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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する G06T |
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管理番号 | 1263186 |
審判番号 | 訂正2012-390101 |
総通号数 | 155 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2012-11-30 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2012-08-02 |
確定日 | 2012-09-06 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第4998590号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第4998590号に係る明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
1.経緯 出願日 :平成22年5月18日 設定登録日 :平成24年5月25日 (権利者:カシオ計算機株式会社、請求項の数6) 審判請求日 :平成24年8月 2日 2.請求 特許第4998590号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付の訂正明細書、特許請求の範囲のとおりに訂正することを求めるものである。 (2)訂正事項1 特許第4998590号の特許請求の範囲の【請求項1】に記載の「特徴とする請求項1記載の画像表示装置。」を「特徴とする画像表示装置。」と訂正する。 (3)訂正事項2 明細書の段落【0017】に記載の「特徴とする請求項1記載の画像表示装置」を「特徴とする画像表示装置」と訂正する。 3.当審の判断 (1)訂正の目的 a.訂正事項1 訂正前の特許請求の範囲の請求項1の「特徴とする請求項1記載の画像表示装置。」との記載では、請求項1が自らを引用して記載されており、誤記であることは明らかである。 したがって、訂正事項1における「特徴とする請求項1記載の画像表示装置。」を「特徴とする画像表示装置。」と訂正することは、誤記の訂正と認められ、よって、訂正事項1は誤記の訂正を目的とするものである。 b.訂正事項2 訂正前の明細書の段落【0017】の記載は、 「【0017】 請求項1記載の発明は、本画像を表す画像データを複数記憶する記憶手段と、前記本画像に対して縮小された画像である縮小画像を表示する表示手段と、前記本画像または縮小画像を複数種類の画調に変換する画調変換手段と、前記表示手段の列方向または行方向に前記縮小画像を複数配列して表示させ、行方向または列方向に該表示された縮小画像の複数種類の画調の画調変換画像を配列して表示させる表示制御手段とを具備し、前記表示制御手段は、前記表示を列方向または行方向にページ送りをすると、次ページの縮小画像を配列して表示させるとともに、その新たな縮小画像の前記複数種類の画調と同じ種類の画調の画調変換画像を配列して表示させることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置を提供するものである。」 であって、請求項1に対応した記載といえる。 そして、上記3.(1)a.において述べたように、訂正前の請求項1における「特徴とする請求項1記載の画像表示装置。」は「特徴とする画像表示装置。」の誤りであることは明らかであるから、請求項1に対応した記載である明細書の段落【0017】における「特徴とする請求項1記載の画像表示装置」は「特徴とする画像表示装置」の誤りであることは明らかである。 したがって、訂正事項2における「特徴とする請求項1記載の画像表示装置」を「特徴とする画像表示装置」と訂正することは、誤記の訂正と認められ、よって、訂正事項2は誤記の訂正を目的とするものである。 以上によれば、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項(誤記の訂正)を目的とする。 (2)訂正の適合性 訂正事項1である特許請求の範囲の【請求項1】に記載の「特徴とする請求項1記載の画像表示装置。」を「特徴とする画像表示装置。」との訂正、及び、訂正事項2である明細書の段落【0017】に記載の「特徴とする請求項1記載の画像表示装置」を「特徴とする画像表示装置」との訂正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてする訂正といえ、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 また、訂正後における特許請求の範囲の請求項1に記載される事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、訂正後における特許請求の範囲の請求項1に記載される事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。 