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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1292373
審判番号 不服2013-15836  
総通号数 179 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-11-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-08-15 
確定日 2014-09-30 
事件の表示 特願2008-527117「薄膜のハイ・スループット結晶化」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 2月22日国際公開、WO2007/022302、平成21年 2月 5日国内公表、特表2009-505432〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯・本願発明
本願は、2006年8月16日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2005年8月16日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成20年2月15日に国内書面が提出され、平成24年9月12日付けで拒絶理由が起案され(発送日は同年9月18日)、同年12月18日付けで意見書及び手続補正書が提出され、平成25年4月11日付けで拒絶査定が起案され(発送日は同年4月15日)、これに対し、同年8月15日に拒絶査定不服審判が請求され、同日付けで請求項の削除を目的とする手続補正書が提出されたものであり、その後、同年12月9日付けで特許法第164条第3項に基づく報告を引用した審尋が起案され(発送日は同年12月11日)、平成26年3月11日付で回答書が提出されたものである。
そして、その請求項1乃至50に係る発明は、平成25年8月15日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1乃至50に記載された事項により特定されるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
膜を処理する方法であって、
(a)基板上に配置され、レーザ誘起融解が可能な前記膜にわたって、結晶化すべき複数の相隔たる領域を画定し、
(b)前記膜をその厚さを通して照射領域内で融解させるのに十分なフルエンスを有し、各パルスが長さ及び幅を有するライン・ビームを形成する、一連のレーザ・パルスを生成し、
(c)各パルスが前記複数の相隔たる領域の内の1つの領域の第1の部分を照射して融解させ、前記第1の部分は冷却により1つ又はそれ以上横方向成長結晶を形成するように、前記膜を選択された速度で一連のレーザ・パルスにより第1の走査中連続的に走査し、
(d)各パルスが前記複数の相隔たる領域の内の1つの領域の第2の部分を照射して融解させ、各々の相隔たる領域内の前記第1及び第2の部分は部分的に重なり、前記第2の部分は冷却により、前記第1の部分の1つ又はそれ以上の横方向成長結晶に対して延びた1つ又はそれ以上の横方向成長結晶を形成するように、かつ、それぞれの前記相隔たる領域の間の領域が非照射となるように、前記膜を選択された速度で一連のレーザ・パルスにより第2の走査中連続的に走査する、
ステップを含むことを特徴とする方法。」

第2 引用発明
(1)記載事項
原査定の拒絶の理由において引用文献2として引用された本願の優先日前に日本国内において頒布された特表2003-528461号公報(以下、「引用文献」という。)には、図1とともに、次の事項が記載されている。
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜半導体材料を処理する方法およびシステムに関し、特に、レーザ照射と照射を受ける半導体膜を有する基板の連続運動とを使用して、基板上のアモルファス薄膜または多結晶薄膜から、大きな粒子で構成され粒子境界位置を制御された半導体薄膜を形成することに関する。」
(イ)「【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、順次横方向凝固プロセスを使用して、一様な大きな粒子で構成され粒子境界位置を制御された結晶薄膜半導体を製造する技法を提供する。この技法を十分に理解するにはまず、順次横方向凝固プロセスを理解しなければならない。
【0011】
順次横方向凝固プロセスは、エキシマレーザから放出される順次パルス間に、シリコン膜を有するサンプルを一方向に徐々に並進させることによって、大きな粒子で構成されたシリコン構造を製造する技法である。シリコン膜によって各パルスが吸収されるにつれて、膜の小さな領域が完全に溶融し、横方向に再凝固し、パルスセットの前のパルスによって生成された結晶領域が得られる。」
(ウ)「【0014】
