• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) F16H
管理番号 1254844
審判番号 不服2010-18482  
総通号数 149 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-08-17 
確定日 2012-04-05 
事件の表示 特願2005-248222「自動変速機の制御装置」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 3月15日出願公開、特開2007- 64268〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成17年8月29日の出願であって、平成22年5月27日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年8月17日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、その後、当審において平成23年9月21日付けで拒絶理由が通知され、これに対して、平成23年11月25日付けで手続補正がなされたものである。

2.本願発明
本願の請求項1、2に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」、「本願発明2」という。)は、平成23年11月25日付け手続補正により補正された明細書、特許請求の範囲、及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1、2に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
自動変速機のシフトレンジを切り換えるためのレンジ切換機構と、
前記レンジ切換機構を駆動するアクチュエータと、
運転者のレンジ切換操作により入力されるレンジ切換指令に従って前記アクチュエータを駆動制御して前記レンジ切換機構のレンジ切換動作を制御するレンジ切換制御手段と、
前記レンジ切換機構のレンジ切換動作に応じて自動変速機の複数の摩擦係合要素に作用させる油圧を油圧制御弁によって個別に制御することで各摩擦係合要素の係合と解放を選択的に切り換えて変速する変速制御手段とを備え、
前記レンジ切換機構は、前記各摩擦係合要素に油圧を供給する油圧回路を切り換えるスプール弁を有すると共に、該スプール弁のスプールを前記アクチュエータによって駆動するように構成され、
前記レンジ切換制御手段は、前記スプール弁のスプールの位置を検出又は、前記アクチュエータの作動量を検出してこれを前記スプール弁のスプールの位置に換算することにより推定するスプール位置検出手段を備え、該スプール位置検出手段によって前記スプール弁のスプールが前記レンジ切換指令に応じた目標位置に到達するタイミングを判断して前記変速制御手段に前記油圧制御弁による前記摩擦係合要素の油圧制御を開始させるタイミングを決定することを特徴とする自動変速機の制御装置。
【請求項2】
前記スプール位置検出手段による前記スプール弁のスプールの位置の検出は、前記スプール弁のスプールの位置を直接検出し又は該スプールと一体的に動作する部材の位置を該スプールの位置情報として検出することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。」

3.本願発明1について
(1)本願発明1
本願発明1は上記のとおりである。
(2)引用例
(2-1)引用例1
特開平5-99326号公報(以下、「引用例1」という。)には、下記の事項が図面とともに記載されている。
(あ)「【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複数の走行レンジの選択が電気的な制御で実現される自動変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動変速機において、前進レンジや後退レンジあるいはニュートラルレンジなどの走行レンジの切換えは、レンジ切換弁(マニュアルバルブ)の切換えによって行われる。そしてこのレンジ切換弁は一般に手動操作によって切換えられていたが、これを電気的な制御で行う構成の自動変速機もすでに提案されている。
【0003】例えば米国特許第 4,817,471号特許公報には、電気的な制御によって駆動するモータにより自動変速機のレンジ切換弁を動作させて複数のレンジポジションに切換える自動変速機の制御装置が開示されている。」
(い)「【0010】図2に自動変速機の走行レンジを切換えるためのレンジ切換弁30及びその駆動系の概要が斜視図で示されている。このレンジ切換弁30はスプールバルブ形式であって、自動変速機の制御のための基本油圧となるライン油圧が供給されている。そしてこのレンジ切換弁30のスプールを軸方向に操作することで、その排出ポートが切換えられて各走行レンジを設定するための摩擦係合装置(図示しない)の係合及び解放が制御される。」
(う)「【0013】さて前記レンジ切換弁30を切換えるために、電気的な制御によって駆動するアクチュエータとして直流モータ50が使用されている。この直流モータ50の駆動軸52に形成されたウォーム54は、前記コントロール軸32と同軸線上に配置されたウォームホイール56に噛合っている。このウォームホイール56の回転軸心部のボス部58には、前記コントロール軸32の端部が回転伝達可能に係合している。これによりコントロール軸32に対しては、直流モータ50の駆動軸52の回転がそのウォーム54と前記ウォームホイール56との噛合いにより減速されて伝達される。」