以上によれば、本件訂正は、特許法第126条第5項ないし第7項までの規定に適合する。 4.むすび 以上、本件審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項までの規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 画像表示装置、画像表示方法並びにプログラム 【技術分野】 【0001】 本発明は、画像表示装置、画像表示方法並びにプログラムに関し、特に画像を異なった画調の画像に変換する技術に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、デジタルカメラの普及により、写真は、デジタル画像データとして保存することが一般的となっている。従来のフィルムカメラによる撮影の場合、プリントを伴うことが多かったが、画像データの場合、撮影したデジタルカメラで閲覧したり、画像データを取り込んだパーソナルコンピュータなどで閲覧したりすることができるため、写真の楽しみ方にも変化が生じている。 【0003】 このような状況において、画像データでも従来のプリント写真と同様の楽しみ方ができるようにするため、いわゆるデジタルフォトフレームが実現され普及している(例えば、特許文献1)。 【0004】 デジタルフォトフレームでは、デジタル方式の特性を活かし、従来のプリント写真を掲出するフォトフレームではできなかった複数の写真をスライドショー形式で表示するなどの多様な表示態様を実現することができるとともに、画像処理を加えることで、例えば、元の写真をベースとしつつも趣の異なる画調の画像(例えば絵画調など)を生成して表示することができるようにした発明が提案されている(例えば、特許文献2)。 【0005】 これにより、単なる写真ではなく、あたかも絵画のように楽しむことができるが、特許文献2に記載の技術では、画素単位でシミュレートするために、画像全体を勘案して芸術性を高めるという点においては不足する点もあった。 【0006】 このため、実際に画家が描いた絵画の画像から色彩情報と筆触情報等の特徴を抽出し、撮影された画像に抽出した特徴を付与することにより、原画像全体を勘案して芸術性の高い絵画調画像に変換する技術も提案されるに至っている(例えば、特許文献3)。 【0007】 これにより、原画像から芸術性の高い画像を得るための画像処理として、原画像全体を勘案して、芸術性の演出効果をより高める画像のデータを生成する画像処理を実現することができる。 【0008】 他方、このようなデジタルフォトフレームでは、常時は時刻表示をさせておくケースが多い。本体形状を卓上クロック(置き時計)のような形状にすれば、画像も表示できる画像表示時計として使用することもできる。 【0009】 一般的にデジタルフォトフレームはSDカードのようなメモリカードを使用することができるので、画像表示時計にもメモリカードスロットを設けておけば、記録されている画像データを表示させたり、時刻の背景に表示させたりすることも可能である。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0010】 【特許文献1】特開2009-141678号公報 【特許文献2】特開平8-44867号公報 【特許文献3】特開2004-213598号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0011】 しかしながら、上記発明における画調変換には油絵調、水彩画調、パステル画調・・・など多数の画調変換が含まれるが、このような変換処理を実施するためには、CPUによる大量の演算を必要とするため、撮影した写真を変換する時間が長いという課題がある。 【0013】 他方、デジタルフォトフレームはメモリカードを使用してデータの記録再生が可能だとしても、特殊な表示形式を作成した場合、他の画像表示装置では特殊な表示形式の画像は再生できないという課題もあった。 【0014】 本発明は、上記のような事情に鑑みなされたもので、素早く複数種類の画調変換を行った画像の雰囲気を把握することができる画像表示装置、画像表示方法並びにプログラムを提供することを目的とする。 【0015】 また、所望の種類の画調で変換する画像を素早く選択することができる画像表示装置、画像表示方法並びにプログラムを提供することを目的とする。 【0016】 また、所定の表示形式の画像を、メモリカードを介して他の画像表示装置でも再生できる画像表示装置、画像表示方法並びにプログラムを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0017】 請求項1記載の発明は、本画像を表す画像データを複数記憶する記憶手段と、前記本画像に対して縮小された画像である縮小画像を表示する表示手段と、前記本画像または縮小画像を複数種類の画調に変換する画調変換手段と、前記表示手段の列方向または行方向に前記縮小画像を複数配列して表示させ、行方向または列方向に該表示された縮小画像の複数種類の画調の画調変換画像を配列して表示させる表示制御手段とを具備し、前記表示制御手段は、前記表示を列方向または行方向にページ送りをすると、次ページの縮小画像を配列して表示させるとともに、その新たな縮小画像の前記複数種類の画調と同じ種類の画調の画調変換画像を配列して表示させることを特徴とする画像表示装置を提供するものである。 