• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B65D
管理番号 1190286
審判番号 不服2006-17742  
総通号数 110 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-02-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-08-14 
確定日 2009-01-06 
事件の表示 特願2002-589346号「2区画型容器」拒絶査定不服審判事件〔平成14年11月21日国際公開、WO02/92440、平成16年9月16日国内公表、特表2004-528243〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、2002年4月26日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2001年5月15日、米国、及び2002年4月11日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成18年5月8日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年8月14日付けで拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに同日付け及び同年9月13日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成18年8月14日にした手続補正(以下、「本願第1手続補正」という。)についての適否の検討
本願第1手続補正は、補正前の特許請求の範囲の請求項2?8、10?15を削除し、補正前の請求項9を補正後の請求項2に補正するものであり、平成14年改正前の特許法第17条の2第4項第1号に規定する請求項の削除を目的とする補正に該当する。したがって、本願第1手続補正は、適法になされたものである。

3.平成18年9月13日付け手続補正(以下、「本願第2手続補正」という)についての補正却下の決定

[補正却下決定の結論]
本願第2手続補正を却下する。
[理由]

(1)本願第2手続補正により補正された後の本願発明
本願第2手続補正は、補正前の特許請求の範囲の請求項1及び請求項2の記載を変更するものであり、請求項1の記載を変更する補正は、請求項1を以下のとおりに補正するものである。

「【請求項1】
第一の要素を第二の要素に添加するための2区画型容器で、
(a)第一の区画が、湿気の影響を受けやすい第一の要素を収容し、前記第一の区画が上層と下層を有し、前記第一の区画が切り込み可能な材料で作られていること、
(b)第二の区画が第二の要素を収容し、前記第二の区画が、丸みのある柔軟なドームを含むキャップを有し、かつ、その柔軟なドームの下から第一の区画の上層に向かって突出しているカッティング手段を有すること、
前記柔軟なドームを下に押して、押し下げることにより、下層に穴を開け、第一の要素を第二の区画に開放すること、
第一の要素が第二の要素に加えられるまで、第一の要素が湿気に晒されないことを特徴とする2区画型容器。」(以下、「本願第2補正発明」という
)

この補正は、補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された、
1)第一の要素に、「湿気の影響を受けやすい」とう技術的事項を、
2)柔軟なドームに、「丸みのある」ものであるという技術的事項を、
3)ドームを押し下げる際に、「ドームを下に押す」ものであるという技術的事項を、
4)第一の要素に、「第一の要素が第二の要素に加えられるまで、第一の要素が湿気に晒されないこと」という技術的事項を、それぞれ付加することにより、補正前の請求項1に記載された発明を限定するものであり、これら付加する技術的事項は、いずれも出願当初の明細書に記載されている事項である。
したがって、この補正は、新規事項を追加するものではなく、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題を変更するものでもないから、平成14年改正前の特許法第17条の2第4項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。
そこで、本願第2補正発明について、平成18年改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項に規定する要件を満たしているか検討する。

(2)原査定の理由に引用された刊行物
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である、実願昭63-126800号(実開平02-048580号)のマイクロフィルム(以下、「引用例1」という)及び、実願平02-093372号(実開平04-050675号)(以下、「引用例2」という)のマイクロフィルムには、以下の事項が記載されている。