第09/390537号出願に詳しく記載されているように、所定のフルエンスの複数のエキシマ・レーザ・パルスを生成し、エキシマ・レーザ・パルスのフルエンスを制御可能に変調し、変調されたレーザ・パルスを所定の平面内で均一化し、均一化された変調レーザ・パルスの一部をマスクして、パターン化されたビームレットを生成し、パターン化されたビームレットをアモルファスシリコン薄膜サンプルに照射し、サンプルの、ビームレットによって照射された部分を溶融させ、パターン化されたビームレットおよび制御された変調に対してサンプルを制御可能に並進させ、それにより、パターン化されたビームレットに対するサンプルの順次並進および対応する順次位置でのサンプルに対する可変フルエンスのパターン化されたビームレットの照射によって、アモルファスシリコン薄膜サンプルを、単結晶シリコン薄膜または粒子境界を制御された多結晶シリコン薄膜に変換することにより、アモルファスシリコン薄膜サンプルが単結晶薄膜または多結晶薄膜に変換される。次に、本発明の以下の実施形態について前述の処理技法を参照して説明する。
【0015】
図1bは、上述のシステムによって使用できる連続運動SLSを実現する本発明によるプロセスの実施形態を示している。具体的には、コンピュータ100は、サンプル並進ステージ180の(平面X-Y方向への)運動および/またはマスキング・システム150の移動を制御する。このように、コンピュータ100は、パルス・レーザ光線149光線および最終パルス・レーザ光線164に対するサンプル170の相対位置を制御する。最終パルス・レーザ光線164の周波数およびエネルギー密度もコンピュータ100コンピュータいよって制御される。
【0016】
1999年9月3日に出願され、やはり共通の譲渡人に譲渡され、開示全体が引用によって本明細書に組み入れられた係属中の特許出願第09/390535号(第09/390535号出願)に記載されているように、サンプル170において結晶領域を成長させるようにマスキング・システム150またはサンプル並進ステージ180を移動させることによって、サンプル170をレーザ光線149に対して並進させることができる。たとえば、前述の目的のために、レーザ光線149の長さおよび幅はX方向で2cm、Y方向で1/2cmでよい(たとえば、長方形)が、パルス・レーザ光線149はこのような形状およびサイズに限らない。実際には、もちろん、当業者に知られている、レーザ光線149の他の形状および/またはサイズを実現することができる(たとえば、正方形、三角形など)。」
(エ)「【0018】
図1bに示す例示的な実施形態では、サンプル170はY方向のサイズが40cmであり、X方向のサイズが30cmである。サンプル170はいくつかの列(たとえば、第1の列5、第2の列6など)として概念的に細区分され、各列の位置/寸法はコンピュータ100の記憶装置に記憶され、コンピュータ100コンピュータいよって使用される。各列は、たとえば、X方向の寸法が2cmであり、Y方向の寸法が40cmである。したがって、サンプル170は、たとえば15個の列として概念的に細区分することができる。サンプル170を、異なる寸法(たとえば、3cm x 40cmなど)を有するいくつかの列として細区分することを企図することもできる。サンプル170をいくつかの列として概念的に細区分する際、このような列の全長にわたって延びる1つの列の少なくとも小さな部分が近傍の列の一部と重なり合い、照射されない領域が存在する可能性をなくすべきである。たとえば、重なり合う領域の幅はたとえば1μmでよい。
【0019】
サンプル170を概念的に細区分した後、パルス・レーザ光線111が(コンピュータ100を使用してエキサイマ・レーザを作動させるか、あるいはシャッタ130を開放することによって)活動化され、(パルス・レーザ光線149から)第1の位置20に入射するパルス・レーザ・ビームレット164を生成する。次いで、サンプル170が、第1のビーム経路25内の固定位置ビームレットに対する所定の速度に達するように、コンピュータ100の制御の下で順Y方向に並進させられ加速される。
【数1】
Vmax = Bw・f
【0020】
(上式1で、Vmaxは、パルス・ビームレット164に対するサンプル170の最大移動可能速度であり、Bwは、パルス・レーザ・ビームレット164のパターンの幅(またはパルス・ビームレット164のエンベロープの幅)であり、fは、パルス・ビームレット164の周波数である)を使用し、以下の数式2を使用して所定の速度Vpredを決定することができる。
【数2】
Vpred = Vmax - K」
(オ)「【0037】
前述のことは、本発明の原則を示しているに過ぎない。当業者には、本明細書の教示に鑑みて上述の実施形態に対する様々な修正形態および変更形態が明らかになろう。たとえば、このアモルファスシリコン膜サンプルまたは多結晶シリコン膜サンプル170を、このようなシリコン膜の所定のアイランドを有するサンプルで置き換えることができる。また、上記の例示的な実施形態は、レーザ光線が固定され、好ましくは走査できないレーザ・システムについて説明したが、本発明による方法およびシステムが、固定サンプルの経路に沿って一定の速度で偏向できるパルス・レーザ光線を使用できることを認識されたい。したがって、当業者には、本発明で明示的に図示も説明もしていないにもかかわらず、本発明の原則を実現し、したがって本発明の趣旨および範囲内である多数のシステムおよび方法を構想できることが理解されよう。」

(2)引用発明の認定
