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審決分類 審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する H04N
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する H04N
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する H04N
審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する H04N
審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する H04N
管理番号 1236785
審判番号 訂正2011-390026  
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-07-29 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2011-03-03 
確定日 2011-05-11 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4645685号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4645685号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 
理由 1.経緯
出願日 :平成20年6月2日
設定登録日 :平成22年12月17日
(権利者:カシオ計算機株式会社、請求項の数11)

2.請求

(1)請求の趣旨
本件審判の請求は、特許第4645685号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付の訂正明細書、特許請求の範囲のとおりに訂正することを求めるものである。

(2)訂正事項1
特許請求の範囲の【請求項7】に記載の「前記画像処理手段」を「前記生成手段」と訂正する。

(3)訂正事項2
明細書の段落【0011】に記載の「前記画像処理手段」を「前記生成手段」と訂正する。

3.当審の判断

(1)訂正の目的

a.訂正事項1
訂正前の請求項7記載の特許発明は、請求項6に係る発明を技術的により特定した発明であって、
「前記設定手段による設定前の撮影条件に従って撮影した場合の被写体像と、前記設定手段による設定後の撮影条件に従って撮影した場合の被写体像とを画像処理によって生成する生成手段を備え、
前記表示手段は、前記画像処理手段によって生成された被写体像を表示することを特徴とする請求項6記載のカメラ。」とするものである。
しかしながら、訂正前の請求項7の「前記画像処理手段」の前および請求項6以前の請求項において、「画像処理手段」なる記載は存在しない。
また、訂正前の請求項7の「前記画像処理手段によって生成された被写体像」なる記載から、訂正前の請求項7に記載の「前記画像処理手段」は「被写体像」を「生成」する手段といえ、訂正前の請求項7の前段には「被写体像」を「生成」する手段として「生成手段」が記載されており、他の請求項の記載を参照しても、「被写体像」を「生成」する手段として記載されているのは前記「生成手段」のみである。
そうすると、訂正前の請求項7における「前記画像処理手段」は「前記生成手段」の誤りであることは明らかである。

したがって、訂正事項1における、「前記画像処理手段」を「前記生成手段」に訂正することは誤記の訂正と認められ、よって、訂正事項1は誤記の訂正を目的とするものである。

b.訂正事項2
訂正前の明細書の段落【0011】の記載は、
「また、請求項7記載の発明に係るカメラにあっては、前記設定手段による設定前の撮影条件に従って撮影した場合の被写体像と、前記設定手段による設定後の撮影条件に従って撮影した場合の被写体像とを画像処理によって生成する生成手段を備え、
前記表示手段は、前記画像処理手段によって生成された被写体像を表示することを特徴とする。」であって、請求項7に対応した記載といえる。
そして、上記3.(1)a.において述べたように、訂正前の請求項7における「前記画像処理手段」は「前記生成手段」の誤りであることは明らかであるから、請求項7に対応した記載である明細書の段落【0011】における「前記画像処理手段」は「前記生成手段」の誤りであることは明らかである。

したがって、訂正事項2における、「前記画像処理手段」を「前記生成手段」に訂正することは誤記の訂正と認められ、よって、訂正事項2は誤記の訂正を目的とするものである。

以上によれば、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に揚げる事項(誤記の訂正)を目的とする。

(2)訂正の適合性

a.訂正の範囲、特許請求の範囲の拡張・変更
本願の願書に最初に添付した明細書の段落【0056】-【0057】には、
「 【0056】
そして、次の画像ソフト処理により、前記画像処理ソフトを用いてスルー画像に対し、前記オートパラメータを擬似的に実現する画像処理と、前記パートマニュアルパラメータを擬似的に実現する画像処理とをパラレルに実行する(ステップS14)。したがって、このステップS14での処理により、擬似的にオートパラメータで本撮影した場合の特性を有するスルー画像(動画)と、擬似的にパートマニュアルパラメータで本撮影した場合の特性を有するスルー画像(動画)とが生成されることとなる。
【0057】
そこで、前記ステップS13で二分割した画面において、左側には前記オートパラメータを擬似的に実現する画像処理したスルー画像、つまり擬似的にではあるが撮影シーンに応じたフルオート撮影モードでの画像(以下、「フルオートスルー画像」という)を表示し、右側には前記パートマニュアルパラメータを擬似的に実現する画像処理したスルー画像、つまり擬似的にではある一部マニュアル設定された画像(以下「パートマニュアルスルー画像」という)を表示する(ステップS15)。したがって、このステップS15での処理により、図4(c)に示すように、表示部26の左側にはフルオートスルー画像268が表示され、右側にはパートマニュアルスルー画像269が表示される。」とあり、
訂正後の特許請求の範囲の【請求項7】および訂正後の明細書の段落【0011】における、「前記表示手段は、前記生成手段によって生成された被写体像を表示する」は、前記段落【0056】-【0057】の記載と対応している。

