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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 C25D
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C25D
管理番号 1155229
審判番号 不服2005-2752  
総通号数 89 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-02-17 
確定日 2007-04-02 
事件の表示 平成7年特許願第322467号「アルミニウム合金の表面処理方法」拒絶査定不服審判事件〔平成9年6月3日出願公開、特開平9-143793〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 I.手続の経緯
本願は、平成7年11月17日に出願されたものであって、平成17年1月13日付で拒絶査定がなされ、これに対し、平成17年2月17日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、平成17年3月11日付で手続補正がなされたものである。

II.平成17年3月11日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成17年3月11日付の手続補正を却下する。

[理 由]
1.補正について
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、次のとおりに補正された。
「【請求項1】アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる被処理物の表面にアルマイト皮膜を形成した後、このアルマイト皮膜にアクリル樹脂クリヤー塗装を行うアルミニウム合金の表面処理方法において、
a.前記被処理物の表面を脱脂のための前処理した後、
b.硫酸約20重量%の溶液中に浸漬し、100?200A/m2の電流密度で陽極処理することによって膜厚4μ以上のアルマイト皮膜を形成し、
c.このアルマイト皮膜を40?50℃の温水中で超音波洗浄し、
d.さらにメチルアルコールに浸漬してから乾燥し、
e.透明性のあるアクリル樹脂クリヤー塗装を行う、
ことを特徴とするアルミニウム合金の表面処理方法。」

そこで検討すると、上記補正は、補正前の請求項1における「クリアー塗装」を「アクリル樹脂クリアー塗装」とし、bにおける「アルマイト皮膜」を「膜厚4μ以上のアルマイト皮膜」、及びeにおける「クリアー塗装」を「透明性のあるアクリル樹脂クリアー塗装」と、それぞれ補正している。
これら補正は、それぞれクリアー塗装の樹脂、アルマイト皮膜の膜厚及びクリアー塗装の塗膜の性質、樹脂を限定的に減縮するものであるから、特許法第17条の2第4項に規定する特許請求の範囲の減縮に該当し、また、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内である。

次に、補正された上記本願の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明1」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるか否か、すなわち特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するか否かについて、以下検討する。

2.引用刊行物とその記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された特開平7-150391号公報(以下「引用例1」という。)及び周知例として引用された特開平7-94460号公報、特開平7-207477号公報(以下、それぞれ「引用例2」、「引用例3」という。)には、次の事項が記載されている。
(1)引用例1:特開平7-150391号公報
(1a)「【請求項1】アルミニウムおよびアルミニウム合金にアルマイト処理し、その後に電着クリヤー塗装する表面処理方法において、硫酸15?20重量%水溶液中にて150?250A/m2でアルマイト処理し、該所定膜厚に応じてアルマイト皮膜水洗時間を設定し、かつ90?100℃にて5分以上湯洗処理した後に電着クリヤー塗装することを特徴とするアルミニウムおよびアルミニウム合金の表面処理方法。」(【特許請求の範囲】)
(1b)「【0004】【課題を解決するための手段】アルマイト皮膜上に電着クリヤー塗装をする際に、塗膜が白化したり、くもりが生じたりする不具合がなぜ発生するのか要因を精意研究した結果、以下のことが明らかになったものである。
【0005】つまり、多孔質なアルマイト皮膜の孔中に硫酸イオンが残留していて、この硫酸イオンが電着塗装時に塗料と凝集ゲル化させたり、電解時のガス発生を促進させ塗膜中にガスを巻き込むことにより透明性が損なわれていることが判明した。・・・」
(1c)「【0006】ここでアルマイト処理時の電流密度を150?250A/m2としたのは150A/m2以下ではアルマイト皮膜孔径が小さくて、孔中の硫酸イオンの除去が困難であり、250A/m2以上ではアルマイト皮膜そのものが焼け不良等により透明性に優れた正常な皮膜が化成されないからである。また、水洗時間をアルマイト膜厚に応じて設定するのは孔の深さを考慮したものであり、理想的には1μ当たり3?4分が好ましい。次に、90?100℃の高温湯洗を採用したのは、水洗だけでは孔中の硫酸を確実に除去することが困難だからであり、残留硫酸イオンをさらに少なくするためにかかる湯洗が非常に有効である。」
(1d)「【0007】・・・
実施例1
アルミ合金に6000系の光輝合金、塗料に熱硬化アクリル系カチオン型水性焼付塗料(エレクロンAG200関西ペイント株式会社)を用いて図1の工程に従って塗装を行った。サンプル作成はアルマイト時の電流密度以外は表1に示すような同1条件で行った。
この塗膜についての外観を表2に示す。
電流密度が高い場合、アルマイトの孔径が大きくなり孔内の水洗がしやすくなる。そのため、孔内に硫酸イオンが残りにくく、塗膜の透明性が向上する。本実験においても150?250A/m2での塗膜透明性は良好であった。」と記載され、図1には、その表面処理工程は、脱脂→化学研磨→アルマイト→水洗→湯洗→電着塗装→水洗2回→セッティング→焼付、と示され、また、表1には、アルマイト処理は、20℃、20%硫酸浴を使用し、電流密度50?300(表1では30と記載されているが、表2の記載からみて300の誤記と認められる。)A/m2、アルマイト時間70?12分(直流電流)であり、アルマイト水洗は、500リットル槽で、水量が毎分20リットルで30分水道水による水洗を行い、湯洗は、90℃×5分行い、電着塗装は、180V、3分、浴温22℃で行った、旨記載され、表2には、電流密度150A/m2、アルマイト時間25分の場合の塗膜外観は透明性良好であったこと、が記載されている。
(1e)「【0010】【発明の効果】以上実施例に基づいて詳細に説明した如く、アルマイト皮膜孔中の硫酸イオンを充分に除去でき、その後の電着クリヤー塗装にて透明性、光沢感に優れた電着クリヤー塗膜が得られる。・・・」

