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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  E02D
管理番号 1260064
審判番号 無効2011-800149  
総通号数 153 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-09-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2011-08-29 
確定日 2012-07-11 
事件の表示 上記当事者間の特許第4478187号発明「地盤改良機」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
本件無効審判事件の手続の経緯は,以下のとおりである。
平成20年 5月13日 特許出願(特願2008-125439号)
平成22年 3月19日 特許権の設定登録(特許第4478187号)
平成22年 6月 1日 先の無効審判請求(無効2010-800099号)
平成23年 2月25日 審決(特許維持:以下,「先の審決」という。)

平成23年 8月29日 本件無効審判請求(請求項1?3に対して)
平成23年11月18日 被請求人:審判事件答弁書提出
平成24年 1月27日 口頭審尋(特許庁審判廷にて)

平成24年 3月13日 請求人:口頭審理陳述要領書提出
平成24年 3月13日 被請求人:口頭審理陳述要領書提出
平成24年 3月27日 口頭審理(特許庁審判廷にて 審理終結)
平成24年 4月13日 審理再開
平成24年 4月13日 審尋(公然実施を明らかにするために,証人尋問を申請するか審尋。回答無し。)


第2 本件特許発明
特許第4478187号(以下,「本件特許」という。)の請求項1ないし3に係る発明は,その特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定される次のとおりのものと認める。なお,請求項1に係る発明の構成について,構成要件A?Jに分説した。
「【請求項1】
A:下部走行体と、該下部走行体に旋回自在に搭載した上部旋回体と、該上部旋回体に起伏自在に枢支されたブームと、該ブームの先端に揺動自在に枢支されたアームと、該アームの先端に掘削動作可能に枢支されたバケットとを備えた掘削機と、
B:前記バケットに取付けられた、固化材液を吐出する固化材液吐出ノズルと、
C:前記バケットに取付けられた、前記固化材液と土とを混練りする撹拌翼を備えたミキサーと、
D:前記ブームの鉛直線に対する角度を検出するブーム角検出器と、前記アームの鉛直線に対する角度を検出するアーム角検出器と、前記バケットの鉛直線に対する角度を検出するバケット角検出器からなる位置検出器と、
E:前記バケットに取付けられた、電気比抵抗を検出する電気比抵抗センサと、
F:前記ブームの長さと前記アームの長さと前記バケットの長さおよび前記位置検出器の検出角度に基づいて前記バケットの先端位置を演算して該バケット先端位置の移動軌跡を演算すると共に前記移動軌跡上の電気比抵抗を求めるコントローラと、
G:該コントローラで求められたバケット先端位置の移動軌跡と電気比抵抗を表示するモニターとを備えており、
H:前記モニターが、施工中の地盤の縦断面における深さの線と幅寸法の線でマトリクス状に区切られたマス目で示すマス目表示部を有しており、
I:前記マス目表示部に前記バケット先端位置の移動軌跡および該移動軌跡上における電気比抵抗を表示するものである
J:ことを特徴とする地盤改良機。
【請求項2】
前記撹拌翼の回転速度を検出する回転速度計と、回転トルクを検出する回転トルク計とを備えており、
前記モニターが前記回転速度、前記回転トルク、および前記回転速度から求められた前記撹拌翼の羽根切り積算数を表示するものである
ことを特徴とする請求項1記載の地盤改良機。
【請求項3】
前記固化材液の吐出量を検出する流量計とを備えており、
前記モニターが前記吐出量を表示するものである
ことを特徴とする請求項1記載の地盤改良機。」
(以下,請求項1ないし3に係る発明を,「本件特許発明1」乃至「本件特許発明3」という。)


第3 請求人の主張
請求人は,特許第4478187号の請求項1ないし3に係る発明についての特許を無効とする,との審決を求め,以下のように主張している。

1.無効理由
本件特許発明1ないし3は,甲第1号証に記載された発明に,甲第2?9号証に記載された発明を適用することによって,当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから,本件特許発明1ないし3についての特許は,同法第123条第1項第2号の規定に該当し,無効とすべきものである。

2.無効理由についての具体的主張
(1)先の審決の援用
甲第10号証として示した先の審決で認定された,本件特許発明1と甲1発明との一致点及び相違点1?4の認定,並びに,相違点1?3に関する判断について,先の審決を援用する。

(2)先の審決における甲1発明と本件発明1との相違点4
甲1発明と本件特許発明1との相違点4は以下のとおりである。
(相違点4)本件特許発明1は,モニターで表示する情報が,バケット先端位置の移動軌跡および移動軌跡上の電気比抵抗であって,モニターが,施工中の地盤の縦断面における深さの線と幅寸法の線でマトリクス状に区切られたマス目で示すマス目表示部を有しており,マス目表示部にバケット先端位置の移動軌跡および該移動軌跡上における電気比抵抗を表示するものであるのに対して,甲1発明は,モニターで表示する情報が,混合撹拌ヘッドの先端の深度および混合撹拌ヘッドのチェーンの累積移動距離であって,モニターが施工中の地盤の縦断面における深さの線と幅寸法の線でマトリクス状に区切られたマス目で示すマス目表示部を有するものではない点。

(3)相違点4についての甲第5,6号証に基づく主張
甲第6号証には,施工中の地盤の縦断面を深さ方向と幅方向の2次元で表現しているモニター画面上にバケット先端Dの移動軌跡をリアルタイムで表示させることが記載されている。
甲第5号証には,電気比抵抗をリアルタイムに演算し,モニターに表示することが記載されている。
そして,両者のリアルタイムの時刻を基準にして,電気比抵抗をバケット先端の移動軌跡に対応づけてモニターに表示することは容易になし得たことである。
甲第5,6号証に記載された発明は,共に,土木作業機械において作業状態をリアルタイムに表示して,作業の効率,安定化を図る表示手段として共通しているから,甲第1号証に記載された発明に,甲第5,6号証に記載された発明を共に採用することは当業者が容易になし得たことである。
さらに,2次元の画像のX,Y点を明確にするためにマス目を用いることは例えば,甲第11号証にあるように周知のことである。
したがって,相違点4は,甲1発明に甲第5,6号証記載の発明及び周知技術を適用して当業者が容易になし得たことである。

(4)相違点4についての甲第6,7号証に基づく主張
甲第7号証の9乃至甲第7号証の12には,
「施工中の地盤の縦断面における深さの線と幅寸法の線でマトリックス状に区切られたマス目で示すマス目表示部、及び前記マス目表示部にバケット先端位置の移動軌跡及び該移動軌跡上における電気比抵抗を表示するもの」が開示されている。
そして,甲第7号証の9,10に示された表示装置は,工事現場内に建てられた作業所内に設置されているものであり,それは,黒板があることからあきらかである。そして,工事現場内の作業所には工事関係者が休憩等で自由に出入りでき,そのような場所に設置された表示装置は,秘密状態で置かれているとはいえない。
そのような工事関係者が守秘義務を有するとは考えられない。
したがって,上記発明は,公然と実施されていたものである。

