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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H05B 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H05B |
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管理番号 | 1175308 |
審判番号 | 不服2006-27651 |
総通号数 | 101 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2008-05-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2006-12-07 |
確定日 | 2008-03-27 |
事件の表示 | 特願2002-157267「有機エレクトロルミネセンス表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成15年12月 5日出願公開、特開2003-347043〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成14年5月30日の出願であって、平成18年8月7日付けで手続補正がなされた後、平成18年10月26日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成18年12月7日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、平成19年1月9日付けで手続補正がなされたものである。 2.平成19年1月9日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)について [補正却下の決定の結論] 平成19年1月9日付けの手続補正を却下する。 [理由] (1)補正後の本願発明 本件補正により、請求項4は、 「【請求項4】 一方の面に少なくとも有機発光体層が形成された第1基板と、 この透明基板の前記有機発光体層が形成された面に対向して配置される第2基板とを備え、 前記第1基板と前記第2基板との固着は第1壁体を介してなされ、 前記第2基板は、前記有機発光体層と対向する面であって、前記第1壁体との間が不活性ガスで隔てられた位置に乾燥剤が配置され、 前記乾燥剤は前記第1壁体の近傍にて他の部分よりも高くなっていることを特徴とする有機エレクトロルミネセンス表示装置。」から、 「一方の面に少なくとも有機発光体層が形成された第1基板と、 この透明基板の前記有機発光体層が形成された面に対向して配置される第2基板とを備え、 前記第1基板と前記第2基板との固着は第1壁体を介してなされ、 前記第2基板は、前記有機発光体層と対向する面であって、前記第1壁体との間が不活性ガスで隔てられた位置に乾燥剤が配置され、 前記乾燥剤は、前記第1壁体とは接触せず、前記第1壁体の近傍にて他の部分よりも高くなっていることを特徴とする有機エレクトロルミネセンス表示装置。」 に補正された。(以下、この発明を「本願補正発明」という。) 前記補正は、補正前の請求項4に記載した発明を特定するために必要な事項である「乾燥剤」について「前記第1壁体とは接触せず、」との限定を付加するものであって、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本願補正発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて検討する。 (2)引用例 原査定の拒絶の理由に引用された、特開2001-267065号公報(以下、「引用例1」という。)、及び特開2001-126862号公報(以下、「引用例2」という。)には、それぞれ、以下の事項が記載されている。 引用例1; 記載事項ア.; 「【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)層を備えた電界発光素子に関する。」 記載事項イ.; 「【特許請求の範囲】 【請求項1】 一の面に第1電極、有機EL層および第2電極がこの順で設けられた透明基板と該透明基板の一の面に対向した面に水蒸気吸着層が配置された対向基板とが枠状のシール材を介して互いに貼り合わされていることを特徴とする電界発光素子。」 記載事項ウ.; 「【0006】 【発明の実施の形態】図1(A)はこの発明の第1実施形態における電界発光素子の平面図を示し、図1(B)はそのB-B線に沿う断面図を示したものである。この電界発光素子は透明基板1および対向基板11を備えている。(略)」 記載事項エ.; 「【0008】アノード電極2を含む透明基板1の上面には有機EL層3が設けられている。(略)」 記載事項オ.; 「【0013】対向基板11の下面の周辺部を除く部分には水蒸気吸着層12が設けられている。・・・・・・・。この水蒸気吸着層12は水蒸気および所定の気体を吸着する性質を有する。」 記載事項カ.; 「【0014】そして、透明基板1と対向基板11とは、水蒸気吸着層12形成後に、対向基板11の下面の周辺部に塗布法や転写法等によって設けられたほぼ枠状のシール材13を介して互いに貼り合わされている。