【0018】 請求項2記載の発明は、本画像を表す画像データを複数記憶する記憶手段と、前記本画像に対して縮小された画像である縮小画像を表示する表示手段と、前記本画像または縮小画像を複数種類の画調に変換する画調変換手段と、前記表示手段の列方向または行方向に前記縮小画像を複数配列して表示させ、行方向または列方向に該表示された縮小画像の複数種類の画調の画調変換画像を配列して表示させる表示制御手段とを具備し、前記表示制御手段は、前記表示されている表示画面を列方向または行方向に送ると、次の縮小画像を配列して表示させるとともに、その新たな縮小画像の前記複数種類の画調と同じ種類の画調の画調変換画像を配列して表示させることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置を提供するものである。 【0019】 請求項3記載の発明は、本画像である画像データまたはその縮小画像を複数種類の画調の異なる画調変換画像に変換して表示する画像表示方法において、複数の画像データを記憶し、前記画像データの縮小画像を作成するとともに、列方向または行方向に該縮小画像を複数配列して表示させ、行方向または列方向に該表示された縮小画像に対応する複数種類の画調の画調変換画像を配列して表示させ、前記表示を列方向または行方向にページ送りをすると、次ページの前記縮小画像を配列して表示するとともに、その新たな縮小画像に対応する前記複数種類の画調と同じ種類の画調の画調変換画像を配列して表示することを特徴とする画像表示方法を提供するものである。 【0020】 請求項4記載の発明は、本画像を表す画像データを複数記憶する工程と、前記本画像に対して縮小された画像である縮小画像を表示する工程と、前記本画像または縮小画像を複数種類の画調に変換する工程と、前記表示手段の列方向または行方向に前記縮小画像を複数配列して表示させ、行方向または列方向に該表示された縮小画像の複数種類の画調の画調変換画像を配列して表示させる表示制御工程と、を具備し、前記表示制御工程は、前記表示されている表示画面を列方向または行方向に送ると、次の縮小画像を配列して表示させるとともに、その新たな縮小画像の前記複数種類の画調と同じ種類の画調の画調変換画像を配列して表示させる工程を含むことを特徴とする画像表示方法を提供するものである。 【0021】 請求項5記載の発明は、画像表示装置のコンピュータに、本画像を表す画像データを複数記憶する記憶機能と、前記本画像に対して縮小された画像である縮小画像を表示する表示機能と、前記本画像または縮小画像を複数種類の画調に変換する画調変換機能と、列方向または行方向に前記縮小画像を複数配列して表示させ、行方向または列方向に該表示された縮小画像の複数種類の画調の画調変換画像を配列して表示させる表示制御機能と、前記表示を列方向または行方向にページ送りをすると、次ページの縮小画像を配列して表示させるとともに、その新たな縮小画像の前記複数種類の画調と同じ種類の画調の画調変換画像を配列して表示させる機能とを実現させることを特徴とするプログラムを提供するものである。 【0022】 請求項6記載の発明は、画像表示装置のコンピュータに、本画像を表す画像データを複数記憶する記憶機能と、前記本画像に対して縮小された画像である縮小画像を表示する表示機能と、前記本画像または縮小画像を複数種類の画調に変換する画調変換機能と、前記表示手段の列方向または行方向に前記縮小画像を複数配列して表示させ、行方向または列方向に該表示された縮小画像の複数種類の画調の画調変換画像を配列して表示させる表示制御機能と、前記表示されている表示画面を列方向または行方向に送ると、次の縮小画像を配列して表示させるとともに、その新たな縮小画像の前記複数種類の画調と同じ種類の画調の画調変換画像を配列して表示させる機能とを実現させることを特徴とするプログラムを提供するものである。 【発明の効果】 【0035】 本発明によれば、素早く多数の画像に対して複数種類の画調変換を行った場合の雰囲気を見ることができる。 【図面の簡単な説明】 【0036】 【図1】(a)は本発明の実施形態に係る画像表示装置の外観を示す斜視図、また、同図(b)は画像表示時計の外観を示す斜視図である。 【図2】画像表示装置の回路構成を示すブロック図である。 【図3】(a)はメモリカードにおけるフォルダAの記憶状態を示す図であり、(b)はフォルダBの記憶状態を示す図である。 【図4】本発明の実施の形態における画像表示装置の処理手順を示すフローチャートである。 【図5】実施の形態における遷移図である。 【図6】実施の形態における他の遷移図である。 【発明を実施するための形態】 【0037】 以下、本発明の実施形態について説明する。