1)引用例1の記載事項
a.実用新案登録請求の範囲には、
「開口部を有する容器本体と、この開口部に嵌入されるその上下に薄壁部が設けられた中栓と、こき開口部の外側に嵌装される上蓋とからなり、この上蓋内上方に中央が貫通しその先端に突き刺し刃を有する開封ピンが内装されていて、かつ上蓋上面には開封ピンを下降させるための案内用の切欠部を設けたことを特徴とする二種混合容器。」が記載されている。なお、引用例1の実用新案登録請求の範囲に記載された「こき開口部」は、引用例1の記載全体から見て「この開口部」の誤記と認められる。
b.明細書第1頁14?15行には、<産業上の利用分野>として、
「本考案は二種の異なる液体を混合しうる容器に関するものである。」が記載されている。
c.明細書第3頁17行?第5頁第18行には、
「図中(1)は先端開口部(2)にネジ(3)を設けた容器本体で…略…ポリエチレン等の合成樹脂で…略…形成されている。上記容器本体(1)には主液体(p)がその液面が前記開口部より下に位置するように充填され…略…図中(4)はその上方開口部にフランジ部(5)を有する中栓であり、その底部には適宜の大きさを有する孔(6)が穿設されていて、やはりポリエチレン等の合成樹脂で一般的にはインジェクション成形法により形成されている。この中栓(4)の上方フランジ部(5)と前記孔(6)の周縁裏面にはアルミ箔を含むプラスチックの積層材からなる薄壁部(7)(8)が熱接着され、上下が閉鎖されている。この中栓(4)内には副液体(q)が適量充填されている。…略…(9)は…略…上蓋で…略…上方が開放した円筒体であって、前記上方薄壁部(7)の上部に位置するところは適宜の空間(11)が形成され、その空間(11)内には下向きに摺動可能な開封ピン(12)が納められている。この開封ピン(12)は前記上蓋(9)に接する外筒体(13)とその内側に連接され、かつその内部に貫通孔(a)を有する内筒体(14)とからなり、該外筒体(13)と内筒体(14)とはリング壁(15)で連結されている。該内筒体(14)の先端は突き刺し刃(16)となっていて…略…内筒体(14)には流出口(b)が形成されていて開封後副液体(q)がここから流れ出るようにしてある。…略…(18)は上蓋(9)に設けられた切欠部であって、人の指先の巾程度の広さであって開封ピン(12)が下の薄壁部(8)を破るところまで下降できるような縦方向の長さを有している。」が記載されている。
d.明細書第6頁3?13行には、
「第2図に示すようにオーバーキャップ(19)をまず取り除いた後、指先で前記開封ピン(12)を下降させる。このとき前記上蓋(9)の切欠部(18)に沿って前記外筒体(12)の下端が中栓(4)のフランジ部(5)に当たるまで押し込む用にする。ここまて押し込むと前記開封ピン(12)の突き刺し刃(16)が二つの薄壁部(7)(8)を次々と破り、副液体(q)は前記流出口(b)を通って、破れた下の薄壁部(8)の穴(c)から容器本体(1)内の主液体(p)に流れ込んで二液が混合される。」が記載されている。

記載事項「a?d」及び図面の記載を総合すれば、引用例1には、
開口部(2)を有する主液体(p)の入った容器本体(1)と、この開口部(2)に嵌入され、その上下にアルミ箔を含むプラスチックの積層材からなる上方薄壁部(7)と下の薄壁部(8)が設けられ副液体(q)の入った中栓(4)と、この開口部(2)の外側に嵌装される上蓋(9)とからなり、この上蓋(9)内上方に上蓋(9)内周面に接する外筒体(13)を有し上蓋(9)内を下向きに摺動可能な開封ピン(12)が内装されていて、かつ先端に突き刺し刃(16)を有する内筒体(14)が開封ピン(12)の上面をなすリング壁(15)の下方に突出しており、リング壁(15)を下に押して開封ピン(12)を下降させることにより、内筒体(14)で薄壁部(7)(8)を破り、破れた下の薄壁部(8)の穴(c)から副液体(q)を容器本体(1)内に流して、主液体(p)中に混合する二種混合容器の発明が記載されている。(以下、「引用発明1」という)

2)引用例2の記載事項
e.実用新案登録請求の範囲には、
「(1)有底円筒状の容器本体1とこの容器本体1の開口を着脱自在に蓋するキヤツプ2とからなる容器と、この容器内を上下に二分割するシール蓋6とを備え、上記キヤツプ2の天井部3を弾性変形可能に形成し、この天井部3の裏面に突起4を設け、上記天井部3の押圧による弾性変形により、上記突起4で上記シール蓋6を破つて上記容器内の上下空間を連通状態にすることを特徴とする二成分混合容器。」が記載されている。
f.明細書第2頁13?20行には、
「化粧料の中には、液状の化粧料と粉末状の化粧料を混合して使用するものもあるが、このようなものも、…略…予め混合しておくと効力が失われるという難点や、予め混合したものは泥状等の外観を呈し美観や使用感が悪いという難点がある。そのため、上記のように2種類の成分が別々の容器に収容され、使用の際に、二成分を混合して使用するようになっている。」が記載されている。
g.明細書第5頁5?17行には、
「第1図はこの考案の二成分混合容器の一実施例を示している。…略…この二成分混合容器は、プラスチック製の容器本体1と、プラスチック製のキヤツプ2とで構成されている。上記容器本体1…略…の開口外周面のねじ部1aに、上記キヤツプ2の内周面のねじ部2aをら合することにより…略…蓋されている。…改行省略…上記キヤツプ2の天井部の一部は、全体が屋根状で弾性変形可能の盛り上がり部3に形成されており、この盛り上がり部3の裏面には、第2図に示すように、三角錐状の突起4が設けられている。」が記載されている。
h.明細書第6頁2?14行には、
「シール蓋6…略…取り付けられ、上記容器本体1と上記キヤツプ2とで構成された容器内を上下空間A,Bに分割している。…略…容器本体1内の下側の空間Bに液状化粧料11を収容し、上側の空間Aに粉末状化粧料12を収容し」が記載されている。
i.明細書第8頁3?10行には、
「第7図および第8図はこの考案の二成分混合容器の他の実施例を示している。…略…直接盛り上がり部3を手指で押圧して第9図に示すようにシール蓋6を破るようになっている」が記載されている。
j.明細書第8頁16?末行には、
「上記実施例ではキヤツプの天井部を屋根状の盛り上がり部に形成しているが、…略…ドーム状であっても差し支えない。」が記載されている。
記載事項「e?j」及び図面の記載を総合すれば、引用例2には、
有底円筒状の容器本体1とこの容器本体1の開口を着脱自在に蓋するキヤツプ2とからなる容器と、この容器内を上下に二分割するシール蓋6とを備え、容器内の上側の空間Aに粉末状化粧料12を収容し下側の空間Bに液状化粧料11を収容し、上記キヤツプ2のドーム状天井部3を弾性変形可能に形成し、この天井部3の裏面に突起4を設け、上記天井部3の押圧による弾性変形により、上記突起4で上記シール蓋6を破って上記容器内の上下空間を連通状態にする二成分混合容器の発明が記載されている。(以下、「引用発明2」という)