(2)引用例2:特開平7-94460号公報
(2a)「【0013】(a)GaPエピタキシャルウェハ(全厚550μm、GaPエピタキシャル層厚:200μm,GaP基板厚:350μm)を準備した。
(b)該半導体ウェーハのエピタキシャル層側表面に保護剤(塩化メチレンに可溶、厚さ:約10μm)をコートした。
【0014】(c)該半導体ウェーハの裏面側より研削等で薄板化し、全厚を350μmにした。
(d)薄板化した半導体ウェーハを洗浄キャリアにセットし、超音波水洗を5分行なった。
(e)該半導体ウェーハをイソプロピルアルコール槽に5分間浸漬(置換)した。
【0015】(f)表1に示した条件で該半導体ウェーハから保護剤を除去する処理を行なった。実施例1?5は、図1に示したように水P/塩化メチレンMの2層を形成した槽Aを用い、比較例2?6は、図2に示したように塩化メチレンMの1層のみの槽Aを用いて実験を行なった。
【0016】(g)該半導体ウェーハを取り出し、メチルアルコールで置換した後、乾燥した。・・・」
(2b)「【0030】この状態で、ウェーハWを部分B2の溶剤T中に入れ、溶剤T中に停止して脱脂洗浄を行なう。次に、脱脂洗浄の終了したウェーハWを、下部の水P中に降下移動し、ついで該ウェーハWを部分B1の水P中まで移動し、水Pの層を通過して取り出す。取り出されたウェーハWは、メチルアルコール等で置換した後、乾燥する。・・・」

(3)引用例3:特開平7-207477号公報
(3a)「【0010】【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発明の基体洗浄方法は、基体上への膜形成に先立ち該基体表面を洗浄する方法であって、該基体表面を水及び各種アルコールのうち少なくとも一以上を含む洗浄液を用いて洗浄し(工程(a))、次いでCx Fy で表される化合物(x、yは変数)のうち少なくとも一以上を用いて洗浄した後(工程(b))、所定真空下でイオン照射により洗浄する(工程(c))ことを特徴とする。
・・・・・・・
【0012】前記の汚れが親水性の場合、例えば水又は(及び)各種アルコールが用いられ、前記の汚れが親油性の場合、例えば、水に前記の各種界面活性剤(例えば脂肪酸ナトリウム塩)を添加したものを用いることができる。また、2種以上の液体を洗浄液として用いるときは、これらを混合して用いてもよく、又は1種ずつ順次用いてよい。洗浄液として水のみを用いるときや、複数の液体を順次洗浄に用いる場合において最後に用いるものが水であるときには、さらにメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等で洗浄を行い、基体表面に残存する水をこれらの揮発性の高いアルコールで置換することが望ましい。
【0013】また工程(a)における洗浄方法としては、汚れの程度に応じて、基体を前記各種の洗浄液に浸漬し、又は該洗浄液中で超音波により洗浄すること等が考えられる。・・・・」

