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審決分類 |
審判 査定不服 4項1号請求項の削除 特許、登録しない。 H01L 審判 査定不服 4項3号特許請求の範囲における誤記の訂正 特許、登録しない。 H01L 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 H01L 審判 査定不服 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 特許、登録しない。 H01L 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01L |
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管理番号 | 1155137 |
審判番号 | 不服2004-7184 |
総通号数 | 89 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2007-05-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-04-08 |
確定日 | 2007-04-05 |
事件の表示 | 平成 7年特許願第244825号「光集積回路装置」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年 4月 4日出願公開、特開平 9- 92805〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成7年9月22日の出願であって、平成16年3月5日付けで拒絶査定がなされ、これに対して同年4月8日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年5月6日付けで手続補正がなされ、その後当審において、平成17年12月21日付けで審尋がなされ、その後平成18年2月3日に回答書が提出されたのものである。 第2 平成16年5月6日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)について [補正却下の決定の結論] 平成16年5月6日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1.本件補正の内容 本件補正は、補正前の請求項1、2及び明細書の0010段落を補正するものであって、補正後の請求項1及び2に係る発明は、その補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定された以下のとおりのものである。 「【請求項1】 受光部と、回路部とが、共通の半導体チップに形成され、 該回路部上には遮光膜が被覆され、 上記回路部より外部に導出され、外部と電気的に接続される少なくとも電源端子と、出力端子と、接地端子となる外部導出端子と、 上記回路部より導出され、外部と電気的に接続されることのない内部端子とを有し、 該内部端子に対する少なくとも一部の保護ダイオードの接続を省略したことを特徴とする光集積回路装置。 【請求項2】 受光部と、回路部とが、共通の半導体チップに形成され、 該回路部上には遮光膜が被覆され、 外部と電気的に接続される少なくとも電源端子と、出力端子と、接地端子となる外部導出端子が上記回路部より外部に導出され、 上記外部導出端子の所要の端子に関してのみ保護ダイオードが接続されるとともに、 外部と電気的に接続されることのない内部端子が上記回路部より導出され、 該内部端子に対する少なくとも一部の保護ダイオードの接続を省略したことを特徴とする光集積回路装置。」 2.補正事項の内容 補正事項1 補正前の請求項1の「【請求項1】 受光部と、 回路部とを有し、 該回路部上には遮光膜が被覆され、 上記回路部より外部に導出され、外部と電気的に接続される少なくとも電源端子と、出力端子と、接地端子となる外部導出端子と、 外部と電気的に接続されることのない内部端子とを有し、 該内部端子に対する少なくとも一部の保護ダイオードの接続を省略したことを特徴とする光集積回路装置。」を 補正後の請求項1の「【請求項1】 受光部と、回路部とが、共通の半導体チップに形成され、 該回路部上には遮光膜が被覆され、 上記回路部より外部に導出され、外部と電気的に接続される少なくとも電源端子と、出力端子と、接地端子となる外部導出端子と、 上記回路部より導出され、外部と電気的に接続されることのない内部端子とを有し、 該内部端子に対する少なくとも一部の保護ダイオードの接続を省略したことを特徴とする光集積回路装置。」と補正すること。 補正事項2 補正前の請求項2の「【請求項2】 受光部と、 回路部とを有し、 該回路部上には遮光膜が被覆され、 外部と電気的に接続される少なくとも電源端子と、出力端子と、接地端子となる外部導出端子が上記回路部より外部に導出され、 上記外部導出端子の所要の端子に関してのみ保護ダイオードが接続されることを特徴とする光集積回路装置。」