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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B65H |
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管理番号 | 1312979 |
審判番号 | 不服2015-1697 |
総通号数 | 197 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2016-05-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2015-01-28 |
確定日 | 2016-03-30 |
事件の表示 | 特願2010-200222「給紙カセット及びこれを含む画像形成装置、並びにガイド装置」拒絶査定不服審判事件〔平成23年3月24日出願公開、特開2011-57450〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成22年9月7日(パリ条約による優先権主張2009年9月7日、韓国)の出願であって、平成25年8月1日付け、平成26年6月4日付けで手続補正がなされ、同年9月16日付けで拒絶の査定がなされ、これに対し、平成27年1月28日に拒絶査定に対する審判請求がされたものである。 第2 本願発明 本願の請求項に係る発明は、上記の平成26年6月4日付け手続補正後の明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?22に記載された事項によって特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明は次のとおりのものである。 「画像形成装置において、 印刷媒体に画像を形成する画像形成部を含む本体と、 カセット本体と、印刷媒体を支持するために前記カセット本体内で支持されるノックアッププレートと、前記ノックアッププレート上に搭載された印刷媒体を整列させる整列ユニットとを含む給紙カセットと、を備え、 前記整列ユニットは、外力受け部と、前記カセット本体の第2係合部と解除可能に係合するように前記外力受け部により移動可能に設けられた第1係合部とを含み、 押す力が前記整列ユニットを第1調節方向に移動させるよう前記外力受け部に前記第1調節方向に加えられると、前記外力受け部はヒンジ軸を中心に前記第1調節方向に回動し、前記第1係合部が前記第2係合部から解除されるように前記外力受け部の前記第1調節方向への回動によって前記第1係合部を前記ヒンジ軸に向かって上向移動させて、 引く力が前記整列ユニットを前記第1調節方向の反対方向である第2調節方向に移動させるように前記外力受け部に前記第2調節方向に加えられると、前記外力受け部は前記ヒンジ軸を中心に前記第2調節方向に回動し、前記第1係合部が前記第2係合部から解除されるように前記外力受け部の前記第2調節方向への回動によって前記第1係合部を前記ヒンジ軸に向かって上向移動させることを特徴とする画像形成装置。」(以下「本願発明」という。) 第3 引用例 原査定に係る平成26年2月28日付けの拒絶理由通知で引用された本願の優先日前の平成20年5月8日に頒布された刊行物である特開2008-105856号公報(以下「引用例」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(なお、下線は、審決で付した。)。 ア 「【0002】 今日、プリンタや複写機等の画像形成装置においては、画像形成部にシートを給送して画像を形成するようにしたものが広く普及している。そして、このような画像形成装置としては、画像形成装置本体に給紙カセットを着脱自在に装着し、給紙カセットに収容されたシートをシート給送装置により、画像形成部に自動給送するようにしているのが一般的である。 【0003】 このような画像形成装置に用いられる給紙カセットとしては、同一のカセットで各種サイズのシートを収容することのできるユニバーサルカセットがある。このユニバーサルカセットのシート収容部には、シート収容部に収容されたシート給送方向のシートの後端を規制する後端規制部材が移動可能に設けられている。」 