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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F24F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F24F
管理番号 1247574
審判番号 不服2010-29635  
総通号数 145 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-01-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-12-28 
確定日 2011-11-24 
事件の表示 特願2005-116936号「熱源システムおよびその制御装置ならびにその制御方法」拒絶査定不服審判事件〔平成18年10月26日出願公開、特開2006-292329号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成17年4月14日の出願であって、平成22年9月17日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成22年12月28日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、その審判請求と同時に手続補正がなされたものである。

第2.平成22年12月28日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成22年12月28日付けの手続補正(以下「本件補正」という)を却下する。

[理由]
1.補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項9は、
「外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器と、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた複数の熱源機を制御する熱源システムの制御方法において、
前記外部負荷の要求熱量が変化した場合に、外気温度または冷却水温度と、運転中の前記熱源機の現在負荷とに基づいて該熱源機の現在成績係数を得て、
該現在成績係数に基づいて、前記外部負荷の前記要求熱量に追随するように前記熱源機の運転台数を増減させた場合の成績係数の変化と、前記外部負荷の前記要求熱量に追随するように前記第1熱交換器を流れる熱媒流量を増減させた場合の成績係数の変化とを比較して、前記熱源機の運転台数の増減または前記第1熱交換器を流れる熱媒流量の増減を判断することを特徴とする熱源システムの制御方法。」と補正された。

上記の補正は、発明を特定するために必要な事項である「熱源機の運転台数」、「第1熱交換器を流れる熱媒流量」が、それぞれ「外部負荷の要求熱量に追随」して増減されることを限定し、さらに、「熱源機の運転台数の増減による成績係数の変化」を「熱源機の運転台数を増減させた場合の成績係数の変化」とし、「第1熱交換器を流れる熱媒流量の増減による成績係数の変化」を、「第1熱交換器を流れる熱媒流量を増減させた場合の成績係数の変化」としてそれぞれ表現を変えたものであり、かつ、本件補正前の特許請求の範囲の請求項9に記載された発明と、本件補正後の特許請求の範囲の請求項9に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例とされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号において規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに実質的に相当する。

そこで、本件補正後の請求項9に記載された発明(以下「本願補正発明」という)が独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例とされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するかどうか)について以下に検討する。

2.引用刊行物とその記載内容
引用刊行物:特開平9-145176号公報

原査定の理由に引用され、本願出願前に頒布された引用刊行物には、「複数台冷凍装置の運転制御方法」に関して、以下の記載がある。

ア.「【請求項1】 容量制御機能を有する冷凍装置を複数台設置した冷凍システムにおける、前記複数台の冷凍装置を運転制御する複数台冷凍装置の運転制御方法において、冷凍システム全体に対する負荷が部分負荷状態となった場合には、各冷凍装置をON/OFF制御して、前記各冷凍装置をそれぞれ部分負荷運転させることを特徴とする複数台冷凍装置の運転制御方法。
【請求項2】 容量制御機能を有する冷凍装置を複数台設置した冷凍システムにおける、前記複数台の冷凍装置を運転制御する複数台冷凍装置の運転制御方法において、前記冷凍システム全体に対する負荷が部分負荷状態となった場合には、その冷凍システム全体のエネルギー消費効率が最大となることを目標に、各冷凍装置の運転負荷率を割り当てることを特徴とする複数台冷凍装置の運転制御方法。
【請求項3】 請求項2記載の複数台冷凍装置の運転制御方法において、各冷凍装置の運転負荷率を割り当てる方法は、冷凍システム全体についての負荷を一定とした条件で、各冷凍装置に対する負荷割り当あてを複数種類の割当て状態とし、この各割当て状態についてのエネルギー消費効率を算出し、その算出したエネルギー消費効率のうちの最大エネルギー消費効率となる割当て状態に、各冷凍装置の運転負荷率を割り当てることを特徴とする複数台冷凍装置の運転制御方法。
【請求項4】 請求項1、2又は3記載の複数台冷凍装置の運転制御方法において、容量制御機能を有する冷凍装置を複数台設置した冷凍システムは、容量制御機能を有するスクリュー圧縮機を複数台用いて冷水をつくり、この冷水を熱媒とする冷凍システムであり、各冷凍装置は、それぞれ前記スクリュー圧縮機を有することを特徴とする複数台冷凍装置の運転制御方法。」(下線部は、当審にて付与。以下同様。)

