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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  A47G
管理番号 1174619
審判番号 無効2005-80252  
総通号数 101 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-05-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2005-08-22 
確定日 2008-03-12 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第3323861号「遺影写真の表示方法、遺影写真システム、及び遺影写真の処理方法」の特許無効審判事件についてされた、平成18年4月20日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において審決取消の決定(平成18年行ケ第10254号、決定日;平成18年7月26日)があり、同事件は特許庁に差し戻されたので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 特許第3323861号の請求項1ないし6に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 1.手続の経緯
(1)本件特許第3323861号に係る発明についての出願は、平成13年2月8日の出願であって、平成14年6月28日に特許権の設定登録がなされたものである。
(2)これに対して、請求人より、平成17年8月22日に本件特許無効審判の請求がなされ、一方、被請求人より同年11月18日付けで答弁書及び訂正請求書が提出され、更に請求人より、平成17年12月28日付けで弁駁書が提出された。
(3)その後、平成18年2月17日に口頭審理が行われ、同年3月2日付けで被請求人及び請求人より、それぞれ上申書が提出された。
(4)そして、当審により、平成18年4月20日付けで「訂正を認める。特許第3323861号の請求項1ないし7に係る発明についての特許を無効とする。」との審決がなされ、当該審決は同年5月2日に請求人及び被請求人に送達された。
(5)被請求人はこれを不服とし、平成18年5月27日に、上記審決の取り消しを求める訴えを知的財産高等裁判所に提起(事件番号 知財高裁・平成18年(行ケ)10254号)するとともに、平成18年7月14日に、特許庁に、特許請求の範囲の減縮等を目的とする訂正審判(審判請求番号 訂正2006-39119号)を請求した。
(6)これに対して、知的財産高等裁判所は、特許法第181条第2項の規定により、「本件特許を無効にすることについて特許無効審判においてさらに審理させることが相当である」として、審決の取り消しの決定を行い(決定日:平成18年7月26日)、上記審決は特許庁に差し戻された。
(7)当審は、被請求人による上記訂正審判を、特許法第134条の3第5項の規定により、本件無効審判(審判請求番号 無効2005-80252号)の訂正請求とみなし、審理を再開した。

2.訂正の適否に対する判断
(1)訂正の内容
本件特許の願書に添付した明細書及び図面の訂正請求(以下、「本件訂正」という。)は、平成18年7月14日付け訂正明細書によると、次の事項をその訂正内容とするものである。
訂正前の特許請求の範囲の請求項1?7につき、請求項2を削除するとともに、特許請求の範囲を、以下の特許請求の範囲の請求項1?6とする。

「【請求項1】遺影写真データをネットワーク(5)を介して処理コンピュータ(3)に送信し、
当該処理コンピュータ(3)では、受信した遺影写真データを編集して、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるように作成して遺影写真データの送り手(2)側に返信し、
返信された前記主遺影写真データと前記遺影スライドショーデータを葬儀又は法要の場において画面表示することを特徴とする遺影写真の表示方法。

【請求項2】遺影写真データをネットワーク(5)を介して処理コンピュータ(3)に送信し、
当該処理コンピュータ(3)では、受信した遺影写真データを、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)において再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデータ形式にして、遺影写真データの送り手(2)側に返信し、
返信された遺影写真データをデジタルビデオ信号再生可能な再生装置(9)によって画面表示することを特徴とする遺影写真の表示方法。

【請求項3】静止画の遺影写真データを、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)において再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデータ形式にして、当該データを当該再生装置(9)が読み出し可能な記録媒体(60)に書き込み、
当該データの書き込まれた記録媒体(60)をデジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)にセットして、遺影写真データを画面表示することを特徴とする遺影写真の表示方法。

【請求項4】遺影写真データをネットワーク(5)を介して送信するための第1処理コンピュータ(2)と、
前記第1処理コンピュータ(2)から受信した遺影写真データを、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)において再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデータ形式にして、遺影写真データの第1処理コンピュータ(2)側に返信する第2処理コンピュータ(3)と、
前記第2処理コンピュータ(3)から受信したデータを前記再生装置(9)が読み出し可能な記録媒体(60)に書き込む書込装置(7)と、
データの書き込まれた記録媒体(60)がセットされて遺影写真データを再生するデジタルビデオ信号再生可能な再生装置(9)と、
当該再生装置(9)によって再生された遺影写真データを画面表示する表示装置(8)と、
を備えていることを特徴とする遺影写真システム。

【請求項5】遺影写真データを編集して、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)で再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデジタルビデオデータを作成し、
作成した遺影写真のデジタルビデオデータを当該データの利用者に送ることを特徴とする遺影写真の処理方法。

【請求項6】遺影写真データをネットワーク(5)を介して処理コンピュータ(2)で送信し、
その遺影写真データに基づいて、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置で再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデータ形式にされた遺影写真データを、前記処理コンピュータ(2)によって受信し、
受信した遺影写真データをデジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)によって画面表示することを特徴とする遺影写真の表示方法。」(下線部は訂正部分)

また、上記特許請求の範囲の訂正に伴い、明細書の段落【0008】及び【0009】を削除するとともに、【0006】、【0010】、及び【0012】?【0017】を訂正する。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記特許請求の範囲の訂正は、訂正前の特許請求の範囲の請求項2を削除し、また、訂正前の特許請求の範囲の請求項1及び3ないし7の全てにおいて
(ア)遺影スライドショーデータを構成する複数の遺影写真が主遺影写真データを構成する主遺影写真以外のものである点。
(イ)遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でありかつ当該繰り返し再生中においても主遺影写真データにプレイバック可能である点。
(ウ)主遺影写真データへのプレイバックがリモコン等の操作装置に対する一回のボタン操作で行われる点。
を限定したものであり、これは特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正に該当する。
また、願書に添付した明細書の段落【0024】、【0030】、【0036】並びに図2、図3の記載からみて、上記特許請求の範囲の訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
また、請求項2の下から2行目の「再生装置(9)」の訂正は、誤記の訂正と認める。
上記明細書の段落【0006】、【0008】?【0010】、及び【0012】?【0017】の削除ないし訂正は、いずれも上記のように特許請求の範囲を訂正したこととの整合を図るものであるから、明りょうでない記載の釈明または誤記の訂正を目的とするものである。
また、願書に添付した明細書の段落【0024】、【0030】、【0036】並びに図2、図3の記載からみて、上記明細書の削除ないし訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

以上のことから、本件訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書き、及び同法同条第5項で準用する特許法第126条第3項及び第4項の規定に適合するので、本件訂正を認める。

3.本件発明について
上記のとおり、本件訂正は認められたので、本件特許の請求項1?6に係る発明(以下順に、「本件発明1」?「本件発明6」という。)は、訂正明細書及び図面の記載から見て、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1?6に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。

(本件発明1)
「遺影写真データをネットワーク(5)を介して処理コンピュータ(3)に送信し、
当該処理コンピュータ(3)では、受信した遺影写真データを編集して、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるように作成して遺影写真データの送り手(2)側に返信し、
返信された前記主遺影写真データと前記遺影スライドショーデータを葬儀又は法要の場において画面表示することを特徴とする遺影写真の表示方法。」

(本件発明2)
「遺影写真データをネットワーク(5)を介して処理コンピュータ(3)に送信し、
当該処理コンピュータ(3)では、受信した遺影写真データを、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)において再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデータ形式にして、遺影写真データの送り手(2)側に返信し、
返信された遺影写真データをデジタルビデオ信号再生可能な再生装置(9)によって画面表示することを特徴とする遺影写真の表示方法。」

(本件発明3)
「静止画の遺影写真データを、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)において再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデータ形式にして、当該データを当該再生装置(9)が読み出し可能な記録媒体(60)に書き込み、
当該データの書き込まれた記録媒体(60)をデジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)にセットして、遺影写真データを画面表示することを特徴とする遺影写真の表示方法。」

(本件発明4)
「遺影写真データをネットワーク(5)を介して送信するための第1処理コンピュータ(2)と、
前記第1処理コンピュータ(2)から受信した遺影写真データを、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)において再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデータ形式にして、遺影写真データの第1処理コンピュータ(2)側に返信する第2処理コンピュータ(3)と、
前記第2処理コンピュータ(3)から受信したデータを前記再生装置(9)が読み出し可能な記録媒体(60)に書き込む書込装置(7)と、
データの書き込まれた記録媒体(60)がセットされて遺影写真データを再生するデジタルビデオ信号再生可能な再生装置(9)と、
当該再生装置(9)によって再生された遺影写真データを画面表示する表示装置(8)と、を備えていることを特徴とする遺影写真システム。」

(本件発明5)
「遺影写真データを編集して、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)で再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデジタルビデオデータを作成し、
作成した遺影写真のデジタルビデオデータを当該データの利用者に送ることを特徴とする遺影写真の処理方法。」

(本件発明6)
「遺影写真データをネットワーク(5)を介して処理コンピュータ(2)で送信し、
その遺影写真データに基づいて、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置で再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデータ形式にされた遺影写真データを、前記処理コンピュータ(2)によって受信し、
受信した遺影写真データをデジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)によって画面表示することを特徴とする遺影写真の表示方法。」

4.請求人の主張の概要
審判請求人は、審判請求書、平成17年9月20日付け手続補正書、平成17年12月28日付け弁駁書、及び平成18年3月2日付け上申書、並びに本件訂正請求の後に請求人から提出された、平成18年8月10日付け上申書、及び平成18年10月5日付け弁駁書の内容を総合すると、次の理由及び証拠方法から、本件発明1?6についての特許は、特許法第123条第1項第2号の規定により無効とすべきものであると主張する。

