ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F |
---|---|
管理番号 | 1157893 |
審判番号 | 不服2003-11185 |
総通号数 | 91 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2007-07-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-06-18 |
確定日 | 2007-05-16 |
事件の表示 | 特願2001- 51518「広告システム」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 9月 3日出願公開、特開2002-248274〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続きの経緯 本願は、平成13年2月27日に出願されたものであって、平成15年2月17日付の拒絶理由が通知され、平成15年4月28日に手続補正書並びに意見書が提出され、平成15年5月13日付で拒絶査定がなされ、これに対し、平成15年6月18日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、平成15年10月2日に請求の理由の補充がなされ、当審において平成18年12月7日付で拒絶理由が通知され、平成19年2月13日付で意見書が提出されたものである。 そして、本願の平成15年4月28日付の手続補正書の特許請求の範囲の請求項1?12に記載された発明は、その特許請求の範囲の請求項1?12に記載されたとおりのものと認められ、その請求項1に係る発明は、その請求項1において特定される下記のとおりのものである。 「双方向通信機能を有するネットワークにクイズ主催者のウェブサイトが置かれるクイズ管理者サーバを接続すると共に、広告主の広告が表示される広告主のウェブサイトが置かれる広告主サーバを接続し、上記ネットワークに接続されるクイズ参加者端末からのクイズ主催者のウェブサイト及び広告主のウェブサイトに対するアクセスを許可し、クイズ主催者のウェブサイトにおいてはクイズ参加者端末へ対してクイズ番組を表示すると共に、広告主のウェブサイトにおいては上記クイズの正解を出すためのヒントを時系列に沿って順次表示することを特徴とする広告システム。」(以下、「本願発明」という。) 2.引用例とその記載事項について (1)引用例1について 当審で拒絶理由として引用した国際公開第99/60501号パンフレット(1999)(以下、「引用例1」という。)には、以下の技術事項が記載されている。 ・記載事項1 「或いは本発明では、ユーザは、自宅のパソコンからインターネットに接続してゲーム、クイズ、アンケートなどに回答し、それに基づいて電子チップを取得できると共に、ユーザのパソコンに必ずそのゲーム等のスポンサー企業の広告を表示させることができる。即ちユーザは、電子チップをもらえることを期待してゲーム、クイズ、又はアンケート等に積極的に応答し、これに伴って広告企業の広告ホームページが必ずユーザのブラウザ画面に表示されるため、大きな販売促進効果を生み出すことが可能となる。」(パンフレットの明細書4頁5行?11行) ・記載事項2 「ユーザは、ゲームクライアント装置108を操作して、ネットワークゲームを実行する。ゲームサーバ装置109は、インターネットや専用線網等のネットワーク112を介して、ユーザが操作するゲームクライアント装置108に、ネットワークゲームを実行させる。また、ゲームサーバ装置109は、電子チップ流通サーバ装置101内の電子チップ発行モジュール102に、ゲーム種別及び得点と、ユーザIDとを通知する。通知は、例えば電子メールを使って行われる。ゲームクライアント装置108とゲームサーバ装置109によるネットワークゲームの運用形態は、本出願人による“特願平9-246009号”特許出願に詳細に開示されている。このようなネットワークゲームシステムを採用した場合、ゲーム参加者に対してユーザ認証が行われ、一定期間にわたって例えば1日1回というようなゲーム進行がなされるため、ユーザは長時間にわたってゲームを楽しむことができる。また例えば、このネットワークゲームシステムを商店のサービスイベントに利用した場合、固定客を確保することができ、1日1回のゲーム進行により、毎日店頭に顧客が来るようにするといった販売促進効果を生み出せる。更に、ゲーム進行期間を限定できるため、ゲーム参加者が一定期間に必ず来店するようにできるという効果も得られる。