音の音高を示す情報、上鍵盤符長情報(UK,TL)は発音すべき上鍵盤音の符長を示す情報(数値情報)、上鍵盤音色効果情報(UK,TC,EF)は上鍵盤音の音色および効果をそれぞれ指定する情報、根音およびコード種類情報(LK,CN)はベースコード演奏における根音およびコード種類をそれぞれ指定する情報、コードベース音色情報(C,B,TC)はコード音およびベース音の音色をそれぞれ指定する情報、オート機能情報(AF)は自動演奏のパターン種類およびテンポをそれぞれ指定する情報である。また各群の情報は順次発音すべき音に関する情報を示すもので、各群の先頭には上鍵盤鍵情報(UK,KC)最後には上鍵盤符長情報(UK,TL)が記憶され、他の情報は上記上鍵盤鍵情報(UK,KC)と上鍵盤符長情報(UK,TL)の間に適宜挿入記憶される。すなわち上鍵盤音色効果情報(UK,TC,EF)、根音およびコード種類情報(LKC,CN)、コードベース音色情報(C,B,TC)、オート機能情報(AF)は全ての群に記憶されるのではなく、各情報の示す指定の変更箇所においてのみ挿入記憶される。例えば上鍵盤音色効果情報(UK,TC,EF)に関してのみみれば、上鍵盤音の音色および効果を最初に指定するために第1群に挿入され、続いて上鍵盤音の音色および効果の変更を必要とする適宜箇所に挿入される。したがって各群において情報(UK,TC,EF)(LKC,CN)(C,B,TC)(AF)は必ずしも挿入されない。
データフォーマットにおいて上記各情報は識別コードDCが付されて記憶される。各情報と識別コードDCとの関係を表に示すと第1表のようになる。

なお、情報FINISHはデータの終りを示すもので、識別コードDCも含めて全ビット“1”にすることによって表わされる。
データメモリ12に記憶された各情報はアドレスカウンタ13によって各群毎に読み出される。アドレスカウンタ13による読み出し動作の開始はスタートモード切換スイッチ14の切換え状態に応じてスタートスイッチ15または上鍵盤での押鍵に基づき開始される。電源が投入されるとイニシャルクリア信号ICが生じ、この信号ICはオア回路OR1を介してRSフリップフロップFF1のリセット端子Rに加えられ、フリップフロップFF1はリセットされる。フリップフロップFF1の反転出力Qはデータメモリ12のデイスイネイブル端子D1Sおよびアドレスカウンタ13のリセット端子Rに加えられる。したがってデータメモリ12は不動作、アドレスカウンタ13はリセット状態になっている。
まず、スタートモード切換スイッチ14が図示のように切り換えられ、通常スタートモードが選択されている場合について説明する。スタートモード切換スイッチ14が図示のように切り換えられていると、スイッチ14の出力は“1”でありスイッチ14の出力がインバータIN1で反転して加えられるアンド回路A1は不動作、スイッチ14の出力がそのまま加えられるアンド回路A2は動作可能になっている。この状態でスタートスイッチ15をオンにすると、スタートスイッチ15からは信号“1”が出力され、この信号“1”は微分回路16で立上り微分がとられ、アンド回路A2、オア回路OR2を介してスタート信号SSとして出力される。このスタート信号SSはRSフリップフロップFF1のセット端子Sに加えられるとともにオア回路OR3を介してRSフリップフロップFF2のセット端子Sに加えられる。これによりRSフリップフロップFF1はセットされ、その反転出力Qは“0”となるのでデータメモリ12が動作可能になるとともに、アドレスカウンタ13のリセットが解除される。
同時にRSフリップフロップFF2がセットされ、そのセット出力Qはアンド回路A3に加えられ、アンド回路A3を動作可能にする。これによりクロックパルスφはこのアンド回路A3を介してアドレスカウンタ13のクロック入力に加えられ、アドレスカウンタ13はデータメモリ12の読み出し動作を開始する。
