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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 H04N |
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管理番号 | 1224144 |
審判番号 | 不服2007-28698 |
総通号数 | 131 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2010-11-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2007-10-22 |
確定日 | 2010-09-24 |
事件の表示 | 特願2002-361277「情報処理装置および情報処理方法、記録媒体、並びにプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 7月 8日出願公開、特開2004-194108〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 経緯 1 手続 本願は、平成14年12月12日の出願であり、平成19年3月19日付けで手続補正がなされたが、平成19年9月18日付けで拒絶査定された。 本件は、本願についてなされた上記拒絶査定を不服として平成19年10月22日付けで請求された拒絶査定不服審判であって、平成19年11月21日付けで手続補正がなされたものである。 2 査定 原査定の拒絶の理由は概略、以下のとおりである。 理 由 この出願の請求項1ないし36に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献1:特開2001-160955号公報 引用文献2:国際公開第01/069921号パンフレット 引用文献3:特開2001-282285号公報 引用文献4:特開平09-288683号公報 第2 補正却下の決定 平成19年11月21日付けの手続補正について、以下のとおり決定する。 [補正却下の決定の結論] 平成19年11月21日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1 本件補正前の特許請求の範囲 拒絶査定の対象となった平成19年3月19日付け手続補正書の特許請求の範囲は以下のとおりである。 「【請求項1】 ユーザの嗜好と合致したコンテンツを選択する処理を実行する情報処理装置において、 前記コンテンツの属性情報を取得する属性情報取得手段と、 前記ユーザの操作履歴を取得する操作履歴取得手段と、 前記操作履歴取得手段により取得された前記操作履歴を基に、前記ユーザの嗜好の正の要因を示す第1の嗜好情報と、前記ユーザの嗜好の負の要因を示す第2の嗜好情報を生成する嗜好情報生成手段と、 前記第1の嗜好情報と前記属性情報との第1の類似度、および、前記第2の嗜好情報と前記属性情報との第2の類似度をそれぞれ独立に算出し、前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを決定するために用いられる値を、前記コンテンツに対して算出し、この値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す推薦情報を生成する推薦情報生成手段と を備えることを特徴とする情報処理装置。 【請求項2】 前記嗜好情報生成手段により生成された前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報、並びに、前記属性情報取得手段により取得された前記属性情報は、それぞれ、複数の項目で構成され、 前記嗜好情報生成手段は、前記操作履歴取得手段により取得された前記操作履歴の前記項目のいずれかに着目して、着目した前記項目の要素別に、前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報を生成し、 前記推薦情報生成手段は、前記属性情報の前記要素に対応した前記第1の嗜好情報と前記第2の嗜好情報とを抽出して、前記第1の嗜好情報と前記属性情報との前記第1の類似度、および、前記第2の嗜好情報と前記属性情報との前記第2の類似度を算出する ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項3】 前記推薦情報生成手段は、前記第1の嗜好情報と前記属性情報との前記第1の類似度、および、前記第2の嗜好情報と前記属性情報との前記第2の類似度の独立した算出結果を基に、いずれとも類似度が低い前記コンテンツを示す推薦情報を生成する ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項4】 前記嗜好情報生成手段により生成された前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報、並びに、前記属性情報取得手段により取得された前記属性情報は、所定の項目ごとにベクトル化されている ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項5】 前記コンテンツの属性情報、並びに、前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報のうちの少なくとも一部を、前記項目ごとに正規化する正規化処理手段を更に備え、 前記推薦情報生成手段は、少なくとも一部が前記正規化処理手段により正規化された前記コンテンツの属性情報と前記第1の嗜好情報との前記第1の類似度、および、少なくとも一部が前記正規化処理手段により正規化された前記コンテンツの属性情報と前記第2の嗜好情報との前記第2の類似度を、それぞれ独立に算出し、前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて、前記推薦情報を生成する ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。 【請求項6】 前記推薦情報生成手段は、前記嗜好情報生成手段により生成された前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報と、前記属性情報取得手段により取得された前記属性情報との内積演算を基に、前記推薦情報を生成する ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。 【請求項7】 前記所定の項目は、大項目と、前記大項目を更に詳細に分類する小項目で構成され、 前記推薦情報生成手段は、前記嗜好情報生成手段により生成された前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報と、前記属性情報取得手段により取得された前記属性情報とを、前記大項目ごとにそれぞれ内積演算し、それらの内積演算結果の総和を基に、前記推薦情報を生成する ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。 【請求項8】 前記操作履歴取得手段は、取得した前記操作履歴を、前記ユーザが好むコンテンツを示す第1の操作履歴と、前記ユーザが好まないコンテンツを示す第2の操作履歴とに分類し、 前記嗜好情報生成手段は、前記第1の操作履歴を基に、前記第1の嗜好情報を生成し、前記第2の操作履歴を基に、前記第2の嗜好情報を生成する ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項9】 前記推薦情報生成手段は、前記嗜好情報生成手段により生成された前記第1の嗜好情報と、前記属性情報取得手段により取得された前記属性情報との前記第1の類似度から、前記嗜好情報生成手段により生成された前記第2の嗜好情報と、前記属性情報取得手段により取得された前記属性情報との前記第2の類似度を減算した値を基に、前記推薦情報を生成する ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。 【請求項10】 前記推薦情報生成手段により生成された前記推薦情報を表示する表示手段 を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項11】 前記コンテンツを受信する受信手段と、 前記推薦情報生成手段により生成された前記推薦情報に基づいて、前記受信手段により受信される前記コンテンツの選択を制御する選択制御手段と を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項12】 前記選択制御手段により受信が選択された前記コンテンツを記録する記録手段 を更に備えることを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。 【請求項13】 前記嗜好情報生成手段は、前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて算出される値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを選択し、選択されたコンテンツを示す推薦情報を生成する ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項14】 前記嗜好情報生成手段は、前記第1の類似度から前記第2の類似度を減算して得られる値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを選択する ことを特徴とする請求項13に記載の情報処理装置。 【請求項15】 ユーザの嗜好と合致したコンテンツを選択する処理を実行する情報処理装置の情報処理方法において、 前記コンテンツの属性情報を取得する属性情報取得ステップと、 前記ユーザの操作履歴を取得する操作履歴取得ステップと、 前記操作履歴取得ステップの処理により取得された前記操作履歴を基に、前記ユーザの嗜好の正の要因を示す前記第1の嗜好情報と、前記ユーザの嗜好の負の要因を示す第2の嗜好情報を生成する嗜好情報生成ステップと、 前記第1の嗜好情報と前記属性情報との第1の類似度、および、前記第2の嗜好情報と前記属性情報との第2の類似度をそれぞれ算出し、前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを決定するために用いられる値を、前記コンテンツに対して算出し、この値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す推薦情報を生成する推薦情報生成ステップと を含むことを特徴とする情報処理方法。 【請求項16】 前記嗜好情報生成ステップの処理により生成された前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報、並びに、前記属性情報取得ステップの処理により取得された前記属性情報は、それぞれ、複数の項目で構成され、 前記嗜好情報生成ステップの処理では、前記操作履歴取得ステップの処理により取得された前記操作履歴の前記項目のいずれかに着目して、着目した前記項目の要素別に、前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報を生成し、 前記推薦情報生成ステップの処理では、前記属性情報の前記要素に対応した前記第1の嗜好情報と前記第2の嗜好情報とを抽出して、前記第1の嗜好情報と前記属性情報との前記第1の類似度、および、前記第2の嗜好情報と前記属性情報との前記第2の類似度を算出する ことを特徴とする請求項15に記載の情報処理方法。 【請求項17】 前記推薦情報生成ステップの処理では、前記第1の嗜好情報と前記属性情報との前記第1の類似度、および、前記第2の嗜好情報と前記属性情報との前記第2の類似度の独立した算出結果を基に、いずれとも類似度が低い前記コンテンツを示す推薦情報を生成する ことを特徴とする請求項15に記載の情報処理方法。 【請求項18】 前記嗜好情報生成ステップの処理により生成された前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報、並びに、前記属性情報取得ステップの処理により取得された前記属性情報は、所定の項目ごとにベクトル化されている ことを特徴とする請求項15に記載の情報処理方法。 【請求項19】 前記コンテンツの属性情報、並びに、前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報のうちの少なくとも一部を、前記項目ごとに正規化する正規化処理ステップを更に備え、 前記推薦情報生成ステップの処理では、少なくとも一部が前記正規化処理ステップの処理により正規化された前記コンテンツの属性情報と前記第1の嗜好情報との前記第1の類似度、および、少なくとも一部が前記正規化処理手段により正規化された前記コンテンツの属性情報と前記第2の嗜好情報との前記第2の類似度を、それぞれ独立に算出し、前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて、前記推薦情報を生成する ことを特徴とする請求項18に記載の情報処理方法。 【請求項20】 前記推薦情報生成ステップの処理では、前記嗜好情報生成ステップの処理により生成された前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報と、前記属性情報取得ステップの処理により取得された前記属性情報との内積演算を基に、前記推薦情報を生成する ことを特徴とする請求項18に記載の情報処理方法。 【請求項21】 前記所定の項目は、大項目と、前記大項目を更に詳細に分類する小項目で構成され、 前記推薦情報生成ステップの処理では、前記嗜好情報生成ステップの処理により生成された前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報と、前記属性情報取得ステップの処理により取得された前記属性情報とを、前記大項目ごとにそれぞれ内積演算し、それらの内積演算結果の総和を基に、前記推薦情報を生成する ことを特徴とする請求項18に記載の情報処理方法。 【請求項22】 前記操作履歴取得ステップの処理では、取得した前記操作履歴を、前記ユーザが好むコンテンツを示す第1の操作履歴と、前記ユーザが好まないコンテンツを示す第2の操作履歴とに分類し、 前記嗜好情報生成ステップの処理では、前記第1の操作履歴を基に、前記第1の嗜好情報を生成し、前記第2の操作履歴を基に、前記第2の嗜好情報を生成する ことを特徴とする請求項15に記載の情報処理方法。 【請求項23】 前記推薦情報生成ステップの処理では、前記嗜好情報生成ステップの処理により生成された前記第1の嗜好情報と、前記属性情報取得ステップの処理により取得された前記属性情報との前記第1の類似度から、前記嗜好情報生成ステップの処理により生成された前記第2の嗜好情報と、前記属性情報取得ステップの処理により取得された前記属性情報との前記第2の類似度を減算した値を基に、前記推薦情報を生成する ことを特徴とする請求項22に記載の情報処理方法。 【請求項24】 前記推薦情報生成ステップの処理により生成された前記推薦情報の表示を制御する表示制御ステップ を更に含むことを特徴とする請求項15に記載の情報処理方法。 【請求項25】 前記コンテンツを受信する受信ステップと、 前記推薦情報生成ステップの処理により生成された前記推薦情報に基づいて、前記受信ステップの処理により受信される前記コンテンツの選択を制御する選択制御ステップと を更に含むことを特徴とする請求項15に記載の情報処理方法。 【請求項26】 前記選択制御ステップの処理により受信が選択された前記コンテンツの記録を制御する記録制御ステップ を更に含むことを特徴とする請求項25に記載の情報処理方法。 【請求項27】 前記嗜好情報生成ステップの処理では、前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて算出される値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを選択し、選択されたコンテンツを示す推薦情報を生成する ことを特徴とする請求項15に記載の情報処理方法。 【請求項28】 前記嗜好情報生成ステップの処理では、前記第1の類似度から前記第2の類似度を減算して得られる値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを選択する ことを特徴とする請求項27に記載の情報処理方法。 【請求項29】 ユーザの嗜好と合致したコンテンツを選択する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、 前記コンテンツの属性情報を取得する属性情報取得ステップと、 前記ユーザの操作履歴を取得する操作履歴取得ステップと、 前記操作履歴取得ステップの処理により取得された前記操作履歴を基に、前記ユーザの嗜好の正の要因を示す前記第1の嗜好情報と、前記ユーザの嗜好の負の要因を示す第2の嗜好情報を生成する嗜好情報生成ステップと、 前記第1の嗜好情報と前記属性情報との第1の類似度、および、前記第2の嗜好情報と前記属性情報との第2の類似度をそれぞれ算出し、前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを決定するために用いられる値を、前記コンテンツに対して算出し、この値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す推薦情報を生成する推薦情報生成ステップと を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。 