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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B29C
管理番号 1156211
審判番号 不服2004-12273  
総通号数 90 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-06-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-06-16 
確定日 2007-03-19 
事件の表示 平成11年特許願第147879号「ポリエチレンテレフタレートの射出成形方法およびその射出成形システム装置」拒絶査定不服審判事件〔平成12年12月 5日出願公開、特開2000-334774〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1. 手続の経緯・本願発明
本願は、平成11年5月27日の出願であって、本願の請求項1に係る発明(以下、本願発明1という)は、本願明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものと認められる。

「【請求項1】結晶化前ペレットを結晶化済みペレットとするためのバッチ式ポリエチレンテレフタレート結晶化装置と射出成形機本体とを連設し、結晶化装置により得た結晶化済みペレットを射出成形機本体に対して送り込んで成形品を得ることを特徴とするポリエチレンテレフタレートの射出成形方法。」

2. 引用文献記載事項
(1) これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に頒布された登録実用新案第3050004号公報(以下、引用文献1という)には、以下の事項が記載されている。
(1a) 結晶化装置(請求項1)
「ポリエチレンテレフタレートの結晶化前ペレットをインジェクション成形、ブロー成形等成形に使用できるように結晶化済みペレットとするためのバッチ式ポリエチレンテレフタレート結晶化装置に関し、・・・。」
(1b) 成形機への供給(【0011】)
「カラ-リング用マスターバッチ混入結晶化済みペレットを排出口管8から直に若しくは袋詰してストック後に当該袋から成形機に供給する等の用法で用いるものである。」

3. 対比・判断
本願発明1と引用文献1に記載された発明(以下、引用発明という)とを対比する。
(1) 引用発明
摘示(1a)及び(1b)から、引用文献1には以下の発明が記載されているものと認める。
「結晶化前ペレットを結晶化済みペレットとするためのバッチ式ポリエチレンテレフタレート結晶化装置と成形機とを連設し、結晶化装置により得た結晶化済みペレットを成形機に対して直に送り込んで成形するポリエチレンテレフタレートの成形方法。」(引用発明)

ここで、引用発明の「結晶化済みペレット」は、結晶化装置の排出口管8から直に成形機に供給する等の用法で用いるものであることから(摘示(1b))、バッチ式ポリエチレンテレフタレート結晶化装置は成形機本体と連接され、結晶化済みペレットは成形機本体に対して送り込まれるものと認める。
また、成形方法としてはインジェクション成形、ブロー成形等を採用するものである。

(2) 一致点
そうすると、本願発明1は、引用発明と、次の点で一致する。
(一致点)
「結晶化前ペレットを結晶化済みペレットとするためのバッチ式ポリエチレンテレフタレート結晶化装置と成形機本体とを連設し、結晶化装置により得た結晶化済みペレットを成形機本体に対して送り込んで成形するポリエチレンテレフタレートの成形方法。」である点。

(3) 相違点
そして、本願発明1は、引用発明と、次の点で一応相違する。
(相違点)
本願発明1は、「成形機」として「射出成形機」を用いるものであるのに対し、引用発明は「成形機」である点。

(4) 相違点についての検討
引用発明において、示唆された成形方法(インジェクション成形)に基づき、成形機として射出成形機を選択することは、当業者にとって容易である。

そして、この相違点に係る構成により、本願発明が格別の効果を奏するものとも認められない。

4.むすび
したがって、本願の請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
そして、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶を免れることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-01-22 
結審通知日 2007-01-23 
審決日 2007-02-05 
出願番号 特願平11-147879
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B29C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 保倉 行雄井上 雅博  
特許庁審判長 松井 佳章
特許庁審判官 増山 剛
野村 康秀
発明の名称 ポリエチレンテレフタレートの射出成形方法およびその射出成形システム装置  
代理人 木村 高明  

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