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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 D06F
管理番号 1161329
審判番号 不服2004-19845  
総通号数 93 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-09-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-09-24 
確定日 2007-07-19 
事件の表示 平成11年特許願第351316号「除湿装置および除湿装置を備えた乾燥機」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 5月 9日出願公開、特開2000-126498〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本件の出願(以下、「本願」という。)は、平成7年10月23日に出願した特願平7-273891号の一部を平成11年12月10日に新たな特許出願としたものであって、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成16年10月21日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のものと認められる。

「室内の空気を吸い込む室内空気吸い込み口および乾燥用空気の吹き出し口を設けた本体と、吸着側で室内空気中の湿気を吸着するとともに再生側では加熱され脱湿再生する吸着剤と、吸着剤の再生側で高温高湿となった循環空気と室内空気とを熱交換する熱交換器と、吸着剤の再生側を加熱する加熱手段と、前記室内空気吸い込み口から室内の空気を吸い込んで吸着剤の吸着側に供給するための第1の送風ファンと、循環空気を循環させるための第2の送風ファンとを備え、前記第1の送風ファンにより供給された室内空気を前記熱交換器を通過後に前記吸着剤の吸着側に通過させ、室内に開放された前記乾燥用空気の吹き出し口から乾燥空気として吐出する経路と、前記第2の送風ファンによる循環空気を加熱手段および吸着剤の再生側を通過させ、高温高湿となった空気を熱交換器を通して循環させ室内空気と熱交換させる循環経路とを前記本体内に有し、前記吸着剤はその吸着側と再生側とを入れ替え、再生時に発生する水分を熱交換器によって室内空気により冷却して結露水として回収する除湿装置。」

2.引用例
原査定の拒絶の理由に引用した実願平4-54244号(実開平6-10782号)のCD-ROM(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに次の記載がある。

ア.「吸湿剤を担持させたハニカム構造ローターにより除湿を行い、除湿と並行して加熱空気による吸湿剤の再生を行うようにした乾式除湿機を、被乾燥物を収容する乾燥室の中または外に設置し、除湿機の湿り空気吸入口および低湿度空気の排出口を室内に開口させ、除湿機の再生用空気取り入れ口および高湿度再生排気の排出口を室外に開口させたことを特徴とする衣類等の乾燥装置。」(請求項1)

イ.「本考案による衣類等の乾燥装置は、シリカゲル、モレキュラーシーブ等の吸湿剤を担持させたハニカム構造ローターにより除湿を行い、除湿と並行して加熱空気による吸湿剤の再生を行うようにした乾式除湿機(以下、乾式除湿機という)により、洗濯物、濡れた衣類、靴その他のレジャー用品等の被乾燥物を適当な通気間隙を設けて収容した乾燥室内の湿った空気の除湿を行い、乾式除湿機により除湿された低湿度空気を乾燥室に戻す。これにより乾燥室内空気の絶対湿度を低下させ、濡れた被乾燥物の乾燥を行う。」(第0006段落)

ウ.「ハニカム構造のローター1は、セラミック繊維を主原料とし吸湿剤を担持させたシートの波形に型付け加工したもの(2)と未加工のもの(3)とを重ねて巻き上げたものであって、巻き上げの中心を回転の軸にして矢印方向に回転するようになっている。ローター1の長手方向には、型付けされたシート2により形成された通気間隙3が伸びているので、ここに湿った空気Q1を送り込むと、空気中の水分がローター1上の吸湿剤に吸着されて除湿が行われ、反対側から低湿度空気Q2が排出される。ローター1における通気間隙4の開口面の一部を仕切り板5で扇形に仕切り、その領域だけは湿った空気Q1が流れないようにし、加熱器6で加熱された再生用空気Q3を流すと、この領域(再生ゾーンR)では再生用空気Q3で加熱されたローター1上の吸湿剤から水分が放出され、放出された水分を含む再生排気Q4が反対側から排出される。上述のようにして、乾式除湿機では除湿ゾーンDにおける水分吸着と再生ゾーンRにおける吸湿剤再生が同時に並行して行われ、常時、安定した除湿能力が発揮される。」(第0008段落)