次に、スタートモード切換スイッチ14が図示と反対側に切り換えられ、シンクロスタートモードが選択されている場合について説明する。この場合はスタートスイッチ15に関係なく、上鍵盤での押鍵に同期してアドレスカウンタ13の読み出し動作が開始される。スタートモード切換スイッチ14が図示と反対側に切り換えられていると、スイッチ14の出力は“0”で、アンド回路A2は不動作、アンド回路A1は動作可能になっている。この状態で上鍵盤のいずれかの鍵を押下すると上鍵盤キースイッチ回路17からキーオン信号KONが生じ、この信号は微分回路18で立上り微分がとられ、RSフリップフロップFF3のリセット端子Rに加えられるとともにアンド回路A4に加えられる。アンド回路A4は他の入力にRSフリップフロップFF3の出力がD型フリップフロップDF1を介して加えられている。ところでRSフリップフロップFF3はそのセット端子Sに電源投入時に“1”となるイニシャルクリア信号ICがオア回路OR4を介して加えられており、このイニシャルクリア信号によってセット状態にあったので、この状態でアンド回路A4は動作可能となっており、微分回路18の出力をこのアンド回路A4、アンド回路A1、オア回路OR2を介してスタート信号SSとして出力する。なお、微分回路18から最初の押鍵に基づく微分パルスが生じるとフリップフロップFF3はリセットされてしまうので、アンド回路A4は不動作となり、以後の押鍵によってはスタート信号SSは生じない。
スタート信号SSはオア回路OR3を介してフリップフロップFF2のセット端子Sに加えられ、フリップフロップFF2をセットし、これによってアンド回路A3を動作可能にし、アドレスカウンタ13の動作を開始させる。なおこの動作は前述した通常スタートモードの場合と同様である。
アドレスカウンタ12が動作を開始すると、データメモリ12からまず第1群の情報、すなわち上鍵盤鍵情報(UK,KC)上鍵盤音色効果情報(UK,TC,EF)根音およびコード種類情報(LKC,CN)コードベース音色情報(C,B,TC)オート機能情報(AF)上鍵盤符長情報(UK,TL)が順次読み出される。そしてこれらの情報は識別コード検出部19〜24およびラッチ回路25〜30に供給され、検出部19〜23の検出出力によってラッチ回路25〜29に、検出部24の出力を立上り微分する微分回路31の微分出力によってラッチ回路30にそれぞれラッチされる。すなわち上鍵盤情報(UK,KC)はラッチ回路25にラッチされ、上鍵盤音色効果情報(UK,TC,EF)はラッチ回路26にラッチされ、根音およびコード種類情報(LKC,CN)はラッチ回路27にラッチされ、コードベース音色情報(C,B,TC)はラッチ回路28にラッチされ、オート機能情報(AF)はラッチ回路29にラッチされ、最後に読み出される上鍵盤符長情報(UK,TL)はラッチ回路30にラッチされる。
データメモリ12から上鍵盤符長情報(UK,TL)が読み出されると、上鍵盤符長情報(UK,TL)に対応する識別コード“110”が前述のように識別コード検出部24によって検出され、その検出出力が微分回路31およびオア回路OR5を介してフリップフロップFF2のリセット端子に加えられ、フリップフロップFF2がリセットされてアンド回路A3は不動作になり、アドレスカウンタ13は停止する。これにより、第1群の読み出しは終了する。
また微分回路31の出力は符長カウンタ32のリセット端子Rに加えられる。符長カウンタ32は、そのクロック入力に電圧制御型発振器(VCO)33から発生されるテンポパルスTPが加えられており、このテンポパルスTPを順次カウントする。なおVCO33は、ラッチ回路29にラッチされたオート情報(AF)をデコードするデコーダ34の出力のうちテンポを指定する信号をデジタルアナログ変換器35でアナログ変換した電圧信号およびマニュアル調整用ボリューム36で設定された電圧信号がそれぞれ抵抗ミキシングされて加えられており、その発振周波数はラッチ回路29にラッチされているテンポ情報およびマニュアル調整用ボリューム36の両者によって設定される。