【請求項30】 ユーザの嗜好と合致したコンテンツを選択する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、 前記コンテンツの属性情報を取得する属性情報取得ステップと、 前記ユーザの操作履歴を取得する操作履歴取得ステップと、 前記操作履歴取得ステップの処理により取得された前記操作履歴を基に、前記ユーザの嗜好の正の要因を示す前記第1の嗜好情報と、前記ユーザの嗜好の負の要因を示す第2の嗜好情報を生成する嗜好情報生成ステップと、 前記第1の嗜好情報と前記属性情報との第1の類似度、および、前記第2の嗜好情報と前記属性情報との第2の類似度をそれぞれ算出し、前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを決定するために用いられる値を、前記コンテンツに対して算出し、この値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す推薦情報を生成する推薦情報生成ステップと を含むことを特徴とするプログラム。 【請求項31】 コンテンツを選択する処理を実行する情報処理装置において、 前記コンテンツの属性情報を取得する属性情報取得手段と、 前記ユーザの操作履歴を取得する操作履歴取得手段と、 前記操作履歴取得手段により取得された前記操作履歴を基に、前記ユーザの正の要因を示す第1の履歴情報と、前記ユーザの負の要因を示す第2の履歴情報を生成する履歴情報生成手段と、 前記第1の履歴情報と前記属性情報との第1の類似度、および、前記第2の履歴情報と前記属性情報との第2の類似度をそれぞれ独立に算出し、前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを決定するために用いられる値を、前記コンテンツに対して算出し、この値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す情報を生成する情報生成手段と を備えることを特徴とする情報処理装置。 【請求項32】 コンテンツを選択する処理を実行する情報処理装置の情報処理方法において、 前記コンテンツの属性情報を取得する属性情報取得ステップと、 前記ユーザの操作履歴を取得する操作履歴取得ステップと、 前記操作履歴取得ステップの処理により取得された前記操作履歴を基に、前記ユーザの正の要因を示す第1の履歴情報と、前記ユーザの負の要因を示す第2の履歴情報を生成する履歴情報生成ステップと、 前記第1の履歴情報と前記属性情報との第1の類似度、および、前記第2の履歴情報と前記属性情報との第2の類似度をそれぞれ独立に算出し、前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを決定するために用いられる値を、前記コンテンツに対して算出し、この値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す情報を生成する情報生成ステップと を含むことを特徴とする情報処理方法。 【請求項33】 コンテンツを選択する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、 前記コンテンツの属性情報を取得する属性情報取得ステップと、 前記ユーザの操作履歴を取得する操作履歴取得ステップと、 前記操作履歴取得ステップの処理により取得された前記操作履歴を基に、前記ユーザの正の要因を示す第1の履歴情報と、前記ユーザの負の要因を示す第2の履歴情報を生成する履歴情報生成ステップと、 前記第1の履歴情報と前記属性情報との第1の類似度、および、前記第2の履歴情報と前記属性情報との第2の類似度をそれぞれ独立に算出し、前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを決定するために用いられる値を、前記コンテンツに対して算出し、この値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す情報を生成する情報生成ステップと を含むことを特徴とするプログラム。 【請求項34】 ユーザの嗜好と合致したコンテンツを選択する処理を実行する情報処理装置において、 前記コンテンツの属性情報を取得する属性情報取得手段と、 前記ユーザに対応する情報を基に、前記ユーザの嗜好の正の要因を示す第1の嗜好情報と、前記ユーザの嗜好の負の要因を示す第2の嗜好情報を生成する嗜好情報生成手段と、 前記第1の嗜好情報と前記属性情報との第1の類似度、および、前記第2の嗜好情報と前記属性情報との第2の類似度をそれぞれ独立に算出し、前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを決定するために用いられる値を、前記コンテンツに対して算出し、この値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す推薦情報を生成する推薦情報生成手段と を備えることを特徴とする情報処理装置。 【請求項35】 ユーザの嗜好と合致したコンテンツを選択する処理を実行する情報処理装置の情報処理方法において、 前記コンテンツの属性情報を取得する属性情報取得ステップと、 前記ユーザに対応する情報を基に、前記ユーザの嗜好の正の要因を示す第1の嗜好情報と、前記ユーザの嗜好の負の要因を示す第2の嗜好情報を生成する嗜好情報生成ステップと、 前記第1の嗜好情報と前記属性情報との第1の類似度、および、前記第2の嗜好情報と前記属性情報との第2の類似度をそれぞれ独立に算出し、前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを決定するために用いられる値を、前記コンテンツに対して算出し、この値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す推薦情報を生成する推薦情報生成ステップと を含むことを特徴とする情報処理方法。 【請求項36】 ユーザの嗜好と合致したコンテンツを選択する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、 前記コンテンツの属性情報を取得する属性情報取得ステップと、 前記ユーザに対応する情報を基に、前記ユーザの嗜好の正の要因を示す第1の嗜好情報と、前記ユーザの嗜好の負の要因を示す第2の嗜好情報を生成する嗜好情報生成ステップと、 前記第1の嗜好情報と前記属性情報との第1の類似度、および、前記第2の嗜好情報と前記属性情報との第2の類似度をそれぞれ独立に算出し、前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを決定するために用いられる値を、前記コンテンツに対して算出し、この値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す推薦情報を生成する推薦情報生成ステップと を含むことを特徴とするプログラム。」 2 本件補正後の特許請求の範囲 これに対し、平成19年11月21日付け手続補正書(以下、「本件補正」ともいう。)の特許請求の範囲は以下のとおりである。 「【請求項1】 ユーザの嗜好と合致したコンテンツを選択する処理を実行する情報処理装置において、 前記コンテンツの属性情報を取得する属性情報取得手段と、 前記ユーザの操作履歴を取得する操作履歴取得手段と、 前記操作履歴取得手段により取得された前記操作履歴を基に、前記ユーザの嗜好の正の要因を示す第1の嗜好情報と、前記ユーザの嗜好の負の要因を示す第2の嗜好情報を生成する嗜好情報生成手段と、 前記第1の嗜好情報と前記属性情報との第1の類似度、および、前記第2の嗜好情報と前記属性情報との第2の類似度をそれぞれ独立に算出し、前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを決定するために用いられる値を、前記コンテンツに対して算出し、この値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す推薦情報を生成する推薦情報生成手段と、 前記コンテンツの属性情報、並びに、前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報のうちの少なくとも一部を、所定の項目ごとに正規化する正規化処理手段と を備え、 前記嗜好情報生成手段は、前記操作履歴取得手段により新たな操作履歴が取得された場合、前記第1の嗜好情報と前記第2の嗜好情報を新たに生成し、 前記嗜好情報生成手段により生成された前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報、並びに、前記属性情報取得手段により取得された前記属性情報は、前記項目ごとにベクトル化され、 前記推薦情報生成手段は、少なくとも一部が前記正規化処理手段により正規化された前記コンテンツの属性情報と前記第1の嗜好情報との前記第1の類似度、および、少なくとも一部が前記正規化処理手段により正規化された前記コンテンツの属性情報と前記第2の嗜好情報との前記第2の類似度を、それぞれ独立に算出し、前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて、前記推薦情報を生成する ことを特徴とする情報処理装置。 【請求項2】 前記嗜好情報生成手段により生成された前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報、並びに、前記属性情報取得手段により取得された前記属性情報は、それぞれ、複数の項目で構成され、 前記嗜好情報生成手段は、前記操作履歴取得手段により取得された前記操作履歴の前記項目のいずれかに着目して、着目した前記項目の要素別に、前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報を生成し、 前記推薦情報生成手段は、前記属性情報の前記要素に対応した前記第1の嗜好情報と前記第2の嗜好情報とを抽出して、前記第1の嗜好情報と前記属性情報との前記第1の類似度、および、前記第2の嗜好情報と前記属性情報との前記第2の類似度を算出する ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項3】 前記推薦情報生成手段は、前記第1の嗜好情報と前記属性情報との前記第1の類似度、および、前記第2の嗜好情報と前記属性情報との前記第2の類似度の独立した算出結果を基に、いずれとも類似度が低い前記コンテンツを示す推薦情報を生成する ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項4】 前記推薦情報生成手段は、前記嗜好情報生成手段により生成された前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報と、前記属性情報取得手段により取得された前記属性情報との内積演算を基に、前記推薦情報を生成する ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項5】 前記所定の項目は、大項目と、前記大項目を更に詳細に分類する小項目で構成され、 前記推薦情報生成手段は、前記嗜好情報生成手段により生成された前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報と、前記属性情報取得手段により取得された前記属性情報とを、前記大項目ごとにそれぞれ内積演算し、それらの内積演算結果の総和を基に、前記推薦情報を生成する ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項6】 前記操作履歴取得手段は、取得した前記操作履歴を、前記ユーザが好むコンテンツを示す第1の操作履歴と、前記ユーザが好まないコンテンツを示す第2の操作履歴とに分類し、 前記嗜好情報生成手段は、前記第1の操作履歴を基に、前記第1の嗜好情報を生成し、前記第2の操作履歴を基に、前記第2の嗜好情報を生成する ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項7】 前記推薦情報生成手段は、前記嗜好情報生成手段により生成された前記第1の嗜好情報と、前記属性情報取得手段により取得された前記属性情報との前記第1の類似度から、前記嗜好情報生成手段により生成された前記第2の嗜好情報と、前記属性情報取得手段により取得された前記属性情報との前記第2の類似度を減算した値を基に、前記推薦情報を生成する ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。 【請求項8】 前記推薦情報生成手段により生成された前記推薦情報を表示する表示手段 を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項9】 前記コンテンツを受信する受信手段と、 前記推薦情報生成手段により生成された前記推薦情報に基づいて、前記受信手段により受信される前記コンテンツの選択を制御する選択制御手段と を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項10】 前記選択制御手段により受信が選択された前記コンテンツを記録する記録手段 を更に備えることを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。 【請求項11】 前記嗜好情報生成手段は、前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて算出される値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを選択し、選択されたコンテンツを示す推薦情報を生成する ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項12】 前記嗜好情報生成手段は、前記第1の類似度から前記第2の類似度を減算して得られる値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを選択する ことを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。 【請求項13】 ユーザの嗜好と合致したコンテンツを選択する処理を実行する情報処理装置の情報処理方法において、 前記コンテンツの属性情報を取得する属性情報取得ステップと、 前記ユーザの操作履歴を取得する操作履歴取得ステップと、 前記操作履歴取得ステップの処理により取得された前記操作履歴を基に、前記ユーザの嗜好の正の要因を示す前記第1の嗜好情報と、前記ユーザの嗜好の負の要因を示す第2の嗜好情報を生成する嗜好情報生成ステップと、 前記コンテンツの属性情報、並びに、前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報のうちの少なくとも一部を、所定の項目ごとに正規化する正規化処理ステップと、 少なくとも一部が前記正規化処理ステップの処理により正規化された前記コンテンツの属性情報と前記第1の嗜好情報との第1の類似度、および、少なくとも一部が前記正規化処理ステップの処理により正規化された前記コンテンツの属性情報と前記第2の嗜好情報との第2の類似度を、それぞれ独立に算出し、前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを決定するために用いられる値を、前記コンテンツに対して算出し、この値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す推薦情報を生成する推薦情報生成ステップと を含み、 前記嗜好情報生成ステップの処理では、前記操作履歴取得ステップの処理により新たな操作履歴が取得された場合、前記第1の嗜好情報と前記第2の嗜好情報を新たに生成し、 前記嗜好情報生成ステップの処理により生成された前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報、並びに、前記属性情報取得ステップの処理により取得された前記属性情報は、前記項目ごとにベクトル化されている ことを特徴とする情報処理方法。 【請求項14】 前記嗜好情報生成ステップの処理により生成された前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報、並びに、前記属性情報取得ステップの処理により取得された前記属性情報は、それぞれ、複数の項目で構成され、 前記嗜好情報生成ステップの処理では、前記操作履歴取得ステップの処理により取得された前記操作履歴の前記項目のいずれかに着目して、着目した前記項目の要素別に、前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報を生成し、 前記推薦情報生成ステップの処理では、前記属性情報の前記要素に対応した前記第1の嗜好情報と前記第2の嗜好情報とを抽出して、前記第1の嗜好情報と前記属性情報との前記第1の類似度、および、前記第2の嗜好情報と前記属性情報との前記第2の類似度を算出する ことを特徴とする請求項13に記載の情報処理方法。 【請求項15】 前記推薦情報生成ステップの処理では、前記第1の嗜好情報と前記属性情報との前記第1の類似度、および、前記第2の嗜好情報と前記属性情報との前記第2の類似度の独立した算出結果を基に、いずれとも類似度が低い前記コンテンツを示す推薦情報を生成する ことを特徴とする請求項13に記載の情報処理方法。 【請求項16】 前記推薦情報生成ステップの処理では、前記嗜好情報生成ステップの処理により生成された前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報と、前記属性情報取得ステップの処理により取得された前記属性情報との内積演算を基に、前記推薦情報を生成する ことを特徴とする請求項13に記載の情報処理方法。 【請求項17】 前記所定の項目は、大項目と、前記大項目を更に詳細に分類する小項目で構成され、 前記推薦情報生成ステップの処理では、前記嗜好情報生成ステップの処理により生成された前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報と、前記属性情報取得ステップの処理により取得された前記属性情報とを、前記大項目ごとにそれぞれ内積演算し、それらの内積演算結果の総和を基に、前記推薦情報を生成する ことを特徴とする請求項13に記載の情報処理方法。 