イ.「【0007】本発明は、容量制御機能を有する圧縮式電気冷凍装置においては、一般的に部分負荷状態時の方が全負荷時よりエネルギー消費効率が高いという点に着目したものである。このように、冷凍装置を複数台設置し運転する場合は、システム全体の負荷が部分負荷状態となった時は、各冷凍装置をON-OFF制御することによって、各々を部分負荷運転させる方が全体のエネルギー消費効率を高めることができる。
【0008】また、本発明の複数台冷凍装置の運転制御方法は、容量制御機能を有する冷凍装置を複数台設置した冷凍システムにおける、前記複数台の冷凍装置を運転制御する複数台冷凍装置の運転制御方法において、前記冷凍システム全体に対する負荷が部分負荷状態となった場合に、その冷凍システム全体のエネルギー消費効率が最大となることを目標に、各冷凍装置の運転負荷率を割り当てることを特徴とする。
【0009】本発明によれば、各々の冷凍装置を運転制御する制御装置を設けることにより、全体のエネルギー消費効率が最大となるように、システム全体の負荷を各々の冷凍装置に部分負荷状態に割りつけることが可能となる。
【0010】また、本発明の複数台冷凍装置の運転制御方法において、各冷凍装置の運転負荷率を割り当てる方法は、冷凍システム全体についての負荷を一定とした条件で、各冷凍装置に対する負荷割り当あてを複数種類の割当て状態とし、この各割当て状態についてのエネルギー消費効率を算出し、その算出したエネルギー消費効率のうちの最大エネルギー消費効率となる割当て状態に、各冷凍装置の運転負荷率を割り当てることが好ましい。
【0011】また、本発明の複数台冷凍装置の運転制御方法において、容量制御機能を有する冷凍装置を複数台設置した冷凍システムは、容量制御機能を有するスクリュー圧縮機を複数台用いて冷水をつくり、この冷水を熱媒とする冷凍システムであり、各冷凍装置は、それぞれ前記スクリュー圧縮機を有することが好ましい。」

ウ.「【0022】これらのように、本複数台冷凍装置の運転制御方法は、容量制御機能を有する冷凍装置1から4を複数台設置した冷凍システムにおいて、その冷凍システム全体に対する負荷が部分負荷状態となった場合に、その冷凍システム全体のエネルギー消費効率が最大となることを目標に、各冷凍装置の運転負荷率を割り当てる方法である。
【0023】次に、本複数台冷凍装置の運転制御方法の具体例について、図1を参照して説明する。この運転制御方法は、制御装置5によって実行されるものであり、冷凍システム全体のCOPが最大となるように、制御装置5は各冷凍機に次の通りの運転制御を行なう。
【0024】まず、表1の例で示す通り、各冷凍装置の部分負荷特性を制御装置5にあらかじめ入力データとして与えておく。そして、各冷凍装置の負荷状況を読み込む(S1)。次に、冷凍システムの負荷率を算出する(S2)。
【0025】そして、冷凍システム全体の負荷が部分負荷状態となったか否かを判断し、部分負荷状態となった時に、各冷凍装置の部分負荷特性から表2の例で示す各ケース別の比較演算を行なう(S3)。そして、冷凍システム全体のCOPが最大となる各冷凍装置別の容量制御状態を決定し(S4)、その決定した容量制御状態を目標に各冷凍装置を運転させる(S5)。
【0026】これらにより、本冷凍システムは最大COPでの運転が可能となる。」

エ.表2には、運転負荷率の割り当てを行うにあたって、冷凍装置の運転台数の増減と、各冷凍装置の運転負荷率の増減を伴った、複数のケース1ないし4、及び各ケースにおけるCOPが示されている。
一方、図1には、複数のケースのうち、システム負荷率を計算し(S2)、COP最大となるケースを決定し(S4)、決定したケースに従い各号機に負荷率を割りあてを行う(S5)、ことが示されている。

以上の記載ア.イ.ウ.、表2に示された事項エ.、及び図1,2を参照し、本願補正発明に則って整理すると、引用刊行物には以下の発明(以下「引用発明」という)が記載されている。
「複数台冷凍装置の運転制御方法において、
冷凍システム全体の負荷が部分負荷状態となった場合に、各冷凍装置の部分負荷特性から、冷凍装置の運転台数の増減及び圧縮機容量制御における各冷凍装置の運転負荷率の増減を伴った複数のケースにおけるCOPを比較演算して、そのうち、冷凍システム全体のCOPが最大となる各冷凍装置別の運転負荷率を備えたケースを決定し、決定したケースに従い、各冷凍装置に負荷率を割りあてる、複数台冷凍装置の運転制御方法。」

