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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F21V
管理番号 1139008
審判番号 不服2003-23808  
総通号数 80 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2002-05-17 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-12-09 
確定日 2006-06-28 
事件の表示 特願2000-332217「天井直付け照明器具の取付装置」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 5月17日出願公開、特開2002-140922号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成12年10月31日の出願であって、その請求項1に係る発明は、願書に添付された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものと認める。(以下、「本願発明」という。)

「天井に装着可能なアダプタ本体に、照明器具本体と着脱自在に係合する一対の係止部材を出没自在に、且つ、突出方向に付勢して設けると共に、前記係止部材に係合して該係止部材の没入を規制するロック位置と、前記係止部材から離脱したロック解除位置との間を移動可能なロック部材を設けた天井直付け照明器具の取付装置において、一対の解除突片を離間する方向に移動することによって係止部材をアダプタ本体に没入させるようにし、一方の係止部材及び他方の係止部材に前記アダプタ本体内部において対向する対向面をそれぞれ形成し、ロック部材をこれら対向面間に進入・退避可能にしたことを特徴とする天井直付け照明器具の取付装置。」

2.引用刊行物に記載された発明
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用した、(特開平11-213745号公報(以下、「引用例1」という。)、及び特開平9-134610号公報(以下、「引用例2」という。)には、それぞれ図面とともに次の事項が記載されている。

2-1.引用例1に記載された発明
(a)「【0019】図1は、本実施形態の天井直付け照明器具取付装置(以下、照明器具取付装置という)の一実施形態を示す分解斜視図である。照明器具取付装置1は、概略として、引掛シーリング2に引っ掛ける一対の栓刃3,3を上面に有する上アダプタ4と、器具本体5側に配備されると共に、上アダプタ4に対して着脱自在に嵌合係止されるスペーサ6とにより構成される。
【0020】引掛シーリング2は、天井面に対して取り付けられる従来公知のものであって、シーリングベース7の下面に、中心回りに一対の弧状の栓刃挿入口8,8が設けられ、各栓刃挿入口8は、時計回りの回転方向における始端に幅広部9が形成され、幅広部9に連続して終端まで幅狭部10が形成されている。また、各栓刃挿入口8,8の幅狭部10,10の奥方の内側裏面には、栓刃受け部(図示せず)が設けられると共に、栓刃受け部に屋内配線と接続された導電性の接続端子板(図示せず)が配設されている。
【0021】図2は、上アダプタ4を上面側から眺めて示す斜視図であり、図3は、上アダプタ4を下面側から眺めて示す斜視図である。
【0022】図2に示すように、上アダプタ4は、略円筒状をなし、その上面には、一対の栓刃3,3が同一円周上に互いに向かい合って配置されると共に、引掛シーリング2に対する上アダプタ4の取り外し方向の回動(反時計方向の回動)を阻止するロック爪11が栓刃3,3と同一円周上に出没自在に配設される共に、上アダプタ4の取り外し回動方向において栓刃3,3の一方よりも上流側に配置されている。
【0023】上アダプタ4の側部の周面には、上アダプタ4と係合するスペーサ6の係止受部(図示せず)に対して着脱可能に係合する係止爪13a,13bが径方向の左右にそれぞれ出没自在に配設され、係止爪13a,13bと略90度をなす位置に、ロック爪11を上アダプタ4の上面から没入させるために押し込み操作されるロック解除釦12が配設されている。なお、左右の係止爪13a,13bは、後述する左右の係止部材14,14の先端にそれぞれ一体に形成されている。
【0024】上アダプタ4の下面には、図3に示すように、左右の係止爪13a,13bをそれぞれ上アダプタ4の周面に没入させるために径方向にそれぞれ摺動操作される解除突片15a,15bが一直線上に並んでそれぞれ配設され、左右の解除突片15a,15bが同時に摺動操作可能なロック解除位置と、左右の解除突片15a,15bが同時に摺動操作不可能なロック位置との間で回動操作されるロックレバー16が上アダプタ4の下面に交差する方向に回動自在に設けられている。なお、左右の解除突片15a,15bは、後述する左右の係止部材14a,14bの下面にそれぞれ一体に形成されている。」(段落0019-0024)

(b)「【0033】左右の係止部材14a,14bは、前部に平面視で円弧凸状の係止爪13a,13bがそれぞれ形成され、収納部21の左側に配置される係止部材14aの後部は、右側を切り欠いて退避用欠切部33aが形成されると共に各後部の左側に延出部34aが形成され、収納部21の右側に配置される係止部材14bの後部は、左側を切り欠いて退避用欠切部33bが形成されると共に各後部の右側に延出部34bが形成され、各延出部33a,33bの後端下面には解除突片15a,15bがそれぞれ突設されている。また、左右の係止部材14a,14bの中央には、各係止爪13a,13bをアダプタベース17の両側部からそれぞれ突出した状態に付勢する付勢バネ収納用の角孔35a,35bがそれぞれ設けられている。」(段落0033)