ラッチ回路30にラッチされた上鍵盤符長情報(UK,TC)と順次増加する符長カウンタ32の計数値は比較回路37で比較される。この比較において、符長カウンタ32の計数値がラッチ回路30のラッチ内容に達すると、比較回路37から一致出力が生じ、この信号は微分回路38で立上り微分がとられ、一致パルスEPとしてオア回路OR3を介してフリップフロップFF2のセット端子Sに加えられる。これによりフリップフロップFF2はセットされ、アンド回路A3は動作可能となって、アドレスカウンタ13は再びクロックパルスφによって駆動される。すなわちデータメモリ12からは第2群の情報の読み出しが開始される。この第2群の情報も第1群の情報と同様に識別コードによって識別され、それぞれラッチ回路25〜30にラッチされる。ただし、第2図に示した例によると第2群は上鍵盤鍵情報(UK,KC)および上鍵盤符長情報(UK,TL)のみから構成されているので、ラッチ回路25および30の内容が書き換えられるだけで、他のラッチ回路26〜29の内容は第1群の内容がそのまま保持される。
データメモリ12から上鍵盤符長情報(UK,TL)が出力され、ラッチ回路30の内容が第2群のものに書き換えられると、同時に識別コード検出部24の出力を微分する微分回路31の出力によってアドレスカウンタ13の動作は停止され、また符長カウンタ32の内容はリセットされ、比較回路37による比較が再び開始される。この比較において符長カウンタ32の計数値がラッチ回路30の上鍵盤符長情報に一致すると比較回路37から一致信号が生じこの信号によってアドレスカウンタ13は動作を開始し、第3群の情報を読み出す。以下、同様に各群の情報が順次読み出される。なお上鍵盤音色効果情報(UK,TC,EF)、根音およびコード種類情報(LKC,CN)、コードベース音色情報(C,B,TC)およびオート機能情報(AF)は前述したように情報指定の変更箇所に対応する群にのみ記憶されているので、これら情報に対応するラッチ回路26〜29は情報(UK,TC,EF)(LKC,CN)(C,B,TC)(AF)が読み出された場合のみそのラッチ内容が書き換えられる。
発生すべき楽音の制御はラッチ回路25〜29のラッチ内容に応じて行われる。ラッチ回路25にラッチされた上鍵盤鍵情報(UK,KC)はデコーダ39を介してセレクタ40に加えられる。セレクタ40はメロディ音に関して自動演奏とマニュアル演奏のいづれか一方を選択するためのもので、スイッチ40aがオフであれば上鍵盤キースイッチ回路17から出力される押下されている鍵を示す信号を選択し、オンであればデコーダ39から出力される上鍵盤鍵情報(UK,KC)に対応する信号を選択し、発音すべき楽音の音高を示す信号としてメロディ音発生回路41に加える。
また、ラッチ回路26にラッチされた上鍵盤音色効果情報(UK,TC,EF)はデコーダ42でデコードされ、メロディ音発生回路41に加えられる。
メロディ音発生回路41は、セレクタ40から加えられる音高を示す信号とデコーダ42から加えられる上鍵盤音の音色および効果を示す信号に基づき上鍵盤音を示す楽音を形成する。
第3図はこのメロディ音発生回路41の1例を示すもので、メロディ音トーンジェネレータ411、音色回路412、効果回路413から構成される。メロディ音トーンジェネレータ411はセレクタ40から出力される発音すべき楽音の音高を示す信号を受入し、この音高に対応する周波数の音源信号を発生する。この音源信号は音色回路412に加えられ、デコーダ42から加えられる上鍵盤の音色を示す信号によって音色制御される。尚、この音色回路は例えばフィルタ回路によって構成することができる。音色回路412で所定の音色の付与された音源信号は効果回路413に加えられる。効果回路413は各種の変調回路から構成され、デコーダ42から加えられる上鍵盤音の効果を示す信号に応じて音色回路412の出力に所定の変調をかけ、これによってさらに所定の効果の付与された楽音信号を出力する。効果回路413の出力すなわちメロディ音発生回路41の出力はサウンドシステム43に加えられ、メロディ音として発音される。