【請求項18】 前記操作履歴取得ステップの処理では、取得した前記操作履歴を、前記ユーザが好むコンテンツを示す第1の操作履歴と、前記ユーザが好まないコンテンツを示す第2の操作履歴とに分類し、 前記嗜好情報生成ステップの処理では、前記第1の操作履歴を基に、前記第1の嗜好情報を生成し、前記第2の操作履歴を基に、前記第2の嗜好情報を生成する ことを特徴とする請求項13に記載の情報処理方法。 【請求項19】 前記推薦情報生成ステップの処理では、前記嗜好情報生成ステップの処理により生成された前記第1の嗜好情報と、前記属性情報取得ステップの処理により取得された前記属性情報との前記第1の類似度から、前記嗜好情報生成ステップの処理により生成された前記第2の嗜好情報と、前記属性情報取得ステップの処理により取得された前記属性情報との前記第2の類似度を減算した値を基に、前記推薦情報を生成する ことを特徴とする請求項18に記載の情報処理方法。 【請求項20】 前記推薦情報生成ステップの処理により生成された前記推薦情報の表示を制御する表示制御ステップ を更に含むことを特徴とする請求項13に記載の情報処理方法。 【請求項21】 前記コンテンツを受信する受信ステップと、 前記推薦情報生成ステップの処理により生成された前記推薦情報に基づいて、前記受信ステップの処理により受信される前記コンテンツの選択を制御する選択制御ステップと を更に含むことを特徴とする請求項13に記載の情報処理方法。 【請求項22】 前記選択制御ステップの処理により受信が選択された前記コンテンツの記録を制御する記録制御ステップ を更に含むことを特徴とする請求項21に記載の情報処理方法。 【請求項23】 前記嗜好情報生成ステップの処理では、前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて算出される値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを選択し、選択されたコンテンツを示す推薦情報を生成する ことを特徴とする請求項13に記載の情報処理方法。 【請求項24】 前記嗜好情報生成ステップの処理では、前記第1の類似度から前記第2の類似度を減算して得られる値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを選択する ことを特徴とする請求項23に記載の情報処理方法。 【請求項25】 ユーザの嗜好と合致したコンテンツを選択する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、 前記コンテンツの属性情報を取得する属性情報取得ステップと、 前記ユーザの操作履歴を取得する操作履歴取得ステップと、 前記操作履歴取得ステップの処理により取得された前記操作履歴を基に、前記ユーザの嗜好の正の要因を示す前記第1の嗜好情報と、前記ユーザの嗜好の負の要因を示す第2の嗜好情報を生成する嗜好情報生成ステップと、 前記コンテンツの属性情報、並びに、前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報のうちの少なくとも一部を、所定の項目ごとに正規化する正規化処理ステップと、 少なくとも一部が前記正規化処理ステップの処理により正規化された前記コンテンツの属性情報と前記第1の嗜好情報との第1の類似度、および、少なくとも一部が前記正規化処理ステップの処理により正規化された前記コンテンツの属性情報と前記第2の嗜好情報との第2の類似度を、それぞれ独立に算出し、前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを決定するために用いられる値を、前記コンテンツに対して算出し、この値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す推薦情報を生成する推薦情報生成ステップと を含み、 前記嗜好情報生成ステップの処理では、前記操作履歴取得ステップの処理により新たな操作履歴が取得された場合、前記第1の嗜好情報と前記第2の嗜好情報を新たに生成し、 前記嗜好情報生成ステップの処理により生成された前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報、並びに、前記属性情報取得ステップの処理により取得された前記属性情報は、前記項目ごとにベクトル化されている ことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。 【請求項26】 ユーザの嗜好と合致したコンテンツを選択する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、 前記コンテンツの属性情報を取得する属性情報取得ステップと、 前記ユーザの操作履歴を取得する操作履歴取得ステップと、 前記操作履歴取得ステップの処理により取得された前記操作履歴を基に、前記ユーザの嗜好の正の要因を示す前記第1の嗜好情報と、前記ユーザの嗜好の負の要因を示す第2の嗜好情報を生成する嗜好情報生成ステップと、 前記コンテンツの属性情報、並びに、前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報のうちの少なくとも一部を、所定の項目ごとに正規化する正規化処理ステップと、 少なくとも一部が前記正規化処理ステップの処理により正規化された前記コンテンツの属性情報と前記第1の嗜好情報との第1の類似度、および、少なくとも一部が前記正規化処理ステップの処理により正規化された前記コンテンツの属性情報と前記第2の嗜好情報との第2の類似度を、それぞれ独立に算出し、前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを決定するために用いられる値を、前記コンテンツに対して算出し、この値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す推薦情報を生成する推薦情報生成ステップと を含み、 前記嗜好情報生成ステップの処理では、前記操作履歴取得ステップの処理により新たな操作履歴が取得された場合、前記第1の嗜好情報と前記第2の嗜好情報を新たに生成し、 前記嗜好情報生成ステップの処理により生成された前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報、並びに、前記属性情報取得ステップの処理により取得された前記属性情報は、前記項目ごとにベクトル化されている ことを特徴とするプログラム。」 3 補正の目的の適否 まず、本件補正後の請求項1が、本件補正前の何れの請求項を補正したものかについて、検討する。 本件補正後の請求項1は、「情報処理装置」の発明であるところ、本件補正前の請求項1ないし36のうち、本件補正後の請求項1と同じカテゴリーである「装置」の発明は、請求項1ないし14、31、34である。 このうち、本件補正前の請求項1ないし3、6ないし14、31、34は、明らかに本件補正後の請求項1の特定事項である「前記コンテンツの属性情報、並びに、前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報のうちの少なくとも一部を、所定の項目ごとに正規化する正規化処理手段」、「前記嗜好情報生成手段により生成された前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報、並びに、前記属性情報取得手段により取得された前記属性情報は、前記項目ごとにベクトル化され、」を含んでいないことから、本件補正後の請求項1が、本件補正前の請求項1ないし3、6ないし14、31、34の発明を特定するために必要な事項を限定する補正をしたものとはいえない。 また、本件補正後の請求項1は、本件補正前の請求項4、5のうちのいずれかに対応するものと認められるところ、本件補正後の請求項1が、本件補正前の請求項4または請求項5を補正したものとする場合について、補正の目的の適否を検討する。 本件補正後の請求項1が、本件補正前の請求項4を補正したものとする場合、本件補正は、本件補正前の請求項1を削除し、本件補正前の請求項4を繰り上げて本件補正後の請求項1とすることになり、 本件補正後の請求項1が、本件補正前の請求項5を補正したものとする場合、本件補正は、本件補正前の請求項1、4を削除し、本件補正前の請求項5を繰り上げて本件補正後の請求項1とすることになる。 ここで、本件補正後の請求項2、3、6、8、9、11は、その記載から、本件補正前の請求項2、3、8、10、11、13と対応していると認められるものの、本件補正前の請求項2、3、8、10、11、13は、本件補正前の請求項1を引用するものであって、本件補正前の請求項4または請求項5を引用するものではない。 また、本件補正前の請求項2、3、8、10、11、13はそれぞれ、本件補正後の請求項2、3、6、8、9、11の特定事項である「前記コンテンツの属性情報、並びに、前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報のうちの少なくとも一部を、所定の項目ごとに正規化する正規化処理手段」、「前記嗜好情報生成手段により生成された前記第1の嗜好情報および前記第2の嗜好情報、並びに、前記属性情報取得手段により取得された前記属性情報は、前記項目ごとにベクトル化され、」を含んでいないことから、本件補正後の請求項2、3、6、8、9、11が、本件補正前の請求項2、3、8、10、11、13の発明を特定するために必要な事項を限定する補正をしたものとはいえない。 さらに、本件補正前の請求項4または請求項5を引用する請求項に、本件補正後の請求項2、3、6、8、9、11に対応した特定事項を有する請求項は存在しない。 そうすると、本件補正後の請求項2、3、6、8、9、11は、本件補正前の何れかの請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を補正したものとはいえず、これら請求項の補正は、特許法第17条の2第4項第2号で規定される特許請求の範囲の減縮を目的とするものとはいえない。 さらに、上記補正は、特許法第17条の2第4項第1号で規定される請求項の削除、同第4項第3号で規定される誤記の訂正、同第4項第4項で規定される明りょうでない記載の釈明の何れかを目的とするものに該当しないことは明らかである。 以上によると、本件補正は、特許法第17条の2第4項の規定に適合しない。 したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、補正却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明 平成19年11月21日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし36に係る発明は、平成19年3月19日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし36に記載された事項により特定されるとおりであるところ、そのうち請求項1に係る発明(以下、「本願発明」ともいう。)は、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 ユーザの嗜好と合致したコンテンツを選択する処理を実行する情報処理装置において、 前記コンテンツの属性情報を取得する属性情報取得手段と、 前記ユーザの操作履歴を取得する操作履歴取得手段と、 前記操作履歴取得手段により取得された前記操作履歴を基に、前記ユーザの嗜好の正の要因を示す第1の嗜好情報と、前記ユーザの嗜好の負の要因を示す第2の嗜好情報を生成する嗜好情報生成手段と、 前記第1の嗜好情報と前記属性情報との第1の類似度、および、前記第2の嗜好情報と前記属性情報との第2の類似度をそれぞれ独立に算出し、前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを決定するために用いられる値を、前記コンテンツに対して算出し、この値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す推薦情報を生成する推薦情報生成手段と を備えることを特徴とする情報処理装置。」 第4 検討 1 刊行物1の記載 原査定の拒絶の理由で引用され、本願出願日前である平成13年6月12日に頒布された特開2001-160955号公報(以下、「刊行物1」ともいう。)には、「放送システム及び受信装置」(発明の名称)に関して、図面と共に以下の記載がある。 「【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、映画、音楽等のデジタルコンテンツを放送する放送システム及びその受信装置に関するものである。」 「【0004】 【発明が解決しようとする課題】 ところが、このようなデジタル放送システムでは、放送するプログラムの時間帯や内容を放送局側が一方的に選択して放送するため、ユーザが、視聴を希望するプログラムの時間帯や内容を自由に選択をすることができない。 【0005】 そのため、ユーザは、ビデオテープレコーダにより実現されるタイムシフト機能やライブラリー機能等を用いて、希望に合った時間帯や内容のプログラムを視聴する必要がある。しかしながら、ビデオテープレコーダのタイムシフト機能やライブラリ機能を用いたとしても、記録予約の操作を行わなくてはならなく、さらに、放送される全てのプログラムから希望するプログラムの選択をしなければならなく、操作が非常に煩雑であり不便であった。 【0006】 本発明は、このような実情を鑑みてなされたものであり、ユーザの嗜好にあったデジタルコンテンツを視聴する利便性を高めた放送システム及び受信装置を提供することを目的とする。」 「【0010】 また、本発明にかかる受信装置は、放送局から放送された上記デジタルコンテンツ及び属性情報を受信する受信手段と、受信したデジタルコンテンツ及び属性情報を記録する記録媒体と、受信したデジタルコンテンツを出力する出力手段と、ユーザの嗜好を示す選択情報とデジタルコンテンツに付加された属性情報とを比較してデジタルコンテンツを選択する選択手段とを備え、上記属性情報は、デジタルコンテンツの属性を項目毎に分けたときの各項目の属性の強さが要素とされているn次元のベクトルAにより表現され、上記選択情報は、ユーザの嗜好を項目毎に分けたときの各項目の嗜好の強さが要素とされているn次元のベクトルSにより表現され、上記属性情報と上記選択情報との項目の種類及び順序は、属性情報のベクトルAと選択情報のベクトルSとで一致しており、上記選択手段は、放送されたデジタルコンテンツに付加されている属性情報のベクトルAと、選択情報のベクトルSとの内積演算を行い、その内積演算結果に基づき、そのデジタルコンテンツを選択するか否かを判断することを特徴とする。 【0011】 このような受信装置では、属性情報が付加されたデジタルコンテンツを受信し、この属性情報とユーザの嗜好を示した選択情報とに基づき、放送されたデジタルコンテンツのなかからユーザの嗜好に合致したデジタルコンテンツを選択する。そして、この受信装置では、選択されたデジタルコンテンツを記録媒体に記録した後に視聴したり、また、記録されたデジタルコンテンツのなかから嗜好にあったデジタルコンテンツの視聴をする。 【0012】 ここで、上記属性情報は、デジタルコンテンツの属性を項目毎に分けたときの各項目の属性の強さが要素とされているn次元のベクトルAにより表現され、上記選択情報は、ユーザの嗜好を項目毎に分けたときの各項目の嗜好の強さが要素とされているn次元のベクトルSにより表現される。そして、上記属性情報と上記選択情報との項目の種類及び順序は、属性情報のベクトルAと選択情報のベクトルSとで一致するように定義される。このようなベクトルで表された属性情報及び選択情報に基づき、選択手段は、放送されたデジタルコンテンツに付加されている属性情報のベクトルAと、選択情報のベクトルSとの内積演算を行い、その内積演算結果に基づき、そのデジタルコンテンツを選択するか否かを判断する。」 「【0013】 【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態として、本発明を適用したデジタル放送システムについて、図面を参照しながら説明する。 【0014】 以下、本発明の実施の形態のデジタル放送システムを図1を用いて説明する。 【0015】 本発明の実施の形態のデジタル放送システム1は、図1に示すように、放送局2と、受信装置3と、受信装置3に接続されるモニタ4及び外部記憶装置5とを備えたシステム構成となっている。 【0016】 受信装置3は、アンテナ10と、チューナ11と、フィルタ部12と、暗号解読部13と、記録再生部14と、記録再生メディア15と、デコーダ16と、コントローラ17と、ユーザインターフェース部18と、モデム19とを有している。 【0017】 放送局2は、例えば、衛星放送、ケーブルネットワークや地上波放送等を用いてデジタルデータを放送する。放送されるデジタルデータには、映画,音楽,テレビジョン番組,ゲームデータ,コンピュータデータ,コマーシャル等の各種プログラム、放送されるプログラムのタイトル情報と放送チャンネルとが一覧で示される電子プログラムガイド(EPG)とが含まれている。また、各プログラムには、そのプログラムの属性を示す属性情報が付加されている。 【0018】 放送局2は、放送するデジタルデータを例えばMPEG-2方式で圧縮して放送する。また、放送局2は、放送するデジタルデータ及び属性情報を所定の暗号鍵で暗号化して放送を行う。 【0019】 属性情報には、例えば、そのプログラムのジャンル(ニュース、スポーツ等)、出演者、キーワード、指向性、作製者、人気度、課金額等の情報選択及び嗜好判断に必要となる各種の値や情報等からなるプログラム属性が記述される。これらの属性情報には、それぞれの各属性毎に各プログラム独自の値や情報が、放送局2により記述される。 【0020】 受信装置3は、放送局2から放送されたデジタルデータを、例えばアンテナ10により受信し、受信した信号をチューナ11により復調及びエラー訂正処理等をする。復調等をされたデジタルデータは、フィルタ部12に送られる。 【0021】 フィルタ部12には、プログラムと属性情報とからなるデジタルデータがチューナ11又は記録再生部14から供給される。