(c)「【0040】ロックレバー16は、線状金を折曲して形成されており、先端に矩形状に折曲して形成した指掛部47が設けられ、中間から先端までを解除突片15a,15bの前後方向の厚み程度の幅に平行に形成したロック部48が設けられ、基端には両側をそれぞれ外側に向けて折曲した支軸部49,49が設けられており、支軸部49,49がそれぞれ支軸孔46,46に挿入されて軸支されている。」(段落0040)

(d)「【0056】次に、器具本体5の上アダプタ4に対する取り付けについて説明する。まず、図3に示すように、上アダプタ4のロックレバー16の手掛部4を下方に引き、解除突片15a,15bに対する係合を離脱させた状態、即ち、ロック解除位置とする。」(段落0056)

(e)「【0059】図6乃至図9に示すように、左右の係止部材14a,14bは、矢印A方向で示すアダプタベース17の中心方向に向けて互いに接近移動し、左側の係止部材14aの延出部34aが右側の係止部材14bの退避用欠切部33bに入り込むと共に、右側の係止部材14bの延出部34bが左側の係止部材14aの退避用欠切部33aに入り込んでいき,両係止部材14a,14bの延出部34a,34bの各端面が、両係止部材14a,14bの退避用欠切部33a,33bの各端面にそれぞれ突き当たると、両係止部材14a,14bの摺動が規制されると共に、左右の係止部材14a,14bの係止爪13a,13bがアダプタベース17の爪出入口22a,22bにそれぞれ没入する(図8参照)。」(段落0059)

(f)「【0061】次いで、図15に示すように、上アダプタ4の下面のロックレバー16を上アダプタ4の下面に向けて回動し、ロックレバー16のロック部48内に各解除突片15a,15bを挿入し、解除突片15bの一側面に突設されたレバー係止部38にロック部48を押し込んで係合し、ロックレバー16のロック部48で左右の係止部材14a,14bの摺動を不可能にロックする。これにより、上アダプタ4から器具本体5が不測に外れるのを防止することができる(図16参照)。」(段落0061)

(g)「【0064】器具本体5を取り外す場合には、上アダプタ4のロックレバー16を回動してロック解除位置にした後、器具本体5を両手で支え、右手の親指を左側の係止爪13aに対応する解除突片15aに掛け、左手の親指を右側の係止爪13bに対応する解除突片15bに掛け、それぞれ径方向外側に摺動操作する(図6参照)。
【0065】左右の係止部材14a,14bは、矢印A方向で示すアダプタベース17の中心方向に向けて互いに接近移動し、左側の係止部材14aの延出部34aが右側の係止部材14bの退避用欠切部33bに入り込むと共に、右側の係止部材14bの延出部34bが左側の係止部材14aの退避用欠切部33aに入り込んでいき,両係止部材14a,14bの延出部34a,34bの各端面が、両係止部材14a,14bの退避用欠切部33a,33bの各端面にそれぞれ突き当たると、両係止部材14a,14bの摺動が規制されると共に、左右の係止部材14a,14bの係止爪13a,13bがアダプタベース17の爪出入口22a,22bにそれぞれ没入する(図7参照)。」(段落0064-0065)

(h) 上記記載事項(e)及び(g)の記載によると、解除突片15a,15bを「それぞれ径方向外側に摺動操作する」と、「左右の係止部材14a,14bは、矢印A方向で示すアダプタベース17の中心方向に向けて互いに接近移動」するのだから、引用例1に記載の天井直付け照明器具取付装置1は、「解除突片15a及び解除突片15bを互いに離間する方向に移動することによって係止部材14a,14bを上アダプタ4に没入させるようにし」た構成を備えているといえる。
また、上記記載事項(e)及び(g)の、「両係止部材14a,14bの延出部34a,34bの各端面が、両係止部材14a,14bの退避用欠切部33a,33bの各端面にそれぞれ突き当たると、両係止部材14a,14bの摺動が規制される」という記載、並びに図4〜9の図示内容から、係止部材14a,14bの延出部34a,34bの「各端面」及び退避用欠切部33a,33bの「各端面」はそれぞれ、上アダプタ4内部においてお互いに対向する面であることは明らかである。
したがって、引用例1に記載の係止部材14a,14bは、「上アダプタ4内部において対向する対向面」をそれぞれ備えているといえる。
そして、引用例1に記載された天井直付け照明器具取付装置1は、上記解除突片15a,15bが互いに離間する方向に移動することによって、上記係止部材14a,14bに形成された、上アダプタ4内部において対向する対向面が、近接する方向に移動して、その結果、係止部材14a,14bが上アダプタ4に没入する機構を備えているものであることは明らかである。(以下、これらをまとめて、「引用例1に記載された事項(h)」という。)

