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審決分類 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 F24F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F24F
管理番号 1132394
審判番号 不服2005-6158  
総通号数 76 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2003-06-06 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-04-07 
確定日 2006-03-09 
事件の表示 特願2001-358801「浴室暖房乾燥機」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 6月 6日出願公開、特開2003-161485〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成13年11月26日の出願であって、平成17年3月1日付で拒絶査定がなされ、これに対し、平成17年4月7日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年4月26日付で手続補正がなされたものである。

2.平成17年4月26日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成17年4月26日付の手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
本件補正は、補正前の明細書(平成17年1月31日付の手続補正で補正された明細書)の特許請求の範囲の請求項1、2に記載された、
「【請求項1】 浴室内の空気を吸入する送風機と、この吸入した空気を熱交換する熱交換器と、前記送風機および熱交換器の制御部とを備え、前記熱交換した空気を前記送風機で前記浴室内に吹き出す浴室暖房部と、4面の側壁を有する箱型のケーシングに1つの吹出口と複数の吸込口を有し、前記ケーシングの内部に1個の換気ファンを設け、前記換気ファンの排出通路に前記吹出口が連通した換気部とを備え、前記浴室暖房部の側壁に形成した連通口と前記ケーシングの第3の側壁に形成した吸込口とを連通して、前記浴室暖房部の側壁と前記ケーシングの第3の側壁が連結された浴室暖房乾燥機であって、前記ケーシングの第3の側壁がまたがり相対する第1の側壁と第2の側壁のうち、前記第1の側壁に前記吹出口を1個形成するとともに、前記浴室を挟んで配された間取りの脱衣室とトイレとにダクトを介して連結される吸込口を、前記第1の側壁と前記第2の側壁にそれぞれ1個設け、前記浴室暖房部を前記浴室側に、前記換気部を点検口側にして設置されることを特徴とする浴室暖房乾燥機。
【請求項2】 第3の側壁に形成した吸込口に風量を調節するダンパを設けたことを特徴とする請求項1記載の浴室暖房乾燥機。」
を、
「【請求項1】 浴室内の空気を吸入する送風機と、この吸入した空気を熱交換する熱交換器と、前記送風機および熱交換器の制御部とを備え、前記熱交換した空気を前記送風機で前記浴室内に吹き出す浴室暖房部と、4面の側壁を有する箱型のケーシングに1つの吹出口と複数の吸込口を有し、前記ケーシングの内部に1個の換気ファンを設け、前記換気ファンの排出通路に前記吹出口が連通した換気部とを備え、前記浴室暖房部の側壁に形成した連通口と前記ケーシングの第3の側壁に形成した吸込口とを連通して、前記浴室暖房部の側壁と前記ケーシングの第3の側壁が連結された浴室暖房乾燥機であって、前記ケーシングの第3の側壁がまたがり相対する第1の側壁と第2の側壁のうち、前記第1の側壁に前記吹出口を1個形成するとともに、前記浴室を挟んで配された間取りの脱衣室とトイレとにダクトを介して連結される吸込口を、前記第1の側壁と前記第2の側壁にそれぞれ1個設け、前記浴室暖房部を前記浴室側に、前記換気部を点検口側にして設置されることを特徴とする浴室暖房乾燥機の設置方法。
【請求項2】 第3の側壁に形成した吸込口に風量を調節するダンパを設けたことを特徴とする請求項1記載の浴室暖房乾燥機の設置方法。」
と補正するものである。

上記補正は、補正前の請求項1、2が「浴室暖房乾燥機」であるのに対して、補正後の請求項1、2は、「浴室暖房乾燥機の設置方法」であって、補正前後で各発明のカテゴリーが相違しており、請求項1、2についての補正は、特許請求の範囲を変更するものであって限定的減縮を目的とするものでないことは明らかである。
また、上記補正は、請求項の削除、明りょうでない記載の釈明および誤記の訂正のいずれをも目的とするものでない。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第4項の規定に違反するものであるから、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
平成17年4月26日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成17年1月31日付の手続補正で補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された上記のとおりのものである。