・甲第6号証には,施工中の地盤の縦断面を深さ方向と幅方向の2次元で表現しているモニター画面上に地盤改良機械の移動軌跡をリアルタイムで表示させることが記載されている。
・甲第1号証の地盤改良機械の移動軌跡をリアルタイムで表示することは,当業者が容易になし得たことであるし,さらに,甲第7号証発明を考慮すれば,甲第1号証の地盤改良機械において,改良地盤すなわち地盤改良機の移動軌跡におけるの電気比抵抗をマトリックス状に区切られたマス目で示すマス目表示部に表示することは,当業者が容易になし得たことである。

3.証拠方法
請求人の提出した証拠方法は,以下のとおりである。
-審判請求書で提示-
甲第1号証:特開2005-98072号公報
甲第2号証:特開平8-74245号公報
甲第3号証:特開平5-311691号公報
甲第4号証:特開2004-183434号公報
甲第5号証:特開2005-230710号公報
甲第6号証:特開昭62-185932号公報
甲第7号証:財団法人香川成人医学研究所 健診センター・クリニック新築工事(以下「健診センター新築工事」という)を実施している状況を撮影した画像データを記録したCDロム
甲第7号証の1:データP4215826の出力写真
甲第7号証の2:データNo.8-7の出力写真
甲第7号証の3:データP4225836の出力写真
甲第7号証の4:データP4225828の出力写真
甲第7号証の5:データP4225831の出力写真
甲第7号証の6:データP4235881の出力写真
甲第7号証の7:データP4235882の出力写真
甲第7号証の8:データP4295954の出力写真
甲第7号証の9:データNo.8-17の出力写真
甲第7号証の10:データNo.8-18の出力写真
甲第7号証の11:データP4295945の出力写真
甲第7号証の12:データP4295955の出力写真
甲第8号証:特開2002-212941号公報
甲第9号証:特開2008-95388号公報
甲第10号証:無効2010-800099号審決
甲第11号証:特開2003-130643号公報
甲第12号証:(財)香川成人医学研究所健診センター・クリニック新築工事 施工要領書 エルマッド工法(マッドソイルセメント工法)平成20年4月
株式会社エルフが平成20年4月に請け負った健診センター新築工事の際に被請求人が施工主である大成建設(株)に提出した施工要領書
甲第13号証:(財)香川成人医学研究所健診センター・クリニック新築工事,工事報告書第1号(2008年4月)
大成建設株式会社四国支店から大成建設株式会社の本店宛に平成20年(2008)年5月17日に提出された工事報告書
甲第14号証:財団法人日本建築センターが発行した,建設技術審査証明(建築技術)報告書BCJ一審査証明-147 セメント系固化材を用いた流動化処理工法「エルマッド工法」平成20年5月19日発行
甲第15号証:2008年(平成20年)のカレンダー
甲第16号証:特許無効2010-800099号無効審判事件において本件審判事件の被請求人が特許庁審判長に提出したロ頭審理陳述要領書

-平成24年3月13日付け口頭審理陳述要領書で提示-
甲第7号証の1の1?甲第7号証の12の12:
甲第7号証のCDロムに記憶された撮影日時をプリントした印刷物


第4 被請求人の主張
被請求人は,本件無効審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求め,請求人の主張に対して,以下のように反論している。

1.無効理由に対する反論
(1)甲第10号証として示した先の審決で認定された,本件特許発明1と甲1発明との一致点及び相違点1?4の認定,並びに,相違点1?3に関する判断については,争わない。
(2)相違点4についての甲第5,6号証に基づく主張に対して
・甲第5,6号証からでは,本件発明の構成要件HおよびIで特定した,「モニターが、施工中の地盤の縦断面における深さの線と幅寸法の線でマトリクス状に区切られたマス目で示すマス目表示部を有しており, 前記マス目表示部にバケット先端位置の移動軌跡および該移動軌跡上における電気比抵抗を表示するものである」ことを導き出す動機付けはない。
・甲第11号証には,本件特許発明1とは課題も技術分野も異なり,本件特許発明1のマス目表示部とは異なる。
したがって,相違点4に係る本件特許発明1の構成は,甲第5,6号証の記載からでは容易に想到できない。
(3)相違点4についての甲第6,7号証に基づく主張に対して
・甲第7号証の9乃至甲第7号証の12の写真は,どこかの家屋内にある表示装置を撮影したものであるが,それがどこであるのか明らかでない。
・甲第7号証に示す施工現場は,安全確保の観点から,不特定人はもとより工事関係者といえども極めて限られた者にしか,施工現場に近づけないのが現実であった。
・工事現場の作業所のような,工事のデータを取る場所に,不特定の人が立ち入るとは考えられない。
したがって,甲第7号証発明は,公然と実施されたものではない。

2.証拠方法
被請求人の提出した証拠方法は,以下のとおりである。
乙第1号証:労働安全衛生規則 目次 第158条の掲載頁
乙第2号証:建設マネジメント技術 2008年11月号 45?49頁
近畿地方整備局管内における工事事故発生状況と事故事例による対策-建設機械(バックホウ)の事故例と対策-
乙第3号証:証明書(平成23年10月31日付 大成建設株式会社 四国支店建築部 安全環境推進室長 門田 文男)
乙第4号証:証明書(平成23年11月10日付 大成建設株式会社 四国支店現場代理人 小原 一郎)


第5 甲号各証の記載内容
1.甲第1号証:特開2005-98072号公報
甲第1号証には,以下の記載がある。
(1a)「【特許請求の範囲】
【請求項1】
現位置土を掘削しながら固化材と混合撹拌して現位置土の強度増加を図る地盤改良工法において、
改良処理深度の大きさにかかわらず上記掘削と混合撹拌処理を司る処理機械の負荷が65%以下となるように、改良処理深度に応じて改良処理直後における処理土の流動性を変化させて改良処理を行うことを特徴とする地盤改良工法。」

(1b)「【0036】
図1に示すように、ベースマシンであるバックホウ1のアーム2の先端には、土壌の掘削と混合撹拌のためにチェーン駆動式のいわゆるトレンチャー式と称される処理機械としての油圧駆動式の混合撹拌ヘッド3が着脱可能に装着されている。
【0037】
トレンチャー式の混合撹拌ヘッド3は、図4,5に示すようにフレーム4の上部の駆動論であるチェーンスプロケット5と下部の従動輪6との間にエンドレスなドライブチェーン7を巻き掛けるとともに、そのドライブチェーン7の外周に等ピッチで複数の混合撹拌翼8,8…を装着したものであり、各混合撹拌翼8には図5に示すように複数のカッター刃9が突設されている。上記フレーム4の先端には固化材吐出口10が設けられておおり、例えば図示しないグラウトポンプ等によって配管11を通して圧送されてきたスラリ状もしくは粉体状の固化材が吐出されるようになっている。そして、フレーム4の上部に設けられた油圧モータ12を起動することにより各混合撹拌翼8,8…がドライブチェーン7とともに周回移動し、それに併せてバックホウ1の推力にて混合撹拌ヘッド3を地中に貫入することにより、土壌の掘削と先に述べた固化材吐出口10から吐出されるスラリ状固化材もしくは粉体状固化材との混合撹拌が行われる。」

