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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  G06F
審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  G06F
管理番号 1117800
異議申立番号 異議2003-73294  
総通号数 67 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2000-01-07 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-12-24 
確定日 2005-03-14 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3447611号「ファクシミリ型電子メール装置およびファクシミリ型電子メール出力制御方法」の請求項1ないし4に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3447611号の請求項1、2に係る特許を維持する。 
理由 1. 手続の経緯
本件特許第3447611号に係る発明についての出願は、平成9年6月20日に特許出願した特願平9-180528号を分割して平成11年4月26日に特許出願(特願平11-118647号)したものであり、平成15年7月4日にその発明について特許の設定登録がなされた(請求項の数4)後、その特許(全請求項)について、特許異議申立人小牧常松より特許異議の申立てがなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成16年10月21日に特許異議意見書が提出されるとともに訂正請求がなされたものである。

2. 訂正の適否
2-1.訂正の内容
特許権者が求めている訂正の内容は次のとおりのものである。
(訂正事項a)
特許請求の範囲の請求項1及び3を削除し、これに伴い、請求項2及び4の記載形式を独立形式に書き換え、各々新たな請求項1及び2とする。
【請求項1】
「テキスト形式に変換された画情報を含む電子メールを受信したならばユーザにその内容を確認させることなく記録紙に出力するファクシミリ型電子メール装置であって、
受信した電子メールのボディ部に文書情報があるか否か判別し、前記ボディ部に文書情報があると判別したならば同種のファクシミリ型電子メール装置が当該電子メールを送信する場合にのみ前記文書情報に付加される、電子メールに画情報が添付されていることを知らせる文書定型メッセージが前記文書情報中にあるか否かを識別し、
前記文書定型メッセージがある場合には、前記受信電子メールデータからテキスト形式の画情報のみを抽出し、抽出した前記画情報をファクシミリデータにフォーマット変換し、変換した前記ファクシミリデータを記録紙に出力する一方、前記文書定型メッセージがない場合には前記受信電子メールの全てを印刷することを特徴とするファクシミリ型電子メール装置。」
【請求項2】
「テキスト形式に変換された画情報を含む電子メールを受信したならばユーザにその内容を確認させることなく記録紙に出力するファクシミリ型電子メール出力制御方法であって、
受信した電子メールデータのボディ部に文書情報があるか否か判別し、前記ボディ部に文書情報があると判別したならば同種のファクシミリ型電子メール装置が当該電子メールを送信する場合にのみ前記文書情報に付加される、電子メールに画情報が添付されていることを知らせる文書定型メッセージが前記文書情報中にあるか否かを識別し、
前記文書定型メッセージがある場合には、前記受信電子メールデータからテキスト形式の画情報のみを抽出し、抽出した前記画情報をファクシミリデータにフォーマット変換し、変換した前記ファクシミリデータを記録紙に出力する一方、前記文書定型メッセージがない場合には前記受信電子メールの全てを印刷することを特徴とするファクシミリ型電子メール出力制御方法。」
(訂正事項b)
明細書の段落【0007】【0008】を削除し、【0009】【0010】【0011】【0066】を以下のとおり訂正する。
【0009】
「例えば、通常の電子メールの中にもその構成等により、ファクシミリに出力する必要性のない情報が含まれる場合があり、これを出力してしまうと、記録紙などの資源が無駄になる。」
【0010】
「本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、受信した電子メールデータの構成に応じて、受信したデータから必要な情報のみを抽出し、これらを編集し、出力する画像通信装置を提供することを目的とする。」
【0011】
「本発明は、上記課題を解決するために、テキスト形式に変換された画情報を含む電子メールを受信したならばユーザにその内容を確認させることなく記録紙に出力するファクシミリ型電子メール装置であって、受信した電子メールデータのボディ部に文書情報があるか否か判別し、前記ボディ部に文書情報があると判別したならば同種のファクシミリ型電子メール装置が当該電子メールを送信する場合にのみ前記文書情報に付加される、電子メールに画情報が添付されていることを知らせる文書定型メッセージが前記文書情報中にあるか否かを識別し、前記文書定型メッセージがある場合には、前記受信電子メールデータからテキスト形式の画情報のみを抽出し、抽出した前記画情報をファクシミリデータにフォーマット変換し、変換した前記ファクシミリデータを記録紙に出力する一方、前記文書定型メッセージがない場合には前記受信電子メールの全てを印刷することを特徴とするファクシミリ型電子メール装置を提供する。