(1)引用文献
本願の出願前国内において頒布され、原審の拒絶理由に引用された特開2000-346382号公報(以下、「引用文献1」という。)には、次の事項が図面とともに記載されている。

・「【0014】・・・・・図1ないし図5に示すように、換気機能付き浴室乾燥装置には、浴室BRの天井部に設置されて浴室BRの乾燥や暖房を行う浴室乾燥ユニット(装置本体に相当する)M2と、その浴室乾燥ユニットM2の横側部に当て付けた状態で、ボルト式の締め付け手段C1により、浴室乾燥ユニットM2の横側部に片持ち状に取り付けられて、浴室BR、トイレTR及び脱衣室DRを換気する換気ユニット(換気部に相当する)M1を備えてある。
【0015】・・・・・ユニットバスUbの天井部には、浴室乾燥装置を取り付けるための取り付け用開口部K1と、浴室乾燥装置を点検するための点検用開口部K2を形成してあり、点検用開口部K2は、通常は、開閉自在な蓋体Dにて閉じられている。・・・・・
【0016】図1、図5及び図7に示すように、浴室乾燥ユニットM2は、下方側が開口し、一側面に換気空気排出用の排気用接続口2を備えたケーシング1と、吸込み部3及び吹出し部4を備えてケーシング1の下方側を閉じるように配置されるグリル板5を備えている。ケーシング1内部には、吸込み部3と吹出し部4とを接続する循環風路6を区画形成し、排気用連通口2は、吸込み部3から吹出し部4に至る循環風路6の経路の途中で、循環風路6に連通するように形成してある。循環風路6の内部に、吸込み部3に吸気作用すると共に、吸込み空気を吹出し部4及び排気用連通口2に送るように通風作用する循環用ファン7と、循環風路6を通流する空気を加熱する熱交換器8を設けてある。熱交換器8には、外部熱源機(図示せず)から温水を循環供給するための温水循環路9を接続すると共に、その温水循環路9には、熱交換器8への温水の供給を断続する熱動弁10を設けてある。
【0017】図1、図5及び図9に示すように、換気ユニットM1は、上方が開口したU字状の下枠13、その下枠13に対して着脱自在に構成された天板14、及び、下枠13と天板14にて形成される一方の開口部を閉じる状態に、シール材35を介在させた状態でビスにて取り付けられる背板16等にて構成する換気用ファンケーシング17を備えている。換気用ファンケーシング17を構成する下枠13の一方の側面に2個の他室用吸気口19を設け、他方の側面に排気口21を設けてある。換気用ファン24を、換気用ファンケーシング17を構成する天板14に取り付けることにより、換気用ファンケーシング17内に収納して、換気用ファン24を換気用ファンケーシング17内に吸気作用させ、更に、吸引空気を排気口21から排出するように、換気用ファン24の吐出口を排気口21に接続してある。
【0018】詳細は後述するが、浴室用吸気口23を設けた接続板15を、その浴室用吸気口23が浴室乾燥ユニットM2のケーシング1に設けた排気用接続口2に重なって連通する状態で、浴室乾燥ユニットM2に取り付け、換気用ファンケーシング17を、背板16を取り付けた側とは反対側を接続板15に当て付けた状態で、ボルト式の締め付け手段C1により、浴室乾燥ユニットM2の横側部に片持ち状態で取り付ける。
・・・・・
【0020】・・・・・各他室用吸気口19には、筒状のダクト接続部20を介して、脱衣室DR及びトイレTR夫々に接続される吸気ダクト37を接続し、排気口21には、筒状のダクト接続部22を介して、屋外に延設される排気ダクト38を接続し、もって、浴室乾燥ユニットM2を介して浴室BRを換気すると共に、吸気ダクト37を通じて、脱衣室DR及びトイレTRを換気するように構成してある。」