したがって、請求項7および明細書の段落【0011】における「前記画像処理手段」を「前記生成手段」にする訂正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてする訂正といえ、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

b.独立特許要件
本件訂正が誤記の訂正を目的とするものであることは前記のとおりであるところ、訂正後における特許請求の範囲の請求項7に記載される事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
したがって、訂正後における特許請求の範囲の請求項7に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。

c.まとめ
以上によれば、本件訂正は、特許法第126条第3項ないし第5項までの規定に適合する。

4. むすび

以上、本件審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に揚げる事項を目的とし、かつ、同条第3項ないし第5項までの規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
カメラ、カメラ制御プログラム及び撮影方法
【技術分野】
【0001】
本発明は、マニュアル設定された撮影条件で撮影を行うカメラ、カメラ制御プログラム及び撮影方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、撮影条件をオート設定して撮影を行う所謂フルオートカメラが提案されている。このフルオートカメラは、撮像素子から得られる被写体像に基づいて撮影シーンを判定し、この判定した撮影シーンに応じて当該カメラの撮影条件(撮影モード)を自動的に設定する。したがって、ユーザは撮影条件の設定操作に煩わされることなく、撮影シーンに応じた適切な撮影条件で撮影、記録を行うことができる(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2008-11289号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、フルオートカメラにあっては、前述のようにユーザは撮影条件の設定操作に煩わされることなく、撮影シーンに応じた適切な撮影条件で撮影を行うことができる反面、撮影条件にユーザの意図が全く反映されない。したがって、記録された画像もユーザの意図が全く反映されていない特性となってしまうデメリットが生ずる。
一方、このフルオートカメラの対極のカメラとして、マニュアルカメラが存在する。マニュアルカメラにおいては、撮影条件が全てマニュアル設定されることから、撮影条件にユーザの意図が如実に反映される。したがって、記録された画像もユーザの意図が如実に反映された特性とすることもできる。しかし、マニュアルカメラにあっては、ユーザ自身が撮影シーンを判断して撮影条件を全てマニュアル設定しなければならないことから、記録された画像にユーザの意図が如実に反映できる反面、ユーザは撮影条件の設定操作に煩わされるデメリットが生ずる。
【0004】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、フルオートカメラとマニュアルカメラのデメリットを共に解消したカメラ、カメラ制御プログラム及び撮影方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため請求項1記載の発明に係るカメラにあっては、撮影する撮影手段と、撮影シーンに対応した撮影条件を設定させるために、前記撮影シーンに対応した撮影条件と対応して当該撮影条件で撮影された場合の被写体像の特性を表記した指標を記憶する第1の記憶手段と、前記撮影手段によって撮影される被写体像に基づき、撮影シーンを判定する撮影シーン判定手段と、この撮影シーン判定手段により判定された撮影シーンに基づいて、前記第1の記憶手段に記憶されている指標を表示する表示手段と、この表示手段によって表示された指標に対するユーザの指定操作に応じて、撮影条件を設定する設定手段と、この設定手段によって設定された撮影条件に従って前記撮影手段による撮影をおこなう制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、請求項2記載の発明に係るカメラにあっては、前記判定手段により判定された撮影シーンに応じて複数種の撮影条件を設定するオート設定手段を更に備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項3記載の発明に係るカメラにあっては、前記設定手段は、前記オート設定手段より設定された複数種の撮影条件のうち、前記指標に対応する撮影条件を、前記指定操作に応じて変更して再設定することを特徴とすることを特徴とする。
【0008】
また、請求項4記載の発明に係るカメラにあっては、前記設定手段は、前記撮影条件を、前記指定操作に応じて段階的に変更して再設定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項5記載の発明に係るカメラにあっては、前記表示手段は、前記オート設定手段により設定された複数種の撮影条件で撮影した場合の被写体像を、前記指標とともに表示することを特徴とする。
【0010】
また、請求項6記載の発明に係るカメラにあっては、前記設定手段による設定前の撮影条件に従って撮影した場合の被写体像と、前記設定手段による設定後の撮影条件に従って撮影した場合の被写体像とを前記表示手段に表示するよう制御する表示制御手段を更に備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項7記載の発明に係るカメラにあっては、前記設定手段による設定前の撮影条件に従って撮影した場合の被写体像と、前記設定手段による設定後の撮影条件に従って撮影した場合の被写体像とを画像処理によって生成する生成手段を備え、