(無効理由)
本件発明1?6は、甲第2?13号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。

(証拠方法)
甲第1号証:特許第3323861号公報(本件特許公報)
甲第2号証:特開平10-243871号公報
甲第3号証:特開2000-123155号公報
甲第4号証:「筆まめVer.10」P126?144,P156?164,P178?182
甲第5号証:「かんたん図解/インターネット」P124?132,P193?205
甲第6号証:「CD-R/RWの選び方・焼き方」P76?100
甲第7号証:「PICTURE PUBLISHERユーザーズ・ガイド」目次及びP4-18?4-24,P11-15
甲第8号証:特開平9-288694号公報
甲第9号証:「Windows95パーフェクトマスター」P91?112,P529?535
甲第10号証:特開平9-37016号公報
甲第11号証(平成18年10月5日付け弁駁書提出時に追加、以下甲第12号証及び13号証も同様):「DVL-K88」DVDLDプレーヤー取扱説明書
甲第12号証:「DV-505」DVDプレーヤー取扱説明書
甲第13号証:「DV-7」DVDプレーヤー取扱説明書

5.被請求人の主張の概要
被請求人は平成18年7月14日付けで本件訂正請求を行い、本件訂正前の請求項2を削除し、同請求項1、及び3?7に係る発明を減縮して上記3.のとおり本件発明1?6とし、概略以下のように主張する。

本件発明1?6は、すべて次の構成要件(x)遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能であるデータ形式になっている点、及び(y)上記繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置に対する一回のボタン操作で主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデータ形式になっている点を備え、特許庁が、平成18年4月20日付けでした、本件訂正請求前の請求項1ないし7ついての特許を無効とした審決において引用した、刊行物1:特開平10‐243871号公報(甲第2号証)、刊行物2:特開2000‐123155号公報(甲第3号証)、及び刊行物3:特開平9-288694号公報(甲第8号証)には、上記本件発明1?6の構成要件(x)及び(y)は記載されていない。
また、同審決において周知例として引用されている、特開平10一224745号公報、特開2000-115675号公報、及び特開平9‐288307号公報には、上記構成(x)は記載されているが、構成(y)は記載されていない。
本件発明1?6では、遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能であるデータ形式になっている(構成要件(x))ので、ユーザ(葬儀社)がリモコン等よりなる操作装置に対するボタン操作を逐一行わなくてもスライド用の遺影写真を葬儀の参列者に提示することができ、自動繰り返し再生の利便性を享受することができる。その上で、本件発明1?6では、上記繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置に対する一回のボタン操作で主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデータ形式になっているので、遺影スライドショーデータの自動繰り返し再生中になっている場合でも、操作装置に対してワンタッチ操作で主遺影写真データに戻すことができる。
本件発明1?6では、遺影スライドショーデータの自動繰り返し再生機能を採用し、その上で、その自動繰り返し再生から主遺影写真データに戻るときは操作装置に対する一回のボタン操作で足りる一発プレイバック機能を更に採用することにより、スライドショーデータの自動繰り返し再生機能による利便性を確保しつつ、葬儀進行の急変に迅速に対応することができるという、引用発明では全く想定されていない格別の作用効果を奏する(平成18年7月14日付け訂正審判の審判請求書、第14ページ第5行?第16ページ最終行)。

6.甲第2号証、甲第3号証、及び甲第8号証に記載された発明
(1)甲第2号証について
甲第2号証である特開平10-243871号公報(以下、「刊行物1」という。)には、図面の図1とともに、次の事項が記載されている。

(1-1)「【請求項1】 葬儀の祭壇に設置されたスクリーンと、故人の遺影を上記スクリーンに映写するスライド映写装置と、故人の生前の活動を撮影したビデオ画像を上記スクリーン上に映写するビデオ映写装置と、これら2種の映写装置による映写を葬儀の進行に合わせて切り替える切替手段とを備えた葬儀用映像装置を使用し、
葬儀の開始のときには、上記切替手段を操作して上記スライド映写装置から上記スクリーンに故人の遺影を映写するステップ、
弔辞のときには、上記切替手段を操作して上記ビデオ映写装置またはスライド映写装置を適宜切り替えて選択し、上記スクリーンに故人の生前の活動を撮影したビデオ画像またはスライド画像を択一的に映写するステップ、
葬儀の終了のときには、上記切替手段を操作して上記スライド映写装置から上記スクリーンに故人の遺影を映写するステップ、
を含むことを特徴とする葬儀方法。」(特許請求の範囲、請求項1)

(1-2)「【0015】・・・
・・・
4.読経 遺影
5.生前の声 遺影をやめ、記念式典での祝辞などビデを映像を流す
6.弔辞 弔辞の順に合わせてスライドを変え略歴、業績を紹介する」
7.読経、焼香 生前のスライドを映し出す
8.僧侶退場 遺影
・・・
【0016】[葬儀式]においては、3.の開式から読経が終了するまでは、スクリーンには故人の遺影を映写する。5.の生前の声は動的なビデオ録画で声と共に映像を映写することにより、故人の生前を知らない参列者でも鮮明に故人を偲ぶことができる。
【0017】6.の弔辞では、読み上げられる弔辞に並行して故人の生前のスライドを順次映し出す。・・・
【0018】続いて7.の焼香となるが、このときは故人の生前の写真のスライド等を中心に映写する。9.の弔電の披露では生前のスライドを映写することにより会葬者に時間を感じさせない。後は閉式まで遺影が映写される。」(段落【0015】?【0018】)

(1-3)「【0021】・・・
(1)葬儀の祭壇に設置されたスクリーンと、故人の遺影をスクリーンに映写するスライド映写装置と、故人の生前の活動を撮影したビデオ画像をスクリーン上に映写するビデオ映写装置と、これら2種の映写装置による映写を葬儀の進行に合わせて切り替える切替手段とを備えており、スクリーン上の映像を切替手段によって瞬時に切替えることができる。」(段落【0021】)

上記刊行物1記載事項(1-1)?(1-3)を総合すると、刊行物1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「葬儀の祭壇に設置されたスクリーンと、
故人の遺影及び故人の生前の活動を撮影したスライド画像を上記スクリーンに映写するスライド映写装置と、
故人の生前の活動を撮影したビデオ画像を上記スクリーン上に映写するビデオ映写装置と、
これら2種の映写装置による映写を葬儀の進行に合わせて切り替える切替手段とを備えた葬儀用映像装置を使用し、
葬儀の進行に合わせて、上記切替手段を操作して、上記ビデオ映写装置またはスライド映写装置を適宜切り替えて選択するとともに、
葬儀の進行に合わせて、上記切替手段を操作して、上記スクリーンに故人の生前の活動を撮影したビデオ画像、故人の遺影及び故人の生前の活動を撮影したスライド画像を択一的に映写する
葬儀方法。」

同じく刊行物1には、次の発明(以下、「引用発明1-2」という。)が記載されていると認められる。
「葬儀の祭壇に設置されたスクリーンと、
故人の遺影及び故人の生前の活動を撮影したスライド画像を上記スクリーンに映写するスライド映写装置と、
故人の生前の活動を撮影したビデオ画像を上記スクリーン上に映写するビデオ映写装置と、
これら2種の映写装置による映写を葬儀の進行に合わせて切り替える切替手段とを備えた葬儀用映像装置を使用し、
葬儀の進行に合わせて、上記切替手段を操作して、上記ビデオ映写装置またはスライド映写装置を適宜切り替えて選択するとともに、
葬儀の進行に合わせて、上記切替手段を操作して、上記スクリーンに故人の生前の活動を撮影したビデオ画像、故人の遺影及び故人の生前の活動を撮影したスライド画像を択一的に映写する
葬儀システム。」

(2)甲第3号証について
甲第3号証である特開2000-123155号公報(以下、「刊行物2」という。)には、図面の図1及び2とともに、次の事項が記載されている。

(2-1)「【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような点に鑑み、故人の写真の映像を書画カメラまたはイメージスキャナで取込み、必要に応じて修正等の映像処理を行い、祭壇等に載置した映像表示部に表示し、遺影写真とすることを目的とする。」(段落【0003】)

(2-2)「【0011】図2の場合、イメージスキャナ11に写真を装着してスキャンし、写真映像を読取り、必要に応じてパソコン12(画像処理装置)で修正等を行い、映像表示部3に表示する。この修正は、写真がスナップ写真あるいは集合写真等で遺影写真には不具合がある場合等に不具合な部分を修正する。例えば、人物の背景部分に無地模様を嵌め込む等の修正を行う。また、何枚かの写真映像を必要に応じて同様に処理し、パソコン12に内蔵の画像記憶部に記憶させ、葬儀あるいは法事の進行に合わせて適宜の写真映像を読出し、前の写真映像と差し替えて出力し、映像表示部3に表示するようにしてもよい。」(段落【0011】)

上記刊行物2記載事項(2-1)及び(2-2)を総合すると、刊行物2には次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。

「(ア)複数の写真映像をパソコン12で修正等の映像処理を行い、該パソコン12に内蔵の画像記憶部に記憶させる工程、
(イ)葬儀あるいは法事の進行に合わせて適宜の写真映像を読出し、前の写真映像と差し替えて出力し、映像表示部3に表示する工程、
を備える遺影写真の表示方法。」