・「【0032】上述のように構成した浴室乾燥装置は、リモコン(図示せず)からの指令に基づく制御装置(図示せず)による制御によって、浴室BRを乾燥する乾燥モード、浴室BRの空気を循環させる涼風モード、浴室BRを暖房する暖房モードに加えて、浴室BR、脱衣室DR及びトイレTRを通常換気量にて換気する通常換気モード、浴室BRの換気を停止した状態で脱衣室DR及びトイレTRを前記通常換気量にて換気する浴室切状態の通常換気モード、浴室BR、脱衣室DR及びトイレTRを通常換気量よりも少ない少換気量にて換気する24時間換気モード、浴室BRの換気を停止した状態で脱衣室DR及びトイレTRを前記少換気量にて換気する浴室切状態の24時間換気モード等の実行が可能なように構成してある。」

上記記載及び図面によれば、接続板15は、換気ユニットM1を浴室乾燥ユニットM2に取り付けた状態において、換気用ファンケーシング17の4面の側壁のうちの1つを構成するから、引用文献1には、つぎの発明(以下、「引用例発明」という。)が記載されている。

「浴室内の空気を吸入する循環用ファン7と、この吸入した空気を熱交換する熱交換器8と、前記循環用ファンおよび熱交換器の制御装置とを備え、前記熱交換した空気を前記循環用ファンで前記浴室内に吹き出す浴室乾燥ユニットM2と、4面の側壁を有する箱型の換気用ファンケーシング17に1つの排気口21と複数の他室用吸気口19を有し、前記換気用ファンケーシングの内部に1個の換気用ファン24を設け、前記換気用ファンの排出通路に前記排気口が連通した換気ユニットM1とを備え、前記浴室乾燥ユニットの側壁に形成した排気用連通口2と前記換気用ファンケーシングの側壁となる接続板15に形成した浴室用吸気口23とを連通して、前記浴室乾燥ユニットの側壁と前記換気用ファンケーシングの側壁となる接続板が連結された換気機能付き浴室乾燥装置であって、前記ケーシングの側壁となる接続板がまたがり相対する側壁のうち、一方の側壁に脱衣室とトイレとにそれぞれ吸気ダクト37を介して連結される2個の他室用吸気口19を形成するとともに、他方の側壁に排気口21を1個設け、前記浴室乾燥ユニットを前記浴室側に、前記換気ユニットを点検用開口部K2側にして設置されることを特徴とする換気機能付き浴室乾燥装置。」

同じく、本願の出願前国内において頒布され、原審の拒絶理由に引用された特開2001-108273号公報(以下、「引用文献2」という。)には、次の事項が図面とともに記載されている。