エ.「また、回転するローター1は、再生ゾーンRにおいて高温の再生用空気Q3で加熱されているため、再生ゾーンRから除湿ゾーンDへ入った直後はかなりの熱量を保有している。この熱量は、ローター1が除湿ゾーンDに入ったあと送り込まれる常温の湿った空気Q1に伝達され、空気Q1の温度を上昇させる。そこで、再生ゾーンRから除湿ゾーンDに入ったばかりのローター1aと接触して出てきた高温の低湿度空気は別の仕切り板7を付加して空気Q1の出口側で鎖線8のように分流させ、これを再生用空気Q3として利用する方式(パージ方式)を採用すると、加熱器6で再生用空気Q3を加熱するのに使われた熱量の大部分を回収し、消費電力の少ない除湿を行うことができる。」(第0009段落)

オ.「乾式除湿機の本体部分は、乾燥室が浴室など機械設置に適さないもの場合は乾燥室の外に設置するのが適当であるが、特に不都合がない場合は乾燥室の中に設置してもよい。 高湿度の再生排気は屋外に排出することが望ましいが、屋内に排出しても特に不都合がない場合は、屋内に排出されるようにしても差し支えない。パージ方式によらない乾式除湿機を用いる場合、再生用空気の取り入れは屋内、屋外、いずれからでもよく、季節によって切り替えるようにしてもよい。たとえば、外気温度が高い夏季は屋外から再生用空気を取り入れ、反対に屋内のほうが暖かい冬季は屋内で再生用空気を取り入れると、再生用空気加熱のためのヒーター容量を小さくすることができる。」(第0011段落)

カ.「図2は、ユニットバス(内部空間5.376m3)を乾燥室10として利用する実施例を示す。乾式除湿機11は、ユニットバスの壁12の外側に取り付けられていて、その湿り空気Q1の吸入口13と低湿度空気Q2の排出口14が、壁12を貫通させたパイプにより乾燥室1内に通じており、一方、再生用空気Q3の取り入れ口15と高湿度再生排気Q4の排出口16が、図示してないダクトにより屋外に通じている。」(第0012段落)

また、図1及び図2、そして上記「カ.」の記載から、引用例1の乾式除湿機には、湿り空気吸入口13と低湿度空気排出口14を結ぶ経路、及び、再生用空気取り入れ口15と高湿度再生排気の排出口16を結ぶ経路が本体内に備えられていることは明らかである。
さらに、引用例1の乾式除湿機には、湿り空気吸入口13から空気を吸い込み低湿度空気排出口14から吐出するための送風手段が備えられていることは、技術常識からして明らかである。

したがって、引用例1には、次の発明(以下、「引用例1発明」という。)が記載されている。

「乾燥室(10)内の空気を吸い込む湿り空気吸入口(13)および低湿度空気排出口(14)を設けた本体と、除湿ゾーン(D)で乾燥室(10)内の湿った空気(Q1)から湿気を吸着するとともに再生ゾーン(R)では加熱されて脱湿再生するハニカム構造ローター(1)と、ハニカム構造ローター(1)の再生ゾーン(R)を加熱する加熱器(6)と、また、湿り空気吸入口(13)から乾燥室(10)内の空気を吸い込んでハニカム構造ローター(1)の除湿ゾーン(D)に供給する送風手段を備え、湿り空気吸入口(13)から送風手段により供給された乾燥室(10)内の空気をハニカム構造ローター(1)の除湿ゾーン(D)に通過させ、乾燥室(10)内に開放された低湿度空気排出口(14)から低湿度空気(Q2)として吐出させる経路、再生用空気(Q3)を加熱器(6)およびハニカム構造ローター(1)の再生ゾーン(R)を通過させる経路とを前記本体内に有し、また、ハニカム構造ローター(1)の除湿ゾーン(D)と再生ゾーン(R)を入れ替えるようにした乾式除湿機」

