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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B63H
管理番号 1314328
異議申立番号 異議2016-700011  
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2016-06-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-01-08 
確定日 2016-04-25 
異議申立件数
事件の表示 特許第5746301号「液化ガス運搬船用燃料ガス供給システム」の請求項1ないし5に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第5746301号の請求項1ないし5に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第5746301号の請求項1ないし5に係る特許についての出願は、平成25年10月11日に特許出願され、平成27年5月15日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、特許異議申立人 近藤富夫(以下「申立人」という)により特許異議の申立てがされたものである。

第2 本件発明
特許第5746301号の請求項1ないし5の特許に係る発明(以下「本件特許発明1ないし5」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。
「【請求項1】
主機関として用いられるガス焚き可能な低速ディーゼル機関と、
液化ガスを貯蔵するタンクと、
前記タンク内で発生するボイルオフガスを圧縮する高圧ガスコンプレッサと、
前記タンク内の液化ガスを加圧する高圧液ポンプと、
前記高圧ガスコンプレッサを通して前記タンクから前記低速ディーゼル機関へ燃料ガスを供給する第1燃料ガス供給ラインと、
前記高圧液ポンプを通して前記タンクから前記低速ディーゼル機関へ燃料ガスを供給する第2燃料ガス供給ラインとを備え、
液化ガス積載時の運航において、前記低速ディーゼル機関の燃料消費量がボイルオフガス発生量以下のとき、および液化ガス空荷時の運航において、スプレー作業を行うときには、前記第1燃料ガス供給ラインのみを通して燃料ガスを前記低速ディーゼル機関へ供給し、液化ガス空荷時の運航において、スプレー作業を行わないときには、前記第2燃料ガス供給ラインのみを通して燃料ガスを前記低速ディーゼル機関へ供給する
ことを特徴とする液化ガス運搬船用燃料ガス供給システム。
【請求項2】
液化ガス積載時の運航において、燃料消費量がボイルオフガス発生量を上回るときには前記第1および第2燃料ガス供給ラインを使用して前記低速ディーゼル機関へ燃料ガスを供給することを特徴とする請求項1に記載の液化ガス運搬船用燃料ガス供給システム。
【請求項3】
前記高圧ガスコンプレッサで圧縮されたガスを再液化して前記タンクへ戻すガス回収ラインと、前記ガス回収ラインと前記第1燃料ガス供給ラインにおける前記タンクと前記高圧ガスコンプレッサとを結ぶ部分との間で熱交換を行う熱交換器とを更に備え、前記ガスの再液化が、前記熱交換器を通して行われることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液化ガス運搬船用燃料ガス供給システム。
【請求項4】
前記ガス回収ラインの前記熱交換器と前記タンクとの間に存在するボイルオフガスを前記第1燃料ガス供給ラインの前記熱交換器よりも上流側に戻す連絡ラインを更に備えることを特徴とする請求項3に記載の液化ガス運搬船用燃料ガス供給システム。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一項に記載の液化ガス運搬船用燃料ガス供給システムを備えたことを特徴とする液化ガス運搬船。」

第3 申立理由の概要
1.申立人の主張の概要
本件特許発明1及び2は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2ないし4号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。
本件特許発明3は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2ないし5号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。
本件特許発明4は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2ないし6号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。
本件特許発明5は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2ないし4号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。
したがって、本件特許発明1ないし5は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、本件特許は同法第113条第2号の規定に該当し、取り消すべきものである。

2.申立人が提出した証拠方法
甲第1号証:LNG as fuel for 2-stroke propulsion of Merchant ships.
Sept.2012 MAN Diesel&Turbo
www.mandieselturbo.com/me-gi from 8 March 2012
甲第2号証:特開2009-62982号公報
甲第3号証:日本郵船LNG船運航研究会著「LNG船運航のABC」
成山堂書店 平成18年2月28日発行
表紙、目次、60?62頁、奥付
甲第4号証:特表2008-528882号公報
甲第5号証:特開昭49-88904号公報
甲第6号証:韓国登録特許第10-1289212号公報及び訳文

第4 各甲号証の記載事項
1.甲第1号証
甲第1号証には以下の事項が記載されている。
ア.「LNG as fuel for 2-stroke propulsion of Merchant Ships.」(1頁中央欄:当審訳「商業船の2ストローク推進用燃料としてのLNG」)
イ.甲第1号証の7頁には以下の図が示されている。