(3)甲第8号証について
甲第8号証である特開平9-288694号公報(以下、「刊行物3」という。)には、図面の図1とともに、次の事項が記載されている。

(3-1)「【0013】ここで、遺影処理会社4の遺影編集装置5は受信手段11、送信手段14と、葬儀社2の処理装置3の送信手段8、受信手段9との間の送受手段は高速デジタル回線(ISDN)によって行なわれる。
【0014】上記のように構成された遺影配送システム1の作用を次に説明すると、まず、葬儀社2に葬儀の依頼があると、この葬儀社2は依頼者から故人の生前の写真を預かり、これを処理装置3の画像読み取り手段6で画像データとして読み取り、その画像データを変換手段7で送信信号に変換し、これを送信手段8で遺影処理会社4の遺影編集装置5に送信する。
【0015】遺影処理会社4では葬儀社2の処理装置3から遺影編集装置5に送られた画像データを基にマウス又はキーボード12を操作して所望する部分を他のパターン、例えばファイルされた中から該当する家紋の紋付きを選び出し、この紋付きに顔部分を貼付け、これを新たな若しくは更新された遺影データとして画像編集装置13に格納する。
【0016】画像編集装置5に格納された新たな若しくは更新された遺影データはこれを返送用の遺影データとして送信手段14で、葬儀社2の処理装置3に送る。葬儀社2の処理装置3が返送用の遺影データを受け取ると、返送された遺影データは変換手段7でイメージ信号に変換され、このイメージ信号に基づいてプリント手段10で紙面にプリントアウトする。すると、所望の遺影が完成するのである。」(段落【0013】?【0016】)
上記刊行物3記載事項(3-1)を要約すると、刊行物3には次の発明(以下、「引用発明3」という。)が記載されていると認められる。

「(a)葬儀社2が、故人の生前の写真を、処理装置3の画像読み取り手段6で画像データとして読み取る工程、
(b)その画像データを変換手段7で送信信号に変換する工程、
(c)これを送信手段8で遺影処理会社4の遺影編集装置5に送信する工程、
(d)遺影処理会社4は、送られた画像データを基に編集を行う工程、
(e)これを新たな若しくは更新された遺影データとして画像編集装置13に格納し、これを返送用の遺影データとして送信手段14で、葬儀社2の処理装置3に送る工程、
を備える遺影配送システム。」

7.対比・判断
(1)本件発明1について
本件発明1と引用発明1とを対比すると、引用発明1の「切替手段」は、本件発明1の「操作装置(50)」に相当し、引用発明1における「スクリーンに映写する」ことと、本件発明1の「画面表示する」こととは、「表示する」ということにおいて共通する。
そして、引用発明1の「葬儀方法」はビデオ画像、遺影、及びスライド画像を表示するステップ等で構成されているから「遺影写真の表示方法」と言い換えることができる。
また、引用発明1の「故人の遺影」は、上記刊行物1記載事項(1-1)及び(1-2)に記載されるように、葬儀の開式から読経、葬儀終了の時等に表示されるのであって、遺影は一般的には写真をもとにして作られるものであるから、本件発明1の「従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真」に相当するものであり、また、引用発明1の「故人の生前の活動を撮影したスライド画像」は、上記刊行物1記載事項(1-2)の「故人の生前のスライドを順次映し出す。」という記載からみても、複数存在することは明らかであって、本件発明1の「遺影写真」の機能を有するものであるから、本件発明1の「複数の遺影写真」に相当するものである。
ところで、本件発明1の「主遺影写真データに何時でもプレイバック可能」とは、本願の特許明細書の段落【0037】等の記載を参酌すると、「主遺影写真データを何時でも再生可能」ということであると認められるところ、引用発明1における「スクリーンに故人の生前の活動を撮影したビデオ画像、故人の遺影及び故人の生前の活動を撮影したスライド画像を択一的に映写する」ことと、本件発明1における「主遺影写真データに何時でもプレイバック」すること、及び「複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される」ことは、いずれも「表示される画像を切り替える」ということにおいて共通するものである。

そうすると、両者は「従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真、及び複数の遺影写真を、操作装置により切り替えて、葬儀又は法要の場において表示する遺影写真の表示方法。」である点で一致し、次の点で相違する。

(相違点1-a)
本件発明1は、主遺影写真、及び複数の遺影写真は「遺影写真データ」としてデータ化(電子化)したものであって、該データを「ネットワーク(5)を介して処理コンピュータ(3)に送信し」、「当該処理コンピュータ(3)では、受信した遺影写真データを編集し」、そして編集した「遺影写真データ」を「遺影写真データの送り手(2)側に返信」する工程を有するのに対し、引用発明1は、主遺影写真、及び複数の遺影写真は、データ化したものではなく、「送信し」、「編集し」、そして「返信」する工程を有しない点。

(相違点1-b)
葬儀又は法要の場における、主遺影写真、及び複数の遺影写真の表示態様に関し、本件発明1は「画面表示する」態様であるのに対し、引用発明1は「スクリーンに映写する」態様である点。

(相違点1-c)
葬儀又は法要の場において表示する対象となるものに関し、本件発明1は「1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で、前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能に作成」された、「主遺影写真データと遺影スライドショーデータ」であるのに対し、引用発明1は、切替手段を操作して切り替え表示される、故人の生前の活動を撮影したビデオ画像と、故人の遺影及び故人の生前の活動を撮影したスライド画像である点。

上記相違点につき以下検討する。
(相違点1-aについて)
引用発明1の「故人の遺影及び故人の生前の活動を撮影したスライド画像」と、本件発明1の「遺影写真データ」は、いずれも、そのコンテンツは、従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真と、その他の複数の遺影写真である点に変わりはないから、両者の相違点は、実質的には、ネットワークを介して送信し、画面表示を目的として編集可能なデータであるか否かということである。
引用発明1の「故人の遺影及び故人の生前の活動を撮影したスライド画像」はデータ化(電子化)されていないので、ネットワークを介して送信することはできないが、データ化すれば、ネットワークを介して送信したり、画面表示を目的として編集することが可能であることは、本願出願以前の情報処理分野の技術的背景からみて明白なことであったといえ、引用発明1の葬儀方法に、引用発明3の遺影配送システムを組み合わせることに、格別困難性は認められないから、引用発明1の「故人の遺影及び故人の生前の活動を撮影したスライド画像」を、引用発明3の工程(a)及び(b)を参酌して、ネットワークを介して処理コンピュータに送信し得る「遺影写真データ」に変換し、更に、同じく引用発明3の工程(c)ないし(e)を参酌して、変換された「遺影写真データ」を、「ネットワークを介して処理コンピュータに送信し、当該処理コンピュータでは、受信した遺影写真データを編集」し、そして編集した「遺影写真データ」を「遺影写真データの送り手側に返信」する工程を付加することは、本願出願前の情報処理分野の技術的背景や、本願出願前に既にネットワークを利用したビジネスモデルが広く普及していたことを考慮すれば、当業者が容易に想到し得たことである。

なお、引用発明3の工程(d)における「送られた画像データを基に編集を行う」工程は、刊行物3記載事項(3-1)を参酌すると、家紋に顔を貼付ける等の画像の編集を行う工程であるのに対し、本件発明1の、「受信した遺影写真データを編集」する工程は、本願の特許明細書の段落【0022】及び【0023】等の記載を参酌すると、プレイバックコントロール(プログラマブルな再生)機能を利用するための編集であるから、両者の「編集」という用語の技術的意義は、実質的には異なるものである。しかしながら、いずれも、ネットワークを介して送信されたデータを、返信する前に「加工する」という点で共通する工程といえ、いずれの「編集」も、情報処理分野において格別特殊な工程ではないから、上記両者の「編集」という用語の技術的意義の実質的相違は、上記相違点1についての判断を妨げるものではない。

(相違点1-bについて)
「画面表示する」とは、それだけでは技術的意義が明らかでないので、本願の特許明細書の段落【0020】等の記載を参酌すると、表示装置上に、再生装置によって再生される画像を表示することと解されるところ、引用発明2の遺影写真の表示方法は、(ア)複数の写真映像をパソコン12で修正等の映像処理を行い、該パソコン12に内蔵の画像記憶部に記憶させる工程、及び(イ)葬儀あるいは法事の進行に合わせて適宜の写真映像を読出し、前の写真映像と差し替えて出力し、映像表示部3に表示する工程を備えている。これに加えて、引用発明3も、故人の生前の写真を電子化する工程を備えており、さらに、葬儀の分野に限らず、画像を電子化して保存しておいて、公の場で画面表示することは、一般社会の様々な場面で行われていることである点も考慮すれば、主遺影写真、及び複数の遺影写真の表示態様に関し、引用発明1の「スクリーンに映写する」態様に替えて、「画面表示する」態様を採用することは当業者が適宜なし得る程度の事項にすぎない。

