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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N |
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管理番号 | 1215920 |
審判番号 | 不服2008-12295 |
総通号数 | 126 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2010-06-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-05-15 |
確定日 | 2010-05-06 |
事件の表示 | 特願2001-94614「背景画像設定方法および装置並びにプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成14年10月11日出願公開、特開2002-300363〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願発明 本願は、平成13年3月29日の出願であって、平成20年6月16日付けの手続補正書により補正された明細書および図面の記載からみて、本願の請求項に係る発明は、請求項1?13にそれぞれ記載されたとおりのものと認められるところ、その請求項3に係る発明(以下、「本願発明」という)は、次のとおりのものである。 「【請求項3】画像データにより表される画像をレイアウトするための背景画像を設定する背景画像設定方法であって、 前記画像データを取得した季節を表す情報に基づいて前記背景画像を設定することを特徴とする背景画像設定方法。」 2 刊行物 これに対して、原審拒絶理由で引用された、本願の出願日前である平成10年11月4日に頒布された「特開平10-293856号公報」(以下、「刊行物」という)は、「画像編集装置及び方法」に関するものであって、その公報には次の事項が記載されている。 (1)「本発明は係る課題に鑑みなされたもので、画像入力手段から入力される複数の画像を複数頁にわたってレイアウトする場合に、各々の頁に対してバランス良く適切に画像を割りあてる画像編集装置を提供することを目的とする。」(3頁段落【0008】) (2)「ステップS104において、各画像のレイアウトサイズを決定する。ここではステップS102において検出された付随情報のうち、解像度に関する情報等に基づいてレイアウトサイズを決定する。 ステップS105において、各画像の属性にしたがって各頁にレイアウトすべき画像を決定する。(中略)ここで、属性として前述の付随情報、例えば撮影日時情報等により日付の変化点等、区切りがよいところで改頁される様に決定する。また、撮影日時情報がない場合、前述のキャプション情報によりイベントの区切りを判断してこれを用いてもよいし、露出情報やフラッシュ有無情報により、この画像が例えば室内又は屋外のいずれで撮影されたかを判断して改頁位置を決定してもよい。」(4頁段落【0023】?【0024】、図2) (3)「次にステップS106において、各頁毎にレイアウトテンプレート等を操作者に指示させることによりレイアウトパターンが決定される。即ち、予め記憶装置6内に複数パターン用意されているテンプレートの中から、ステップS104で決定された各画像のレイアウトサイズ、及びステップS105で決定された当該シート内にレイアウトする画像の枚数に対応するテンプレートが決定される。またそのテンプレート中に含まれる背景画像は、例えば、撮影日時情報に応じて、季節感のある背景画像が自動設定される。」(4頁段落【0026】) (4)してみると刊行物には以下の発明(以下、「刊行物発明」という)が記載されている。 「各画像のレイアウトサイズを決定し、各画像の属性にしたがって各頁にレイアウトすべき画像を決定し、各頁毎にレイアウトテンプレート等を操作者に指示させることによりレイアウトパターンを決定し、背景画像を、撮影日時情報に応じて季節感のある背景画像を自動設定する画像編集方法。」 3 本願発明と刊行物発明との対比 (1)刊行物発明は、各画像のレイアウトサイズを決定し、各画像の属性にしたがって各頁にレイアウトすべき画像を決定し、各頁毎にレイアウトテンプレート等を操作者に指示させることによりレイアウトパターンを決定し、背景画像を自動設定する方法であるから、刊行物発明と本願発明とは、「画像データにより表される画像をレイアウトするための背景画像を設定する背景画像設定方法」である点で一致している。 また刊行物発明は、撮影日時情報(本願発明の「取得した情報」に相当)に応じて季節感のある背景画像を自動設定するのであるから、刊行物発明と本願発明とは、「画像データを取得した際の情報に基づいて背景画像を設定する」点で一致している。 (2)したがって、両者は「画像データにより表される画像をレイアウトするための背景画像を設定する背景画像設定方法であって、 前記画像データを取得した際の情報に基づいて前記背景画像を設定する背景画像設定方法」である点で一致し、次の点で相違しているものと認められる。 (相違点) 本願発明は、季節を表す情報に基づいて背景画像を設定するのに対して、刊行物発明は、撮影日時情報に基づいて季節感のある背景画像を設定する点。 4 相違点についての検討 刊行物発明は撮影日時情報に基づいて背景画像を設定しているものではあるが、設定される背景画像は撮影日時情報に基づいた季節感のある背景画像である。また、日時と季節とが対応関係にあることは自明である。 それゆえ、刊行物発明において、撮影日時情報に代えて、直接に季節を表す情報に基づいて背景画像を設定するようにすることも、当業者が容易になし得たことである。 また、上記相違点に基づく本願発明の効果に格別顕著なものがあるともいえない。 5 むすび したがって、本願発明は、刊行物発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2010-03-03 |
結審通知日 | 2010-03-09 |
審決日 | 2010-03-23 |
出願番号 | 特願2001-94614(P2001-94614) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H04N)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 白石 圭吾 |
特許庁審判長 |
吉村 博之 |
特許庁審判官 |
廣川 浩 加藤 恵一 |
発明の名称 | 背景画像設定方法および装置並びにプログラム |
代理人 | 柳田 征史 |
代理人 | 佐久間 剛 |