または、本発明は、テキスト形式に変換された画情報を含む電子メールを受信したならばユーザにその内容を確認させることなく記録紙に出力するファクシミリ型電子メール出力制御方法であって、受信した電子メールデータのボディ部に文書情報があるか否か判別し、前記ボディ部に文書情報があると判別したならば同種のファクシミリ型電子メール装置が当該電子メールを送信する場合にのみ前
記文書情報に付加される、電子メールに画情報が添付されていることを知らせる文書定型メッセージが前記文書情報中にあるか否かを識別し、前記文書定型メッセージがある場合には、前記受信電子メールデータからテキスト形式の画情報のみを抽出し、抽出した前記画情報をファクシミリデータにフォーマット変換し、変換した前記ファクシミリデータを記録紙に出力する一方、前記文書定型メッセージがない場合には前記受信電子メールの全てを印刷することを特徴とするファクシミリ型電子メール出力制御方法を提供する。」
【0066】
「以上説明したように本発明によれば、受信した電子メールデータの構成に応じて、受信したデータから必要な情報のみを抽出し、これらを編集し出力することができる。」

2-2.訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
上記訂正事項aは、特許請求の範囲の請求項1及び3を削除するとともに、請求項2及び4の記載形式を独立形式に書き換えるために、「文書定型メッセージ」について更に限定する「電子メールに画情報が添付されていることを知らせる」の語句を請求項1,3の本文に取り込み、各々新たな請求項1及び2としたものであり、当該語句は、訂正前の旧請求項2、4に記載されていたもので、また、明細書の段落【0033】に記載されている内容である。
したがって、上記訂正は、特許請求の範囲の減縮、および明りょうでない記載の釈明に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
上記訂正事項bは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、 新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

2-3 むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び第3項で準用する特許法第126条第2-3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.取消理由について
特許明細書の請求項1および3に係る発明の特許に対して通知した、取消理由の特許法第36条第6項第2号については、上記訂正を認めたことにより解消された。

4. 特許異議の申立てについて
4-1申立ての理由の概要
特許異議申立人は、甲第1号証(特開平07-66830号公報)、甲第2号証(特開平08-242326号公報)、甲第3号証(特開平06-149505号公報)および甲第4号証(特開平07-121457号公報)を提出して、本件の特許査定時の請求項1〜4に係る発明は、甲第1〜4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許明細書の請求項1〜4に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、また、同じく請求項1、3に係る発明の特許は、特許法第36条第6項の規定に違反してされたものであるから取り消されるべき旨主張する。

4-2 本件発明
本件の特許に係る発明は、訂正明細書の請求項1及び2に記載されたとおり(上記2-1を参照)のものである。(なお、請求項1及び2に係る発明は、カテゴリーの違いに基づくものであるから、両請求項に係る発明を総称して、以下、単に「本件発明」という。)

4-3甲各号証に記載された発明 <甲第1号証>
甲第1号証には次の事項が記載されている。
「本発明は、文字列(テキスト)の他に、音声、画像情報等の非テキスト情報を含む、複合化されたメールを扱うのに好適なメールシステムに関する。」(段落【0001】)
「次にメール制御部2は、メモリ5上に取り出されたメールの表題部213に付加されているキーワード部214を参照し、そのメールがシークレット文章を含むものであるか否かをチェックする(図9ステップS32)。」(段落【0039】)
「もし、出力指示されたメール(出力対象メール)がシークレット文章を含むものであるならば、出力対象メールのテーブル24(中のテーブル本体241)に記述されているシークレット部分の範囲情報をもとに、当該メールからシークレット部分以外のデータを抽出する(図9ステップS33)。」(段落【0040】) <甲第2号証>
「図5は本実施例におけるイメージデータを受信する際のフローを示す。まずステップS11で、LAN制御部9から電子メールのイメージデータを受信し、外部記憶部4に一旦蓄積する。次にステップS12で、電子メールのイメージデータをフォーマット逆変換部10でファクシミリのフォーマットに変換し、ステップS13で、圧縮・伸長部8によって伸長して外部記憶部4に蓄積する。そしてステップS14で、蓄積されたイメージデータをプリンタ部11で印刷する。」(段落【0021】)
「逆フォーマット変換は、図3のイメージデータの電子メールフォーマットへの変換方法とは逆の手順をたどる。はじめに、ヘッダ23からこの電子メールがイメージデータであることを確認する。イメージデータでなければ、発信元に対してエラー通知の電子メールを送る。次にテキストコード化イメージデータ22をバイナリイメージデータ21に変換する。」(段落【0022】) <甲第3号証>
「以上のように構成された電子メールシステムについて、図2を用いてその動作を説明する。図2は図1印刷ヘッダ作成・付与部12の処理フローを示したものである。ユーザが印刷指示を出すと印刷ヘッダ作成・付与処理が21から開始される。22でユーザが印刷ヘッダ作成形式を設定した値を読み込む。」(段落【0012】)