を 補正後の請求項2の「【請求項2】 受光部と、回路部とが、共通の半導体チップに形成され、 該回路部上には遮光膜が被覆され、 外部と電気的に接続される少なくとも電源端子と、出力端子と、接地端子となる外部導出端子が上記回路部より外部に導出され、 上記外部導出端子の所要の端子に関してのみ保護ダイオードが接続されるとともに、 外部と電気的に接続されることのない内部端子が上記回路部より導出され、 該内部端子に対する少なくとも一部の保護ダイオードの接続を省略したことを特徴とする光集積回路装置。」と補正すること。 補正事項3 補正前の0010段落を以下のとおり補正すること。 「【課題を解決するための手段】本発明による光集積回路は、受光部と、これよりの受光信号による電気信号に対し所要の信号処理を行う信号処理回路等の回路部とが、共通の半導体基板に形成され、この回路部上には遮光膜が被覆され、外部と電気的に接続される少なくとも電源端子と、出力端子と、接地端子となる外部導出端子とが上記回路部より外部に導出され、このように外部と接続されることのない内部端子については少なくとも一部の保護ダイオードの接続を省略する構成とする。」 3.補正事項の整理 補正事項1及び2を整理すると以下のとおりである。 補正事項1について 補正事項1は、補正前の請求項1の「受光部と、回路部とを有し」を、補正後の請求項1の「受光部と、回路部とが、共通の半導体チップに形成され」と補正すること(補正事項1-1)と、補正前の請求項1の「外部と電気的に接続されることのない内部端子とを有し」を、補正後の請求項1の「上記回路部より導出され、外部と電気的に接続されることのない内部端子とを有し」と補正すること(補正事項1-2)に区分する。 補正事項2について 補正事項2は、補正前の請求項2の「受光部と、回路部とを有し」を、補正後の請求項2の「受光部と、回路部とが、共通の半導体チップに形成され」と補正すること(補正事項2-1)と、補正前の請求項2の「上記外部導出端子の所要の端子に関してのみ保護ダイオードが接続される」を、補正後の請求項2の「上記外部導出端子の所要の端子に関してのみ保護ダイオードが接続されるとともに、 外部と電気的に接続されることのない内部端子が上記回路部より導出され、 該内部端子に対する少なくとも一部の保護ダイオードの接続を省略した」と補正すること(補正事項2-2)に区分する。 4.本件補正についての検討 (1)補正の目的の適否及び新規事項の追加について [補正事項1について] [補正事項1-1について] 補正事項1-1についての補正は、「光集積回路装置」の構成要素である「受光部」と「回路部」が「共通の半導体チップに形成され」ると技術的に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる事項を目的とするものに該当する。 また、本願の願書に最初に添付した明細書の[0013]段落の「図2に概略断面図を示すように、pn接合によるフォトダイオードなどの受光部1と、これによって受光した光信号例えば赤外線信号による電気信号を、信号処理して所要の信号出力を取り出す信号処理回路部等を有する回路部2とが、共通の半導体チップ3に形成されてリードフレーム4上にマウントされてなる。」との記載及び図2に、「受光部」と「回路部」が「共通の半導体チップに形成され」ることが記載されており、補正事項1-1についての補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内においてなされたものであるから、特許法第17条の2第3項の規定に適合する。 [補正事項1-2について] 補正事項1-2についての補正は、「内部端子」について、「上記回路部から導出され」たものであると技術的に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる事項を目的とするものに該当する。 また、本願の願書に最初に添付した明細書の[0014]段落の「さらに例えば半導体チップに予め組み込まれた抵抗や容量等を信号処理回路等の回路部2に接続ないしは遮断することによってこの回路部の回路特性等を調整するために用いられる特性調整用端子等の外部との接続がなされない内部端子5cとよりなる」との記載及び、図1には、特性調整用端子(内部端子)5cが、回路部2より導出されることが記載されていることは明らかであり、補正事項1-2についての補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内においてなされたものであるから、特許法第17条の2第3項の規定に適合する。 [補正事項2について] [補正事項2-1について] 補正事項2-1についての補正は、「補正事項1-1について」において検討したとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる事項を目的とするものに該当し、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内においてなされたものであるから、特許法第17条の2第3項の規定に適合する。 [補正事項2-2について] 補正事項2-2において、「外部と電気的に接続されることのない内部端子が上記回路部より導出され、 該内部端子に対する少なくとも一部の保護ダイオードの接続を省略した」ことは、更に、「外部と電気的に接続されることのない内部端子が上記回路部より導出され、 該内部端子に対する」「保護ダイオードの接続を省略した」こと(場合A)と、「外部と電気的に接続されることのない内部端子が上記回路部より導出され、 該内部端子に対する」「一部の保護ダイオードの接続」のみを「省略した」こと(場合B)に区分して検討する。 