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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
管理番号 1275784
審判番号 不服2011-13794  
総通号数 164 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-08-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-06-29 
確定日 2013-06-20 
事件の表示 特願2009-213621「電子機器およびコンテンツ再生プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 3月31日出願公開、特開2011- 65278〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯

本件審判請求に係る出願(以下、「本願」という。)は、平成21年9月15日の出願であって、平成22年10月19日付けで審査請求がなされ、同年11月17日付けで拒絶理由通知(同年11月24日発送)がなされ、平成23年1月24日付けで意見書が提出されるとともに、同日付けで手続補正がなされたが、同年4月1日付けで拒絶査定(同年4月5日謄本送達)がなされたものである。
これに対して、本件審判請求は、「原査定を取り消す、本願は特許をすべきものであるとの審決を求める。」ことを請求の趣旨として、平成23年6月29日付けで審判請求がなされるとともに、同日付けで手続補正がなされたものである。
そして、平成23年7月20日付けで審査官により特許法第164条第3項に定める報告(前置報告)がなされ、平成24年6月27日付けで当審により特許法第134条第4項の規定に基づく審尋(同年7月3日発送)がなされ、同年9月3日付けで回答書の提出がなされたものである。
そして、平成24年11月20日付けで当審により前記平成23年6月29日付け手続補正を却下する旨の補正の却下の決定(同年12月4日発送)がなされるとともに、同日付けで拒絶理由通知(同年11月27日発送)がなされ、これに対して、平成25年1月28日付けで意見書が提出されるとともに、同日付けで手続補正がなされたものである。

2.本願発明

本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記平成25年1月28日付け手続補正書により補正された明細書、特許請求の範囲、及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものと認める。

「複数の画像を分類してグループを作成するグループ作成手段と、
前記複数の画像のいずれかに含まれる人物の顔画像を選択肢として表示して、当該表示した人物の顔画像の選択を受け付ける顔画像選択受付手段と、
前記グループ作成手段により作成されたグループの中から前記顔画像選択受付手段により選択された人物の顔画像を含む画像が存在するすべてのグループを特定し、前記顔画像選択受付手段により選択された人物の顔画像を含む画像と前記顔画像選択受付手段により選択された人物の顔画像を含まない画像との両方を対象として、表示対象とする画像を前記特定したすべてのグループ内の画像の中から選択する表示画像選択手段と、
前記表示画像選択手段により選択された、前記顔画像選択受付手段により選択された人物の顔画像を含む画像と前記顔画像選択受付手段により選択された人物の顔画像を含まない画像を表示制御する表示制御手段と、
を具備する電子機器。」

3.平成24年11月20日付け拒絶理由の概要

平成24年11月20日付けで通知した拒絶の理由の概要は、本願請求項1ないし10に係る発明は、本願の出願前に頒布された、特開2006-277291号公報、特開2006-236218号公報、国際公開2009/078420号、及び、特開2009-055156号公報に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。

4.先行技術

(1)引用文献に記載されている技術的事項及び引用発明の認定

上記平成24年11月20日付けの当審による拒絶理由通知において引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である、特開2006-277291号公報(平成18年10月12日出願公開、以下、「引用文献」という。)には、関連する図面とともに、以下の技術的事項が記載されている。
(当審注:下線は、参考のために当審で付与したものである。)

A 「【0001】
この発明は画像管理装置、画像管理方法、および画像管理プログラムに関し、特に画像を簡易に管理することができる画像管理装置、画像管理方法、および画像管理プログラムに関する。」

B 「【0043】
・グループ化(PC上で動作するプログラムによるインタラクティブに実行される処理)
(1) ユーザは、ルートのフォルダ内にイベントごとのフォルダを作成し、各フォルダに登録する画像を振り分ける(S101)。なお、変形例として画像の振り分けは、特開平5-128166号公報に開示されるように、撮影時刻などの情報から自動的に行なわれるようにしてもよい。」

C 「【0044】
・検索(PC上で動作するプログラムにより自動実行される処理)
(2) ユーザは、検索する特定の人物Aを指定し、検索をプログラムに指示して実行させる(S103)。この指定は、人物Aの画像をユーザが画像データとして入力したり、予め準備された複数の画像の中から人物Aの画像を選択することにより行なわれる。」

D 「【0045】
(3) 画像管理システムが実行するプログラムは、例えば特開2001-357067号公報が開示する方法により、ルートフォルダ内の各グループのフォルダのすべての画像に対して、予め作成しておいた人物Aの顔特徴量辞書を参照して、人物Aが各画像に含まれているかどうか判別する(S105)。これは、複数の大きさのテンプレートを辞書に用意しておいて、それぞれで対象画像の各部分とテンプレートマッチングをすることによって行なわれる。このとき、副次的に画像内における人物Aの顔の大きさ(面積)Sと顔の中心位置Cを特定する。」

