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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1285194
審判番号 不服2013-12439  
総通号数 172 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-04-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-07-01 
確定日 2014-03-18 
事件の表示 特願2008-283884「コンテンツ表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成22年 5月20日出願公開、特開2010-113434、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成20年11月5日の出願であって、原審において平成24年10月12日付けで拒絶理由が通知され、同年12月21日付けで手続補正がされたが、平成25年3月25日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年7月1日に拒絶査定不服の審判が請求されるとともに、同日付けで手続補正がされ、同年9月13日付けで当審より審尋がなされ、同年11月15日に回答書が提出されたものである。

第2 平成25年7月1日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)の適否
1.補正の内容
上記手続補正は補正前の平成24年12月21日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された

「【請求項1】
コンテンツ選択操作を入力する入力部と、
コンテンツに関する複数の異なる属性をコンテンツに対応付けて記憶する記憶部と、
前記入力部に入力されたコンテンツ選択操作によって選択された選択コンテンツに付された属性に基づいて、前記選択コンテンツに関連する他のコンテンツを検索するコンテンツ検索部と、
検索結果を表示するコンテンツ表示部とを備え、
前記コンテンツ表示部は、
前記選択コンテンツと、前記選択コンテンツと第1の属性が同一のコンテンツを少なくとも1つ表示する第1の表示領域と、
前記選択コンテンツと前記第1の属性とは異なる第2の属性が同一のコンテンツを属性ごとに少なくとも1つ表示する第2の表示領域とを備え、
前記第2の表示領域内でのコンテンツを選択する行為に連動して、前記第1の表示領域内のコンテンツと前記第2の表示領域内のコンテンツとが共に切り替わり、かつ、前記第2の表示領域内のコンテンツの選択に応じて、選択されたコンテンツが前記第1の表示領域に移動し、前記第2の表示領域には前記第1の表示領域に移動したコンテンツと前記第2の属性が同一のコンテンツを少なくとも1つ表示させることを特徴とするコンテンツ表示装置。」

という発明を、

「【請求項1】
コンテンツ選択操作を入力する入力部と、
コンテンツに関する複数の異なる属性をコンテンツに対応付けて記憶する記憶部と、
前記入力部に入力されたコンテンツ選択操作によって選択された選択コンテンツに付された属性に基づいて、前記選択コンテンツに関連する他のコンテンツを検索するコンテンツ検索部と、
検索結果を表示するコンテンツ表示部とを備え、
前記コンテンツ表示部は、
前記選択コンテンツと、前記選択コンテンツと第1の属性が同一のコンテンツを少なくとも1つ表示する第1の表示領域と、
前記選択コンテンツと前記第1の属性とは異なる第2の属性が同一のコンテンツを属性ごとに少なくとも1つ表示する第2の表示領域とを備え、
前記第2の表示領域内でのコンテンツを選択する行為に連動して、前記第1の表示領域内のコンテンツと前記第2の表示領域内のコンテンツとが共に切り替わり、かつ、前記第2の表示領域内のコンテンツの選択に応じて、選択されたコンテンツが前記第1の表示領域に移動し、前記第2の表示領域には前記第1の表示領域に移動したコンテンツと前記第2の属性が同一のコンテンツを少なくとも1つ表示させ、
前記選択コンテンツを切り替えた前後で同じ属性を有している場合であっても、前記第2の表示領域には、切り替え前と異なるコンテンツが表示されることを特徴とするコンテンツ表示装置。」

と補正するものである。

2.補正の適否
本件補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「コンテンツ表示部」について、「前記選択コンテンツを切り替えた前後で同じ属性を有している場合であっても、前記第2の表示領域には、切り替え前と異なるコンテンツが表示される」との限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、補正前の請求項9ないし18を削除しており、特許法第17条の2第5項第1号の請求項の削除を目的とするものに該当する。
また、特許法第17条の2第3項、第4項に違反するところはない。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について以下に検討する。

(1)刊行物の記載事項
A 原査定の拒絶の理由に主として引用された特開2007-325310号公報(以下、「刊行物1」)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

イ.「【技術分野】
【0001】
本発明は、セットトップボックスやテレビ、ビデオレコーダ等に用いられる、電子番組ガイドを表示するための番組情報表示装置および番組情報表示方法等に関する。」(2頁)