「ユーザが設定する値には図3(a)、(b)のようなものがあり、図3(a)は電子メールメッセージヘッダ情報それぞれの項目について’付与する/しない’、付与する場合の表示形式などを設定しているものである。」(段落【0013】) <甲第4号証>
「図5の(b)は、定型メール文に含まれる指示文の例であり、作表計算アプリケーションに対して発行される、表の展開、印刷範囲の設定、配達シートの印刷、終了等の表定義文、コマンド文等が記述され、エントリシステムはこの指示文を作表計算アプリケーションに対して順次発行することにより配達シートの処理を行う。(段落【0043】)
「図6は同実施例に係る受信側の処理手順を説明するためのフローチャートである。エントリシステムは、オペレータより配達シートの印刷を選択されると、自動受信部5にその旨を通知する(図6のステップF1)。エントリシステムからの通知を受けた自動受信部5は、処理部13を起動し、該当業務の指示文を含む受信メールがあるか検索し(図6のステップE1)、なければそのまま終了する(図6のステップE1のN)。」(段落【0046】)

4-4.本件発明の特許について
(特許法第29条第2項について)
本件発明と上記甲第1〜4号証に記載された発明とを対比する。
本件発明は、テキスト形式に変換された画情報を含む電子メールを受信したならばユーザにその内容を確認させることなく記録紙に出力するファクシミリ型電子メール装置又は出力制御方法に係るものであり、上記訂正により「受信した電子メールのボディ部に文書情報があるか否か判別し、前記ボディ部に文書情報があると判別したならば同種のファクシミリ型電子メール装置が当該電子メールを送信する場合にのみ前記文書情報に付加される、電子メールに画情報が添付されていることを知らせる文書定型メッセージが前記文書情報中にあるか否かを識別し、
前記文書定型メッセージがある場合には、前記受信電子メールデータからテキスト形式の画情報のみを抽出し、抽出した前記画情報をファクシミリデータにフォーマット変換し、変換した前記ファクシミリデータを記録紙に出力する一方、前記文書定型メッセージがない場合には前記受信電子メールの全てを印刷すること」を発明の構成要件とするものである。
これに対し、甲第1号証の発明は、マルチメディア対応の環境下になくとも、複合化されたメールを容易にアクセスできるようしたメールシステムにおいて、ヘッダ部のキーワード部を参照し、シークレット部分を指定するキーワード“s”があるならば、そのメールからシークレット部分以外のデータを抽出して出力する手段を備えており、このキーワード“s”はメールデータの出力部分を決定するのに利用されるという点で、本件発明の「文書定型メッセージ」に類似しているところがある。しかし、甲第1号証の発明は、ファクシミリ型電子メール装置ではなく上記のキーワード“s”も送信元のユーザが付与するものであって本件発明のように装置が自動的に付与するものでないことから、本件発明の上記構成要件に相当するものは具備していない。また、甲第1号証には、本件発明の上記構成要件を示唆する記載もない。
甲第2号証には、イメージデータを電子メールとして送受信できるようにしたファクシミリ型電子メール装置として、電子メールに添付されたテキスト形式の画情報をファクシミリデータにフォーマット変換して、変換したファクシミリデータを記録紙に出力することについての記載はあるが、本件発明の上記構成要件についての記載はなく示唆もない。
甲第3号証には、印刷物の先頭に印刷する電子メールヘッダの内容を、ユーザが設定した電子メールのヘッダ情報に基づいて決定するようにして、ユーザが認識しやすい印刷ヘッダ情報が付与された印刷物を出力することを可能にすることが記載されている。しかし、電子メールヘッダ情報をどのように印刷ヘッダに印刷するかはユーザが設定するものであり、装置が自動的に付与する文書定型メッセージを利用する本件発明とはその技術思想が異なっており、本件発明の上記構成要件に相当するものは具備していない。また、甲第3号証には、本件発明の上記構成要件を示唆する記載もない。
甲第4号証には、定型メール文に含まれる「指示文」にしたがって、添付ファイルを自動的に印刷処理するようにした遠隔地集配システムについての発明が記載されている。しかし、この発明における「指示文」は添付ファイルに格納されている配達シートの展開、印刷処理等を自動的に行うための処理手順やコマンドが記述されていて作業用ファイルにダウンロードして利用するものであり、ファクシミリ型電子メールにおける「文書定型型メッセージ」とは全く違うものである。したがって、甲第4号証の発明は本件発明の上記構成要件に相当するものは具備していない。また、甲第4号証には、本件発明の上記構成要件を示唆する記載もない。
以上のとおり、上記各甲号証に記載された発明は、本件発明における上記構成要件に相当するものは備えていない。また、各甲号証を組み合わせてもこの構成を導出することはできない。
そして、本件発明は上記構成を含む構成により、明細書に記載された各甲号証からは予測できない格別の効果を奏するものである。
したがって、本件発明は、上記甲第1〜4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
よって、本件発明の特許は、特許異議申立ての理由及び証拠によっては取り消すことができない。

(特許法第36条第6項2号について)
申立人は、旧請求項1、3において、記載事項(1)「同種のファクシミリ型電子メール装置」の意味、及び、記載事項(2)「同種のファクシミリ型電子メール装置が当該電子メールを送信する場合にのみ前記文書情報に付加される文書定型メッセージ」の意味がそれぞれ明確でない旨主張している。