この場合、シール材13の所定の箇所には空気逃げ用開口部14が設けられている。シール材13は、熱硬化型エポキシ系樹脂、紫外線硬化型エポキシ系樹脂、または反応開始剤をマイクロカプセル化して加圧することにより反応が開始する常温硬化型エポキシ系樹脂等からなっている。」 記載事項キ.; 「【0016】シール材13の空気逃げ用開口部14は、真空装置内において減圧雰囲気(真空度100Torr以下が好ましい)或いは窒素ガスまたは不活性ガス雰囲気中において、封止樹脂15によって封止される。(略)」 記載事項ク.; 「【0021】なお、上記第1および第2実施形態では、シール材13の空気逃げ用開口部14を封止樹脂15で封止する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図3(A)、(B)に示すこの発明の第3実施形態のようにしてもよい。すなわち、まず、図3(A)に示すように、対向基板11の下面(図3(A)では上面)の周辺部に、所定の複数箇所に空気逃げ用スリット18を有するほぼ方形枠状のシール材13を形成し、真空装置内において減圧雰囲気(真空度100Torr以下が好ましい)或いは、窒素ガスまたは不活性ガス雰囲気中において、このシール材13を介して両基板1、11を貼り合わせ、空気逃げ用スリット18により両基板1、11間が十分に減圧或いは、窒素ガスまたは不活性ガスで充填された後、さらに両基板1、11を互いに押しつけてシール材13の空気逃げ用スリット18の部分がつぶれ、図3(B)に示すように、シール材13が空気逃げ用スリット18の部分で繋がって方形枠状となるようにしてもよい。」 記載事項ケ.; 「【0045】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、透明基板と対向基板とを枠状のシール材を介して互いに貼り合わせているので、対向基板およびシール材によって透明基板の一の面側を封止することができ、したがって耐湿性が向上し、ダークスポットの発生、成長を抑制することができる。・・・・・・。また、対向基板の透明基板との対向面側に水蒸気吸着層を設けているので、耐湿性がより一層向上し、ダークスポットの発生、成長をより一層抑制することができる。(略)」 そして、図1(B)に図示された透明基板1、有機EL層3、対向基板11の配置関係からみて、 対向基板11は、透明基板1の有機EL層3が設けられた面に対向して配置されること、 対向基板11の下面は、有機EL層3と対向する面であること、 は、いずれも明らかである。 また、段落【0013】及び【0021】の記載からみて、図1(A)(B)に記載の有機エレクトロルミセント素子も、図3(A)(B)に記載の有機エレクトロルミセント素子と同様に、透明基板1と対向基板11の間に不活性ガスが充填されていることは明らかである。 したがって、前記ア.?ケ.の記載事項及び図面の記載からみて、引用例には、 「上面に有機EL層3が設けられたアノード電極2を含む透明基板1と、 この透明基板1の前記有機EL層3が設けられた面に対向して配置される対向基板11とを備え、 前記透明基板1と前記対向基板11とがエポキシ系樹脂からなる枠状のシール材13を介して互いに貼り合わされ、 前記対向基板11は、前記有機EL層3と対向する面であって、その面の周辺部を除く部分には水蒸気吸着層12が設けられ、透明基板1と対向基板11の間に不活性ガスが充填されている電界発光素子。」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。 引用例2; 記載事項コ.; 「【0001】 【発明の属する技術分野】本願発明は、カラーフィルターを備えた有機エレクトロルミセント素子(以下有機EL素子と略記する)に関する。」 記載事項サ.; 「【特許請求の範囲】 【請求項1】陰極、有機EL発光層、陽極を形成したガラス基板、カラーフィルターを形成した封止キャップ、封止部材を備えた有機EL素子において、封止キャップの内面にカラーフィルターを形成し、そのカラーフィルターの周囲及び表面にオーバーコート膜を形成した有機EL素子。 【請求項2】請求項1に記載の有機EL素子において、封止キャップにブラックマトリクスを形成した有機EL素子。 【請求項3】陰極、有機EL発光層、陽極を形成したガラス基板、カラーフィルターを形成した封止キャップ、封止部材を備えた有機EL素子において、カラーフィルターを封止キャップの外側に形成した有機EL素子。 【請求項4】請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の有機EL素子において、カラーフィルターの対向面を除く有機EL素子の内面の少なくとも一部に捕水剤を配置した有機EL素子。」 記載事項シ.; 「【0005】 【発明の実施の形態】図1は、本願発明の第1実施形態に係る有機EL素子の断面構造を示す。1?8は、図4及び図5と同じである。封止キャップ2の内面に形成したカラーフィルター7の周囲及び表面を覆うようにオーバーコート膜10を形成し、カラーフィルター7の対向面を除く有機EL素子の内面に捕水剤11を配置してある。オーバーコート膜10により、カラーフィルター7から有機EL素子内へ水分や脱ガスが放出されるのを防止できる。また捕水剤11により有機EL素子内の水分を吸収することができる。捕水剤11は、カラーフィルター7の対向面を除く有機EL素子の内面全体に配置したが、必ずしも全面に配置する必要はなく、必要な捕水効果が得られる範囲に配置すればよい。」 