図1(a)は、本発明を適用した画像表示装置1及びこれを操作するためのリモコン100を示す斜視図である。画像表示装置1の正面には、本体2に保持された液晶表示パネル3によって構成される表示部が設けられている。本体2の前面上部には、リモコン100から送信される赤外線信号を受信する赤外線信号受信部4が設けられ、側面にはメモリカードスロット6が設けられている。リモコン100には、電源スイッチ101及び複数の操作スイッチ102が設けられている。 【0038】 また、同図(b)は置き時計形状に構成した画像表示時計10を示す斜視図である。20は本体、6はカードスロット、3は液晶表示パネルであり、通常は時刻表示303がなされている。画像表示時計10の電気的構成は画像表示装置1とほぼ同様であるので説明は省略するが、電波時計の機能を内蔵しており、時刻表示303が適正時刻に保持される。40はダイヤルで、時計の時刻合わせ等に用いる。70はモードキーであり、71は時計モードキー、72は通常モード(フォトフレームモード)、73はエフェクトモードを指定するキーである。80はカーソルキーで画面の上下左右を指定する。90はエフェクトモードのときに表示されている画像を一括で画調変換するための一括変換キー、91は確定キーである。 【0039】 図2は、画像表示装置1の電気的構成を示したブロック図である。画像表示装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、CPU11に接続されたROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access memory)13、前記赤外線信号受信部4を備えたIrデータ受信モジュール14、表示コントローラ16、メモリカードコントローラ17、タッチパネル19及び無線通信部20を有している。 【0040】 ROM12には、CPU11に後述するフローチャートに示す動作を行わせるためのプログラムが記憶されている。また、ROM12には、画調変換のためのプログラムが記憶されているもので、例えば実際に画家により描かれた油絵、水彩画、パステル画、鉛筆画、クレヨン画、イラスト画、点描画、エアブラシ画の各原画と、これら原画から色彩情報と筆触情報等の特徴を抽出し、抽出した特徴を付与することで入力画像に対し画調変換処理を行い、変換画調画像を作成する特開2004-213598に開示されている技術に基づく変換画調画像作成プログラムも記憶されている。 【0041】 RAM13は、CPU11が必要に応じて種々のデータを一時的に記憶する作業用のメモリである。Irデータ受信モジュール14は、赤外線信号受信部4が受信したリモコン100からの赤外線信号を復調して、リモコン100でのキー操作に応じたその指示内容をCPU11に供給する。 【0042】 表示コントローラ16は、CPU11から供給される表示用の画像データに基づき液晶表示パネル3を駆動することにより、画像データにより表される画像を液晶表示パネル3に表示させる。メモリカードコントローラ17は、メモリカードスロット6に着脱自在に装着された各種のメモリカード18と、これに接続されたCPU11との間におけるデータの入出力を制御する入出力インターフェースである。タッチパネル19は、液晶表示パネル3に積層され、液晶表示パネル3上におけるユーザの手指によるタッチ位置を検出する。タッチ入力方式は光学式、静電容量方式等色々あり、方式に限定されるものではなく、位置検出はカーソルによる選択でよい。 【0043】 無線通信部20は、アンテナ21に接続されており、端末認証処理を含む通信処理及び通信プロトコルに沿ったデータ処理を行う。 【0044】 また、画像表示装置1には、動作モードとして通常モードとエフェクトモードが用意されており、ユーザが操作スイッチ102を所定の手順で操作することによって、動作モードの切替が可能となっている。 【0045】 通常モードは、一般的なデジタルフォトフレーム(DPF)と同様に、メモリカード18に画像データとして記憶されている画像を液晶表示パネル3にそのまま表示する動作モードである。 【0046】 なお、画像表示装置1において表示可能な画像は、例えばデジタルカメラによって撮像された画像であり、JPEG(Joint Photographic Expert Group)方式により圧縮され、撮影日時等の付加情報とともに静止画ファイルとして記憶されている画像である。もちろんRAW、BMP、PNGなど各種の画像フォーマットをサポートすることができる。画像ソースはデジタルカメラで撮影したものでなくてもよい。 【0047】 エフェクトモードは、メモリカード18に記憶されている表示対象の画像を、絵画が有する特徴を備えた絵画調画像、つまり特定の効果を与えた絵画調画像に変換し、変換後の絵画調画像を液晶表示パネル3に表示する動作モードである。 【0048】 また、エフェクトモードでは、絵画調画像への変換に際して目標とする絵画の種類、つまり変換画調画像にする特徴(画調)が選択可能である。本実施の形態において、選択可能な画調は油絵調、水彩画調、パステル画調、鉛筆画調、クレヨン画調、イラスト画調、点描画調、エアブラシ画調とする。