イ 「【課題を解決するための手段】 【0013】 本発明は、収容部本体に収容されたシートの位置を規制するために移動可能な規制部材を備えたシート給送装置において、前記規制部材をシートサイズに応じた規制位置に保持する保持機構と、前記規制部材に設けられ、前記保持機構による前記規制部材の保持の解除操作を行うための操作部と、を備え、前記規制部材を一方向またはそれとは反対の他方向へ移動させる際に、移動させる方向に向けて前記操作部を押圧操作することにより前記保持機構による保持が解除されることを特徴とする。 【発明の効果】 【0014】 本発明によれば、シートの位置を規制する規制部材を移動させる際、規制部材を移動させる方向に向けて操作部を押圧操作することにより、保持機構による規制部材の保持を解除して規制部材を移動させることができる。これにより、シートの大きさに応じて規制部材を移動させるための操作性を向上させることができる。」 ウ 「【0016】 図1は、本発明の実施の形態に係るユニバーサルカセット1を備えた画像形成装置の一例であるレーザービームプリンタ100の概略構成を示す断面図であり、このユニバーサルカセット1はレーザービームプリンタ100の本体2に対して着脱可能に構成される。 【0017】 図1において、102はレーザービームプリンタ100の本体(以下、装置本体という)2に設けられ、電子写真方式により画像形成を行う画像形成部、103はシートSを画像形成部102に給送するためのシート給送装置である。 【0018】 ここで、この画像形成部102はトナー像を形成する感光体ドラム107、感光体ドラム107に形成されたトナー像をシートSに転写する転写ローラ106、感光体ドラム表面を一様に帯電する帯電ローラ109、現像器110などを備えている。なお、111は感光体ドラム107、現像器110及び帯電ローラ106等を備えたプロセスカートリッジである。」 エ 「【0020】 なお、ユニバーサルカセット1は、シートSを収容するカセット本体1Aと、シートSを積載すると共に、カセット本体1Aに軸50aを支点に上下方向に回動自在に保持され、コイルバネ51により給紙ローラ103Aに向けて付勢された中板6を備えている。そして、この中板6をコイルバネ51によって給紙ローラ103A方向へ押し上げることにより、中板6上に積載されているシートSを給紙ローラ103Aに押し付けるようにしている。」 オ 「【0027】 図2は、ユニバーサルカセット1の内部を示す図である。このユニバーサルカセット1は、各種サイズのシートを収容するカセット本体1Aと、シートの側端位置を規制する一対の側端規制部材(側端規制板)3a,3bと、シートの後端位置を規制する後端規制部材(後端規制板)5を備えている。なお、側端規制部材3a,3bと後端規制部材5は、中板6の回動動作に影響しないように配設されている。 【0028】 そして、各種サイズのシートを収容部本体であるカセット本体内に収容する際には、側端規制部材3a,3bをシートの側端に当接させてシートの側端位置を規定すると共に、後端規制部材5をシートの後端に当接させてシートの後端位置を規定する。これにより、シートを位置決めした状態で収容することができる。」 カ 「【0033】 後端規制部材5は、カセット本体1Aの底板に矢印C方向に設けられた不図示のガイド溝に案内されて給送方向に移動自在となっている。また、図3に示すように、シートの後端と当接する本体部5Aと、本体部5Aが垂設されたスライド部5Bと、後述する係合部によりカセット本体1Aに係合して後端規制部材5を所定の位置に保持する保持部材9とを備えている。 【0034】 また、後端規制部材5を操作し、後述する連動部により保持部材9のカセット本体1Aとの係合(保持)を解除して移動可能にする操作部8を備えている。そして、この操作部8の解除操作により、保持部材9のカセット本体1Aとの係合(保持)を解除した場合には、後端規制部材5が移動可能となり、設定位置を変更させることができる。また、後端規制部材5の移動操作後には、カセット本体1Aに保持部材9がふたたび係合することで位置を保持することができる。」 キ 「【0037】 保持部材9は、図5に示すように、側面に複数の三角形状の歯により構成される係合部である歯列9aを備えており、この歯列9aは、カセット本体1Aの底面に設けられ、三角形状の歯により構成される被係合部であるラック歯列1aに係合している。