ロ.「【0034】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の番組情報表示装置を含む受信システムの構成図である。図1において、受信システム100は、チューナ110、チューナ110が接続されたセットトップボックス120、およびセットトップボックス120が接続されたモニタテレビ130とを備えている。
【0035】
チューナ110は、例えばトランスポートストリームのようなテレビ放送波を受信する手段であり、テレビ放送波には、番組のコンテンツと、EPGとが多重されている。
【0036】
また、セットトップボックス120は、番組情報表示装置を有する手段であり、放送波からEPGと番組コンテンツとを分離して、それぞれを処理して、画像信号および映像信号に整える手段である。
【0037】
また、モニタテレビ130は、例えばAV信号入力端子を備えたテレビとして実現され、モニタ装置131およびスピーカ132を有し、セットトップボックス120から出力された画像信号および映像信号を再生して、画像および音声を出力する手段である。
【0038】
また、チューナ110およびセットトップボックス120は、操作部140によりその動作を制御される。ここで操作部140は、チューナ110またはセットトップボックス120のリモコン、またはそれぞれの本体に設けられた入力用インタフェースとして実現される。
【0039】
次に、セットトップボックス120は、番組情報抽出回路121、映像信号再生回路122、音声信号再生回路123、映像ミックス回路124、管面表示信号作成回路125および本発明の番組情報表示装置を含む内部制御マイコン126を備えている。
【0040】
図2は、内部制御マイコン126の内部構成図である。内部制御マイコン126において、EPGデータベース210は、番組情報抽出回路121が放送波から抽出したEPGを蓄積する手段、ジャンル別表示用番組情報作成部220はジャンル別表示用の番組情報を処理する手段、ジャンル表示信号作成部230はジャンル名を画面に表示するためのジャンル表示信号を作成する手段、命令一時記憶部240は操作部140からの命令を一時的に記憶する手段、管面表示用データ作成部250はジャンル別表示用番組情報作成部220により作成されたデータおよびジャンル表示信号を、管面表示可能なデータとして作成する手段である。
【0041】
また、図3はジャンル別表示用番組情報作成部220の内部構成図であって、ジャンル別表示用番組情報作成部220において、表示ジャンル分類部221は表示ジャンルを分類する手段、ジャンル別表示番組情報および表示位置決定部222はジャンル別表示番組情報を作成しおよびその表示位置を決定する手段、また番組プロパティ情報検索部223は、操作部140または命令一時記憶部240に一時記憶された命令に応じて、EPGデータベース210から番組プロパティ情報を含む番組情報を検索する手段である。
【0042】
以上のような構成を有する、受信システムの動作を説明することにより、本発明の実施の形態における番組情報表示装置の動作および本発明の番組情報表示方法の一実施の形態について説明を行う。以下の説明においては、図1?図3を用いて基本的な動作を説明した後に、図4?8の図を用いて詳細な説明を行う。
【0043】
第1の動作例として、初期状態の表示画面を表示するための動作を説明する。チューナ110が放送波を受信する。放送波には、番組のコンテンツとEPGとが多重化されており、内部制御マイコン126の制御により、番組情報抽出回路は、チューナが受波した放送波からEPGを抽出し、内部制御マイコン126に出力する。
【0044】
番組情報抽出回路121から出力されたEPGは、まずEPGデータベース210に蓄積される。利用者による操作部140の操作によって、表示が希望される複数のジャンルが決定されると、操作部140から、決定された複数のジャンルを示す命令がジャンル別表示用番組情報作成部220に対して出力される。ジャンル別表示用番組情報作成部220は、操作部140からの命令を受けると、これに基づきEPGデータベース210から番組情報を取得する。このとき、操作部140から出力された命令は、直接ジャンル別表示用番組情報作成部220に出力されてもよいし、命令一時記憶部240に記憶しておき、装置の起動時等、任意の時間に読み出されるようにしてもよい。
【0045】
一方、ジャンル表示信号作成部230は、ジャンル別表示用番組情報作成部220における処理に伴い、操作部140により決定されたジャンル自身を表示するためのジャンル表示信号を作成する。
【0046】
このとき、図3に示すように、ジャンル別表示用番組情報作成部220において、表示ジャンル分類部221は、EPGデータベース210から出力された番組情報を、操作部140に指定された複数のジャンル毎に分類して、ジャンル別表示番組情報および表示位置決定部222へ出力する。ジャンル別表示番組情報および表示位置決定部222は、表示ジャンル分類部221が出力した番組情報の、画面上の表示位置を決定し、番組情報およびその表示位置情報を管面表示用データ作成部250ヘ送信する。
【0047】
管面表示用データ作成部250は、ジャンル別表示用番組情報作成部220から番組情報および表示位置情報を、またジャンル表示信号作成部230からジャンル表示信号をそれぞれ取得すると、これら情報、信号を管面表示可能な管面表示用データとして成形する。管面表示用データは内部制御マイコン126から管面表示信号作成回路125へ出力される。管面表示信号作成回路125は、管面表示用データを取得すると、これを映像信号である管面表示信号に成形し、映像ミックス回路124を経由して、モニタテレビ130へ出力する。
【0048】
なお、第1の動作例において、映像ミックス回路124は、管面表示信号を単に通過させるものとしたが、必要がある場合は、管面表示信号と番組コンテンツの映像信号とをミックスして出力し、同一画面に番組と番組情報とが同時に表示されるような処理を行う。このとき、番組のコンテンツは番組情報抽出回路121を通過して、映像成分は映像信号再生回路122にて映像信号として取り出され、コンテンツの音声成分は音声信号再生回路123にて音声信号として取り出される。映像信号は映像ミックス回路124を通過して、音声信号とともにモニタテレビ130に出力される。
【0049】
図4に、第1の動作例により完成した、初期状態における番組情報表示画面を示す。ジャンル表示領域410にはジャンルが表示されており、図では、当初操作部140による命令に基づき決定された複数のジャンル「ドラマ」「スポーツ」「バラエティー」「ニュース」が、それぞれに対応する選択窓に表示されている。利用者は、ジャンル表示領域410に表示された各ジャンルから、一つを選択することができる。選択は、画面上にて各ジャンルの選択窓の縁部を縁取る指示カーソル411にて実施され、所望の選択窓に指示カーソル411を重ね、入力を行うことにより、ジャンルの決定が行われ、操作部140における命令が生成される。なお、選択窓および指示カーソル411の操作は、従来のEPG等のメニュー選択の機構と同様の機構に実現されるものであり、その詳細は省略する。今回の場合は、ジャンルとして「ドラマ」が決定されたものとする。
【0050】
ジャンルが決定されると、先に述べたようなジャンル別表示用番組情報作成部220の動作により、主番組情報表示領域420に、当該ジャンルに属する番組情報が表示される。主番組情報表示領域420は、決定されたジャンル名を表示するジャンル名表示窓470と、番組情報を表示する複数の番組情報表示窓420a?420b他から構成されており、番組情報表示窓と、番組とは一対一対応している。個々の番組情報表示窓内には、番組の放送局名および/またはチャンネルを表示する放送先表示欄451、番組の放送日を表示する放送日表示欄452、番組の放送時間帯を表示する放送時間帯表示欄453、番組名を表示する番組名表示欄454、サブタイトル等、番組に関する補助情報を表示する補助情報表示欄455および出演者等を表示する出演者表示欄456が設けられており、番組情報を、各表示欄毎に分類して表示するようにしている。なお、主番組情報表示領域420内における表示窓の配列は、各表示欄の内容に基づき任意に設定してよく、例えば図4においては、放送日表示欄452および放送時間帯表示欄453の内容に基づく時系列および放送先表示欄451に表示されたチャンネル数の昇べきの順とした。また、図4に示した表示欄の種類は一例であって、画面の大きさに応じて各表示欄の数は増減してもよい。
【0051】
副番組情報表示領域440a?440cは、その大きさ以外は主番組情報表示領域420と同様の構成を有し、個々の副番組情報表示領域に対応したジャンル名表示窓430a?430cによって分類され、番組情報を表示する複数の番組情報表示窓460a?460cを有している。なお、現在の動作において、副番組情報表示領域440a?440cおよびジャンル名表示窓430a?430cは空欄となっている。
【0052】
第2の動作例として、図4?図5を利用して、本実施の形態の動作をさらに詳細に説明する。
【0053】
利用者は、初期状態にて表示された主番組情報表示領域420の番組情報表示窓を参照して、所望の番組をチェックする。さらに、所望の番組の番組情報表示窓において、関心のある表示欄を選択する。なお、選択の動作は、ジャンル表示領域410の選択窓および指示カーソル411の操作と同様の機構により実施され、選択された表示欄の縁部が指示カーソルにより縁取られる。今回の場合、図5に示すように、番組情報表示窓420bが選択され、表示欄として、放送時間帯表示欄453が選択、決定されたものとする。これにより操作部140における命令が生成される。
【0054】
次に、図3において、表示欄の決定により生成された操作部140からの命令は、番組プロパティ情報検索部223に出力される。番組プロパティ情報検索部223は、命令を取得すると、これに応じて、EPGデータベース210内を検索して、表示欄に対応する番組プロパティ情報を含む番組情報を検索、抽出して、表示ジャンル分類部221へ転送する。今回の場合、放送時間帯表示欄453は放送時間帯を示すものであるから、番組プロパティ情報は放送時間帯となり、EPGデータベース210からは、この放送時間帯と同一もしくは部分的に一致する時間帯を番組プロパティ情報として含む全ての番組情報が検索、抽出される。
【0055】
次に、ジャンル別表示用番組情報作成部220において、表示ジャンル分類部221は、番組プロパティ情報検索部から転送された番組情報を、操作部140に指定された複数のジャンル毎に分類して、ジャンル別表示番組情報および表示位置決定部222へ出力する。このとき、操作部140に指定されたジャンルとは異なるジャンルに属する番組情報は、番組プロパティ情報を含むものであっても、ジャンル別表示番組情報および表示位置決定部222へ出力されることはない。
【0056】
ジャンル別表示番組情報および表示位置決定部222は、表示ジャンル分類部221が出力した番組情報の、画面上の表示位置を決定し、番組情報およびその表示位置情報を管面表示用データ作成部250ヘ送信する。今回の場合は表示位置は副番組情報表示領域440となる。以下、主番組情報表示領域420の場合と同様の処理が行われ、副番組情報表示領域440に番組情報が表示される。
【0057】
図5に、上述の動作により完成した番組情報表示画面を示す。ジャンル表示領域410および主番組情報表示領域420の状態は、選択された番組情報表示窓420bおよび放送時間帯表示欄453が指示カーソルにより縁取り表示されている以外は、図4に示す初期状態と同様である。
【0058】
次に、副番組情報表示領域440a?440cの表示状態を説明する。副番組情報表示領域440a?440cに対応したジャンル名表示窓430a?430cは、ジャンル表示領域410に表示されたジャンル名と同一のジャンル名をそれぞれ表示する。図5においては、ジャンル表示領域410は「ドラマ」「スポーツ」「バラエティー」「ニュース」が表示されており、このうち「ドラマ」は既に主番組情報表示領域420に設定されているので、ジャンル名表示窓430a?430cはそれぞれ「スポーツ」「バラエティー」「ニュース」を表示する。
【0059】
次に、ジャンル名表示窓430a?430cが対応する副番組情報表示領域440a?440cには、それぞれのジャンル毎に、主番組情報表示領域420と同様の方法で、番組情報が番組情報表示窓単位で表示される。副番組情報表示領域440a?440cに表示される番組情報は、番組プロパティ情報検索部223の検索により、主番組情報表示領域420における放送時間帯表示欄453の選択に基づく番組プロパティ情報を含むものに限られている。
【0060】
なお、副番組情報表示領域440の番組情報表示窓460a?460cは、主番組情報表示領域420の番組情報表示窓よりも表示面積が小さいため、番組情報表示欄の種類は主番組情報表示領域の番組情報表示窓における番組情報表示欄の種類よりも少ない。このとき、副番組情報表示領域の番組情報表示窓における番組情報表示欄の種類は、任意に設定してよいが、少なくとも番組プロパティ情報に対応する表示欄を含む必要がある。
【0061】
例として、副番組情報表示領域440bには、ジャンル表示領域410bに「バラエティー」として示されているように、バラエティー番組の番組情報が、3つの番組情報表示窓で示されている。このうち、中段の番組情報表示窓の番組は、放送日表示欄から、主番組情報表示領域420の番組情報表示窓420bの番組と放送日が同一である。また、上段の番組情報表示窓の番組は、主番組情報表示領域420の番組情報表示窓420bの番組より放送日が一日遡っている。さらに、下段の番組情報表示窓の番組は、主番組情報表示領域420の番組情報表示窓420bの番組より放送日が一日後になっている。また、それぞれの番組の放送局も異なる。
【0062】
このように、副番組情報表示領域440に表示される番組情報は、ジャンル表示領域410にて示されるジャンル、主番組情報表示領域420における表示欄の選択より決定される番組プロパティ情報の2種類の条件に基づき決定され、他の条件で選別されることはない。
【0063】
次に、第3の動作例を説明する。上記の説明においては、利用者は所望の番組の番組情報表示窓において、関心のある表示欄を一種類選択したが、複数の表示欄を選択できるようにしてもよい。今回の場合、図6に示すように、番組情報表示窓420bが選択され、表示欄として、放送時間帯表示欄453とともに放送日表示欄452が選択、決定されたものとする。これにより操作部140における命令が生成される。
【0064】
番組プロパティ情報検索部223は、表示欄の決定により生成された操作部140からの命令を取得すると、これに応じて、EPGデータベース210内を検索して、表示欄に対応する番組プロパティ情報を含む番組情報を検索、抽出して、表示ジャンル分類部221へ転送する。今回の場合、放送時間帯表示欄453は放送時間帯、放送日表示欄452は番組の放送日を示すものであるから、番組プロパティ情報は放送時間帯および放送日となり、EPGデータベース210からは、この放送時間帯と同一もしくは部分的に一致する時間帯であって、放送日が同一であることを番組プロパティ情報として含む全ての番組情報が検索、抽出される。」(6?10頁)