しかし、これに限ることなく、ゴッホ調、モネ調、ピカソ調など、画家の特徴を加味した変換の選択を可能としても良い。また、別の画調のアルゴリズムを後述するメモリカード18で提供するようにすることもできる。 【0049】 なお、各実施の形態においては、油絵調からエアブラシ画調までの8種類の画調に変換するプログラムが記憶されているが、その優先順序は、(1)油絵調、(2)水彩画調、(3)パステル画調、(4)鉛筆画調、(5)クレヨン画調、(6)イラスト画調、(7)点描画調、(8)エアブラシ画調とする。 【0050】 図3は、メモリカード18の記録内容を示すメモリ構成図である。このメモリカード18は、デジタルカメラに着脱自在に装着されていたものであって、図3(a)に示すフォルダAと同図(b)に示すフォルダBとが設けられる。フォルダAには、デジタルカメラでの撮影に伴って多数の画像がJPEGのファイル方式でファイル化されて、画像ファイルF1、F2、F3・・・として記録されている。各画像ファイルF1、F2、F3・・・は、EXIF(Exchangeable Image File Format)などのデータを有するヘッダと、撮影された画像であり本画像である画像データ(本画像1、2、3・・・)と、その画像データの縮小画像であるサムネイルの画像データ(サムネイル1、2、3・・・)とで構成されている。なお、表示画面の大きさにより画面に表示すべき縮小画像の大きさが異なるため、サムネイルとは別に表示用のプレビュー画像を作成して記憶しておく場合もある。本実施の形態では、プレビュー画像も含めてサムネイルと表現している。 【0051】 つまり、これら画像ファイルF1、F2、F3・・・は、一般的なデジタルカメラのファイルフォーマットである。したがって、デジタルカメラで撮像したSDカード(メモリカード18)をメモリカードスロット6に差し込むだけで使用できるようになっている。 【0052】 また、フォルダBには、後述する処理により絵画調変換サムネイルを含む画像データが汎用的なファイル形式であるJPEG方式により圧縮され、変換日時等の付加情報と共に静止画ファイルとして記憶される。 【0053】 以下、本実施の形態のエフェクトモードにおける画像表示装置1の具体的な動作について説明する。 【0054】 図4は、本実施の形態においてエフェクトモードが設定されているときのCPU11の処理手順を示すフローチャートである。エフェクトモードが設定されているとき、CPU11は、ROM12に記憶されているプログラムに従いこのフローチャートに示すように処理を実行する。 【0055】 まず、CPU11は、メモリカード18のフォルダAから表示対象とする4個の画像ファイルから各々サムネイル画像データを読み出す(ステップS101)。そして、これら読み出した4枚分のサムネイル画像データを各々3種類の画調で画調変換処理する(ステップS102)。すなわち、優先順序は、(1)油絵調、(2)水彩画調、(3)パステル画調であるから、4枚のサムネイルを油絵調、水彩画調、パステル画調で各々画調変換処理する。したがって、このときステップS101でファイルF1?F4からサムネイル1?4が読み出されているとすると、サムネイル1?4が油絵調、水彩画調、パステル画調で各々画調変換処理される。 【0056】 引き続き、対応するサムネイルと3枚の画調変換画像との計4枚の画像を液晶表示パネル3において行方向に表示する(ステップS103)。したがって、サムネイル1?4が読み出されて油絵調、水彩画調、パステル画調で各々画調変換処理されたとすると、ステップS103での処理により、液晶表示パネル3は図5(a)に示すような表示状態となる。 【0057】 すなわち、液晶表示パネル3において左端にサムネイル1?4が列方向に表示されるとともに、例えばサムネイル1に対応してその画調変換画像である「油絵調1」、「水彩画調1」、「パステル画調1」が行方向に表示される。また、他のサムネイル2、3、4も同様であって、各々対応してその画調変換画像である「油絵調2、3、4」、「水彩画調2、3、4」、「パステル画調2、3、4」が行方向に表示される。 【0058】 また、このときCPU11は、液晶表示パネル3に下ページ送りボタン301、右ページ送りボタン302、上ページ送りボタン303及び左ページ送りボタン304を表示させる。 【0059】 なお、本実施の形態においては、平面座標におけるX方向を行方向と称し、Y方向を列方向と称する。 【0060】 この状態で、指によるタッチスライド操作、もしくは下ページ送りボタン301により下ページへ送ることも(矢印X)、右ページ送りボタン302により右ページへ送ることも(矢印Y)できる。 【0061】 すなわち、ステップS103に続くステップS104では、右ページ送りボタン302がタッチされたか否かを判断する。右ページ送り302がタッチされない場合には、下ページ送りボタン301がタッチされたか否かを判断し(ステップS105)、下ページ送りボタン301がタッチされた場合には、ステップS101に戻る。 【0062】 下方向へページ送りされると(ステップS105;YES)、次の画像のサムネイル表示に進む。