ラッチ回路27にラッチされた根音およびコード種類を示す根音コード種類情報(LKC,CN)はリードオンリイメモリ(ROM)44に加えられる。ROM44は根音コード種類情報(LKC,CN)に対応してコード音の音高を示す信号およびベース音を形成するための信号(根音の音高を示す信号およびコード種類を示す信号)が記憶されており、ラッチ回路27のラッチに対応してこれら信号を読み出し、それぞれセレクタ45,46に加える。セレクタ45,46はコード音およびベース音に関して自動演奏とマニュアル演奏をそれぞれ選択するためのものである。すなわち、スイッチ45aがオフであるとコード音に関してマニュアル演奏が指定され、セレクタ45は下鍵盤キースイッチ回路47から出力される下鍵盤で押下されている鍵を示す信号を選択してコード音発生回路48に加える。またスイッチ45aがオンであるとコード音に関して自動演奏が指定され、セレクタ45はROM44から出力されるコード音を示す信号を選択してコード音発生回路48に加える。
またスイッチ46aがオフであるとベース音に関してマニュアル演奏が指定され、セレクタ46はペダル鍵盤キースイッチ回路49から出力されるペダル鍵盤で押下されている鍵を示す信号を選択してベース音発生回路50に加え、スイッチ46aがオンであるとベース音に関して自動演奏が指定され、セレクタ46はROM44から出力されるコード音を示す信号を選択してベース音発生回路50に加える。
また、ラッチ回路28にラッチされたコード音およびベース音の音色を示すコードベース音色情報(C,B,TC)はデコーダ51でデコードされ、コード音発生回路48およびベース音発生回路50に加えられる。
また、ラッチ回路29にラッチされたオート機能情報(AF)のうちパターン指定情報はデコーダ34でデコードされ、パターンメモリ52に加えられる。パターンメモリ52は複数リズムパターン、コード音発音タイミングパターン、ベースパターンを記憶したリードオンリイメモリ(ROM)から構成され、カウンタ53の出力をアドレス信号とし、パターン指定情報によって指定されたリズムパターン、コード音発音タイミングパターン、ベースパターンに対応するリズムパターンパルス、コード音発音タイミングパターンパルスおよびベースパターンパルスを順次読み出す。なお、カウンタ53はフリップフロップ54の出力がリセット端子Rに加えられており、このフリップフロップ54はセット端子Sにイニシャルクリア信号ICおよび後述する終了信号F1Nがオア回路OR6を介して加えられ、リセット端子に前述したスタート信号SSが加えられている。したがってカウンタ54はスタート信号SSが生じる前においてリセット状態にあるが、スタート信号SSが生じるとリセットが解除され、動作を開始する。
パターンメモリ52から読み出されたコード音発音タイミングパターンパルスはコード音発生回路48に加えられ、ベースパターンパルスはベース音発生回路50に加えられ、リズムパターンパルスはリズム音源回路55に加えられる。ここでコード音発音タイミングパターンパルスは自動コード音の発音タイミングを示すもの、ベースパターンパルスは自動ベースの発音タイミングおよび根音に対する従音の音程関係を示すもの、リズムパターンパルスは自動リズム音の発音タイミングおよびリズム楽器種類を示すものである。
コード音発生回路48は、セレクタ45から出力される発音すべきコード音の音高を示す信号、デコーダ51から出力されるコード音の音色を指定する信号およびパターンメモリ52から出力されるコード音発音タイミングパルスを受入し、コード音を示す楽音信号を形成する。
第4図はこのコード発生回路48の1例を示したもので、コード音トーンジェネレータ481、開閉回路482、音色回路483、自動コード音発音選択スイッチ484から構成される。なすわち、コード音トーンジェネレータ487はセレクタ45から出力されるコード音の音高を示す信号に基づきコード音の音源信号を形成し、開閉回路482はこの音源信号をパターンメモリ52から出力されスイッチ484を介するコード音発音パターンパルスに基づき開閉制御し、音色回路483はこの開閉制御された信号をデコーダ51から出力されるコード音の音色を示す信号に応じて音色制御することによりコード音を示す楽音信号を出力する。