(え)「【0017】図1(A)に前記直流モータ50を電気制御するための信号系統図が示されている。この図面においてレンジ選択スイッチ10は、自動変速機の走行レンジを選択するために運転者によるセレクトレバーの操作に対応して切換られるポジションスイッチ、あるいは運転者が直接操作する操作スイッチなどである。
【0018】図1(A)においてレンジ制御部20(SBW制御部)はマイクロコンピュータが使用され、自動変速機の走行レンジ切換えのための各種ソフトウェア処理に必要なプログラムを記憶させた読出し専用メモリー(ROM)、このプログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)、プログラムに必要な変数を一時的に記憶する書き込み可能メモリー(RAM)などを主体として構成されている。
【0019】前記レンジ制御部20には、前記レンジ選択スイッチ10の操作によって出力されるレンジ信号a、自動変速機側に設けられたアクチュエータ位置センサ40及びバルブ位置センサ42から出力されるそれぞれの検出信号b,cが共に入力される。またレンジ制御部20からは、前記レンジ信号aに応じた駆動信号dが前記直流モータ50の駆動回路(図示しない)に対して出力される。」
以上の記載事項及び図面からみて、引用例1には次の発明(以下、「引用例1発明」という。)が示されている。
「自動変速機のシフトレンジを切り換えるためのレンジ切換弁30と、
レンジ切換弁30を駆動するアクチュエータ50と、
運転者のレンジ切換操作により入力されるレンジ切換指令に従ってアクチュエータ50を駆動制御してレンジ切換弁30のレンジ切換動作を制御するレンジ制御部20と、
レンジ切換弁30はスプールを有し、スプールを軸方向に操作することで、その排出ポートが切換えられて各走行レンジを設定するための摩擦係合装置の係合及び解放が制御されるように構成されている自動変速機の制御装置。」
(2-2)引用例2
特開平5-180332号公報(以下、「引用例2」という。)には、下記の事項が図面とともに記載されている。
(か)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用直結クラッチのスリップ制御装置に関するものである。」
(き)「【0004】
【発明が解決すべき課題】ところで、上記従来のスリップ制御装置では、それに用いられるリニアソレノイド弁は、リニアソレノイドから出力される電磁的推力、スプリングの付勢力、およびフィードバック圧による推力が平衡するようにスプール弁子が移動させられることにより、リニアソレノイドの駆動電流に応じて連続的に変化する制御圧が出力されるように構成されているので、スプール弁子の摺動部分に作動油中の異物が堆積したりすると、スプール弁子の動きが影響を受けて制御圧の出力特性がずれるので、直結クラッチのスリップ制御が不安定となる場合があった。」
(2-3)引用例3
特開2002-295652号公報(以下、「引用例3」という。)には、下記の事項が図面とともに記載されている。
(さ)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の変速機構を液圧制御する自動変速機制御装置に関する。」
(し)「【0004】
【発明が解決しようとする課題】例えば、摩擦要素に加える油圧の元圧を生成する圧力制御弁に異物がかみ込み元圧の制御が不能になると、作動油を供給する油ポンプの回転数、すなわちエンジンの回転数により元圧が変動する。エンジンの回転数が上昇し、生成される元圧が高くなると、蓄圧器を用いる場合も、電磁弁で直接油圧制御する場合も、摩擦要素に加える最大油圧が上昇する。最大油圧が上昇しても摩擦要素の破損を防止するためには、摩擦要素の係合箇所の機械的強度を高める必要がある。しかし、機械的強度を高めるために摩擦要素の係合箇所の肉厚を厚くすると、自動変速機が大型化し、重量が増加するという問題がある。本発明の目的は、簡単な構成で摩擦要素に加わる油圧を所定圧以下にし、軽量かつ小型の自動変速機制御装置を提供することにある。」
(2-4)引用例4
特開2002-286128号公報(以下、「引用例4」という。)には、下記の事項が図面とともに記載されている。
(た)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機のシフトレンジ切換え制御装置に関する。」
(ち)「【0009】本発明の請求項2によれば、スプール弁位置は、アクチュエータの駆動軸の回転角を検出して換算される。」
(つ)「【0048】なお、スプール弁401の位置は、アクチュエータ100に設けられたエンコーダ103によりアクチュエータ100の駆動軸の回転角から換算するので、スプール弁401位置を直接検出する構成のように、検出手段の大きさ、検出手段の気密等に起因したスプール弁401周りすなわち油圧回路93を複雑することはない。したがって、簡素な構成で容易にスプール弁401が検出できる。」
(3)対比