ウ.甲第1号証の15頁には以下の図が示されている。


エ.甲第1号証の20頁には以下の図が示されている。


甲第1号証には、上記エのとおり、LNGカーゴタンク(LNG Cargo Tanks)を具備する船舶におけるガス(GAS)の供給システムが図示されているところ、かかる図面より以下の事項が看取できる。
・船舶はLNGカーゴタンク(LNG Cargo Tanks)とME-GIエンジン(ME-GI)を備えること
・前記LNGカーゴタンク(LNG Cargo Tanks)内で発生したボイルオフガス(BOG)は、BCA Laby-GI圧縮機(BCA Laby-GI compressor)を介して300barに圧縮されたガス(GAS)としてME-GIエンジン(ME-GI)に供給されること
・前記LNGカーゴタンク内の液化天然ガス(LNG)は、少なくともHP LNG ポンプ(HP LNG Pump)及びHP 気化器(HP Vaporiser)を介して300barに圧縮されたガス(GAS)としてME-GIエンジン(ME-GI)に供給されること

したがって、甲第1号証には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているものといえる。
「LNGカーゴタンク(LNG Cargo Tanks)を具備する船舶におけるガス(GAS)の供給システムにおいて、
船舶はLNGカーゴタンク(LNG Cargo Tanks)とME-GIエンジン(ME-GI)を備え、
前記LNGカーゴタンク(LNG Cargo Tanks)内で発生したボイルオフガス(BOG)は、BCA Laby-GI圧縮機(BCA Laby-GI compressor)を介して300barに圧縮されたガス(GAS)としてME-GIエンジン(ME-GI)に供給され、
前記LNGカーゴタンク内の液化天然ガス(LNG)は、少なくともHP LNG ポンプ(HP LNG Pump)及びHP 気化器(HP Vaporiser)を介して300barに圧縮されたガス(GAS)としてME-GIエンジン(ME-GI)に供給される、LNGカーゴタンク(LNG Cargo Tanks)を具備する船舶におけるガス(GAS)の供給システム」

2.甲第2号証
甲第2号証には以下の事項が記載されている。
ア.「【0001】
本発明は、請求項1のおいて書き部分に記載の内燃機関のためのガス供給装置に関するものである。それに加え本発明は、請求項9のおいて書き部分に記載の、内燃機関で燃焼可能な自然発生ボイルオフガス(NBOG)と強制的に蒸発させて発生させたボイルオフガス(FBOG)の混合ガスを調達する方法にも関するものである。」(下線は当審で付与。以下同様。)
イ.「【0002】
燃料としての天然ガスを貯留するガスタンカーやその他の乗り物において天然ガスは液化された状態(液化天然ガス)で輸送され、その際冷却され液化された天然ガスの温度はおよそ-162℃で、その圧力はおよそ大気圧に保たれている。輸送されるべき冷却され液化された天然ガスを収容するために使用されるガス容器もしくは貯蔵タンクは、断熱に費用がかかる。それでもなお、輸送される天然ガスがある程度温まってしまうのは避けられず、冷却され液化された天然ガスを貯留するガス容器においては、容器内部の温度上昇によって天然ガスがいわゆるNBOGとして蒸発する。冷却され液化された天然ガスを貯留するガス容器内部のこのような避けられない蒸発の結果として生じる圧力の上昇に抵抗するために、ガス容器からNBOGが取り除かれる。冷却され液化された天然ガス用の貯蔵タンクを有する固定されたガスで駆動する駆動装置にも同じ原則が当てはまる。
【0003】
冷却され液化された天然ガスを貯留する貯蔵タンク内において温度上昇により蒸発した天然ガス、すなわちNBOGを、ガスを燃料とする機関とりわけガスタンカーの内燃機関に供給し、それによってそのようなNBOGをガスタンカーの駆動に利用することが、特許文献1および特許文献2からすでに知られている。さらに、NBOGの量が不充分な場合、冷却され液化された天然ガスを貯留するガス容器から液化天然ガスを取り出すことができ、蒸発器に供給可能であることも、この従来技術からすでに知られている。
【0004】
冷却され液化された天然ガスを貯留するガス容器から取り出された天然ガスは蒸発器の中で一部が蒸発し、蒸発した後はいわゆるFBOGとしてNBOGと混合可能となる。FBOGとNBOGとのこの混合ガスはその後、ガスを燃料とする機関とりわけ内燃機関による駆動部へと供給可能となる。蒸発しなかった、より高温で沸騰する天然ガスの成分は、既知の装置の中で使用されない状態で、ガス容器もしくは貯蔵タンクに戻される。」
ウ.「【0017】
図1は、本発明に係る内燃機関3のガス供給装置の第1の実施例を示している。ガス供給装置は2つのガス管システム4と22とを有している。
【0018】
第1のガス管システム4を通じて、いわゆるNBOGが内燃機関3の方向へ送り込まれる。NBOGは、貯蔵タンク17に準備されている液体状態かつ冷却された天然ガスが貯蔵タンクにおける当該液化天然ガスの温度上昇によって蒸発することで生じ、NBOGは第1のガス管システム4のガス管を通じて貯蔵タンク17から排出される。ガス管に接続されているコンプレッサー1を通って、NBOGは内燃機関3へと供給可能となっている。コンプレッサーの配管1、1’、1”は内燃機関3の前方においてガスの圧力水準を介して制御される。
【0019】
内燃機関3のためのNBOGの量が足りない場合は、第2のガス管システム22によって液体状態かつ冷却された天然ガスを貯蔵タンク17から取り出すことができ、ガス供給装置の蒸発器12に供給できる。蒸発器12の中で、貯蔵タンク17から取り出された液化ガスは、その一部が蒸発可能であり、いわゆるFBOGとして、第1のガス管システム4からのNBOGと混合ポイント31で混合され得る。
【0020】
従って、混合ポイント31の下流では、NBOGとFBOGとの混合ガスがあり、その混合ガスは熱変換器2の中で、特に室温になるまで温度調節可能であり、続いてエンジン3へと供給可能である。」