また、原査定の拒絶の理由に引用した特開昭58-118799号公報(以下、「引用例2」という。)には、図面とともに次の記載がある。

キ.「本発明は、除湿型熱風乾燥方法とその装置に関するもので、特に、衣類等の被乾燥物を乾燥する際の乾燥時間の短縮と乾燥効率の向上とを図ったものである。」(第1頁右下欄第1-4行)

ク.「本発明の目的は、供給空気を吸湿剤等で除湿して乾燥速度を上げると同時に、その吸湿剤の再生に用いた熱も有効に回収させることにより、乾燥速度が速くてしかも省エネルギー型とすることのできる除湿型熱風乾燥方法とその装置を提供することにある。」(第2頁右上欄第9-14行)

ケ.「被乾燥物に供給する空気を除湿剤により除湿する除湿器と、上記除湿剤の再生を高温高湿ガスにより行なう再生器と、再生に使用した後のガスより熱回収すると共にガス中の水分を凝縮させて除去するコンデンサと、上記再生用のガスの加熱を行なう再生用ヒータと、再生用ガスを上記再生器、コンデンサ及び再生用ヒータの間で閉リープ状に循環させるファンとを備え、供給空気を上記再生器及びコンデンサを介して被乾燥物側に供給する構成とする」(第2頁左下欄第1-10行)

コ.「本発明は、再生に用いた熱を回収するには、再生操作を閉ループにして、その湿度をさらに高くすると同時に温度を高くして、いわゆる質の良い熱エネルギーにしておくことにより、それからの熱回収を可能にしたものである。」(第2頁右下欄第4-8行)

サ.「第3図において、第1図に示した前処理器130として、供給空気10を除湿する除湿器200と、除湿に用いた除湿剤を高温高湿ガスで再生する再生器210と、再生用熱風20を発生する再生用ヒータ230と、再生用熱風を閉ループ状に循環させるフアン240と、再生に用いた熱を供給空気側へ回収するコンデンサ220とが設置される。」(第2頁右下欄第12-19行)

シ.「供給空気10が除湿器200で除湿され、・・・、乾温風13となる。この乾温風13がコンデンサ220で、再生用湿熱風21により、熱を回収し、・・・乾温風14となり、この乾温風14がヒータ100で加熱されて・・・乾熱風11’となり、乾燥室110内の被乾燥物を乾燥した後、・・・湿風12となつて、フアン120により排出される」(第3頁左上欄第9-19行)

ス.「除湿器200の除湿剤は、再生用ヒータ230で湿度が高い状態で加熱された、・・・再生熱風20により、再生器210で加熱再生され、再び除湿器200に戻る。再生熱風20は、その時、除湿剤に熱を与えると同時に水分をとり、・・・、湿熱風21となる。この湿熱風21は再生用のフアン240によりコンデンサ220へ導びかれ、ここで除湿器200を通過してきた乾温風13により冷却され、温度低下と共に水分23も(凝縮)除去され、・・・、この顕熱(温度低下分の熱量)と潜熱(水分除去分の熱量)が、乾温風13へ完全に回収される・・・。コンデンサ220を出た再生温風22は、再生用ヒータ230により、コンデンサ220で失つた熱量分・・・だけ加熱され、再び再生熱風20となつて再生器210へ送り込まれて循環回路を形成す」(第3頁右上欄第1-20行)

セ.「このように、除湿剤の再生に用いる熱量は、再生器210の出口の湿熱風21の状態が高湿高温状態・・・であるため、コンデンサ220で供給空気側の乾温風13に完全に回収できると同時に、再生用の湿熱風21から水分も除去できることになり、再び再生用空気として利用でき、再生ループでの熱のロスは全くないことになる。」(第3頁左下欄第1-7行)