すなわち、図4のフローチャートを繰り返し、CPU11はメモリカード18のフォルダAから表示対象とする次の4個の画像ファイルから各々サムネイル画像データを読み出す(ステップS101)。このとき、前回の処理でファイルF1?F4からサムネイル1?4が読み出されたとすると、今回の処理でファイルF5?F8からサムネイル5?8が読み出される。そして、こられサムネイル5?8が油絵調、水彩画調、パステル画調で各々画調変換処理されて(ステップS102)、表示される(ステップS103)。 【0063】 よって、液晶表示パネル3は図5(a)の状態から同図(b)の状態に遷移し、左端にサムネイル5?8が列方向に表示されるとともに、例えばサムネイル5に対応してその画調変換画像である「油絵調5」、「水彩画調5」、「パステル画調5」が行方向に表示される。また、他のサムネイル6、7、8も同様であって、各々対応してその画調変換画像である「油絵調6、7、8」、「水彩画調6、7、8」、「パステル画調6、7、8」が行方向に表示される。 【0064】 したがって、素早く所望の画調変換を行った画像を見ることができるのみならず、いずれの画像をいずれの画調画像に変換するかを簡単に選択することができる。 【0065】 また、右方向へページ送りされると(ステップS104;YES)、同じサムネイル画像データに対して、異なった種類の画調変換を行う。 【0066】 すなわち、CPU11はステップS104からステップS102に戻って、既に読み出されている4枚分のサムネイル画像データを各々次の3種類の画調で画調変換処理する。すなわち、優先順序は、(4)鉛筆画調、(5)クレヨン画調、(6)イラスト画調であるから、4枚のサムネイル画像データを鉛筆画調、クレヨン画調、イラスト画調で各々画調変換処理する。したがって、このときステップS101でファイルF1?F4からサムネイル1?4が読み出されているとすると、サムネイル1?4が鉛筆画調、クレヨン画調、イラスト画調で各々画調変換処理される。 【0067】 引き続き、対応するサムネイルと3枚の画調変換画像との計4枚の画像を液晶表示パネル3において行方向に表示する(ステップS103)。したがって、サムネイル1?4が読み出されて鉛筆画調、クレヨン画調、イラスト画調で各々画調変換処理されたとすると、ステップS103での処理により、液晶表示パネル3は図6(a)の表示状態(図5(a)と同一の表示状態)から同図(b)に移行する。 【0068】 すなわち、液晶表示パネル3において左端にサムネイル1?4が列方向に表示されるとともに、例えばサムネイル1に対応してその画調変換画像である「鉛筆画調1」、「クレヨン画調1」、「イラスト画調1」が行方向に表示される。また、他のサムネイル2、3、4も同様であって、各々対応してその画調変換画像である「鉛筆画調2、3、4」、「クレヨン画調2、3、4」、「イラスト画調2、3、4」が行方向に表示される。 【0069】 したがって、素早く所望の画調変換を行った画像を見ることができるのみならず、いずれの画像をいずれの画調画像に変換するかを簡単に選択することができる。 【0070】 サムネイルがQCIFサイズ(176×144ドット)くらいあれば十分に画調のニュアンスをみることができる。画像表示装置1の表示画面が大きく、3行3列表示にすればQVGAサイズ(320×240ドット)のサムネイルも可能である。 【0071】 なお、上記説明では、下ページ送りまたは右ページ送りされると、画面がそっくり次ページに入れ替わるようにしたが、下または右へ1行ずつ表示がシフトしていくようにもできる。上ページ送り、左ページ送りをすれば前のページに戻る。 【0072】 次に、この4行4列で表示された画像においていずれかの画像がタッチされたか否かを判断する(ステップS106)。 【0073】 もし、タッチされたのがサムネイル6であるとすると、そのサムネイル6を各種類の画調に変換した画像を含む画像データを生成する(ステップS107)。したがって、例えば図5(b)の表示状態でユーザが「サムネイル6」にタッチしたとすると、全画像は「サムネイル6」、この「サムネイル6」を油絵調に画調変換した「油絵調6」、水彩画調に画調変換した「水彩画調6」、パステル画調変換した「パステル画調6」、鉛筆画調変換した「鉛筆画調6」、クレヨン画調変換した「クレヨン画調6」、イラスト画調変換した「イラスト画調6」、点描画調変換した「点描画調6」、エアブラシ画調変換した「エアブラシ画調6」を作成し、図5(c)に示すように、画像データD6が生成される。 【0074】 さらに、CPU11はこの生成した画像データD6をJPEG方式で処理し、圧縮する(ステップS108)。したがって、このステップS108での処理により、前記画像データ「D6」からJPEG形式の画像データ「D6.JPEG」が生成される。そして、この生成されたJPEG形式の画像データをメモリカード18のフォルダBに保存する(ステップS109)。よって、このステップS109での処理により、図3(b)に例示するようにメモリカード18のフォルダBには、JPEG形式の画像データ「D6.JPEG」が記憶される。 