3.甲第3号証
甲第3号証には以下の事項が記載されている。
ア.「(3) タンククールダウン作業
バラスト航海中に行うタンククールダウン作業の概要について示す(図2-9)。
下にタンククールダウン実績の一例を示す。図2-10に示すとおり,タンククールダウン作業は,積地到着日に所定のタンク赤道温度となるように計画しており,バラスト航海中,断続的に行っている。
揚地にてカーゴタンクに残しておいたヒールは,カーゴタンク内に装備されているスプレーポンプを使用し,LNGを全てカーゴタンクに送り,タンク内のスプレーノズルにより噴霧される。噴霧されたLNGはカーゴタンク内で気化し,その潜熱によってカーゴタンク壁面と熱交換が行われ,カーゴタンクが冷却される。
この時発生するボイルオフガス(BOG)は,本船の低負荷コンプレッサーでボイラに導かれ,推進用の燃料として消費される。」(61頁7?19行)
イ.「(4) 航海中のBOGの有効利用
LNG船は,一般に推進燃料としてFuel Oil(C重油)とBOGを使用し,ボイラで混焼を行っており,タンククールダウン作業中は,BOG発生が一時的に増加し,タンククールダウン作業を行う場合,1日当りのBOG発生量の変動が大きくなる。
この特性を活かし,BOGの発生量に応じて速度調整を行っており,BOGが多く発生するタンククールダウン作業中は船速を上げ,タンククールダウン終了後は船速を下げBOGを有効利用し,また,Fuel Oil消費の節減にも努めている。」(62頁3?11行)