上記訂正により、旧請求項1及び3は削除され、旧請求項2及び4が独立形式に書き換えられて新たな請求項1及び2になったが、申立人が不明りょうであると指摘する内容は、新たな請求項1、2にも含まれるので、以下、新たな請求項1、2について検討する。
請求項1中における「同種のファクシミリ型電子メール装置」とは、当該請求項の冒頭で規定している「テキスト形式に変換された画情報を含む電子メールを受信したならばユーザにその内容を確認させることなく記録紙に出力するファクシミリ型電子メール装置」と同種のファクシミリ型電子メール装置であるということを意味していることは明白であり、また、「同種のファクシミリ型電子メール装置が電子メールデータを送信する場合にのみ文書情報に付加される特有のメッセージ」という記載についても、明細書段落【0022】に「文書定型メッセージは、同種のファクシミリ型電子メール装置が電子メールデータを送信する場合にのみ文書情報に付加される特有のメッセージである。」と説明されており、さらに段落【0023】には「この構成により、同種のファクシミリ型電子メール装置からの受信の場合は、受信した電子メールデータ内に画情報の他に文書情報が含まれていたとしても、文書情報は、定型メッセージのみで、出力する必要性のないものであり、画情報のみを出力することで、通常のファクシミリ装置と同様な運用をさせることが可能となる。また、ヘッダ部を毎回出力しないことから記録紙の節約ができる。」と記載されている。これらの記載を参照すれば、申立人が指摘する上記記載事項(1)(2)の意味は明確である。
したがって、請求項1および2の記載は、申立人が主張するような記載不備はない。

4.まとめ
以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び証拠によっては、本件請求項1、2に係る発明の特許を取り消すことができない。
また、他に本件特許を取り消す理由は見あたらない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
ファクシミリ型電子メール装置およびファクシミリ型電子メール出力制御方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 テキスト形式に変換された画情報を含む電子メールを受信したならばユーザにその内容を確認させることなく記録紙に出力するファクシミリ型電子メール装置であって、
受信した電子メールのボディ部に文書情報があるか否か判別し、前記ボディ部に文書情報があると判別したならば同種のファクシミリ型電子メール装置が当該電子メールを送信する場合にのみ前記文書情報に付加される、電子メールに画情報が添付されていることを知らせる文書定型メッセージが前記文書情報中にあるか否かを識別し、
前記文書定型メッセージがある場合には、前記受信電子メールデータからテキスト形式の画情報のみを抽出し、抽出した前記画情報をファクシミリデータにフォーマット変換し、変換した前記ファクシミリデータを記録紙に出力する一方、前記文書定型メッセージがない場合には前記受信電子メールの全てを印刷することを特徴とするファクシミリ型電子メール装置。
【請求項2】 テキスト形式に変換された画情報を含む電子メールを受信したならばユーザにその内容を確認させることなく記録紙に出力するファクシミリ型電子メール出力制御方法であって、
受信した電子メールデータのボディ部に文書情報があるか否か判別し、前記ボディ部に文書情報があると判別したならば同種のファクシミリ型電子メール装置が当該電子メールを送信する場合にのみ前記文書情報に付加される、電子メールに画情報が添付されていることを知らせる文書定型メッセージが前記文書情報中にあるか否かを識別し、
前記文書定型メッセージがある場合には、前記受信電子メールデータからテキスト形式の画情報のみを抽出し、抽出した前記画情報をファクシミリデータにフォーマット変換し、変換した前記ファクシミリデータを記録紙に出力する一方、前記文書定型メッセージがない場合には前記受信電子メールの全てを印刷することを特徴とするファクシミリ型電子メール出力制御方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子メールの仕組みを用いて画情報を送受信するファクシミリ型電子メール装置およびファクシミリ型電子メール出力制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ等の電子メールを受信し閲覧する装置において、受信側ノードは、発信元装置や内容によらず、受信データをすべて自らの持つ2次記憶装置などに貯え、ユーザが内容を確認した後に出力されていた。
【0003】
また、その際、エラーメールや送達確認メールは、通常のメールと区別されることはなく、ユーザが内容を閲覧して、それらを区別していた。
【0004】
これに対し、近年、電子メールの仕組みを用いてデータの送受信を行うファクシミリ型電子メール装置が実用化されている。この装置は、画情報をテキスト形式に変換して電子メールに添付して送信し、受信側は、電子メールに添付ファイルがあれば、それを展開してファクシミリ出力するよう構成されている。つまり、ユーザが閲覧の後に受信したデータを出力するのではなく、着信したデータから順次出力し、出力されたデータをユーザが閲覧するといった運用になる。
【0005】
そして、従来のファクシミリ型電子メール装置では、受信したデータの種類等を区別せず、データに含まれるヘッダ情報、文書情報及び画情報の全てを出力していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、電子メールの種類によっては、ファクシミリとして出力する意味のないデータが含まれている場合がある。