前記表示手段は、前記生成手段によって生成された被写体像を表示することを特徴とする。
【0012】
また、請求項8記載の発明に係るカメラにあっては、前記表示手段は、前記被写体像にリンクさせた表示形態で、前記指標を表示させることを特徴とする。
【0013】
また、請求項9記載の発明に係るカメラにあっては、特定の人物の特徴を記憶した第2の記憶手段を更に備え、
前記撮影シーン判定手段は、前記被写体像が前記第2の記憶手段に記憶された特定の人物か否かに基づいて撮影シーンを判定することを特徴とする。
【0014】
また、請求項10記載の発明に係るカメラ制御プログラムにあっては、撮影シーンに対応した撮影条件を設定させるために、前記撮影シーンに対応した撮影条件と対応して当該撮影条件で撮影された場合の被写体像の特性を表記した指標を記憶する第1の記憶手段、
前記撮影手段によって撮影される被写体像に基づき、撮影シーンを判定する撮影シーン判定手段、
この撮影シーン判定手段により判定された撮影シーンに基づいて、前記第1の記憶手段に記憶されている指標を表示する表示手段、
この表示手段によって表示された指標に対するユーザの指定操作に応じて、撮影条件を設定する設定手段、
この設定手段によって設定された撮影条件に従って前記撮影手段による撮影をおこなう制御手段
としての機能を実行させることを特徴とする。
【0015】
また、請求項11記載の発明に係る撮影方法にあっては、撮影手段を備えるとともに撮影シーンに対応した撮影条件を設定させるために、前記撮影シーンに対応した撮影条件と対応して当該撮影条件で撮影された場合の被写体像の特性を表記した指標を記憶したカメラの撮影方法であって、
前記撮影手段によって撮影される被写体像に基づき、撮影シーンを判定する撮影シーン判定ステップと、
この撮影シーン判定ステップにより判定された撮影シーンに基づいて、前記指標を表示する表示ステップと、
この表示ステップによって表示された指標に対するユーザの指定操作に応じて、撮影条件を設定する設定ステップと、
この設定ステップによって設定された撮影条件に従って前記撮影手段による撮影をおこなう制御ステップと
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、フルオートカメラとマニュアルカメラのデメリットを共に解消することができ、ユーザが撮影条件の設定操作に煩わされる不都合を解消しつつ、ユーザの意図を撮影条件に反映させることができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。図1は、本発明の一実施の形態にかかるデジタルカメラ1の電子回路構成を示す図である。このデジタルカメラ1は、基本モードである撮影モードにおいて、ズームレンズ12-1を移動させて光学ズーム動作を行わせるズーム駆動部11-1、フォーカスレンズ12-2を移動させて合焦動作を行わせるAF駆動部11-2、ズームレンズ12-1及びフォーカスレンズ12-2を含む撮像レンズを構成するレンズ光学系12、このレンズ光学系12の光軸上に配置された絞り32、この絞り32を駆動する絞り駆動部33、撮像素子であるCCD13、タイミング発生器(TG)14、垂直ドライバ15、サンプルホールド回路(S/H)16、A/D変換器17、カラープロセス回路18、DMA(Direct Memory Access)コントローラ19、DRAMインターフェイス(I/F)20、DRAM21を備えていている。また、制御部22、VRAMコントローラ23、VRAM24、デジタルビデオエンコーダ25、表示部26、JPEG(Joint Photograph cording Experts Group)回路27、保存メモリ28を備えているとともに、データベース29及びキー入力部30を備えている。
【0018】
撮影モードでのモニタリング状態においては、ズーム駆動部11-1は、光学ズーム指示があると制御部22からの制御信号に基づいて、図示しないズームレンズ駆動モータを駆動してズームレンズ12-1を光軸に沿って前後に移動させることによりCCD13に結像させる画像の倍率そのものを変化させる。また、AF駆動部11-2は図示しないフォーカスレンズ駆動モータを駆動してフォーカスレンズ12-2を移動させる。そして、前記撮像レンズ2を構成するレンズ光学系12の撮影光軸後方に配置された撮像素子であるCCD13が、タイミング発生器(TG)14、垂直ドライバ15によって走査駆動され、一定周期毎に結像した光像に対応する光電変換出力を1フレーム分出力する。
【0019】
CCD13は被写体の二次元画像を撮像する固体撮像デバイスであり、典型的には毎秒数十フレームの画像を撮像する。なお、撮像素子はCCDに限定されずCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの固体撮像デバイスでもよい。
【0020】
この光電変換出力は、アナログ値の信号の状態でRGBの原色成分毎に適宜ゲイン調整された後に、サンプルホールド回路(S/H)16でサンプルホールドされ、A/D変換器17でデジタルデータ(画素)に変換され、カラープロセス回路18で画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理が行われて、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号Cb、Crが生成され、DMA(Direct Memory Access)コントローラ19に出力される。
【0021】
DMAコントローラ19は、カラープロセス回路18の出力する輝度信号Y及び色差信号Cb、Crを、同じくカラープロセス回路18からの複合(composite)同期信号、メモリ書き込みイネーブル信号、及びクロック信号を用いてDRAMインターフェイス(I/F)20を介してバッファメモリとして使用されるDRAM21にDMA転送する。
【0022】