本願発明1と引用例1発明とを比較すると、後者の「レンジ切換弁30」は「レンジ切換機構」に相当し、同様に、「レンジ制御部20」は「レンジ切換制御手段」に、「スプール」は「スプール弁」にそれぞれ相当する。また、後者の「レンジ切換弁30はスプールを有し、スプールを軸方向に操作することで、その排出ポートが切換えられて各走行レンジを設定するための摩擦係合装置の係合及び解放が制御されるように構成されている」は、技術常識を参酌すると、前者の「前記レンジ切換機構のレンジ切換動作に応じて自動変速機の複数の摩擦係合要素に作用させる油圧を油圧制御弁によって個別に制御することで各摩擦係合要素の係合と解放を選択的に切り換えて変速する変速制御手段」を「備え、」「前記レンジ切換機構は、前記各摩擦係合要素に油圧を供給する油圧回路を切り換えるスプール弁を有すると共に、該スプール弁のスプールを前記アクチュエータによって駆動するように構成され、」という事項に相当する。したがって、両者は、
「自動変速機のシフトレンジを切り換えるためのレンジ切換機構と、
前記レンジ切換機構を駆動するアクチュエータと、
運転者のレンジ切換操作により入力されるレンジ切換指令に従って前記アクチュエータを駆動制御して前記レンジ切換機構のレンジ切換動作を制御するレンジ切換制御手段と、
前記レンジ切換機構のレンジ切換動作に応じて自動変速機の複数の摩擦係合要素に作用させる油圧を油圧制御弁によって個別に制御することで各摩擦係合要素の係合と解放を選択的に切り換えて変速する変速制御手段とを備え、
前記レンジ切換機構は、前記各摩擦係合要素に油圧を供給する油圧回路を切り換えるスプール弁を有すると共に、該スプール弁のスプールを前記アクチュエータによって駆動するように構成されている自動変速機の制御装置。」である点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点]
本願発明1においては、「前記レンジ切換制御手段は、前記スプール弁のスプールの位置を検出又は、前記アクチュエータの作動量を検出してこれを前記スプール弁のスプールの位置に換算することにより推定するスプール位置検出手段を備え、該スプール位置検出手段によって前記スプール弁のスプールが前記レンジ切換指令に応じた目標位置に到達するタイミングを判断して前記変速制御手段に前記油圧制御弁による前記摩擦係合要素の油圧制御を開始させるタイミングを決定する」のに対し、引用例1発明は、そのような事項を備えていない点。
(4)判断
引用例1発明は、「スプールを軸方向に操作することで、その排出ポートが切換えられて各走行レンジを設定するための摩擦係合装置の係合及び解放が制御される」ものである。
このようなスプールないしスプール弁に関して、上記に摘記したように、引用例2には、「車両用直結クラッチのスリップ制御装置」に関するものの、「スプール弁子の摺動部分に作動油中の異物が堆積したりすると、スプール弁子の動きが影響を受けて制御圧の出力特性がずれる…」と記載されており、また、引用例3には、「摩擦要素に加える油圧の元圧を生成する圧力制御弁に異物がかみ込み元圧の制御が不能になると、…」(なお、図1のライン圧制御弁42)と記載されており、一般に、スプールないしスプール弁が異物の混入や噛み込み等によってその動作特性や供給油圧に好ましくない影響を受けることは、周知である。引用例1発明の「スプール」においても、このような点において特に異なるところはなく、また、そのような異物の混入や噛み込み等により「スプール」の動作特性が変化したり異常をきたした場合に、各摩擦係合要素の係合ないし開放が正常なタイミングで行われず、係合ショック等の不都合が生じ得ることは当業者に明らかである。そして、「スプール」の位置を検出し、あるいは、そのアクチュエータの作動量から「スプール」の位置を推定することは、引用例1(上記(え))、引用例4(上記(ち)(つ))に示されている。
引用例1発明の「スプール」に関する上記の問題に留意して、引用例1発明に引用例1?4の上記事項を適用して、「スプール」の位置を検出し、あるいは、そのアクチュエータの作動量から「スプール」の位置を推定し、「スプール」が正常に駆動され切換えられたと確認ないし推定されてから各摩擦係合要素の係合ないし開放を行うように構成することは、当業者であれば容易に想到し得たものと認められる。
そして、本願発明1の効果も、引用例1?4に記載された発明及び周知事項に基づいて当業者が予測し得たものであって、格別のものではない。
(5)むすび
したがって、本願発明1は、引用例1?4に記載された発明及び周知事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

なお、請求人は平成23年11月25日付け意見書において、「確かに、引用例2記載の発明や引用例3記載の発明には、審判官殿が指摘されたように、一般に、スプール弁が異物の混入や噛み込みによって動作特性や供給油圧に好ましくない影響を受ける事項が記載されているものの、引用例2記載の発明では、そのために、スプール弁子の摺動部分に作動油中の異物が堆積したりすると不具合が発生するために、異物の有無に関わらず、かつスプール弁子の作動の摺動状態に関わらず、直結クラッチが開放状態とされたことが検出された場合に、リニアソレノイドの推力に関連して作動させられる弁子の異物除去作動が行なわれるにすぎません。また、引用例3記載の発明では、圧力制御弁に異物がかみ込み元圧の制御が不能となっても、液圧の制御と減圧弁を備えることにより、摩擦要素に加える最大液圧を所定圧以下に抑えることができることが記載されているにすぎません。すなわち、異物が存在することの不具合に関する記載があるものの、この不具合に対する手段は、本願発明とは全く異なります。」と主張している。引用例2、3における不具合に対する手段が本願発明1と異なることはそのとおりであるが、それは、スプールないしスプール弁を備える装置の種類、解決策などの差異に起因するのであって、引用例2、3の手段が本願発明1と異なるからといって、それだけで直ちに、本願発明1が引用例1?4に記載された発明及び周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとの判断結果を左右するものではない。また、上述したように、引用例2、3はそもそも、一般に、スプールないしスプール弁が異物の混入や噛み込み等によってその動作特性や供給油圧に好ましくない影響を受けるという周知事項の一例にすぎない。