【0075】 このフォルダBに記憶された画像データ「D6.JPEG」にあっては、JPEG形式の画像データであることから、メモリカード18を当該画像表示装置1から取り外して、画像表示時計10や他のDPF等に装着することにより、「サムネイル6」およびこれを各種類の画調に変換した各変調画像を再生して表示することができる。したがって、この画像表示装置1で素早く所望の画調変換を行った画像を見ることができるという効果を他の機器、例えば画像表示時計10でも得ることができる。 【0076】 この画像データ「D6.JPEG」の記憶に際しては、ヘッダを有する静止画ファイルとして画像データ「D6.JPEG」を記憶し、ヘッダには例えば変換日時や変換した画調の種類等を記録することが好ましい。 【0077】 なお、本実施の形態では1つのサムネイルと8種類の画調変換画像を1つの制止がファイルとして記憶するようにしたが、表示されている行方向一列、あるいは縦方向1列、あるいは1画面全部、などを1つの静止画像ファイルとして記録することは種々変更可能である。 【0078】 例えば、図6(b)の状態で、「サムネイル1」をタッチした場合、同図(c)に示すように、当該行に属する画像は「サムネイル1」、この「サムネイル1」を鉛筆調に画調変換した「鉛筆調1」、クレヨン画調に画調変換した「クレヨン画調1」、イラスト画調変換した「イラスト画調1」を作成し、画像データD1が生成する。 【0079】 そして、CPU11は前述と同様にこの生成した画像データD1をJPEG方式で処理し、圧縮する(ステップS108)。したがって、このステップS108での処理により、前記画像データ「D6」からJPEG形式の画像データ「D1.JPEG」が生成される。そして、この生成されたJPEG形式の画像データをメモリカード18のフォルダBに保存する(ステップS109)。よって、このステップS109での処理により、図3(b)に例示するようにメモリカード18のフォルダBには、JPEG形式の画像データ「D1.JPEG」が記憶されることとなる。 【0080】 因みに、この画像表示装置1に表示されている画像データD6や画像データD1は1つのJPEG画像であるため、あくまで全体の雰囲気を素早く把握するためのものであってその中の1つの縮小画像を選択することはできない。 【0081】 他方、サムネイルではなく、画調変換された画像にタッチしたとすると、ステップS106の判断はNOとなり、かつステップS110の判断がYESとなる。したがって、CPU11はステップS110からステップS111へ進み、当該画調変換された画像に対応するサムネイルに対応する本画像を当該画調で画調変換して表示する。 【0082】 つまり、図5(b)の状態で、「油絵調6」にタッチしたとすると、「油絵調6」に対応するサムネイルは「サムネイル6」であり、「サムネイル6」に対応する本画像は「本画像6」ある。したがって、「本画像6」を油絵調で画調変換した画像データを生成し、この画像データに基づく変換画調画像を表示する。引き続き、本画像を画調変換した画像データを前述と同様に、JPEG処理して(ステップS108)、フォルダBに保存する。 【0083】 したがって、前述のようにサムネイルを画調変換した画像により、画像表示装置1で素早く所望の画調変換を行った画像を見ることができるのみならず、見た結果、気に入った画調の画像に対応する本画像を当該画調で変換して観賞し、保存しておくこともできる。 【0084】 なお、上記の実施の形態においては、ページ送り操作により1画面のデータを全部入れ替えたが、1行ずつあるいは1列ずつ入れ替えていくようにしても、同じ技術思想の範囲内である。 【0085】 また、上記の実施の形態における行方向を列方向に、列方向を行方向とした場合も、同様に同じ技術思想の範囲内である。 【0086】 また、上記の実施の形態においては、各画像ファイルF1、F2、F3・・・に、撮影された画像であり本画像である画像データ(本画像1、2、3・・・)と、その画像データの縮小画像であるサムネイルの画像データ(サムネイル1、2、3・・・)とが記録されているものとした。しかし、撮影された画像データ(本画像1、2、3・・・)のみが記録されている場合には、ステップS101の処理で4個のファイルから本画像を読み出し、これら本画像に基づきサムネイルを作成するようにすればよい。 【0087】 また、上記実施の形態においては、本発明をデジタルフォトフレームに適用した場合を説明したが、本発明は、デジタルフォトフレームに限定されるものでなく、例えば、各種のコンピュータ、PDA、携帯電話、デジタルカメラ、プリンタなどの電子機器においても適用することができる。 