制御部22は、このデジタルカメラ1全体の制御動作を司るものであり、CPU若しくはMPU(以下、CPU)と、後述するフローチャートに示す処理を実行するためのプログラム等を記憶したフラッシュメモリ等のプログラム格納メモリ、及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成される。そして、前記輝度及び色差信号のDRAM21へのDMA転送終了後に、この輝度及び色差信号を、DRAMインターフェイス20を介してDRAM21から読み出し、VRAMコントローラ23を介してVRAM24に書込む。
【0023】
また、制御部22は、キー入力部30からの状態信号に対応してフラッシュメモリ等のプログラム格納用メモリに格納されている各モードに対応の処理プログラムやメニューデータを取り出して、デジタルカメラ1の各機能の実行制御、具体的には撮影動作や、光学ズーム時のズームレンズの動作制御や、スルー画像表示、自動合焦、撮影、記録、及び記録した画像の再生・表示等の実行制御等や機能選択時の機能選択メニューの表示制御、設定画面の表示制御等を行う。
【0024】
デジタルビデオエンコーダ25は、前記輝度及び色差信号を、VRAMコントローラ23を介してVRAM24から定期的に読み出し、これらのデータを基にビデオ信号を生成して前記表示部26に出力する。表示部26は、撮影モード時にはモニタ表示部(電子ファインダ)として機能するもので、デジタルビデオエンコーダ25からのビデオ信号に基づいた表示を行うことで、その時点でVRAMコントローラ23から取り込んでいる画像情報に基づくスルー画像をリアルタイムに表示する。
【0025】
また、制御部22は撮影指示に応じて、本撮影処理を実行する。この本撮影処理においては、制御部22は、シャッターキーの操作をトリガとして、CCD13、垂直ドライバ15、サンプルホールド回路16、カラープロセス回路18、DMAコントローラ19に対してスルー画撮影モードから静止画撮影モードへの切り替えを指示し、この静止画撮影モードによる撮影処理により得られた画像データをSDRAM21に一時記憶する。
【0026】
この保存記録の状態では、制御部22がDRAM21に書き込まれている1フレーム分の輝度及び色差信号を、DRAMインターフェイス20を介してY、Cb、Crのコンポーネント毎に縦8画素×横8画素の基本ブロックと呼称される単位で読み出してJPEG回路27に書き込み、このJPEG回路27でADCT(Adaptive Discrete Cosine Transform:適応離散コサイン変換)、エントロピー符号化方式であるハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮する。そして得た符号データを1画像のデータファイルとしてJPEG回路27から読み出し、保存メモリ28に記録保存する。また、1フレーム分の輝度及び色差信号の圧縮処理及び保存メモリ28への全圧縮データの書き込み終了に伴って、制御部22は前記静止画撮影モードからスルー画撮影モードへの切り替えを指示する。
【0027】
また、基本モードである再生モード時には、制御部22が保存メモリ28に記録されている画像データを選択的に読み出し、JPEG回路27で撮影モード時にデータ圧縮した手順と全く逆の手順で圧縮されている画像データを伸張し、伸張した画像データを、VRAMコントローラ23を介してVRAM24に展開して記憶させた上で、このVRAM24から定期的に読み出し、これらの画像データを元にビデオ信号を生成して表示部26で再生出力させる。
【0028】
また、表示部26には、透明のタッチパネル31が積層されており、タッチパネル31はタッチ位置を検出して制御部22に入力する。
【0029】
なお、後述のオート設定パラメータにおける「フォーカス制御」は、AF駆動部11-2がフォーカスレンズ12-2を駆動する制御であり、「絞り」は絞り駆動部33が絞り32を駆動する制御である。また、「EVシフト量」は、絞り32とシャッター速度との組み合わせに応じて,露出する光量をあらわす値の変化値であり、「感度」はCCD13に対するゲインアップにより感度を上げる処理であり、シャッター速度は前記CCD13の電荷蓄積時間である。
【0030】
前記JPEG回路27は複数の圧縮率に対応しており、圧縮率に対応させて記憶するモードには圧縮率の低い高解像度(一般に、高精細、ファイン、ノーマルなどと呼ばれる)に対応するモードと圧縮率の高い低解像度(一般にエコノミーなどと呼ばれる)モードがある。また、高画素数から低画素数にも対応している。例えば、SXGA(1600×1200)、XGA(1024×786)、SVGA(800×600)、VGA(640×480)、QVGA(320×240)等と呼ばれる記録画素サイズがある。
【0031】
保存メモリ28は、内蔵メモリ(フラッシュメモリ)やハードディスク、あるいは着脱可能なメモリカード等の記録媒体からなり画像データや撮影情報等を保存記録する。
【0032】
データベース29は、個人A,B,C等の顔認識データや画質パラメータ等からなる顔認識レコードを複数記憶してなる顔認識テーブルや照合用画像データを格納してなる。データベース29は、ユーザのキー入力操作によって新規登録、調整、又は削除等の更新が可能である。
【0033】
キー入力部30は、モードダイアル、カーソルキー、SETキー、ズームボタン(Wボタン、Tボタン)、シャッターキー、クリアキー及び電源ボタン等と、それらのキーが操作されると操作されたキーの操作信号を生成して制御部22に送出するキー処理部(図示せず)等から構成されている。
【0034】
図2は、本実施の形態において制御部22内のROMに格納されている撮影シーン対応テーブル221を示す図である。この撮影シーン対応テーブル221は、「撮影シーン」に対応して、「表示タグ」、「マニュアル設定パラメータ(マニュアルパラメータ)」、「オート設定パラメータ(オートパラメータ)」が記憶されている。「オート設定パラメータ(オートパラメータ)」としては、当該パラメータのある値が記憶されており、「マニュアル設定パラメータ(マニュアルパラメータ)」としては、当該パラメータの値を1段階変化させる補正値、つまり±αの値が記憶されている。
【0035】