上記刊行物1の記載及び図面並びにこの分野における技術常識を考慮すると、上記ロ.【0034】における「図1は、本発明の実施の形態1の番組情報表示装置を含む受信システムの構成図である。」との記載、同ロ.の【0037】における「モニタテレビ130は、例えばAV信号入力端子を備えたテレビとして実現され、モニタ装置131およびスピーカ132を有し」との記載、同ロ.の【0038】における「チューナ110およびセットトップボックス120は、操作部140によりその動作を制御される。ここで操作部140は、チューナ110またはセットトップボックス120のリモコン、またはそれぞれの本体に設けられた入力用インタフェースとして実現される。」との記載、同ロ.の【0040】における「図2は、内部制御マイコン126の内部構成図である。内部制御マイコン126において、EPGデータベース210は、番組情報抽出回路121が放送波から抽出したEPGを蓄積する手段」との記載、同ロ.の【0041】における「図3はジャンル別表示用番組情報作成部220の内部構成図であって、ジャンル別表示用番組情報作成部220において、・・・番組プロパティ情報検索部223は、操作部140または命令一時記憶部240に一時記憶された命令に応じて、EPGデータベース210から番組プロパティ情報を含む番組情報を検索する手段である。」との記載、図1ないし図3によれば、番組情報表示装置は、モニタ装置(131)と、操作部(140)と、EPGデータベース(210)と、番組プロパティ情報検索部(223)とを備えている。
また、上記ロ.の【0053】における「所望の番組の番組情報表示窓において、関心のある表示欄を選択する。なお、選択の動作は、ジャンル表示領域410の選択窓および指示カーソル411の操作と同様の機構により実施され、選択された表示欄の縁部が指示カーソルにより縁取られる。今回の場合、図5に示すように、番組情報表示窓420bが選択され、表示欄として、放送時間帯表示欄453が選択、決定されたものとする。これにより操作部140における命令が生成される。」との記載、及び図5によれば、前述の操作部(140)は、放送時間帯という番組プロパティ情報を選択して入力している。
また、上記ロ.の【0054】における「番組プロパティ情報検索部223は、命令を取得すると、これに応じて、EPGデータベース210内を検索して、表示欄に対応する番組プロパティ情報を含む番組情報を検索、抽出して、表示ジャンル分類部221へ転送する。今回の場合、放送時間帯表示欄453は放送時間帯を示すものであるから、番組プロパティ情報は放送時間帯となり、EPGデータベース210からは、この放送時間帯と同一もしくは部分的に一致する時間帯を番組プロパティ情報として含む全ての番組情報が検索、抽出される。」との記載、及び図3によれば、前述の番組プロパティ情報検索部(223)は、番組プロパティ情報を放送時間帯とし、EPGデータベース(210)から、この放送時間帯と同一もしくは部分的に一致する時間帯を番組プロパティ情報として含む全ての番組情報を検索している。すなわち、前述の操作部(140)に入力され選択された放送時間帯という番組プロパティ情報に基づいて、番組情報を検索している。また、前述のEPGデータベース(210)は、番組プロパティ情報検索部(223)により検索される以上、放送時間帯、ジャンルのような複数の異なる番組プロパティ情報を番組情報に対応付けて記憶していることは明らかである。
また、上記ロ.の【0057】における「図5に、上述の動作により完成した番組情報表示画面を示す。ジャンル表示領域410および主番組情報表示領域420の状態は、選択された番組情報表示窓420bおよび放送時間帯表示欄453が指示カーソルにより縁取り表示されている以外は、図4に示す初期状態と同様である。」との記載、同ロ.の【0058】における「副番組情報表示領域440a?440cの表示状態を説明する。」との記載、及び図5によれば、前述のモニタ装置(131)は、完成した番組情報表示画面、すなわち、検索結果を表示している。また、前述のモニタ装置(131)は主番組情報表示領域(420)と、副番組情報表示領域(440a?440c)とを備えていることが見て取れる。
また、図5によれば、前述の主番組情報表示領域(420)は、ドラマという番組プロパティ情報が同一の番組情報を複数表示していることが見て取れる。また、上記ロ.の【0059】における「副番組情報表示領域440a?440cには、それぞれのジャンル毎に、主番組情報表示領域420と同様の方法で、番組情報が番組情報表示窓単位で表示される。副番組情報表示領域440a?440cに表示される番組情報は、番組プロパティ情報検索部223の検索により、主番組情報表示領域420における放送時間帯表示欄453の選択に基づく番組プロパティ情報を含むものに限られている。」との記載、及び図5によれば、前述の副番組情報表示領域(440a?440c)は、放送時間帯という番組プロパティ情報が同一もしくは部分的に一致する番組情報を複数表示していることが読み取れる。ここで、放送時間帯という番組プロパティ情報は、前述のドラマという番組プロパティ情報とは異なる番組プロパティ情報であるということができる。