E 「【0050】
(6) ユーザは、表示された画像群を閲覧し、所望のグループと思われるグループの表示画像をクリックして選択を行なう(S111)。」

F 「【0051】
(7) プログラムは、選択されたグループの全画像を所定のレイアウトでディスプレイに表示する(S113)。」

ここで、上記引用文献に記載されている事項を検討する。

(ア)上記Bは、「グループ化」について記載した段落であり、そして、上記Bの「イベントごとのフォルダを作成し、各フォルダに登録する画像を振り分ける」との記載からすると、引用文献には、
“イベントごとのフォルダを作成し、各フォルダに複数の画像を振り分けて登録する手段(以下、「グループ化手段」という。)”
が記載されていると解される。

(イ)上記Cの「検索する特定の人物Aを指定」、「この指定は・・・予め準備された複数の画像の中から人物Aの画像を選択することにより行なわれる。」との記載からすると、人物Aの画像の選択は、複数の人物の画像を選択肢として表示して、当該表示した人物の画像から人物Aの画像を選択するものと解される。
してみると、引用文献には、
“複数の人物の画像を選択肢として表示して、当該表示した人物の画像から特定の人物の画像を選択する手段(以下、「人物画像選択手段」という。)”
が記載されていると解される。

(ウ)上記Dの「ルートフォルダ内の各グループのフォルダのすべての画像に対して・・・人物Aが各画像に含まれているかどうか判別する」との記載、上記Eの「表示された画像群を閲覧し、所望のグループと思われるグループの表示画像をクリックして選択を行なう」との記載からすると、
各グループ内のすべての画像に対して、上記(イ)記載の人物画像選択手段により選択された人物Aの画像が含まれているかどうか判別し、人物Aの画像が存在するグループを選択範囲とし、すべての画像を対象として、表示対象とするグループの画像を画像群の中から選択する態様が記載されていると解される。
してみると、引用文献には、
“人物画像選択手段により選択された特定の人物の画像が存在するグループ内を範囲とし、かつ、すべての画像を対象として、表示対象とするグループの画像を画像群の中から選択する手段(以下、「画像選択手段」という。)”
が記載されていると解される。

(エ)上記Fの「選択されたグループの全画像を所定のレイアウトでディスプレイに表示する」との記載からすると、引用文献には、
“画像選択手段により選択されたグループの全画像を所定のレイアウトでディスプレイに表示する手段(以下、「画像表示手段」という。)”
が記載されている。

(オ)上記Aの「この発明は画像管理装置・・・に関し、特に画像を簡易に管理することができる画像管理装置・・・に関する。」との記載からすると、引用文献には、
“画像管理装置”
が記載されている。

以上、(ア)ないし(オ)で指摘した事項を踏まえると、引用文献には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

イベントごとのフォルダを作成し、各フォルダに複数の画像を振り分けて登録するグループ化手段と、
複数の人物の画像を選択肢として表示して、当該表示した人物の画像から特定の人物の画像を選択する人物画像選択手段と、
前記人物画像選択手段により選択された特定の人物の画像が存在するグループ内を範囲とし、かつ、すべての画像を対象として、表示対象とするグループの画像を画像群の中から選択する画像選択手段と、
前記画像選択手段により選択されたグループの全画像を所定のレイアウトでディスプレイに表示する画像表示手段と、
を具備する画像管理装置。

(3)参考文献に記載されている技術的事項

(3-1)参考文献1

上記平成24年11月20日付けの当審による拒絶理由通知において引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である、特開2006-236218号公報(平成18年9月7日出願公開、以下、「参考文献1」という。)には、関連する図面とともに、以下の技術的事項が記載されている。
(当審注:下線は、参考のために当審で付与したものである。)

G 「【0001】
本発明は、電子アルバム表示システム、電子アルバム表示方法、及び電子アルバム表示プログラムに関する。特に本発明は、電子アルバムに含まれる複数の画像を表示する電子アルバム表示システム、電子アルバム表示方法、及び電子アルバム表示プログラムに関する。」

H 「【0050】
続いて、画像選択部280は、グループ選択部270が、表示されるべき画像が分類されているグループを選択したか否かを判定する(S1060)。そして、表示されるべき画像が分類されているグループが選択されたと判定した場合に(S1060:Yes)、画像選択部280は、選択されたグループに分類されている画像のそれぞれに含まれる人物の認識結果と、鑑賞者40である人物の組み合わせとに基づいて、当該グループに分類されている画像の中から、表示されるべき画像を選択する(S1070)。」