(相違点1-cについて)
引用発明1の、「故人の遺影及び故人の生前の活動を撮影したスライド画像」を、遺影写真データとして電子化し、画面表示することは当業者が容易に想到し得ること(上記「(相違点1-aについて)」、及び「(相違点1-bについて)」参照)であって、この遺影写真データの中から、「1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データ」とし、その他のものを「この主遺影写真以外の複数の遺影写真」として区別して扱うことは、引用発明1においてもスクリーンに映写する画像全体を「故人の遺影及び故人の生前の活動を撮影したスライド画像」として故人の遺影を区別していることからすれば、当業者が適宜なし得る程度のことにすぎない。加えて、複数の画像を電子化して保存した場合、それらを、所定の時間で切り替わり表示されるスライドショーとして表示すること、及びそのスライドショーのスライドショーデータを編集作成すること、並びにそのようなスライドショーデータを簡易に作成するためのソフトウエアは、例えば、特開平10-224745号公報、特開2000-115675号公報、特開平9-288307号公報等に記載されるように、画像記録再生装置における周知技術である。
以上のことを総合して判断すると、遺影写真データのうちの「主遺影写真以外の複数の遺影写真」を、「所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショー」として表示すること、及びその遺影スライドショーに用いる「遺影スライドショーデータ」を編集作成することは、当業者が容易になし得たことといえる。
また、上記「所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショー」を「自動繰り返し再生可能」とした点は、例えば上記特開2000-115675号公報(段落【0070】)等に記載されるような、画像記録再生装置における周知技術を付加したものにすぎない。
さらに、本件発明1の遺影スライドショーデータが、「繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で、前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能に作成」されたものである点について検討するに、引用発明1は、主遺影写真、及び複数の遺影写真の映写を、「葬儀の進行に合わせて」、「択一的に映写する」工程を備えており、さらには、刊行物1記載事項(1-3)には、「スクリーン上の映像を切替手段によって瞬時に切替えることができる」ことが記載されている。即ち、引用発明1の切替手段は、スクリーンに映写されている画面がどのような状態であれ、望みどおりの画面に瞬時に移行できるように構成されていることは明白である。してみると、遺影スライドショーの再生中に、「一回のボタン操作で、主遺影写真データに何時でもプレイバック可能」に遺影写真データを編集し作成しようとすることは、引用発明1及び刊行物1に記載された事項(1-3)から当業者が容易に想到し得たことといえる。そして、上記画像記録再生装置における周知技術、並びに本願出願前の電子情報機器分野における一般的な技術背景を考慮すれば、「(遺影スライドショーデータ)の繰り返し再生中」において一回のボタン操作で、前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能に遺影写真データを編集し作成することに、特に技術的困難性を伴うとも認められない。さらに、一回のボタン操作でジャンプする画像が、そのときに再生されている遺影スライドショーデータに含まれない「主遺影写真データ」であることは、表示対象となる画像の選択の問題であり、これによって遺影写真データの編集作成に格別困難性が生じるものとも認められない。
よって、本件発明1の上記相違点1-cは、引用発明1?3、並びに上記周知技術に基いて当業者が容易になし得たものといえる。
上記相違点1-aないし1-cについて総合して判断しても、本件発明1の奏する作用効果は、引用発明1?3、並びに周知技術から、当業者が予測し得る範囲のものである。

以上のことから、本件発明1は、引用発明1?3、並びに周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(2)本件発明2について
本件発明2は、本件発明1における、「葬儀又は法要の場において画面表示する」対象となるものが、「デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)において再生でき」る「データ形式にして」あるものであって、「画面表示する」ための手段が、「デジタルビデオ信号再生可能な再生装置(9)」である点を限定するものである。
したがって、本件発明2と引用発明1とを対比すると、上述した本件発明1と引用発明1の一致点で一致し、上記(相違点1-a)ないし(相違点1-c)で相違する他、以下の点で相違する。

(相違点2-a)
葬儀又は法要の場において表示する対象となるものに関し、本件発明2は、「デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)において再生でき」る「データ形式にして」あるものであって、「画面表示する」ための手段が、「デジタルビデオ信号再生可能な再生装置(9)」であるのに対し、引用発明1は、表示する対象となるものは、「故人の遺影及び故人の生前の活動を撮影したスライド画像」であって、表示する(スクリーンに映写する)ための手段が、「スライド映写装置」である点。

上記相違点2-aを含め、本件発明2と引用発明1との相違点について検討する。
葬儀又は法要の場における、主遺影写真、及び複数の遺影写真の表示を「画面表示する」態様とすることが当業者による選択的事項であることは、上記「(相違点1-bについて)」で述べたとおりであるが、「デジタルビデオ信号再生可能な再生装置」を用いて画面表示すること、及び、その表示対象となるものを「デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置において再生でき」る「データ形式にして」あるものに加工することも、上記「(相違点1-cについて)」で周知例として挙げた文献にも記載されるように、画像記録再生装置における周知技術である。してみると、本件発明2の上記相違点2-aの点は、当業者による設計的事項といえる。
上記相違点1-aないし1-c、並びに上記相違点2-aについて総合して判断しても、本件発明2の奏する作用効果は、引用発明1?3、並びに周知技術から当業者が予測し得る範囲のものである。

以上のことから、本件発明2は、引用発明1?3、並びに周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)本件発明3について
本件発明3と引用発明1とを対比すると、引用発明1の「切替手段」は、本件発明3の「操作装置(50)」に相当し、引用発明1における「スクリーンに映写する」ことと、本件発明3の「画面表示する」こととは、「表示する」ということにおいて共通するものである。
そして、引用発明1の「葬儀方法」は、ビデオ画像、遺影、及びスライド画像を表示するステップ等で構成されているから「遺影写真の表示方法」と言い換えることができる。

引用発明1の「故人の遺影」は、上記刊行物1記載事項(1-1)及び(1-2)に記載されるように、葬儀の開式から読経、葬儀終了の時等に表示されるのであって、遺影は一般的には写真をもとにして作られるものであるから、本件発明3の「従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真」に相当するものである。
また、引用発明1と本件発明3は、いずれも主遺影写真を含む画像を表示する点で共通し、引用発明1における「スクリーンに故人の生前の活動を撮影したビデオ画像、故人の遺影及び故人の生前の活動を撮影したスライド画像を択一的に映写する」ことと、本件発明3における「主遺影写真データに」「何時でもプレイバック」することは、いずれも「表示される画像を切り替える」ということにおいて共通するものである。

そうすると、両者は「従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真を含む画像を、操作装置により切り替えて表示する遺影写真の表示方法。」である点で一致し、次の点で相違する。

(相違点3-a)
本件発明3は、主遺影写真を含む画像は「静止画の遺影写真データ」としてデータ化したものであって、該データを所望の「データ形式にして」、「データを再生装置(9)が読み出し可能な記録媒体(60)に書き込」む工程を有するのに対し、引用発明1は、主遺影写真を含む画像は、データ化したものではなく、所望の「データ形式に」する工程や、記憶媒体に書き込む工程を有しない点。

(相違点3-b)
主遺影写真を含む画像の表示態様に関し、本件発明3は「当該データの書き込まれた記録媒体(60)をデジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)にセットして遺影写真データを画面表示する」態様であるのに対し、引用発明1は「スクリーンに映写する」態様である点。

(相違点3-c)
表示する対象となるものに関し、本件発明3は「静止画の遺影写真データを、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)において再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデータ形式に」された、「遺影写真データ」であるのに対し、引用発明1は、切替手段を操作して切り替え表示される、故人の生前の活動を撮影したビデオ画像、故人の遺影及び故人の生前の活動を撮影したスライド画像である点。

上記相違点につき以下検討する。
(相違点3-aについて)
本件発明3は、本件発明2の「遺影写真データ」を「静止画の遺影写真データ」に置き換え、また、本件発明2の、遺影写真データを「ネットワーク(5)を介して処理コンピュータ(3)に送信」する工程、及び「遺影写真データの送り手(2)側に返信」する工程を省き、「データを再生装置(9)が読み出し可能な記録媒体(60)に書き込」む工程を付加している。
これを踏まえて上記相違点3-aを検討するに、「遺影写真データ」と「静止画の遺影写真データ」に実質的な差違はなく、電子化した静止画のデータを「データを再生装置が読み出し可能な記録媒体に書き込」むことは、画像記録再生装置等の操作においてごく一般的なことであるから、上記相違点3-aは、上記「(2)本件発明2について」での検討と同様の理由により、引用発明1?3、並びに周知技術に基いて当業者が容易になし得たものといえる。

(相違点3-bについて)
引用発明1の「スクリーンに映写する」態様に替えて、「画面表示する」態様を採用することが、当業者による選択的事項であることは、前記「(相違点1-bについて)」で検討したとおりであるが、その場合に、「当該データの書き込まれた記録媒体(60)をデジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)にセットして遺影写真データを画面表示する」することも、画像記録再生装置等の操作においてごく一般的なことである。したがって、上記相違点3-bも、当業者による設計的事項にすぎない。

(相違点3-cについて)
引用発明1の主遺影写真を含む画像を「静止画の遺影写真データ」とし、「静止画の遺影写真データを、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)において再生でき」るものとすることが当業者が適宜なし得ることである点は、上記「(相違点3-aについて)」、及び「(相違点3-bについて)」で検討したとおりである。また、「1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデータ形式に」することは、上記「(相違点1-cについて)」及び、「(2)本件発明2について」の検討と同様の理由により、引用発明1?3、並びに上記周知技術に基いて当業者が容易になし得たものといえる。
したがって、上記相違点3-cは、引用発明1?3、並びに周知技術に基いて当業者が容易になし得たものといえる。
上記相違点3-aないし3-cについて総合して判断しても、本件発明3の奏する作用効果は、引用発明1?3、並びに周知技術から当業者が予測し得る範囲のものである。

以上のことから、本件発明3は、引用発明1?3、並びに周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)本件発明4について
本件発明4と引用発明1-2とを対比すると、引用発明1-2の「スクリーン」及び「切替手段」は、本件発明4の「表示装置(8)」及び「操作装置(50)」にそれぞれ相当する。
引用発明1-2の「葬儀システム」は、ビデオ画像、遺影、及びスライド画像を表示するシステムであるから「遺影写真システム」と言い換えることができる。
引用発明1-2の「故人の遺影」は、上記刊行物1記載事項(1-1)及び(1-2)に記載されるように、葬儀の開式から読経、葬儀終了の時等に表示されるのであって、遺影は一般的には写真をもとにして作られるものであるから、本件発明4の「従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真」に相当するものである。
また、引用発明1-2と本件発明4は、いずれも主遺影写真を含む画像を表示するシステムである点で共通し、引用発明1-2における「スクリーンに故人の生前の活動を撮影したビデオ画像、故人の遺影及び故人の生前の活動を撮影したスライド画像を択一的に映写する」ことと、本件発明4における、「主遺影写真データに」「何時でもプレイバック」することは、いずれも「表示される画像を切り替える」ということにおいて共通する。

そうすると、両者は「従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真を含む画像を、操作装置により切り替えて、表示装置で表示する遺影写真システム。」である点で一致し、次の点で相違する。