(1c)「【0051】
そして、先に述べた混合撹拌ヘッド3の負荷抵抗率Avの値が65%以下という条件を満たすように施工を行うべく、実際の施工箇所(地盤改良の対象となる地盤)の深度に応じて図7のグラフから該当するフロー値を選択し、そのフロー値条件を満たすように改良処理深度ごとに改良処理直後の処理土の流動性を変化させて施工を行うものとする。この流動性の選択は、図28に基づいてに最初に決定した水/セメント比(W/C)に基づく固化材添加量(セメント添加量)に優先するものとする。例えば改良処理深度が15mの場合には、図7のグラフからフロー値として180mm?220mmの範囲を選択し、その許容範囲の中央値である200mmを目標値として流動性を調整するものとする。
【0052】
すなわち、常に処理土が流動化することによってその処理土の強度発現に最も影響を与える混合度合いを最適化するべく改良処理深度別に改良処理直後の流動性を積極的に変化させ、最も経済的な流動性のもとで施工を行うものとする。
【0053】
こうすることにより、混合撹拌ヘッド3が無理なく且つ安定して混合撹拌処理を行うことになるので、品質のばらつきが少なく、単位時間当たりの作業量を大きく確保することができて、結果的にコストダウンを図ることができるようになる。」

(1d)「【0064】
また、バックホウ1にはアーム2の回転角度を検出するための角度センサ20や、ブーム21の回転角度を検出するための角度センサ22、および混合撹拌ヘッド3の首振り旋回方向(θ方向)での鉛直度合いを検出するための角度センサ23がそれぞれ設けられていて、これらの各角度センサ20,22,23の検出出力は先に述べた混合撹拌ヘッド3側の回転センサ13の検出出力(ドライブチェーン駆動用の油圧モータ12の回転数N(rpm))とともに計測表示盤14の演算処理部15に入力される。なお、上記の角度センサ20,22,23としてはいわゆるトルクバランス方式と称される公知の構造のものが使用される。
【0065】
上記の計測表示盤14の演算処理部15では、回転センサ13や角度センサ20,22,23からの検出出力ならびにプリセットデータをもとに所定の演算を行って、例えば図1に示すように、その演算結果であるチェーン速度と1区割りE当たりの累積移動距離および深度とがそれぞれ数値と累積積算波形の二つの形態としてリアルタイムで第1の表示部16に可視表示され、同時に図2に示すように混合撹拌ヘッド3の鉛直度合いがリアルタイムで第2の表示部17に可視表示される。」

(1e)「【0067】
一方、1区割りE当たりの累積移動距離は、図3に示した1区割りEの地盤改良処理に要したドライブチェーン7の現在までの総移動距離にほかならず、上記のチェーン速度(混合撹拌翼8,8…の周回速度)と1区割りEの地盤改良処理に要した時間とを乗じることによって算出される。つまり、1区割りEの地盤改良に際してドライブチェーン7が混合撹拌翼8,8…とともに絶えず周回移動しているものとみなして、その1区割りEの処理開始時にオペレータがスタートボタンを押してから現在(現在時刻)までの累積作業時間を計時し、その累積作業時間(秒)にチェーン速度(m/sec)を乗じることによって算出される。なお、上記累積作業時間は図示しないリセットボタンの操作により任意のタイミングでリセット可能である。
【0068】
また、深度H(m)は図1に示すように地面から混合撹拌ヘッド3の先端(下端)までの掘り下げ施工深さであり、次の式(3)によって算出される。なお、この深度についても図示しないリセットボタンの操作により任意のタイミングでリセット可能である。
【0069】
H=D1-D2-α‥‥(3)
D1=L1×sinθ1
D2=L2×sinθ2
ただし、
D1:アーム2の角度による垂直方向の距離
D2:ブーム21の角度による垂直方向の距離
L1:混合撹拌ヘッド3の上端からアーム2とブーム21の接続部までの距離(定数)
L2:アーム2とブーム21の接続部からブーム21の車両固定部までの距離(定数)
C:リセットボタン操作によるオフセット量
ここで、先に述べたように幅M×長さLの1区割りEの施工に当たっては、図3に示すようにその1区割りEの領域を例えば(1)?(9)の細領域に分けた上で、その都度所定量ずつオーバーラップさせながら施工を行うものとする。」

上記記載事項(1a)?(1e)および図面の記載からみて,甲第1号証には,以下の発明が記載されているものと認められる。
「バックホウのアームの先端に土壌の掘削と混合撹拌のために混合撹拌翼を装着した混合撹拌ヘッドを設けるとともに,この混合撹拌ヘッドの先端には固化材吐出口が設けられ,
アームおよびブームの回転角度を検出するための角度センサと混合撹拌ヘッドの垂直度合いを検出するための角度センサを備えて,上記各角度センサの検出出力より深度を演算し,
施工中における撹拌ヘッドのチェーン速度と1区割り当たりのチェーンの累積移動距離および深度をバックホウのキャビン内に可視表示する
作業機械。」(以下,「甲1発明」という。)

2.甲第2号証:特開平8-74245号公報
甲第2号証には,以下の記載がある。
(2a)「【0021】この実施例では、掘削機1として、図1に示すようなバックホウが使用されている。この掘削機1は、自走式の車体11に屈曲式アーム12を水平旋回自在に搭載し、さらに該屈曲式アーム12の先端部に土壌を掘削するためのバケット2を取付けている。
【0022】又、バケット2部分には、固化材スラリーを注入するノズル34(図2(A)?(C)参照)が設けられている。このノズル34には、図1に示すように、ミキサー31内に収容した固化材スラリーが供給管33を通して供給される。ミキサー31内では、セメントと水とを適量づつ混合・撹拌して固化材スラリーを生成し、該ミキサー31内の固化材スラリーをポンプ32で供給管33を通してノズル34から吐出し得るようになっている。固化材スラリーの混合割合は、重量比でセメントが50?60%に対して水が50?40%程度が適当である。又、この固化材スラリーは、連続地下壁を構築すべき場所の土壌に対して、体積比で20?30%程度混入される。尚、セメントと水の混合割合、及び固化材スラリーの土壌に対する混合割合等は、現場の地質や構築すべき連続地下壁の用途等によって適宜に変更可能である。
【0023】又、バケット2部分には、該バケット2で掘削された土壌とノズル34から吐出された固化材スラリーとを撹拌・混合するための撹拌装置4が設けられている。この撹拌装置4は、バケット2に内蔵した油圧モータ41(図2(A)参照)で撹拌羽根42を回転させる構成を有している。」

上記記載事項(2a)および図面の記載からみて,甲第2号証には,以下の発明が記載されているものと認められる。
「掘削機1において,バケットに撹拌羽根42を備えた撹拌装置4を備えるとともに,このバケットに固化材スラリーを注入するノズル34を設けた掘削機。」(以下,「甲2発明」という。)