したがって、上記刊行物1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

「番組プロパティ情報を選択し入力する操作部(140)と、
複数の異なる番組プロパティ情報を番組情報に対応付けて記憶するEPGデータベース(210)と、
前記操作部(140)に入力され選択された番組プロパティ情報に基づいて、番組情報を検索する番組プロパティ情報検索部(223)と、
検索結果を表示するモニタ装置(131)とを備え、
前記モニタ装置(131)は、
前記番組プロパティ情報が同一の番組情報を複数表示する主番組情報表示領域(420)と、
前記番組プロパティ情報とは異なる番組プロパティ情報が同一もしくは部分的に一致する番組情報を複数表示する副番組情報表示領域(440a?440c)とを備える番組情報表示装置。」

B 原査定の拒絶の理由に引用された特開2005-148801号公報(以下、「刊行物2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

ハ.「【技術分野】
【0001】
本発明は、関連情報提供方法、関連情報提供装置、関連情報提供プログラム、および、関連情報提供プログラムの記録媒体に関する。」(3頁)

ニ.「【0036】
まず、関連情報提供装置1は、検索条件コンテンツ(図4(A)参照)と、検索対象の各コンテンツとの類似度を算出する(S105)。ここで、コンテンツ間の類似度は、コンテンツ類似度算出部20によって、コンテンツの種別に応じて算出される。よって、関連情報提供装置1は、コンテンツの特徴情報を抽出して、その特徴情報を基にして、例えば特徴量の差分をとることによって、コンテンツ間の類似度を算出する。なお、コンテンツの特徴情報は、コンテンツ特徴情報抽出部21を用いて、コンテンツから抽出してもよいし、予め関連情報格納部12またはコンテンツに特徴情報が関連付けられている場合には、その特徴情報を活用してもよい。なお、コンテンツの類似度の算出結果の一例を、図4(B)に示す。図4(B)は、コンテンツID102のコンテンツと類似するコンテンツとして、コンテンツIDが、“101、110、103、115”のコンテンツが、類似度の高い順に算出されている。」(8頁)