記載事項ス.; 「【0007】図3は、本願発明の第3実施形態に係る有機EL素子の断面構造を示す。1?8は、図4及び図5と同じである。カラーフィルター7は、封止キャップ2の外側(外面)に形成している。捕水剤11は、カラーフィルター7の対向面を除く有機EL素子の内面に配置している。カラーフィルター7は、有機EL素子の外部に形成しているため、カラーフィルター7から放出される水分や脱ガスが、有機EL素子の発光機構にダメージを与えることはない。また捕水剤11をどの範囲に配置するかは、第1、2実施形態の場合と同様に必要な捕水効果を勘案して決めればよい。」 記載事項セ.; 「【0011】 【発明の効果】本願発明の有機EL素子は、オーバーコート膜により、カラーフィルターやブラックマトリクスから水分や脱ガスが放出されるのを防止でき、発光機構が受けるダメージを小さくすることができる。その結果有機EL素子の寿命を長くすることができる。・・・・・・・・・。また捕水剤を有機EL素子内に配置することにより、有機EL素子の寿命に大きな影響を与える有機EL素子内の水分を捕水することができる。」 (3)対比 本願補正発明と引用発明とを対比する。 a.引用発明の対象である「電界発光素子」は、有機EL層により発光するものであるから、本願補正発明の対象である「有機エレクトロルミネセンス表示装置」に相当する。 b.引用発明の「有機EL層」は、本願補正発明の「有機発光体層」に相当する。 c.本件の請求項4には、「一方の面に少なくとも有機発光体層が形成された第1基板と、この透明基板の前記有機発光体層が形成された面に対向して・・・」と記載されているから、本願補正発明の「この透明基板」は前記された「第1基板」である。 そして、引用発明の「上面に有機EL層3が設けられたアノード電極2を含む透明基板1」は、少なくとも有機EL層(有機発光体層)が形成された透明基板であるから、本願補正発明の「一方の面に少なくとも有機発光体層が形成された第1基板」及び「この透明基板」に相当する。 d.引用発明の「この透明基板1の前記有機EL層3が設けられた面に対向して配置される対向基板11」は、本願補正発明の「この透明基板の前記有機発光体層が形成された面に対向して配置される第2基板」に相当する。 e.引用発明の「枠状のシール材13」、「貼り合わせ」は、本願補正発明の「第1壁体」、「固着」に相当するから、引用発明の「枠状シール材13を介しての透明基板1と対向基板11との貼り合わせ」は、本願補正発明の「第1基板と第2基板との固着は第1壁体を介してなされ」に相当する。 f.引用発明の「水蒸気吸着層12」は、本願補正発明の「乾燥剤」に相当する。 そして、図1(B)の記載等からみて、 引用発明の「前記対向基板11は、前記有機EL層3と対向する面であって、その面の周辺部を除く部分には水蒸気吸着層12が設けられ、透明基板1と対向基板11の間に不活性ガスが充填されている」において、「その面の周辺部」は、枠状のシール材13との関係でいえば、枠状シール材13との間であることは明らかであり、 また、引用発明の「水蒸気吸着層12」は、シール材13とは接触していないことは明らかである。 そして、引用発明において、透明基板1と対向基板11の間に不活性ガスが充填されている以上、枠状シール材13との間にも不活性ガスが充填されているので、引用発明の「前記対向基板11は、前記有機EL層3と対向する面であって、その面の周辺部を除く部分には水蒸気吸着層12が設けられ、透明基板1と対向基板11の間に不活性ガスが充填されている」は、本願補正発明の「前記第2基板は、前記有機発光体層と対向する面であって、前記第1壁体との間が不活性ガスで隔てられた位置に乾燥剤が配置され、前記乾燥剤は、前記第1壁体とは接触せず、」に相当する。 前記a.?f.に記載したことからして、本願補正発明と引用発明とは、 「一方の面に少なくとも有機発光体層が形成された第1基板と、 この透明基板の前記有機発光体層が形成された面に対向して配置される第2基板とを備え、 前記第1基板と前記第2基板との固着は第1壁体を介してなされ、 前記第2基板は、前記有機発光体層と対向する面であって、前記第1壁体との間が不活性ガスで隔てられた位置に乾燥剤が配置され、 前記乾燥剤は、前記第1壁体とは接触していない有機エレクトロルミネセンス表示装置。」である点で一致し、以下の相違点が存在する。 相違点; 第2基板に配置された乾燥剤が、本願補正発明は、第1壁体の近傍にて他の部分よりも高くなっているのに対して、引用発明は、そのようになっていない点。 (4)当審の判断 前記相違点について検討する。 本願明細書の【0036】欄には、「この実施例では、前記乾燥剤DR1の形成領域をたとえば多層構造とすることにより他の領域の乾燥剤DRよりも量の増大化を図っている。外部からの湿気の侵入は封止壁体SWの形成部からなされることに鑑み、この封止壁体SWの近傍で湿気吸収能力を増大させようとするものである。」と記載されている。 したがって、本願補正発明において、第2基板に配置された乾燥剤を第1壁体の近傍にて他の部分よりも高くするのは、外部からの湿気の侵入は第1壁体の形成部からなされることから、この第1壁体の近傍で湿気吸収能力を増大させようとするためと認められる。 一方、引用例1の記載事項ケ.