J 「【0052】
また、画像選択部280は、グループ選択部270により選択されたグループに分類されている画像の中から、人物が含まれていない画像を、表示されるべき画像として選択してもよい。これにより、例えば、旅行中に撮像した一連の画像が分類されているグループから、風景画像を選択して、表示することができる。従って、単に、鑑賞者40である人物が含まれる画像のみを表示する場合に比べて、内容にまとまりのある一連の画像でありながら、より多様な画像が含まれるスライドショーを表示することができる。」

(3-2)参考文献2

本願の出願前に頒布された刊行物である、特開2009-017328号公報(平成21年1月22日出願公開、以下、「参考文献2」という。)には、関連する図面とともに、以下の技術的事項が記載されている。
(当審注:下線は、参考のために当審で付与したものである。)

K 「【0101】
一方、図11はフォルダを選択して入力する場合の画面表示例を示している。GUI制御部111によって表示される画像読取画面101bには、記憶メディア1Aに記憶されているフォルダ情報に基づいて、フォルダリスト206を作成して表示する。フォルダリスト206には複数のフォルダが表示され、タッチ入力することによって選択したいフォルダのチェックマークにチェック206aを入れた後、「このフォルダを選択」ボタン207をタッチすると、そのフォルダ内の画像データの一部がフォルダリスト206の右側の画像表示部208に表示される。このフォルダを解除したい場合は、「このフォルダを解除」ボタン209をタッチすることによって解除される。」

L 「フォルダを選択して画像データを入力する場合の画面表示例を示す図」である図11には、フォルダの選択に関して、「複数フォルダの指定も可能」である態様が記載されている。

5.本願発明と引用発明との対比

本願発明と引用発明とを対比する。

(1)引用発明の「イベントごとのフォルダを作成し、各フォルダに複数の画像を振り分けて登録する」とは、複数の画像を分類して、イベントごとのグループを作成して登録することに他ならない。
してみると、引用発明の「イベントごとのフォルダを作成し、各フォルダに複数の画像を振り分けて登録するグループ化手段」は、本願発明の「複数の画像を分類してグループを作成するグループ作成手段」に相当するといえる。

(2)引用発明の「表示した人物の画像から特定の人物の画像を選択する」において、当該人物の画像は、以後の検索処理等で用いるために、選択され、画像管理装置に入力される(受け付けられる)ことは自明であることから、引用発明の「複数の人物の画像を選択肢として表示して、当該表示した人物の画像から特定の人物の画像を選択する人物画像選択手段」と、本願発明の「前記複数の画像のいずれかに含まれる人物の顔画像を選択肢として表示して、当該表示した人物の顔画像の選択を受け付ける顔画像選択受付手段」とは、ともに、“人物の画像を選択肢として表示して、当該表示した人物の画像の選択を受け付ける手段(以下、「画像選択受付手段」という。)”である点で共通する。

(3)本願発明の「前記顔画像選択受付手段により選択された人物の顔画像を含む画像と前記顔画像選択受付手段により選択された人物の顔画像を含まない画像との両方を対象」において、「選択された人物の顔画像を含む画像」と「選択された人物の顔画像を含まない画像」との両方を対象とするということは、すべての画像を対象としていることに他ならない。
してみると、引用発明の「前記人物画像選択手段により選択された特定の人物の画像が存在するグループ内を範囲とし、かつ、すべての画像を対象として、表示対象とするグループの画像を画像群の中から選択する画像選択手段」と、本願発明の「前記グループ作成手段により作成されたグループの中から前記顔画像選択受付手段により選択された人物の顔画像を含む画像が存在するすべてのグループを特定し、前記顔画像選択受付手段により選択された人物の顔画像を含む画像と前記顔画像選択受付手段により選択された人物の顔画像を含まない画像との両方を対象として、表示対象とする画像を前記特定したすべてのグループ内の画像の中から選択する表示画像選択手段」とは、ともに、“前記画像選択受付手段により選択された人物の画像を含む画像が存在するグループ内を範囲とし、かつ、すべての画像を対象として、表示対象となる画像を選択する表示画像選択手段”である点で共通する。

(4)引用発明の「画像を所定のレイアウトでディスプレイに表示する」とは、画像を表示制御してディスプレイに表示していることに他ならない。
してみると、引用発明の「前記画像選択手段により選択されたグループの全画像を所定のレイアウトでディスプレイに表示する画像表示手段」と、本願発明の「前記表示画像選択手段により選択された、前記顔画像選択受付手段により選択された人物の顔画像を含む画像と前記顔画像選択受付手段により選択された人物の顔画像を含まない画像を表示制御する表示制御手段」とは、ともに、“前記表示画像選択手段により選択された画像を表示制御する表示制御手段”である点で共通する。

(5)引用発明の「画像管理装置」は、グループ化手段、人物画像選択手段、画像選択手段、画像表示手段を具備し、画像を選択して表示する装置であることから、本願発明の「電子機器」に相当するものといえる。