フィルタ部12は、ユーザの嗜好を示す選択情報が設定され、この選択情報と各プログラムに含まれる属性情報とを比較し、供給されたプログラムをフィルタリングして、ユーザの嗜好にあったプログラムのみを出力する。このフィルタ部12は、このフィルタリング処理を行うか或いは行わないかが、コントローラ17からの制御によりON/OFF設定される。フィルタリング処理を行わない場合には、入力されたプログラムを全て出力する。」 「【0030】 このような受信装置3では、受信したプログラムがフィルタ部12により選別され、ユーザの嗜好に合致したプログラムのみが記録再生メディア15に記録され、或いは、リアルタイム時やタイムシフト時においてユーザの嗜好に合致したプログラムのみがデコーダ16を介して出力される。 【0031】 具体的には、受信装置3では、フィルタ部12に選択情報が設定されている。フィルタ部12は、プログラムに付加されている属性情報と、内部に設定されている選択情報とを比較して、選択情報に合致した属性情報のみを選び出し、選び出した属性情報が付加されているプログラムを選択する。このフィルタ部12は、選択動作を行うかどうかが、コントローラ17により設定され、オンに設定されているときはプログラムのフィルタリング動作を行い、オフに設定されているときにはプログラムのフィルタリング動作を行わない。」 「【0034】 また、放送されるデジタルコンテンツには、EPGが含まれている。このため受信装置3では、このEPGを表示することにより、リアルタイムでの視聴を行う場合のプログラム選択が容易に行えることができる。このEPGには、そのプログラムの内容がユーザに理解できるようなタイトル情報が、選択肢として表示される。このEPGは、例えば、テキストデータ、フォントデータ、イメージデータ、グラフィックデータ等からなり、必要に応じて動画データ等も含まれる。 【0035】 ここで、受信装置3では、コントローラ17が、EPGを表示させる際に、ユーザの嗜好に合わせて、このEPG上のプログラムのタイトルに変化を加えて表示を行うようにする。例えば、フィルタ部12に設定されている選択情報と、属性情報とが合致しているプログラムがある場合には、そのプログラムを示すタイトル情報を、他のプログラムと異なる状態で表示する。ユーザは、ユーザインターフェース部18を用いてEPG上に表示されるタイトル情報を選択する。そのため、この受信装置3では、リアルタイム放送時にプログラムを視聴する場合、ユーザによる情報の選択動作が容易になる。」 「【0037】 また、フィルタ部12に設定されている選択情報は、装置の使用開始時点においてGUI上に予め用意された選択肢から所望の設定内容に設定したり、ユーザが任意にパラメータの値を設定したりすることにより設定される。また、このフィルタ部12に設定されている選択情報は、随時変更してもよい。 【0038】 また、このフィルタ部12に設定する選択情報は、記録時と再生時とにおいて、選択情報を切り換えても良い。例えば、選択情報を家庭内の家族の人数分設けて、受信したプログラムを記録再生メディア15に記録する場合には、複数の選択情報の論理和を取った選択情報を設定し、その論理和を取った選択情報と一致した属性情報が付加されたプログラムのみを記録する。そして、記録したプログラムを再生する場合には、ある一人のユーザのために設定された1つの選択情報と、記録再生メディア15に記録されているプログラムの属性情報とに基づき、そのユーザの嗜好に合致したプログラムを再生するようにする。 【0039】 また、コントローラ17は、この装置の使用開始以降にユーザが実際に視聴したプログラムの属性情報を集計し、各ユーザの嗜好を解析する。そして、コントローラ17は、その解析結果に基づき、フィルタ部12に設定されている選択情報の各パラメータの値の重み付けを変更して、ユーザの嗜好に対して最適化していく。 【0040】 なお、以上受信装置3では、選択情報と属性情報とを比較して、ユーザの嗜好に合致したプログラムを使用するようにしているが、これとは反対にユーザの視聴意思がないパラメータが登録された選択情報をフィルタ部12に設定して、ユーザが視聴したくないプログラムを積極的に排除するような処理を行っても良い。」 「【0044】 以上のように本発明の実施の形態のデジタル放送システム1によれば、ユーザの嗜好を示した選択情報に基づきプログラムを自動的に選択するので、多数のプログラムのなかから希望するプログラムを選び出す煩雑さがなくなり利便性が高まる。また、タイムシフトをする際に必要なプログラムのみを記録することができ記録媒体を有効利用することができる。また、このデジタル放送システム1によれば、リアルタイムで放送されるプログラムのタイトル情報を表示するとともに属性情報を表示するので、対話性が高まり、ユーザによるリアルタイム視聴や記録を行う際の利便性が向上する。」 「【0045】 つぎに、プログラムに付加されている属性情報と、フィルタ部12に設定されている選択情報とについて更に詳細に説明し、また、フィルタ部12によるフィルタリングの具体的な方法についても説明を行う。 【0046】 まず、デジタル放送システム1では、上記属性情報及び選択情報は、ベクトル情報とされている。以下、属性情報をn次元(n≧2)の属性ベクトルAとする。また、選択情報は、n次元(n≧2)の選択ベクトルSとする。 【0047】 具体的にn次元の属性ベクトルAは、以下の式(1)に示すように表される。」 「【0049】 ここで、a1,a2,a3,・・・,anは、属性ベクトルAの要素で、プログラムの属性を示す各属性項目の強さを表している。属性ベクトルA内の属性項目の順序、及び、属性項目の個数(n)は、予め定めておく。 【0050】 あるプログラム(例えば映画番組)は、以下のように属性ベクトルAの項目の順序及び個数が定められ、各要素(a1?an)に具体的な値が記述される。このように記述された属性ベクトルAは、そのプログラムに付加されて放送される。なお、この属性項目の順序は、デジタル放送システム1で共通であり、別のプログラムを放送してもその順序は変わらず、変わるのはその値だけである。」 「【0052】 また、具体的にn次元の選択ベクトルSは、以下の式(2)に示すように表される。」 「【0054】 ここで、s1,s2,s3,・・・,snは、選択ベクトルSの要素で、ユーザの嗜好を示す各属性項目の強さを表している。選択ベクトルS内の属性項目の順序、及び、属性項目の個数(n)は、上記属性ベクトルの各要素と同一である。この選択ベクトルSは、受信装置3内のフィルタ部12に設定されている。 【0055】 このユーザの嗜好を示すための選択ベクトルSは、例えば、ユーザが再生した複数個のプログラムの平均を取ることにより生成される。例えば、ユーザが自分が視聴したプログラムを50個選択したとする。このとき、以下のように選択された各プログラムには属性ベクトルA1?A50の平均を取ることにより、選択ベクトルSを生成することができる。」 「【0057】 すなわち、選択するプログラム数をMとすると、選択ベクトルSは、以下の式(3)のように求められる。」 「【0065】 この選択ベクトルSを求めるための複数の属性ベクトルAは、例えば、再生したプログラムのみならず、ユーザが録画予約をしたプログラムを用いても良い。なお、リアルタイム再生時のプログラムは、短時間だけ再生してすぐ他のプログラムに切り換えられたものは、興味が薄いプログラム或いは誤って選択したプログラムとして、選択ベクトルSを求めるためには用いない。即ち、一定時間以上の再生をしたプログラムの属性ベクトルAを用いて選択ベクトルSを生成するようにする。さらに、録画予約をしたプログラムと、リアルタイム再生をしたプログラムとの重みを変えて、選択ベクトルSを生成してもよい。例えば、録画予約をしたプログラムに対する定数Pと、リアルタイム再生をしたプログラムに対する定数Rとを用い、以下のように選択ベクトルSを生成してもよい。」 「【0069】 続いて、放送されたプログラムを選別する処理方法について説明する。 【0070】 送られてきたプログラムの属性ベクトルAが、例えば以下の式(4)に示すようなベクトルであったとする。」 「【0072】 このとき、このプログラムを記録再生メディア15に記録するかどうかを判別するため、以下の式(5)に示すような演算を行う。」 「【0074】 ここで求められた選別値Pの値に基づき、判断を行う。 【0075】 ここで、選別値Pの意味について説明する。 【0076】 ベクトル空間において、属性ベクトルAと選択ベクトルSのなす角をθとすると、属性ベクトルAと選択ベクトルSとの内積A・Sは、以下の式(6)に示すようになる。」 「【0078】 したがって、cosθは、以下の式(7)に示すようになる。」 「【0080】 即ち、選別値Pは、cosθを表すこととなる。 【0081】 ここで、属性ベクトルAと選択ベクトルSとが同方向を向いているならばP>0となる(ケース1)。属性ベクトルAと選択ベクトルSとが直交するならばP=0となる(ケース2)。属性ベクトルAと選択ベクトルSとが反対方向を向いているならばP<0となる(ケース3)。 【0082】 そこで、属性ベクトルAが付加されているプログラムに対して、選択ベクトルSで表される嗜好のパターンを持っているユーザとの関係について次のように判断をすることができる。 【0083】 ケース1の場合、ユーザはそのプログラムに、興味がある、或いは、嗜好が合致すると、判断することができる。また、最大値1に近いほどこの傾向が強いと判断できる。 【0084】 ケース2の場合、ユーザはそのプログラムに、興味がない、と判断することができる。 【0085】 ケース3の場合、ユーザはそのプログラムを、積極的に好まない、或いは、嫌いであると判断することができる。最小値の-1に近いほどこの傾向が強いと判断できる。 【0086】 そこで、受信装置3では、例えば、選別値P>0.3ならば記録するとフィルタ部12に設定する。このことにより、興味の薄いプログラム、興味のないプログラム、或いは、嫌いなプログラムを記録せずに、興味の強いプログラムを記録することができる。 【0087】 以上のように、このデジタル放送システム1では、ベクトルで表した属性情報及び選択情報を用いて、その内積演算に基づく値から記録(又は再生)するプログラムを選択することによって、ユーザの嗜好に合致したデジタルコンテンツを簡易に選別することができるとともに、ユーザの嗜好を正確に反映させることができる。」 「【0091】 【発明の効果】 本発明にかかる放送システム及び受信装置では、放送されるデジタルコンテンツに、そのデジタルコンテンツの属性情報を付加し、この属性情報とユーザの嗜好を示した選択情報とに基づき、放送されたデジタルコンテンツのなかからユーザの嗜好に合致したデジタルコンテンツを選択する。そして、この放送システム及び受信装置では、選択されたデジタルコンテンツを記録媒体に記録した後に視聴したり、また、記録されたデジタルコンテンツのなかから嗜好にあったデジタルコンテンツの視聴をする。 【0092】 このようの本発明の放送システム及び受信装置では、ユーザの嗜好を示した選択情報に基づきデジタルコンテンツを自動的に選択するので、多数のデジタルコンテンツのなかから希望するデジタルコンテンツを選び出す煩雑さがなくなり利便性が高まる。また、タイムシフトをする際に必要なデジタルコンテンツのみを記録することができ記録媒体を有効利用することができる。 【0093】 さらに、本発明の放送システム及び受信装置では、上記属性情報及び選択情報がベクトルにより表現されている。そして、選択手段が、放送されたデジタルコンテンツに付加されている属性情報のベクトルAと、選択情報のベクトルSとの内積演算を行い、その内積演算結果に基づき、そのデジタルコンテンツを選択するか否かを判断する。 【0094】 このため、本発明の放送システム及び受信装置では、ユーザの嗜好に合致したデジタルコンテンツを簡易に選別することができるとともに、ユーザの嗜好を正確に反映させることができる。」 (刊行物1の記載、以上) 2 刊行物1に記載された発明 (1)受信装置 「本発明は、映画、音楽等のデジタルコンテンツを放送する放送システム及びその受信装置に関するものである。」(段落【0001】)によれば、 刊行物1には、『受信装置』の発明が記載されていることは明らかである。 (2)受信したデジタルデータからユーザの嗜好にあったプログラムを選択する受信装置 「放送されるデジタルデータには、映画,音楽,テレビジョン番組,ゲームデータ,コンピュータデータ,コマーシャル等の各種プログラム、・・・とが含まれている。」(段落【0017】)、 「受信装置3は、放送局2から放送されたデジタルデータを、例えばアンテナ10により受信し、受信した信号をチューナ11により復調及びエラー訂正処理等をする。復調等をされたデジタルデータは、フィルタ部12に送られる。」(段落【0020】)、 「フィルタ部12には、プログラムと属性情報とからなるデジタルデータがチューナ11又は記録再生部14から供給される。フィルタ部12は、ユーザの嗜好を示す選択情報が設定され、この選択情報と各プログラムに含まれる属性情報とを比較し、供給されたプログラムをフィルタリングして、ユーザの嗜好にあったプログラムのみを出力する。」(段落【0021】)によれば、 「受信装置」は、「放送されたデジタルデータ」を「受信」し、 「受信した」「デジタルデータ」は、「テレビジョン番組」「等の各種プログラム」を「含」み、 「フィルタ部12」において、「デジタルデータ」に含まれる「プログラム」に対して「フィルタリング」することで、「ユーザの嗜好にあったプログラムのみを出力する」ものである。 そうすると、刊行物1には、 『テレビジョン番組等の各種プログラムを含むデジタルデータを受信し、このデジタルデータに含まれるプログラムに対してフィルタリングすることで、ユーザの嗜好にあったプログラムのみを出力する受信装置』 が記載されている。 (3)属性情報を取得する属性情報取得手段 「放送局2は、例えば、衛星放送、ケーブルネットワークや地上波放送等を用いてデジタルデータを放送する。放送されるデジタルデータには、映画,音楽,テレビジョン番組,ゲームデータ,コンピュータデータ,コマーシャル等の各種プログラム、放送されるプログラムのタイトル情報と放送チャンネルとが一覧で示される電子プログラムガイド(EPG)とが含まれている。また、各プログラムには、そのプログラムの属性を示す属性情報が付加されている。」(段落【0017】)、 「受信装置3は、放送局2から放送されたデジタルデータを、例えばアンテナ10により受信し、受信した信号をチューナ11により復調及びエラー訂正処理等をする。復調等をされたデジタルデータは、フィルタ部12に送られる。」(段落【0020】)、 「フィルタ部12は、プログラムに付加されている属性情報と、内部に設定されている選択情報とを比較して、選択情報に合致した属性情報のみを選び出し、選び出した属性情報が付加されているプログラムを選択する。」(段落【0031】)、 「デジタル放送システム1では、上記属性情報及び選択情報は、ベクトル情報とされている。以下、属性情報をn次元(n≧2)の属性ベクトルAとする。」(段落【0046】)、 「ここで、a1,a2,a3,・・・,anは、属性ベクトルAの要素で、プログラムの属性を示す各属性項目の強さを表している。」(段落【0049】)によれば、 「受信した」「デジタルデータ」は、「テレビジョン番組」「等の各種プログラム」を「含」み、「各プログラム」には、「そのプログラムの属性を示す属性情報が付加され」ており、 この「プログラムに付加されている属性情報」は、「内部に設定されている選択情報」と「比較」して「選択情報に合致した属性情報のみを選び出」すことで、この「属性情報が付加されているプログラムを選択する」ために使用される。 そうすると、「プログラムに付加されている属性情報」は、「選択情報」と「比較」するために使用されるものであるから、受信した「デジタルデータ」から「属性情報」が取得されていることが理解でき、 当然、「受信装置」は、「属性情報」を取得する属性情報取得手段を備えているといえる。 また、「属性情報」は、「n次元(n≧2)の属性ベクトルA」で表され、「属性ベクトルAの要素」である「a1,a2,a3,・・・,an」は、「プログラムの属性を示す各属性項目の強さを表」すものであるから、「n次元(n≧2)の属性ベクトルA」の各「要素」は、「属性項目」として「プログラムの属性を示す」ものといえる。 以上によると、刊行物1の「受信装置」は、 『上記プログラムに付加されている属性情報であって、n次元(n≧2)の属性ベクトルAで表され、この属性ベクトルAの各要素が属性項目としてプログラムの属性を示す属性情報を取得する属性情報取得手段』 を備えることが記載されている (4)操作に関する情報を取得する操作情報取得手段 「このユーザの嗜好を示すための選択ベクトルSは、例えば、ユーザが再生した複数個のプログラムの平均を取ることにより生成される。例えば、ユーザが自分が視聴したプログラムを50個選択したとする。このとき、以下のように選択された各プログラムには属性ベクトルA1?A50の平均を取ることにより、選択ベクトルSを生成することができる。」(段落【0055】)、 「この選択ベクトルSを求めるための複数の属性ベクトルAは、例えば、再生したプログラムのみならず、ユーザが録画予約をしたプログラムを用いても良い。」(段落【0065】)によれば、 上述の「受信装置」は、「選択ベクトルSを生成する」ために、「ユーザが再生した」「プログラム」若しくは「ユーザが録画予約をしたプログラム」を「複数個」得るものであり、 ユーザが“再生した”、若しくは、ユーザが“録画予約した”は、操作に関する情報といえ、 これらによると、「ユーザが再生した」「プログラム」若しくは「ユーザが録画予約をしたプログラム」を得るために、“再生した”若しくは“録画予約した”という操作に関する情報を取得していると理解でき、 当然、「受信装置」は、“再生した”若しくは“録画予約した”という操作に関する情報を取得する操作情報取得手段を備えているといえる。 そうすると、刊行物1の「受信装置」は、 『ユーザが再生した若しくは録画予約したという操作に関する情報を取得する操作情報取得手段』 を備えることが記載されている。 (5)選択ベクトルSを生成する選択ベクトル生成手段 「ユーザの嗜好を示した選択情報に基づきプログラムを自動的に選択する」(段落【0044】)、 「デジタル放送システム1では、上記属性情報及び選択情報は、ベクトル情報とされている。・・・また、選択情報は、n次元(n≧2)の選択ベクトルSとする。」(段落【0046】)、 「このユーザの嗜好を示すための選択ベクトルSは、例えば、ユーザが再生した複数個のプログラムの平均を取ることにより生成される。例えば、ユーザが自分が視聴したプログラムを50個選択したとする。このとき、以下のように選択された各プログラムには属性ベクトルA1?A50の平均を取ることにより、選択ベクトルSを生成することができる。」(段落【0055】)、 「この選択ベクトルSを求めるための複数の属性ベクトルAは、例えば、再生したプログラムのみならず、ユーザが録画予約をしたプログラムを用いても良い。」(段落【0065】)によれば、 上述の「受信装置」は、「ユーザが再生した」「プログラム」若しくは「ユーザが録画予約をしたプログラム」を「複数個」得、この「複数個のプログラム」に付加された「属性ベクトル」の平均を取ることにより、「選択ベクトルS」を「生成する」ものであり、 上記(4)のとおり、操作情報取得手段にて取得された、ユーザが再生した若しくは録画予約したという操作に関する情報から、「ユーザが再生した」「プログラム」若しくは「ユーザが録画予約をしたプログラム」を「複数個」得ている。 これらのことから、操作情報取得手段にて取得された、ユーザが再生した若しくは録画予約したという操作に関する情報に基づいて、「ユーザの嗜好を示す」「選択ベクトルS」を「生成する」といえ、 当然、「受信装置」は、選択ベクトルSを生成する手段を備えているといえる。 そうすると、刊行物1の「受信装置」は、 『上記操作情報取得手段にて取得された、ユーザが再生した若しくは録画予約したという操作に関する情報に基づいて、ユーザの嗜好を示す選択ベクトルSを生成する選択ベクトル生成手段』 を備えることが記載されている。 (6)フィルタ部12 「このプログラムを記録再生メディア15に記録するかどうかを判別するため、以下の式(5)に示すような演算を行う。」(段落【0072】)、 「ここで求められた選別値Pの値に基づき、判断を行う。」(段落【0074】)、 「ベクトル空間において、属性ベクトルAと選択ベクトルSのなす角をθとすると、属性ベクトルAと選択ベクトルSとの内積A・Sは、以下の式(6)に示すようになる。」(段落【0076】)、 「即ち、選別値Pは、cosθを表すこととなる。」(段落【0080】)、 「そこで、受信装置3では、例えば、選別値P>0.3ならば記録するとフィルタ部12に設定する。このことにより、興味の薄いプログラム、興味のないプログラム、或いは、嫌いなプログラムを記録せずに、興味の強いプログラムを記録することができる。」(段落【0086】)によれば、 「フィルタ部12」は、「属性ベクトルAと選択ベクトルSのなす角をθ」のときに「cosθを表す」「選別値P」を「属性ベクトルAと選択ベクトルS」とから「演算」し、「演算」された「選別値P」が「選別値P>0.3」の条件を満たす「プログラム」をのみを「記録再生メディア15」に記録させるものである。 そうすると、刊行物1の「受信装置」は、 『属性ベクトルAと選択ベクトルSのなす角がθのときにcosθを表す選別値Pを属性ベクトルAと選択ベクトルSとから演算し、演算された選別値Pが所定の条件を満たすプログラムを自動的に選択することで記録再生メディアに記録させるフィルタ部12』 を備えることが記載されている。 (7)刊行物1発明 上記(1)?(6)によれば、刊行物1には、次の「刊行物1発明」が記載されていると認められる。 「テレビジョン番組等の各種プログラムを含むデジタルデータを受信し、このデジタルデータに含まれているプログラムに対してフィルタリングすることで、ユーザの嗜好にあったプログラムのみを出力する受信装置において、 上記プログラムに付加されている属性情報であって、n次元(n≧2)の属性ベクトルAで表され、この属性ベクトルAの各要素が属性項目としてプログラムの属性を示す属性情報を取得する属性情報取得手段と、 ユーザが再生した若しくは録画予約したという操作に関する情報を取得する操作情報取得手段と、 上記操作情報取得手段にて取得された、ユーザが再生した若しくは録画予約したという操作に関する情報に基づいて、ユーザの嗜好を示す選択ベクトルSを生成する選択ベクトル生成手段と、 属性ベクトルAと選択ベクトルSのなす角がθのときにcosθを表す選別値Pを属性ベクトルAと選択ベクトルSとから演算し、演算された選別値Pが所定の条件を満たすプログラムを自動的に選択することで記録再生メディアに記録させるフィルタ部12と、 を備える受信装置。」 3 対比 本願発明と刊行物1発明とを対比する。 (1)「情報処理装置」 刊行物1発明の「受信装置」は、受信したデジタルデータに含まれているプログラムをフィルタリングして、ユーザの嗜好にあったプログラムのみを出力するものであり、デジタルデータである「情報」に対してフィルタリングという「処理」を行う「(受信)装置」であるから、本願発明と同様に、「情報処理装置」に関するものといえる。 (2)「ユーザの嗜好と合致したコンテンツを選択する処理を実行する情報処理装置」 刊行物1発明の「受信装置」は、「フィルタリング」することで、ユーザの嗜好にあったプログラムのみを出力するという“処理を実行する”ものといえ、 この「プログラム」とは、テレビジョン番組等のことを指しているから、“コンテンツ”といい替えることができ、 「受信装置」が、“情報処理装置”といい得ることは、上記(1)のとおりである。 そうすると、刊行物1発明も、 『ユーザの嗜好と合致したコンテンツを選択する処理を実行する情報処理装置』 ということができ、この点において本願発明と相違しない。 (3)「前記コンテンツの属性情報を取得する属性情報取得手段」 刊行物1発明の「属性情報」は、受信したデジタルデータに含まれるプログラムに付加されているものであって、そのプログラムの属性を示す情報であるから、“プログラムの属性情報”といえ、 この「プログラム」が、“コンテンツ”といい得るものであることは、上記(2)のとおりである。 そうすると、刊行物1発明も、 『前記コンテンツの属性情報を取得する属性情報取得手段』 を備えているということができ、この点において本願発明と相違しない。 (4)「前記ユーザの操作履歴を取得する操作履歴取得手段」 刊行物1発明の「ユーザが再生した若しくは録画予約したという操作に関する情報」は、ユーザが“再生という操作”を行った、若しくは“録画予約という操作”を行ったという情報であるから、ユーザの操作履歴といえ、 そのようにいうとき、刊行物1発明の「操作情報取得手段」は、操作履歴取得手段ということもできる。 以上によると、刊行物1発明も、 『前記ユーザの操作履歴を取得する操作履歴取得手段』 を備えているということができ、この点において本願発明と相違しない。 (5)「前記操作履歴取得手段により取得された前記操作履歴を基に、前記ユーザの嗜好の正の要因を示す第1の嗜好情報と、前記ユーザの嗜好の負の要因を示す第2の嗜好情報を生成する嗜好情報生成手段」 刊行物1発明の「選択ベクトルS」は、ユーザの嗜好を示す情報であるから、ユーザの嗜好を示す“嗜好情報”といえ、 そのようにいうとき、刊行物1発明の「選択ベクトル生成手段」は、嗜好情報生成手段ということもでき、 「ユーザが再生した若しくは録画予約したという操作に関する情報」、「操作情報取得手段」は、それぞれ、操作履歴、操作履歴取得手段といい得るものであることは、上記(4)のとおりである。 また、刊行物1発明の(嗜好情報といい得る)「選択ベクトルS」は、ユーザが再生した若しくは録画予約したという操作に関する情報に基づいて、生成されるものであるところ、 ユーザが再生という操作を行う、若しくは、録画予約という操作を行うとは、ユーザがそのテレビジョン番組等のプログラムの視聴、若しくは、録画を希望していることといえ、この操作は、嗜好の正の要因を示しているということができる。 そうすると、刊行物1発明の(嗜好情報といい得る)「選択ベクトルS」は、“嗜好の正の要因を示す嗜好情報”ということもできる。 これらのことから、刊行物1発明と本願発明は、 『前記操作履歴取得手段により取得された前記操作履歴を基に、前記ユーザの嗜好を示す嗜好情報を生成する嗜好情報生成手段』 といい得る点で相違しない。 もっとも、「嗜好情報」が、 本願発明では、「前記ユーザの嗜好の正の要因を示す第1の嗜好情報と、前記ユーザの嗜好の負の要因を示す第2の嗜好情報」であるのに対して、 刊行物1発明では、「前記ユーザの嗜好の正の要因を示す嗜好情報」である点、 では相違が認められる。 (6)「前記第1の嗜好情報と前記属性情報との第1の類似度、および、前記第2の嗜好情報と前記属性情報との第2の類似度をそれぞれ独立に算出し、前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを決定するために用いられる値を、前記コンテンツに対して算出し、この値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す推薦情報を生成する推薦情報生成手段」 (a)「前記第1の嗜好情報と前記属性情報との第1の類似度、および、前記第2の嗜好情報と前記属性情報との第2の類似度をそれぞれ独立に算出し、」 刊行物1発明の「フィルタ部12」は、属性ベクトルAと選択ベクトルSのなす角がθのときにcosθを表す選別値Pを属性ベクトルAと選択ベクトルSとから演算するものであり、一般にθが0に近付くほどcosθが大きな値となることから、θが0に近付くほど、すなわち属性ベクトルAと選択ベクトルSとが類似するほど、cosθによって表される選別値Pは大きな値となるといえ、 このことから、刊行物1発明の「選別値P」は、属性ベクトルAと選択ベクトルSとの“類似度”を示すものといえ、 刊行物1発明の「属性ベクトルA」は、属性情報を表し、刊行物1発明の「選択ベクトルS」は、嗜好情報といい得るものであることは、上記(5)のとおりである。 これらによると、刊行物1発明も『前記嗜好情報と前記属性情報との類似度を算出』するものといえる点で、本願発明とは相違しない。 もっとも、上記(5)の相違するとした点に関連して、 「嗜好情報」と、「類似度」が、 本願発明では、「第1の嗜好情報」、「第2の嗜好情報」と、「第1の類似度」、「第2の類似度」であるのに対して、 刊行物1発明では、「嗜好情報」、「類似度」であり、 (後述する)「ユーザ嗜好コンテンツ情報生成手段」が、 本願発明では、「前記第1の嗜好情報と前記属性情報との第1の類似度、および、前記第2の嗜好情報と前記属性情報との第2の類似度をそれぞれ独立に算出」するのに対して、 刊行物1発明では、「前記嗜好情報と前記属性情報との類似度を算出(し、)」する点 では相違が認められる。 (b)「前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを決定するために用いられる値を、前記コンテンツに対して算出し、」 刊行物1発明の「フィルタ部12」は、選別値Pが所定の条件を満たすプログラムを自動的に選択するものであり、この自動的に選択されたプログラムは、ユーザの嗜好にあったプログラムであることから、刊行物1発明の「選別値P」は、“ユーザの嗜好にあったプログラムを決定するために用いられる値”といえ、 このようにいうとき、「選別値P」を、“ユーザの嗜好にあったプログラムを決定するために用いられる値”としているといい替えることもできる。 また、刊行物1発明の「選別値P」が、属性ベクトルAと選択ベクトルSとの“類似度”を示すものといい得ることは、上記(a)のとおりであり、 刊行物1発明の「プログラム」が、コンテンツといい得ることは、上記(2)のとおりである。 これらによると、刊行物1発明は、『類似度を、ユーザの嗜好にあったコンテンツを決定するために用いられる値とし』ているといえる。 また、上述の類似度(選別値P)を、ユーザの嗜好にあったコンテンツを決定するために用いられる値としているということは、類似度から、ユーザの嗜好にあったコンテンツを決定するために用いられる値を導いているということもできる。 そうすると、刊行物1発明は、『類似度から、ユーザの嗜好にあったコンテンツを決定するために用いられる値を導く』ともいえる。 一方、本願発明は、「『ユーザの嗜好と合致したコンテンツ』を選択する処理を実行する情報処理装置」において、「前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて、前記『ユーザに視聴を推薦するコンテンツ』を決定するために用いられる値を、前記コンテンツに対して算出」するものであるところ、 本願発明は、大量のコンテンツの中からユーザの嗜好にあったコンテンツを抽出しているのだから、本願発明の「ユーザに視聴を推薦するコンテンツ」とは、「ユーザの嗜好と合致したコンテンツ」のことといえ、 「前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを決定するために用いられる値を、前記コンテンツに対して算出」するとは、類似度から、「ユーザに視聴を推薦するコンテンツ」(ユーザの嗜好と合致したコンテンツといい得ることは上記の通りである。)を決定するために用いられる値を導くともいい得る。 そうすると、本願発明は、「類似度から、ユーザの嗜好と合致したコンテンツを決定するために用いられる値を導く」といい替えることもできる。 以上によると、刊行物1発明と本願発明とは、『前記類似度から、前記ユーザの嗜好にあったコンテンツを決定するために用いられる値を導き、』といい得る点で相違しない。 もっとも、「ユーザの嗜好にあったコンテンツ」が、 本願発明では、「ユーザに視聴を推薦するコンテンツ」であるのに対して、 刊行物1発明では、「ユーザの嗜好にあったコンテンツ」である点 では相違が認められる。 さらに、上記(5)、上記(6)(a)の相違するとした点に関連して、 「前記類似度から、前記ユーザの嗜好にあったコンテンツを決定するために用いられる値を導き、」が、 本願発明では、「前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて」(前記ユーザの嗜好にあった)「コンテンツを決定するために用いられる値を、前記コンテンツに対して算出(し、)」するのに対して、 刊行物1発明では、「前記類似度を」(前記ユーザの嗜好にあった)「コンテンツを決定するために用いられる値とし、」ている点、 では相違が認められる。 (c)「この値に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す推薦情報を生成する推薦情報生成手段」 刊行物1発明の「フィルタ部12」は、選別値Pが所定の条件を満たすプログラムを自動的に選択することで記録再生メディアに記録させるものであり、選別値Pに基づいて、記録再生メディアに記録させるプログラムを自動的に選択する手段といい替えることもできる。 また、上記(b)のとおり、刊行物1発明の「選別値P」は、“ユーザの嗜好にあったコンテンツを決定するために用いられる値”といえ、 刊行物1発明の「プログラム」が、コンテンツといい得ることは、上記(2)のとおりである。 そうすると、刊行物1発明のフィルタ部12は、『ユーザの嗜好にあったコンテンツを決定するために用いられる値に基づいて、記録再生メディアに記録させるコンテンツを自動的に選択する手段』といえる。 また、上記フィルタ部12は、「記録再生メディアに記録させるコンテンツを自動的に選択する手段」であるところ、「記録再生メディアに記録させるコンテンツ」とは、ユーザの嗜好にあったコンテンツであって、「コンテンツを自動的に選択する」ために、コンテンツに関する情報を生成しているといえることから、刊行物1発明の「フィルタ部12」は、『ユーザの嗜好にあったコンテンツを決定するために用いられる値に基づいて、ユーザの嗜好にあったコンテンツに関する情報を生成するユーザ嗜好コンテンツ情報生成手段』といい替えることもできる。 一方、本願発明の「推薦情報生成手段」は、この値(前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを決定するために用いられる値)に基づいて、前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す推薦情報を生成するものであるところ、「ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す推薦情報」とは、ユーザの嗜好にあったコンテンツに関する情報ともいえる。 そうすると、本願発明の「推薦情報生成手段」は、「前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを決定するために用いられる値(ユーザの嗜好にあったコンテンツを決定するために用いられる値といい得ることは、上記(b)のとおり。)に基づいて、ユーザの嗜好にあったコンテンツに関する情報を生成するユーザ嗜好コンテンツ情報生成手段」といい替えることもできる。 以上によると、刊行物1発明と本願発明とは、『この値(ユーザの嗜好にあったコンテンツを決定するために用いられる値)に基づいて、ユーザの嗜好にあったコンテンツに関する情報を生成するユーザ嗜好コンテンツ情報生成手段』といい得る点で相違しない。 もっとも、上記(b)の相違するとした点に関連して、 「ユーザの嗜好にあったコンテンツに関する情報を生成するユーザ嗜好コンテンツ情報生成手段」が、 本願発明では、「前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す推薦情報を生成する推薦情報生成手段」であるのに対して、 刊行物1発明では、「記録再生メディアに記録させるコンテンツを自動的に選択するフィルタ部12」である点、 では相違が認められる。 (d)まとめ(推薦情報生成手段) 上記(a)?(c)によると、刊行物1発明は、 『前記嗜好情報と前記属性情報との類似度を算出し、前記類似度から、前記ユーザの嗜好にあったコンテンツを決定するために用いられる値を導き、この値に基づいて、ユーザの嗜好にあったコンテンツに関する情報を生成するユーザ嗜好コンテンツ情報生成手段』 を備えている点で、本願発明とは相違しない。 