3.甲第3号証:特開平5-311691号公報
甲第3号証には,以下の記載がある。
(3a)「【特許請求の範囲】
【請求項1】 本体に角度変更自在に取り付けられたアームと、アームに角度変更自在に取り付けられた掘削体とを備えた建設機械に於いて、前記掘削体の重力方向に対する角度を検出する角度センサと、重力方向に対する掘削体の角度を設定する角度設定手段と、前記角度センサからの検出値に基づいて掘削体の角度を前記角度設定手段で設定した角度に調整する制御手段を備えていることを特徴とする掘削角度制御装置。」

(3b)「【0008】
【実施例】図1は本発明の実施例が適用される建設機械の全体構成を示し、従来の建設機械と同一の要素は同一の符号で対応させてある。図1において、ブーム3はブーム用シリンダ6により本体2に対する角度変更が行なわれ、アーム4はアーム用油圧シリンダ7によりブーム3に対する角度変更が行なわれる。一方、掘削体であるバケット5はバケット用油圧シリンダ8によりアーム4に対する角度変更が行なわれる。このバケット5の上部には角度センサ20が装着されている。角度センサ20はバケット5の作動によって損傷を受けることのないように、バケット5の上部に設けられると共に、防塵、防水を行なうため適宜のカバーに覆われた状態で装着されている。この角度センサ20はバケット5の角度を検出するが、その検出は地球の重力を基準とし重力方向に対しての角度を検出する。図2はこの角度センサ20の内部構造を示し、振り子21がケース22から鉛直方向に垂下している。振り子21の下部の周囲にはマグネット及びコイル24からなる補正機構が配設されていると共に、この補正機構の下方には振り子21の振出角度を電流変動で検出する検出器25が配設されている。この検出器25はカウンタ26に接続されて電流変動が角度に換算されるようになっている。又、カウンタ26で換算した角度変位は増幅器27を介して補正機構のコイル26にフイードバックされる。このような角度センサ20において、振り子21に地球重力が加わり、平衡点がずれると平衡点からの角変位に相当する信号が検出器25に発生し、この信号が増幅されてコイル26にフイードバックされ、振り子21が平衡点に復帰する。この時、コイル26に流れる電流が地球重力に比例しているため、その電流を電圧信号として出力端子28から出力する。従って、この角度センサ20は重力方向に対するバケット5の角度を単独で検出するものであり、その検出角度はアーム4及びブーム3の角度に無関係に絶対的な角度となる。本実施例はこの角度センサ20によって検出されたバケット5の絶対角度を用いて地盤に対するバケット5の角度の自動調整を行なうものである。」

4.甲第4号証:特開2004-183434号公報
甲第4号証には,以下の記載がある。
(4a)「【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、未硬化地盤改良体(この地盤改良には改良柱体を含む。)の混合状態(即ち、掘削土とセメントミルク等の固化材液の混合状態)を検出するための比抵抗測定用に関連するものであり、特に未硬化地盤改良体の比抵抗測定装置用先端治具に関するものである。」

上記記載事項(4a)および図面の記載からみて,甲第4号証には,以下の発明が記載されているものと認められる。
「地盤改良体において,その改良状況を確認するための比抵抗測定装置。」(以下,「甲4発明」という。)

5.甲第5号証:特開2005-230710号公報
甲第5号証には,以下の記載がある。
(5a)「【0010】
また、本発明に係る汚染土壌の原位置不溶化管理装置は請求項2に記載したように、不溶化剤を吐出するための薬剤吐出手段を備えてなる土壌混合攪拌機と、監視用センサーと、該監視用センサーで得られた計測データを表示するモニターとからなり、前記土壌混合攪拌機を中空ロッド及びその周面に突設された攪拌翼で構成するとともに前記中空ロッドの先端に吐出口を形成して前記薬剤吐出手段とし、前記監視用センサーを前記中空ロッドの周面又は前記攪拌翼に設け、前記監視用センサーを地盤の電気比抵抗、電気伝導度、pH及び温度のうち、少なくともいずれかを管理データとして計測可能に構成したものである。」

(5b)「【0014】
このようにすると、不溶化剤の吐出及び攪拌混合をしている間、上述した管理データから不溶化処理の状況、主として不溶化剤の汚染土壌への浸透状況をリアルタイムに監視し把握することができるだけではなく、固化材を含む不溶化剤や不溶化剤とは別に固化材を併用した場合であっても、汚染土壌が未だ固化していないため、不溶化処理が不足すると判断される継続処理領域については、不溶化剤の種類や吐出量あるいは攪拌速度を変更することで引き続き不溶化処理を行うことができる。」

(5c)「【0038】
図1は、本実施形態に係る汚染土壌の原位置不溶化管理装置を示した図である。本実施形態に係る汚染土壌の原位置不溶化管理装置1は、ベースマシンであるバックホウ(図示せず。図2中、符号2を参照)のアームの先端に土壌混合攪拌機である垂直連続混合攪拌式地盤改良機械としてのトレンチャー式地盤改良機械3を取り付け、該トレンチャー式地盤改良機械に監視用センサー4及び不溶化剤を吐出するための薬剤吐出手段としての吐出パイプ5を内蔵するとともに、監視用センサー4で得られた計測データをモニター6で表示するように構成してある。」

(5e)「【0042】
監視用センサー4は、地盤の電気比抵抗を管理データとして計測可能に構成してある。なお、必要に応じて、監視用センサー4で計測された管理データを記憶する記憶媒体が内蔵されたコンピュータや、監視用センサー4を制御する制御装置を備えるのが望ましい。」

(5f)「【0045】
塩化第一鉄水溶液及びセメントミルクは、汚染土壌21に含まれている汚染物質の種類や濃度に応じて併用か単独かを適宜選択すればよく、汚染物質が単独であってセメントミルクで不溶化が可能である場合には、セメントミルクのみを注入しつつ、汚染土壌21を攪拌混合すればよいし、汚染物質が複数であって塩化第一鉄及びセメントミルクの二種類の不溶化剤による不溶化が適切な場合には、1パス目として塩化第一鉄水溶液を注入しながら汚染土壌21を攪拌混合し、次いで、2パス目として、1パス目に攪拌混合された領域をセメントミルクを注入しながら攪拌混合するようにすればよい。ここで、パスとは、一方向への攪拌混合を意味し、例えばバックホウ2から見て向こう側から手前側に沿って攪拌混合する工程を意味する。
【0046】
ここで、攪拌混合中、監視用センサー4から送られてくる計測データをモニター6に表示し、該モニターに表示された管理データを見ながら、不溶化処理の状況、主として不溶化剤の汚染土壌21への浸透状況を監視する。」

以上の記載事項(5a)?(5f)および図面の記載から,甲第5号証には,以下の発明が記載されているものと認められる。
「バックホウのアームの先端に地盤改良機械を取り付け、該地盤改良機械に地盤の電気比抵抗を計測する監視用センサー及び不溶化剤を吐出するための吐出パイプを設けるとともに、監視用センサーで得られた計測データをリアルタイムかつ直接的にモニター表示する地盤改良機。」(以下,「甲5発明」という。)