補正事項2-2(場合A)について 場合Aにおける補正事項2-2についての補正は、補正前の「上記外部導出端子の所要の端子に関してのみ保護ダイオードが接続される」、言い換えると、「保護ダイオード」が「上記外部導出端子の所要の端子」に「のみ」接続される点について、(a)補正前の請求項2に記載されない「外部と電気的に接続されることのない内部端子」との構成を追加し、(b)「外部と電気的に接続されることのない内部端子が上記回路部より導出され、 該内部端子に対する」「保護ダイオードの接続を省略した」と、「外部と電気的に接続されることのない内部端子」には、「保護ダイオード」が接続されていないことを確認するものであって、上記(a)については、補正前の請求項2に新たな発明特定事項である「内部端子」を追加するものであるから、特許法第17条の2第4項各号に掲げるいずれの事項を目的とするものとは言えず、また、上記(b)については、新たな発明特定事項である「内部端子」を備えることを前提とした上で特許請求の範囲を減縮するものであるから、特許法第17条の2第4項各号に掲げるいずれの事項を目的とするものとは言えない。 したがって、場合Aにおける補正事項2-2についての補正は、特許法第17条の2第4項に掲げるいずれの目的にも該当しない。 補正事項2-2(場合B)について 場合Bにおける補正事項2-2についての補正は、補正前の「上記外部導出端子の所要の端子に関してのみ保護ダイオードが接続される」、言い換えると、「保護ダイオード」が「上記外部導出端子の所要の端子」に「のみ」接続される点について、「外部と電気的に接続されることのない内部端子が上記回路部より導出され、 該内部端子に対する」「一部の保護ダイオードの接続」のみを「省略した」とするものであって、(a)補正前の請求項2に記載されない「外部と電気的に接続されることのない内部端子」を追加するとともに、(b)「該内部端子に対する」「一部の保護ダイオードの接続」のみを「省略した」、言い換えると、「該内部端子に対」して「保護ダイオード」が接続されたものも含むとしたものであり、補正前の「保護ダイオード」が「上記記外部導出端子の所要の端子」に「のみ」接続されることと整合しない構成となり、上記(a)については、補正前の請求項2に新たな発明特定事項である「内部端子」を追加するものであるから、特許法第17条の2第4項各号に掲げるいずれの事項を目的とするものとは言えず、また、上記(b)については、補正前の「保護ダイオード」が「上記記外部導出端子の所要の端子」に「のみ」接続されることと整合しない構成となるから上記(a)及び上記(b)については、特許法第17条の2第4項に掲げるいずれの目的にも該当しない。 したがって、場合Bにおける補正事項2-2についての補正は、特許法第17条の2第4項に掲げるいずれの目的にも該当しない。 よって、補正事項2-2についての補正を含む補正事項2についての補正を包含する本件補正は、特許法第17条の2第4項各号に掲げるいずれの目的にも該当しない。 ここで、仮に、本件補正が、特許法第17条の2第4項の特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるとして、以下において、同条第5項の要件について検討する。 (2)独立特許要件について (2-1)刊行物に記載された発明 刊行物1. 特開昭64-5172号公報 原審の拒絶の理由に引用され、本願の出願日前に日本国内において頒布された特開昭64-5172号公報には、第1図及び、第3図ないし第5図とともに以下の事項が記載されている。 「受光素子と該受光素子の出力を転送する薄膜トランジスタが形成された基板と、前記薄膜トランジスタを駆動し、信号を処理するシリコン集積回路チップで構成されたイメージセンサに於て、外部に接続される入出力信号線がすべて上記シリコン集積回路チップを経由もしくは接続されて、取り出されていることを特徴とするイメージセンサ。」(特許請求の範囲第1項) 「第4図に水素化非晶質シリコン・・・を用いて、薄膜トランジスタ(以下TFTと略記する)、TFT型センサ、蓄積コンデンサ、マトリックス配線等をガラス基板上に一体化形成したイメージセンサの等価回路を示す。」(第1頁右下欄第7?12行)、 「第5図にセンサユニットの構成図を示す。1は筐体、2はセンサ基板、3は信号スイッチIC,4はゲート駆動IC,5は取り出し用フレキシブルプリント板、6はVR,VS,VB,GND等のバイアス接続部、7は本体に接続されるコネクタである。」(第2頁左上欄第9?14行)、 「センサ基板上に形成されているTFT、TFT型センサ、蓄積コンデンサ等は薄い絶縁層を挟む構造をもっている。従って、ある一定以上の電圧が印加されるとこれらの絶縁層は絶縁破壊を起し、素子を破壊してしまう。この破壊は作業者の衣服等で発生する静電気で容易に起る。」(第2頁右上欄第1?6行)、 「第4図のセンサユニットに於て、その原因を追及したところ接続コネクター7から、6のVR,VS,VB等のバイアス線を通し、これらの線に接続されているTFT、センサ等が破壊されていることが判明した。 