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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1230790
審判番号 不服2008-17771  
総通号数 135 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-07-10 
確定日 2011-01-20 
事件の表示 特願2001-362246「作業効率促進用データベースの構築方法、及び、作業効率促進用データベースの構築システム」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 6月 6日出願公開、特開2003-162530〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成13年11月28日の出願であって、平成19年11月7日付けで拒絶理由通知がなされ、平成20年1月15日付けで手続補正がなされたが、同年5月30日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年7月10日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同年8月11日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成20年8月11日付けの手続補正(以下、「本件手続補正」という。)についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成20年8月11日付けの手続補正を却下する。

[理由]
(1)補正後の請求項2に係る発明
本件手続補正により、特許請求の範囲の請求項2は、
「部品を用いて行われる作業の効率を促進するために用いられるデータベースを構築するシステムであって、
前記作業に用いられる部品の部品識別情報を含む入力に基づいて、前記作業の見積を生成する手段と、
前記見積の生成のために入力された前記部品識別情報をキーとして前記データベースを検索し、該部品識別情報に対応付けられて該データベースに蓄積されている、作業で使用された部品、該部品の使用状況または作業時間に係る情報を含む、作業の結果と、作業効率を高めるための情報を含む、その作業を行う上での注意点と、を読み出す検索手段と、
前記検索手段によって読み出された前記作業の結果および注意点を出力する出力手段と、
前記出力手段によって出力された前記作業の結果および注意点を確認した作業者による作業が完了した後に、該作業の結果および注意点の入力を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段によって受け付けられた前記作業の結果および注意点を、前記見積の生成のために入力された前記部品識別情報に対応付けて前記データベースに格納する格納手段と、
を備える、作業効率促進用データベースの構築システム。」
と補正された。

上記補正は、補正前の請求項2における「部品識別情報を含む入力に基づいて、前記作業の見積を生成する手段」を「前記作業に用いられる部品の部品識別情報を含む入力に基づいて、前記作業の見積を生成する手段」に限定するものであって、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件手続補正後の上記請求項2に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について、以下に検討する。

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開平11-134403号公報(以下、「引用例1」という。)、特開平3-92719号公報(以下、「引用例2」という。)、特開2000-57226号公報(以下、「引用例3」という。)には、それぞれ、図面とともに次の事項が記載されている。

(引用例1)
A.「【請求項1】 事故車の車両の種類を入力して事故車の修理費用の見積を行う事故車修理費用見積システムにおいて、
車両の構造および種類に対応させた当該車両の修理作業に必要なデータを格納しているデータベースを備え、
該データベースは、該修理作業見積のための入力項目に対応した注意ないし助言のデータを格納しており、
項目が入力されると、該入力された項目に対応した注意ないし助言のデータを検索し、
注意または助言のデータがあれば、そのデータを出力することを特徴とする事故車修理費用見積システム。」

B.「【0024】本システムを用いた修理作業項目の選択および見積作成について、図2のフローチャートに基づいて説明する。
【0025】見積者は見積プログラムの起動を指示すると、見積プログラムがシステム・メモリ2にロードされてCPU1により実行される。見積者が入力装置3により見積書作成を指示する(S10)と、見積処理(S12)へと移行する。」

C.「【0027】次いで、見積者がCRT7の表示画面上で修理を要する部位、部品等を入力装置3により指定し、選択項目として選択可能な取替、鈑金修正、調整、分解、オーバーホール等の修理作業内容を、選択入力する(S20)。」

D.「【0031】図2のフローチャートに戻り、このように部位や部品を選択し、作業を特定することにより、見積対象項目を特定して、図7の表に示すような部位選択がすべて完了する(S28)と、修理費用が算出できる(S30)。この修理費用は、リストアップされた部位、部品の費用を部品情報データベースから取得するとともに、修理内容に応じて予め定められている作業指数を取得し、予め入力した修理作業のレバレート(時間当たり単価)に基づき修理技術料金を算出して、上記部品代を加えることにより行われる。
【0032】これに塗装費用を別途算出して(S32)、見積書が完成する(S34)。これを表示・印刷することにより、見積作業が完了する。」

E.「【0058】以上説明したように、従来の見積システムでは、見積者は何等の判断材料もなく、自らの経験と勘により入力していたのに対し、この実施形態では妥当な見積の根拠となるべき判断支援手段、注意等も表示されているから、経験の浅い者でも、判断支援手段に補佐されて、適切な見積書作成を相当のスピードで行うことができる。さらに、必要に応じて、システム内に搭載したデータベースに対しても個別に参照できるので、見積だけでなく、修理作業にも本システムを役立てることができる。」