6.甲第6号証:特開昭62-185932号公報
甲第6号証には,以下の記載がある。
(6a)「CPU12では、第5図に示す如く、まずセンサ5?8で検出される角度α,β,γおよびδがA/D変換器13?16を介して取り込まれ、またメモリ9に格納されている各長さl_(1)?l_(4)と設定器11で設定された掘削深度l_(5)とが取り込まれる。そして、前記(1),(2)および(3)に示した演算、つまり現時点での前記B,CおよびD点の座標(x_(B),y_(B)),(x_(C),y_(C))および(x_(D),y_(D))を求める演算が実行される(ステップ502)。
ついでCPU12では、メモリ10に格納されている第4図に示した形状パターン100,200,300および400と、上記各被標(x_(B),y_(B)),(x_(C),y_(C))および(x_(D),y_(D))をK倍した座標(x’_(B),y’_(B)),(x’_(C),y’_(C))および(x’_(D),y’_(D))およびA点の座標(0,0)と、角度α、βおよびrと、距離l_(4),l_(5)をK倍した値l’_(4),l’_(5)とに基づいて画像合成処理が行なわれる(ステップ503)。
すなわち、第6図に示すようにx,y座標上で形状パターン100,200,300および400を配列させ、かつ座標原点A′より(l’_(4)+l’_(5))だけ下方の位置に掘削目標ラインLを形成する画像合成処理が実行される。そして、合成された画像についてのデータが画像メモリ17に格納され(ステップ504)、このデータはD/A変換器18を介して画像表示手段たるモニタテレビ19に加えられる(ステップ505)。この結果、モニタテレビ19の画面には、上記合成された画像が第3図に例示する態様で表示される。」(2頁左下欄20行?3頁左上欄7行)

(6b)「第5図に示したCPU12の手順は時間t毎に繰り返えされ、これによって上記モニタテレビ19には、パワーショベルの作業機の動作の態様(運動軌跡)とパケット刃先の目標掘削ラインLに対する位置が画像表示される。
上記モニタテレビ19は、パワーショベルのキャビン内に配置されているので、オペレータはモニタテレビ19に表示された画像から掘削作業の状態および掘削深度を的確に知ることができる。
なお、上記掛数Kには実際のパワーショベルの各要素の形状に対する第4図に示した各形状パターンの縮少倍率を示している。
また、上記傾斜センサ8では検出される傾斜角δは、車体4が傾斜した場合における角度α、βおよびγの補正に用いられ、この補正を行なうことによって絶対水平を基準したブーム角、アーム角およびパケット角を得ることができる。
上記実施例では第4図に示した形状パターン100?400を用いてパワーショベル全体の画像を形成しているが、作業機のみについての画像を形成してこれをモニタテレビに表示してもよく、また、上記形状パターンを用いないで、作業機の動作を第7図に示すような線状の画像を用いて表示することも可能である。」(3頁左上欄8行?右上欄11行)

(6c)「また、パケット先端点Dの位置変化、つまり同先端点Dの軌跡を前記式(3)に基づいて求め、これを第8図に示すように掘削目標ラインと共にモニタテレビ17の画面に表示させることもできる。そしてこの軌跡を第3図に示すモニタ画面上の画像と合成することも可能である。
上記軌跡の表示において、第8図に点線で示したようにたとえば5回の掘削についての軌跡をメモリ11に蓄積してそれらの軌跡を同時に画面上に表示させることも可能であり、その場合、6本目の軌跡が表示される時点で最先の軌跡についての画像データがクリアされるように画像処理のソフトを作成しておけばよい。」(3頁右上欄12行?左下欄4行)

(6d)「さらに、上記モニタテレビ19の画面上に探削深度を数値表示させることも可能であり、またバケット先端が掘削深度をオーバーした場合にランプ、ブザー等の警報手段を作動させることも可能である。」(3頁左下欄5?9行)

(6e)「〔発明の効果〕
本発明によれば、掘削機械の作業機の運動軌跡または作業機の刃先の運動軌跡と掘削目標ラインとを画像表示手段に表示させているので、オペレータがこの表示手段の画面を見ながら溝や法面の掘削作業を適正に行なうことができる。」(4頁右下欄7?12行)

以上の記載事項(6a)?(6e)および図面の記載から,甲第6号証には,以下の発明が記載されているものと認められる。
「施工中の地盤の縦断面を深さ方向と幅方向の2次元で表現しているモニター画面上にバケット先端Dの移動軌跡をリアルタイムで表示させる画像表示手段」(以下,「甲6発明」という。)

7.甲第7号証:「健診センター新築工事」を実施している状況を撮影した画像データを記録したCDロム

甲第7号証には,合計142枚の写真のデータが記録されており,そのうち,12枚が甲第7号証の1?甲第7号証の12として提出されている。

(7a)甲第7号証の1
甲第7号証の1は,「P4215826」の番号が付けられた写真であり,工事名が記載された黒板とショベルのバケットのようなものが写されている。
黒板には,「地盤改良工事試験堀状況支持層確認 X5、Y3」と記載されている。

(7b)甲第7号証の2
甲第7号証の2は,「No.8-7」の番号が付けられた写真であり,工事名が記載された黒板が作業者とともに写されている。
黒板には,工種として,「エルマッド工法」と記載され,その下には「キャリブレーション マッドバランス 計画値 1,546 実測値 1,548 w/c=90% w=6.9t c=1.0t No.8 X4,Y4」と記載されている。

(7c)甲第7号証の3
甲第7号証の3は,「P4225836」の番号が付けられた写真であり,後部に「エルフ」と書かれた作業機とパワーシャベルが写されている。

(7d)甲第7号証の4
甲第7号証の4は,「P4225828」の番号が付けられた写真であり,施工現場を広く撮影した写真である。
施工現場には,2台の作業機が写されている。

(7e)甲第7号証の5
甲第7号証の5は,「P4225831」の番号が付けられた写真であり,作業機により地盤改良を行っているらしい様子が写されている。

(7f)甲第7号証の6
甲第7号証の6は,「P4235881」の番号が付けられた写真であり,2台の作業機により,何らかの作業が行われている様子が写されている。

(7g)甲第7号証の7
甲第7号証の7は,「P4235882」の番号が付けられた写真であり,2台の作業機により,何らかの作業が行われている様子が写されている。

(7h)甲第7号証の8
甲第7号証の8は,「P4295954」の番号が付けられた写真であり,2台の作業機により,何らかの作業が行われている様子が写されている。

(7i)甲第7号証の9
甲第7号証の9は,「No.8-17」の番号が付けられた写真であり,エルマッド工法施工状況表示装置が,工事名が記載された黒板及びカレンダーとともにどこかの家屋内で写されている。該カレンダーには,29日が火曜日であることが示されている。
黒板には,工種として,「エルマッド工法」と記載され,その下には「羽根切回数確認
計画値 33600, 実測値 35276 No.8 X4,Y4」と記載されている。

(7j)甲第7号証の10
甲第7号証の10は,「No.8-18」の番号が付けられた写真であり,「エルマッド工法施工状況表示装置」がどこかの家屋内で写されている。
「エルマッド工法施工状況表示装置」には,「掘削外形表示」と表示され,その下に右側には,四角い表示部の外周付近に黄色の点が表示されている。