3.発明の対比
本願補正発明と、引用発明とを対比すると、引用発明の「冷凍装置」は、本願補正発明の「熱源機」に相当し、以下同様に、「複数台冷凍装置の運転制御方法」は、「複数の熱源機を制御する熱源システムの制御方法」に、「COP」は、「成績係数」に、「比較演算」は、「比較」にそれぞれ相当する。
そして、引用発明の「冷凍システム全体の負荷が部分負荷となった場合」に「比較演算」をすることと、本願補正発明の「外部負荷の要求熱量が変化した場合」に「比較」することは、「外部負荷の要求熱量に対応」して「比較」することにおいて共通し、
引用発明の「圧縮機容量制御による各冷凍装置の運転負荷率の増減」と、本願補正発明の「第1熱交換器を流れる熱媒流量を増減」することとは、「熱源機に対する負荷割合を増減」することにおいて共通する。
さらに、引用発明の「冷凍システム全体のCOPが最大となる各冷凍装置別の運転負荷率を備えたケースを決定」することは、冷凍システム全体のCOPを最大にするために比較して、冷凍装置の運転台数の増減または各冷凍装置の運転負荷率の増減のうち、比較してどちらかを選択するものであるから、本願補正発明の「熱源機の運転台数の増減または第1熱交換器を流れる熱媒流量の増減を判断する」ことと、「熱源機の運転台数の増減または熱源機に対する負荷割合の増減を判断する」ことで共通する。

よって、両者の一致点、相違点は以下のとおりである。

[一致点]
「複数の熱源機を制御する熱源システムの制御方法において、外部負荷の要求熱量に対応して熱源機の運転台数を増減させた場合の成績係数と、熱源機に対する負荷割合を増減させた場合の成績係数とを比較して、熱源機の運転台数の増減または熱源機に対する負荷割合の増減を判断する熱源システムの制御方法。」

[相違点1]
複数の熱源機に関して、本願補正発明においては、「外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器と、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた」ものであるのに対して、引用発明においては、その点が不明である点。

[相違点2]
外部負荷の要求熱量に対応して熱源機の運転台数を増減させた場合の成績係数と、熱源機に対する負荷割合を増減させた場合の成績係数とを比較するにあたって、本願補正発明においては、「外部負荷の要求熱量が変化した場合に、外気温度または冷却水温度と、運転中の前記熱源機の現在負荷とに基づいて該熱源機の現在成績係数を得て、該現在成績係数に基づいて、前記外部負荷の前記要求熱量に追随するように前記熱源機の運転台数を増減させた場合の成績係数の変化と、前記外部負荷の前記要求熱量に追随するように前記第1熱交換器を流れる熱媒流量を増減させた場合の成績係数の変化とを比較」するのに対して、引用発明においては、「冷凍システム全体の負荷が部分負荷状態となった場合に、各冷凍装置の部分負荷特性から、冷凍装置の運転台数の増減及び圧縮機容量制御における各冷凍装置の運転負荷率の増減を伴った複数のケースにおけるCOPを比較演算」する点。

[相違点3]
熱源機に対する負荷割合を増減するために、本願補正発明においては、「第1熱交換器を流れる熱媒流量を増減」するのに対し、引用発明においては、「圧縮機容量制御による各冷凍装置の運転負荷率を増減」する点。

4.当審の判断
そこで、上記各相違点について検討する。

[相違点1,3について]
熱源機から外部負荷を熱媒を介して加熱・冷却する形式のものであって、熱源機に対する負荷割合を増減するために、熱媒流量を増減することは周知(特開2004-144411号公報、段落【0004】?【0005】の記載/特開平10-300163号公報、段落【0022】二方弁7に関する記載/特開2004-245560号公報、段落【0011】の記載)であって、さらに、熱源機と外部負荷から流入する熱媒との間、及び熱源機と外気または冷却水との間との間で熱交換を行う熱交換器を設けることも、周知(特開昭61-128042号公報、第1,3図の記載/特開2004-316980号公報、図1の記載)である。また、複数の熱源機に熱交換器を設けることも、上記周知例(特開昭61-128042号公報、第1,3図の記載)に照らせば格別なものではない。
よって、引用発明に、上記周知技術を適用して、外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器と、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを複数の熱源機に設け、さらに、第1熱交換器を流れる熱媒流量を増減して熱源機に対する負荷割合を増減することにより、上記相違点1及び3に係る本願補正発明の発明特定事項とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。