F.「【0064】3)修理総合データベースから得られる注意ないし助言等の情報の表示形態は任意に設定し得る。たとえば、修理注意ポイント情報だけ知りたい場合には、当該ポイント名称をまず表示させ、当該ポイントの属する部位、部品につき修理データベースや部品データベースの検索に必要な部品番号(または型番等)を表示すればよい。」

上記Bには、見積作成をCPUにより実行すると記載されており、上記Dには、部品等を選択し、データベースから取得した情報に基づいて見積書を作成することが示されている。そして、上記Cには、修理を要する部品等の指定を入力装置により行うことが示されており、また、上記Fには、データベースの検索に部品番号を用いることが示されていることから、「CPU」は、「修理を要する部品の部品番号を含む入力に基づいて、データベースを検索し、見積を生成」しているといえる。

よって、上記A?Fの記載及び関連する図面を参照すると、引用例1には、次の発明が記載されているものと認められる。(以下、「引用例1記載の発明」という。)
「車両の構造および種類に対応させた当該車両の修理作業に必要なデータを格納しているデータベースと、
修理を要する部品の部品番号を含む入力に基づいて、前記データベースを検索し、見積を生成するCPUと、
を備え、
前記データベースを参照して修理作業にも役立てることができる事故車両修理費用見積システム。」

(引用例2)
G.「第1図に示すように、本実施例の設備保守作業支援装置1は、○1(審決注:○囲み数字を表記することができないため、「○1」と表記する。以下、同様。)保守作業計画情報、○2保守作業要領情報、○3保守作業実績情報、○4保守作業知識情報および○5マスターデータの5種類の保守情報を持つ保守作業データベース2と、・・・(中略)・・・ から構成されている。」(第3頁右上欄第1行?第14行)

H.「(4)保守作業実績情報
設備機器毎の保守作業実績、例えば、作業実施年月日、作業内容、作業手順、使用した作業工具・用具、試験・検査装置、作業コスト(期間、従事作業数)、点検・試験結果、取替・保守結果、などのデータを管理している。
(5)保守作業知識情報
設備機器毎の保守作業知識、例えば、経験もしくは予想される保守作業上の注意事項、禁止事項、確認事項あるいは、点検・試験時の不具合の徴候、事象、などのデータを管理している。」(第3頁右下欄第20行?第4頁左上欄第10行)

上記G,Hの記載及び関連する図面を参照すると、引用例2には、次の発明が記載されているものと認められる。(以下、「引用例2記載の発明」という。)
「作業実施年月日、作業期間、取替・保守結果など保守作業実績と、保守作業上の注意事項などの保守作業知識を設備機器毎に持つ保守作業データベースを有する設備保守作業支援装置。」

(引用例3)
I.「【0022】保守情報用コンピュータ2は、保守対象となる各機器の保守マニュアル情報をハードディスク22に記録している。そして、携帯端末1から公衆回線網、DSU26、TA25を通じて情報要求信号を受け取ると、CPU21は、保守マニュアル情報のうち要求されている情報をハードディスク22内の情報から検索し、TA25、DSU26を通じて外部に送信する。保守マニュアル情報は、保守対象の機器、それらの機器の部位、不具合内容等によって検索することが可能であり、また、保守対象の機器の発するエラーコードによって検索することが可能であるように蓄積されている。これらの情報を更新する場合には、キーボード24その他の入力手段により更新作業が行われる。
【0023】また、保守情報用コンピュータ2は、過去に行われた保守実績の情報もハードディスク22に記録している。そして、DSU26、TA25を通じて外部から情報を要求する信号を受け取ると、CPU21は、保守実績の情報のうち要求されている情報を情報をハードディスク22内の情報から検索し、TA25、DSU26を通じて外部に送信する。保守実績の情報も、保守対象の機器、それらの機器の部位、不具合内容等に応じて検索することが可能であり、また、保守を行った機種名、保守対象の機器の発するエラーコード、不具合内容、対応内容等によって検索することも、それらの機器が設置してあるクライアントや保守担当者名から検索することも可能であるように蓄積されている。」

J.「【0026】各カスタマエンジニアはこれらの携帯端末1a,1b,1c,,,を携帯し、必要なとき、例えば、機器の保守を行うに先立って、又は機器の保守を行っている最中に、キーボード14により携帯端末1を操作し、移動体通信手段15を通じて保守情報用コンピュータ2から保守マニュアル情報や過去の保守実績の情報を取り出す。それらの情報は公衆回線網を通じて移動体通信手段15から取り込まれ、ハードディスク12内に蓄積され、また、液晶ディスプレイ13に表示される。CPU11は、それらの情報の流れの制御及び加工を行う。なお、各カスタマエンジニアは携帯端末1a,1b,1c,,,を携帯しているため、24時間、365日、自分がいる場所を問わず、保守マニュアル情報や過去の保守実績の情報を取り出すことができる。」