上記刊行物2の記載及び図面並びにこの分野における技術常識を考慮すると、上記ニ.の【0036】における「関連情報提供装置1は、・・・コンテンツの類似度の算出結果の一例を、図4(B)に示す。図4(B)は、コンテンツID102のコンテンツと類似するコンテンツとして、コンテンツIDが、“101、110、103、115”のコンテンツが、類似度の高い順に算出されている。」との記載、及び図4(B)によれば、関連情報提供装置(1)は、コンテンツをランキング順位の高い順に表示している。

したがって、上記刊行物2には、以下の発明(以下、「技術事項1」という。)が記載されているものと認められる。

「コンテンツをランキング順位の高い順に表示する関連情報提供装置(1)。」

C 原査定の拒絶の理由に引用された特開2005-276311号公報(以下、「刊行物3」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

ホ.「【技術分野】
【0001】
本発明は、音楽コンテンツや映像コンテンツなどのコンテンツ再生装置に関し、特に、複数のコンテンツを連続再生可能なコンテンツ再生装置のグラフィックユーザーインターフェイス(以下「GUI」と称する。)に関する。」(4頁)

ヘ.「【0009】
本発明の実施の形態によるコンテンツ再生装置について、図面を参照しつつ説明を行う。図1(A)は、本発明の第1の実施の形態によるコンテンツ再生装置であって、一例としてオーディオ再生装置の構成を示す機能ブロック図である。図1(B)は、オーディオ再生装置の簡略化した正面図である。図1(A)及び図1(B)に示すように、本実施の形態によるオーディオ再生装置Aは、バスラインBLに接続された各機能ブロックにより構成されている。各機能ブロックは、CPU1と、RAM(主記憶装置)2と、音楽データを記憶するハードディスクユニット(データ格納装置)3と、液晶ディスプレイ(表示装置)4と、各種機能を発揮するためのプログラム5aを格納するROM(不揮発性メモリ)5と、アンプユニット7と、操作キー8と、再生された音楽を出力するスピーカ6と、を有している。符号Bは液晶ディスプレイ4とイヤホン(或いはスピーカ)6とを除く各種機能ブロックを示し、オーディオ再生装置Aの内部に格納されている。プログラム5aは、液晶ディスプレイ4にグラフィックユーザーインターフェイス(GUI)を表示させるためのGUI部と、後述する検索エンジン部と、キーワード取得部と、アンプ制御部と、表示制御部と、ハードディスクドライブ制御部と、キー検出部と、を有している。
【0010】
次に、上記オーディオ再生装置Aの動作について図2から図4までを参照して説明する。適宜図1も参照する。図2?図4までは、本実施の形態によるオーディオ再生装置における処理の流れを示すフローチャート図である。まず、ステップS1において処理を開始し(Start)、ステップS2において指定された曲の再生を開始する。次にステップS3に移る。ここで、まず、ステップS11においてステップS3の処理に入り、ステップS12において、再生する曲のカテゴリキーワードなどの関連情報を取得する。ここで、カテゴリとは、曲を同じアーティストやアルバムなど異なる切り口で切り分けた曲の分類のためのインデックスである。カテゴリキーワードとは、かかるカテゴリを示す代表的な単語である。その他のキーワードなどの関連情報を取得しても良い。ステップS13において、ステップS12で取得したカテゴリキーワードを検索エンジン(図1:5a)に入力する。ステップS14において検索結果を得ると、ステップS15において、検索結果として得られた曲名を予め優先度が決められたカテゴリ順に整列表示し、図3に示す処理から出る(ステップS16)。
【0011】
次いで、ステップS4においてユーザにより処理の停止操作がなされたか否かを判定し、停止操作が成された場合には、ステップS5に進み処理を終了する。停止操作がなされていない場合には、ステップS6に進み、後述する曲候補を標示するお勧め領域から曲選択操作がされたか否かを判定する。曲選択操作がなされていない場合にはステップS8に進み、現在再生中の曲が終了していなければステップS4に戻り、現在再生中の曲が終了していればステップS2に戻る。曲選択操作がなされている場合には、ステップS7に進む。ステップS7においては、ステップS21で処理に入り、ステップS22において、選択は同じカテゴリであるか否かを判定する。異なるカテゴリである場合にはステップS23に進み選択された、異なるカテゴリを記憶する。同じカテゴリの場合には、そのままステップS24において処理を抜けてステップS2に戻る。以上の処理により、順次、曲が選択され新たな曲が再生される。
【0012】
図5は、液晶ディスプレイ4の表示例を示す図である。符号23aに示す領域(お勧め領域、すなわち、次回再生候補曲表示領域)に、現在再生中の曲名AAAAと、再生開始からの経過時間2分34秒とが表示されている。また、領域25aには、次回再生の第1候補曲25-1a(ABCD)と、第2候補曲25-2a(BCDE)と、第3候補曲25-3a(CDEF)と、が表示されている。符号25aで示される領域は、現在の再生曲AAAAに対する関連の曲を表示する領域である。表示される曲は、複数のカテゴリのお勧めを、例えばそれぞれ1曲づつ表示する。複数のカテゴリとは、ある曲に関して、アーティストやアルバムなど異なる切り口で切り分けた種別である。
【0013】
現在再生中の曲が変われば、次回再生候補曲表示領域25aに表示する曲も変わる。また、同じ曲でも再生する度に、次回再生候補曲表示領域25aに表示される曲は変わるようにする。候補曲の選択基準としては、例えば、第1候補曲25-1aは現在再生している曲と同じアーティストの曲をハードディスクからランダムに選択した曲であり、第2候補曲25-2aは現在再生している曲と同じアルバムの曲をハードディスクからランダムに選択した曲であり、第3候補曲25-3aは、選択条件はなしにハードディスクからランダムに選択した曲を、それぞれ1曲づつ、合わせて3曲表示するようにする。
【0014】
次回再生候補曲表示領域25aに表示する順番については、基本的に、ユーザが1つ前に選択したカテゴリが1番目にくるように入れ替える。現在再生中の曲が終われば、特にユーザからの特定の操作がない限り、オーディオ装置は1番目に表示されている曲を自動的に選択して再生する。例えば、カテゴリとして“同じアーティスト”を選んだ場合においてそのままにしておくと、同じアーティストの曲をランダムで選曲しながら次々と再生することになる。その後、“同じアルバム”を選んだ場合は、同じアルバムの曲をランダムで選曲しながら次々と再生するように変化する。カテゴリは、アルバムとアーティストとに関連して決められる例について説明したが、他のカテゴリを選択できるようにしても良い。例えば、最近のヒット曲、数年前のヒット曲、1997年のヒット曲などである。
【0015】
白抜きの矢印で示したように、図5の現在再生中の曲がAAAAから第1候補曲のABCDになった場合(再生開始から1秒後の表示例を示している。)には、第1候補曲表示領域25-1bから第3候補曲表示領域25-3bまでに表示される曲は、現在再生中の曲がAAAAからABCDに変わったことにより、第1候補曲表示領域25-1bから第3候補曲表示領域25-3bまでに表示される曲が全て変化している。これは、第1候補曲表示領域25-1bから第3候補曲表示領域25-3bまでに表示される曲が、現在再生中の曲と、ユーザが選択したカテゴリと、の両方に基づいて選択されるからである。すなわち、現在再生中の曲が変われば、図5に左側に表示されていた第2候補曲、第3候補曲が順次繰り上がるわけではない。尚、関連の曲をお勧め領域に表示するタイミングは、再生が開始された後であるのが好ましく少なくとも終わる前である。」(5?7頁)