には、「【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、透明基板と対向基板とを枠状のシール材を介して互いに貼り合わせているので、対向基板およびシール材によって透明基板の一の面側を封止することができ、したがって耐湿性が向上し、ダークスポットの発生、成長を抑制することができる。・・・・・・。また、対向基板の透明基板との対向面側に水蒸気吸着層を設けているので、耐湿性がより一層向上し、ダークスポットの発生、成長をより一層抑制することができる。」と記載されている。 引用例1のこの記載からみて、引用発明の水蒸気吸着層(乾燥剤)は、本願補正発明の乾燥剤と同様に、外部から侵入する水蒸気(湿気)を吸収する作用を少なくとも有しているものと認められる。 また、引用例2には、図1?図3、特に図3には、封止キャップ2には、封止部材3及び接着剤8に接した箇所が他の部分よりも高くなっている補水剤11を配置した有機EL素子、が示されている。 引用例2の発明を本願補正発明と対比すると、引用例2の発明の「封止キャップ2」、「封止部材3及び接着剤8」、「補水剤11」、「有機EL素子」はそれぞれ、本願補正発明の「第2基板」、「第1壁体」、「乾燥剤」、「有機エレクトロルミネセンス表示装置」に相当するから、引用例2には、第2基板に配置された乾燥剤が、第1壁体に接した箇所が他の部分よりも高くなっている有機エレクトロルミネセンス表示装置、の発明が記載されているといえる。 そして、引用例2の第2基板に配置された補水剤11(乾燥剤)は、有機EL素子の寿命に大きな影響を与える有機EL素子内の水分を捕水するものであるが(記載事項セ.)、封止部材3及び接着剤8などを通して外部から侵入する水分に対しても、その水分を吸収する作用を有しているものと認められる。 以上述べたことからして、引用発明において、有機EL層3と対向する対向基板11の面の周辺部を除く部分に設けられた「水蒸気吸着層12」について、上記周辺部である枠状のシール材13の近傍で湿気吸収能力を増大させるために、枠状のシール材13(第1壁体)の近傍にて他の部分よりも高くするようにすることは、引用例2に記載された発明に基づいて当業者が容易になし得ることである。 そして、本願補正発明の作用・効果も、引用発明及び引用例2に記載された発明から予測される範囲内のもので、格別のものではない。 よって、本願補正発明は、引用例1及び2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 (5)むすび 以上のとおり、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるから、特許法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 3.本願発明について 平成19年1月9日付けの手続補正は前記のとおり却下されたので、本願の請求項4に係る発明は、平成18年8月7日付けの手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その請求項4に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。) 「一方の面に少なくとも有機発光体層が形成された第1基板と、 この透明基板の前記有機発光体層が形成された面に対向して配置される第2基板とを備え、 前記第1基板と前記第2基板との固着は第1壁体を介してなされ、 前記第2基板は、前記有機発光体層と対向する面であって、前記第1壁体との間が不活性ガスで隔てられた位置に乾燥剤が配置され、 前記乾燥剤は前記第1壁体の近傍にて他の部分よりも高くなっていることを特徴とする有機エレクトロルミネセンス表示装置。」 (1)引用例 原査定の拒絶の理由に引用された引用例の記載事項は、前記「2.(2)」に記載したとおりである。 (2)対比・判断 本願発明は、前記2.項で検討した本願補正発明から、「乾燥剤」について「前記第1壁体とは接触せず、」との発明特定事項を省いたものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに上記発明特定事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「2.(4)」に記載したとおり、引用例1及び2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例1及び2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 (3)むすび 以上のとおり、本願発明は、引用例1及び2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-01-24 |
結審通知日 | 2008-01-29 |
審決日 | 2008-02-13 |
出願番号 | 特願2002-157267(P2002-157267) |
審決分類 |
P
1
8・
575-
Z
(H05B)
P 1 8・ 121- Z (H05B) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 池田 博一 |
特許庁審判長 |
江塚 政弘 |
特許庁審判官 |
青木 和夫 森内 正明 |
発明の名称 | 有機エレクトロルミネセンス表示装置 |
代理人 | 秋田 収喜 |