通常、このような静電対策としてCMOS IC等で実施されている保護ダイオードを用いる方法がある。すなわち、入力端子に電源およびGND側に対し、それぞれダイオードを接続し、静電気を逃がす方法である。」(第2頁右上欄第16行?同頁左下欄第5行)、 「第1図に本発明のイメージセンサの静電対策回路の一例を示す。 2はセンサ基板、4はゲート駆動用IC、7は外部接続用コネクタ、12はゲート駆動ICの電源VDDに接続用ボンディグパッドでセンサバイアス電源VSと共通に接続される。14はゲート駆動ICのグランド側(VSS)に接続するボンディングパッドで蓄積コンデンサのグランド側端子に接続される。13および15はゲート駆動IC内部でVDDおよびVSSにクランプダイオード16がそれぞれ接続された端子で、センサ基板のVB,VRにそれぞれ接続される。17は取り出しフレキシブルケーブルの配線抵抗である。」(第2頁右下欄第6?18行)、 「第3図に本発明のイメージセンサのユニット構成斜視図を示す。VR,VB,VS等のバイアス線は取り出しフレキシブル基板の配線部を通り、一旦ゲート駆動ICのボンデングパッドに接続された後、取り出しコネクター7に接続される。」(第3頁左上欄第3?7行) よって、刊行物1には、以下の発明が記載されている。 「受光素子と該受光素子の出力を転送する薄膜トランジスタが形成された基板と、前記薄膜トランジスタを駆動し、信号を処理するシリコン集積回路チップで構成されたイメージセンサに於て、外部に接続される入出力信号線がすべて上記シリコン集積回路チップを経由もしくは接続されて、取り出されるとともに、前記イメージセンサのセンサ基板のVR、VS、VBを含むバイアス線の内、前記VB及びVRにそれぞれクランプダイオードが接続されていることを特徴とするイメージセンサ。」 刊行物2. 特開平6-104476号公報 原審の拒絶の理由に引用され、本願の出願日前に日本国内において頒布された特開平6-104476号公報には、第1図ないし第5図とともに以下の事項が記載されている。 「【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の従来技術では、拡散抵抗3の抵抗値を大きくとろうとしたとき、図4に示すとおり、拡散抵抗3のパターンを蛇行させ、長さをかせぐ必要がある。この様な拡散抵抗3は、図5に示すとおり、見かけ上のフォトトランジスタ(寄生フォトトランジスタ)となる。上述したとおり、アルミ膜5でこの拡散抵抗3領域が、フォトトランジスタ動作しないように、この領域を遮光するのが通常であるが、このアルミ膜5は配線電極としても使用する為、図4内のB部のようにすき間があき、このすき間から露出する拡散抵抗3表面に光が照射されると、フォトトランジスタとして動作してしまうことが避けられない。従って、この拡散抵抗3領域が光照射によりフォトトランジスタ動作してしまうことから、正規の抵抗特性を示さないという問題があった。」(0004段落) 「【実施例】図1?3を用いて本発明の実施例につき説明をする。 【0009】本発明の受光素子は、poly Si基板18内には、複数の単結晶島17a,17bが設けられている。各単結晶島17a,17bには、単結晶島と異なる導電型の不純物を拡散させ、ダイオード14、及び拡散抵抗13を設けられている。これらの拡散層を設けた後、図3に示すような等価回路に基づき、アルミ膜又は、アルミ合金等で配置することによって、接続電極15、端子21a,22及び遮光膜21bを形成する。 【0010】次に、単結晶島17a表面及び拡散抵抗13表面上に遮光膜21bを設ける工程を図2を用いて説明する。なお、図2は、図1のA-A′断面図である。 【0011】poly Si基板18内には、単結晶島17aが設けられ、単結晶島17a表面には、拡散抵抗13が設けられている。ここで遮光膜21bは、単結晶島17a表面上に絶縁層16を介して設けられる。また、遮光膜21bは、拡散抵抗13,単結晶島17aと、それぞれコンタクトホールを介して電気的に接続される。」(0008段落ないし0011段落) (2-2)対比・判断 本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「補正発明1」という。)と刊行物1に記載された発明(以下、「刊行物発明」という。)とを対比・検討する。 (a)「受光素子」から他の領域(回路等)へ信号を伝達するためには、「転送する薄膜トランジスタ」等の回路要素が必要であることは明らかであるから、刊行物の「受光素子と該受光素子の出力を転送する薄膜トランジスタ」は、補正発明1の「受光部」に相当する。 (b)刊行物発明の「信号を処理するシリコン集積回路チップ」が回路であることは明らかであるから、刊行物発明の「信号を処理するシリコン集積回路チップ」は、補正発明1の「回路部」に相当する。 (c)刊行物発明の「前記イメージセンサのセンサ基板のVR、VS、VBを含むバイアス線」が外部と電気的に接続される端子に接続されるものであることは明らかであり、また、刊行物発明の「前記イメージセンサのセンサ基板のVR、VS、VBを含むバイアス線」は、「シリコン集積回路チップ」を介して外部に電気的に接続されることは明らかであるから、刊行物発明の「前記イメージセンサのセンサ基板のVR、VS、VBを含むバイアス線」は、補正発明1の「上記回路部より外部に導出され、外部と電気的に接続される」「外部導出端子」に相当する。 (d)刊行物発明の「受光素子」、「該受光素子の出力を転送する薄膜トランジスタ」及び「前記薄膜トランジスタを駆動し、信号を処理するシリコン集積回路チップ」からなる「イメージセンサ」が、光集積回路装置であることは明らかであるから、刊行物発明の「イメージセンサ」は、補正発明1の「光集積回路装置」に相当する。 よって、補正発明1と刊行物発明とは、 「受光部と、回路部とが形成され、 上記回路部より外部に導出され、外部と電気的に接続される外部導出端子と、 を備えたことを特徴とする光集積回路装置。」である点で一致し、以下の点で相違する。 相違点1 補正発明1は、「受光部と、回路部とが、共通の半導体チップに形成され」たものであるのに対して、 刊行物発明は、「受光素子と該受光素子の出力を転送する薄膜トランジスタが形成された基板と、前記薄膜トランジスタを駆動し、信号を処理するシリコン集積回路チップで構成されたイメージセンサ」である点。 相違点2 補正発明1は、「該回路部上には遮光膜が被覆され」ているのに対して、 刊行物発明は、「前記薄膜トランジスタを駆動し、信号を処理するシリコン集積回路チップ」が遮光膜に被覆されていない点。 相違点3 補正発明1は、「上記回路部より外部に導出され、外部と電気的に接続される少なくとも電源端子と、出力端子と、接地端子となる外部導出端子」を備えるのに対して、 刊行物発明は、「外部に接続される入出力信号線がすべて上記シリコン集積回路チップを経由もしくは接続されて、取り出されるとともに、 前記イメージセンサのセンサ基板のVR、VS、VBを含むバイアス線の内、前記VB及びVRにそれぞれクランプダイオードが接続されていること」との構成を備えている点。 相違点4 補正発明1は、「上記回路部より導出され、外部と電気的に接続されることのない内部端子とを有し、 該内部端子に対する少なくとも一部の保護ダイオードの接続を省略した」との構成を備えているのに対して、 刊行物発明は、上記構成を備えていない点。 以下で、各相違点について検討する。 [相違点1について] (a)光集積回路装置において、「受光部」と「回路部」とを同一の半導体チップ上に形成することは、例えば、特開昭61-61457号公報(「本発明による光センサは、光電変換素子とその出力を増幅する増幅器とを一体形成する」(第2頁右上欄第7?8行))、特開昭63-116458号公報(「同一半導体チップにフォトセンサと信号処理回路が形成され」(特許請求の範囲第1項))、特開昭64-69059号公報(「本発明の集積化受光装置は、半導体基板の一主表面上に、半導体受光素子及び半導体集積回路素子が形成され」(第2頁右上欄第16?18行))、特開平1-205462号公報(「本発明の半導体素子は受光部と回路部を1チップに集積化した半導体素子に適用するものであり」(第2頁左上欄第10?11行))及び、特開昭63-13368号公報(「集積化技術の進歩により、半導体センサ部と、その信号処理回路部とを同一基板上に形成することが可能となり」(第1頁右上欄第1?3行))に記載されるように、従来周知の技術的事項である。 (b)刊行物発明においては、受光素子を「水素化非晶質シリコン」に形成するために、受光素子を形成する基板として「ガラス基板」を用いているが、受光素子として、従来周知の、半導体基板に形成した半導体受光素子を用いることは、当業者が必要に応じて適宜なしうるものである。 (c)受光素子として、半導体基板に形成した半導体受光素子を用いる場合には、受光素子と、補正発明1の「回路部」に相当する「シリコン集積回路チップ」とを、上記(a)で検討したように、同一基板に形成することがより合理的であり、格別の事情がない限り、受光素子と「シリコン集積回路チップ」とを別の基板に形成する必要性はないから、受光素子として、従来周知の半導体受光素子を用いることにより、補正発明1の如く、「受光部と、回路部と」を「共通の半導体チップに形成」することは、当業者が容易になしえたものである。 (d)また、刊行物発明の「シリコン集積回路チップ」は、「前記薄膜トランジスタを駆動し、信号を処理するシリコン集積回路チップ」とその機能が限定されているのに対して、補正発明1においては、「回路部」が「受光部」と回路的にどのような関係にあるか明らかではないが、刊行物発明の「シリコン集積回路チップ」について回路的にどのような機能をもたせるかは、光集積回路装置の全体的機能との関連で、当業者が適宜設定しえるものである。 [相違点2について] 刊行物2に「この様な拡散抵抗3は、図5に示すとおり、見かけ上のフォトトランジスタ(寄生フォトトランジスタ)となる。上述したとおり、アルミ膜5でこの拡散抵抗3領域が、フォトトランジスタ動作しないように、この領域を遮光するのが通常である・・・図4内のB部のようにすき間があき、このすき間から露出する拡散抵抗3表面に光が照射されると、フォトトランジスタとして動作してしまう」(0004段落)との問題点を解決するために、「単結晶島17a表面及び拡散抵抗13表面上に遮光膜21bを設ける」(0010段落)ことが記載されているから、刊行物発明においても、遮光すべき部分を「遮光膜」により覆うことは、当業者が容易になしえたものである。 [相違点3について] (a)刊行物発明においては、「前記イメージセンサのセンサ基板のVR、VS、VBを含むバイアス線」は、「上記シリコン集積回路チップを経由もしくは接続されて、取り出され」、「外部に接続される入出力信号線」であって、前記「VR、VS、VBを含むバイアス線」は、補正発明1の「上記回路部より外部に導出され、外部と電気的に接続される」「電源端子」「となる外部導出端子」に相当し、また、刊行物発明においても、補正発明1の「外部と電気的に接続される」「出力端子と、接地端子となる外部導出端子」が動作上必須であることは明らかであるから、刊行物発明においても、前記「出力端子と、接地端子となる外部導出端子」を実質的に備えることは明らかである。 (b)刊行物発明においては、「前記イメージセンサのセンサ基板のVR、VS、VBを含むバイアス線の内、前記VB及びVRにそれぞれクランプダイオードが接続されていること」との構成を備えているが、前記クランプダイオードは「前記イメージセンサのセンサ基板のVR、VS、VBを含むバイアス線」の保護のために接続されているのであるから、保護することが必要でなければ、前記クランプダイオードを設置しないことは、当業者が必要に応じて適宜なしえたものである。 (c)したがって、相違点3は、当業者が容易になしえたものである。 [相違点4について] (a)刊行物発明は、「外部と電気的に接続されることのない内部端子」を備えていないが、受光素子を備えた光集積回路装置において、「外部と電気的に接続されることのない内部端子」を備えることは、例えば、特開昭63-13368号公報(「測定用端子12はウェハー状態でのチェックのみに使用」する(第3頁右上欄第8?9行)、「測定用端子12」は電源端子、出力端子、接地端子以外の端子である。「本発明による光センサ装置は上記測定用端子12をフォトダイオード1の一方の端子9とオペアンプ2の入力端子10との間に設けたことを特徴とする。 上記光センサ装置において、フォトダイオード1に入る光を遮断し、測定用端子12にフォトダイオード1からオペアンプ2へ入力される電気信号と同レベルの電気信号を入力すると、オペアンプ2のみの電気的特性を評価することができる。・・・測定用端子12は、第2図に示すように半導体チップ13上のフォトダイオード部14と信号処理回路部15との配線部に接続され・・・る。」第3頁左上欄第1?18行)及び第2図)、特開平4-180374号公報(第3図の「断線チェック用パッド」(19,22)、「第3図において・・・19は外部から横方向のバスライン12の断線をチェックするためのパッド・・・22は外部から縦方向のバスライン15の断線をチェックするためのパッド」(第5頁右上欄第13行?同頁左下欄第1行))に記載されるように従来周知である。 (b)補正発明1において、「該内部端子に対する少なくとも一部の保護ダイオードの接続を省略した」ことは、「該内部端子に対する」「一部の保護ダイオードの接続を省略した」場合、及び「該内部端子に対する」全ての「保護ダイオードの接続を省略した」場合を包含しているから、補正発明1には、「該内部端子に対して」「保護ダイオード」を全く接続しない、言い換えると、「内部端子」を備えるのみであって、「該内部端子に対して」「保護ダイオード」を設置しない構成も含まれている。 (c)また、端子を過電圧等から保護する必要性がない場合には、端子に「保護ダイオード」を接続しないことは技術常識である。 (d)したがって、刊行物発明において、単に、従来周知の「外部と電気的に接続されることのない内部端子」を設置することは、当業者が容易になしえたものである。 したがって、補正発明1は、刊行物1及び2に記載される発明並びに従来周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができず、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。 (2-3)むすび したがって、補正事項2-2についての補正を含む補正事項2についての補正を包含する本件補正は、特許法第17条の2第4項各号に掲げるいずれの目的にも該当しないから、特許法第17条の2第4項に規定された要件を満たさず、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 仮に、本件補正が、特許法第17条の2第3項及び第4項第2号に規定する要件を満たすとしても、補正後の請求項1に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではなく、補正事項1についての補正を含む本件補正は、特許法17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に適合しないものであり、適法でない補正を含む本件補正は、特許法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 第3 本願発明 平成16年5月6日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1及び2に係る発明は、願書に最初に添付された明細書又は図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定されるものであって、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。 