そして、このように保持部材側(規制部材側)に設けられた歯列9aが、カセット本体側(収容部本体側)に設けられ、歯列9aと係合可能なラック歯列1aに水平方向で係合することにより、後端規制部材5はシートサイズに応じた設定位置で保持(固定)される。これらの保持部材9の歯列9a、カセット本体1Aのラック歯列1a等により保持機構が構成される。」 ク 「【0045】 例えば、大サイズのシートを収容するため、後端規制部材5を図6の(a)の矢印Fで示す大サイズ規制方向に移動させるよう操作部8を、後端規制部材5の移動方向と同じ矢印Fに押圧すると、操作部8は支軸8a(図4及び図5参照)を支点として揺動する。これに伴い、V字状の溝9cに遊嵌されている軸8bが、矢印F方向と逆方向に移動し、第1の押圧部を構成するV字状の溝9cの一方の押圧面9c1を押圧する。 【0046】 これにより、保持部材9は、ピボット軸9bを中心にカセット本体1Aとの係合が解除される方向である矢印H方向に揺動し、歯列9aとラック歯列1aとの係合が解除される。このように歯列9aとラック歯列1aとの係合を解除することにより、この後、設定位置を変更するよう後端規制部材5を大サイズ規制方向に移動する際、後端規制部材5を簡単に移動させることができる。 【0047】 なお、移動が終了した後は、操作部8の押圧を解除すると、弾性部材10の作用によって操作部8は、歯列9aとラック歯列1aとが係合する元の状態に戻り、後端規制部材5を設定位置に保持することができる。 【0048】 また、小サイズのシートを収容するため、後端規制部材5を図6の(b)の矢印Gで示す小サイズ規制方向に移動させるよう操作部8を、後端規制部材5の移動方向と同じ矢印Gに押圧すると、操作部8は支軸8aを支点として揺動する。これに伴い、V字状の溝9cに遊嵌されている軸8bが、矢印G方向と逆方向に移動し、第2の押圧部を構成するV字状の溝9cの他の押圧面9c2を押圧する。 【0049】 これにより、保持部材9は、ピボット軸9bを中心に矢印H方向に揺動し、歯列9aとラック歯列1aとの係合が解除され、設定位置を変更するよう後端規制部材5を小サイズ規制方向に移動することができる。なお、移動が終了した後は、操作部8の押圧を解除すると、弾性部材10の作用によって操作部8は、歯列9aとラック歯列1aとが係合する元の状態に戻り、後端規制部材5を設定位置に保持することができる。 【0050】 このように、本実施の形態の連動部5Cによれば、操作部8を双方向(矢印F及びG方向)のどちらに押圧操作した場合にも、保持部材9が矢印H方向(同一方向)に揺動し、歯列9aとラック歯1aとの係合が解除されるので、後端規制部材5は移動可能となる。言い換えれば、後端規制部材5を一方向またはそれとは反対の他方向へ移動させる際に、移動させる方向に向けて操作部8を押圧操作することにより保持機構による保持が解除され、後端規制部材5は移動可能となる。」 ケ 歯列9aとラック歯列1aとの係合が解除される方向に保持部材9がピボット軸9bを中心に揺動するときに、保持部材9に設けられた歯列9aは、保持部材9の回動に伴って操作部8の支軸8aに向かって移動することが【図5】、【図6】から看て取れる。 上記の記載事項を総合すると、引用例には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。 「画像形成装置において、 シートSに画像を形成する画像形成部102を含むレーザービームプリンタ100である装置本体2と、 カセット本体1Aと、シートSを積載すると共に、カセット本体1Aに軸50aを支点に上下方向に回動自在に保持され、コイルバネ51により給紙ローラ103Aに向けて付勢された中板6と、シートの後端位置を規制する後端規制部材5とを含むユニバーサルカセット1と、を備え、 後端規制部材5は、操作部8と、シートの後端と当接する本体部5Aと、本体部5Aが垂設されたスライド部5Bと、カセット本体1Aに係合して後端規制部材5を所定の位置に保持する保持部材9とを備え、 操作部8は、保持部材9の側面に設けられた複数の三角形状の歯により構成される係合部である歯列9aと、カセット本体1Aの底面に設けられた三角形状の歯により構成される被係合部であるラック歯列1aとの水平方向の係合を解除することで、後端規制部材5を移動可能にし、 