もっとも、「ユーザの嗜好にあったコンテンツ」が、 本願発明では、「ユーザに視聴を推薦するコンテンツ」であるのに対して、 刊行物1発明では、「ユーザの嗜好にあったコンテンツ」であり、 「ユーザの嗜好にあったコンテンツに関する情報を生成するユーザ嗜好コンテンツ情報生成手段」が、 本願発明では、「前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す推薦情報を生成する推薦情報生成手段」であるのに対して、 刊行物1発明では、「記録再生メディアに記録させるコンテンツを自動的に選択するフィルタ部12」である点、 では相違が認められる。 さらに、「嗜好情報」と、「類似度」が、 本願発明では、「第1の嗜好情報」、「第2の嗜好情報」と、「第1の類似度」、「第2の類似度」であるのに対して、 刊行物1発明では、「嗜好情報」、「類似度」であり、 「ユーザ嗜好コンテンツ情報生成手段」が、 本願発明では、「前記第1の嗜好情報と前記属性情報との第1の類似度、および、前記第2の嗜好情報と前記属性情報との第2の類似度をそれぞれ独立に算出」するのに対して、 刊行物1発明では、「前記嗜好情報と前記属性情報との類似度を算出」するものであり、 「前記類似度から、前記ユーザの嗜好にあったコンテンツを決定するために用いられる値を導き、」が、 本願発明では、「前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて」(前記ユーザの嗜好にあった)「コンテンツを決定するために用いられる値を、前記コンテンツに対して算出(し、)」するのに対して、 刊行物1発明では、「前記類似度を」(前記ユーザの嗜好にあった)「コンテンツを決定するために用いられる値とし、」ている点、 では相違が認められる。 4 一致点・相違点 本願発明と刊行物1発明とは、 [一致点] ユーザの嗜好と合致したコンテンツを選択する処理を実行する情報処理装置において、 前記コンテンツの属性情報を取得する属性情報取得手段と、 前記ユーザの操作履歴を取得する操作履歴取得手段と、 前記操作履歴取得手段により取得された前記操作履歴を基に、前記ユーザの嗜好を示す嗜好情報を生成する嗜好情報生成手段と、 前記嗜好情報と前記属性情報との類似度を算出し、前記類似度から、前記ユーザの嗜好にあったコンテンツを決定するために用いられる値を導き、この値に基づいて、ユーザの嗜好にあったコンテンツに関する情報を生成するユーザ嗜好コンテンツ情報生成手段と を備える情報処理装置。 である点で一致し、 [相違点1] 「ユーザの嗜好にあったコンテンツ」が、 本願発明では、「ユーザに視聴を推薦するコンテンツ」であるのに対して、 刊行物1発明では、「ユーザの嗜好にあったコンテンツ」であり、 「ユーザの嗜好にあったコンテンツに関する情報を生成するユーザ嗜好コンテンツ情報生成手段」が、 本願発明では、「前記ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す推薦情報を生成する推薦情報生成手段」であるのに対して、 刊行物1発明では、「記録再生メディアに記録させるコンテンツを自動的に選択するフィルタ部12」である点。 [相違点2] 「嗜好情報」が、 本願発明では、「前記ユーザの嗜好の正の要因を示す第1の嗜好情報と、前記ユーザの嗜好の負の要因を示す第2の嗜好情報」であるのに対して、 刊行物1発明では、「前記ユーザの嗜好の正の要因を示す嗜好情報」であり、 「類似度」が、 本願発明では、「第1の類似度」、「第2の類似度」であるのに対して、 刊行物1発明では、「類似度」であり、 「ユーザ嗜好コンテンツ情報生成手段」が、 本願発明では、「前記第1の嗜好情報と前記属性情報との第1の類似度、および、前記第2の嗜好情報と前記属性情報との第2の類似度をそれぞれ独立に算出」するのに対して、 刊行物1発明では、「前記嗜好情報と前記属性情報との類似度を算出」するものであり、 「前記類似度から、前記ユーザの嗜好にあったコンテンツを決定するために用いられる値を導き、」が、 本願発明では、「前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて」(前記ユーザの嗜好にあった)「コンテンツを決定するために用いられる値を、前記コンテンツに対して算出(し、)」するのに対して、 刊行物1発明では、「前記類似度を」(前記ユーザの嗜好にあった)「コンテンツを決定するために用いられる値とし、」ている点。 で相違する。 5 判断 (1)相違点1について 「ユーザの嗜好にあったコンテンツ」が、刊行物1発明では、(「ユーザに視聴を推薦するコンテンツ」ではなく)「ユーザの嗜好にあったコンテンツ」であり、 「ユーザの嗜好にあったコンテンツに関する情報を生成するユーザ嗜好コンテンツ情報生成手段」が、刊行物1発明では、「記録再生メディアに記録させるコンテンツを自動的に選択するフィルタ部12」である。 刊行物1発明は、ユーザの嗜好にあったコンテンツを決定するために用いられる値に基づいて、記録再生メディアに記録させるコンテンツを自動的に選択する(自動録画する)ものであるところ、 ユーザの嗜好と合致したコンテンツを選択する処理を実行する情報処理装置として、ユーザに視聴を推薦するコンテンツを決定するための条件に基づいて、ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す推薦情報を生成して、ユーザに提示する、番組の視聴を推薦する装置は、周知のものである{例えば、周知例1:特開2000-287189号、周知例2:特開2000-13708号公報、等参照}。 そして、刊行物1発明のような、自動録画するものは、ユーザによる確認の手間が省けるといえるところ、上記周知の装置のような、ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す推薦情報を生成して、その推薦情報をユーザに提示するものは、ユーザが確認してから視聴もしくは録画することができるといえるものであり、それらの利点を考慮しながら両者を置き換えようとすることは、当業者なら普通に想起することといえ、刊行物1発明において、記録再生メディアに記録させるコンテンツを自動的に選択することに代えて、ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す推薦情報を生成するようにすることは、当業者が容易に想到することである。 そうすると、刊行物1発明の「ユーザの嗜好にあったコンテンツに関する情報を生成するユーザ嗜好コンテンツ情報生成手段」として、「記録再生メディアに記録させるコンテンツを自動的に選択するフィルタ部12」に代えて、「ユーザに視聴を推薦するコンテンツを示す推薦情報を生成する推薦情報生成手段」とすることは、当業者が容易になし得ることである。 そして、そのようにするとき、刊行物1発明の「ユーザの嗜好にあったコンテンツ」を「ユーザに視聴を推薦するコンテンツ」とすることは、ごく自然になされることである。 以上によれば、本願発明の上記相違点1に係る構成は、上記周知技術に基づいて当業者が容易になし得ることである。 (a)周知例(下線は当審にて付与) 周知例1:特開2000-287189号 「【発明の属する技術分野】 本発明は、テレビ放送受信システムに適用されるテレビ番組の視聴管理装置に関する。」 (段落【0001】) 「好適番組選択部8は、視聴履歴解析部5および録画履歴解析部11によって判定されたユーザ毎に優先度の高いテレビ番組を視聴推奨番組および録画推奨番組としてユーザに紹介する処理を行う。」 (段落【0032】) 「次に、ユーザ毎の視聴履歴に基づいて当該ユーザに適したテレビ番組を推奨する処理について説明する。」 (段落【0044】) 「図6にかかる処理の手順を示す。はじめに制御部3は、本テレビ放送受信システムを利用しているユーザのIDを取得するようユーザ識別部7を制御する(ステップ601)。ユーザIDが取得されると、続いて制御部3は、ユーザが視聴したテレビ番組の属性情報を番組管理情報記憶部13から取得し、その結果をユーザ視聴録画履歴データベース6に視聴履歴として記録する(ステップ602)。なお、その間に前述したユーザ毎の視聴制限が行われてもよい。」 (段落【0045】) 「次に、制御部3は、ユーザ視聴録画履歴データベース6に記録されている当該ユーザの視聴履歴を解析するよう視聴履歴解析部5に指示を出す。この指示を受けて視聴履歴解析部5は、ユーザ視聴録画履歴データベース6から該当するユーザの視聴履歴を取り出し(ステップ603)、この取り出されたユーザの視聴履歴を一定のルールに従い解析して、この視聴履歴に含まれる各テレビ番組の優先順位を求める(ステップ604)。」 (段落【0046】) 「図7に、ユーザ視聴録画履歴データベース6に記録されているユーザ視聴履歴の例を示す。同図に示すように、視聴履歴は、ユーザID、同ユーザが視聴した番組のチャンネル番号とそのチャンネル視聴合計時間、同ユーザが視聴した番組ジャンルとその番組ジャンルの視聴合計時間、放送時間帯とその放送時間帯の単位時間毎の合計視聴回数などの情報で構成される。なお、放送時間帯の合計視聴回数は、任意に設定された単位時間(たとえば1時間単位)を一回の視聴として数えるようにしてもよい。このようにしてユーザ視聴録画履歴データベース6に視聴履歴を記録して行き、視聴推奨番組の判定に必要な数の視聴履歴が蓄積されたならば(ステップ605)、制御部3は視聴履歴解析部5に対し視聴推奨番組の判定を指示する。」 (段落【0047】) 「この指示を受けた視聴履歴解析部5は、ユーザ視聴録画履歴データベース6より、視聴合計時間の長い上位n位までのチャンネル番号と番組ジャンルをそれぞれ取り出す。そして、この取り出されたチャンネル番号と番組ジャンルの条件を同時に満たすテレビ番組が現在放送中及び/又は放送予定のもののなかにあるか否かを番組管理情報記憶部13の内容を調べて検索する。もし、該当するテレビ番組があれば、それを視聴推奨番組として判定する(ステップ606)。」 (段落【0048】) 「図8にこの処理例を示す。上位n位までの番組ジャンルAと上位n位までのチャンネル番号Bを同時に満足することを条件として、現時間帯に放送されているテレビ番組の中から最適なテレビ番組が検索される。たとえば、現時間帯に放送されているテレビ番組の中に789chのスポーツ番組があれば、このテレビ番組が視聴推奨番組として選択される。」 (段落【0049】) 「次に、制御部3は好適番組選択処理部8を起動する。好適番組選択処理部8は、視聴履歴解析部5によって検索された視聴推奨番組をジャンル別またはチャンネル別に選択してモニタ12を通してユーザに紹介する(ステップ607)。図9に番組ジャンル別の視聴推奨番組の紹介例を示す。」 (段落【0050】) 「以上により、ユーザはそのユーザの趣味嗜好に適合したテレビ番組の紹介を随時受けることができ、これを基にユーザは現在放送中及び/又は放送予定のテレビ番組の中から自分の視聴したいテレビ番組を効率良く選択して、視聴することができる(ステップ609)。」 (段落【0053】) 「このように、この実施形態では、ユーザ毎の視聴履歴に基づいてそのユーザに適した視聴推奨番組を検索することにより、複数ユーザでテレビ放送受信システムを共用する環境においても、個々のユーザにそれぞれ最適な視聴推奨番組を紹介することができる。また、時々刻々と変化するユーザの必要や好みの変化に追従しながら視聴推奨番組の検索を行うことができる。」 (段落【0054】) 周知例2:特開2000-13708号公報 「【発明の属する技術分野】 本発明は視聴者によるテレビ番組の選択を支援する方法に関わり、特に放送のデジタル化によりテレビ放送の多チャンネル化が進んでいるが、視聴者が多くの番組の中から視聴する番組を選択するのに好適な方法および装置に関する。」 (段落【0001】) 「また、704?712の視聴要素は視聴要素分析表(600)の各視聴要素に対応しており、嗜好度計算の対象とする番組について、番組情報データベース(300)と視聴要素分析表(600)の各視聴要素との対応から、視聴要素ごとに該当する視聴点の合計、または視聴点の合計/要素該当番組数の値を参照して、嗜好度換算表(700)に記入される、その合計(714)が計算される。合計の点が高いほど、その番組に対する視聴者の嗜好が強いと予想する。」 (段落【0019】) 「図12は、上述した番組毎の嗜好度(313)の値から録画する番組を決定するスケジュール決定プログラム(1200)の処理手順を示す図である。スケジュール決定プログラム(1200)は推薦番組分析プログラム(1100)の終了後に起動する。よって、推薦番組分析プログラム(1100)と同様にEPGが更新される毎か、あるいは、ある期間の決められた時間毎に起動する。本プログラム(1200)は起動すると、まず、視聴者による明示的な録画予約をセットするために、番組予約用データ(800)を参照して、番組、番組名、キーワード、人名のリストに該当する番組を番組情報データベース(300)から検索し、録画スケジュール(1800)に記入する(1202)。録画スケジュール(1800)は図18に示すように、放送日(1801)、チャンネル/チャンネル名(1802)、開始時刻(1803)、終了時刻(1804)、番組名(1805)、予約方法(1806)で構成される。予約方法(1806)には、視聴者による番組指定は“UP”,視聴者による番組名指定は“UPN”,視聴者によるキーワード指定は“UK”、視聴者による人名指定は“UN”,システムによる自動録画指定は“A”と嗜好度を換算したシステムの自信度が記入される。番組受信装置(102)のチューナが一つの場合は同時に複数の番組を録画することが不可能なため、視聴者が録画を指定した番組を優先的に録画するために、これから放送される番組に対して、録画スケジュール(1800)を参照して、視聴者による録画が設定されている時間帯を除いた番組の嗜好度順のリストを作成する(1203)。」 (段落【0030】) 「次に、録画予約候補の番組が時間的に録画できるかどうかを判断するために、録画予約候補の番組時間が録画装置(105)の録画可能時間よりも短いかどうかをチェックし(1205)、録画予約候補の番組時間の方が短い場合には録画予約候補の番組の録画を録画スケジュール(1800)に登録し(1206)、ステップ1207に進む。ステップ1207では、番組の嗜好度順リストから、予約した番組を削除し、番組受信装置(102)のチューナが一つであるか、あるいは、番組録画装置(105)が単数の録画機能の場合は、予約した番組と同じ時間帯の番組も番組の嗜好度順リストから削除し、ステップ1204に戻る。ステップ1205において録画予約候補の番組時間の方が長い場合には、システムにより録画した番組、あるいはシステムによる録画予定番組の嗜好度と録画予約候補の番組の嗜好度を比較し(1208)、システムにより録画した番組、あるいはシステムによる録画予定番組の中で一番嗜好度の低い番組の嗜好度が、録画予約候補の番組の嗜好度よりも低い場合は、該当する最低嗜好度の番組を削除し(1209)、ステップ1205に戻る。」 (段落【0032】) 「ステップ1208において、録画予約候補の番組の方が嗜好度が低い場合は、録画予約の設定をとりやめてプログラムを終了する(1210)。これらの処理により、視聴者の嗜好度がより強いと予測される番組を録画することが可能となる。より多くの番組を録画するためには、録画済番組のなかで、既に視聴した番組を次々に削除する作業や、視聴者の嗜好の変動に伴い、同じ番組でも嗜好度が変化するため、嗜好度を計算しなおす処理が必要となる。自動録画した番組の消去に関しては、一度視聴した番組については、番組視聴後に削除するか否かをシステムから視聴者に問い合わせたり、視聴後は嗜好度を低くすること、また、一定期間以上視聴されない番組は自動的に消去するなどの処理が考えられる。」 (段落【0033】) 「次に、本発明の第三の実施例を図に従って説明する。図23は番組選択支援装置を録画装置に適用せずに、番組予約に適用した場合のブロック図である。ほとんどは、第一の実施例と同様であるが、異なるのは番組録画装置(105)の代わりに番組予約装置(110)が接続されている点である。第三の実施例では、第一の実施例における録画スケジュール(1800)を番組予約のスケジュールに置き換え、録画する代わりに予約時間になったら番組を受信し、テレビジョン表示装置(104)に表示する、という処理を行う。このことにより、視聴者が自分で番組を選択するのが面倒な場合やテレビをBGM代わりに使用する場合に、システムが視聴者に変わって視聴者の好みに合った番組を選択することができるようになる。第二の実施例にて述べたオーディオ専用番組についても同様に、好みのオーディオ番組をシステムが視聴者に変わって自動的に選択することができるようになる。」 (段落【0056】) 「次に、本発明の第四の実施例を図に従って説明する。図24は第一の実施例の図1における番組録画装置(105)を接続しない場合のブロック図である。従って、スケジュール決定プログラム(1200)と録画スケジュール(1800)は本実施例では省かれる。予約プログラム(1500)と番組予約データ(800)については、システムにより、省く場合と省かない場合とがある。省く場合のシステム構成によると、システムはEPGを表示する際に、視聴者の好みの番組を予測して、システムからのおすすめ番組として番組表に表示することができる。省かない場合のシステム構成では、省く場合のEPG表示に加えて、視聴者があらかじめ設定しておいた番組名や人名、キーワードが含まれる番組をEPGに表示することが可能となる。図25は視聴者の嗜好を考慮した個人番組表(2500)の画面例である。視聴者はおすすめ番組表時ボタン(2501)を選択することにより、システムにより視聴者が好むと判断された番組順に番組を表示することができる。番組画面下の星マーク(2502)はシステムの自信度を示す。本番組表(2500)は現在放送中の番組の番組表を表示しているが、これから放送される番組についても、システムの推薦する順に番組を表示することができる。」 (段落【0057】) 「図26は図25と別の表示方法による個人番組表2(2600)の画面例である。