以上から、本願発明と引用発明とは、以下の点で一致し、また、以下の点で相違する。

(一致点)

複数の画像を分類してグループを作成するグループ作成手段と、
人物の画像を選択肢として表示して、当該表示した人物の画像の選択を受け付ける画像選択受付手段と、
前記画像選択受付手段により選択された人物の画像を含む画像が存在するグループ内を範囲とし、かつ、すべての画像を対象として、表示対象となる画像を選択する表示画像選択手段と、
前記表示画像選択手段により選択された画像を表示制御する表示制御手段と、
を具備する電子機器。

(相違点1)

人物の画像に関して、本願発明が、「人物の顔画像」であるのに対して、引用発明は、「人物の画像」ではあるものの、顔画像であるかどうか不明である点。

(相違点2)

選択肢として表示する人物の画像に関して、本願発明が、「複数の画像のいずれかに含まれる人物の顔画像」であるのに対して、引用発明は、複数の画像のいずれかに含まれるものであるか不明である点。

(相違点3)

表示対象とする画像の選択に関して、本願発明が、「グループ作成手段により作成されたグループの中から」「選択された人物の顔画像を含む画像が存在するすべてのグループを特定し、」「前記特定したすべてのグループ内の画像の中から選択する」ものであるのに対して、引用発明は、選択された特定の人物が存在するグループを選択し、選択したグループの全画像を選択するものであるが、特定の人物が存在するすべてのグループを選択するかどうか不明である点。

(相違点4)

表示される画像の対象に関して、本願発明が、「前記顔画像選択受付手段により選択された人物の顔画像を含む画像と前記顔画像選択受付手段により選択された人物の顔画像を含まない画像」であるのに対して、引用発明は、「選択されたグループの全画像」である点。

6.当審の判断

上記相違点1ないし相違点4について検討する。

(1)相違点1について

一般に、人物を特定する際に、顔画像を比較することは、慣用的に行われていることであり、そして、上記Dに「人物Aの顔特徴量辞書を参照」と記載されていることから、引用発明においても、人物を特定する際の画像として、人物の顔画像とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

よって、相違点1は、格別なものではない。

(2)相違点2について

引用発明においても、フォルダに登録されている画像を選択して表示するものであることから、選択する際の人物の画像として、当該フォルダに登録されている画像のいずれかに含まれている人物の画像を選択対象とするように構成すること、すなわち、上記相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

よって、相違点2は、格別なものではない。

(3)相違点3について

上記参考文献1(特に、上記G及びH参照)にも記載されるように、特定のグループ内の画像を選択して表示する技術は、慣用的に行われている技術に過ぎない。
そして、電子アルバムから画像を選択する際に、複数のフォルダを選択することは、当業者が普通に採用している周知慣用技術(必要であれば、上記参考文献2の上記K及びL参照)に他ならず、また、引用文献の上記Eに「表示された画像群を閲覧し、所望のグループと思われるグループの表示画像をクリックして選択を行なう」と記載され、上記Fに「選択されたグループの全画像を所定のレイアウトでディスプレイに表示する」と記載されているが、これは、特定の人物が含まれている全てのグループを選択することを否定しないものである。
してみると、引用発明においても、特定の人物が含まれている全てのグループを選択対象とし、当該選択対象とされた全てのグループに対して、当該グループ内で表示させる画像を選択して表示させるように構成すること、すなわち、上記相違点3に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

よって、相違点3は、格別なものではない。

(4)相違点4について

上記参考文献1(特に、上記G及びJ参照)に記載されるように、グループ内の画像を表示させる際に、特定の人物が含まれていない画像を表示させるようにする技術は周知技術であり、引用発明においても、選択された特定の人物を含まない画像をも表示対象とするように構成すること、すなわち、上記相違点4に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

よって、相違点4は、格別なものではない。

(5)まとめ

上記で検討したごとく、相違点1ないし相違点4は格別のものではなく、そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本願発明の奏する作用効果は、上記引用発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものである。

7.むすび

以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、本願の特許出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、その余の請求項について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-04-17 
結審通知日 2013-04-23 
審決日 2013-05-08 
出願番号 特願2009-213621(P2009-213621)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 萩島 豪辻本 泰隆  
特許庁審判長 長島 孝志
特許庁審判官 田中 秀人
仲間 晃
発明の名称 電子機器およびコンテンツ再生プログラム  
代理人 岡田 貴志  
代理人 堀内 美保子  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 砂川 克  
代理人 佐藤 立志  
代理人 竹内 将訓  
代理人 幸長 保次郎  
代理人 河野 哲  
代理人 福原 淑弘  
代理人 峰 隆司  
代理人 白根 俊郎  
代理人 野河 信久  
代理人 河野 直樹  
代理人 村松 貞男  
代理人 中村 誠  

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