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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C23C
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 C23C
管理番号 1204728
審判番号 不服2006-17219  
総通号数 119 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-11-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-08-08 
確定日 2009-09-30 
事件の表示 平成 8年特許願第264407号「薄膜厚測定装置」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年 6月 3日出願公開、特開平 9-143722〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成8年10月4日(パリ条約による優先権主張1995年11月8日、韓国)の出願であって、平成17年9月2日付けで拒絶理由が起案され、平成18年3月9日に意見書及び明細書の記載に係る手続補正書の提出がなされ、同年5月10日付けで拒絶査定が起案され、同年8月8日に拒絶査定不服の審判請求及び明細書の記載に係る手続補正書の提出がなされ、平成20年10月28日付けで特許法第164条第3項に基づく報告を引用した審尋が起案され、期間を指定して請求人の意見を求めたところ、請求人からの回答書の提出が無かったものである。

2.平成18年8月8日付けの手続補正について
[補正却下の決定の結論]
平成18年8月8日付けの手続補正(以下、必要に応じて「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
(1)本件補正により、平成18年3月9日付けの手続補正書の特許請求の範囲
「【請求項1】 半導体素子の薄膜形成プログラムを補正するための薄膜厚測定装置において、
薄膜形成装置における処理の終了後に、冷却のために待機させるウェ-ハを一時的に支持する支持部材と、
前記支持部材から冷却済みのウェ-ハが移送される際に該ウェ-ハを持ち上げるウェ-ハリフタと、
前記支持部材及び前記ウェ-ハリフタを外部と隔離するためにその側面を取り囲む冷却室壁と、
前記冷却室壁の上部に位置する冷却室蓋と、
前記冷却室蓋の所定の位置に搭載されていて、前記支持部材からの冷却済みのウェ-ハの移送の際に前記ウェ-ハリフタによって該ウェ-ハが持ち上げられた状態で該ウェ-ハの膜厚を測定する薄膜厚測定センサと、
を備えることを特徴とする薄膜厚測定装置。
【請求項2】 前記薄膜厚測定センサは、前記ウェ-ハと非接触に膜厚を測定することを特徴とする請求項1に記載の薄膜厚測定装置。
【請求項3】 前記薄膜形成装備は、単一型金属蒸着装置であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜厚測定装置。
【請求項4】 前記薄膜厚測定センサにより測定した膜厚に基づいて前記薄膜形成装置における前記薄膜形成プログラムのパラメータを調整する調整手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の薄膜厚測定装置。」が、次のように補正された。
「【請求項1】 半導体素子の薄膜形成プログラムを補正するための薄膜厚測定装置において、
薄膜形成装置における処理の終了後に、冷却室で冷却のために待機させるウェーハを一時的に支持する支持部材と、
前記支持部材から冷却済みのウェーハが移送させる際に該ウェーハを持ち上げるウェーハリフタと、
前記支持部材及び前記ウェーハリフタを外部と隔離するためにその側面を取り囲む冷却室壁と、
前記冷却室壁の上部に位置する冷却室蓋と、
前記冷却室蓋の所定の位置に搭載されていて、同一の冷却室内で前記支持部材からの冷却済みのウェーハの移送の際に前記ウェーハリフタによって該ウェーハが持ち上げられた状態で該ウェーハの膜厚を測定する薄膜厚測定センサと、
を備えることを特徴とする薄膜厚測定装置。
【請求項2】 前記薄膜厚測定センサは、前記ウェーハと非接触に膜厚を測定することを特徴とする請求項1に記載の薄膜厚測定装置。
【請求項3】 前記薄膜形成装備は、単一型金属蒸着装置であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜厚測定装置。
【請求項4】 前記薄膜厚測定センサにより測定した膜厚に基づいて前記薄膜形成装置における前記薄膜形成プログラムのパラメータを調整する調整手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の薄膜厚測定装置。」