そこで、上記引用例1の記載事項(a)ないし(h)を総合すると、引用例1には以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されているといえる。
「天井に装着可能な上アダプタ4に、器具本体5と着脱自在に係合する一対の係止部材14a,14bを出没自在に、且つ、突出方向に付勢して設けると共に、前記係止部材14a,14bに係合して 該係止部材14a,14bの没入を規制するロック位置と、前記係止部材14a,14bから離脱したロック解除位置との間を移動可能なロックレバー16を設けた天井直付け照明器具取付装置1において、
一対の解除突片15a,15bを離間する方向に移動することによって、
係止部材14a,14bに形成された、上アダプタ4内部において対向する対向する対向面が、近接する方向に移動して、
係止部材14a,14bを上アダプタ4に没入させるようにし、
ロックレバー16を、解除突片15a,15bに挿入・離脱可能にした、天井直付け照明器具取付装置1。」

2-2.引用例2に記載された発明
(i)「【0017】・・・図1は、本発明の第1の実施形態の下アダプタを適用した天井直付け照明器具取付装置(以下、単に照明器具取付装置という)を示す分解斜視図である。照明器具取付装置1は、天井面7に止着された引掛シーリング2に引っ掛ける一対の栓刃3,3を上面に有する上アダプタ4及び上アダプタ4に対して係脱自在に取り付けられる下アダプタ5により構成されている。また、下アダプタ5は器具本体6に支持されており、器具本体6は、引掛シーリング2に取り付けられた上アダプタ4に対して下アダプタ5を係止させることにより、上アダプタ4に取り付けられる。」(段落0017)

(j)「【0066】・・・下アダプタ5は、図1に示すように、器具本体6に重合される取付板82と、取付板82の下面に装着された下アダプタベース83とを備えている。図8に示すように、器具本体6の中央部、取付板82及び下アダプタベース83の中央には、上アダプタ4の取付用枠体13よりも僅かに大の角形の嵌合孔84が設けられている。」(段落0066)

(k)「【0074】また、図14において、左方の張出部86aの上面の外縁と上側にあたる一側縁との隅と、右方の張出部86bの上面の外縁と下側にあたる他側縁との隅とには、ロックつまみ104,104がそれぞれ左右の張出部86a,86bの各外縁に沿ってロック解除位置とロック位置との間でそれぞれ切換移動自在に設けられている。なお、ロックつまみ104の各々は、図17に示すように、上部に下アダプタベース83の収納部87内に臨むロック部105と、下部に張出部86の下面に露出して配置される操作板部106とを一体に備える。
【0075】また、ロックつまみ104は、ロック解除位置にあっては、図17に示すように、そのロック部105が下アダプタベース83の収納部87の後部において、係止部材92の後部一側に設けた角形の切欠部94を後方から臨む位置に配置され、ロック位置にあっては、図19に示すように、そのロック部105が下アダプタベース83の収納部87の後部において、係止部材92の後端面92aに当接する位置に配置される。」(段落0074-0075)

(l)「【0077】器具本体6の上アダプタ4に対する取り付けは、器具本体6に装着されている下アダプタ5を上アダプタ4に対して係止させることにより行われる。なお、下アダプタ5の左右の張出部86a,86bに設けられたロックつまみ104,104の操作板部106,106を図17に示すロック解除位置に移動しておく。
【0078】下アダプタ5の中央の角形の嵌合孔84に上アダプタ4の角形の取付用枠体13を一致させ、器具本体6を押し上げると、・・・下アダプタ5の嵌合孔84に突出されていた係止爪93が係止爪用通孔90内に没入する。この時、ロックつまみ104のロック部105は、係止部材92の後端面92aに干渉しない係止部材92の後部一側に設けた角形の切欠部94に入り込み、下アダプタ5の嵌合孔84に上アダプタ4の取付用枠体13が嵌挿される。
【0079】下アダプタ5の嵌合孔84に上アダプタ4の取付用枠体13が嵌合すると同時に、下アダプタ5の係止爪93が上アダプタ4の嵌合凹部79の前方に位置し、下アダプタ5の付勢バネ99の復帰力により係止部材92,92が前方に押し出され、係止爪93,93が嵌合孔84に突出されて上アダプタ4の取付用枠体13の対向する両側の嵌合凹部79,79内にそれぞれ入り込み、嵌合凹部79,79の第1係止受部80,80に、下アダプタ5の係止爪83,83の下部の係止部97,97がそれぞれ支持されて器具本体6が上アダプタ4に対して取り付けられる(図20参照)。」(段落0077-0079)