【0007】
【0008】
【0009】
例えば、通常の電子メールの中にもその構成等により、ファクシミリに出力する必要性のない情報が含まれる場合があり、これを出力してしまうと、記録紙などの資源が無駄になる。
【0010】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、受信した電子メールデータの構成に応じて、受信したデータから必要な情報のみを抽出し、これらを編集し、出力する画像通信装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、テキスト形式に変換された画情報を含む電子メールを受信したならばユーザにその内容を確認させることなく記録紙に出力するファクシミリ型電子メール装置であって、受信した電子メールのボディ部に文書情報があるか否か判別し、前記ボディ部に文書情報があると判別したならば同種のファクシミリ型電子メール装置が当該電子メールを送信する場合にのみ前記文書情報に付加される、電子メールに画情報が添付されていることを知らせる文書定型メッセージが前記文書情報中にあるか否かを識別し、前記文書定型メッセージがある場合には、前記受信電子メールデータからテキスト形式の画情報のみを抽出し、抽出した前記画情報をファクシミリデータにフォーマット変換し、変換した前記ファクシミリデータを記録紙に出力する一方、前記文書定型メッセージがない場合には前記受信電子メールの全てを印刷することを特徴とするファクシミリ型電子メール装置を提供する。
または、本発明は、テキスト形式に変換された画情報を含む電子メールを受信したならばユーザにその内容を確認させることなく記録紙に出力するファクシミリ型電子メール出力制御方法であって、受信した電子メールデータのボディ部に文書情報があるか否か判別し、前記ボディ部に文書情報があると判別したならば同種のファクシミリ型電子メール装置が当該電子メールを送信する場合にのみ前記文書情報に付加される、電子メールに画情報が添付されていることを知らせる文書定型メッセージが前記文書情報中にあるか否かを識別し、前記文書定型メッセージがある場合には、前記受信電子メールデータからテキスト形式の画情報のみを抽出し、抽出した前記画情報をファクシミリデータにフォーマット変換し、変換した前記ファクシミリデータを記録紙に出力する一方、前記文書定型メッセージがない場合には前記受信電子メールの全てを印刷することを特徴とするファクシミリ型電子メール出力制御方法を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の態様は、受信した電子メールデータがエラーメールであるか否かを識別する識別手段と、前記受信データがエラーメールである場合に、前記受信データから画情報を含む特定情報を抽出する抽出手段と、抽出した前記特定情報をファクシミリデータにフォーマット変換する変換手段と、変換した前記ファクシミリデータを編集する編集手段と、編集した前記ファクシミリデータを出力する出力手段とを具備する構成を採る。
【0013】
抽出手段は、特定情報の抽出を、受信データに特定コードが含まれているか否かにより判別するフィルタである。また、編集手段は、通常別の頁に出力されるデータを一頁に統合したり、複数ページに渡る情報の一部を削除して一頁に収めるようなデータ編集を行う。
【0014】
この構成により、受信した電子メールデータが、エラーメールか通常のメールかを区別することができ、エラーメールである場合、画情報をフォーマット変換して出力できるので、送信したデータが複数ある場合に、どのメールがエラーとなったか判別できる。また、必要なデータのみを抽出し、編集して出力できるので、記録紙の節約ができる。
【0015】
第2の態様は、受信した電子メールデータが送達確認メールであるか否かを識別する識別手段と、前記受信データが送達確認メールである場合に、前記受信データから画情報を含む特定情報を抽出する抽出手段と、抽出した前記特定情報をファクシミリデータにフォーマット変換する変換手段と、変換した前記ファクシミリデータを編集する編集手段と、編集した前記ファクシミリデータを出力する出力手段とを具備する構成を採る。
【0016】
この構成により、受信した電子メールデータが、送達確認メールか通常のメールかを区別することができ、送達確認メールである場合、必要なデータのみを抽出し、編集して出力できるので、記録紙の節約ができる。
【0017】
第3の態様は、第2態様のファクシミリ型電子メール装置に送達確認メールを送信する場合に、送達確認メールであることを認識できるメッセージを前記送達確認メールに付加する付加手段を具備する構成を採る。
【0018】
この構成により、受信側のファクシミリ型電子メール装置が、送達確認メッセージを認識することにより、通常の電子メールと同様な形式で受信される送達確認のメールを通常の電子メールと容易に区別することが可能となる。
【0019】
第4の態様は、受信した電子メールデータの構成を認識するデータ構成認識手段と、前記受信データに文書情報がない場合に前記受信データから画情報のみを抽出する抽出手段と、抽出した前記画情報をファクシミリデータにフォーマット変換する変換手段と、変換した前記ファクシミリデータを出力する出力手段とを具備する構成を採る。
【0020】
この構成により、受信した電子メールデータが、ヘッダ情報と画情報のみから構成され、文書情報が無い場合には、ヘッダ情報を出力せず、画情報のみを出力し、通常のファクシミリ装置と同様な運用をさせることが可能になり、記録紙を節約することができる。
【0021】