(2)そして、本件補正は、平成18年3月9日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1おける「冷却のために待機させるウェーハを一時的に支持する支持部材」及び「前記支持部材からの冷却済みのウェーハの移送の際に前記ウェーハリフタによって該ウェーハが持ち上げられた状態で該ウェーハの膜厚を測定する薄膜厚測定センサ」を「冷却室で冷却のために待機させるウェーハを一時的に支持する支持部材」及び「同一の冷却室内で前記支持部材からの冷却済みのウェーハの移送の際に前記ウェーハリフタによって該ウェーハが持ち上げられた状態で該ウェーハの膜厚を測定する薄膜厚測定センサ」とするいわゆる限定的減縮を目的とする補正事項を内容としており、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号に掲げる事項を目的とするものであるから、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項に規定する補正の要件を満たしているといえる。
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものかについて検討する。
(i)原査定の拒絶の理由において引用文献2として引用された特開平03-267372号公報(以下、「引用文献」という。)には次の事項が記載されている。
(ア)「本発明は連続成膜方法にかかり、さらに詳しくはLSIや薄膜ヘッド等の機能性薄膜を作成するにあたり、その薄膜の膜厚又は膜厚及び組成のバラツキを抑えることにより、後工程のエツチングバラツキや特性バラツキを低減するのに好敵な連続成膜方法に関する。」(第1頁右下欄第第16行?第2頁左上欄第1行)
(イ)「本発明の第2の連続成膜方法は、基板又は基板を保持した基板トレーを入れる仕込室と、基板上に薄膜を作成する成膜室と、基板又は基板トレーを取り出すための搬出室と、上記仕込室と成膜室と搬出室間において、基板又は基板トレーを搬送する搬送装置とを備え、順次仕込室に基板又は基板トレーを入れて、連続して成膜し、成膜された基板を順次搬出室から取り出す連続成膜方法において、成膜室から搬出室へ移送するステップにおいて、基板上に作成された膜の特性を測定し、測定結果に基づいて成膜室の成膜条件を変更することを特徴としている。
・・・
上記第2の発明によれば、測定結果に基づいて、次の成膜条件(成膜時間、基板温度、投入電力、バイアス電圧、ガス圧力等)を変更するため、所望の特性(膜厚、組成、その他電気伝導度等の諸特性)を有する薄膜を連続して得ることが可能になる。」(第2頁左下欄第3行?同右下欄第11行)
(ウ)「測定結果が所望の範囲外であれば、信号NGを出力するとともに、測定された異常値や成膜の成変条件を成膜制御部マイクロコンピュータ3に出力する。」(第3頁左上欄第7?10行)
(エ)「第2図に示す成膜装置は、成膜されるべき基板21もしくは該基板21を少なくとも1枚以上保持している基板トレー22をい入れる仕込室11と、真空バルブで該仕込室と分離された予備排気・加熱室12と、該基板に成膜を行う成膜室13と、成膜された基板を冷却する冷却室を兼ねた測定室14と、各処理を終えた基板又は基板を保持している基板トレーを取り出す搬出室15からなる成膜装置であり、」(第3頁右上欄第1?9行)
(オ)「測定室14における測定の結果、膜厚が予定より薄かった場合、成膜室13にもどされて追加成膜される。
第3図は第2図に示す成膜装置における成膜室13と測定室14の概略を示す図である。基板トレー22は搬送用ローラ32により移送され、各室は真空バルブ24によって隔てられている。本実施例の場合、非破壊の測定位置であるX線源26や受光・カウンタ一部27を真空槽30の外に出しているが、中に入れてもよいことは言うまでもない。」(第3頁右上欄第18行?同左下欄第7行)
また、当審決において周知例として提示する本願出願前日本国内において頒布された刊行物である特開平5-29443号公報(以下、「周知例」という。)には次の事項が記載されている。
(カ)「本発明による一実施例のウエーハ冷却装置は図1に示すように、クーリングプレート1の表面に一定の間隔を設けてウエーハ11を保持するホルダー10が設けられており、このクーリングプレート1の周囲にチャンバ3を密着させて密閉された空間を形成している。」(段落【0011】)
(キ)「チャンバ3にはこの空間内の圧力を検知する圧力センサ4と、この空間内の空気を排気する配管に設けた真空用バルブ5と、絞り弁7を介してこのチャンバ3に接続されている窒素配管に設けた窒素用バルブ6とを設けている。
この圧力センサ4の検知した圧力により作動して真空用バルブ5と窒素用バルブ6の開閉を制御するコントローラ9が設けられている。このウエーハ冷却装置を用いてウエーハを冷却するには、ウエーハ11をクーリングプレート1の表面に一定の間隔を設けてホルダー10に載置し、真空用バルブ5を開いてこの空間内の空気を排気し、この空間の圧力が規定の圧力に到達したことが圧力センサ4により検知された場合には、コントローラ9が作動して窒素用バルブ6を開くと、この窒素配管に供給されている窒素が絞り弁7により断熱膨張されてこの空間の温度が急速に低下し、ウエーハ11が図3の本発明の冷却曲線に沿って急速に冷却される。