(m)「【0086】そして、上アダプタ4に対して器具本体6を取り付けた後、下アダプタ5の左右のロックつまみ104,104の操作板部106,106をそれぞれ摺動操作して図19に示すロック位置に切り換え、ロックつまみ104,104のロック部105,105を両係止部材92,92の後端面にそれぞれ当接させ、両係止部材92,92の収納部87,87への後退を阻止し、両係止爪93,93を突出した状態にロックする。」(段落0086)

上記記載事項(k)の「下アダプタベース83の収納部87内に臨むロック部105」、及び「ロック部105が下アダプタベース83の収納部87の後部において、係止部材92の後端面92aに当接する位置に配置される」という記載、並びに、上記記載事項(m)の「ロック部105,105を両係止部材92,92の後端面にそれぞれ当接させ、両係止部材92,92の収納部87,87への後退を阻止し、両係止爪93,93を突出した状態にロックする」という記載から、上記ロック部105は、下アダプタ5の「内部」に設けられていることは明らかである。
したがって、上記引用例2の記載事項(i)ないし(m)を総合すると、引用例2には以下の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。
「上アダプタ4に着脱自在に係合する下アダプタ5に、一対の係止部材92,92を出没自在に、且つ、突出方向に付勢して設けると共に、該係止部材92,92の没入を規制するロック位置と、ロック解除位置との間を移動可能な、ロックつまみ104,104を設けた天井直付け照明器具取付装置において、
前記ロックつまみ104に一体に備えられたロック部105は、下アダプタ5の内部に設けられており、前記ロック位置にあっては前記係止部材92の後端面92aに当接する位置に配置され、前記ロック解除位置にあっては、前記後端面92aに当接しない位置に配置される天井直付け照明器具取付装置。」

3.対比
本願発明と引用発明1を対比すると、引用発明1の「上アダプタ4」、「器具本体5」、「係止部材14a,14b」、「解除突片15a,15b」、及び「天井直付け照明器具取付装置1」は、その構成や機能からみて、それぞれ、本願発明の「アダプタ本体」、「照明器具本体」、「一対の係止部材」或いは「一方の係止部材及び他方の係止部材」、「一対の解除突片」、及び「天井直付け照明器具の取付装置」に相当する。
また、引用発明1の「ロックレバー16」と、本願発明1の「ロック部材」は「ロック手段」という限りで共通するものである。

また本願発明も、一対の解除突片を離間する方向に移動することによって、一方の係止部材及び他方の係止部材に形成された、アダプタ本体内部において対向する対向面が、近接する方向に移動して、係止部材をアダプタ本体に没入させるようにする機構を備えていることは明白である。

そうすると、両者は
「天井に装着可能なアダプタ本体に、照明器具本体と着脱自在に係合する一対の係止部材を出没自在に、且つ、突出方向に付勢して設けると共に、前記係止部材に係合して該係止部材の没入を規制するロック位置と、前記係止部材から離脱したロック解除位置との間を移動可能なロック手段を設けた天井直付け照明器具の取付装置において、
一方の係止部材及び他方の係止部材にアダプタ本体内部において対向する対向面をそれぞれ形成し、
一対の解除突片を離間する方向に移動することによって、
上記一方の係止部材及び他方の係止部材に形成された、アダプタ本体内部において対向する対向面が、近接する方向に移動して、
係止部材をアダプタ本体に没入させるようにした、
天井直付け照明器具の取付装置。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点)
ロック手段に関して、本願発明は「ロック部材を(アダプタ本体内部において対向する)これら対向面間に進入・退避可能にした」ロック部材であるのに対し、引用発明1は、「解除突片15a,15bに挿入・離脱可能にした」ロックレバーである点。

4.当審の判断
上記相違点について検討する。
引用発明1において、安全性・操作性等の観点から、ロック手段として様々なものを使用してみようとすることは、ロック手段に要求される機能からみて、当業者の通常の創作の範囲と解されるところ、引用発明2には、下アダプタ5の内部において、係止部材92の没入方向への移動を、係止部材92にロック部105を当接させることにより規制することが開示されている。
してみると、引用発明1において、引用発明2に倣い、上アダプタ4内部において、係止部材14a,14bの没入方向への移動を、係止部材14a,14bにロック部材を当接させることにより規制してみようとすることは、当業者が容易に想到することであり、その際、係止部材14a,14bの没入方向への移動を規制する箇所として、両者の対向面を選択して、本願発明の相違点に係る構成とすることは、これを妨げる特段の事情も見当たらないことから、当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎないことである。

5.むすび
以上のとおり、本願発明は、その出願前に日本国において頒布された引用例1及び引用例2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-04-20 
結審通知日 2006-04-25 
審決日 2006-05-09 
出願番号 特願2000-332217(P2000-332217)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F21V)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 仁木 浩柿崎 拓  
特許庁審判長 石原 正博
特許庁審判官 稲村 正義
森川 元嗣
発明の名称 天井直付け照明器具の取付装置  
代理人 神保 欣正  

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