ソ.「除湿量を増すことにより、さらに乾燥速度Vを向上させることができ、場合によつては供給空気側のヒータ100を省略することが可能となる。」(第3頁右下欄第4-7行)

タ.「第5図は本発明の他の実施例を示すブロツク構成図で、除湿器200とコンデンサ220の設置場所を、第3図実施例の場合と逆にしたものであり、第5図実施例によつても同じ効果を生じ、除湿剤性能の向上により、コンデンサ性能向上及び小形化に有利な構成である。」(第3頁右下欄第8-13行)

これらの記載及び図面を参照すると、引用例2には、次の発明(以下、「引用例2発明」という。)が記載されている。

「再生用ヒータ(230)および再生器(210)の除湿剤で高温高湿となった再生ループ内の空気である湿熱風(21)と乾燥室(110)内に供給される供給空気(10)とを熱交換するコンデンサ(220)と、再生ループ内の空気を循環させるための再生用のフアン(240)とを備え、供給空気(10)をコンデンサ(220)に通過させた後に除湿器(200)の除湿剤に通過させ、乾燥室(110)内へ乾温風として吐出するようにし、再生用のフアン(240)により循環される空気を再生用ヒータ(230)および再生器(210)の除湿剤を通過させ、再生ループ内の空気である湿熱風(21)をコンデンサ(220)を通して循環させ供給空気(10)と熱交換させる再生ループを有し、除湿剤の再生時に発生する水分をコンデンサ(220)によって供給空気(10)により冷却して凝縮した水分(23)として回収する除湿型熱風乾燥装置」

3.対比
本願発明と上記引用例1発明とを対比する。

引用例1発明の「乾燥室」は、本願発明の「室」に相当し、以下同様に、「湿り空気吸入口」は「室内空気吸い込み口」に、「低湿度空気排出口」は「乾燥用空気の吹き出し口」に、「除湿ゾーン」は「吸着側」に、「再生ゾーン」は「再生側」に、「ハニカム構造ローター」は「吸着剤」に、「加熱器」は「加熱手段」に、「低湿度空気」は「乾燥空気」に、「乾式除湿機」は「除湿装置」に相当する。
また、本願発明の「循環空気」は、「再生用空気」といえる。

したがって、両者は、

「室内の空気を吸い込む室内空気吸い込み口および乾燥用空気の吹き出し口を設けた本体と、吸着側で室内空気中の湿気を吸着するとともに再生側では加熱され脱湿再生する吸着剤と、吸着剤の再生側を加熱する加熱手段と、室内空気吸い込み口から室内の空気を吸い込んで吸着剤の吸着側に供給する送風手段とを備え、送風手段により供給された室内空気を吸着剤の吸着側に通過させ、室内に開放された前記乾燥用空気の吹き出し口から乾燥空気として吐出する経路と、再生用空気を加熱手段および吸着剤の再生側を通過させる経路とを本体内に有し、また、吸着剤はその吸着側と再生側とを入れ替えるようにした除湿装置」

の点で一致し、次の点で相違する。

[相違点1]
本願発明では、室内空気吸い込み口から室内の空気を吸い込む「第1の送風ファン」を備えているのに対し、引用例1発明では、送風手段を備えてはいるが、送風ファンであるか否か不明な点。