同じく、「しかしながら、自動変速機の制御装置において、スプール弁により油圧回路が切り換わったことを確認してから摩擦係合要素の油圧制御を開始する点は、どの引用例にも記載も示唆も全くなく、このどの引用例にも記載も示唆も全くない点である、「スプール弁」が正常に切換えられたかどうかを確認し、正常に切換えられたと確認した後に各摩擦係合要素の係合ないし開放を行うように構成することを、当業者であれば容易に想到し得たものと認められるとの判断は、到底承服しがたい判断であります。」と主張する。しかし、引用例1に「【0010】…そしてこのレンジ切換弁30のスプールを軸方向に操作することで、その排出ポートが切換えられて各走行レンジを設定するための摩擦係合装置(図示しない)の係合及び解放が制御される。」と記載されているように、スプールが操作されて排出ポートが切換えられてから、摩擦係合装置の係合及び解放が制御されること、ないし、そのように制御されるべきことは、当業者に自明である。そして、引用例1発明に引用例1?4の上記事項を適用して、「スプール」の位置を検出し、あるいは、そのアクチュエータの作動量から「スプール」の位置を推定し、「スプール」が正常に駆動され切換えられたと確認ないし推定されてから各摩擦係合要素の係合ないし開放を行うように構成することは当業者であれば容易に想到し得たものと認められることは、上述したとおりである。

4.結語
以上のとおり、本願発明1が特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである以上、本願発明2について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。

追記
平成23年9月21日付け拒絶理由通知において、「「運転者が故意にシフトレバーを中間位置で保持したり、…運転者の意思に反してシフトレバーが中間位置で止まってしまった場合」に、ステップ101ではN→Dレンジ切換指令が発生したと判断されるのかどうか、そもそも、どのようなときにそのように判断されるのか、不明である」と指摘したが、それに対し、上記意見書において、「すなわち、本願発明においては、運転者が故意にシフトレバーを中間位置で保持したり、…運転者の意思に反してシフトレバーを中間位置で止まってしまった場合のような運転者のレンジ切換操作においても、このレンジ切換操作により入力されるレンジ切換指令がなされた時に、このレンジ切換指令に従って、アクチュエータが駆動制御されるので、例えば、運転者が故意にシフトレバーを中間位置で保持したり、シフトレバーの機械的な引っ掛かり等によって運転者の意思に反してシフトレバーが中間位置で止まってしまった場合でも、シフトショックを発生することなく、非常時の発進性を確保できるものであります。」と主張する。これに関して、本願明細書には「【0006】…このような状態は、制御装置側では、シフトレバー操作位置の検出システムの故障で発生したものなのか、シフトレバーが中間位置で止まったことにより発生したものなのかを区別できないため、…」、「【0029】…しかも、例えば、運転者が故意にシフトレバーを中間位置で保持したり、シフトレバーの機械的な引っ掛かり等によって運転者の意思に反してシフトレバーが中間位置で止まってしまった場合でも、…」と記載されている。何らかの原因によってシフトレバーが中間位置にとどまっている場合に、それが、運転者にシフト切換の意思があるにもかかわらず、「運転者が故意にシフトレバーを中間位置で保持した」のか、「シフトレバーの機械的な引っ掛かり等によって運転者の意思に反してシフトレバーが中間位置で止まって」いるのか、それとも、運転者のシフト切換の意思によらずに、「シフトレバー操作位置の検出システムの故障で発生したものなのか」、不意の接触等によってシフトレバーが誤って動いたのかどうかを、どの事項によってどのようにして判別するのかについて明細書に特に説明がなく、依然として不明確である。
 
審理終結日 2012-01-31 
結審通知日 2012-02-08 
審決日 2012-02-22 
出願番号 特願2005-248222(P2005-248222)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (F16H)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 増岡 亘  
特許庁審判長 山岸 利治
特許庁審判官 倉田 和博
冨岡 和人
発明の名称 自動変速機の制御装置  
代理人 加藤 大登  
代理人 伊藤 高順  
代理人 井口 亮祉  
代理人 碓氷 裕彦  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