3.当審の判断
3-1.引用例1記載の発明
引用例1の上記摘記(1d)によれば、塗料に熱硬化アクリル系カチオン型水性焼付塗料(エレクロンAG200関西ペイント株式会社)を用いること、図1には、表面処理工程は、脱脂→化学研磨→アルマイト→水洗→湯洗→電着塗装することが示され、同(1e)には、アルマイト皮膜孔中の硫酸イオンを充分に除去でき、その後の電着クリヤー塗装にて透明性、光沢感に優れた電着クリヤー塗膜が得られることが記載されている。
したがって、上記摘記(1a)?(1e)を総合すると、引用例1には、「アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる被処理物の表面にアルマイト皮膜を形成した後、このアルマイト皮膜に電着アクリル樹脂クリヤー塗装を行うアルミニウム合金の表面処理方法において、
a.前記被処理物の表面を脱脂のための前処理した後、
b.硫酸15?20重量%の溶液中に浸漬し、150?250A/m2の電流密度で陽極処理することによってアルマイト皮膜を形成し、
c.このアルマイト皮膜を膜厚に応じて設定された水洗時間水洗し、
d.90?100℃にて5分以上湯洗処理し、
e.透明性のあるアクリル樹脂クリヤー塗装を行う、
アルミニウム合金の表面処理方法。」(以下「引用例1発明」という。)が記載されているといえる。

3-2.対比・判断
本願補正発明1と引用例1発明とを対比する。
引用例1の摘記(1d)には、実施例として、電流密度150A/m2、アルマイト時間25分の場合が記載されており、このアルマイト処理の処理条件は、本願明細書の表1に示されるように本願補正発明の実施例に他ならず、また、通常、アルマイト皮膜の膜厚は電流密度と電解時間の積にほぼ比例するものであるから、引用例1発明の場合においても膜厚4μ以上のアルマイト皮膜が形成されることは明らかである。
また、引用例1発明で「電着アクリル樹脂クリヤー塗装を行う」ということは、電着によるという限定があるものの、透明性のある塗膜が得られる塗装を行うものであるから、本願補正発明の「アクリル樹脂クリヤー塗装を行う」に相当し、更に、本願補正発明1と引用例1発明との硫酸濃度、電流密度は重複しているから、以上の事項を勘案すると、両者は、
「アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる被処理物の表面にアルマイト皮膜を形成した後、このアルマイト皮膜にアクリル樹脂クリヤー塗装を行うアルミニウム合金の表面処理方法において、
a.前記被処理物の表面を脱脂のための前処理した後、
b.硫酸約20重量%の溶液中に浸漬し、150?200A/m2の電流密度で陽極処理することによって膜厚4μ以上のアルマイト皮膜を形成し、
e.透明性のあるアクリル樹脂クリヤー塗装を行う、
アルミニウム合金の表面処理方法。」である点で一致し、次の点で相違する。
相違点1:アルマイト皮膜を形成した後、本願補正発明1は、c.このアルマイト皮膜を40?50℃の温水中で超音波洗浄するのに対し、引用例1発明は、c.このアルマイト皮膜を膜厚に応じて設定された水洗時間水洗するとしている点。
相違点2:本願補正発明1は、d.さらにメチルアルコールに浸漬してから乾燥するのに対し、引用例1発明は、水洗後、d.90?100℃にて5分以上湯洗処理するとしている点。

そこで、上記相違点1、2について以下検討する。
相違点1について
洗浄方法として、一般的に洗浄効果を高めることのできる超音波洗浄を用いることは、引用例2の摘記(2a)の【0014】(d)、引用例3の摘記(3a)の【0013】に示すとおり周知であって、また、通常、アルマイト皮膜の洗浄方法として超音波洗浄を用いることも、例えば、次に示すとおり周知の技術である。
周知例1:特開昭63-116416号公報(特許請求の範囲)
周知例2:特開昭62-158886号公報(3頁左上欄14?末行、同右上欄11?16行で特に「前記第2の洗浄工程は17は純水等で超音波洗浄等によって水洗浄あるいはお湯洗浄で行う。」)
更に、超音波洗浄を行う際には、温度を上げた液水中で行うことも、次に示すとおり周知の技術である。
周知例3:特開平6-11848号公報(請求項1、3、【0030】【0031】の「液温を40℃」とすること)
周知例4:特開平6-3837号公報(請求項1、2欄44?47行)
そうすると、引用例1発明においても、アルマイト皮膜を膜厚に応じて設定された水洗時間水洗する工程を備えており、該工程をより効率的に洗浄するために、40?50℃の温水中で超音波洗浄するようにすることは、当業者ならば容易に想到し得ることである。