なお、図2のマニュアル設定パラメータとオート設定パラメータは、あくまでも前記本撮影時(静止画撮影モード)用のパラメータであって、スルー画撮影モード時には、本撮影時用のパラメータを擬似的に画像処理(ソフト処理)で実現することになる。したがって、撮影シーン対応テーブル221には、図示しないが各種パラメータに対応して、画像処理ソフトが記憶されており、この対応する画像処理ソフトを用いて、スルー画像を画像処理し、擬似的に当該パラメータで本撮影した場合の特性を有するスルー画像を生成する。より具体的には、例えばパラメータ「シャッター速度」である場合には、シャッター速度が遅くなるに従って、画像処理によりスルー画像の明るさを高める画像処理が実行されることとなる。
【0036】
前記「撮影シーン」は、「人(男性)」、「人(女性)」・・・「夜景」等の後述する処理により判定された撮影シーンである。「表示タグ」は、判定された撮影シーンにおいて撮影条件をマニュアル設定することのできる設定メニューの名称であり、「カッコよく」、「シブく」、「かわいらしく」のように、対応する撮影条件で撮影された場合の画像の特性を感覚的に表記したものが含まれている。
【0037】
「マニュアル設定パラメータ」は、これら設定メニューが撮影者により選択あるいは指定された際に設定される撮影条件であって、例えば設定メニュー「カッコよく」が選択あるいは指定された場合には「フォーカス制御」がマニュアル設定されることを示し、「シブく」が選択あるいは指定された場合には「絞り」がマニュアル設定されること等を示す。前記「オート設定パラメータ」は、判定された撮影シーンにおいて自動的に設定される撮影条件であって、「フォーカス制御」、「シャッター速度」、「絞り」、「EVシフト量」、「感度」・・・等の値が撮影シーン毎に記憶されている。
【0038】
以上の構成に係る本実施の形態において、ユーザが顔登録モードを設定して登録すべき人物、例えば人物を予め撮影すると、制御部22は、登録処理を実行する。この登録処理により、撮影された被写体人物における顔の特徴を検出し、検出した顔の特徴データと撮影された顔画像等からなる顔認識用データをデータベース29に格納する。したがって、データベース29には、予め顔登録モードにおいて撮影された人物の顔認識用データが登録されている。
【0039】
そして、ユーザが撮影を行うべく、キー入力部30のモードダイアルを操作することにより、撮影モードを設定し、かつ「選べるオートモード」を選択すると、制御部22は、プログラムに従って図3のフローチャートに示すように処理を実行する。まず、表示部26にて前記スルー画像の表示を開始する(ステップS1)。次に、このスルー画像の表示に伴って、順次DRAM21に転送されてくる1フレーム分の画像に基づき、撮影シーンを判定する(ステップS2)。
【0040】
この撮影シーンの判定は、例えば特開平2008-11289号公報に開示されているように、前記撮影シーン対応テーブル221に記憶されている各「撮影シーン」それぞれについて色相データと彩度データとの色相-彩度座標上における分布をROMに記憶しておき、前記DRAM21内の画像についての色相データと彩度データの分布を前記各「撮影シーン」についての分布と比較することにより、当該撮影画像(DRAM21内の画像)がいずれの「撮影シーン」に該当するかにより判定する。
【0041】
そして、このようにして撮影シーンを判定したならば、判定した撮影シーンに対応するオートパラメータを撮影シーン対応テーブル221から読み出して、制御部22内のRAMに記憶する(ステップS3)。したがって、撮影シーンに対応するオートパラメータは制御部22内のRAMに保存された状態となる。
【0042】
次に、前記ステップS3での判定結果に基づき、画像中に人物が存在するか否かを判断する(ステップS4)。このステップS4での判断の結果、人物が存在しない場合、つまり人物が存在しない撮影シーンである場合には、前記ステップS2で判定した撮影シーンに対応する表示タグを撮影シーン対応テーブル221から読み出して、スルー画像上に重畳表示する(ステップS5)。したがって、ステップS2で撮影シーンが「花」であったとすると、先ず撮影シーン対応テーブル221から撮影シーン「花」対応する表示タグ「鮮やかに」、「幻想的に」、「しっとりと」が読み出される。そして、図4(a)に示すように、これら読み出された表示タグがスルー画像上に重畳表示される。これらタグの表示は、例えば表示部26の隅部等に配列して表示する。
【0043】
また、ステップS4での判断の結果、人物が存在する撮影シーンである場合には、当該人物が登録人物であるか否かを判断する(ステップS6)。すなわち、前記DRAM21内の1フレーム分の画像から顔を検出して、顔の特徴データを抽出する。顔が複数あった場合、つまり1フレーム内に複数の顔が写っている場合は複数の人物の顔をそれぞれ検出し、それぞれの顔の特徴データを抽出する。そして、この抽出した特徴データとデータベース29に格納されている特徴データと比較して類似度を判定し、検出された顔がデータベース29に登録されている顔であるか否かを判断する。
【0044】
データベース29に登録されている顔がある場合(登録人物が存在する場合)には、前記ステップS2で判定した撮影シーンに対応する表示タグを撮影シーン対応テーブル221から読み出して、登録人物にリンクさせてスルー画像上に重畳表示する処理を開始する(ステップS7)。したがって、ステップS2で撮影シーンが「子供」であったとすると、先ず撮影シーン対応テーブル221から撮影シーン「子供」に対応する表示タグ「かわいらしく」、「ほのぼの」が読み出される。そして、図4(b)に示すように、これら読み出された表示タグ265、266がスルー画像264上に重畳表示される。また、このスルー画像264において、人物A,B,Cの内、人物Bが登録人物であったとすると、前記タグ265、266が各々引き出し線267を介して、登録人物Bにリンクされた状態で表示される。
【0045】
したがって、ユーザがスルー画像264とともに、これらタグ265、266を視認することにより、マニュアル設定に不慣れな撮影初心者であってもリンクされた登録人物Bをより「かわいらしく」撮影するマニュアル設定が可能であること、より「ほのぼの」と撮影するマニュアル設定が可能であることを認識ことができる。