加えて、ゲーム端末としてPOS端末等が利用されるため、小さい商店でも特別に端末を設置しなくても、顧客をゲームに参加させることができ、低コストで集客効果をあげることができる。本発明の第1の実施の形態では、このようなネットワークゲームシステムに、電子チップ発行機能を持たせることにより、更に効果的な販売促進効果を実現するものである。電子チップ流通サーバ装置101は、電子チップの流通及び交換レート等を制御するコンピュータである。」(同6頁8行?7頁8行) ・記載事項3 「以上のようにして、一般ユーザは、特定の広告企業に関連するゲーム、クイズ、又はアンケートに応答することにより、電子チップをもらうことができる。 最後に、電子チップ発行ゲームサーバ装置1003は、ユーザクライアント装置1011から受信したフォームデータから取り出した企業ID及びゲーム種別に対応する広告企業のホームページを表示する命令を生成し、それをLAN1007に接続されている広告企業WWWサーバ装置1004に送信する。なお、広告企業WWWサーバ装置1004は、必ずしもLAN1007に接続されている必要はなく、インターネット1009を介して広告企業自身のLAN等に接続されていてもよい。上記命令はHTTP形式のサーバリダイレクション命令であり、文字列“Location:”と、それに続く広告企業WWWサーバ装置1004上の該当するホームページのURLデータとから構成される。広告企業WWWサーバ装置1004は、上記サーバリダイレクション命令によって指定されるURLに対応するホームページを、ユーザクライアント装置1011に送信する。上記広告企業WWWサーバ装置1004から送信されたホームページには、一般ユーザが前記アミューズメントホームページを使って行ったゲーム、クイズ、又はアンケート等に対する回答が掲載されており、一般ユーザはその回答を確認することができる。これと同時に、上記広告企業WWWサーバ装置1004から送信されたホームページには、上記広告企業の広告が掲載されている。」(同21頁20行?22頁16行) ・記載事項4 「従って、一般ユーザは、前記ゲーム、クイズ、又はアンケート等に応答することにより、必ず広告企業の広告ホームページを見ることになり、その代わりとして電子チップをもらうことができる。一般ユーザは、電子チップをもらえることを期待してゲーム、クイズ、又はアンケート等に積極的に応答し、これに伴って広告企業の広告ホームページが必ず上記一般ユーザのブラウザ画面に表示されるため、大きな販売促進効果を生み出すことが可能となる。」(同22頁17行?23行) 以上の記載事項1?4と図1?11を勘案すると、引用例1には以下の発明が記載されている。 「双方向通信機能を有するインターネット1009を介して、電子チップ発行ゲームサーバ装置1003を有する電子チップ管理センター1001を接続すると共に、広告主の広告が表示される広告主のウェブサイトが置かれる広告企業クライアント装置1010を接続し、インターネット1009に接続されるユーザクライアント装置1011からの電子チップ管理センター1001の電子チップ発行ゲームサーバ装置1003を介して広告企業クライアント装置1010に対してアクセスし、電子チップ管理センターの電子チップ発行ゲームサーバ装置1003においてはユーザクライアント装置1011へ対してゲーム、クイズ、又はアンケートを提供すると共に、広告企業クライアント装置1010においてはゲーム、クイズ、又はアンケートの回答を表示する電子チップ流通システム。」(以下、「引用例1に記載された発明」という。) (2)引用例2について 当審で拒絶理由として引用した特開2000-113068号公報(以下、「引用例2」という。)には、以下の技術事項が記載されている。 ・記載事項5 「【0012】【発明の実施の形態】本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明のコンピューターネットワークを通じた情報伝達方法が使用される環境は一つ以上の使用者コンピューター1、一つ以上の情報提供者サーバー2、一つ以上の情報仲介サーバー3であって、これらはインターネットのようなネットワークを通じ相互接続が可能である。このコンピューターネットワークの環境については図1に示したものと同様である。なお、本明細書において、ネットワーク上で「留まる」、「移動する」、「訪問する」などはウェブサイト上の概念であって、使用者コンピューター1に読み出される情報の情報源について言及しているものとする。」 ・記載事項6 「【0013】図2は本発明にかかる情報伝達方法の流れ図である。本発明は情報提供者2のウェブサイトへ使用者が長く留まりながら、ウェブサイトから提供される情報を使用者に詳しく認知させる事を目的としている。即ち、報奨(宝物)の対象となるハイパーリンクイメージを情報提供者2のウェブサイトに隠しておき、情報仲介サーバー3は隠れたイメージに対する概略的ヒントだけを与える。従って、使用者は情報提供者2のウェブサイトに隠されたイメージを検索するが、これは従来の情報伝達方法に比べ使用者が情報提供者2のウェブサイトに留まる時間が増大することになり、ウェブサイトの内容をより注意深く探させることが可能となる。」 ・記載事項7 「【0014】情報仲介サーバー3には、例えば図7に示すように、使用者の人的事項に関する使用者データベース、使用者が探し当てた場合に報奨となるハイパーリンクイメージに対する識別番号を使用者別に記録するための識別番号データベース、報奨の有効期限内に使用者別に探し当てたハイパーリンクイメージの個数を記録するためのカウンターデータベースが構築されている。使用者データベースは使用者の基本的人的事項、例えば、名前、住所、性別、電子メールアドレスなどの情報を含み、これは使用者が会員として加入された際に記録される。」 ・記載事項8 「【0018】任意期間を設定する段階S200は識別番号データベースの内容を訂正する事で成り立っている。使用者はパーソナルコンピューターなどを利用し、インターネットのようなネットワーク4へ接続し、情報提供サーバー2のウェブサイトへ接続する。使用者が情報仲介サーバー3へ接続した場合の初期画面が図3に図示してある。初期画面には使用者登録メー二ュ、ハイパーリンクイメージが挿入されたところに関する概略的な情報を含んでいるサーブメニュー(宝探し地図)、使用者がイメージを探し当てた個数を確認できるサーブメニュー及び情報仲介サーバーに関する一般的内容を含んでいるサーブメニューがある。初めて情報仲介サーバー3に接続した使用者は使用者登録をすることができ、すでに登録を済ませている使用者は隠されたハイパーリンクイメージに関した情報のあるサーブメー二ュ( 宝探し地図) へ直接移動して情報を得ることになる(S300、図4参照) 。」 ・記載事項9 「【0019】図4に示されたように、上記情報は情報提供者のウェブサイトへリンクされたイメージになっており情報提供者のウェブサイトに隠れたイメージの個数、隠されたところに対するヒントを見せる。使用者はこれを確認した後、これをクリックし情報提供サーバー2へ移動する事になり、上記ヒントにより、隠されたハイパーリンクイメージを検索する事になる(S400)。情報提供サーバー2のウェブサイトに挿入されたハイパーリンクイメージを発見し、これをクリックすることが報奨の対象になることから、使用者は情報提供者のウェブサイトに必然的に長く留まりウェブサイト上の情報を注意深く読み取るようになる。」 3.対比 本願発明と引用例1に記載された発明を対比すると、引用例1に記載された発明の「双方向通信機能を有するインターネット1009を介して」は本願発明の「双方向通信機能を有するネットワークに」に相当し、以下同様に、「電子チップ発行管理センター1001」は「クイズ主催者のウェブサイトが置かれるクイズ管理者サーバ」に、「広告企業WWWクライアント装置1010」は「広告主サーバ」に、「インターネット1009」は「ネットワーク」、「ユーザクライアント装置1011」は「クイズ参加者端末」に、「ゲーム、クイズ、又はアンケートを提供する」は「クイズ番組を表示する」にそれぞれ相当している。 そして、引用例1に記載された発明は、以下の点を実質的に具備しているということができる。 ・実質的具備事項1 引用例1の記載事項3の「次に、一般ユーザは、インターネット1009に接続されるユーザクライアント装置1011から、電子チップ発行ゲームサーバ装置1003が提供する各種ゲームホームページ、クイズホームページ、又はアンケートホームページ(以下、これらを総称してアミューズメントホームページという)にアクセスする。ユーザクライアント装置1011は、広告企業クライアント装置1010と同様の通常のパソコンである。この装置1011の操作者(以下、一般ユーザという)」なる記載および図10に基づけば、引用例1に記載された発明の電子チップ管理センター1001の広告企業WWWサーバ装置1004もしくはアミューズメントホームページは、ゲーム、クイズ、又はアンケート等に関する回答を一般ユーザに提供するとともに、広告企業のホームページをインターネットを介してユーザの画面上に表示しており、引用例1に記載された発明の電子チップ発行管理センター1001および広告企業クライアント装置1010は、それぞれウェブサイトを備えていることは明らかである。 