(7k)甲第7号証の11
甲第7号証の11は,「P4295945」の番号が付けられた写真であり,表示装置の表示画面が写されている。
表示画面に左上部には,「比抵抗分布測定」と表示され,その下に,上から「比抵抗 9.9Ωm 測定水平位置 1.28m 測定深さ位置 -4.03m]と表示され,さらに,その下に「黒丸 未測定 黄丸 0?10Ωm,ピンク丸 10.1?20.0Ωm 水色丸 20.1?30.0Ωm 緑丸 30.1?99.9Ωm」と表示されている。
また,右側には,マトリックス状の表示部に黒,黄,ピンク,水色の丸が分布表示されている。

(7l)甲第7号証の12
甲第7号証の12は,「P4295955」の番号が付けられた写真であり,「エルマッド工法施工状況表示装置」の表示部が写されている。
該表示部には,その上部に左から「無線グラフ表示」「場所23」「軌跡拡大表示」「比抵抗分布表示」と表示され,
その下方に「固化材流量 0」,「比抵抗 12.1」,「羽根切り回数 43692」,「投入後羽根切り回数 43692」,「回転速 129」,「トルク 284」,「水平位置 1.69」,「深さ位置 -1.61」と表示されている。
さらにその下には,左側に,固化材液量,比抵抗,回転速,トルクが横軸を時間として,線グラフとして表示され,右側には,四角い表示部の外周に沿って黄色の丸が表示されている。

8.甲第8号証:特開2002-212941号公報
甲第8号証には,以下の記載がある。
(8a)「【0025】
【発明の実施の形態】図1以下の図面は本発明に係るトレンチャー式地盤改良機械とその施工管理装置の好ましい実施の形態を示す図である。
【0026】図1,2に示すように、トレンチャー式地盤改良機械は建設機械である無限軌道(履帯)式のバックホー1を母機(ベースマシン)として形成されていて、そのアーム2の先端に土壌の掘削と撹拌混合のためのチェーン駆動式のトレンチャー式撹拌混合装置(以下、これを単にトレンチャーという)3を着脱可能に装着してある。
【0027】このトレンチャー3は、フレーム4の上部の駆動輪5と下部の従動輪6との間にエンドレスなドライブチェーン7を巻き掛けるとともに、そのドライブチェーン7の外周に等ピッチで複数の撹拌翼8を装着したもので、各撹拌翼8には複数のカッター刃9が設けられている。上記フレーム4の先端には図示しない固化材吐出装置が設けられており、例えばグラウトポンプ等により圧送されてきたスラリー状の固化材が吐出されるようになっている。そして、フレーム4の上部に設けられた油圧モータ10を起動することにより各撹拌翼8がドライブチェーン7とともに周回移動し、それに併せてバックホー1の推力にてトレンチャー3そのものを地中に貫入することにより土壌の掘削と併せて固化材との撹拌混合とが行われるようになっている。
【0028】より詳しくは、例えば平面方向および深度方向において土壌と固化材とを均一に撹拌混合する最も一般的な全面改良時には、図4に示すように地盤改良対象領域に大まかな区割り線Q1,Q2を予め引いておき、オペレータは区割りされた領域をさらに細分割するようにして地盤に対するトレンチャー3の貫入と引き抜きとを繰り返すも、平面視において隣接するトレンチャー3の貫入軌跡同士が所定量eだけ互いにラップするようにすることが重要となる。
【0029】なお、油圧モータ10と同軸上はにロータリーエンコーダ等の回転センサ11が設けられており、この回転センサ11をもってモータ回転数が検出されるようになっている。また、上記ドライブチェーン7を駆動するための駆動輪5はそのドライブチェーン7と噛み合うチェーンスプロケットである必要があるが、従動輪6については必ずしもチェーンスプロケットである必要はない。
【0030】ここで、図1,2に示すように、バックホー1によるトレンチャー3の掘進速度をS(m/min)、ドライブチェーン7に装着された撹拌翼8の回転速度をW(m/min)、撹拌翼8の取付ピッチをC(ケ/m)、およびドライブチェーン7から撹拌翼8のカッター刃9までの高さ寸法をA(m)とした時、A,S,W,Cの相互関係は次式(1)のように設定されている。
【0031】A>S/(W・C)‥‥(1)
ただし、
A:トレンチャー3撹拌翼8のカッター刃9までの高さ(m)
S:トレンチャー3の掘進速度(m/min)
W:トレンチャー3の撹拌翼8の回転速度(m/min)
C:トレンチャー3の撹拌翼8の取り付けピッチ(ケ/m)
なお、撹拌翼8の取り付けピッチCは、トレンチャー3のドライブチェーン7の長さをM(m)、撹拌翼8の枚数をB(枚)とすればC=B/Mで求められる。同様に、撹拌翼8の回転速度W(m/min)は、先の回転センサ11によって検出されるモータ回転数をN(rpm)、ドライブチェーン7の駆動輪5の円周寸法K(m)とすればその両者を乗じることによりW=N・Kで求められる。」

9.甲第9号証:特開2008-95388号公報
甲第9号証には,以下の記載がある。
(9a)「【0003】
撹拌翼で地盤を撹拌して改良体を構築する混合処理工法は、改良杭の出来型が地中に埋設したものであり、目で確認できないため施工時の管理が重要な要素となる。従来より、施工中の処理機の先端深度、昇降速度、攪拌翼の羽根切り回数、セメントスラリーの吐出量、撹拌軸昇降用モータの電流値又はトルク値を検出する装置を取り付け、それぞれの値を検出して管理をするか、施工管理システムに記録を取って、改良杭の出来型を記録紙で確認するかしていた。」

(9b)「【0017】
図1において、12は、海底の軟弱地盤などの改良地盤で、この改良地盤12の海水面10には、施工機13を搭載した台船11が浮かべられ、この台船11は、必要に応じてアンカー40を下ろしたり、陸上からのロープにて係留したりして流れに対して固定される。
前記台船11には、施工機13の他に、スラリープラント19,グラウトポンプ20及び地盤改良計測装置36が搭載されている。
【0018】
前記施工機13では、図1に示すような1軸又は図2に示すような複数軸の撹拌軸14が支柱37にて垂直に支持されている。この撹拌軸14は、モータ18にて改良地盤12への貫入と引抜が行われる。この撹拌軸14の下端部には、複数枚の撹拌翼15が取り付けられ、先端部には、掘削部16が取り付けられるとともに、セメントスラリーの吐出口17が形成されている。
また、前記グラウトポンプ20には、吐出量計21が設けられ、前記支柱37の上端には、深度速度計22が設けられている。前記モータ18には、回転計23と電流計24がそれぞれ接続され、施工機用計測装置26へデータが送られる。
本発明では、海面10の潮位の変化は、施工場所近くに設置した潮位計(量水標)から読み取るか、又は後述するように、気象庁発表の潮位データに基づき演算するが、必要に応じて、前記台船11から圧力検出器などの水深深度計25が海底まで沈められ、海面10の潮位の変化が施工機用計測装置26へ送られる。
前記施工機用計測装置26には、表示器27が接続され、施工機13の運転席に設置され、図5に示すような表示器35の内容が表示される。」