ベース音発生回路50は、セレクタ46から出力される発音すべきベース音の音高を示す信号またはベース音を形成するための信号(根音の音高およびコード種類を示す信号)、デコーダ51から出力されるベース音の音色を指定する信号およびパターンメモリ52から出力されるベースパターン信号を受入し、ベース音を示す楽音信号を形成する。
第5図はこのベース音発生回路50の1例を示したもので、ベース音トーンジェネレータ501、開閉回路502、音色回路503、自動ベース音発音選択スイッチ504から構成される。すなわち、ベース音トーンジェネレータ501はセレクタ46から出力される発音すべきベース音の音高を示す信号に基づきセレクタ46から出力されるベース音を形成するための信号(根音の音高およびコード種類を示す信号)とパターンメモリ52から出力されるベースパターンパルス(音程を示す信号)に基づきベース音の音源信号を形成し、開閉回路502はこの音源信号をパターンメモリ52から出力されるスイッチ504を介するベースパターンパルス(発音タイミングを示す信号)に基づき開閉制御し、音色回路503はこの開閉制御された信号をデコーダ51から出力されるベース音の音色を示す信号に応じて音色制御することによりベース音を示す楽音信号を形成する。なお根音の音高を示す信号、コード種類を示す信号およびベースパターンに基づきベース音の音源信号を形成する装置は周知であるのでこの明細書ではその詳細を省略する。
リズム音源回路55は、パターンメモリ52から出力されるリズムパターンパルスに基づきリズム音を示す楽音信号を形成する。なすわちリズム音源回路55は各種リズム音に対応する音源信号を発生するリズム音源を具えており、パターンメモリ52から出力されるリズムパターンパルスに応じてこれら音源信号を開閉制御してリズム音を示す楽音信号を形成する。なおスイッチ55aはリズム音の発生を制御するためのもので、スイッチ55aがオフであると、リズム音源回路55は不動作となり、リズム音を示す楽音信号は発生されない。
コード音発生回路48、ベース音発生回路50、リズム音源回路55からそれぞれ出力されるコード音、ベース音、リズム音をそれぞれ示す楽音信号はサウンドシステム43に加えられ、コード音、ベース音、リズム音として発音される。
このようにしてメロディ音、コード音、ベース音、リズム音の発音制御が行われる。
ただし、上述したように上鍵盤音の音色効果、自動コード音、自動ベース音、パターン種類およびテンポはラッチ回路26〜29にそれぞれラッチされた上鍵盤音色効果情報(UK,TC,EF)、根音コード種類情報(LKC,CN)、コードベース音色情報(C,B,TC)、オート機能情報(AF)に基づき制御され、これらラッチ回路26〜29の内容はデータメモリ12から対応する情報が出力されたときのみ(各群に対応する情報が挿入されている場合のみ)書き換えられるから、各情報の挿入状態に応じて各音の発生状態が変更制御される。
例えば上鍵盤音色効果情報(UK,TC,EF)に関してのみ注目して考え、第6図に示すように第1群、第K群、第J群にそれぞれ上鍵盤音色効果情報(UK,TC1,EF1)、(UK,TC2,EF2)、(UK,TC1,EF1)が挿入されている場合を考えると第1群から第K-1群までに関する上鍵盤音の音色効果は上鍵盤音色効果情報(UK,TC1,EF1)によって制御され、第K群から第J-1群までに関する上鍵盤音の音色効果は上鍵盤音色効果情報(UK,TC2,EF2)によって制御され第J群から以後の上鍵盤音の音色効果は再び上鍵盤音色効果情報(UK,TC1,EF1)によって制御される。