K.「【0033】そして、緊急に保守の必要が生じた予定外の機器の保守に向かうカスタマエンジニアは、携帯端末1を通じて本社の保守情報用コンピュータ2にアクセスして、その保守対象の機器の保守マニュアル及び最近の保守実績の情報を閲覧することができる。よって、そのカスタマエンジニアの担当したことがない機種、経験したことがない不具合であっても、そのカスタマエンジニアは入手した情報をもとに対応することができる。
【0034】業務終了後、カスタマエンジニアは、支社において業務報告を作成し、支社内の入力端末3や携帯端末1を通じてその内容を業務実績の情報として本社の保守情報用コンピュータ2に送信、入力する。携帯端末1はキーボードを備えるため、カスタマエンジニアは、出先で携帯端末1により業務報告を作成し、送信することも可能である。そして、保守情報用コンピュータ2に送信、入力する業務実績の情報には、保守を行った日時、カスタマエンジニアの氏名、クライアント名、保守を行った機種名、エラーコード、不具合内容、対応内容等が含まれている。その業務実績の情報は、保守情報用コンピュータ2内に蓄積され、その後の携帯端末1や支社内の端末からのアクセスによって閲覧することができるようになる。」

上記I?Kの記載及び関連する図面を参照すると、引用例3には、次の発明が記載されているものと認められる。(以下、「引用例3記載の発明」という。)
「携帯端末と、保守情報用コンピュータとからなる技術サービス用ネットワークシステムにおいて、
前記携帯端末は、前記保守情報用コンピュータから保守対象の機器の保守マニュアル情報及び保守実績の情報を取得して表示するとともに、
表示された保守対象の機器の保守マニュアル情報及び保守実績の情報を閲覧して保守を行ったカスタマエンジニアによる業務終了後に、前記カスタマエンジニアに入力された業務実績の情報を保守情報用コンピュータに送信し、
保守情報用コンピュータは、保守対象の機器の保守マニュアル情報及び保守実績の情報を検索して携帯端末に送信するとともに、
前記携帯端末から送信された前記業務実績の情報を格納する
技術サービス用ネットワークシステム。」

(3)対比
本願補正発明と引用例1記載の発明とを対比すると、次のことがいえる。

(あ)引用例1記載の発明における「修理を要する部品」は、修理の作業に用いられる部品を意味するものであるから、本願補正発明における「作業に用いられる部品」に相当するものである。

(い)引用例1記載の発明における「部品番号」は、部品の検索に必要な情報であるから、部品を識別するための情報であるといえるので、本願補正発明における「部品識別情報」に相当するものである。

(う)引用例1記載の発明における「見積」は、修理作業の内容に基づいて算出されるものであるから、「作業の見積」であるといえる。

(え)引用例1記載の発明における「事故車両修理費用見積システム」と、本願補正発明における「作業効率促進用データベースの構築システム」とは、ともに、「システム」である点で共通するものである。

上記(あ)?(え)の事項を踏まえると、本願補正発明と引用例1記載の発明とは、次の点で一致し、また、相違するものと認められる。

(一致点)
本願補正発明と引用例1記載の発明とは、ともに、
「作業に用いられる部品の部品識別情報を含む入力に基づいて、前記作業の見積を生成する手段、
を備える、システム。」
である点。

(相違点)
相違点:本願補正発明は、「見積の生成のために入力された部品識別情報をキーとしてデータベースを検索し、該部品識別情報に対応付けられて該データベースに蓄積されている、作業で使用された部品、該部品の使用状況または作業時間に係る情報を含む、作業の結果と、作業効率を高めるための情報を含む、その作業を行う上での注意点と、を読み出す検索手段」と、「前記検索手段によって読み出された前記作業の結果および注意点を出力する出力手段」と、「前記出力手段によって出力された前記作業の結果および注意点を確認した作業者による作業が完了した後に、該作業の結果および注意点の入力を受け付ける入力受付手段」と、「前記入力受付手段によって受け付けられた前記作業の結果および注意点を、前記見積の生成のために入力された前記部品識別情報に対応付けて前記データベースに格納する格納手段」とを備える「部品を用いて行われる作業の効率を促進するために用いられるデータベースを構築するシステム」であるのに対し、引用例1記載の発明は、上記各手段を備えるものではなく、「データベースを構築するシステム」と呼び得るものでもない(引用例1には、「データベースを参照して修理作業にも役立てることができる」ことは記載されているが、修理作業にどのように役立てるかについての具体的記載はない。)点。