後端規制部材5を小サイズ規制方向に移動させるよう操作部8を、後端規制部材5の移動方向と同じ方向に押圧すると、操作部8は支軸8aを支点として揺動し、V字状の溝9cに遊嵌されている軸8bが該移動方向と逆方向に移動し、第2の押圧部を構成するV字状の溝9cの押圧面9c2を押圧し、これにより、保持部材9はピボット軸9bを中心に揺動することで、歯列9aとラック歯列1aとの係合が解除され、後端規制部材5を小サイズ規制方向に移動させることができ、 後端規制部材5を大サイズ規制方向に移動させるよう操作部8を、後端規制部材5の移動方向と同じ方向に押圧すると、操作部8は支軸8aを支点として揺動し、V字状の溝9cに遊嵌されている軸8bが該移動方向と逆方向に移動し、第1の押圧部を構成するV字状の溝9cの押圧面9c1を押圧し、これにより、保持部材9はピボット軸9bを中心に揺動することで、歯列9aとラック歯列1aとの係合が解除され、後端規制部材5を大サイズ規制方向に移動させる画像形成装置。」 第4 対比 本願発明と引用発明とを対比する。 後者の「シートS」は、前者の「印刷媒体」に相当する。 以下同様に、「画像形成部102」は、「画像形成部」に、 「装置本体2」は、「本体」に、 「カセット本体1A」は、「カセット本体」に、 「中板6」は、「ノックアッププレート」に、 「後端規制部材5」は、「整列ユニット」に、 「ユニバーサルカセット1」は、「給紙カセット」に、それぞれ相当する。 後者の「操作部8」は、その操作によって後端規制部材5をカセット本体1Aに対して移動可能とするものであるから、前者の「外力受け部」に相当し、後者の「支軸8a」は、前者の「ヒンジ軸」に相当する。 後者の「歯列9a」及び「ラック歯列1a」は、係合部と被係合部の関係にあり、係合が解除されることで、後端規制部材5がカセット本体1Aに対して移動可能となるものであるから、前者の「第1係合部」及び「第2係合部」にそれぞれ相当する。 後者の「小サイズ規制方向」は、カセット本体1A内において、現状よりシートSを収容するスペースを小さくするように後端規制部5を移動させる方向のことであって、後端規制部5を小サイズ規制方向に移動させる際に操作部8は同じ方向に押圧される。そして、前者の「第1調節方向」とは、【図10】における「押す力F1」の方向であって、外力受け部はヒンジ軸を中心に「押す力F1」の方向に回動し、整列ユニットも「押す力F1」の方向に移動する。さらに、【図3】を参酌するに、整列ユニットが「押す力F1」の方向に移動すると、現状より印刷媒体を収容するスペースが小さくなることは当業者にとって自明である。 つまり、後者の「小サイズ規制方向」は、前者の「第1調節方向」に相当し、それは「押す力」によって生じた方向であるといえる。 後者の操作部8を小サイズ規制方向と同じ方向に押圧すると、操作部8は支軸8aを支点として揺動し、歯列9aがラック歯列1aから解除されるように移動することは、前者の外力受け部に第1調節方向に加えられると、前記外力受け部はヒンジ軸を中心に前記第1調節方向に回動し、前記第1係合部が前記第2係合部から解除されるように前記外力受け部の前記第1調節方向への回動によって前記第1係合部が移動することであるといえる。 後者の「大サイズ規制方向」は、カセット本体1A内において、現状よりシートSを収容するスペースを大きくするように後端規制部5を移動させる方向のことであって、後端規制部5を大サイズ規制方向に移動させる際に操作部8は同じ方向に押圧される。そして、前者の「第2調節方向」とは、【図11】における「引く力F2」の方向であって、外力受け部はヒンジ軸を中心に「引く力F2」の方向に回動し、整列ユニットも「引く力F2」の方向に移動する。さらに、【図3】を参酌するに、整列ユニットが「引く力F2」の方向に移動すると、現状より印刷媒体を収容するスペースが大きくなることは当業者にとって自明である。 つまり、後者の「大サイズ規制方向」は、前者の「第2調節方向」に相当し、それは「引く力」によって生じた方向であるといえる。 後者の操作部8を大サイズ規制方向と同じ方向に押圧すると、操作部8は支軸8aを支点として揺動し、歯列9aがラック歯列1aから解除されるように移動することは、前者の外力受け部に第2調節方向に加えられると、前記外力受け部はヒンジ軸を中心に前記第2調節方向に回動し、前記第1係合部が前記第2係合部から解除されるように前記外力受け部の前記第2調節方向への回動によって前記第1係合部が移動することであるといえる。 