(相違点4-a)
本件発明4は、主遺影写真を含む画像は「遺影写真データ」としてデータ化したものであって、該データを「ネットワーク(5)を介して第2処理コンピュータ(3)に送信するための第1処理コンピュータ(2)」、所望の「データ形式にして、遺影写真データの第1処理コンピュータ(2)側に返信する第2処理コンピュータ(3)」、「前記第2処理コンピュータ(3)から受信したデータを前記再生装置(9)が読み出し可能な記録媒体(60)に書き込む書込装置(7)」、及び「データの書き込まれた記録媒体(60)がセットされて遺影写真データを再生するデジタルビデオ信号再生可能な再生装置(9)」を有するのに対し、引用発明1-2は、それらを有しておらず、主遺影写真を含む画像は、データ化したものではない点。

(相違点4-b)
本件発明4の表示装置は、「再生装置(9)によって再生された遺影写真データを画面表示する表示装置(8)」であるのに対し、引用発明1-2はスライド画像等を映写する「スクリーン」である点。

(相違点4-c)
表示する対象となるものに関し、本件発明4は「デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)において再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデータ形式に」された「遺影写真データ」であるのに対し、引用発明1-2は切替手段を操作して切り替え表示される、故人の生前の活動を撮影したビデオ画像、故人の遺影及び故人の生前の活動を撮影したスライド画像である点。

上記相違点につき以下検討する。
(相違点4-aについて)
引用発明1-2のシステムにおいて、ビデオ画像、故人の遺影及び故人の生前の活動を撮影したスライド画像を遺影写真データとして電子化することについては、画像を電子化すれば、ネットワークを介して送信し、画面表示を目的として編集可能となることが、本願出願以前の情報処理分野の技術的背景からみて明白なことであったといえるから、引用発明3の工程(a)及び(b)や、本願出願前の情報処理分野の一般的技術背景を参酌すれば、当業者が適宜なし得ることにすぎない。
そして、引用発明3の遺影配送システムは、画像データを、遺影処理会社4の遺影編集装置5に送信する「送信手段8」、及び送信された画像データを「編集」した後、葬儀社2の処理装置3に送る「送信手段14」を備えているものであり、受信したデータを再生装置が読み出し可能な記録媒体に書き込むことや、そのための書込装置、並びにデジタルビデオ信号再生可能な再生装置も、情報処理分野における一般的な技術手段であることを考慮すれば、引用発明1-2のシステムに、引用発明3を適用して、「ネットワーク(5)を介して第2処理コンピュータ(3)に送信するための第1処理コンピュータ(2)」、所望の「データ形式にして、遺影写真データの第1処理コンピュータ(2)側に返信する第2処理コンピュータ(3)」、「前記第2処理コンピュータ(3)から受信したデータを前記再生装置(9)が読み出し可能な記録媒体(60)に書き込む書込装置(7)」、及び「データの書き込まれた記録媒体(60)がセットされて遺影写真データを再生するデジタルビデオ信号再生可能な再生装置(9)」を付加することは当業者が容易になし得たことといえる。

(相違点4-bについて)
画像を電子化することは上記「(相違点4-a)について」で検討したとおり当業者が適宜なし得たことであって、そのような電子化されたデータを再生して表示することも情報処理分野の一般的技術手段であるから、表示手段として、引用発明1-2の「スクリーン」に替えて、「再生装置(9)によって再生された遺影写真データを画面表示する表示装置(8)」を用いることは、当業者による設計的事項にすぎない。

(相違点4-cについて)
上記相違点4-cは、上記相違点3-cと同じであるから、上記「(相違点3-cについて)」で検討したとおりの理由により、当業者が容易に想到し得たことであるといえる。
上記相違点4-aないし4-cについて総合して判断しても、本件発明4の奏する作用効果は、引用発明1-2、2及び3から当業者が予測し得る範囲のものである。

以上のことから、本件発明4は、引用発明1-2、2及び3、並びに周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(5)本件発明5について
本件発明5と引用発明1とを対比すると、引用発明1の「切替手段」は、本件発明5の「操作装置(50)」に相当し、引用発明1の「葬儀方法」はビデオ画像、遺影、及びスライド画像を取り扱うステップ等で構成されているから、本件発明5の「遺影写真の処理方法」とは、「遺影写真の取り扱い方法」という点で共通するということができる。

引用発明1の「故人の遺影」は、上記刊行物1記載事項(1-1)及び(1-2)に記載されるように、葬儀の開式から読経、葬儀終了の時等に表示されるのであって、遺影は一般的には写真をもとにして作られるものであるから、本件発明5の「従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真」に相当するものである。
また、引用発明1における「スクリーンに故人の生前の活動を撮影したビデオ画像、故人の遺影及び故人の生前の活動を撮影したスライド画像を択一的に映写する」ことと、本件発明5における「主遺影写真データに」「何時でもプレイバック」することは、いずれも「表示される画像を切り替える」ということにおいて共通する。

そうすると、両者は「従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真を含む画像を、操作装置により切り替えて表示する遺影写真の取り扱い方法。」である点で一致し、次の点で相違する。

(相違点5-a)
主遺影写真を含む画像に関し、本件発明5は「遺影写真データ」としてデータ化したものであるのに対し、引用発明1はデータ化したものではない点。

(相違点5-b)
本件発明5は、遺影写真データを「編集して、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)で再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデジタルビデオデータを作成し、作成した遺影写真のデジタルビデオデータを当該データの利用者に送る」工程を備える、「遺影写真の処理方法」であるのに対し、引用発明1は、主遺影写真を含む画像を「編集」し、「作成」し、「送る」工程を有しない「葬儀方法」である点。

上記相違点につき以下検討する。
(相違点5-aについて)
引用発明1の、主遺影写真を含む画像を「遺影写真データ」としてデータ化することは、上記「(相違点1-aについて)」で検討したとおり、当業者が適宜なし得る程度のことにすぎない。

(相違点5-b について)
引用発明1の主遺影写真を含む画像を、データ化することが、当業者による設計的事項である点は、上記「(相違点5-aについて)」で述べたとおりであるが、そのデータ化された主遺影写真を含む画像について、所望の「編集」及び「作成」を行うこと、並びに「送る」ことも、上記「(相違点1-aについて)」での検討事項を踏まえれば、引用発明1に、引用発明3を適用することにより当業者が容易になし得たことである。そして、上記「編集」及び「作成」する場合に、「デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)で再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデジタルビデオデータを作成」するとすることは、上記「(相違点1-cについて)」で検討した事項や、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置で再生できるデジタルビデオデータを作成することが周知(上記画像記録再生装置における周知技術を示す文献参照)であることを考慮すれば、当業者が適宜なし得たことにすぎない。
作成した遺影写真のデジタルビデオデータを「送る」場合に、当該データの利用者に送ることは、当業者による選択的事項にすぎない。
したがって、上記相違点5-bは、引用発明1に、引用発明3を適用することにより当業者が容易になし得たものである。
上記相違点5-a及び5-bについて総合して判断しても、本件発明5の奏する作用効果は、引用発明1及び3並びに周知技術から当業者が予測し得る範囲のものである。

以上のことから、本件発明5は、引用発明1及び3、並びに周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(6)本件発明6について
本件発明6と引用発明1とを対比すると、引用発明1の「切替手段」は、本件発明6の「操作装置(50)」に相当し、引用発明1における「スクリーンに映写する」ことと、本件発明6の「画面表示する」こととは、「表示する」ということにおいて共通する。
そして、引用発明1の「葬儀方法」は、ビデオ画像、遺影、及びスライド画像を表示するステップ等で構成されているから「遺影写真の表示方法」と言い換えることができる。

引用発明1の「故人の遺影」は、上記刊行物1記載事項(1-1)及び(1-2)に記載されるように、葬儀の開式から読経、葬儀終了の時等に表示されるのであって、遺影は一般的には写真をもとにして作られるものであるから、本件発明6の「従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真」に相当するものである。
また、引用発明1と本件発明6は、いずれも主遺影写真を含む画像を表示する点で共通し、引用発明1における「スクリーンに故人の生前の活動を撮影したビデオ画像、故人の遺影及び故人の生前の活動を撮影したスライド画像を択一的に映写する」ことと、本件発明6における「主遺影写真データに」「何時でもプレイバック」することは、いずれも「表示される画像を切り替える」ということにおいて共通するものである。

そうすると、両者は「従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真を含む画像を、操作装置により切り替えて表示する遺影写真の表示方法。」である点で一致し、次の点で相違する。

(相違点6-a)
本件発明6は、主遺影写真を含む画像を「遺影写真データ」としてデータ化したものであって、該データを「ネットワーク(5)を介して処理コンピュータ(2)で送信し」、当該処理コンピュータ(2)は、所望の「データ形式にされた」、遺影写真データを「受信」する工程を有するのに対し、引用発明1は、主遺影写真を含む画像は、データ化したものではなく、「送信し」、所望の「データ形式にされた」データを「受信」する工程を有しない点。

(相違点6-b)
主遺影写真を含む画像の表示態様に関し、本件発明6は「デジタルビデオ信号再生可能な再生装置(9)によって画面表示する」態様であるのに対し、引用発明1は「スクリーンに映写する」態様である点。

(相違点6-c)
表示する対象となるものに関し、本件発明6は「デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)において再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデータ形式にされた遺影写真データ」であるのに対し、引用発明1は、切替手段を操作して切り替え表示される、故人の生前の活動を撮影したビデオ画像、故人の遺影及び故人の生前の活動を撮影したスライド画像である点。