このようにして各群の情報が順次読み出され、最後に情報FINISHが読み出されると、この情報は終了検出回路56によって検出され、その検出出力は終了信号FINとしてオア回路OR1を介してフリップフロップFF1のリセット端子Rに加えられる。これによりフリップフロップFF1はリセットされ、データメモリ12は不動作、アドレスカウンタ13はリセット状態となり、データメモリ12の読み出し動作は終了する。また終了信号F1Nはオア回路OR6を介してフリップフロップ54に加えられ、フリップフロップ54をセットする。これによりカウンタ53はリセットされ、パターンメモリ52からの各種パターンの読み出しは停止し、自動演奏は終了する。
以上説明したようにこの発明によれば自動演奏中にメロディ音、コード音、ベース音、リズム音の発生態様を任意に変更制御することができる。またこの変更制御も変更箇所に対応する情報群に変更に係わる情報を挿入するだけで自動的に行われる。
なお、上記実施例では変更に係わる情報として、上鍵盤音色効果情報、根音コード種類情報、コードベース音情報、オート機能情報の4つの情報を用いた場合について説明したが、これはあくまでも1例を示したもので上記情報に限定されない。すなわち変更に係わる情報として4種類以下または以上を用いた場合もこの発明に含まれ、また情報の種類も上記情報以外のものを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係わる自動演奏装置の1実施例を示すブロック図、第2図は同実施例で用いるデータフォーマットの1例を示す図、第3図は同実施例のメロディ音発生回路の詳細構成例を示すブロック図、第4図は同実施例のコード音発生回路の詳細構成例を示すブロック図、第5図は同実施例のベース音発生回路の詳細構成例を示すブロック図、第6図は同実施例の動作を説明する図である。
10……楽譜、10a……磁気テープ、11……読取り装置、12……データメモリ、13……アドレスカウンタ、14……スタートモード切換スイッチ、15……スタートスイッチ、17……上鍵盤キースイッチ回路、19〜24……識別コード検出部、25〜30……ラッチ回路、40,45,46……セレクタ、41……メロディ音発生回路、48……コード音発生回路、50……ベース音発生回路、52……パターンメモリ、55……リズム音源回路。
 
訂正の要旨 訂正の要旨
(訂正番号1) 特許請求の範囲を下記のように訂正する。
「 時間情報と音高情報とを含む一連の音符情報を記憶するとともに、楽音発生態様制御情報を変更箇所において識別データとともに記憶する楽譜データメモリと、
この楽譜データメモリから前記音符情報および前記楽音発生態様制御情報を前記識別データとともに順次読み出し、前記識別データから前記時間情報が読み出されたことを検出したとき該読み出しを中断し、該時間情報が示す時間が経過したことを検出したとき該読み出しを再開する楽譜データ読み出し回路と、
前記楽音発生態様制御情報を前記識別データに基づきそれぞれラッチするラッチ回路と、
該ラッチ回路の内容と前記音符情報に基づき楽音を形成する楽音形成回路と
を具え、自動演奏中前記楽音発生態様制御情報に基づき楽音発生態様を変更制御するようにした自動演奏装置。」
審決日 2003-01-22 
出願番号 特願昭55-130139
審決分類 P 1 41・ 851- Y (G10H)
最終処分 成立  
前審関与審査官 関谷 隆一  
特許庁審判長 杉山 務
特許庁審判官 小林秀美
藤内光武
登録日 1993-07-14 
登録番号 特許第1772142号(P1772142)
発明の名称 自動演奏装置  
代理人 飯塚 義仁  
代理人 田倉 整  
代理人 三木 浩太郎  
代理人 内藤 義三  
代理人 田倉 整  
代理人 田中 成志  
代理人 内藤 義三  
代理人 神谷 牧  
代理人 三木 浩太郎  
代理人 田中 成志  
代理人 飯塚 義仁  
代理人 神谷 牧  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