上記刊行物3の記載及び図面並びにこの分野における技術常識を考慮すると、上記ヘ.の【0012】における「図5は、液晶ディスプレイ4の表示例を示す図である。符号23aに示す領域(お勧め領域、すなわち、次回再生候補曲表示領域)に、現在再生中の曲名AAAAと、再生開始からの経過時間2分34秒とが表示されている。また、領域25aには、次回再生の第1候補曲25-1a(ABCD)と、第2候補曲25-2a(BCDE)と、第3候補曲25-3a(CDEF)と、が表示されている。符号25aで示される領域は、現在の再生曲AAAAに対する関連の曲を表示する領域である。表示される曲は、複数のカテゴリのお勧めを、例えばそれぞれ1曲づつ表示する。複数のカテゴリとは、ある曲に関して、アーティストやアルバムなど異なる切り口で切り分けた種別である。」との記載、同ヘ.の【0015】における「図5の現在再生中の曲がAAAAから第1候補曲のABCDになった場合(再生開始から1秒後の表示例を示している。)には、第1候補曲表示領域25-1bから第3候補曲表示領域25-3bまでに表示される曲は、現在再生中の曲がAAAAからABCDに変わったことにより、第1候補曲表示領域25-1bから第3候補曲表示領域25-3bまでに表示される曲が全て変化している。」との記載、及び図5によれば、コンテンツ再生装置は、第1候補曲25-1a(ABCD)と、第2候補曲25-2a(BCDE)と、第3候補曲25-3a(CDEF)が表示された領域(25a)での候補曲を選択する動作に連動して、現在再生中の領域(23a)内の曲と前述の領域(25a)内の候補曲が共に切り替わり、かつ、前述の領域(25a)内の候補曲の選択に応じて、選択された曲が前述の領域(23a)に移動し、領域(25b)には前述の領域(23a)に移動した曲とカテゴリが同一の曲を表示させている。また、前述の選択曲を切り替えた前後で同じカテゴリを有している場合であっても、前述の領域(25b)には、切り替え前と異なる曲が表示されている。

したがって、上記刊行物3には、以下の発明(以下、「技術事項2」という。)が記載されているものと認められる。

「第1候補曲25-1a(ABCD)と、第2候補曲25-2a(BCDE)と、第3候補曲25-3a(CDEF)が表示された領域(25a)での候補曲を選択する動作に連動して、現在再生中の領域(23a)内の曲と前記領域(25a)内の候補曲が共に切り替わり、かつ、前記領域(25a)内の候補曲の選択に応じて、選択された曲が前記領域(23a)に移動し、領域(25b)には前記領域(23a)に移動した曲とカテゴリが同一の曲を表示させ、前記選択曲を切り替えた前後で同じカテゴリを有している場合であっても、前記領域(25b)には、切り替え前と異なる曲が表示されるコンテンツ再生装置。」

D 原査定の拒絶の理由に引用された特開2006-157899号公報(以下、「刊行物4」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

ト.「【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチメディア、情報技術、及びコンピューティングの分野に関し、詳細にはプログラムに関連するデータを表示するための方法及び装置に関する。本発明はまた、プログラムに関連するデータを表示するためのコンピュータプログラムを記録しているコンピュータ読取り可能媒体を含むコンピュータプログラム製品に関する。」(5頁)

チ.「【0031】
図2は、ユーザインターフェース110をより詳細に示す図である。ユーザインターフェース110は、所定の空間的配列における複数のサテライト領域202、205、208及び211によって取り囲まれた中央領域200を含んでいる。中央領域200は、メモリ1306に記憶される特定のテレビ番組に対応するテレビ番組名201を含んでいる。以下、中央領域200に示されるテレビ番組名201に対応するテレビ番組を「ピボット番組」と称する。
【0032】
また、各サテライト領域202、205、208及び211は、属性名204、207、210及び213に加えて、それぞれテレビ番組名203、206、209及び212を含んでいる。テレビ番組名203、206、209及び212は、ピボット番組201に関連するテレビ番組を表している。これら関連するテレビ番組とは、1つ又は複数のデータ属性(例えば、ジャンル、キャスト、演出家、賞、監督、シリーズ、スタジオなど)について類似の値を共有するものである。また、テレビ番組名203、206、209及び212によって表されるテレビ番組の各々について、それをピボット番組201に関連づけるデータ属性の属性名が各サテライト領域に示される。即ち、各テレビ番組をピボット番組201に関連づけるデータ属性の属性名204、207、210及び213が、各サテライト領域202、205、208及び211の中にそれぞれ示される。従って、サテライト領域202、205、208、211の各々に示される属性名204、207、210、213は、それらサテライト領域の各々に示されるテレビ番組とピボット番組201との関連付けをシステム100のユーザに示すものである。」(10頁)