10.甲第10号証:無効2010-800099号審決
省略

11.甲第11号証:特開2003-130643号公報
甲第11号証には,以下の記載がある。
(11a)「【0015】次に、この地盤の測量装置は、パソコン4のディスプレイに、測線の升目を固定した状態と、測線の升目をハンドル2の動きに合わせて回転させる状態とのいずれかに適宜に切り換え可能になっており、図5はパソコン4のディスプレイ13に測線の升目を固定した状態を表示しており、図中の右上の矢印14が実際の位置を示し、右側の矢印7のタッチパネルでディスプレイ13は90度ずつ360度回転させることができる。
【0016】また、図6は図5の状態から測線の升目をハンドル2の動きに合わせて回転させる状態のディスプレイ13表示であり、右上の矢印14が実際の位置であり、右側の矢印7のタッチパネルの自動スクロールのボタンを押すと図6の状態に切り換わる。
【0017】この状態では、ハンドル2を右に切ると画面は左に回転し、ハンドル2を左に切ると画面は右に回転する。したがって、測線の升目が正対するようにハンドル2を切ることで、測線上を走行することができる。
【0018】すなわち、ディスプレイ13を上記2通りの表示のいずれかに適宜切り換えて、測線に沿わせてサンドバギー1を走行させ、前記のように傾斜計を補正しながら地盤の三次元座標を測量することができる。」

12.甲第12号証 :「健診センター新築工事」の施工要領書 エルマッド工法(マッドソイルセメント工法)平成20年4月
甲第12号証の9頁には,「工事期間及び工程表」が記載されており,地盤改良工事が4月22日?5月1日に行われることが記載されている。

13.甲第13号証:「健診センター新築工事」の工事報告書第1号(2008年4月)
甲第13号証の2頁には,「工事日誌」が記載されており,4月22日から4月30日には,「地盤改良工事」が行われた旨が記載されている。

14.甲第14号証:財団法人日本建築センターが発行した、建設技術審査証明(建築技術)報告書BCJ一審査証明-147 セメント系固化材を用いた流動化処理工法「エルマッド工法」
甲第14号証は,本件出願後に頒布された刊行物である。内容は省略。

15.甲第15号証:2008年(平成20年)のカレンダー
4月29日が火曜日であることが示されている。

16.甲第16号証:特許無効2010-800099号無効審判事件において本件審判事件の被請求人が特許庁審判長に提出したロ頭審理陳述要領書
内容は省略。


第6 当審の判断
1.本件特許発明1について
(1)本件特許発明1と甲1発明との対比
本件発明1と甲1発明とを対比すると,両者は,以下の点で一致している。
「下部走行体と,該下部走行体に旋回自在に搭載した上部旋回体と,該上部旋回体に起伏自在に枢支されたブームと,該ブームの先端に揺動自在に枢支されたアームと,該アームの先端に掘削動作可能に枢支された地盤改良機械と,
地盤改良機械に取付けられた,固化材液を吐出する固化材液吐出ノズルと,
地盤改良機械に取付けられた,固化材液と土とを混練りする撹拌翼を備えたミキサーと,
ブームの角度を検出するブーム角検出器と,アームの角度を検出するアーム角検出器と,地盤改良機械の角度を検出する地盤改良機械角検出器からなる位置検出器と,
角度センサ等のセンサの検出情報に基づいて表示するための情報を演算するコントローラと
コントローラによって求めた情報を表示するモニターとを備えている,
地盤改良機」

そして,以下の点で相違している。
(相違点1)
地盤改良機械が,本件特許発明1は,固化材液吐出ノズルとミキサーとが取り付けられたバケットであるのに対して,甲1発明は,固化材液吐出ノズルとミキサーとが取り付けられた混合撹拌ヘッドである点

(相違点2)
本件特許発明1は,アーム,ブームおよび地盤改良機械の角度センサが,いずれも鉛直線に対する角度を検出する角度センサであるのに対して,甲1発明は,地盤改良機械の角度センサについては,鉛直線に対する角度を検出する角度センサではあるが,アームおよびブームの角度センサは,そうではなく,回転角度を検出するものである点。

(相違点3)
本件特許発明1は,地盤改良機械に電気比抵抗を検出する電気比抵抗センサが取り付けられているのに対して,甲1発明は,地盤改良機械に電気比抵抗センサを備えるものではない点。

(相違点4)
本件特許発明1は,モニターで表示する情報が,バケット先端位置の移動軌跡および移動軌跡上の電気比抵抗であって,モニターが,施工中の地盤の縦断面における深さの線と幅寸法の線でマトリクス状に区切られたマス目で示すマス目表示部を有しており,マス目表示部にバケット先端位置の移動軌跡および該移動軌跡上における電気比抵抗を表示するものであるのに対して,甲1発明は,モニターで表示する情報が,混合撹拌ヘッドの先端の深度および混合撹拌ヘッドのチェーンの累積移動距離であって,モニターが施工中の地盤の縦断面における深さの線と幅寸法の線でマトリクス状に区切られたマス目で示すマス目表示部を有するものではない点。

(2)各相違点についての判断
(相違点1について)
甲2発明の「撹拌羽根42を備えた撹拌装置4」および「ノズル34」が相違点1に係る構成の「ミキサー」および「固化材液吐出ノズル」に相当しており,地盤改良機械として,固化材液吐出ノズルとミキサーとが取り付けられたバケットは公知の技術である。
そして,上記公知の技術を甲1発明の地盤改良機械として採用することは,当業者にとって容易である。

(相違点2について)
建設機械のアーム,ブームおよびバケットの各角度センサを,鉛直線に対する角度を検出する角度センサとすることは,例えば甲第3号証に示されるように周知の技術であり,該周知の技術を甲1発明の各角度センサとして採用することは,当業者にとって容易である。

(相違点3について)
地盤改良において,地盤の改良度合いを電気比抵抗を検出する電気比抵抗センサによって検出することは,例えば甲4発明として開示されているように,周知である。
そして,甲1発明において,混合攪拌ヘッドにチェーンの回転センサを設けているように,地盤改良機械に地盤改良の情報を得るためのセンサを設けることが行われていることから考えて,甲1発明の作業機械の地盤改良機械に電気比抵抗センサを単に付加することは,当業者が容易になし得たことである。

