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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01L |
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管理番号 | 1228086 |
審判番号 | 不服2009-953 |
総通号数 | 133 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2011-01-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-01-09 |
確定日 | 2010-12-28 |
事件の表示 | 特願2002-301421「圧力式流量制御装置の温度測定装置」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 5月13日出願公開、特開2004-138425、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
本願は、平成14年10月16日の出願であって、その請求項に係る発明は、特許請求の範囲の請求項に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。 そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 すなわち、原審で引用された下記刊行物のいずれにも、本願各請求項に係る発明を特定する事項である 「圧力式流量制御装置に於いて、前記圧力センサ及び温度センサを、受圧面に形成した4個の抵抗を4辺とするブリッジ回路の入力端子間に定電流電源を接続してその出力端子間の電圧変化で流体圧力P1を検出すると共に、前記入力端子間の電圧変化で流体温度を検出する構成の温度と圧力を同時に検出する一つの圧力温度センサとし、・・・前記圧力温度センサの圧力の出力電圧Vpにメモリ手段のデータを用いてスパン補正手段により流体温度Tに対応した補正を行ってこれを流体圧力P1に変換すると共に、前記流体圧力P1が零の際に前記圧力温度センサに圧力のゼロ点ドリフト電圧が生じたときにはメモリ手段のデータを用いてゼロ点補正手段により流体温度Tに対応した補正すべきゼロ点ドリフト電圧V0を演算し、D/A変換器を介して前記圧力温度センサの圧力の出力電圧Vpを増幅する固定増幅器のオフセット端子へ前記演算したゼロ点ドリフト電圧V0のマイナス値を出力する温度ドリフト補正手段」を備えていない。 すなわち、刊行物1は本願発明と同様の圧力式流量制御装置であり、流量Q´の温度補正を行うものであるが、圧力検出器3と温度検出器4は別個に設けられており、本願発明のような「圧力センサ及び温度センサを、受圧面に形成した4個の抵抗を4辺とするブリッジ回路の入力端子間に定電流電源を接続してその出力端子間の電圧変化で流体圧力P1を検出すると共に、前記入力端子間の電圧変化で流体温度を検出する構成の温度と圧力を同時に検出する一つの圧力温度センサ」を備えているわけではなく、しかも、圧力検出器3と温度検出器4は、流体のそれぞれ異なる場所における値を計測しているため、温度検出器4が計測した温度値でもって圧力検出器3が検出した圧力値の温度ドリフト補償を行うことを想定し得ないものである。 一方、刊行物2、4は半導体圧力検出器であって、本願不明と同様の「一つの圧力温度センサ」を備えているが、検出された温度は圧力変換器の内部温度を表し、専ら補助的なパラメータとして圧力値の温度補償に用いられるのみであって、圧力値の温度補償とは独立して外部温度を表すパラメータとして外部に出力することを示唆するものではない。 そうすると、刊行物2、4に記載の発明を刊行物1に記載の発明に組み合わせることはできないものであり、たとえ組み合わせ得るとしたところで、刊行物1の圧力検出器3として刊行物2、4に示された構成を採用したものが得られるに過ぎない。 刊行物3、5は本願発明と同様の圧力温度センサで流体の圧力・温度を同時に検出することを記載するにとどまる。 刊行物6は、本願発明と同様の圧力温度センサではあるが、血圧・温度を計測し、血圧値の温度補償を行うものを記載するにとどまる。 刊行物7は、演算流量式の比例定数Kが温度の関数であることが周知であることを示すに過ぎない。 そして、前記構成によって本願発明は、「簡単な構成でもって流体の高精度な圧力式流量制御を行うことができる」という、明細書に記載の効果を奏し得るものである。 したがって本願発明は、刊行物1ないし7に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 記 刊行物1.特開平08-338546号公報 刊行物2.特開昭57-090107号公報 刊行物3.特開昭61-238529号公報 刊行物4.特開昭62-168030号公報 刊行物5.特開平02-242121号公報 刊行物6.特開平10-267779号公報 刊行物7.特開2000-075931号公報 |
審決日 | 2010-12-13 |
出願番号 | 特願2002-301421(P2002-301421) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(G01L)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 櫻井 健太 |
特許庁審判長 |
飯野 茂 |
特許庁審判官 |
森 雅之 古屋野 浩志 |
発明の名称 | 圧力式流量制御装置の温度測定装置 |
代理人 | 谷田 龍一 |
代理人 | 杉本 丈夫 |
代理人 | 杉本 丈夫 |
代理人 | 谷田 龍一 |
代理人 | 杉本 丈夫 |
代理人 | 谷田 龍一 |