「受光部と、 回路部とを有し、 該回路部上には遮光膜が被覆され、 上記回路部より外部に導出され、外部と電気的に接続される少なくとも電源端子と、出力端子と、接地端子となる外部導出端子と、 外部と電気的に接続されることのない内部端子とを有し、 該内部端子に対する少なくとも一部の保護ダイオードの接続を省略したことを特徴とする光集積回路装置。」 第4 刊行物に記載された発明 「刊行物1.特開昭64-5172号公報」及び「刊行物2. 特開平6-104476号公報」には、上記「第2 4.(2-1)刊行物に記載された発明」に記載されたとおりの事項が記載されており、刊行物1には、以下の発明が記載されている。 「受光素子と該受光素子の出力を転送する薄膜トランジスタが形成された基板と、前記薄膜トランジスタを駆動し、信号を処理するシリコン集積回路チップで構成されたイメージセンサに於て、外部に接続される入出力信号線がすべて上記シリコン集積回路チップを経由もしくは接続されて、取り出されるとともに、前記イメージセンサのセンサ基板のVR、VS、VBを含むバイアス線の内、前記VB及びVRにそれぞれクランプダイオードが接続されていることを特徴とするイメージセンサ。」 第5 対比・判断 本願発明と刊行物1に記載された発明(以下、「刊行物発明」という。)とを対比・検討する。 (a)「受光素子」から他の領域(回路等)へ信号を伝達するためには、「転送する薄膜トランジスタ」等の回路要素が必要であることは明らかであるから、刊行物の「受光素子と該受光素子の出力を転送する薄膜トランジスタ」は、本願発明の「受光部」に相当する。 (b)刊行物発明の「信号を処理するシリコン集積回路チップ」が回路であることは明らかであるから、刊行物発明の「信号を処理するシリコン集積回路チップ」は、本願発明の「回路部」に相当する。 (c)刊行物発明の「前記イメージセンサのセンサ基板のVR、VS、VBを含むバイアス線」が外部と電気的に接続される端子に接続されたものであることは明らかであり、また、刊行物発明の「前記イメージセンサのセンサ基板のVR、VS、VBを含むバイアス線」は、「シリコン集積回路チップ」を介して外部に電気的に接続されることは明らかであるから、刊行物発明の「前記イメージセンサのセンサ基板のVR、VS、VBを含むバイアス線」は、本願発明の「上記回路部より外部に導出され、外部と電気的に接続される」「外部導出端子」に相当する。 (d)刊行物発明の「受光素子」、「該受光素子の出力を転送する薄膜トランジスタ」及び「前記薄膜トランジスタを駆動し、信号を処理するシリコン集積回路チップ」からなる「イメージセンサ」が、光集積回路装置であることは明らかであるから、刊行物発明の「イメージセンサ」は、本願発明の「光集積回路装置」に相当する。 よって、本願発明と刊行物発明とは、 「受光部と、回路部とを有し、 上記回路部より外部に導出され、外部と電気的に接続される外部導出端子と、 を備えたことを特徴とする光集積回路装置。」である点で一致し、以下の点で相違する。 相違点1 本願発明は、「受光部と、回路部とを有」するものであるのに対して、 刊行物発明は、「受光素子と該受光素子の出力を転送する薄膜トランジスタが形成された基板と、前記薄膜トランジスタを駆動し、信号を処理するシリコン集積回路チップで構成されたイメージセンサ」である点。 相違点2 本願発明は、「該回路部上には遮光膜が被覆され」ているのに対して、 刊行物発明は、「前記薄膜トランジスタを駆動し、信号を処理するシリコン集積回路チップ」が遮光膜に被覆されていない点。 相違点3 本願発明は、「外部と電気的に接続される少なくとも電源端子と、出力端子と、接地端子となる外部導出端子」を備えるのに対して、 刊行物発明は、「外部に接続される入出力信号線がすべて上記シリコン集積回路チップを経由もしくは接続されて、取り出されるとともに、 前記イメージセンサのセンサ基板のVR、VS、VBを含むバイアス線の内、前記VB及びVRにそれぞれクランプダイオードが接続されていること」との構成を備えている点。 相違点4 本願発明は、「外部と電気的に接続されることのない内部端子とを有し、 該内部端子に対する少なくとも一部の保護ダイオードの接続を省略した」との構成を備えているのに対して、 刊行物発明は、上記構成を備えていない点。 以下で、各相違点について検討する。 [相違点1について] (a)本願発明においても、「回路部」を何らかの基板に形成することは明らかであるから、刊行物発明が「受光素子と該受光素子の出力を転送する薄膜トランジスタが形成された基板」を備えることは、実質的な相違点ではない。 (b)刊行物発明の「シリコン集積回路チップ」は、「前記薄膜トランジスタを駆動し、信号を処理するシリコン集積回路チップ」とその機能が限定されているのに対して、本願発明においては、「回路部」が「受光部」と回路的にどのような関係にあるか明らかではないが、刊行物発明の「シリコン集積回路チップ」について回路的にどのような機能をもたせるかは、光集積回路装置の全体的機能との関連で、当業者が適宜設定しえるものである。 [相違点2について] 刊行物2に「この様な拡散抵抗3は、図5に示すとおり、見かけ上のフォトトランジスタ(寄生フォトトランジスタ)となる。