(3)対比・判断
そこで、本願第2補正発明と引用発明1とを対比すると、
後者の「副液体(q)」、「主液体(p)」、「二種混合容器」、「中栓(4)」、「上方薄壁部(7)」、「下の薄壁部(8)」、「アルミ箔を含むプラスチックの積層材」、「容器本体(1)と上蓋(9)と開封ピン(12)」、「上蓋(9)と開封ピン(12)」、「先端に突き刺し刃(16)を有する内筒体(14)」、「穴(c)」は、
前者の「第一の要素」、「第二の要素」、「2区画型容器」、「第一の区画」、「上層」、「下層」、「切り込み可能な材料」、「第二の区画」、「キャップ」、「カッティング手段」、「穴」に夫々相当する。
また、後者の「外筒体(13)とリング壁(15)」は、キャップ(上蓋(9)と開封ピン(12))の一部をなす部材であり、その下方に突出するカッティング手段(内筒(14))が設けられており、下方に押し下げることによりカッティング手段によって下層に穴を開け、第一の要素を第二の区画に開放するための部材(以下、「被操作部材」という。)である点で、前者の「丸みのある柔軟なドーム」と共通する。
さらに、後者の「中栓(4)」は、ポリエチレン等の合成樹脂でインジェクション成形法により形成されているから比較的剛性の高いものであり、上方フランジ部(5)と下方の孔(6)の周縁裏面にはアルミ箔を含むプラスチックの積層材からなる薄壁部(7)(8)が熱接着されている。区画を形成する壁の一部が比較的剛性の高い合成樹脂であり、壁の他の部分がアルミ箔等の金属層と樹脂層との積層材であるという中栓(4)の構成は、本願明細書に第3実施例として説明され第5図及び第6図に示された構成と同様であるから、中栓(4)内部に収納した副液体(q)は、薄壁部(7)(8)を破り主液体(p)と混合されるまで、中栓(4)外部の湿気に晒されないようになっているということができる。

したがって、両者は、
「第一の要素を第二の要素に添加するための2区画型容器で、
(a)第一の区画が、第一の要素を収容し、前記第一の区画が上層と下層を有し、前記第一の区画が切り込み可能な材料で作られていること、
(b)第二の区画が第二の要素を収容し、前記第二の区画が、第一の要素を第二の区画に開放するための被操作部材を有し、かつ、その被操作部材の下方に第一の区画の上層に向かって突出しているカッティング手段を有すること、
前記被操作部材を下に押して、押し下げることにより、下層に穴を開け、第一の要素を第二の区画に開放すること、
第一の要素が第二の要素に加えられるまで、第一の要素が湿気に晒されない2区画型容器」で一致し、以下の点で相違している。

相違点a:本願第2補正発明では、第一の要素が湿気の影響を受けやすいものであるのに対し、引用発明1では、その点の記載がない点。
相違点b:本願第2補正発明では、第一の要素を第二の区画に開放するための被操作部材が、丸みのある柔軟なドームであるのに対し、引用発明1では、上蓋(9)内を下向きに摺動可能な外筒体(13)とリング壁(15)である点。