そして、上記(1)1)柱書きに示したように引用例1に記載された発明の「電子チップ管理者センター1001」「広告企業クライアント装置1010」は、「クイズ主催者のウェブサイトが置かれるクイズ管理者サーバ」「広告主サーバ」に相当している。 そうすると、引用例1に記載された発明のクイズ管理者サーバと広告主サーバは、ウェブサイトを実質的に具備しているということができる。 ・実質的具備事項2 下記の4.相違点についての検討において示す引用例2に記載された発明および特開2000-352948号公報には、ゲーム等への参加者端末と主催者側サーバと広告提供側サーバとをインターネットを通じてシステムとして構築するものにおいて、ゲーム等への参加者が主催者側サーバと広告提供側サーバへのアクセスを許可制とすることを踏まえると、引用例1の記載事項2の「・・・また、ゲームサーバ装置109は、電子チップ流通サーバ装置101内の電子チップ発行モジュール102に、ゲーム種別及び得点と、ユーザIDとを通知する。通知は、例えば電子メールを使って行われる。・・・このようなネットワークゲームシステムを採用した場合、ゲーム参加者に対してユーザ認証が行われ、・・・」なる記載に基づけば、引用例1に記載された発明は、会員登録による識別番号等の付与により、アクセスを許可制としていることは明らかであるから、ユーザクライアント端末1011から電子チップ発行ゲームサーバ装置1003へのアクセスに関して、参加登録や認証を伴うものであるということができる。 そして、上記(1)1)に示したように「ユーザクライアント端末1011」は「クイズ参加者端末」に相当し、また、上記実質的具備事項1において示したように、引用例1に記載された発明において、クイズ主催者サーバはウェブサイトを実質的に具備している。 そうすると、引用例1に記載された発明は、ネットワークに接続されるクイズ参加者端末からのクイズ管理者のウェブサイトおよび広告主のウェブサイトへのアクセスを、参加登録や認証に基づき許可する構成を実質的に具備しているということができる。 ・実質的具備事項3 引用例1に記載された発明の電子チップ流通システムは、ユーザに広告企業の広告を提供しているのであるから、広告システムといい換えることができることは明らかである。 そうすると、引用例1に記載された発明は、広告システムを実質的に具備しているということができる。 上記実質的具備事項1?3を勘案すると、引用例1に記載された発明と本願発明は、 「双方向通信機能を有するネットワークにクイズ主催者のウェブサイトが置かれるクイズ管理者サーバを接続すると共に、広告主の広告が表示される広告主のウェブサイトが置かれる広告主サーバを接続し、ネットワークに接続されるクイズ参加者端末からのクイズ主催者のウェブサイト及び広告主のウェブサイトに対してアクセスし、クイズ主催者のウェブサイトにおいてはクイズ参加者端末へ対してクイズ番組を表示すると共に、広告主の広告が表示される広告主のウェブサイトが置かれる広告主サーバにおいては、ゲーム、クイズ又は回答に関する情報を表示する広告システム。」点で一致するとともに、以下の点で相違している。 <相違点> 広告主サーバーにおいてユーザに提供されるクイズに関する情報が、本願発明においてはクイズの正解を出すための時系列に沿って順次示されるヒントであるのに対して、引用例1に記載された発明においては、クイズに対する回答を表示するものである点。 4.相違点についての検討 上記相違点について検討する。 引用例2の記載事項5?9並びに図1?9を総合的に勘案すれば、 「双方向に情報を交換できるインターネットや近距離通信網等のネットワーク4を介して、ゲームを行う情報仲介サーバー3を接続すると共に、広告主の広告が表示される広告主のウェブサイトが置かれる情報提供者サーバー2を接続し、ネットワーク4に接続される使用者コンピュータ1からの情報仲介サーバー3及び情報提供サーバー2に対して、使用者が会員登録をした後にアクセス可能とし、情報仲介サーバー3においては使用者コンピュータ1へ対してゲーム案内、宝地図、広告案内、又は掲示板等を提供すると共に、広告の表示にヒント等を含ませて表示するコンピュータネットワーク。」