上述したとおり、アルミ膜5でこの拡散抵抗3領域が、フォトトランジスタ動作しないように、この領域を遮光するのが通常である・・・図4内のB部のようにすき間があき、このすき間から露出する拡散抵抗3表面に光が照射されると、フォトトランジスタとして動作してしまう」(0004段落)との問題点を解決するために、「単結晶島17a表面及び拡散抵抗13表面上に遮光膜21bを設ける」(0010段落)ことが記載されているから、刊行物発明においても、遮光すべき部分を「遮光膜」により覆うことは、当業者が容易になしえたものである。 [相違点3について] (a)刊行物発明においては、「前記イメージセンサのセンサ基板のVR、VS、VBを含むバイアス線」は、「上記シリコン集積回路チップを経由もしくは接続されて、取り出され」、「外部に接続される入出力信号線」であって、前記「VR、VS、VBを含むバイアス線」は、本願発明の「上記回路部より外部に導出され、外部と電気的に接続される」「電源端子」「となる外部導出端子」に相当し、また、刊行物発明においても、本願発明の「外部と電気的に接続される」「出力端子と、接地端子となる外部導出端子」が動作上必須であることは明らかであるから、刊行物発明においても、前記「出力端子と、接地端子となる外部導出端子」を実質的に備えることは明らかである。 (b)刊行物発明においては、「前記イメージセンサのセンサ基板のVR、VS、VBを含むバイアス線の内、前記VB及びVRにそれぞれクランプダイオードが接続されていること」との構成を備えているが、前記クランプダイオードは「前記イメージセンサのセンサ基板のVR、VS、VBを含むバイアス線」の保護のために接続されているのであるから、保護することが必要でなければ、前記クランプダイオードを設置しないことは、当業者が必要に応じて適宜なしえたものである。 (c)したがって、相違点3は、当業者が容易になしえたものである。 [相違点4について] (a)刊行物発明は、「外部と電気的に接続されることのない内部端子」を備えていないが、受光素子を備えた光集積回路装置において、「外部と電気的に接続されることのない内部端子」を備えることは、例えば、特開昭63-13368号公報(「測定用端子12はウェハー状態でのチェックのみに使用」する(第3頁右上欄第8?9行)、「測定用端子12」は電源端子、出力端子、接地端子以外の端子である。「本発明による光センサ装置は上記測定用端子12をフォトダイオード1の一方の端子9とオペアンプ2の入力端子10との間に設けたことを特徴とする。 上記光センサ装置において、フォトダイオード1に入る光を遮断し、測定用端子12にフォトダイオード1からオペアンプ2へ入力される電気信号と同レベルの電気信号を入力すると、オペアンプ2のみの電気的特性を評価することができる。・・・測定用端子12は、第2図に示すように半導体チップ13上のフォトダイオード部14と信号処理回路部15との配線部に接続され・・・る。」第3頁左上欄第1?18行)及び第2図)、特開平4-180374号公報(第3図の「断線チェック用パッド」(19,22)、「第3図において・・・19は外部から横方向のバスライン12の断線をチェックするためのパッド・・・22は外部から縦方向のバスライン15の断線をチェックするためのパッド」(第5頁右上欄第13行?同頁左下欄第1行))に記載されるように従来周知である。 (b)本願発明において、「該内部端子に対する少なくとも一部の保護ダイオードの接続を省略した」ことは、「該内部端子に対する」「一部の保護ダイオードの接続を省略した」場合、及び「該内部端子に対する」全ての「保護ダイオードの接続を省略した」場合を包含しているから、本願発明には、「該内部端子に対して」「保護ダイオード」を全く接続しない、言い換えると、「内部端子」を備えるのみであって、「該内部端子に対して」「保護ダイオード」を設置しない構成も含まれている。 (c)また、端子を過電圧等から保護する必要性がない場合には、端子に「保護ダイオード」を接続しないことは技術常識である。 (d)したがって、刊行物発明において、単に、従来周知の「外部と電気的に接続されることのない内部端子」を設置することは、当業者が容易になしえたものである。 したがって、本願発明は、刊行物1及び2に記載される発明並びに従来周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、本願は、請求項2に係る発明について検討するまでもなく、特許法第29条第2項の規定により拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2007-02-05 |
結審通知日 | 2007-02-06 |
審決日 | 2007-02-19 |
出願番号 | 特願平7-244825 |
審決分類 |
P
1
8・
574-
Z
(H01L)
P 1 8・ 575- Z (H01L) P 1 8・ 573- Z (H01L) P 1 8・ 572- Z (H01L) P 1 8・ 571- Z (H01L) P 1 8・ 121- Z (H01L) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 齋藤 恭一 |
特許庁審判長 |
河合 章 |
特許庁審判官 |
長谷山 健 今井 拓也 |
発明の名称 | 光集積回路装置 |
代理人 | 角田 芳末 |