引用文献の記載事項(ア)には、「レーザ照射と照射を受ける半導体膜を有する基板の連続運動とを使用して、基板上のアモルファス薄膜または多結晶薄膜から、大きな粒子で構成され粒子境界位置を制御された半導体薄膜を形成する」「方法」が記載されている。同(イ)において「エキシマレーザから放出される順次パルス間に、シリコン膜を有するサンプルを一方向に徐々に並進させることによって、大きな粒子で構成されたシリコン構造を製造する技法である。シリコン膜によって各パルスが吸収されるにつれて、膜の小さな領域が完全に溶融し、横方向に再凝固し、パルスセットの前のパルスによって生成された結晶領域が得られる。」のであるから、「順次横方向凝固プロセス」により同(ア)の「大きな粒子」は、製造される。そして、同(ウ)には、「所定のフルエンスの複数のエキシマ・レーザ・パルスを生成し・・・、アモルファスシリコン薄膜サンプルを、単結晶シリコン薄膜または粒子境界を制御された多結晶シリコン薄膜に変換すること」及び「レーザ光線149の長さおよび幅はX方向で2cm、Y方向で1/2cmでよい(たとえば、長方形)」ことが記載され、同(エ)には、「サンプル170をいくつかの列として概念的に細区分する際、このような列の全長にわたって延びる1つの列の少なくとも小さな部分が近傍の列の一部と重なり合い、照射されない領域が存在する可能性をなくすべきである」ことが記載されており、この「サンプル170」は、「基板」の実例であることは明らかである。さらに、同(オ)には、「実施形態は、レーザ光線が固定され、好ましくは走査できないレーザ・システムについて説明したが、本発明による方法およびシステムが、固定サンプルの経路に沿って一定の速度で偏向できるパルス・レーザ光線を使用できること」が記載されている。
これら記載事項を本願発明の記載ぶりに則って整理すると、引用文献には、
「走査できるパルス・レーザ光線の照射と照射を受ける半導体膜を有する基板の連続運動とを使用して、基板上のアモルファス薄膜または多結晶薄膜から、大きな粒子で構成され粒子境界位置を制御された半導体薄膜を形成する方法であって、エキシマレーザから放出される所定のフルエンスの長方形の順次パルス間に、アモルファス薄膜または多結晶薄膜を有する基板を一方向に徐々に並進させ、各パルスが吸収されるにつれて、膜の小さな領域が完全に溶融し、横方向に再凝固し、パルスセットの前のパルスによって生成された結晶領域を得ることによって、基板上のアモルファス薄膜または多結晶薄膜から、大きな粒子で構成され粒子境界位置を制御された半導体薄膜を形成し、基板をいくつかの列に細区分する際、このような列の全長にわたって延びる1つの列の少なくとも小さな部分が近傍の列の一部と重なり合い、照射されない領域が存在する可能性をなくす方法。」(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

第3 対比
本願発明と引用発明を対比すると、引用発明の「パルス・レーザ光線の照射」「を使用して」「基板上のアモルファス薄膜または多結晶薄膜から、大きな粒子で構成され粒子境界位置を制御された半導体薄膜を形成する方法」で「板をいくつかの列に細区分する」ことは、本願発明の「膜を処理する方法であって、
(a’)基板上に配置され、レーザ誘起融解が可能な前記膜にわたって、結晶化すべき複数の領域を画定」することに相当するということができる。
そして、引用発明の「エキシマレーザから放出される所定のフルエンスの長方形の順次パルス」の「各パルスが吸収されるにつれて、膜の小さな領域が完全に溶融し、」が本願発明の「(b’)前記膜をその厚さを通して照射領域内で融解させるのに十分なフルエンスを有し、各パルスが長さ及び幅を有するライン・ビームを形成する、一連のレーザ・パルスを生成」することに相当する。
また、引用発明の「走査できるパルス・レーザ光線の照射と照射を受ける半導体膜を有する基板の連続運動とを使用して、基板上のアモルファス薄膜または多結晶薄膜から、大きな粒子で構成され粒子境界位置を制御された半導体薄膜を形成する方法であって、・・・順次パルス間に、アモルファス薄膜または多結晶薄膜を有する基板を一方向に徐々に並進させ、各パルスが吸収されるにつれて、膜の小さな領域が完全に溶融し、横方向に再凝固し、パルスセットの前のパルスによって生成された結晶領域を得ることによって、基板上のアモルファス薄膜または多結晶薄膜から、大きな粒子で構成され粒子境界位置を制御された半導体薄膜を形成」することは、本願発明の「(c’)各パルスが前記複数の領域の内の1つの領域の第1の部分を照射して融解させ、前記第1の部分は冷却により1つ又はそれ以上横方向成長結晶を形成するように、前記膜を選択された速度で一連のレーザ・パルスにより第1の走査中連続的に走査し、
(d’)各パルスが前記複数の領域の内の1つの領域の第2の部分を照射して融解させ、領域内の前記第1及び第2の部分は部分的に重なり、前記第2の部分は冷却により、前記第1の部分の1つ又はそれ以上の横方向成長結晶に対して延びた1つ又はそれ以上の横方向成長結晶を形成するように、かつ、前記膜を選択された速度で一連のレーザ・パルスにより第2の走査中連続的に走査する」ことに相当する。
そして、これら(a’)?(d’)の工程は「ステップ」と表現できる。
そうすると、本願発明と引用発明とは、