・「【0029】図1に示すように、浴室換気装置は、浴室Aの天井10裏に設置されており、装置本体1の側面に設けた第1吸気口8が、トイレCの天井にトイレC内を臨むように開口して設けられたトイレ用吸込口17と吸気ダクト24を介して接続されている。同様に、本体1の側面に設けた第3吸気口23が、洗面所Bの天井に洗面所B内を臨むように開口して設けられた洗面所用吸込口15と吸気ダクト25を介して接続されている。
【0030】また、本体1の他側面に設けた第1排気口31が、屋外に連通する排気ダクト40に接続されおり、更に、洗面所B内及びトイレC外の適所には、浴室A、洗面所B、トイレCの換気運転のオン・オフ等を制御する遠隔操作部(以下リモコンという)41、43が備えられ、信号線45、47により本体1の制御部(図示せず)に接続されている。
【0031】図2に示すように、本体1は天井10の開口20を介して設けられており、その下部には浴室A内に臨んで化粧パネル11が設けられている。また、本体1内部には、その上部に、第1吸気口8から第1排気口31に至る第1の排気風路18が形成されており、第1送風ファン12と第1モータ2とからなる第1送風機3が備えられている。また、第1の排気風路18の第1排気口31近傍には、第1の排気風路18を開閉する開閉手段であるシャッター60が設けられている。
【0032】更に、本体1内部には、その下部に、第3吸気口23及び化粧パネル11に開口した第2吸気口9から第1排気口31に至る第2の排気風路19が形成されており、第2の排気風路19には、第2送風ファン13と第2モータ4とからなる第2送風機5が備えられている。
【0033】また、第2の排気風路19とは別に、化粧パネル11に開口した第4吸気口21から化粧パネル11に開口した吹出し口51に至る循環風路22を形成しており、循環風路22には、第3送風ファン14と第3モータ6とからなる第3送風機7及び吹出し口51近傍に加熱手段であるヒーター50を配設している。
【0034】尚、図3に示すように、第1排気口31とは別の本体1側面に、第2排気口32を設けて、第1、第2排気口31、32のいずれかを選択して排気ダクト40と接続するようにしてもよく(使用しない排気口は塞ぎ部材等により蓋をする)、このように構成すれば、設置現場のレイアウトに応じた配管工事が可能になり、配管施工を簡単に行うことができる。また、第1吸気口8の他に、本体1側面に第1の排気風路18に連通する第7吸気口28を設けたり、第3吸気口23の他に、本体1側面に第2の排気風路19に連通する第5吸気口26、第6吸気口27を設けて、設置現場のレイアウトに応じて、例えば、第7吸気口28には吸気ダクト24を、第5吸気口26には吸気ダクト25を接続するようにしてもよく(使用しない吸気口は塞ぎ部材等により蓋をする)、このようにすれば、配管施工を簡単に行うことができる。または、第1吸気口8に吸気ダクト24を接続するとともに第7吸気口28にトイレC以外の部屋に連通した吸気ダクトに接続したり、第3吸気口23に吸気ダクト25を接続するとともに第5吸気口26、第6吸気口27に洗面所B以外の部屋に連通した吸気ダクトに接続して、居室全体を換気するようにしてもよい。」

(2)対比・判断
本願発明と引用例発明とを対比すると、引用例発明の「循環用ファン7」は、本願発明の「送風機」に相当し、同様に、「制御装置」は「制御部」に、「浴室乾燥ユニットM2」は「浴室暖房部」に、「換気用ファンケーシング17」は「ケーシング」に、「排気口21」は「吹出口」に、「他室用吸気口19」は「吸込口」に、「換気用ファン24」は「換気ファン」に、「換気ユニットM1」は「換気部」に、「排気用連通口2」は「連通口」に、「接続板15」は「ケーシングの第3の側壁」に、「浴室用吸気口23」は「第3の側壁に形成した吸込口」に、「換気機能付き浴室乾燥装置」は「浴室暖房乾燥機」に、「他方の側壁」は「第1の側壁」に、「一方の側壁」は「第2の側壁」に、「吸気ダクト37」は「ダクト」に、「点検用開口部K2」は「点検口」に、それぞれ相当するから、
両者は、
「浴室内の空気を吸入する送風機と、この吸入した空気を熱交換する熱交換器と、前記送風機および熱交換器の制御部とを備え、前記熱交換した空気を前記送風機で前記浴室内に吹き出す浴室暖房部と、4面の側壁を有する箱型のケーシングに1つの吹出口と複数の吸込口を有し、前記ケーシングの内部に1個の換気ファンを設け、前記換気ファンの排出通路に前記吹出口が連通した換気部とを備え、前記浴室暖房部の側壁に形成した連通口と前記ケーシングの第3の側壁に形成した吸込口とを連通して、前記浴室暖房部の側壁と前記ケーシングの第3の側壁が連結された浴室暖房乾燥機であって、前記ケーシングの第3の側壁がまたがり相対する第1の側壁と第2の側壁に、1個の吹出口と脱衣室とトイレにダクトを介して連結される2個の吸込口を設け、前記浴室暖房部を前記浴室側に、前記換気部を点検口側にして設置されることを特徴とする浴室暖房乾燥機。」
である点で一致し、次の点で相違している。