相違点2について
被洗浄物を水洗後、メチルアルコールで置換して乾燥することは、引用例2の摘記(2a)、(2b)及び引用例3の摘記(3a)に記載されているように乾燥方法として周知の技術である。また、メチルアルコールはアルマイト皮膜の洗浄剤としても周知である(特開平4-81861号公報:特許請求の範囲、3頁右下欄末行?4頁左上欄1行、特開平2-5068号公報:特許請求の範囲、3頁右下欄18行?4頁左上欄4行参照)。

引用例1発明は、多孔質なアルマイト皮膜の孔中に硫酸イオンが残留していて、この硫酸イオンが電着塗装時に塗料と凝集ゲル化させたり、電解時のガス発生を促進させ塗膜中にガスを巻き込むことにより透明性が損なわれる(引用例1の摘記(1b))ことを回避するために、水洗及びより効果的な湯洗が行われている。当該湯洗につき、引用例1の摘記(1c)には、「90?100℃の高温湯洗を採用したのは、水洗だけでは孔中の硫酸を確実に除去することが困難だからであり、残留硫酸イオンをさらに少なくするためにかかる湯洗が非常に有効である。」と記載されており、当該高温湯洗により、残留硫酸イオンをさらに少なくするものと認められる。
そうすると、引用例1発明においても、硫酸イオンを確実にないし完全にアルマイト皮膜から取り除くものであるから、水洗後、90?100℃にて5分以上湯洗処理することに替えて、上記した周知であるメチルアルコールで置換して乾燥するようにすることは、当業者ならば容易に想到し得るものである。
そして、本願補正発明1の奏する効果も、引用例1?3に記載された発明及び上記周知技術に基いて当業者が予測することができる程度であって、格別顕著なものとは認められない。

よって、本願補正発明1は引用例1?3に記載された発明及び上記周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

なお、請求人は、審判請求書の平成17年3月11日付手続補正書において、「一方、本願の熱硬化性などのアクリル樹脂クリヤ塗装は、塗料は合成樹脂を塗膜形成要素とし、電着塗装のように水溶性樹脂ではないので水は使用せず、希釈剤としてシンナ、ラッカーを用いるものです。またこの塗装は吹き付けにより塗装するものですから、吹き付ける塗料の勢いによりアルマイト皮膜の多孔面から空気を吐き飛ばして(孔から空気を追い出しながら)塗料を被覆させることができます。そのうえ前記のように塗料には水分を含有することが無いことから、クリヤの透明性を確保することが可能であるという特徴を有するものです。」(3頁7?13行)と主張している。しかし、本願補正発明1は上記「II.1」で認定したとおり「アクリル樹脂クリヤ塗装を行う」としか記載されておらず、又吹き付けにより塗装の点も特定していない以上、上記主張は特許請求の範囲の記載に基づかない主張であるので、採用することはできない。

4.むすび
以上のとおりであるから、本願補正発明1は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
したがって、本件補正は、特許法17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるから、特許法第159条第1項の規定によって読み替えて準用する同法第53条第1項の規定によって却下されるべきものである。

III.本願発明について
1.本願発明について
平成17年3月11日付け手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1、2に係る発明は、平成16年11月4日付手続補正書によって補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1、2に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)は、次のとおりのものである。
「【請求項1】アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる被処理物の表面にアルマイト皮膜を形成した後、このアルマイト皮膜にクリヤー塗装を行うアルミニウム合金の表面処理方法において、
a.前記被処理物の表面を脱脂のための前処理した後、
b.硫酸約20重量%の溶液中に浸漬し、100?200A/m2の電流密度で陽極処理することによってアルマイト皮膜を形成し、
c.このアルマイト皮膜を40?50℃の温水中で超音波洗浄し、
d.さらにメチルアルコールに浸漬してから乾燥し、
e.クリヤー塗装を行う、
ことを特徴とするアルミニウム合金の表面処理方法。」

2.引用刊行物とその記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用例1及び周知例として引用された引用例2、3とその主な記載事項は、上記II.2に記載されたとおりである。

3.対比・判断
本願発明1を特定するために必要な事項を含み、さらに具体的に限定したものに相当する本願補正発明1は、上記II.3に記載したとおり、引用例1?3に記載された発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明1も、同じ理由で引用例1?3に記載された発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
したがって、本願発明1は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その余の発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-02-06 
結審通知日 2007-02-08 
審決日 2007-02-20 
出願番号 特願平7-322467
審決分類 P 1 8・ 121- Z (C25D)
P 1 8・ 575- Z (C25D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小柳 健悟馳平 憲一  
特許庁審判長 城所 宏
特許庁審判官 前田 仁志
市川 裕司
発明の名称 アルミニウム合金の表面処理方法  
代理人 山田 文雄  
代理人 山田 洋資  

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