上記相違点につき以下検討する。
(相違点6-aについて)
上記相違点6-aは、上記相違点1-aにおける、本件発明1の「ネットワーク(5)を介して処理コンピュータ(3)に送信」する工程を、「ネットワーク(5)を介して処理コンピュータ(2)で送信」する工程とし、本件発明1の「編集」した遺影写真データを「返信」する工程に替えて、所望の「データ形式にされた」遺影写真データを「受信」する工程としたものであり、これらは主体の変更に伴った言い換えにすぎず、技術的に異なるものではないので、本件発明6の上記相違点6-aに係る構成は、上記「(相違点1-aについて)」での検討と同様の理由により、当業者が容易に想到し得たものであるといえる。

(相違点6-bについて)
上記相違点6-bは、上記相違点2-aと同じことであるから、「(2)本件発明2について」での検討と同様の理由により、当業者が容易に想到し得たものといえる。

(相違点6-cについて)
上記相違点6-cは、上記相違点3-cと同じことであるから、上記「(相違点3-cについて)」での検討と同様の理由により、当業者が容易に想到し得たものといえる。
上記相違点6-aないし6-cについて総合して判断しても、本件発明6の奏する作用効果は、引用発明1?3、並びに周知技術から当業者が予測し得る範囲のものである。

以上のことから、本件発明6は、引用発明1?3、並びに周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

8.むすび
したがって、本件発明1?6についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、特許法123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遺影写真の表示方法、遺影写真システム、及び遺影写真の処理方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】遺影写真データをネットワーク(5)を介して処理コンピュータ(3)に送信し、
当該処理コンピュータ(3)では、受信した遺影写真データを編集して、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるように作成して遺影写真データの送り手(2)側に返信し、
返信された前記主遺影写真データと前記遺影スライドショーデータを葬儀又は法要の場において画面表示することを特徴とする遺影写真の表示方法。
【請求項2】遺影写真データをネットワーク(5)を介して処理コンピュータ(3)に送信し、
当該処理コンピュータ(3)では、受信した遺影写真データを、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)において再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデータ形式にして、遺影写真データの送り手(2)側に返信し、
返信された遺影写真データをデジタルビデオ信号再生可能な再生装置(9)によって画面表示することを特徴とする遺影写真の表示方法。
【請求項3】静止画の遺影写真データを、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)において再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデータ形式にして、当該データを当該再生装置(9)が読み出し可能な記録媒体(60)に書き込み、
当該データの書き込まれた記録媒体(60)をデジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)にセットして、遺影写真データを画面表示することを特徴とする遺影写真の表示方法。
【請求項4】遺影写真データをネットワーク(5)を介して送信するための第1処理コンピュータ(2)と、
前記第1処理コンピュータ(2)から受信した遺影写真データを、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)において再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデータ形式にして、遺影写真データの第1処理コンピュータ(2)側に返信する第2処理コンピュータ(3)と、
前記第2処理コンピュータ(3)から受信したデータを前記再生装置(9)が読み出し可能な記録媒体(60)に書き込む書込装置(7)と、
データの書き込まれた記録媒体(60)がセットされて遺影写真データを再生するデジタルビデオ信号再生可能な再生装置(9)と、
当該再生装置(9)によって再生された遺影写真データを画面表示する表示装置(8)と、
を備えていることを特徴とする遺影写真システム。
【請求項5】遺影写真データを編集して、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)で再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデジタルビデオデータを作成し、
作成した遺影写真のデジタルビデオデータを当該データの利用者に送ることを特徴とする遺影写真の処理方法。
【請求項6】遺影写真データをネットワーク(5)を介して処理コンピュータ(2)で送信し、
その遺影写真データに基づいて、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置で再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置(50)に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデータ形式にされた遺影写真データを、前記処理コンピュータ(2)によって受信し、
受信した遺影写真データをデジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(9)によって画面表示することを特徴とする遺影写真の表示方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、葬儀又は法要における遺影写真の表示方法、遺影写真システム、及び遺影写真の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
葬儀や法要においては、祭壇に故人の遺影写真がかざられる。この遺影写真としては印画紙を用いた通常の写真の他、大きく華やかに見せるために発色の鮮やかなフィルムにプリントし背後から光を照射したり、特開2000-123155号公報に開示されているように映像表示部により表示させるものがある。
この特開2000-123155号には、イメージスキャナに写真を装着してスキャンし、写真映像を読取り、必要に応じてパソコンで修正等を行い、映像表示部3に表示することが開示されている。また、何枚かの写真映像をパソコンに内蔵の画像記憶部に記憶させ、葬儀あるいは法事の進行に合わせて適宜の写真映像を読出し、前の写真映像と差し替えて出力し、映像表示部に表示することも開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
葬儀や法要において、表示装置を用いて複数の遺影写真を画面表示し、設定された時間が経つと自動的に次の写真に切り替わるスライドショー(以下、「遺影スライドショー」という)や、操作によって次の写真に切り替わるスチルショー(以下、「遺影スチルショー」という)を行い、葬儀などにおいて高度な遺影の演出サービスを提供することが考えられる。
前述の特開2000-123155号公報に開示の技術は、このような高度な遺影の演出サービスに用いることが可能ではある。
【0004】
すなわち、何枚かの写真映像をパソコンに記憶させ葬儀あるいは法事の進行に合わせて適宜の写真映像を読み出し、前の写真映像と差し替えて出力し、映像表示部に表示するという映像差し替えを、自動的に行えるように予め設定しておけば、遺影スライドショーが実現できるであろうし、所定の操作によって行えるように予め設定しておけば、遺影スチルショーが実現できるであろうと考えられる。
しかし、従来の技術で、パソコンに記憶させた写真映像で遺影スライドショーや遺影スチルショーを実現しようとすると、次のような問題がある。すなわち、葬儀社のスタッフが事前にパソコンで遺影スライドショーや遺影スチルショーのデータを作成しておく必要がある。しかも、また葬儀のときも表示装置(モニタ)にパソコンを接続しておく必要があり遺影スライドショーや遺影スチルショーの実施のためにはパソコンを操作する必要がある。
【0005】
したがって、遺影スライドショーや遺影スチルショーなどの高度な遺影演出サービスを提供しようとすると、各葬儀場にコンピュータに関する高いスキルを有する人員が必要であり、人員の不足する中小の葬儀社では高度なサービスを提供できない、あるいは高価なサービスとなってしまうという問題がある。
このため、遺影スライドショー等の高度な遺影演出サービスは、大手の葬儀社が高額な葬儀に対してのみ行う高級なサービスとなってしまう。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであって、その課題は、高度な遺影の演出サービスの提供を容易にすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明で採用した第1の技術的手段は、遺影写真データをネットワークを介して処理コンピュータに送信し、当該処理コンピュータでは、受信した遺影写真データを編集して、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるように作成して遺影写真データの送り手側に返信し、返信された前記主遺影写真データと前記遺影スライドショーデータを葬儀又は法要の場において画面表示することである。
【0007】
第1の技術的手段によると、故人の遺影写真データは、まず葬儀場等から遺影写真処理サービス提供業者等の処理コンピュータに送信される。続いて処理コンピュータでは遺影写真データを編集して、遺影スライドショーデータが作成される。
葬儀場等では、処理コンピュータから返信された遺影スライドショーデータを画面表示すれば良いので、葬儀場等で遺影スライドショーデータを作成する必要がない。従って、葬儀場に遺影スライドショーデータを作成する人員を配置しなくとも、遺影スライドショーという高度な遺影の演出サービスが可能となり、中小の葬儀社でもかかるサービスの提供が容易となる。
【0008】
【0009】
【0010】
本発明の第2の技術的手段は、遺影写真データをネットワークを介して処理コンピュータに送信し、当該処理コンピュータでは、受信した遺影写真データを、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置において再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデータ形式にして、遺影写真データの送り手側に返信し、返信された遺影写真データをデジタルビデオ信号再生可能な再生装置によって画面表示することである。
第2の技術的手段によると、故人の遺影写真データは、まず葬儀場等から遺影写真処理サービス提供業者等の処理コンピュータに送信される。処理コンピュータでは、必要に応じて、遺影スライドショーや遺影スチルショー、或いはその他の遺影演出サービスのための画像編集を行うことができる。
【0011】