(相違点4について)
ア.甲第5,6号証に基づく容易性について
相違点4に係る本件特許発明1の構成は,地盤改良機械の移動軌跡及び移動軌跡上における電気比抵抗を表示するものであって,モニターに地盤の縦断面における深さの線と幅寸法の線とでマトリクス状に区切られたマス目で示すマス目表示部を設け,該マス目表示部に該移動軌跡及び移動軌跡上における電気比抵抗の表示をすることにより,土中断面の全ての面の処理進捗状況を客観的に確認できるようにしたものである。
これに対して,甲第6号証には,施工中の地盤の縦断面を深さ方向と幅方向の2次元で表現しているモニター画面上にバケット先端Dの移動軌跡をリアルタイムで表示させることが記載されており,甲第5号証には,電気比抵抗をリアルタイムに演算し,モニターに表示することが記載されている。しかしながら,甲第6号証に記載された掘削機械は,地盤改良のための固化材液を吐出するものではなく,バケットの運動軌跡を監視して表示しているものであり,甲5発明は,地盤改良機による攪拌状態を監視して表示するものであって,監視目的・対象が異なるものである。
また,甲第11号証には,モニターに,X-Y座標を用いて所定間隔で基準となる線を記載した表示部が記載されているが,該表示部は,単にモニター上に基準線が記載されたものに過ぎず,本件特許発明1のマス目表示部のような「施工中の地盤の縦断面における深さの線と幅寸法の線でマトリクス状に区切られたマス目で示す」ものではない。
さらに,「マス目表示部」が表示手段として周知であるとしても,マス目表示部によって,バケット先端位置の移動軌跡および移動軌跡上の電気比抵抗を表示することの動機付けはない。
つまり,相違点4に係る本件特許発明1の構成とするためには,甲1発明においてモニターに移動軌跡を表示するように変更した上,これに移動軌跡上の電気比抵抗の表示を付加し,さらにその表示をマス目で示すマス目表示部により行う必要がある。
しかしながら,甲第5,6,11号証は,上述のようなものを開示するに止まり,そのような構成を組み合わせて上記変更等を行う動機付けは存在しない。
してみると,相違点4に係る本件特許発明1の構成は,甲5,6号証及び甲11号証の記載から,当業者が容易になし得たものではない。
そして,該構成については,甲第1号証ないし甲第6号証,及び,甲第11号証のいずれにも記載も示唆もされておらず,また,当業者が適宜なし得た設計事項でもない。

イ.甲第6,7号証に基づく容易性について
イ-1.甲第7号証の内容について
甲第7号証には,合計142枚の写真のデータが記録されている。そのうちの甲第7号証の1ないし甲第7号証の8には,パワーショベル等を使用して地盤改良工事が行われている様子が記録されており,甲第7号証の9及び甲第7号証の10には,「エルマット工法施工状況表示装置」が屋内に設置されている様子が,甲第7号証の11及び甲第7号証の12には,「エルマット工法施工状況表示装置」の表示画面の様子が記録されている。
そして,甲第7号証の10には,「掘削外形表示」として,水平方向と垂直方向でマトリクス状に区切られたマス目で示すマトリクス表示部による表示がなされており,甲第7号証の11には,「比抵抗分布測定」として,抵抗値の違いをマス目の色の違いによって表示するマトリックス表示部が示されており,該マトリクス表示部の横軸及び縦軸が,掘削した箇所の水平位置及び深さを示すものであることは,明らかである。

したがって,甲第7号証から,以下の発明が認められる。
「地盤の垂直方向の線と水平方向の線でマトリクス状に区切られたマス目で示すマス目表示部,及び,該マス目表示部に地盤改良機による掘削外形および掘削地盤における比抵抗の分布を表示する表示手段。」(以下,「甲7発明」という。)

イ-2.甲7発明の公然実施性について
上記甲7発明の公然実施性について検討する。
甲第7号証の1乃至甲第7号証の8は,「健診センター新築工事」の工事現場の写真であり,該工事現場における地盤改良工事が,平成20年4月21日?4月30日に行われたものであることは,甲第12,13号証の記載から明らかである。
そして,甲第7号証の9及び甲第7号証の10には,上記甲7発明の表示手段がどこかの家屋内に設置されている写真が示されており,その写真には,工事名が記載された黒板が撮されていることから,上記家屋は該工事現場における作業所であると推認できる。
しかしながら,甲第7号証の9及び甲第7号証の10からでは,該作業所がどのような環境状態にあるのか明確に判断できず,該作業所において,甲7発明の表示装置が秘密状態にはないと認定することはできない。
また,甲第12号証の第2,3頁の記載から,該工事現場で行われた地盤改良工事は大成建設株式会社が設計・監理及び施工管理を行うもので,株式会社エルフは大成建設株式会社と一定の契約関係のもと,同工事を施工したことが看取できる。しかしながら,両社の契約内容は明らかでなく,大成建設株式会社が株式会社エルフの施工内容を自由に第三者に開示できる状態にあったと認めることはできない。また仮に,このような工事契約において,守秘義務に係る取り決めがなされていないとしても設計・監理及び施工管理業者が施工業者の承諾を得ることなく,施工業者の有する技術を開示することが一般的であるとはいえない。
してみると,上記地盤改良工事においても,大成建設株式会社は,エルフ株式会社の有する技術について,エルフ株式会社が開示の承諾をするか,或いは,甲第14号証のような第三者機関による開示があるまでは,少なくとも,秘密を守ることが期待されていたものと認められる。
請求人は,上記作業所には工事関係者が休憩等で自由に出入りできる状態であり,作業所内に設置された甲7発明の表示手段を見ることができる状態にあったと主張するが,甲第7号証の現場写真等から,そのような事実を認めることはできない。また仮にそうであったとしても,該作業所に出入りできる工事関係者は大成建設株式会社の監理・監督下にあり,大成建設株式会社が上記のとおり秘密を守ることが期待されていた以上,該作業所に出入りできる工事関係者についても,同様であると認められる。
なお,平成24年4月13日付けの審尋において,「甲7号証の9?12の『表示装置』が公然実施されたことについて明らかにする意思がありましたら,そのために必要な人物を指定して証人尋問を申請してください。」として,15日間の期間を指定して平成24年4月18日に発送したが回答はなく,請求人には証人尋問により公然実施を立証する意思はないものと認められる。
したがって,甲7発明が,公然と実施されていたとは認められない。

以上より,相違点4に係る本件特許発明1の構成は,甲第1号証,及び,甲第5号証ないし甲第7号証に記載された発明,並びに周知技術から,当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3)まとめ
したがって,本件特許発明1は,甲第1号証乃至甲第7号証に記載された発明,及び,周知技術から,当業者が容易に発明をすることができたものではない。

2.本件特許発明2,3について
上記「1.本件特許発明1について」において記載したとおり,本件特許発明1が甲第1号証ないし甲第7号証,及び,甲第11号証の記載事項から当業者が容易に発明することができたものではないから,該本件特許発明1を引用する本件特許発明2および3も同じ理由により,甲第1号証ないし甲第7号証,及び,甲第11号証に記載された発明から当業者が容易に発明することができたものではない。


第7 結び
以上のとおりであるから,審判請求人の主張する無効理由によっては,本件特許発明1ないし3の特許を無効とすることはできない。
審判に関する費用については,特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により,請求人が負担すべきものとする。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-05-17 
結審通知日 2012-05-21 
審決日 2012-06-01 
出願番号 特願2008-125439(P2008-125439)
審決分類 P 1 113・ 121- Y (E02D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 苗村 康造  
特許庁審判長 鈴野 幹夫
特許庁審判官 高橋 三成
中川 眞一
登録日 2010-03-19 
登録番号 特許第4478187号(P4478187)
発明の名称 地盤改良機  
代理人 嶋 宣之  
代理人 滝口 耕司  
代理人 山内 康伸  
代理人 中井 博  
代理人 山内 伸  

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