[相違点2について]
外部負荷の要求熱量に対応して熱源機の運転台数を増減させた場合の成績係数と、熱源機に対する負荷割合を増減させた場合の成績係数とを比較するにあたって、
本願補正発明は、「外部負荷の要求熱量が変化した場合に、外気温度または冷却水温度と、運転中の前記熱源機の現在負荷とに基づいて該熱源機の現在成績係数を得て、該現在成績係数に基づいて、前記外部負荷の前記要求熱量に追随するように前記熱源機の運転台数を増減させた場合の成績係数の変化と、前記外部負荷の前記要求熱量に追随するように前記第1熱交換器を流れる熱媒流量を増減させた場合の成績係数の変化とを比較」
して行うものであるが、要するに、熱源機の現在成績係数を基準とした場合の、熱源機の運転台数を増減させた場合の成績係数の変化と、前記第1熱交換器を流れる熱媒流量を増減させた場合の成績係数の変化とを比較するものであるから、成績係数の比較を、基準となる値である現在成績係数からの成績係数の変化の値に基づいて比較しているものである。
ところで、引用発明の「冷凍システム全体の負荷が部分負荷状態となった場合に、各冷凍装置の部分負荷特性から、冷凍装置の運転台数の増減及び圧縮機容量制御における各冷凍装置の運転負荷率の増減を伴った複数のケースにおけるCOPを比較演算」するものは、成績係数の値そのものに基づいて比較しているものということができる。
そして、成績係数を比較するにあたって、現在成績係数に基づいた成績係数の変化を比較することと、成績係数の値を比較することには、成績係数がより大きくなる方を選択する上で実質差異がないといえるから、成績係数の値を比較することに代えて、現在成績係数に基づいた成績係数の変化を比較することは、当業者が適宜選択し得たことである。
以上によれば、引用発明において、比較する成績係数の値を、現在成績係数に基づいた成績係数の変化の値とし、さらに、引用発明における「圧縮機容量制御における各冷凍装置の運転負荷率の増減」を、上記[相違点1,3について]において示した周知技術を適用して「第1熱交換器を流れる熱媒流量を増減」して熱源機に対する負荷割合を増減するものとすること、そして、熱源機の成績係数は、外気温度または冷却水温度や、運転中の熱源機の現在負荷とに基づいて決定されることは、例を挙げるまでもなく周知であるから、上記熱源機の現在成績係数を求めるにあたって外気温度または冷却水温度と、運転中の前記熱源機の現在負荷とに基づいて行うことを採用することにより、上記相違点2に係る本願補正発明の発明特定事項のものとすることは、当業者であれば容易になし得たことである。

そして、本願補正発明の奏する効果についてみても、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者であれば予測できた範囲内のものである。

したがって、本願補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際、独立して特許を受けることができない。

5.結び
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例とされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

第3.本願発明について
1.本願発明
本件補正は、上述のように却下されたので、本願の請求項9に係る発明は、平成22年5月31日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項9に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
(以下「本願発明」という)

「外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器と、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた複数の熱源機を制御する熱源システムの制御方法において、
前記外部負荷の要求熱量が変化した場合に、外気温度または冷却水温度と、運転中の前記熱源機の現在負荷とに基づいて該熱源機の現在成績係数を得て、
該現在成績係数に基づいて、前記熱源機の運転台数の増減による成績係数の変化と、前記第1熱交換器を流れる熱媒流量の増減による成績係数の変化とを比較して、前記熱源機の運転台数の増減または前記第1熱交換器を流れる熱媒流量の増減を判断することを特徴とする熱源システムの制御方法。」

2.引用刊行物とその記載内容
引用刊行物とその記載内容は、上記「第2.2.」に記載したとおりのものである。

3.本願発明は、上記「第2.」で検討した本願補正発明における「熱源機の運転台数」、「第1熱交換器を流れる熱媒流量」がそれぞれ、「外部負荷の要求熱量に追随」して増減することについての限定を省いたものである。そうすると、本願発明の特定事項を全て含み、さらに限定を付加したものに相当する本願補正発明が、上記「第2.4.」に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。

4.結び
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明については検討するまでもなく、本件出願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-09-20 
結審通知日 2011-09-27 
審決日 2011-10-11 
出願番号 特願2005-116936(P2005-116936)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (F24F)
P 1 8・ 121- Z (F24F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 河野 俊二  
特許庁審判長 森川 元嗣
特許庁審判官 松下 聡
青木 良憲
発明の名称 熱源システムおよびその制御装置ならびにその制御方法  
代理人 藤田 考晴  
代理人 上田 邦生  

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