現在視聴中の番組(2601)が画面に表示されている。操作手段(106)を用いてシステムが推薦する番組の情報を表示する操作を視聴者が行うと、システムはそれに対応して、現在放送中の番組の嗜好度を計算し、嗜好度の高い順にテロップにて画面上に表示する(2602)。これらの処理により、個人に合った番組表や番組情報を提供することができるようになる。視聴者は多くの番組表や番組情報のなかから、苦労して番組を選択することなく、自分の好みに合った番組を選択することが容易にできるようになる。さらに、チャンネル数が増加するに従ってザッピング操作による番組選択は困難になることが予想されるが、おすすめ番組情報(2602)を表示する手段を設けることにより、あらかじめチャンネル数をしぼることが可能となり、ザッピング操作による番組選択を支援することができるようになる。」 (段落【0058】) 「【発明の効果】 本発明ではEPGと呼ばれる電子番組表と視聴した番組の履歴から視聴者の番組に対する嗜好を抽出し、これから放送される番組に関して、視聴者の嗜好に合った番組を視聴者に提示する。視聴者の番組視聴の履歴を利用するため、視聴者は嗜好を入力せずとも、従来と同様にテレビ番組を視聴するだけでよい。その結果、視聴者は従来のテレビ番組視聴方法を変更することなく、自分の嗜好に合った番組の選択が容易にできるようになる。」 (段落【0062】) (2)相違点2について 「嗜好情報」が、刊行物1発明では、「前記ユーザの嗜好の正の要因を示す嗜好情報」であり、 「類似度」が、刊行物1発明では、(1つの)「類似度」であり、 「ユーザ嗜好コンテンツ情報生成手段」が、刊行物1発明では、「前記嗜好情報と前記属性情報との類似度を算出」し、 「前記類似度から、前記ユーザの嗜好にあったコンテンツを決定するために用いられる値を導き、」が、「前記類似度を」(前記ユーザの嗜好にあった)「コンテンツを決定するために用いられる値とし、」ているものである。 ここで、刊行物1の段落【0040】には、以下の記載がある。 「【0040】 なお、以上受信装置3では、選択情報と属性情報とを比較して、ユーザの嗜好に合致したプログラムを使用するようにしているが、これとは反対にユーザの視聴意思がないパラメータが登録された選択情報をフィルタ部12に設定して、ユーザが視聴したくないプログラムを積極的に排除するような処理を行っても良い。」 この記載によると、刊行物1には、選択情報(を表す選択ベクトルが、「嗜好の正の要因を示す嗜好情報」とをいい得ることは、上記「3(5)」のとおり。)を用いて、ユーザの嗜好に合致したプログラムを選択すること以外に、ユーザの視聴意思のないことを表す選択情報を用いてもよい旨の技術が記載されているといえる。 そうすると、刊行物1には、ユーザの嗜好に合致したプログラムの選択に、「嗜好の正の要因を示す嗜好情報」以外に、視聴したくない、すなわち、負の嗜好情報のような情報を用いることもできるとの示唆が存在しているといえる。 (a)刊行物2 一方、原査定の拒絶の理由に引用され、本願出願日前である平成9年11月4日に頒布された特開平9-288683号公報(以下、「刊行物2」ともいう。)には、図面と共に以下の記載がある。 「【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電子または光等を媒体とする記憶装置や情報通信網から必要な情報を取り出し易くする情報フィルタ装置及び情報フィルタリング方法に関するものである。」 「【0006】本発明は上記従来の課題を解決するものであり、初心者にも精度の高い情報フィルタリングができ、かつ使用者にとって必要性の高い情報を取り出し易い情報フィルタ装置を提供することを目的とする。」 「【0063】さて、本発明において重要な点は、いかに必要性信号(或「情報」が必要であったとの教師信号)を計算するかである。 【0064】好ましい実施の形態では、必要性信号は概念的に次のような量として計算される。 【0065】上述べた如く、入力された「情報」にキーワードが添付されている場合を考える。一人のユーザーを考えると、そのユーザーが必要としている「情報」に高い頻度または確率で付いているキーワード集合Aと、不要としている「情報」に高い頻度または確率で付いているキーワード集合Bと、さらにはいずれにもよく付く、または付かないキーワード集合Cとを考えることができる。 【0066】したがって、前記キーワード集合Aに属するキーワードには正の数値を、前記キーワード集合Bに属するキーワードには負の値を、前記キーワード集合Cに属するキーワードには値0をそれぞれ割り振る。 【0067】そして、新たに入力された「情報」についている1つ以上のキーワードについてそれぞれが前記キーワード集合A、B、Cのどのキーワードグループに属するかを判定し、前記割り振られた値を積算するように構成する。 【0068】このように構成すれば、前記新たに入力された「情報」に付いていた複数のキーワードを、キーワード集合Aに属するキーワードが数多く含まれた「情報」(ユーザーが必要とする可能性の高い情報)に対しては大きな正の値を示し、キーワード集合Bに属するキーワードが数多く付いている「情報」(ユーザーが不要とする可能性の高い情報)に対しては大きな負の値を示す数値に変換することができる。 【0069】こうして、前記数値を用いてユーザーの必要性に予測することができる。本発明では、提示した「情報」とその「情報」に関するユーザーの必要/不要の評価とからキーワード(キーワード共起を含む)への値の割り振りを自動的に行い精度の高い必要性信号の計算を実現し、精度高く必要性の高い順に「情報」を並べ変えることを実現している。 【0070】そのために、実施の形態1では、「情報」に付けられた複数のキーワードを一つのベクトルに変換し、ユーザーが必要とした場合と不要とした場合について、別々に前記ベクトルの自己相関行列を計算している。ユーザーが必要と答えた「情報」についていたキーワードから作られた自己相関行列MYを用いて、ベクトルVの長さSYを(式は省略。)と計算する。 【0071】なお、以下、必要と答えた「情報」についていたキーワードから作られた自己相関行列MYを「肯定メトリック信号」、不要と答えた情報についていたキーワードから作られた自己相関行列MNを「否定メトリック信号」と呼び、長さSYを肯定信号と呼ぶ。 【0072】この長さSYは、ベクトルVの元となった複数のキーワードの中に、ユーザーが必要とする「情報」によく含まれているキーワードが数多く含まれていれば、長さSYは大きな正の値をとり、そうでない場合には0に近い値をとるから、必要性信号を計算する上で有効である。」 「【0075】まず、情報フィルタリングユニット50に相当するブロックの構成を説明する。 【0076】情報フィルタリングユニット50は、個々の「情報」につけられた複数のキーワード(正確には、分類コードを含む文字列)をベクトルに変換する部分と、ユーザーがどんな「情報」を必要/不要としたという履歴を表現した肯定メトリック信号及び否定メトリック信号を用いてある種のスコアを表す肯定信号と否定信号を計算する部分と、この肯定信号と否定信号とから「情報」の必要性をよく反映する必要性信号を計算する部分と、この必要性信号の大きい順に情報を並べ変える部分からなる。以下、情報フィルタリングユニット50に相当するブロックの構成を、図1に即して説明する。 【0077】図1において、1は「情報」に付けられたキーワードなどの複数の文字列をベクトルに変換するベクトル生成部、2はキーワードなどの複数の文字列をベクトルに変換するための符号辞書信号を記憶した符号辞書記憶部である。この符号辞書記憶部2に記憶された符号辞書信号は、「情報」についているキーワードなどの文字列Wを数字Cに変換する対応表をnofDCK個有するコードブック」 「【0079】であり、ベクトル生成部1はキーワード数信号nofKsとnofKs個のキーワード信号からなるキーワード群信号Ks=(K[1],・・・,K[nofKs])とを受けキーワード群信号Ksと前記符号辞書信号DCKを用いてベクトル信号Vに変換する。3はスコア計算部で、ユーザーに提示された「情報」を必要/不要と評価した結果から計算された肯定メトリック信号MY、否定メトリック信号MNを用いて、ベクトル生成部1で変換された2つのベクトル信号Vの長さ、肯定信号SYと否定信号SNに変換する。5は(nofDCK×nofDCK)行列である前記肯定メトリック信号MYを記憶する肯定メトリック記憶部、6は(nofDCK×nofDCK)行列である前記否定メトリック信号MNを記憶する否定メトリック記憶部である。8は判定パラメータ信号Cを記憶する判定パラメータ記憶部、7は前記肯定信号SYと前記否定信号SNを受け前記判別パラメータ記憶部8から判定パラメータ信号Cを読み出し必要性信号Nと信頼性信号Rを計算する必要性計算部である。9は「情報」の本文である情報データDとキーワード数信号nofKsとキーワード群信号Ksと必要性信号Nと信頼性信号Rとを所定の手続きに従って後述する未読データ記憶部10に書き込む味読データ書き込み制御部、10は前記「情報」の本文である情報データDと前記キーワード数信号nofKsと前記キーワード群信号Ksと前記必要性信号Nと前記信頼性信号Rとからなる最大nofURD個の未読データ」 「【0081】を記憶する未読データ記憶部、13は最大nofTD個の教師データ信号」 「【0083】を記憶する教師データ記憶部である。次に、図2で示したインタフェースユニット51のブロックの構成を説明する。 【0084】図1において、11は制御信号DOを受け未読データ記憶部10から未読データ信号URD[1]を読み出し、表示信号DDを出力し、その表示信号DDがユーザーにとって必要か否かを示す教師信号Tをユーザーから受け、前記教師信号Tと前記未読データ信号URD[1]のキーワード数信号nofKs[1]とキーワード群信号Ks[1]とを所定の手続きに従って教師データ記憶部13に書き込む未読データ出力制御部であある。 【0085】次に、図2で示した学習ユニット52に相当するブロックの構成を説明する。学習ユニット52は、ユーザーから入力された教師信号Tを用いて肯定/否定メトリック信号を修正するメトリック学習を行う部分と、肯定/否定信号から必要性信号を計算するためのパラメータ、判定パラメータ信号、を修正する部分からなり、各部分は学習制御部によって制御される。 【0086】図1に示したメトリック学習を行う部分の構成は次のようである。図1において、19は肯定メトリック記憶部5に記憶された肯定メトリック信号MYと前記否定メトリック記憶部6に記憶された否定メトリック信号MNとを修正するメトリック学習部である。このメトリック学習部19は、教師データ記憶部13から前記教師データTDを読み出し、学習ユニット50のベクトル生成部1と同じ機能である学習用ベクトル生成部20で複数のキーワードをベクトルに変換し、自己相関行列を計算することで、肯定/否定メトリック信号を修正する。 【0087】判定パラメータ信号の学習を行う部分の構成は次のようである。図1において、22は学習用肯定信号計算部221と学習用否定信号計算部222とからなる学習用スコア計算部である。この学習用スコア計算部において、221は学習用ベクトル生成部20からの学習用ベクトル信号を受け学習用肯定信号LSYを計算する学習用肯定信号計算部、222は学習用ベクトル生成部20からの学習用ベクトル信号を受け学習用否定信号LSNを計算する学習用否定信号計算部である。21は学習制御部14からの判定パラメータ学習制御信号PLCを受けて所定の方法で判定パラメータ記憶部8の判定パラメータ信号を書き換える判定面学習部、14は学習開始信号LSを受けてスイッチ16、17、18とメトリック学習部19と学習用ベクトル生成部20と学習用スコア計算部22と学習用否定信号計算部23と判定面学習部21とを制御する学習制御部である。 【0088】以上のように構成された情報フィルタ装置について、各ユニットごとに図面を用いてその動作を説明する。 【0089】情報フィルタ装置の好ましい初期状態の一例は、肯定メトリック信号MYと否定メトリック信号MNとを(nofDCK×nofDCK)零行列、未読データ記憶部10の未読データURD[i]の全ての必要性信号N[i](i=1,・・・,nofURD)を使用するハードウエアが表現可能な最小の値Vmin、教師データ記憶部13の教師データTD[j]の教師信号T[j]を全て-1とした状態である。 【0090】最初に、情報フィルタリングユニット50の動作を説明する。まず、情報データ入力端子100から情報データDが入力され、キーワード数信号入力端子101から情報データに付けられたキーワードの個数を表すキーワード数信号nofKsが入力され、キーワード信号入力端子102から複数のキーワードであるキーワード群信号Ks=(K[1],K[2],・・・,K[nofKs])が入力される。 【0091】ベクトル生成部1によってキーワード群信号Ksは、文字列の集まりからベクトル信号Vへと変換される。この変換によって、キーワード群信号の類似性をベクトルの距離として計算できるようになる。ベクトル生成部1の動作を図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。まず、キーワード数信号nofKsとキーワード群信号Ksを受けると(図3ステップ(イ))、内部のベクトル信号V=(V[1],V[2],・・・,V[nofDic])を(0,0,・・・,0)に、キーワードカウンタ信号iを1にセットする(同図ステップ(ロ)、(ハ))。次に、辞書カウンタ信号jを0セットした後辞書カウンタ信号jを1だけ増やす(同図ステップ(ニ))。 【0092】次に、内部にnofDCK個の符号辞書信号DCKを有する辞書記憶部2から辞書カウンタjが指定するキーワードと数字からなる符号辞書信号DCK[j]を読み出し、符号辞書信号DCKの文字列部分W[j]とi番目のキーワード信号K[i]とを比較する(同図ステップ(ホ))。両者が等しくない場合には、辞書カウンタjを1だけ増やす(同図ステップ(ヘ))。両者が一致するか、辞書カウンタjの値が辞書記憶部2に格納された符号辞書信号の個数nofDiCと等しくなるまで図3ステップ(ホ)?(ト)の処理を繰り返す(同図ステップ(ト))。 【0093】キーワード信号K[i]と等しいW[j]が見つかると、ベクトル信号のj番目の成分V[j]を1にし(同図ステップ(チ))、キーワードカウンタ信号iを1だけ増やす(同図ステップ(リ))。以下、同様の処理をキーワードカウンタ信号iがキーワード数信号nofKsより大きくなるまで実行する(同図ステップ(ヌ))。 【0094】こうして、ベクトル生成部1において、文字列信号からなるキーワード信号の集合体であるキーワード群信号Ksは、0と1でコード化されたnofDCK個の成分を持ったベクトル信号Vに変換される。 【0095】次に、肯定信号計算部31は、キーワード群信号Ksに過去にユーザーの必要とした情報に含まれていたキーワードが数多く含まれる場合に、大きな値となる肯定信号SYを計算する。この目的のために、肯定信号計算部31は、前記ベクトル信号Vを受けて、肯定メトリック記憶部5から肯定メトリック信号MYを読み出し、肯定信号SYを」 「【0097】と計算する。否定信号計算部32は、キーワード群信号Ksに過去にユーザーの不要とした情報に含まれていたキーワードが数多く含まれる場合に、大きな値となる否定信号SNを計算する。この目的のために、否定信号計算部32は、否定メトリック記憶部6から否定メトリック信号MNを読み出し、否定信号SNを」 「【0099】と計算する。肯定メトリック信号MYと否定メトリック信号MNは、後述するようにキーワード群信号Ksとユーザーの応答に基づいて決められる。本発明では、このように計算された肯定信号SYと否定信号SNを用いて、図9に示したように縦軸に肯定信号SYをとり横軸に否定信号SNをとった2次元空間上の1点に、情報データDを対応させることができる。この2次元空間における情報データDの分布は、ユーザーが必要とするもの(○で表示)は主に左上部に分布し、ユーザーが不要とするもの(×で表示)は主に右下部に分布するようになる。したがって、図10に示したように適切な係数Cを定めることにより、ユーザーが必要とる情報データDと不要な情報データDとを分離できる。 【0100】さらに、以下に述べるこの係数Cを用いて計算される必要性信号Nは、上述の2次元空間で左上にある程、すなわち、必要性の高いと予測される情報データDほど大きな値となる。したがって、必要性信号Nの大きい順に情報データDを並べて提示すれば、ユーザーは必要な情報を効率よく手に入れることができる。必要性信号Nと直交する方向の信頼性信号Rは、大まかにはキーワード群信号Ksに含まれていたキーワードのうちどのくらいのキーワード信号が辞書に含まれていたかを示す信号である。したがって、この信頼性信号Rの大きさは、情報フィルタが計算した必要性信号Nがどれだけ信頼できるのかを示す。 【0101】次に、必要性計算部7は、前記肯定信号計算部31から出力される前記肯定信号SYと前記否定信号計算部32から出力される前記否定信号SNとを受け、判定パラメータ記憶部8から判定パラメータ信号Cを読み出し、過去必要であった情報についていたキーワードが多数あり、不要であった情報についていたキーワードがほとんどない時に大きな値となる必要性信号Nを N=SY-C・SN と計算し、信頼性信号Rを R=C・SY+SN と計算する。 【0102】未読データ書き込み制御部9の動作を、図4に示したフローチャートを参照しながら説明する。まず、それぞれの入力端子から前記情報データDと前記キーワード数信号nofKsと前記キーワード群信号Ksと受け、必要性計算部7から前記必要性信号Nと前記信頼性信号Rとを受け、未読データ部指示端子110から出力する未読データ処理信号WIを0から1に変える(図4ステップ(イ))。次に、i=1とし(同図ステップ(ロ))、未読データ記憶部10に記憶された未読データURD[i]の必要性信号N[i](i=1,・・・,nofURD)を順次読み出し、前記必要性信号Nと比較し(同図ステップ(ハ))、前記必要性信号Nが未読データURD[i]の必要性信号N[i]より大きくなる(N≧N[i])最初の未読データの番号i1を検出する(同図ステップ(ニ)(ホ))。 