<判断>
そこで上記相違点a、bについて検討する。
相違点aについて、
本願発明のように、「2区画型容器」の「第一の要素」として「湿気の影響を受けやすい」ものを第一の区画に収容することは、出願前周知の技術(一例として、特開平10-323379号公報、実願昭58-118522号(実開昭60-027026号)のマイクロフィルム等参照)である。また、吸湿の程度にもよるが、引用発明2の上側空間Aに収容された粉末状化粧料12のような粉末状物質は、一般的に湿気の影響を受けやすいものである場合が多いことも周知である。したがって、引用発明1にこれら周知事項を適用して第一の要素として湿気の影響を受けやすい物を採用することは当業者が容易になし得たことである。
なお、第一の要素として採用した物の湿気の影響の受けやすさの程度に応じて、第一の区画の構成を収容物への悪影響を防止できる程度に湿気から保護する構造にすることは、当業者がその必要に応じて適宜なすべき単なる設計変更であり、その設計変更により格別顕著な効果が奏せられる等の特段の事情がない限り、当業者が有している通常の創作能力の範囲内の事項であるといえる。

相違点bについて、
引用発明2には、二成分混合容器においてカッティング手段を下方に押し下げる被操作部材の構成として、「キヤツプ2のドーム状天井部3を弾性変形可能に形成し、この天井部3の裏面に突起4を設け、上記天井部3の押圧による弾性変形により、上記突起4で上記シール蓋6を破って容器内の上下空間を連通状態にする」ものが記載されており、また、「ドーム状」は丸みのある形状を指すことが一般的である。したがって、引用発明1の被操作部材である、上蓋(9)内を下向きに摺動可能な外筒体(13)とリング壁(15)に代えて、丸みのある柔軟なドームを適用することは、当業者が容易になし得たことである。
なお、本願出願当時の技術水準について検討すると、審査段階における平成17年9月29日付けの拒絶理由通知書で先行技術文献調査の結果として提示された実願平3-30647号(実開平4-118333号)のマイクロフィルムに、弾性を有する(段落【0012】)ほぼドーム状(段落【0007】、図1?3参照)のキャップ3の下に突部34(段落【0017】)を形成したものが記載されており、キャップ3の中央部を指で押すことにより突部34がPTP(プレススルーパック)包装2を破ってPTP包装2内部の物質22を容器1内落下させ溶解させることが示されている(段落【0016】、図1,2参照)ことなどから、本願第2補正発明で構成要件(b)として記載された事項は、本願出願当時に既に知られていたことであるといえる。

相違点a、bは、上記のとおり当業者が容易になし得たことであり、さらに、本願第2補正発明が奏する効果は、引用発明1、2及び周知技術から当業者が予測できた範囲内のものであって、格別顕著なものとはいえない。
そうすると、本願第2補正発明は、引用発明1、2及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(4)むすび
以上のとおりであるから、本願第2補正発明は、平成18年改正前の特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、本願第2手続補正は、特許法第159条第1項で読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下をすべきものである。


4.本願発明について
(1)本願発明
上記のとおり、本願第2手続補正は却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に記載されたとおりのものと認められるところ、その請求項1の記載は、次のとおりである。

「【請求項1】
第一の要素を第二の要素に添加するための2区画型容器で、
(a)第一の区画が第一の要素を収容し、前記第一の区画が上層と下層を有し、前記第一の区画が切り込み可能な材料で作られていること、
(b)第二の区画が第二の要素を収容し、前記第二の区画が柔軟なドームを含むキャップを有し、かつ、その柔軟なドームの下から第一の区画の上層に向かって突出しているカッティング手段を有すること、
前記柔軟なドームを押し下げることにより、下層に穴を開け、第一の要素を第二の区画に開放することを特徴とする2区画型容器。」(以下、請求項1に係る発明を「本願発明」という。)

(2)引用例及びその記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用例及び記載事項は、上記3(2)に記載したとおりであり、引用例には、上記3(2)に記載したとおりの発明が記載されているものと認められる。

(3)対比、判断
本願第2補正発明は、上記3(1)で認定したように、本願発明に対し、
1)第一の要素に、「湿気の影響を受けやすい」という技術的事項を、
2)柔軟なドームに、「丸みのある」ものであるという技術的事項を、
3)ドームを押し下げる際に、「ドームを下に押す」ものであるという技術的事項を、
4)第一の要素に、「第一の要素が第二の要素に加えられるまで、第一の要素が湿気に晒されない」ことという技術的事項を、それぞれ付加したものであり、本願発明を限定するものである。
そうすると、本願発明の構成要件をすべてを含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願第2補正発明が、上記3(3)に記載したとおり引用発明1、2及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明1、2及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)むすび
以上のとおりであるから、本願発明は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-07-28 
結審通知日 2008-08-05 
審決日 2008-08-18 
出願番号 特願2002-589346(P2002-589346)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B65D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山口 直  
特許庁審判長 寺本 光生
特許庁審判官 栗林 敏彦
中西 一友
発明の名称 2区画型容器  
代理人 小田島 平吉  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