リ.「【0051】
一例として、図7は、中央領域200におけるピボット番組201の更新に続いて各サテライト領域202、205、210及び213が更新された後の、図2のユーザインターフェース110を示している。図2のユーザインターフェース110では、「プログラムA」が、現行のピボット番組201であり、中央領域200中に描画され、示されている。又、「プログラムB」、「プログラムC」、「プログラムD」及び「プログラムE」は、それぞれサテライト領域202、205、210及び213中に描画され、示されている。これらのテレビ番組は、それらの属性値(夫々「属性1」204、「属性2」207、「属性3」210及び「属性4」213)のうちの1つについての同様な値を共有することに基づいて現行のピボット番組201に関連づけられている。図7の例において、プログラムBを表すサテライト領域202が、例えば方向ボタン401、402、403、404及び405を使用してこのユーザによって選択される。サテライト領域202の選択により、図2に示す状態から図7に示すユーザインターフェース110の状態へユーザインターフェース110が遷移を開始する。図7のユーザインターフェース110では、プログラムBが現行のピボット番組201になり、ユーザインターフェース110の中央領域200に示される。そして、プログラムF、プログラムG、プログラムH、及びプログラムJが各サテライト領域202、205、206及び207中に示されている。これらは、それぞれ属性「シリーズ」204、「監督」207、「スタジオ」210及び「キャスト」213のうちの1つ又は複数の同様な値を共有することに基づいて現行のピボット番組201に対して関連づけられることが示されている。」(14頁)

上記刊行物4の記載及び図面並びにこの分野における技術常識を考慮すると、上記リ.の【0051】における「図7は、中央領域200におけるピボット番組201の更新に続いて各サテライト領域202、205、210及び213が更新された後の、図2のユーザインターフェース110を示している。図2のユーザインターフェース110では、「プログラムA」が、現行のピボット番組201であり、中央領域200中に描画され、示されている。又、「プログラムB」、「プログラムC」、「プログラムD」及び「プログラムE」は、それぞれサテライト領域202、205、210及び213中に描画され、示されている。これらのテレビ番組は、それらの属性値(夫々「属性1」204、「属性2」207、「属性3」210及び「属性4」213)のうちの1つについての同様な値を共有することに基づいて現行のピボット番組201に関連づけられている。図7の例において、プログラムBを表すサテライト領域202が、例えば方向ボタン401、402、403、404及び405を使用してこのユーザによって選択される。サテライト領域202の選択により、図2に示す状態から図7に示すユーザインターフェース110の状態へユーザインターフェース110が遷移を開始する。図7のユーザインターフェース110では、プログラムBが現行のピボット番組201になり、ユーザインターフェース110の中央領域200に示される。そして、プログラムF、プログラムG、プログラムH、及びプログラムJが各サテライト領域202、205、206及び207中に示されている。これらは、それぞれ属性「シリーズ」204、「監督」207、「スタジオ」210及び「キャスト」213のうちの1つ又は複数の同様な値を共有することに基づいて現行のピボット番組201に対して関連づけられることが示されている。」との記載、図2及び図7によれば、ユーザインターフェース(110)は、ピボット番組(201)の更新に連動して、中央領域(200)内のプログラムとサテライト領域(202、205、210、213)内のプログラムとが共に切り替わり、かつ、前述のサテライト領域(202、205、210、213)内のプログラムの選択に応じて、選択されたプログラムが前述の中央領域(200)に移動し、前述のサテライト領域(202、205、210、213)には前述の中央領域(200)に移動したプログラムと属性が同一のプログラムを表示している。

したがって、上記刊行物4には、以下の発明(以下、「技術事項3」という。)が記載されているものと認められる。

「ピボット番組(201)の更新に連動して、中央領域(200)内のプログラムとサテライト領域(202、205、210、213)内のプログラムとが共に切り替わり、かつ、前記サテライト領域(202、205、210、213)内のプログラムの選択に応じて、選択されたプログラムが前記中央領域(200)に移動し、前記サテライト領域(202、205、210、213)には前記中央領域(200)に移動したプログラムと属性が同一のプログラムを表示させるユーザインターフェース(110)。」

(2)対比
補正発明と引用発明とを対比する。
a.引用発明の「番組プロパティ情報」と、補正発明の「コンテンツ」とは、いずれも、「特定の情報」という点で一致する。
b.引用発明の「選択」は、選択操作をするから、「選択操作」ということができる。
c.引用発明の「番組プロパティ情報」は、番組(コンテンツ)に関するプロパティ(属性)であるから、「コンテンツに関する属性」ということができる。
d.引用発明の「操作部(140)」、「EPGデータベース(210)」及び「モニタ装置(131)」は、補正発明の「入力部」、「記憶部」及び「表示部」にそれぞれ相当する。
e.引用発明の「主番組情報表示領域(420)」及び「副番組情報表示領域(440a?440c)」と、補正発明の「第1の表示領域」及び「第2の表示領域」とは、いずれも、「第1の特定の表示領域」及び「第2の特定の表示領域」という点で一致する。
f.引用発明の「番組情報」と、補正発明の「コンテンツ」とは、いずれも、「特定の表示情報」という点で一致する。
g.引用発明の「前記操作部(140)に入力され選択された番組プロパティ情報」と、補正発明の「前記入力部に入力されたコンテンツ選択操作によって選択された選択コンテンツに付された属性」とは、引用発明の「番組プロパティ情報」は、「番組(コンテンツ)に付された属性」といえ、また、上記a.及びd.の対比を考慮すると、いずれも、「前記入力部に入力された特定の情報の選択操作によって選択された選択コンテンツに付された属性」という点で一致する。
h.引用発明の「番組プロパティ情報検索部(223)」と、補正発明の「コンテンツ検索部」とは、上記a.の対比を考慮すると、いずれも、「特定の情報検索部」という点で一致する。
i.引用発明の「番組情報表示装置」と、補正発明の「コンテンツ表示装置」とは、上記f.の対比を考慮すると、いずれも、「特定の表示情報表示装置」という点で一致する。