【0103】i1番目以降の未読データを URD[i+1]=URD[i] i=i1,・・・,nofURD と置き換え(同図ステップ(ヘ)?(リ))、その後、i1番目の未読データURD[i1]を N[i1] =N R[i1] =R nofKs[i1] =nofKs Ks[i1] =Ks D[i1] =D と前記必要性信号N等で置き換える(同図ステップ(ヌ))。この置き換えが終了すると、未読データ部指示端子110から出力する未読データ部指示信号WIを0に戻し(同図ステップ(ル))、処理を終了する。 【0104】次に、未読データUDRを読みだし、ユーザーの応答(教師信号T)を付加して教師データ信号TDをつくるインターフェースユニット51について説明する。インターフェースユニット51の動作を図5に示したフローチャートを参照しながら説明する。 【0105】データ読み出し開始信号入力端子103から、データ読み出し開始信号DOが入力される(図5ステップ(イ))。未読データ出力制御部11は、前記未読データ記憶部10から1番目の未読データURD[1]を読み出し(同図ステップ(ロ))、未読データの必要性信号N[1]が最小値Vminより大きい場合には、未読データ信号URD[1]の情報信号D[1]を表示情報信号DDとしてデータ表示端子104に出力し、待機する(同図ステップ(ハ)、(ニ))。未読データの必要性信号N[1]が最小値Vminに等しい場合には、表示情報信号DDを「データなし」としてデータ表示端子104に出力し、待機する(同図ステップ(ホ))。 【0106】ユーザー(図示せず)は、データ表示装置(図示せず)に表示された表示情報信号DDを見て、それが必要な情報である場合には教師信号T=1、必要でない場合には教師信号T=0、処理を終了する場合には教師信号T=-1として、教師信号入力端子105に返す(同図ステップ(ヘ))。教師信号T=-1の場合、処理を終了し、教師信号T≠-1の場合には(同図ステップ(ト))、未読データ出力制御部11は、教師データ記憶部13の(数2)で表わされる教師データを TD[i]=TD[i-1], i=2,・・・,nofTD と置き換え(同図ステップ(ル))、1番目の教師データTD[1]を前記教師信号Tと前記未読データのキーワード数信号nofKs[1]とキーワード群信号Ks[1]とを用いて T[1] =T TnofKs[1] =nofKs[1] TKs[1] =Ks[1] と置き換え(同図ステップ(ル)、(ヲ))、前記未読データ記憶部10の未読データURDを URD[i]=URD[i+1], i=1,・・・,(nofURD-1) とし(同図ステップ(ワ)、(カ))、nofURD番目の未読データの必要性信号を N[nofURD]=(最小値Vmin) とする(同図ステップ(ヨ)、(タ)、(レ))。」 「【0107】次に、学習ユニット52の動作について図6?図8に示したフローチャートを参照しながら説明する。 【0108】図6に学習制御部14の動作の概略を示すフローチャート示し、詳しく説明する。 【0109】図6において、まず、学習開始信号入力端子106から学習開始信号LSが入力され、学習制御部指示信号出力端子107から出力される学習制御部指示信号LIを0から1に変え(図6ステップ(イ))、処理中を示す。次に、スイッチ16とスイッチ17とスイッチ18とをメトリック学習部19と学習用ベクトル生成部20が接続する様に切り替える(同図ステップ(ロ))。 【0110】次に、図7のステップ(ハ)に対応するメトリック学習部19を動作し(同図ステップ(ハ)、判定面学習部21を動作させた後(同図ステップ(ニ))、LIを0として(同図ステップ(ホ))、処理を終了する。 【0111】次に、メトリック学習部19がユーザーの応答(教師信号T)とキーワード群信号Ksとを用いて、肯定/否定メトリック信号を修正する動作を図7を用いて説明する。 【0112】図7は、メトリック学習部19の動作のフローチャートであり、同図において、前記学習制御部14からメトリック学習制御信号MLCを受けた(図7ステップ(イ))メトリック学習部19は、肯定メトリック記憶部5から肯定メトリック信号MYを、否定メトリック記憶部6から否定メトリック信号MNをそれぞれ読み出す。 【0113】次に、メトリック学習部19は、教師データカウンタcの値を1にする(同図ステップ(ロ))。次に教師データ記憶部13からc番目の教師データ信号TD[c]を読み出し(同図ステップ(ハ))、教師データTD[c]の教師信号T[c]を調べる。前記教師信号T[c]が-1でない場合(T≠-1)には(同図ステップ(ニ))、教師データTD[c]のキーワード数信号TnofKs[c]とキーワード群信号TKs[c]とを出力する(同図ステップ(ホ))。前記教師データTD[c]のキーワード数信号TnofKs[c]とキーワード群TKs[c]とを受けた学習用ベクトル生成部20は、前述の情報フィルタリングユニット50のベクトル生成部1と同様の動作を行い、学習用ベクトル信号LVを出力する(同図ステップ(ヘ))。メトリック学習部19は、前記学習用ベクトル信号LVを受け、前記教師データTD[c]の教師信号T[c]がT=1である場合には(同図ステップ(ト))、肯定メトリック信号MYを MY[i][j]=MY[i][j]+LV[i]・LV[j] (ここで、i,j=1?nofDiC)と修正する(同図ステップ(チ))。 【0114】この処理により、肯定メトリック信号MYは、ユーザーが必要とした情報データDについていたキーワード信号(複数)に対して大きな値を持つようになる。その結果、前述の肯定信号SYが、ユーザーが必要とする情報データDに対して大きくなるようになる。否定メトリック信号MNも以下のように同様の処理がなされる。 【0115】前記教師データTD[c]の教師信号T[c]がT=0である場合には、否定メトリック信号MNを MN[i][j]=MN[i][j]+LV[i]・LV[j] (ここで、i,j=1?nofDiC)と修正する(同図ステップ(リ))。 【0116】教師データカウンタの値を c=c+1 と1だけ増やす(同図ステップ(ヌ))。 【0117】以下、メトリック学習部19は、同様の動作を、教師データTD[c]の教師信号T[c]がT[c]=-1になるかまたはc=nofTDとなるまで繰り返す。T[c]=-1またはc=nofTDとなると(同図ステップ(ヲ))、メトリック学習の処理を終了し、メトリック学習制御信号MLCを学習制御部14に送る。 【0118】学習制御部14は、メトリック学習部19からのメトリック学習制御信号MLCを受けて、スイッチ16を学習用ベクトル生成部20とスコア計算部22とが接続するように切り替え、スイッチ17とスイッチ18を学習用ベクトル生成部20と判定面学習部21とが接続するように切り替える。学習制御部14は、判定面学習制御信号PLCを判定面学習部21に送る。」 (刊行物2の記載、以上) (b)刊行物2に記載された発明 刊行物2の上記摘記事項によれば、「刊行物2に記載された発明」として、以下のようなものを認定できる。 「使用者にとって必要性の高い情報を取り出し易い情報フィルタ装置」(段落【0006】)において、 「ユーザー(図示せず)は、データ表示装置(図示せず)に表示された表示情報信号DDを見て、それが必要な情報である場合には教師信号T=1、必要でない場合には教師信号T=0」(段落【0106】)とし、 「教師データTD[c]のキーワード数信号TnofKs[c]とキーワード群信号TKs[c]とを出力」して、「前記教師データTD[c]のキーワード数信号TnofKs[c]とキーワード群TKs[c]とを受けた学習用ベクトル生成部20は、前述の情報フィルタリングユニット50のベクトル生成部1と同様の動作を行い、学習用ベクトル信号LVを出力する」(段落【0113】)ものであって、 「前記学習用ベクトル信号LVを受け、前記教師データTD[c]の教師信号T[c]がT=1である場合には(同図ステップ(ト))、肯定メトリック信号MYをMY[i][j]=MY[i][j]+LV[i]・LV[j]」(段落【0113】)とし、 「前記教師データTD[c]の教師信号T[c]がT=0である場合には、否定メトリック信号MNをMN[i][j]=MN[i][j]+LV[i]・LV[j]」(段落【0115】)とし、 一方、「情報データ入力端子100から情報データDが入力され、キーワード数信号入力端子101から情報データに付けられたキーワードの個数を表すキーワード数信号nofKsが入力され、キーワード信号入力端子102から複数のキーワードであるキーワード群信号Ks=(K[1],K[2],・・・,K[nofKs])が入力され」(段落【0090】)、 「キーワード群信号の類似性をベクトルの距離として計算できるように」するために、「ベクトル生成部1によってキーワード群信号Ksは、文字列の集まりからベクトル信号Vへと変換され」(段落【0091】)、 「キーワード群信号Ksに過去にユーザーの必要とした情報に含まれていたキーワードが数多く含まれる場合に、大きな値となる」ように、「肯定信号計算部31は、前記ベクトル信号Vを受けて、肯定メトリック記憶部5から肯定メトリック信号MYを読み出し、肯定信号SYを」(段落【0095】)計算し、 「キーワード群信号Ksに過去にユーザーの不要とした情報に含まれていたキーワードが数多く含まれる場合に、大きな値となる」ように、「否定信号計算部32は、否定メトリック記憶部6から否定メトリック信号MNを読み出し、否定信号SNを」(段落【0097】)計算し、 「次に、必要性計算部7は、前記肯定信号計算部31から出力される前記肯定信号SYと前記否定信号計算部32から出力される前記否定信号SNとを受け、判定パラメータ記憶部8から判定パラメータ信号Cを読み出し、過去必要であった情報についていたキーワードが多数あり、不要であった情報についていたキーワードがほとんどない時に大きな値となる必要性信号NをN=SY-C・SNと計算」(段落【0101】)して、 「必要性信号N」の大きい順に、「未読データ」を「置き換える」(段落【0102】)「情報フィルタ装置」(段落【0001】)。 刊行物2に記載された発明の「肯定メトリック信号MY」は、表示された表示情報信号DDが必要な情報である場合に、その情報に対するキーワード群をベクトル化したLVを既に蓄積されている肯定メトリック信号MYに追加加算することで得るものであるから、ユーザの必要性に関する正の要因を示す“第1の情報”といえる。 刊行物2に記載された発明の「否定メトリック信号MN」は、表示された表示情報信号DDが必要でない情報である場合に、その情報に対するキーワード群をベクトル化したLVを既に蓄積されている否定メトリック信号MNに追加加算することで得るものであるから、ユーザの必要性に関する負の要因を示す“第2の情報”といえる。 刊行物2に記載された発明の「ベクトル信号V」は、入力された情報データDと一緒に入力されるキーワード群をベクトル化したものであるから、情報データDの“属性情報”といえる。 刊行物2に記載された発明の「肯定信号SY」は、ベクトル信号Vと肯定メトリック信号MYとから、過去にユーザーの必要とした情報に含まれていたキーワードが数多く含まれる場合に、大きな値となるように計算されるものであって、キーワード群信号の類似性をベクトルの距離として計算するものであるから、ベクトル信号Vと肯定メトリック信号MYとの“第1の類似度”といえ、 上述のとおり、「ベクトル信号V」は、情報データDの“属性情報”といい得るものであり、「肯定メトリック信号MY」は、ユーザの必要性に関する正の要因を示す“第1の情報”といい得るものであるから、 刊行物2に記載された発明の「肯定信号SY」は、第1の情報と属性情報との“第1の類似度”といえる。 刊行物2に記載された発明の「否定信号SN」は、ベクトル信号Vと否定メトリック信号MNとから、過去にユーザーの不要とした情報に含まれていたキーワードが数多く含まれる場合に、大きな値となるように計算されるものであって、キーワード群信号の類似性をベクトルの距離として計算するものであるから、ベクトル信号Vと否定メトリック信号MNとの“第2の類似度”といえ、 上述のとおり、「ベクトル信号V」は、情報データDの“属性情報”といい得るものであり、「否定メトリック信号MN」は、ユーザの必要性に関する負の要因を示す“第2の情報”といい得るものであるから、 刊行物2に記載された発明の「否定信号SN」は、第2の情報と属性情報との“第2の類似度”といえる。 刊行物2に記載された発明の「必要性信号N」は、肯定信号SYと否定信号SNとを用いて、過去必要であった情報についていたキーワードが多数あり、不要であった情報についていたキーワードがほとんどない時に大きな値となるような値を、情報データが入力される毎に計算するものであるから、“必要性の度合いに応じた値”といえ、 上述のとおり、「肯定信号SY」は、“第1の類似度”といい得るものであり、「否定信号SN」は、“第2の類似度”といい得るものであるから、 刊行物2に記載された発明は、第1の類似度と第2の類似度を用いて、“必要性の度合いに応じた値”を入力された情報データ毎に算出して、その“必要性の度合いに応じた値”順に情報データを置き換えるものといえる。 以上によると、刊行物2に記載された発明は、 「ユーザにとって必要性の高い情報を取り出し易い情報フィルタ装置において、 ユーザの必要性に関する正の要因を示す第1の情報と入力された情報データDの属性情報とから第1の類似度を生成し、 ユーザの必要性に関する負の要因を示す第2の情報と入力された情報データDの属性情報とから第2の類似度を生成し、 第1の類似度と第2の類似度を用いて、必要性の度合いに応じた値を入力された情報データ毎に算出して、その値順に情報データを置き換える」 ものといえる。 (c)刊行物2に記載された発明の適用の容易性 刊行物1発明は、受信したテレビジョン番組等のプログラムから、ユーザの嗜好にあったプログラムのみを出力するものであり、刊行物2に記載された発明は、ユーザにとって必要性の高い情報を取り出すためのものであるから、刊行物1発明と刊行物2に記載された発明とは、共に、大量のデータの中からユーザが望むデータを抽出することを目的とするものであるといえる。 そして、刊行物1発明は、ユーザの嗜好の正の要因を示す嗜好情報から類似度を算出し、この類似度をユーザの嗜好にあったコンテンツを決定するために用いられる値とするものであるところ、 刊行物2に記載された発明は、刊行物1発明と同様の目的である、大量のデータの中からユーザが望むデータを抽出することを達成するために、ユーザの必要性に関する正の要因を示す第1の情報と、ユーザの必要性に関する負の要因を示す第2の情報との情報から2つの類似度を算出し、これら2つの類似度を用いて、必要性の度合いに応じた値を入力された情報データ毎に算出するものであり、 上述したように、刊行物1には、嗜好の正の要因を示す嗜好情報以外に、負の嗜好情報のような情報を用いることができるとの示唆も存在していることから、 刊行物1発明に刊行物2に記載された発明を適用しようとすることは、当業者が容易に想起することといえる。 そうすると、刊行物1発明の「嗜好情報」として、「前記ユーザの嗜好の正の要因を示す嗜好情報」を、「前記ユーザの嗜好の正の要因を示す第1の嗜好情報と、前記ユーザの嗜好の負の要因を示す第2の嗜好情報」とすることは、当業者が容易に想到できることといえ、 そのようにする際、刊行物1発明の「類似度」を、「第1の類似度」、「第2の類似度」とし、刊行物1発明の「ユーザ嗜好コンテンツ情報生成手段」が、「前記嗜好情報と前記属性情報との類似度を算出」するものを、「前記第1の嗜好情報と前記属性情報との第1の類似度、および、前記第2の嗜好情報と前記属性情報との第2の類似度をそれぞれ独立に算出」するようにすることは、ごく普通なことといえ、 また、刊行物2に記載された発明は、「2つの類似度を算出し、これら2つの類似度を用いて、必要性の度合いに応じた値を入力された情報データ毎に算出する」ものであることから、刊行物1発明の「前記類似度から、前記ユーザの嗜好にあったコンテンツを決定するために用いられる値を導(き、)」くこととして、「前記類似度を」(前記ユーザの嗜好にあった)「コンテンツを決定するために用いられる値とし、」を、「前記第1の類似度および前記第2の類似度を用いて」(前記ユーザの嗜好にあった)「コンテンツを決定するために用いられる値を、前記コンテンツに対して算出(し、)」するようにすることも、当業者が容易に想到し得ることといえる。 以上によれば、本願発明の上記相違点2に係る構成は、刊行物2に記載された発明に基づいて当業者が容易になし得ることである。 (3)まとめ(判断) 以上のように、本願発明の上記相違点1、2に係る構成は、いずれも当業者が容易になし得ることであり、上記相違点を総合しても、想到することが困難な格別な事項は見出せない。 6 効果等 本願発明の効果についてみても、上記構成の採用に伴って当業者が当然に予測し得る範囲内のものであり、同範囲を超える格別顕著なものがあるとは認められない。 7 まとめ したがって、本願発明は、刊行物1、2に記載された発明、及び周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第5 むすび 以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、刊行物1、2に記載された発明、及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、請求項2ないし36について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2010-07-28 |
結審通知日 | 2010-07-29 |
審決日 | 2010-08-11 |
出願番号 | 特願2002-361277(P2002-361277) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H04N)
P 1 8・ 572- Z (H04N) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 西谷 憲人 |
特許庁審判長 |
藤内 光武 |
特許庁審判官 |
渡邊 聡 佐藤 直樹 |
発明の名称 | 情報処理装置および情報処理方法、記録媒体、並びにプログラム |
代理人 | 稲本 義雄 |