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審決分類 |
審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正しない H03H 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正しない H03H |
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管理番号 | 1125424 |
審判番号 | 訂正2005-39098 |
総通号数 | 72 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2002-07-26 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2005-06-14 |
確定日 | 2005-10-26 |
事件の表示 | 特許第3614369号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.請求の趣旨 本件審判の請求の趣旨は、特許第3614369号(平成13年1月11日特許出願、平成16年11月12日設定登録)の明細書を、明りょうでない記載の釈明を目的として、審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、すなわち、下記の(1)ないし(7)のとおり訂正することを求めるものである。 (1)特許請求の範囲の請求項1の「該圧電性基板の表面で、該帯域通過梯子型SAWフィルタを取り囲む領域に配置された共通端子」を「パッケージ上で、該帯域通過梯子型SAWフィルタを取り囲む領域に配置された共通端子」と訂正する。 (2)上記(1)の訂正と整合をとるため、明細書の段落【0025】の対応箇所を同様に訂正する。 (3)特許請求の範囲の請求項2の「圧電性基板の表面に設けられた前記帯域通過梯子型SAWフィルタと該表面に設けられた共通端子」を「圧電性基板の表面に設けられた前記帯域通過梯子型SAWフィルタとパッケージ上に設けられた共通端子」と訂正する。 (4)上記(3)の訂正と整合をとるため、明細書の段落【0025】の対応箇所を同様に訂正する。 (5)請求の範囲の請求項6の「該圧電性基板の表面で、該帯域通過梯子型SAWフィルタを取り囲む領域に配置された共通端子」を「パッケージ上で、該帯域通過梯子型SAWフィルタを取り囲む領域に配置された共通端子」と訂正する。 (6)上記(5)の訂正と整合をとるため、請求項6を引用する請求項9の「パッケージ」を「前記パッケージ」と訂正する。 (7)上記(5)の訂正と整合をとるため、明細書の段落【0025】の対応箇所を同様に訂正する。 2.訂正拒絶理由 これに対し、平成17年7月7日付けで通知した訂正の拒絶の理由は、「本件訂正は、特許法126条1項3号に規定する明りょうでない記載の釈明を目的する訂正に該当せず、ないしは、実質上特許請求の範囲を変更するものであって特許法126条4項に規定する要件を満たさないから、本件訂正審判の請求は拒絶をすべきものである。」というものである。 なお、この訂正拒絶理由の通知に対して、審判請求人からは、指定期間内の応答がなされなかった。 3.訂正の可否の判断 以下に、本件の審判請求に係る訂正事項について、訂正の可否を検討する。 訂正の対象とされている「該圧電性基板の表面」、「該表面」という文言は、特許明細書の独立請求項である請求項1、6において一貫して用いられている。しかも、請求項1、6中に先行して記載された「圧電性基板」を受けて「該圧電性基板の表面」と記載されている。確かに、本件特許発明の実装例の平面図である図11、図17、図19では、「共通端子」GNDはパッケージ上に設けられている。しかしながら、本件特許明細書の発明の詳細な説明においては、「共通端子」をパッケージ上に設けることや、その技術意義については何ら触れられていないし、「共通端子」が「圧電性基板」に設けられていても、技術的な矛盾は生じない。 むしろ、本件特許明細書の段落【0109】には、「図19の実装例では二端子対回路内に存在する複数のインダクタンスのうち一部が電極パターンで構成されている例を示しているが、二端子対回路内に存在する複数のインダクタンスの全部を電極パターンで構成するようにしてもよいことは当然である。」と記載されており、全部を電極パターンで構成した場合、共通端子がパッケージ上にあると、パッケージと圧電性基板との間で断線が生じるおそれがあるから、共通端子を圧電性基板上に設けることにも意義があると読める。 そうすると、特許明細書の特許請求の範囲において、明確に「圧電性基板の表面」と記載されおり、この記載で技術的に矛盾がない以上、特許明細書に接した当業者は、請求項1、6における「圧電性基板の表面」は字義通り圧電性基板の表面と理解するものと考えられ、これが別のものである「パッケージ」のことを意味すると理解するものとはいえない。 しがたって、請求項1、6において、「該圧電性基板の表面」を「パッケージ」とする訂正は、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当しない。 仮に、上記の訂正事項が、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当したとしても、上に述べたように「圧電性基板の表面」という記載で技術的な矛盾は生じないところ、「圧電性基板の表面」と「パッケージ」とは別のものであり、「パッケージ」と訂正することによって発明の範囲が変更されることになるから、この訂正は、実質上特許請求の範囲を変更する訂正に該当し、特許法126条4項の規定の要件を満たさず、当該訂正の審判請求を認容することができない。 4.むすび 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法126条1項3号に規定する明りょうでない記載の釈明を目的する訂正に該当せず、ないしは、実質上特許請求の範囲を変更するものであって特許法126条4項に規定する要件を満たさない。 よって結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2005-08-30 |
結審通知日 | 2005-09-01 |
審決日 | 2005-09-13 |
出願番号 | 特願2001-3488(P2001-3488) |
審決分類 |
P
1
41・
855-
Z
(H03H)
P 1 41・ 851- Z (H03H) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 高木 進 |
特許庁審判長 |
相田 義明 |
特許庁審判官 |
治田 義孝 竹井 文雄 |
登録日 | 2004-11-12 |
登録番号 | 特許第3614369号(P3614369) |
発明の名称 | 有極型SAWフィルタ |
代理人 | 大西 健治 |