【0046】
また、ステップS6での判断の結果、登録人物が存在しない場合には、前記ステップS2で判定した撮影シーンに対応する表示タグを撮影シーン対応テーブル221から読み出し、画面中央の人物にリンクさせてスルー画像上に重畳表示する処理を開始する(ステップS8)。したがって、ステップS2で撮影シーンが「子供」であったとすると、先ず撮影シーン対応テーブル221から撮影シーン「子供」に対応する表示タグ「かわいらしく」、「ほのぼの」が読み出される。そして、図4(b)に示すように、これら読み出された表示タグ265、266がスルー画像264上に重畳表示される。また、このスルー画像264において、人物A,B,Cの内、登録人物Bが中央の人物であるから、前記タグ265、266が各々引き出し線267を介して、登録人物Bにリンクされた状態で表示される。
【0047】
なお、このフローチャートにおいては、ステップS4の判断がNOであって、スルー画像中に人物が存在しない場合には、引き出し線267によりリンクさせることなくタグを表示するようにしたが、この場合にも図4(a)に示すように当該撮影シーンにおける主要被写体(本例の場合「花」)に、引き出し線267によりリンクさせてタグ261、262、263を表示するようにしてもよい。これにより、撮影者がこれらタグ261、262、263を視認した際に、リンクされた主要被写体を「鮮やかに」撮影するマニュアル設定が可能であること等を認識することができる。
【0048】
また、これらとは逆に、撮影シーンに拘わらずタグを特定の被写体とリンクさせず、単に表示部26の側部等に配列して表示するようにしてもよい。あるいは、特定の被写体とリンクさせたタグと、リンクさせないタグとを表示し、リンクさせないタグに関しては、表示部26の隅部に配列して表示するようにしてもよい。
【0049】
そして、ステップS5、S7、S8のいずれかに続くステップS9においては、タッチパネル31の走査結果に基づき、いずれかのタグに対するタッチが検出されたか否かを判断する(ステップS9)。タッチが検出されない場合には、Tフラッグ(タッチフラグ)がセットされているか否かを判断する(ステップS19)。このTフラグは、後述するステップS11でタッチ後にセットされるフラグであることから、ユーザが未だいずれかのタグにもタッチしていない場合は、Tフラグ=0の状態にある。したがって、この場合には、ステップS19の判断がYESとなり、ステップS20に進む。
【0050】
そして、ステップS20においては、画像ソフト処理により、前記画像処理ソフトを用いてスルー画像に対し、前記オートパラメータを擬似的に実現する画像処理を実行する。したがって、このステップS20での処理により、擬似的にオートパラメータで本撮影した場合の特性を有するスルー画像(動画)が生成されることとなる。
【0051】
そこで、前記オートパラメータを擬似的に実現する画像処理したスルー画像、つまり擬似的にではあるが撮影シーンに応じたフルオート撮影モードでの画像(以下、「フルオートスルー画像」という)を表示(ステップS21)。したがって、このステップS21での処理により、表示部26にはフルオートスルー画像が表示されれる。
【0052】
他方ステップS9でタッチが検出されたならば、後述するステップS12でタッチ後にセット(=1)されるTフラグ(タッチフラグ)がリセット状態(=0)であるか否かを判断する。Tフラグ=0であって、撮影シーン判定後初めてのタッチである場合には、Tフラグをセット(=1)する(ステップS11)。
【0053】
引き続き、表示部26の画面を例えば左右に二分割する(ステップS12)。そして、前記判定された撮影シーンであってタッチされたタグに対応するマニュアルパラメータを撮影シーン対応テーブル221にて特定し、前記ステップS3で制御部22内のRAMに保存されたオートパラメータにおける、タッチされたタグに対応するマニュアルパラメータを1段階変化させて記憶する(ステップS13)。
【0054】
したがって、制御部22内のRAMには、前記ステップS3で記憶されたオートパラメータと、ステップS13で記憶された前記オートパラメータのタッチされたタグに対応するマニュアルパラメータを1段階変化させたパラメータであるパートマニュアルパラメータとが併存して記憶された状態となる。
【0055】
このとき、タッチされたタグに対応するマニュアルパラメータが、既に前記ステップS3の処理で設定されたオートパラメータである場合には、ステップS3で設定されているパラメータの値を1段階変更し、オートパラメータでない場合には、新たなパラメータを設定、記憶することとなる。
【0056】
そして、次の画像ソフト処理により、前記画像処理ソフトを用いてスルー画像に対し、前記オートパラメータを擬似的に実現する画像処理と、前記パートマニュアルパラメータを擬似的に実現する画像処理とをパラレルに実行する(ステップS14)。したがって、このステップS14での処理により、擬似的にオートパラメータで本撮影した場合の特性を有するスルー画像(動画)と、擬似的にパートマニュアルパラメータで本撮影した場合の特性を有するスルー画像(動画)とが生成されることとなる。
【0057】
そこで、前記ステップS13で二分割した画面において、左側には前記オートパラメータを擬似的に実現する画像処理したスルー画像、つまり擬似的にではあるが撮影シーンに応じたフルオート撮影モードでの画像(以下、「フルオートスルー画像」という)を表示し、右側には前記パートマニュアルパラメータを擬似的に実現する画像処理したスルー画像、つまり擬似的にではある一部マニュアル設定された画像(以下「パートマニュアルスルー画像」という)を表示する(ステップS15)。したがって、このステップS15での処理により、図4(c)に示すように、表示部26の左側にはフルオートスルー画像268が表示され、右側にはパートマニュアルスルー画像269が表示される。
【0058】
よって、撮影者がこのフルオートスルー画像268とパートマニュアルスルー画像269とを見比べることにより、タグへのタッチによるマニュアル設定により画像がどのように変化するかを確認したり、学習することができる。