[相違点]本願発明は、第1の側壁に吹出口を1個形成するとともに、浴室を挟んで配された間取りの脱衣室とトイレとに連結される吸込口を、第1の側壁と第2の側壁にそれぞれ1個設けたのに対して、引用例発明は、第1の側壁に吹出口を1個形成しているものの、脱衣室とトイレが浴室に対してどのように配置されているのか限定がなく、また、脱衣室とトイレとに連結される2個の吸込口の両者とも、第2の側壁に設けた点。

上記相違点について検討すると、浴室、脱衣室、洗面所、トイレ等の室をサニタリゾーンとして集中配置することは一般的に行われていることであり、しかも、そのレイアウトは、浴室を挟んで脱衣室とトイレを設ける配置を含めて種々考えられることは、当業者にとって明らかであるし、引用文献2には、サニタリーゾーンや他の室を換気する浴室換気装置において、箱形のケーシングの4面の側壁のすべてに吸気口を、また、隣接する2面の側壁に排気口を設け、設置現場のレイアウトに応じて、使用する吸気口、排気口を選択し得るようにしたものが示されているから、引用例発明において、脱衣室とトイレを浴室を挟んで配置した建物に適用すべく、第2の側壁に設けた2個の吸込口のうちの1個を第1の側壁に設けて本願発明の構成とすることは当業者が容易に想到し得たことである。

そして、本願発明の効果は、引用文献1、2に記載された発明から予測し得る程度のものであって、格別のものではない。

なお、審判請求人は、請求の理由において、引用文献2に記載の浴室換気装置は、「箱型のケーシングの一側面に吸込口を形成し、この一側面がまたがり相対する2つの側面の一方に排気口と吸気口を、もう一方に吸込口を形成した構成」において、本願請求項1の発明と一見類似しているが、当該浴室換気装置は、複数の部屋を換気するにあたり、換気する各部屋に対する排気風路を独立して形成し、それぞれの排気風路にファンを配設し、それらのファンをそれぞれ単独のモータにより駆動するという点で、ケーシングの内部に1個の換気ファンを設け、換気ファンの排出通路に吹出口が連通した換気部を備えた本願請求項1の発明とは相違しており、したがって、配管されるダクトの方向を考慮して、複数の吸気口からダクトに連結される吸気口を選択する場合、相対する側面に設けられた複数の吸気口の間での選択は、選択されたそれぞれの場合において排気風路が独立して異なったものとなってしまい、換気性能が同一とならず、このような選択は実質上あり得ないものである旨主張している。
しかしながら、引用文献2に記載の浴室換気装置において、例えば、第2の排気風路19には、図3において下側の側壁に2個の吸気口(第3吸気口23、第5吸気口26)を、右側の側壁に1個の吸気口(第6吸気口27)を設け、部屋のレイアウトに応じ、使用する吸気口を適宜選択し得るようにしたものが記載されており、しかも、例えば、該排気風路19において、複数の吸気口を1つの側壁に設けるか、隣接する2つの側壁に設けるか、対向する2つの側壁に設けるか、あるいはその他の側壁にも設けるかは、設置現場のレイアウトあるいは換気する部屋数に応じて適宜選択し得る事項であるから、審判請求人の上記主張は採用できない。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用文献1、2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-01-04 
結審通知日 2006-01-10 
審決日 2006-01-24 
出願番号 特願2001-358801(P2001-358801)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F24F)
P 1 8・ 572- Z (F24F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大熊 雄治石川 好文  
特許庁審判長 水谷 万司
特許庁審判官 東 勝之
原 慧
発明の名称 浴室暖房乾燥機  
代理人 岩橋 文雄  
代理人 永野 大介  
代理人 内藤 浩樹  

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