第5の態様は、受信した電子メールデータに文書定型メッセージがあるか否かを識別する文書定型メッセージ識別手段と、文書定型メッセージがある場合に前記受信データから画情報のみを抽出する抽出手段と、抽出した前記画情報をファクシミリデータにフォーマット変換する変換手段と、変換した前記ファクシミリデータを出力する出力手段とを具備する構成を採る。
【0022】
文書定型メッセージは、同種のファクシミリ型電子メール装置が電子メールデータを送信する場合にのみ文書情報に付加される特有のメッセージである。
【0023】
この構成により、同種のファクシミリ型電子メール装置からの受信の場合は、受信した電子メールデータ内に画情報の他に文書情報が含まれていたとしても、文書情報は、定型メッセージのみで、出力する必要性のないものであり、画情報のみを出力することで、通常のファクシミリ装置と同様な運用をさせることが可能となる。また、ヘッダ部を毎回出力しないことから記録紙の節約ができる。
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照してより具体的に説明する。
【0025】
図1は、本発明の画像通信装置の一実施の形態におけるファクシミリ型電子メール装置によりデータ通信を行う際のネットワーク構成図である。図1において、ファクシミリ型電子メール装置11またはパーソナルコンピュータ12から送られた電子メールは、インターネットを経由し、ファクシミリ型電子メール装置13へ送信される。インターネットを経由する間、電子メールの文書情報は、テキスト形式に変換される。この場合、ファクシミリ型電子メール装置で読み込んだ画情報もテキスト形式に変換され、文書情報の添付ファイルとして送受信される。ファクシミリ型電子メール装置13は、受信した電子メールをファクシミリデータにフォーマット変換し記録紙に出力する。
【0026】
次に、ファクシミリ型電子メール装置の基本構成について図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態におけるネットワークファクシミリ装置の基本構成を示すブロック図である。図2において、ネットワークファクシミリ装置は、データの認識や判別等の制御を行う制御ユニット21と、プログラムを格納するROM22と、プログラムのデータ領域として使用するRAM23と、データを電子メールで送受信する上で必要な手順を実行するインターフェイス部24と、受信したデータを一旦蓄積するデータ蓄積部25と、受信したデータのフォーマットを変換するフォーマット変換部26と、原稿の読取り及び受信データの出力を行うファクシミリ部27と、電話回線とLANとの間でデータを送受信する際に変調、復調処理を行うモデム28とを備えている。
【0027】
次に、制御ユニット21が有する機能について図3を用いて説明する。図3は本実施の形態におけるファクシミリ型電子メール装置の要部構成を示すブロック図である。
【0028】
制御ユニット21は、図3に示すように、受信し、蓄積した電子メールデータ(以下「受信データ」という)がエラーメールであるかどうかを識別するエラーメール識別部31と、受信データが送達確認メールであるかどうかを識別する送達確認メール識別部32と、受信データのデータ構成を認識するデータ構成認識部33と、文書情報に文書定型メッセージが含まれているかどうかを識別する文書定型メッセージ識別部34と、受信データから必要な情報を抽出する特定情報抽出部35と、抽出されたデータを編集するデータ編集部36とから主に構成されている。
【0029】
パーソナルコンピュータや他のファクシミリ型電子メール装置から送信された電子メールは、インターネットを経由して、インターフェイス部24に受信され、一旦データ蓄積部25に蓄積される。そして、電子メールの種類や構成等により、夫々以下に示す出力動作が実行される。
【0030】
第1に、受信データがエラーメールの場合の出力動作について説明する。
【0031】
受信データがエラーメールであるとの識別は、エラーメール識別部31において行われる。ここで、エラーメールは、通常の電子メールと同一の構成であり、受信したデータがエラーメールであるか、通常の電子メールなのかを構成のみから判断するのは困難である。よって、受信データとRAM23の送信データ記憶部37に記憶されている送信メールのデータとの照合により行われる。
【0032】
この照合におけるファクシミリ型電子メール装置からの送信メールの模式図を図4に、ファクシミリ型電子メール装置が受信したエラーメールの模式図を図5に夫々示す。
【0033】
図4に示すように、送信メールのヘッダ部には、[Mailer:Internet FAX]等の常に一定の定型メッセージ(以下、「ヘッダ定型メッセージ」という)が含まれる。また、ボディ部の文書情報には、[このメールにはTIFF形式の画像データが添付されています。]等の常に一定の定型メッセージ(以下、「文書定型メッセージ」という)が含まれる。更に、ボディ部のテキスト形式における画情報の最初の部分には、[SUqk…]等の常に一定の定型コード(以下、「画情報定型コード」という)が含まれる。
【0034】
また、図5に示すように、エラーメールのボディ部には、エラーに関する情報、送信メールのヘッダ部及びエラーになったメールのボディ部が含まれていて、この中に、ヘッダ定型メッセージ、文書定型メッセージ及び画情報定型コードも含まれている。
【0035】
エラーメール識別部31は、ヘッダ定型メッセージ、文書定型メッセージ及び画情報定型コードを夫々照合し、全て一致すれば、受信データがエラーメールであると識別する。
【0036】
そして、エラーメールと識別されれば、特定情報抽出部35で受信データからエラーに関する情報及びテキスト形式の元の原稿の画情報を抽出する。抽出されたデータは、フォーマット変換部26にてファクシミリデータに変換される。変換されたファクシミリデータはデータ編集部38で1頁内に納まるように編集され、編集されたデータはモデム28にて変調され、ファクシミリ部27から出力される。