が記載されており、そして、引用例2の「双方向に情報を交換できるインターネットや近距離通信網等のネットワーク4」「情報仲介サーバー3」「情報提供者サーバー2」「使用者コンピュータ1」「使用者が会員登録をした後にアクセス可能とし、」「広告の表示にヒント等を含ませて」「コンピュータネットワーク」は、機能や趣旨から見て、本願発明の「双方向通信機能を有するネットワーク」「管理者サーバ」「広告主サーバ」「参加者端末」「アクセスを許可し」「ヒントは広告の表示に融合して」「広告システム」にそれぞれ相当していると言えるから、引用例2には、以下の発明が記載されているということができる。 「双方向通信機能を有するネットワークを介して、ゲーム等を行う管理者サーバを接続すると共に、広告主の広告が表示される広告主のウェブサイトが置かれる広告主サーバを接続し、ネットワークに接続される使用者コンピュータ1からの情報仲介サーバー3及び情報提供サーバー2に対して、参加者端末は会員登録をした後にアクセス可能とし、管理者サーバにおいては参加者端末へ対してゲーム案内、宝地図、広告案内、又は会社紹介等を提供すると共に、ヒントは広告の表示に融合して表示する広告システム。」(以下、「引用例2に記載された発明」という。) そして、上記引用例2に記載された発明、特開平9-212443号公報および国際公開第97/07506パンフレット(1997)等に見られるように、コンピュータネットワークを用いたゲームやクイズシステムにおいて、ゲームの参加者に所定の条件を経過した者に、進捗状況に適合したヒントを示すことは、周知な技術にすぎない(以下、「周知技術A」という。)。 さらに、実願昭61-195997号(実開昭63-100775号)のマイクロフイルム、特開昭61-170865号公報、特開昭55-84969号公報、および実願平5-65133号(実開平7-27675号)のCD-ROM等には、ゲーム性を持たせた教材具や学習具において、学習問題の正解を導くためのヒントを時系列に沿って順次表示する点(第1ヒントの次ぎに第2ヒントを提示表示)が示されているように、ゲーム性を持たせた教材等において、学習問題の正解を導くためのヒントを時系列に沿って順次表示する点は周知技術にすぎない(以下、「周知技術B」という。)。 そして、引用例1に記載された発明、上記周知技術Aは共に、参加者端末と主催者側サーバと広告提供側サーバとをインターネットを通じてシステムとして構築すると共に、参加者にゲームとともに広告を提供する点で共通するのであるから、これらの間で相互に技術利用することに格別の困難性を見出し得ない。 また、引用例1に記載された発明、上記周知技術Bは共に、クイズや学習の回答に関する情報を参加者に示す点で共通するのであるから、これらの間で相互に技術利用することに格別の困難性を見出し得ない。 そうすると、引用例1に記載された発明における参加者にクイズの回答を表示することに代えて、上記周知技術Aならびに上記周知技術Bを参酌して、参加者に時系列に沿ってクイズ、問題、ゲームのヒントを順次表示するようにすること、すなわち上記相違点に係る構成となすことは、当業者が容易に想到し得る程度のことということができる。 3)作用効果 本願発明によって奏する効果も、引用例1に記載された発明および周知技術Aおよび周知技術Bから普通に予測できる範囲内のものであって格別のものがあるとは認められない。 4)まとめ 以上のとおり、本願発明は、引用例1に記載された発明、周知技術Aおよび周知技術Bに基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 5.むすび 上記のとおりであるので、本願発明は、引用例1に記載された発明、周知技術Aおよび周知技術Bに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項により特許を受けることができないものである。 したがって、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2007-03-06 |
結審通知日 | 2007-03-13 |
審決日 | 2007-03-26 |
出願番号 | 特願2001-51518(P2001-51518) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(A63F)
|
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 植野 孝郎 |
特許庁審判長 |
三原 裕三 |
特許庁審判官 |
藤田 年彦 川島 陵司 |
発明の名称 | 広告システム |
代理人 | 神保 欣正 |
代理人 | 神保 欣正 |