(4)判断
そこで、上記相違点について検討する。
引用例2には、保守作業に用いるデータとして、作業実施年月日、作業期間、取替・保守結果などの保守作業実績と、保守作業上の注意事項などの保守作業知識とを設備機器毎に、保守作業データベースに蓄積することが記載されている。
引用例1記載の発明において、「修理作業に必要なデータ」として、どのような情報を「データベース」に格納するかは、必要に応じて適宜決定し得る事項であり、引用例2に記載されているような保守作業実績や注意事項を蓄積するようにすることは、当業者が適宜なし得ることである。
また、引用例3には、保守に用いる情報を検索し、検索された情報を閲覧して保守を行い、保守業務の終了後に保守業務の実績を格納することことが記載されている。
引用例1記載の発明においても、引用例3に記載のもののように、保守業務の終了後に保守業務の実績を格納するようにすることが有用であることは当業者に自明であるし、引用例1記載の発明に、引用例3記載の発明を適用できない理由もないから、引用例1記載の発明に引用例3記載の発明を適用することは当業者が容易に推考し得たことというべきである。
そして、見積作業だけでなく修理作業にも用いられる引用例1記載の発明において、入力した情報を見積作業と修理作業の両作業で利用するようにすることは、当業者が適宜なし得ることである。
以上の事情にかんがみれば、引用例1記載の発明において、「見積の生成のために入力された部品識別情報をキーとしてデータベースを検索し、該部品識別情報に対応付けられて該データベースに蓄積されている、作業で使用された部品、該部品の使用状況または作業時間に係る情報を含む、作業の結果と、作業効率を高めるための情報を含む、その作業を行う上での注意点と、を読み出す検索手段」と、「前記検索手段によって読み出された前記作業の結果および注意点を出力する出力手段」と、「前記出力手段によって出力された前記作業の結果および注意点を確認した作業者による作業が完了した後に、該作業の結果および注意点の入力を受け付ける入力受付手段」と、「前記入力受付手段によって受け付けられた前記作業の結果および注意点を、前記見積の生成のために入力された前記部品識別情報に対応付けて前記データベースに格納する格納手段」とを備えるようにすることにより、「部品を用いて行われる作業の効率を促進するために用いられるデータベースを構築するシステム」とすることは、当業者が容易に推考し得たことというべきである。

(本願補正発明の作用効果について)
そして、本願補正発明の構成によってもたらされる効果も、引用例1?3記載の発明から当業者が容易に予測することができる程度のものであって、格別のものとはいえない。

したがって、本願補正発明は、引用例1?3記載の発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)むすび
よって、本件手続補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.補正却下の決定を踏まえた検討
(1)本願発明
平成20年8月11日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項2に係る発明は、平成20年1月15日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項2に記載されたとおりの次のものと認める。(以下、「本願発明」という。)
「部品を用いて行われる作業の効率を促進するために用いられるデータベースを構築するシステムであって、
部品識別情報を含む入力に基づいて、前記作業の見積を生成する手段と、
前記見積の生成のために入力された前記部品識別情報をキーとして前記データベースを検索し、該部品識別情報に対応付けられて該データベースに蓄積されている、作業で使用された部品、該部品の使用状況または作業時間に係る情報を含む、作業の結果と、作業効率を高めるための情報を含む、その作業を行う上での注意点と、を読み出す検索手段と、
前記検索手段によって読み出された前記作業の結果および注意点を出力する出力手段と、
前記出力手段によって出力された前記作業の結果および注意点を確認した作業者による作業が完了した後に、該作業の結果および注意点の入力を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段によって受け付けられた前記作業の結果および注意点を、前記見積の生成のために入力された前記部品識別情報に対応付けて前記データベースに格納する格納手段と、
を備える、作業効率促進用データベースの構築システム。」

(2)引用例
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された引用例1?3とその記載事項は、上記2.(2)に記載したとおりである。

(3)対比・判断
本願発明は、上記2.で検討した本願補正発明における「前記作業に用いられる部品の部品識別情報を含む入力に基づいて、前記作業の見積を生成する手段」の限定を省いて「部品識別情報を含む入力に基づいて、前記作業の見積を生成する手段」としたものである。

そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに特定の限定を施したものに相当する本願補正発明が、上記2.(4)に記載したとおり、引用例1?3記載の発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、上記特定の限定を省いた本願発明は、同様に、引用例1?3記載の発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1?3記載の発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-11-19 
結審通知日 2010-11-24 
審決日 2010-12-07 
出願番号 特願2001-362246(P2001-362246)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 池田 聡史  
特許庁審判長 小曳 満昭
特許庁審判官 田口 英雄
久保 正典
発明の名称 作業効率促進用データベースの構築方法、及び、作業効率促進用データベースの構築システム  
代理人 和久田 純一  
代理人 川口 嘉之  
代理人 平川 明  
代理人 今堀 克彦  
代理人 高田 大輔  
代理人 松倉 秀実  

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