【0037】
図6は、上記実施の形態におけるファクシミリ型電子メール装置から出力したエラーメールの模式図である。エラー情報と元の原稿を1頁に編集し、出力することにより、記録紙を無駄にせず、受信者はどの原稿がどのようなエラーにより送信失敗したかを知ることができる。
【0038】
第2に、受信データが送達確認メールの場合の出力動作について説明する。
【0039】
受信データが送達確認メールであるとの識別は、送達確認メール識別部32において、受信データの中にRAM23の送達確認メッセージテーブル38に記憶されている送達確認メッセージと同一のものが含まれているかにより行われる。
【0040】
図7は、上記実施の形態における送達確認メールの模式図である。図7に示すように、送達確認メールは、テキスト形式に変換されたヘッダ部とボディ部とからなり、ボディ部には、通信の成否に関する情報、元のメールのヘッダ部及び元のメールのボディ部からなる。
【0041】
しかし、送達確認メールは、通常の電子メールと同一の構成であり、受信したデータが送達確認メールであるか、通常の電子メールなのかを構成のみから判断するのは困難である。そこで、送達確認メールを送信する側において、[X-Confirmation:OK]等の受信したデータが送達確認メールであることを示す送達確認メッセージ(以下、「送達確認メッセージ」という)をヘッダ部に付加する。
【0042】
送達確認メール識別部32は、この送達確認メッセージを照合してRAM23の送達確認メッセージテーブル38に同一のものが含まれていれば、受信データは送達確認メールであると識別する。
【0043】
受信データが送達確認メールと識別されれば、特定情報抽出部35で受信データから送達の成否に関する情報及びテキスト形式の元の原稿の画情報を抽出する。抽出されたデータは、フォーマット変換部26にてファクシミリデータに変換させる。変換されたファクシミリデータはデータ編集部38で1頁内に納まるように編集され、編集されたデータは、モデム28にて変調され、ファクシミリ部27から出力される。
【0044】
図8は、上記実施の形態におけるファクシミリ型電子メール装置から出力した送達確認メールの模式図である。送達の成否に関する情報と元の原稿を1頁に編集し、出力することにより、記録紙を無駄にせず、受信者は各原稿の送達の成否を知ることができる。
【0045】
第3に、通常の電子メールを受信した場合の出力動作について説明する。
【0046】
まず、データ構成認識部33で受信データのデータ構成、例えばヘッダ情報、文書情報、画情報等による構成を認識する。
【0047】
そして、受信データに文書情報が含まれていなければ、ヘッダ部のみを後の画情報と別に出力するのは記録紙の無駄であるから、特定情報抽出部35でテキスト形式に変換された原稿の画情報のみを抽出する。抽出されたデータは、フォーマット変換部26にてファクシミリデータに変換される。変換されたファクシミリデータは、ファクシミリ部27より出力される。画情報のみを出力することにより、通常のファクシミリと同様な運用ができる。
【0048】
また、受信データに文書情報が含まれていれば、文書定型メッセージ識別部34で受信データの文集情報に文書定型メッセージが含まれているかどうかを識別する。
【0049】
ここで、ファクシミリ型電子メール装置は、画情報を電子メールにより送信する場合、画情報の前に画情報が添付されていることを知らせるメッセ-ジを文書として付加して送信する場合がある。このメッセ-ジは、送信する画情報に応じて変更させることは困難であるため、前述のような文書定型メッセージを用いる。この場合、文書情報は、文書定型メッセージのみで、出力する必要性のないものであるから、これを出力するのは記録紙の無駄である。
【0050】
よって、受信データの文集情報に文書定型メッセージが含まれていれば、特定情報抽出部35で画情報のみを抽出する。抽出されたデータは、フォーマット変換部26にてファクシミリデータに変換される。変換されたファクシミリデータは、ファクシミリ部27より出力される。画情報のみを出力することにより、通常のファクシミリと同様な運用ができる。
【0051】
一方、受信データの文集情報に文書定型メッセージが含まれていなければ、受信データの全てをフォーマット変換部26にて、ファクシミリデータに変換させる。変換されたファクシミリデータは、ファクシミリ部より出力される。
【0052】
次に、本実施の形態におけるファクシミリ型電子メール装置が受信したデータの出力動作の流れについて説明する。
【0053】
第1に、送信した内容が送達されず、本発明のファクシミリ型電子メール装置にエラーメールが送られてきた場合の出力動作の流れについて図9を用いて説明する。図9は、上記実施の形態におけるファクシミリ型電子メール装置からエラーメールを出力するフロー図である。
【0054】
まず、ファクシミリ型電子メール装置が、電子メールをインタフェース部24から受信し、データ蓄積部25に蓄積すると(ST901)、エラーメール識別部は、受信データと送信データ記憶部37に記憶されている送信データとの照合により、受信データ内に、ヘッダ定型メッセージがあるか否かを判別し(ST902)、ヘッダ定型メッセージがある場合には、文書定型メッセ-ジがあるか否かを判別し(ST903)、文書定型メッセージがある場合には、画情報定型コードがあるか否かを判別する(ST904)。
【0055】
受信データに、ヘッダ定型メッセージ、文書定型メッセ-ジ及び画情報定型コードのいずれかがない場合は、受信データは、エラーメールではないと判断する(ST905)。
【0056】