したがって、両者は、 「画像形成装置において、 印刷媒体に画像を形成する画像形成部を含む本体と、 カセット本体と、印刷媒体を支持するために前記カセット本体内で支持されるノックアッププレートと、前記ノックアッププレート上に搭載された印刷媒体を整列させる整列ユニットとを含む給紙カセットと、を備え、 前記整列ユニットは、外力受け部と、前記カセット本体の第2係合部と解除可能に係合するように前記外力受け部により移動可能に設けられた第1係合部とを含み、 押す力が前記整列ユニットを第1調節方向に移動させるよう前記外力受け部に前記第1調節方向に加えられると、前記外力受け部はヒンジ軸を中心に前記第1調節方向に回動し、前記第1係合部が前記第2係合部から解除されるように前記外力受け部の前記第1調節方向への回動によって前記第1係合部を前記ヒンジ軸に向かって移動させて、 引く力が前記整列ユニットを前記第1調節方向の反対方向である第2調節方向に移動させるように前記外力受け部に前記第2調節方向に加えられると、前記外力受け部は前記ヒンジ軸を中心に前記第2調節方向に回動し、前記第1係合部が前記第2係合部から解除されるように前記外力受け部の前記第2調節方向への回動によって前記第1係合部を前記ヒンジ軸に向かって移動させる画像形成装置。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点] 本願発明が、第1係合部が第2係合部から解除される際に第1係合部を「上向移動」させるのに対し、引用発明は、そのような動作を伴う構造を有するものではない点。 第5 判断 上記相違点について以下検討する。 まず、本願発明における「上向移動」の「上向」について検討する。 本願発明において、【図3】に示される給紙カセット内の(第2係合部である)ラック202aの歯の向き、【図10】、【図11】に示される第2係合部との係合が解除される第1係合部の移動方向から、給紙カセットの底面から開放面に向かう方向を「上向」としていることは明らかである。 上記の解釈に基づいて、引用発明の保持部材9の歯列9aがカセット本体1Aのラック歯列1aとの係合が解除される際の移動方向を解釈すると、ラック歯列1aと歯列9a係合方向と同じ「水平方向」であるといえる。 ここで、第2係合部との係合が解除される第1係合部の移動方向は、第2係合部の歯の向きによって決定されるところ、歯の向きを上向や下向を含む「垂直方向」、もしくは左向や右向を含む「水平方向」とすることは、一般的に採用される方向にすぎず、どちらの方向も技術常識というべきものであって、本願発明と同じく歯の向きを上向とする「垂直方向」に関しては、引用例の【図7】?【図10】にも記載されている。 また、本願発明のように給紙カセット内の歯の向きを「上向」とすることに技術的困難性があるとはいえず、引用発明の第2係合部との係合が解除される第1係合部の移動方向を、上記技術常識に照らして、本願発明のように「上向」とすることは、当業者が容易になしえる程度の技術的事項である。 したがって、引用発明において、相違点に係る本願発明の発明特定事項とすることは、上記技術常識に照らして、当業者が容易に想到し得るものであ る。 そして、本願発明の発明特定事項によって奏される効果も、引用発明及び技術常識から、当業者が予測しうる範囲内のものである。 第6 むすび 以上のとおりであるから、本願発明1は、引用発明及び技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2015-10-21 |
結審通知日 | 2015-10-27 |
審決日 | 2015-11-13 |
出願番号 | 特願2010-200222(P2010-200222) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(B65H)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 冨江 耕太郎 |
特許庁審判長 |
黒瀬 雅一 |
特許庁審判官 |
畑井 順一 吉村 尚 |
発明の名称 | 給紙カセット及びこれを含む画像形成装置、並びにガイド装置 |
代理人 | 特許業務法人共生国際特許事務所 |