そして、処理コンピュータでは、遺影写真データを、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置(例えば、DVDプレーヤー)で再生できるデータ形式(例えば、MPEG1又はMPEG2のイメージファイル)にする処理が行われ、遺影写真データの送り手側(葬儀場等)に返信される。なお、MPEG1やMPEG2では、GOP(Group of Pictures)構造などによりランダムアクセスが可能とされている。
葬儀場等には、遺影写真データがDVDプレーヤー等の再生装置で再生できるデータ形式で送られてくるので、葬儀場等にはDVDプレーヤー等の再生装置をを設置しておけば、簡単に遺影写真データを画面表示できる。
【0012】
本発明の第3の技術的手段は、静止画の遺影写真データを、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置において再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライトドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデータ形式にして、当該データを当該再生装置が読み出し可能な記録媒体に書き込み、当該データの書き込まれた記録媒体をデジタルビデオ信号を再生可能な再生装置にセットして、遺影写真データを画面表示することである。
第3の技術的手段によれば、DVDプレーヤー等の再生装置を葬儀又は法要の場等に設置しておき、DVDプレーヤ等の再生装置で再生できるデータ形式で遺影写真データが記録された記録媒体を予め作成しておくことで、葬儀等の場にパソコン等を設置しなくとも、簡単に遺影写真を画面表示できる。
【0013】
また、再生装置としては、一般的なアナログビデオ装置を用いることも考えられるが、アナログビデオ装置は、記録媒体であるビデオテープへのアクセスがシーケンシャルであるため、お通夜や長い葬儀式では、何度も巻き戻して再生する必要があり、遺影写真の表示が中断してしまうが、デジタルビデオ信号ではランダムアクセスが可能であるので、遺影写真表示の中断を防止できる。
本発明の第4の技術的手段は、遺影写真データをネットワークを介して送信するための第1処理コンピュータと、前記第1処理コンピュータから受信した遺影写真データを、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置において再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデータ形式にして、遺影写真データの第1処理コンピュータ側に返信する第2処理コンピュータと、前記第2処理コンピュータから受信したデータを前記再生装置が読み出し可能な記録媒体に書き込む書込装置と、データの書き込まれた記録媒体がセットされて遺影写真データを再生するデジタルビデオ信号再生可能な再生装置と、当該再生装置によって再生された遺影写真データを画面表示する表示装置と、を備えていることを特徴とする遺影写真システムである。
【0014】
第4の技術的手段によれば、遺影写真処理サービス提供業者等の第2処理コンピュータから葬儀場等に、DVDプレーヤー等の再生装置で再生できるデータ形式にされた遺影写真データが送られてくる。
葬儀場等では、送られてきた遺影写真データを書込装置(例えば、DVDレコーダ)で記録媒体(例えば、DVD)に書き込む。そして、その記録媒体をDVDプレーヤー等の再生装置にセットすれば、遺影写真データが表示装置によって画面表示される。
【0015】
したがって、葬儀や法要の場には、演出のためにDVDプレーヤ等の再生装置を設置すればよく、遺影表示をDVDプレーヤー等の再生装置の操作で容易に行うことができ、中小の葬儀社でも高度な遺影の演出サービスが容易となる。
本発明の第5の技術的手段は、遺影写真データを編集して、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置で再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデジタルビデオデータを作成し、作成した遺影写真のデジタルビデオデータを当該データの利用者に送ることを特徴とする。
【0016】
第5の技術的手段によれば、遺影写真処理サービス業者等が、葬儀社等に代わって、遺影写真データを編集してデジタルビデオデータを作成して利用者である葬儀者等に送ることができ、中小の葬儀社でも遺影写真処理サービス業者のサービスを利用することで、高度な遺影の演出サービスが容易に行える。
本発明の第6の技術的手段は、遺影写真の表示に関し、遺影写真データをネットワークを介して処理コンピュータで送信し、その遺影写真データに基づいて、デジタルビデオ信号を再生可能な再生装置で再生でき、しかも、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする主遺影写真データと、この主遺影写真以外の複数の遺影写真が所定の時間で切り替わり表示される遺影スライドショーデータとを、この遺影スライドショーデータが自動繰り返し再生可能でかつ当該繰り返し再生中においてもリモコン等の操作装置に対する一回のボタン操作で前記主遺影写真データに何時でもプレイバック可能となるデータ形式にされた遺影写真データを、前記処理コンピュータによって受信し、受信した遺影写真データをデジタルビデオ信号を再生可能な再生装置によって画面表示することを特徴とする。
【0017】
第6の技術的手段によれば、葬儀社等は、遺影写真処理サービス業者等の処理コンピュータからDVD等の再生装置で再生できるデータ形式の遺影写真データを受け取ることができるので、中小の葬儀社でも遺影写真処理サービス業者のサービスを利用することで、高度な遺影の演出サービスが容易に行える。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る遺影写真システム1を示している。このシステム1には、葬儀社等に設置された第1処理コンピュータ2と、遺影写真処理サービス業者に設置された第2処理コンピュータ3とが含まれる。
前記遺影写真処理サービス業者は、本システム1による遺影写真処理サービスの提供者であり、コンピュータ2,3及びインターネット等のコンピュータネットワーク5を介して各地の大小の葬儀社(葬儀場)に対して、遺影写真処理サービスを提供する。
【0019】
遺影写真処理サービスを利用する利用者である葬儀社等には、前記第1処理コンピュータ2の他、第1処理コンピュータ2に接続されたイメージスキャナ(画像読取装置)6や、同じく第1処理コンピュータ2に接続又は内蔵して設けられたCD-R/Wドライブ(書込装置)7が設置されている。なお、書込装置7としては、記録媒体(記録メディア)へのデータ書込機能を有しているものであればよい。
さらに、葬儀の場には、遺影写真を画面表示するための表示装置8として、ブラウン管、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、あるいは投射型映写装置とスクリーンの組み合わせ等が設置されている。このような表示装置8は、印画紙による遺影写真が祭壇の上にかざられるのと同様に祭壇の上に設置される他、祭壇の横や葬儀場の入口・受付等、他の場所に設置してもよい。
【0020】
表示装置8には、DVDプレーヤー、ビデオCDプレーヤー又はDVD-RAMプレーヤーなどの再生装置9が接続される。なお、表示装置8と再生装置9とが一体型となった再生表示装置を採用してもよい。
上記遺影写真システム1による遺影写真の表示は、次のように行われる。まず、葬儀社等に設置された第1処理コンピュータ2側では、遺族が選定した故人の遺影写真(紙にプリントされたもの)をイメージスキャナ6で読み取り、遺影写真をデジタルデータ化した遺影写真データとする。
【0021】
あるいは、デジタルカメラ等で撮影されて予めデジタルデータ化されている遺影写真データを遺族から受け取り、第1処理コンピュータ2の記憶装置に保存する。
次に、静止画のデジタルデータである遺影写真データはソース画像として、第1処理コンピュータ2からネットワーク5を介して遺影写真処理サービス提供業者等の第2処理コンピュータ3に送信される。
なお、遺影写真のスキャナ6による読み取りや遺影写真データの第2処理コンピュータ3への送信は、第2処理コンピュータ3から第1処理コンピュータ2を遠隔操作して行われる。このようにすると、第1処理コンピュータ2側にはコンピュータに習熟したオペレータがいなくともよい。ただし、遺影写真データの送信方法としては、例えば、電子メールによって第2処理コンピュータ3に送ってもよい。また、送信する遺影写真データとしては、1枚分の遺影写真データでもよいし、複数枚分の遺影写真データでもよい。
【0022】
1枚分又は複数枚分の遺影写真データを受信した第2処理コンピュータ3側では、遺影写真の編集・オーサリングが行われ、編集後の遺影写真データをデジタルビデオ動画信号(デジタル動画信号)の規格の一つであるビデオCDバージョン2.0(MPEG1)のデータ形式で第1処理コンピュータ2側に返信する。
このビデオCDバージョン2.0は、プレイバックコントロール(プログラマブルな再生)機能を備えており、プレイバックコントロール信号によって複数の遺影写真の表示時間、表示順、切替・分岐などが編集によって設定された通りに再生をコントロール可能になっている。
【0023】
第2処理コンピュータ3で行う編集は、プレイバックコントロール機能を利用するための編集である。具体的には、編集は、複数の遺影写真のカットの表示に関し、各カットの表示時間、表示順、表示の分岐などを設定することである。また、必要であれば、遺影写真の背景を変える等の加工を施してもよい。さらに、編集に複数の遺影写真が必要であるが、1枚分の遺影写真しかない場合には、一つの遺影写真の背景をいろいろ変えて複数枚の遺影写真を作り出してもよい。
図2は、編集例を示しており、遺影写真データが6枚分あるときに、この6カットの遺影写真を使って演出を図るものである。
【0024】
図2の例では、6カットの遺影写真のうち、1つのカットを従来の紙の遺影写真のような使い方をする遺影写真10(以下、「主遺影写真」という)に用い、他の5つのカットを遺影スライドショー及び遺影スチルショーに用いている。遺影スライドショーや遺影スチルショーに用いる写真は、故人の生前をしのぶことができるようにスナップ写真やラフな服装で写っている写真が好ましい。
なお、ここでは、遺影スライドショーに用いる写真1(符号11)と、遺影スチルショーに用いる写真6(符号16)とは同じカットを用い、同様に写真2(符号12)と写真7(符号17)とは同じカットであり、写真3(符号13)と写真8(符号18)とは同じカットであり、写真4(符号14)と写真9(符号19)とは同じカットであり、写真5(符号15)と写真10(符号20)とは同じカットである。
【0025】
主遺影写真10は、再生を開始したときに最初に表示されるように設定されており、特に操作が行われなければ主遺影写真10の表示が継続して行われるように設定されている。
遺影スライドショーは、設定された時間が経つと自動的に次の遺影写真(カット)に切り替わるものである。この遺影スライドショーを構成するには、各遺影写真11,12,13,14,15の切り替わり時間(表示時間)と、各遺影写真の切り替わり先の写真(表示順)を設定しておけばよい。図2の例では、写真1の切り替わり先として写真2が設定され、写真2の切り替わり先として写真3が設定され、写真3の切り替わり先として写真4が設定され、写真4の切り替わり先として写真5が設定され、写真5の切り替わり先として写真1が設定されている。また、切り替わり時間(表示時間)としては、各カット11,12,13,14,15毎に、例えば5秒とか10秒に設定しておけばよい。
【0026】