ウエーハ11の温度が冷却設定温度近くまで冷却されたことを温度センサ8が検知すると、コントローラ9が作動してホルダー10が下降しウエーハ11がクーリングプレート1の表面に載置され、ウエーハ11の温度を冷却設定温度に維持することが可能となる。」(段落【0013】?【0015】)
(ii)対比・判断
引用文献の記載事項(ア)には「LSI・・・の機能性薄膜を作成する」ことが記載され、記載事項(エ)には「成膜されるべき基板・・・に成膜を行う成膜室13と、成膜された基板を冷却する冷却室を兼ねた測定室14と、・・・からなる成膜装置」が記載され、記載事項(オ)には「測定室における測定」が「膜厚」についてのものであることが記載され、記載事項(イ)には、膜の特性として測定するものは膜厚が含まれる旨の記載があり、「測定結果に基づいて成膜室の成膜条件を変更すること」が記載され、記載事項(ウ)には「測定結果が所望の範囲外であれば、信号NGを出力するとともに、測定された異常値や成膜の成変条件を成膜制御部マイクロコンピュータ3に出力する」ことが記載され、記載事項(イ)には「基板又は基板トレーを搬送する搬送装置とを備え」ることが記載されている。そして、記載事項(オ)には「搬送用ローラ32により移送され」ること及び「X線源26や受光・カウンタ一部27を真空槽30の外に出しているが、中に入れてもよい」ことが記載されている。
これらを本願補正発明の記載ぶりに則って整理すると「成膜されるべき基板に成膜を行う成膜室と、搬送用ローラからなる搬送装置を有するLSIの機能性薄膜を作成するための成膜装置を構成する、真空槽の外に出しているが、中に入れてもよいX線源や受光・カウンタ一部による膜厚測定結果に基づいて成膜室の成膜条件を成膜制御部マイクロコンピュータに出力して変更する、成膜された基板を冷却する冷却室を兼ねた測定室」の発明(以下、「引用発明」という。)が引用文献には記載されていると認められる。
そこで、引用発明の「LSI」が「大規模集積回路」のことであって、本願補正発明の「半導体素子」と同義であって、引用発明の「成膜されるべき基板」が本願補正発明の「ウェーハ」に相当することが明らかであることを踏まえて本願補正発明と引用発明を対比すると、引用発明の「膜厚測定結果に基づいて成膜室の成膜条件を成膜制御部マイクロコンピュータに出力して変更する」「測定室」が、本願補正発明の「半導体素子の薄膜形成プログラムを補正するための薄膜厚測定装置」に相当するということができ、また、引用発明が「ローラ」以外に基板の支持装置を有するものでなく、成膜後の冷却前の待機状態を含む期間中、引用発明の「ローラ」により基板は支持されていることは明らかであるから「搬送用ローラからなる搬送装置」は、本願補正発明の「薄膜形成装置における処理の終了後に、冷却室で冷却のために待機させるウェーハを一時的に支持する支持部材」に相当するということができる。さらに、引用発明の「冷却室を兼ねた測定室」が「壁」と「蓋」を有することは冷却と測定の機能からみて当然のことであり、該「壁」が搬送用ローラも含めて外部と隔離する機能を有することも自然であり、冷却室が測定室も兼ねる以上、各種センサの接続が必須となり、そのための「蓋」が上部に位置することも測定室として当然の事項にすぎない(要すれば、周知例記載事項(キ)チャンバ参照。)。そうすると、引用発明の「冷却室を兼ねた測定室」が本願補正発明の「支持部材を外部と隔離するためにその側面を取り囲む冷却室壁」及び「冷却室壁の上部に位置する冷却室蓋」を備えることは明らかである。そして、引用発明の「X線源や受光・カウンタ一部」は本願補正発明の「ウェーハの膜厚を測定する薄膜厚測定センサ」に相当するということができる。
してみれば、本願補正発明と引用発明とは、
「半導体素子の薄膜形成プログラムを補正するための薄膜厚測定装置において、
薄膜形成装置における処理の終了後に、冷却室で冷却のために待機させるウェーハを一時的に支持する支持部材と、
前記支持部材を外部と隔離するためにその側面を取り囲む冷却室壁と、
前記冷却室壁の上部に位置する冷却室蓋と、
該ウェーハの膜厚を測定する薄膜厚測定センサと、
を備えることを特徴とする薄膜厚測定装置。」である点で一致し、以下の点で相違する。
a 本願補正発明では、「支持部材から冷却済みのウェーハが移送させる際に該ウェーハを持ち上げるウェーハリフタ」を備えるのに対して、引用発明ではこの特定事項については記載のない点(以下、「相違点(a)」という。)。
b 本願補正発明では、薄膜厚測定センサが「前記冷却室蓋の所定の位置に搭載されていて、同一の冷却室内で前記支持部材からの冷却済みのウェーハの移送の際に前記ウェーハリフタによって該ウェーハが持ち上げられた状態で」ウェーハの膜厚を測定するのに対して、引用発明では測定時の基板の位置については記載のない点(以下、「相違点(b)」という。)。
そこで、上記相違点(a)について検討する。
原査定の拒絶の理由において引用文献1として引用された特開平05-259259号公報の図2において前処理室4Aには加熱装置20上に棒状の部材を介してウェハが支持され、保持ヘッド22Aが移送を行っていることからみても、ウェハ移送の際にウェハを持ち上げる点は、当該技術分野の周知手段にすぎず、冷却済みのウェーハの移送の際にその採用を妨げる特段の事情を見いだすことはできず、また、その採用によって顕著な効果が得られたものとすることはできない。