【符号の説明】 【0088】 1 画像表示装置 2 本体 3 液晶表示パネル 6 メモリカードスロット 10 画像表示時計 11 CPU 12 ROM 13 RAM 16 表示コントローラ 17 メモリカードコントローラ 18 メモリカード 19 タッチパネル (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 本画像を表す画像データを複数記憶する記憶手段と、 前記本画像に対して縮小された画像である縮小画像を表示する表示手段と、 前記本画像または縮小画像を複数種類の画調に変換する画調変換手段と、 前記表示手段の列方向または行方向に前記縮小画像を複数配列して表示させ、行方向または列方向に該表示された縮小画像の複数種類の画調の画調変換画像を配列して表示させる表示制御手段と を具備し、 前記表示制御手段は、前記表示を列方向または行方向にページ送りをすると、次ページの縮小画像を配列して表示させるとともに、その新たな縮小画像の前記複数種類の画調と同じ種類の画調の画調変換画像を配列して表示させることを特徴とする画像表示装置。 【請求項2】 本画像を表す画像データを複数記憶する記憶手段と、 前記本画像に対して縮小された画像である縮小画像を表示する表示手段と、 前記本画像または縮小画像を複数種類の画調に変換する画調変換手段と、 前記表示手段の列方向または行方向に前記縮小画像を複数配列して表示させ、行方向または列方向に該表示された縮小画像の複数種類の画調の画調変換画像を配列して表示させる表示制御手段と を具備し、 前記表示制御手段は、前記表示されている表示画面を列方向または行方向に送ると、次の縮小画像を配列して表示させるとともに、その新たな縮小画像の前記複数種類の画調と同じ種類の画調の画調変換画像を配列して表示させることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。 【請求項3】 本画像である画像データまたはその縮小画像を複数種類の画調の異なる画調変換画像に変換して表示する画像表示方法において、 複数の画像データを記憶し、 前記画像データの縮小画像を作成するとともに、列方向または行方向に該縮小画像を複数配列して表示させ、行方向または列方向に該表示された縮小画像に対応する複数種類の調の画調変換画像を配列して表示させ、 前記表示を列方向または行方向にページ送りをすると、次ページの前記縮小画像を配列して表示するとともに、その新たな縮小画像に対応する前記複数種類の画調と同じ種類の画調の画調変換画像を配列して表示することを特徴とする画像表示方法。 【請求項4】 本画像を表す画像データを複数記憶する工程と、 前記本画像に対して縮小された画像である縮小画像を表示する工程と、 前記本画像または縮小画像を複数種類の画調に変換する工程と、 前記表示手段の列方向または行方向に前記縮小画像を複数配列して表示させ、行方向または列方向に該表示された縮小画像の複数種類の画調の画調変換画像を配列して表示させる表示制御工程と、 を具備し、 前記表示制御工程は、 前記表示されている表示画面を列方向または行方向に送ると、次の縮小画像を配列して表示させるとともに、その新たな縮小画像の前記複数種類の画調と同じ種類の画調の画調変換画像を配列して表示させる工程を含むことを特徴とする画像表示方法。 【請求項5】 画像表示装置のコンピュータに、 本画像を表す画像データを複数記憶する記憶機能と、 前記本画像に対して縮小された画像である縮小画像を表示する表示機能と、 前記本画像または縮小画像を複数種類の画調に変換する画調変換機能と、 列方向または行方向に前記縮小画像を複数配列して表示させ、行方向または列方向に該表示された縮小画像の複数種類の画調の画調変換画像を配列して表示させる表示制御機能と、 前記表示を列方向または行方向にページ送りをすると、次ページの縮小画像を配列して表示させるとともに、その新たな縮小画像の前記複数種類の画調と同じ種類の画調の画調変換画像を配列して表示させる機能と を実現させることを特徴とするプログラム。 【請求項6】 画像表示装置のコンピュータに、 本画像を表す画像データを複数記憶する記憶機能と、 前記本画像に対して縮小された画像である縮小画像を表示する表示機能と、 前記本画像または縮小画像を複数種類の画調に変換する画調変換機能と、 前記表示手段の列方向または行方向に前記縮小画像を複数配列して表示させ、行方向または列方向に該表示された縮小画像の複数種類の画調の画調変換画像を配列して表示させる表示制御機能と、 前記表示されている表示画面を列方向または行方向に送ると、次の縮小画像を配列して表示させるとともに、その新たな縮小画像の前記複数種類の画調と同じ種類の画調の画調変換画像を配列して表示させる機能と を実現させることを特徴とするプログラム。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審決日 | 2012-08-29 |
出願番号 | 特願2010-114630(P2010-114630) |
審決分類 |
P
1
41・
852-
Y
(G06T)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 鹿野 博嗣、新井 則和 |
特許庁審判長 |
松尾 淳一 |
特許庁審判官 |
小池 正彦 千葉 輝久 |
登録日 | 2012-05-25 |
登録番号 | 特許第4998590号(P4998590) |
発明の名称 | 画像表示装置、画像表示方法並びにプログラム |
代理人 | 三好 千明 |
代理人 | 三好 千明 |