このように設定しておくことで、写真1?5が順番に切り替わり表示される遺影写真のスライドショーとなる。
遺影スチルショーは、手動操作で次の遺影写真(カット)に切り替わるものである。この遺影スチルショーを構成するには、各遺影写真16,17,18,19,20の切り替わり先の写真(表示順)と、切り替え操作の仕方を設定しておけばよい。図2の例では、写真6の切り替わり先として写真7が設定され、写真7の切り替わり先として写真8が設定され、写真8の切り替わり先として写真9が設定され、写真9の切り替わり先として写真10が設定されている。
【0027】
切り替え操作は、遺影スチルショー等が再生される再生装置(DVDプレーヤー)9の操作装置によって行われる。なお、操作装置としては、再生装置9本体に設けられているものや、リモートコントローラのいずれでもよい。
図3は、DVDプレーヤーを始めとする一般的なAV機器用リモートコントローラ50の一例を示しており、電源スイッチ22、記録媒体の出し入れ用のオープンクローズスイッチ23の他、映像の再生コントロールのために、再生スイッチ24、前スイッチ25、次スイッチ26、一時停止スイッチ27、停止スイッチ28、リターンスイッチ29を備えている。また、No.選択スイッチ(チャンネルボタン)30?40を備えている。このNo.選択スイッチ30?40は、一般的には選局などの番号選択や特殊機能操作に用いられる。図3では、No.選択スイッチとして0?9までの番号が付いたボタン30?39と、「+10」が付いたボタン40が備わっている。
【0028】
遺影スチルショーにおける次の写真への切り替わり操作としては、再生ボタン24操作が設定されており、再生ボタン24が押される毎に、次の写真に切り替わるように設定されている。
また、前スイッチ25操作で前の写真(シーン)に移動し、次スイッチ26操作で後の写真(シーン)に移動するようにも設定されている。つまり、写真6が表示されているときに、前スイッチ25を押すと写真10に切り替わり、次スイッチ26を押すと写真7に切り替わる。
【0029】
このような前後の写真への手動操作移動は、遺影スライドショーでも設定されており、遺影スライドショーを構成する各写真1?5(符号11?15)間でも、前スイッチ25や次スイッチ26を操作することで手動切替が可能である。
さらに、遺影スライドショー及び遺影スチルショーを構成する各遺影写真1?10(符号11?20)には、操作装置50のNo.選択スイッチが割り当て設定されている。すなわち、写真1(符号11)には「1」ボタン31が、写真2(符号12)には「2」ボタン32が、写真3(符号13)には「3」ボタン33が、写真4(符号14)には「4」ボタン34が、写真5(符号15)には「5」ボタン35が、写真6(符号16)には「6」ボタン36が、写真7(符号17)には「7」ボタン37が、写真8(符号18)には「8」ボタン38が、写真9(符号19)には「9」ボタン39が、写真10(符号20)には「1」「0」ボタン31,30が割り当て設定されている。
【0030】
したがって、映像再生中は、No.選択ボタンを押すと割り当てられた写真(シーン)へ直接移動することができる。
また、前記主遺影写真10には、リターンスイッチ29が割り当てられており、他の遺影写真が表示されているときなどの映像再生中にリターンスイッチ29を押すと何時でも主遺影写真10を表示させることができる。
さらに、必要に応じ、第1処理コンピュータ2からは静止画である遺影写真データの他、故人に関連した動画像データを第2処理コンピュータ3に送信し、第2処理コンピュータ3では、静止画を編集したものと動画像とを一体的なデータとして、選択再生コントロール可能とすることができる。
【0031】
具体的には、映像再生中にNo.選択スイッチの「1」「1」ボタンを押すと動画ビデオがスタートするように設定しておけばよい。
以上のような、静止画・動画の遺影写真の編集はオーサリングソフトによって行うことができる。
編集の完了した遺影写真データは、CD-Rに書き込めるようにビデオCD規格に沿ったフォーマットに変換され、本発明のデジタルビデオデータであるイメージファイルが生成される。このイメージファイル生成もオーサリングソフトによって行うことができる。
【0032】
生成されたイメージファイルは、ネットワーク5を介して葬儀社等の第1処理コンピュータ2側に返信される。第1処理コンピュータ2では、受信したイメージファイル2をCD-R/Wドライブ(書込装置)7によってCD-R等の記録媒体60に書き込む。なお、イメージファイルの送信及び記録媒体60への書込作業も第2処理コンピュータ側の遠隔操作によって行われる。ただし、電子メールなどで第1処理コンピュータ2側にイメージファイルを送信して、第1処理コンピュータ2側の操作で記録媒体60への書込を行ってもよい。
【0033】
イメージファイルの書き込まれたCD-R60は、DVDプレーヤー又はビデオCDプレーヤー9で再生可能であり、しかも、再生をコントロールすためのプレイバックコントロール信号を含んでいるので操作装置50によって再生をコントロール可能である。
このように、葬儀社等では、遺影写真データを送信すると、DVDプレーヤー等の映像再生装置9で再生可能な記録媒体60にビデオデジタルデータとなった遺影写真データが書き込まれたものが得られる。しかも記録媒体60に書き込まれた遺影写真データは第2処理コンピュータ3において演出効果のあるもの(遺影スライドショー等)に編集されている。
【0034】
また、CD-R60のようにドライブ装置7と分離して持ち運び可能な記録媒体にイメージファイルを書き込むので、第1処理コンピュータ2やドライブ装置7は、葬儀場などとは別の場所に設置することができる。
記録媒体であるCD-R60は、葬儀又は法要の場に設置されたDVDプレーヤ9にセットされ、編集された遺影写真の映像が再生され、表示装置8によって画面表示される。ここで、表示装置8は、横長の画面とされている。遺影写真に表示装置を用いる場合、縦長の画面とするのが普通であったが、横長の画面とすることで、遺影写真の背景などを広く表示でき、故人の生きた時代背景や故人の思い出を会葬者に深く回想させることができ、情緒のある演出ができる。
【0035】
なお、DVDプレーヤーは、DVD(規格としてMPEG2が用いられている)の他、ビデオCD(規格としてMPEG1が用いられている)の再生機能をも有している。これは、MPEG2がMPEG1を包含した規格だからである。
映像再生の最初には、主遺影写真10が表示される。この主遺影写真10は、主に従来の遺影写真と同様な役割を果たす。また、再生装置9の操作装置50を操作することによって、自動的に遺影写真が切り替わる遺影スライドショーや手動操作で遺影写真が切り替わる遺影スチルショーを行ったり、動画ビデオを再生することでき、故人の生前を偲ぶことができる。
【0036】
特に、遺影スライドショーは、自動繰り返し再生できるように設定されている(写真5の次に写真1が切り替わるように設定されている:無限ループ設定)ので、何枚かの遺影写真を何回も自動繰り返し再生できる。したがって、お通夜や長い葬儀式中でも、映像表示を中断することなく、再生可能である。同様の表示を一般的なビデオ(アナログビデオ)で行おうとすると、ビデオテープの再生時間を超えて長時間再生しようとするとする場合にビデオテープの巻き戻しが必要となって、映像が中断してしまうが、ランダムアクセス機能により映像を中断させることなく連続的な再生が可能である。
【0037】
また、お坊さんがお経を読まれるときや会葬者が焼香の時には、遺影スライドショーのような演出的な表示ではなく、しめやかな雰囲気を保つために従来通りの遺影写真が望まれる。このような時には、操作装置50を操作して、主遺影写真10を表示すればよい。主遺影写真10は、映像表示中であれば、遺影スライドショー、遺影スチルショー、遺影ビデオのいずれの再生時でも呼び出すことができるので、主遺影写真10が必要とされるときには何時でも画面表示することができる。
【0038】
以上のような操作は、DVDプレーヤー等の再生装置8の操作装置50で行うことができるため、家庭にあるDVDやビデオを操作する感覚で行え、パソコンを操作して映像を切替操作するより遙かに容易である。
したがって、葬儀社等では、遺影写真処理サービス業者のサービスを利用することにより、遺影写真の演出をDVDを再生する程度の労力で行うことができるのであり、遺影写真の編集能力がなくとも高度な演出を提供でき、中小の葬儀社でも高度な演出サービスが提供可能となり、またコストも下げることができる。
【0039】
しかも、DVDプレーヤー等の再生装置8があれば、プロジェクタ、プラズマディスプレイなどな特殊な表示装置はもちろん、一般のテレビなどにでも表示できるので、設備設置が容易であるし、既存設備を生かした低コストな演出が可能となる。
よって、本システム1を利用すると、中小の葬儀社が、一般の消費者に対しても、高い演出効果のあるサービスを提供する事が可能となり、所得や地域などによる葬儀サービスの格差を是正し、葬儀サービス全体の質を向上させることができる。
【0040】
なお、CD-Rなどの記録媒体のコストは約55円であり、遺影写真の出力メディアとしては、従来の紙・インクのコスト(約550円)に比べて1/10程度であり安価である。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。特に、実施形態で例示したCDやDVDに関連した装置及びソフトウェアは、出願時において最も安価かつ容易に入手できる組み合わせであり、出願時には最適であると考えられるが、将来においてはより高機能又はより安価な装置・記録媒体等を採用することもできる。
【0041】
また、デジタルビデオ信号の規格としては、MPEG1の他、MPEG2等のその他の規格も使用可能であり、MPEG2の場合、記録媒体としてはDVDが用いられる。
また、デジタルビデオ信号の規格としては、出願時に存在しない新たな規格ができることが予想されるが、そのような規格であっても本発明にとって必要な機能を有していれば採用可能である。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、高度な遺影の演出サービスの提供が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
遺影写真システムの構成図である。
【図2】
遺影写真の編集例である。
【図3】
再生装置(DVDプレーヤー)の操作装置(リモートコントローラ)の平面図である。
【符号の説明】
1 遺影写真システム
2 第1処理コンピュータ
3 第2処理コンピュータ
5 コンピュータネットワーク
7 書込装置
8 表示装置
9 再生装置
50 操作装置
60 記録媒体
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2006-03-28 
結審通知日 2006-11-15 
審決日 2006-04-20 
出願番号 特願2001-32786(P2001-32786)
審決分類 P 1 113・ 121- ZA (A47G)
最終処分 成立  
前審関与審査官 鈴木 誠  
特許庁審判長 阿部 寛
特許庁審判官 稲村 正義
川本 真裕
登録日 2002-06-28 
登録番号 特許第3323861号(P3323861)
発明の名称 遺影写真の表示方法、遺影写真システム、及び遺影写真の処理方法  
代理人 戸島 省四郎  
代理人 特許業務法人サンクレスト国際特許事務所  
代理人 特許業務法人サンクレスト国際特許事務所  

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