したがって、上記相違点(a)は、単なる周知手段の採用であって、当業者であれば適宜なし得ることである。
次に、相違点(b)について検討する。
上記周知例の記載事項(カ)には、「ウエーハ冷却装置は図1に示すように、クーリングプレート1の表面に一定の間隔を設けてウエーハ11を保持するホルダー10が設けられており、このクーリングプレート1の周囲にチャンバ3を密着させて密閉された空間を形成している。」ことが記載されている。そして、上記記載における「クーリングプレート」は、本願補正発明における「冷却室で冷却のために待機させるウェーハを一時的に支持する支持部材」の機能を有すると認められ、同記載事項(キ)に「ウエーハ11をクーリングプレート1の表面に一定の間隔を設けてホルダー10に載置し・・・ウエーハ11の温度が冷却設定温度近くまで冷却されたことを温度センサ8が検知すると、コントローラ9が作動してホルダー10が下降しウエーハ11がクーリングプレート1の表面に載置され」るから、該「ホルダー」は、上昇により「クーリングプレート」との間隔保持、センサの検知及び移送を目的としているから、本願補正発明の「ウェーハリフタ」に相当することは明らかで、当該技術分野の周知の支持部材とし用いられてきたものということができる(必要であれば、特開平7-121247号公報、ウェハ押上ピン10参照。)。そして、前記のように下降前にセンサが検知することが記載されているから、「ウェーハが持ち上げられた状態で」センサが検知即ち、測定することも普通に採用されることにすぎないものであり、この測定態様により顕著な作用効果が得られたものとすることができない。
したがって、上記相違点(b)は、単なる測定態様の限定であって、当業者であれば適宜なし得ることである。
そして、本願明細書の記載を検討しても、当業者が予測しうる以上の格別顕著な効果が奏されたものとは認められない。
したがって、本願補正発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
(iii)まとめ
以上のとおりであるから、本願補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。そうすると、平成18年8月8日付けで提出された手続補正書によりなされた補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反してなされたものである。
(3)むすび
したがって、平成18年8月8日付けで提出された手続補正書によりなされた補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
平成18年8月8日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成18年3月9日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである。

4.引用文献
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献(特開平03-267372号公報)及びその記載事項は、「前記2.(2)(i)」に記載したとおりである。

5.対比・判断
本願発明は、上記「2.(2)(ii)」で検討した本願補正発明からみると、「冷却室で冷却のために待機させるウェーハを一時的に支持する支持部材」の「冷却室で」及び「同一の冷却室内で前記支持部材からの冷却済みのウェーハの移送の際に前記ウェーハリフタによって該ウェーハが持ち上げられた状態で該ウェーハの膜厚を測定する薄膜厚測定センサ」の「同一の冷却室内で」という限定事項を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の限定を付加したものである本願補正発明が上記「2.(2)(ii)」で述べたとおり、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

6.むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用文献に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-04-30 
結審通知日 2009-05-07 
審決日 2009-05-19 
出願番号 特願平8-264407
審決分類 P 1 8・ 121- Z (C23C)
P 1 8・ 575- Z (C23C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 真々田 忠博  
特許庁審判長 松本 貢
特許庁審判官 木村 孔一
天野 斉
発明の名称 薄膜厚測定装置  
代理人 村山 靖彦  
代理人 志賀 正武  
代理人 渡邊 隆  
代理人 実広 信哉  

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