[相違点2]
本願発明では、吸着剤の再生側で高温高湿となった循環空気と室内空気とを熱交換する熱交換器と、循環空気を循環させるための第2の送風ファンとを備え、室内空気を熱交換器を通過後に吸着剤の吸着側に通過させ、室内に開放された前記乾燥用空気の吹き出し口から乾燥空気として吐出する経路と、第2の送風ファンによる循環空気を加熱手段および吸着剤の再生側を通過させ、高温高湿となった空気を熱交換器を通して循環させ室内空気と熱交換させる循環経路とを有し、再生時に発生する水分を熱交換器によって室内空気により冷却して結露水として回収する、構成を有しているのに対し、
引用例1発明では、吸着剤の再生側で高温高湿となった循環空気と室内空気とを熱交換する熱交換器、循環空気を循環させるための第2の送風ファン、及び、再生時に発生する水分を熱交換器によって室内空気により冷却して結露水として回収する構成を有しておらず、
また、室内に開放された乾燥用空気の吹き出し口から乾燥空気として吐出する経路を有してはいるものの、室内空気を熱交換器を通過後に吸着剤の吸着側に通過させておらず、
さらに、再生用空気を加熱手段および吸着剤の再生側を通過させる経路を有してはいるものの、第2の送風ファンによる循環空気を加熱手段および吸着剤の再生側を通過させ、高温高湿となった空気を熱交換器を通して循環させ室内空気と熱交換させる循環経路を有してはいない点。

(4)判断
相違点1について
送風手段として送風ファンを用いることは常套手段である。
したがって、引用例1発明において、送風手段として送風ファンを用い、上記相違点1に係る本願発明の構成を採用することは、当業者が容易に想到し得たものである。

相違点2について
引用例2発明の「再生器」は、本願発明の「再生側」に相当し、以下同様に、「除湿剤」は「吸着剤」に、「再生ループ内の空気」は「循環空気」に、「コンデンサ」は「熱交換器」に、「除湿器」は「吸着側」に、「乾燥室」は「室」に、「乾燥風」は「乾燥空気」に、「再生用ヒータ」は「加熱手段」に、「再生用のフアン」は「第2送風ファン」に、「再生ループ」は「循環経路」に、「凝縮した水分」は「結露水」に、「除湿型熱風乾燥装置」は「除湿装置」に相当する。
また、引用例2発明の「供給空気」は、引用例1発明の「室内空気」と同様に、乾燥室に供給する衣類乾燥用空気といえるものである。

したがって、引用例2には、

「吸着剤の再生側で高温高湿となった循環空気と衣類乾燥用空気とを熱交換する熱交換器と、循環空気を循環させるための第2の送風ファンとを備え、衣類乾燥用空気を熱交換器を通過後に吸着剤の吸着側に通過させ、室内へ乾温空気として吐出するようにし、第2の送風ファンによる循環空気を加熱手段および吸着剤の再生側を通過させ、高温高湿となった空気を熱交換器を通して循環させ衣類乾燥用空気と熱交換させる循環経路とを有し、吸着剤の再生時に発生する水分を熱交換器によって衣類乾燥用空気により冷却して結露水として回収する除湿装置。」

が記載されている。

そして、引用例2発明の課題は、上記「2.ク」に記載されるように、熱を有効に回収し、省エネルギー型とすることであり、除湿装置において当然考慮されるべきものであって、引用例1に記載された除湿装置もこのような課題を有することは、当業者にとって明らかなことである。

したがって、引用例1発明において、吸着剤の再生側で高温高湿となった循環空気と室内空気とを熱交換する熱交換器、循環空気を循環させるための第2の送風ファン、及び、再生時に発生する水分を熱交換器によって室内空気により冷却して結露水として回収する構成を付加し、上記相違点2に係る本願発明の構成を採用することは、当業者が容易に想到し得たものである。

しかも、本願発明の作用効果は、引用例1及び引用例2に記載された事項から当業者が予測できた範囲内のものである。

4.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1発明及び引用例2発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-05-17 
結審通知日 2007-05-22 
審決日 2007-06-04 
出願番号 特願平11-351316
審決分類 P 1 8・ 121- Z (D06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 由希子金丸 治之  
特許庁審判長 水谷 万司
特許庁審判官 長浜 義憲
関口 哲生
発明の名称 除湿装置および除湿装置を備えた乾燥機  
代理人 内藤 浩樹  
代理人 岩橋 文雄  
代理人 永野 大介  

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