【0059】
なお、前記パートマニュアルスルー画像269には、図示のように引き続きタグ265、266を表示させる。
【0060】
次に、キー入力部30のクリアキーが操作されたか否かを判断し(ステップS16)、クリアキーが操作された場合には、Tフラグをリセットして(ステップS17)、ステップS2に戻る。無論、Tフラグ=0の状態にある場合には、ステップS17をスキップしてステップS2に戻る。また、クリアキーが操作されない場合には、シャッターキーが操作されたか否かを判断し(ステップS18)、シャッターキーが操作されない場合には、ステップS9に戻る。
【0061】
このとき、前述のように、パートマニュアルスルー画像269には、タグ265、266が表示されていることから、タグ265、266にタッチすると、ステップS9の判断がYESとなる。しかし、前記ステップS12での処理により、Tフラグ=1となっていることから、ステップS10の判断がNOとなって、ステップS10からステップS14に進む。そして、前述したステップS14及びステップS15の処理が実行されることにより、パートマニュアルスルー画像269の特性は、ユーザがタグにタッチする都度変化していく。つまり、オート設定パラメータが反映されたスルー画像(動画)と、マニュアル設定パラメータが逐次反映されたスルー画像(動画)とが表示されることになる。
【0062】
このように特性が変化するパートマニュアルスルー画像269を確認した撮影者がシャッターキーを操作すると、ステップS18からステップS22に進み、Tフラグ=1であるか否かを判断する。Tフラグ=1である場合、つまりユーザが1度でもタグにタッチした後シャッターキーを操作した場合には、前記ステップS13で制御部22内のRAMに保存されたパラメータを撮影条件として前述した本撮影処理を実行する(ステップS23)。つまり、制御部22は、シャッターキーの操作をトリガとして、スルー画撮影モードから静止画撮影モードへの切り替えを指示し、この静止画撮影モードにおいて前記ステップS13で制御部22のRAMに更新記憶されているパラメータで撮影処理し、この撮影処理により得られた画像データをSDRAM21に一時記憶した後、保存メモリ28に記録する(ステップS19)。
【0063】
この保存メモリ28に記録された撮影画像データにあっては、撮影条件がフルオート設定された後、その一部が撮影者の操作によってマニュアル設定されたものである。したがって、ユーザが撮影条件の設定操作に煩わされる不都合を解消しつつ、ユーザの意図を撮影条件に反映させたものとすることができる。
【0064】
また、ステップS22での判断の結果、Tフラグ=0である場合、つまりユーザが1度もタグにタッチすることなく、シャッターキーを操作した場合には、前記ステップS3で制御部22内のRAMに保存されたオートパラメータを撮影条件として前述した本撮影処理を実行する(ステップS24)。
【0065】
この保存メモリ28に記録された撮影画像データにあっては、撮影条件がフルオート設定されたものである。したがって、ユーザはタグにタッチせずにシャッターキーを操作することにより、フルオート撮影を行うこともできる。
【0066】
なお、本実施の形態においては、判定した撮影シーンに応じてオートパラメータを設定するようにしたが、オートパラメータを設定することなく、つまりフルオート制御することなく、判定した撮影シーンに応じたタグを表示し、このタグに対するタッチに応じて撮影条件を設定するようにしてもよい。この場合であっても、表示されるタグは判定した撮影シーンに応じて絞り込まれていることから、その種類が限定される。よって、当該撮影シーンにおいては無意味な撮影条件の設定を行ってしまう不都合を未然に防止することができ、その結果、撮影条件の設定操作に煩わされる不都合を抑制することができる。
【0067】
また、本実施の形態においては、タグに対するタッチ検出によりマニュアルパラメータを設定するようにしたが、表示部26にタグとともにカーソルを表示し、キー入力部30でのカーソルキー操作により所望のタグ上にカーソルを移動させた後、SETキー操作によりそのタグを選択させて、この選択させたタグに応じたマニュアルパラメータを設定するようにしてもよい。
【0068】
また、実施の形態においては、タグにタッチする都度、補正値(±α)より当該パラメータの値を1段階ずつ変化させることにより、操作回数に比例して補正値が変化するようにしたが、タッチ継続時間(操作継続時間)に比例して、補正値が変化するようにしてもよいし、タグに対する1回の操作で所定値からなるマニュアルパラメータを設定するようにしてもよい。
【0069】
また、本撮影直後に撮影画像を表示し、この表示されている撮影画像に対してシーン判定を行い、このシーン判定結果に応じたタグを表示し、このタグに対するタッチによりマニュアル設定調整を行なえるようにし、つまりソフト的な画像処理により擬似的に、あるパラメータで本撮影した場合の特性を有する画像に変更して表示し、次の本撮影時にこのマニュアル設定が反映された撮影が行えるようにしてもよい。この場合、本撮影直後に表示される撮影画像は、オートパラメータのみが反映された画像、オートパラメータとマニュアルパラメータとが反映された画像、あるいはマニュアルパラメータのみが反映された画像のいずれかである。
【0070】
また、実施の形態では、この発明をデジタルカメラに適用した場合を例にして説明しているが、デジタルカメラばかりでなく、光学系及び撮像素子を介して取り込んだ画像データを記録する機能を備えた装置、例えば、カメラ付携帯電話や撮像機能を備えた電子機器にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施の形態に係るデジタルカメラの電子回路構成を示す図である。
【図2】撮影シーン対応テーブルを示す概念図である
【図3】同実施の形態の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】同実施の形態の表示遷移図である。
【符号の説明】