「膜を処理する方法であって、
(a’)基板上に配置され、レーザ誘起融解が可能な前記膜にわたって、結晶化すべき複数の領域を画定し、
(b’)前記膜をその厚さを通して照射領域内で融解させるのに十分なフルエンスを有し、各パルスが長さ及び幅を有するライン・ビームを形成する、一連のレーザ・パルスを生成し、
(c’)各パルスが前記複数の領域の内の1つの領域の第1の部分を照射して融解させ、前記第1の部分は冷却により1つ又はそれ以上横方向成長結晶を形成するように、前記膜を選択された速度で一連のレーザ・パルスにより第1の走査中連続的に走査し、
(d’)各パルスが前記複数の領域の内の1つの領域の第2の部分を照射して融解させ、領域内の前記第1及び第2の部分は部分的に重なり、前記第2の部分は冷却により、前記第1の部分の1つ又はそれ以上の横方向成長結晶に対して延びた1つ又はそれ以上の横方向成長結晶を形成するように、前記膜を選択された速度で一連のレーザ・パルスにより第2の走査中連続的に走査する、
ステップを含むことを特徴とする方法。」で一致する。
そして、以下の点で相違する。
本願発明においては、基板上に「相隔たる」領域を画定し、「それぞれの前記相隔たる領域の間の領域が非照射となるように」するのに対して、引用発明においては、「相隔たる」領域を画定し、「それぞれの前記相隔たる領域の間の領域が非照射となるように」することは特定されていない点(以下、「相違点」という。)。

第4 相違点についての判断
本願発明における「相隔たる領域」については、引用文献の段落【0037】(記載事項(オ))に「たとえば、このアモルファスシリコン膜サンプルまたは多結晶シリコン膜サンプル170を、このようなシリコン膜の所定のアイランドを有するサンプルで置き換えることができる。」とあり、引用発明においても基板上に「シリコン膜の所定のアイランド」を設け「成長結晶」を「アイランド」即ち島状に形成することが示唆されている以上、引用発明の「領域」を「相隔てる」領域と限定し、レーザ・パルスの影響を避けること及び省エネルギーのために島間の照射を省略し「相隔たる領域の間の領域が非照射となるように」することも当業者であれば格別の困難なくなし得る設計変更にすぎないものというべきである。
また、相違点に係る特定事項を採用することにより得られる効果についても、格別顕著であるとは認められない。
したがって、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第5 審判請求書の主張について
審判請求人は、平成25年9月27日になされた手続補正により補正された審判請求書において「理由3について
・・・
さらに拒絶査定におきましては本件発明は引用文献2に基づいて「相隔たる領域の間の領域が非照射となるような構成とすることは、当業者であれば容易になし得ることである。」との認定がされております。
引用文献2は、全体の薄膜が走査され結晶化される連続運動逐次的横方向結晶化を実行する方法とシステムに関するものであります。引用文献2は「試料の速度は隣接する照射領域の間の任意の非照射領域の可能性を回避するように」選択される(段落番号〔0021〕との開示があります。
このように引用文献2は本件発明とは明らかに逆行する開示を有しています。したがいまして、引用文献2が本件発明を容易想到とする根拠となることはあり得ないものと思料いたします。」と主張する。
しかしながら、当該箇所は、「【0021】
上式2で、Kは、定数であり、互いに隣接する照射領域間に照射されない領域が存在する可能性をなくすために使用される。サンプル170が連続的に並進するため、パルス・ビームレット164を遮る必要がなく、またオフにする必要もないので、ビーム減衰器・シャッタ130を使用せずに図1aに示す本発明によるシステムを使用することも可能である。」であって、記載事項(エ)に「Vmaxは、パルス・ビームレット164に対するサンプル170の最大移動可能速度であり」「Vpred = Vmax - K」と記載されるようにパルス・ビームレットの相対移動速度を隣接するパルスが重なるように設定することを意図しており、「互いに隣接する照射領域間」とは、パルス・ビームレット間のことで、「相隔たる領域の間の領域」でないことは明らかであるから、請求人の当該主張は、失当であると判断する。

第6 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用文献に記載された発明基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-05-01 
結審通知日 2014-05-07 
審決日 2014-05-20 
出願番号 特願2008-527117(P2008-527117)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 杢 哲次  
特許庁審判長 小野田 誠
特許庁審判官 西脇 博志
松本 貢
発明の名称 薄膜のハイ・スループット結晶化  
代理人 大塚 文昭  
代理人 上杉 浩  
代理人 熊倉 禎男  
代理人 須田 洋之  
代理人 西島 孝喜  
代理人 辻居 幸一  

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