受信データに、ヘッダ定型メッセージ、文書定型メッセージ及び画情報定型コードのすべてがある場合は、受信データは、エラーメールと判断し、以下の処理を実行する。
【0057】
受信データ内のエラー情報をファクシミリデータに変換し(ST906)、テキスト形式に変換された元の原稿の画情報を、フォーマット変換部26にてファクシミリデータに変換し(ST907)、変換したエラー情報と元の原稿の画情報を記録紙1ページに合成し(ST908)、ファクシミリ部27より出力する(ST909)。
【0058】
第2に、送信内容が送達されて、本発明のファクシミリ型電子メール装置に送達確認メールが送られてきた場合の出力動作の流れについて図10を用いて説明する。図10は、上記実施の形態におけるファクシミリ型電子メール装置から送達確認メールを出力するフロー図である。
【0059】
まず、ファクシミリ型電子メール装置が、電子メールをインタフェース部24から受信し、データ蓄積部25に蓄積すると(ST1001)、送達確認メール認識部32は、受信データと送達確認メッセージテーブルに記憶されているデータを照合し、受信データ内に、送達確認メッセージがあるか否かを判別し(ST1002)、送達確認メッセージがない場合は、受信データは、送達確認メールではないと判断し(ST1003)、別の処理を実行する。
【0060】
受信データに、送達確認メッセージがある場合は、受信データは、送達確認メールと判断し、以下の処理を実行する。
【0061】
受信データの送達の成否に関する情報をフォーマット変換部26にてファクシミリデータに変換し(ST1004)、テキスト形式に変換された元の原稿の画情報をフォーマット変換部26にてファクシミリデータに変換し(ST1005)、変換した送達の成否に関する情報と元の原稿の画情報の一部を記録紙1ページに編集し(ST1006)、ファクシミリ部27より出力する(ST1007)。
【0062】
第3に、通常の電子メールを受信した場合、受信データの構成に応じて出力内容を変える出力動作の流れについて図11を用いて説明する。図11は、上記実施の形態におけるファクシミリ型電子メール装置で受信した電子メールを出力するフロー図である。
【0063】
まず、ファクシミリ型電子メール装置が、電子メールをインタフェース部24から受信し、データ蓄積部25に蓄積すると(ST1101)、受信データのボディ部内に文書情報があるか否かを判別する(ST1102)。文書情報がない場合は、受信データのヘッダ部を出力せず、画情報のみを出力する(ST1103)。
【0064】
文書情報がある場合には、文書情報の中に文書定型メッセージがあるか否かを判別する(ST1104)。文書定型メッセージがない場合は、受信データのすべてを出力する(ST1105)。
【0065】
また、文書定型メッセージがある場合は、受信データの内、ヘッダ部と文書情報とを出力せず、画情報のみを出力する(ST1103)。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、受信した電子メールデータの構成に応じて、受信したデータから必要な情報のみを抽出し、これらを編集し出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の画像通信装置の一実施の形態におけるファクシミリ型電子メール装置によりデータ通信を行う際のネットワーク構成図。
【図2】
本実施の形態におけるネットワークファクシミリ装置の基本構成を示すブロック図。
【図3】
本実施の形態におけるファクシミリ型電子メール装置の要部構成を示すブロック図。
【図4】
本実施の形態におけるファクシミリ型電子メール装置が送信する通常の電子メールの模式図。
【図5】
本実施の形態におけるファクシミリ型電子メール装置が受信するエラーメールの模式図。
【図6】
本実施の形態におけるファクシミリ型電子メール装置から出力したエラーメールの模式図。
【図7】
本実施の形態におけるファクシミリ型電子メール装置が受信する送達確認メールフォーマットの模式図。
【図8】
本実施の形態におけるファクシミリ型電子メール装置から出力した送達確認メールの模式図。
【図9】
本実施の形態におけるファクシミリ型電子メール装置からエラーメールを出力するフロー図。
【図10】
本実施の形態におけるファクシミリ型電子メール装置から送達確認メールを出力するフロー図。
【図11】
本実施の形態におけるファクシミリ型電子メール装置で電子メールを出力するフロー図。
【符号の説明】
11 ファクシミリ型電子メール装置
12 パーソナルコンピュータ
13 ファクシミリ型電子メール装置
21 制御ユニット
22 ROM
23 RAM
24 インターフェース部
25 データ蓄積部
26 フォーマット変換部
27 FAX部
28 モデム
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2005-02-24 
出願番号 特願平11-118647
審決分類 P 1 651・ 534- YA (G06F)
P 1 651・ 121- YA (G06F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 鳥居 稔  
特許庁審判長 吉村 宅衛
特許庁審判官 治田 義孝
内田 正和
登録日 2003-07-04 
登録番号 特許第3447611号(P3447611)
権利者 パナソニック コミュニケーションズ株式会社
発明の名称 ファクシミリ型電子メール装置およびファクシミリ型電子メール出力制御方法  
代理人 内藤 浩樹  
代理人 坂口 智康  
代理人 坂口 智康  
代理人 岩橋 文雄  
代理人 内藤 浩樹  
代理人 岩橋 文雄  

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