【0072】
1 デジタルカメラ
12 レンズ光学系
13 CCD
15 垂直ドライバ
17 A/D変換器
18 カラープロセス回路
19 DMAコントローラ
21 DRAM
22 制御部
24 VRAM
25 デジタルビデオエンコーダ
26 表示部
27 JPEG回路
28 保存メモリ
29 データベース
30 キー入力部
31 タッチパネル
221 撮影シーン対応テーブル
261 タグ
264 スルー画像
265 タグ
267 引き出し線
268 フルオートスルー画像
269 パートマニュアルスルー画像
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影する撮影手段と、
撮影シーンに対応した撮影条件を設定させるために、前記撮影シーンに対応した撮影条件と対応して当該撮影条件で撮影された場合の被写体像の特性を表記した指標を記憶する第1の記憶手段と、
前記撮影手段によって撮影される被写体像に基づき、撮影シーンを判定する撮影シーン判定手段と、
この撮影シーン判定手段により判定された撮影シーンに基づいて、前記第1の記憶手段に記憶されている指標を表示する表示手段と、
この表示手段によって表示された指標に対するユーザの指定操作に応じて、撮影条件を設定する設定手段と、
この設定手段によって設定された撮影条件に従って前記撮影手段による撮影をおこなう制御手段と
を備えることを特徴とするカメラ。
【請求項2】
前記判定手段により判定された撮影シーンに応じて複数種の撮影条件を設定するオート設定手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載のカメラ。
【請求項3】
前記設定手段は、前記オート設定手段より設定された複数種の撮影条件のうち、前記指標に対応する撮影条件を、前記指定操作に応じて変更して再設定することを特徴とする請求項2記載のカメラ。
【請求項4】
前記設定手段は、前記撮影条件を、前記指定操作に応じて段階的に変更して再設定することを特徴とする請求項1?3の何れかに記載の撮像装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記オート設定手段により設定された複数種の撮影条件で撮影した場合の被写体像を、前記指標とともに表示することを特徴とする請求項2記載のカメラ。
【請求項6】
前記設定手段による設定前の撮影条件に従って撮影した場合の被写体像と、前記設定手段による設定後の撮影条件に従って撮影した場合の被写体像とを前記表示手段に表示するよう制御する表示制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1?5の何れかに記載のカメラ。
【請求項7】
前記設定手段による設定前の撮影条件に従って撮影した場合の被写体像と、前記設定手段による設定後の撮影条件に従って撮影した場合の被写体像とを画像処理によって生成する生成手段を備え、
前記表示手段は、前記生成手段によって生成された被写体像を表示することを特徴とする請求項6記載のカメラ。
【請求項8】
前記表示手段は、前記被写体像にリンクさせた表示形態で、前記指標を表示させることを特徴とする請求項1?7の何れかに記載のカメラ。
【請求項9】
特定の人物の特徴を記憶した第2の記憶手段を更に備え、
前記撮影シーン判定手段は、前記被写体像が前記第2の記憶手段に記憶された特定の人物か否かに基づいて撮影シーンを判定することを特徴とする請求項1?8の何れかに記載のカメラ。
【請求項10】
カメラが有するコンピュータに、
撮影シーンに対応した撮影条件を設定させるために、前記撮影シーンに対応した撮影条件と対応して当該撮影条件で撮影された場合の被写体像の特性を表記した指標を記憶する第1の記憶手段、
前記撮影手段によって撮影される被写体像に基づき、撮影シーンを判定する撮影シーン判定手段、
この撮影シーン判定手段により判定された撮影シーンに基づいて、前記第1の記憶手段に記憶されている指標を表示する表示手段、
この表示手段によって表示された指標に対するユーザの指定操作に応じて、撮影条件を設定する設定手段、
この設定手段によって設定された撮影条件に従って前記撮影手段による撮影をおこなう制御手段
としての機能を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
撮影手段を備えるとともに撮影シーンに対応した撮影条件を設定させるために、前記撮影シーンに対応した撮影条件と対応して当該撮影条件で撮影された場合の被写体像の特性を表記した指標を記憶したカメラの撮影方法であって、
前記撮影手段によって撮影される被写体像に基づき、撮影シーンを判定する撮影シーン判定ステップと、
この撮影シーン判定ステップにより判定された撮影シーンに基づいて、前記指標を表示する表示ステップと、
この表示ステップによって表示された指標に対するユーザの指定操作に応じて、撮影条件を設定する設定ステップと、
この設定ステップによって設定された撮影条件に従って前記撮影手段による撮影をおこなう制御ステップと
を備えることを特徴とする撮影方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2011-04-26 
出願番号 特願2008-144088(P2008-144088)
審決分類 P 1 41・ 841- Y (H04N)
P 1 41・ 852- Y (H04N)
P 1 41・ 856- Y (H04N)
P 1 41・ 854- Y (H04N)
P 1 41・ 855- Y (H04N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 仲間 晃  
特許庁審判長 藤内 光武
特許庁審判官 小池 正彦
▲徳▼田 賢二
登録日 2010-12-17 
登録番号 特許第4645685号(P4645685)
発明の名称 カメラ、カメラ制御プログラム及び撮影方法  
代理人 三好 千明  
代理人 三好 千明  

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