したがって、補正発明と引用発明は、以下の点で一致ないし相違している。

(一致点)
「特定の情報の選択操作を入力する入力部と、
コンテンツに関する複数の異なる属性を特定の表示情報に対応付けて記憶する記憶部と、
前記入力部に入力された特定の情報の選択操作によって選択された選択コンテンツに付された属性に基づいて、特定の表示情報を検索する特定の情報検索部と、
検索結果を表示する特定の表示情報表示部とを備え、
前記特定の表示情報表示部は、
前記選択コンテンツと第1の属性が同一の特定の表示情報を少なくとも1つ表示する第1の特定の表示領域と、
前記選択コンテンツと前記第1の属性とは異なる第2の属性が同一の特定の表示情報を少なくとも1つ表示する第2の特定の表示領域とを備える特定の表示情報表示装置。」

(相違点1)
「特定の情報」に関し、
補正発明は、「コンテンツ」であるのに対し、引用発明は、「番組プロパティ情報」である点。

(相違点2)
「特定の表示情報」に関し、
補正発明は、「コンテンツ」であるのに対し、引用発明は、「番組情報」である点。

(相違点3)
「特定の情報検索部」が検索する「特定の表示情報」に関し、
補正発明は、「前記選択コンテンツに関連する他のコンテンツ」であるのに対し、引用発明は、「番組情報」である点。

(相違点4)
「第1の特定の表示領域」に関し、
補正発明は、「第1の表示領域」であり、「前記選択コンテンツ」を表示するのに対し、引用発明は、「主番組情報表示領域(420)」であり、当該「前記選択コンテンツ」を表示しない点。

(相違点5)
「第2の特定の表示領域」に関し、
補正発明は、「第2の表示領域」であるのに対し、引用発明は、「副番組情報表示領域(440a?440c)」である点。

(相違点6)
「第2の特定の表示領域」に表示する「特定の表示情報」に関し、
補正発明は、コンテンツを「属性ごとに」少なくとも1つ表示するのに対し、引用発明は、当該「属性ごと」との特定がない点。

(相違点7)
「特定の表示情報表示部」の動作に関し、
補正発明は、「前記第2の表示領域内でのコンテンツを選択する行為に連動して、前記第1の表示領域内のコンテンツと前記第2の表示領域内のコンテンツとが共に切り替わり、かつ、前記第2の表示領域内のコンテンツの選択に応じて、選択されたコンテンツが前記第1の表示領域に移動し、前記第2の表示領域には前記第1の表示領域に移動したコンテンツと前記第2の属性が同一のコンテンツを少なくとも1つ表示させ、前記選択コンテンツを切り替えた前後で同じ属性を有している場合であっても、前記第2の表示領域には、切り替え前と異なるコンテンツが表示される」のに対し、引用発明は、その様な構成を備えない点。

(判断)
(1)請求項1について
上記相違点1ないし6について検討する。
引用発明は、そもそも、「コンテンツ」自体を選択操作をして、「選択コンテンツに関連する他のコンテンツ」を検索し、「コンテンツ」を表示部に表示するものではなく、「番組情報表示装置」であるから、上記相違点1ないし6における補正発明の発明特定事項である、選択操作する対象が「コンテンツ」である点、「前記選択コンテンツに関連する他のコンテンツ」を検索する点、「コンテンツ」及び「前記選択コンテンツ」を表示する点、コンテンツを表示する「第1の表示領域」及び「第2の表示領域」である点、コンテンツを「属性ごとに」少なくとも1つ表示する点を導き出すことはできない。
加えて、上記相違点7について、引用発明は、モニタ装置(131)における番組情報の表示動作において、副番組情報表示領域(440a?440c)(第2の表示領域)内での番組情報を選択する行為に連動して、主番組情報表示領域(420)(第1の表示領域)内の番組情報と副番組情報表示領域(440a?440c)(第2の表示領域)内の番組情報とを共に切り替えることが可能な構成ではないから、上記技術事項2及び3に、上記相違点7における補正発明の発明特定事項に類似する構成があったとしても、引用発明の番組情報の表示動作を、補正発明の発明特定事項のように「前記第2の表示領域内でのコンテンツを選択する行為に連動して、前記第1の表示領域内のコンテンツと前記第2の表示領域内のコンテンツとが共に切り替わり、かつ、前記第2の表示領域内のコンテンツの選択に応じて、選択されたコンテンツが前記第1の表示領域に移動し、前記第2の表示領域には前記第1の表示領域に移動したコンテンツと前記第2の属性が同一のコンテンツを少なくとも1つ表示させ、前記選択コンテンツを切り替えた前後で同じ属性を有している場合であっても、前記第2の表示領域には、切り替え前と異なるコンテンツが表示される」構成とする動機づけを見いだすことができない。
そして、補正発明は、上記各発明特定事項を備えることによって、ユーザは、興味を持ったあるコンテンツを起点に、同じ属性を有する複数のコンテンツを閲覧(探索)することができ、また、異なる視点で関連性の高いコンテンツを閲覧(探索)することができるという作用効果を奏するものである。

なお、上記技術事項1は、請求項2に係る発明に対応して引用されたものであり、請求項1に係る発明について進歩性を否定する根拠となるものではない。

したがって、補正発明は、引用発明、技術事項1ないし3に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(2)請求項2ないし請求項8について
請求項2ないし8は、請求項1に従属する請求項であり、本願発明の発明特定事項をすべて含みさらに発明特定事項を追加して限定したものであるから、上記(1)と同じ理由により、引用発明、技術事項1ないし3に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合する。

3.むすび
本件補正は、特許法第17条の2第3項ないし第6項の規定に適合する。

第3 本願発明
本件補正は上記のとおり、特許法17条の2第3項ないし第6項の規定に適合するから、本願の請求項1ないし8に係る発明は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項により特定されるとおりのものである。
そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2014-03-03 
出願番号 特願2008-283884(P2008-283884)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
P 1 8・ 575- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 佐藤 実  
特許庁審判長 石井 研一
特許庁審判官 萩原 義則
関谷 隆一
発明の名称 コンテンツ表示装置  
代理人 渡辺 敏章  
代理人 今村 健一  
代理人 平木 祐輔  

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