4.甲第4号証
甲第4号証には以下の事項が記載されている。
ア.「【0001】
本発明は加熱及び動力発生の目的で天然ガス燃料を供給する方法及び装置に関する。本発明に係る方法及び装置は船舶のエンジンに燃料を供給する目的で船中において使用するのに特に適する。」
イ.「【0012】
ここで、本発明に係る方法及び装置を例として添付図面を参照しながら説明する。
図面を参照すると、LNG貯蔵容器即ちタンク2は海洋タンカー(図示せず)の船内に位置する。貯蔵タンク2は、その内容物であるLNGが周囲の環境から熱を吸収する量を抑えるように熱絶縁される。貯蔵タンクはLNGの体積4で充填されたものとして図1に示す。貯蔵タンク2内の液体レベルの上方には目減り空間6が当然存在する。LNGが大気よりも十分低い温度で気化するので、タンク2の熱絶縁にも拘らず、体積4から目減り空間6へのLNGの連続的な蒸発が存在する。この蒸発した天然ガスはタンカーのエンジン80又は船内で燃料として使用される。この目的のため、蒸発した天然ガスはコンプレッサ12により導管10に沿ってタンク2の目減り空間6から連続的に引き出される。・・・」
ウ.「【0015】
通常、エンジン80が燃料を要求する割合は、貯蔵タンク2内のLNGの自然の蒸発により満たすことのできる割合よりも大きい。不足分は貯蔵タンク2から又は別の同様のタンクから取り出されたLNGの強制蒸発により埋め合わされる。水中のLNG燃料ポンプ30は一定の割合で貯蔵タンク2内の体積4からLNGを連続的に引き出す。LNGのその結果の流れは4つの補助の流れに分割することができる。1つは導管32を介して貯蔵タンク2へ戻る。第2の流れは導管34を介して静的混合室22へ流れ、従ってその室のためのLNGの源として作用する。LNGの主要な流れである第3の流れは強制蒸発器36へ流れる。強制蒸発器36は典型的には、その蒸発室37を通って流れる流体の温度を上昇させ、それによって、燃料ポンプ30により供給されたLNGを蒸発させるために蒸気加熱を使用する形式のものである。一組の熱交換チューブ39は流れからLNGへの熱伝達を生じさせるために使用される。
【0016】
強制蒸発器36はバイパスライン38を具備し、このラインは蒸発器36の上流から強制蒸発器36の下流側の静的混合室40へ延びる。従って、未蒸発のLNGは混合室40内で蒸発した天然ガスと混合される。それ故、蒸発した天然ガスの温度は蒸発器36をバイパスするLNGの量に従って制御することができる。この温度は、静的混合室40を出る天然ガスの流れが霧の形又は他の微細に分割された形として未蒸発のLNGを運ぶように、選択される。このLNGは下流側の位置でキャリヤガスから分離される。従って、液体と蒸気との混合物は室40から位相セパレータ42内へ流れ、そこで、液体は蒸気から分離される。位相セパレータ42は典型的には、そこから液体のいかなる残留粒子をも吸収するように、吸収剤又は多孔性金属部材等のパッド43を具備する。液体は底部の出口44を通して容器42から連続的に又は規則的な間隔で引き出すことができ、出口44内の弁(図示せず)の適当な作動及び制御によりタンク2へ戻ることができる。液体粒子の存在しないその結果としての天然ガスは位相セパレータ42の頂部から流出し、低い温度即ち低温で、ガスヒータ50の上流側の区域において、コンプレッサ12からの天然ガスと混合される。」
エ.「【0023】
図に示す装置の作動の2つの典型的な例を以下に示し、一方の例は積載時の作動中(すべてのタンク2がほぼ満杯のとき)のものであり、他方の例はバラスト作動中(すべてのタンクがほぼ空のとき)のものである。
例1(積載時の航行)
タンク2は(目減り空間6内に)106kPaの圧力での液化ガスの体積を貯蔵している。自然気化量はエンジン80の燃料供給に必要な量のほぼ70%である。この例においては、LNGは次の組成を有する:
・・・
それ故、LNGの平均分子量は18.41である。3489kg/hの天然ガスの自然気化量が生じる。気化はメタンの体積にして90%及び窒素の体積にして10%の組成を有するものと仮定され、106kPaの圧力の下で-140℃の温度で導管10内へ流れる。この低い温度では、流れは静的混合室20を介して位相セパレータ22を通過する必要はない。流れは導管10からコンプレッサ12へ流れ、535kPaの圧力及び-9℃の温度でコンプレッサ12を去る。圧縮ステージ16、18間でのステージ間冷却は必要でない。その理由は、コンプレッサからの放出温度が十分に低いからである。圧縮されたガスは強制蒸発器からのガスと混合される。1923kg/hのLNGは800kPaの圧力で強制蒸発器36に供給され、一部は弁54、56の設定に従ってこの蒸発器をバイパスする。蒸発器36への入口でのLNGの温度は-163℃である。位相セパレータ42に提供されるガスの温度は-100℃である。その圧力は530kPaである。322kg/hの一層重い炭化水素は位相セパレータ42において分離される。位相分離の下流側の残留する強制的に蒸発されたガスは次の組成を有する:
・・・
コンプレッサ12から供給されたガスとの混合時に、5090kg/hの流量、530kPaの圧力及び-39℃の温度での天然ガスの流れが形成される。この天然ガス混合物は次の組成を有する:
・・・
この組成はエンジン80に使用するのに適する。その理由は、この組成が十分に大きなメタン数を有するからである。」
オ.「【0024】
・・・
例2(バラスト航行)
ほぼ空のタンク2は(目減り空間6内に)106kPaの圧力での液化ガスの残留体積を貯蔵している。自然気化量はエンジン80の燃料供給に必要な量のほぼ30%である。この例においては、タンク2内の残留LNGは、積載時の航行後に、次の組成を有する:
・・・
それ故、LNGの平均分子量は18.46である。1570kg/hの天然ガスの自然気化量が生じる。気化は95%のメタン及び5%の窒素の組成を有するものと仮定され、106kPaの圧力の下で-100℃の温度で導管10内へ流れる。この流れのすべては静的混合室20を介して位相セパレータ22を通過し、その温度を一層低いレベルに調整する。流れは燃料ポンプ30の作動により流れ制御弁60を介してタンク2から供給される78kg/hのLNGと混合される。-115℃の温度及び1646kg/h(2kg/hはセパレータ22で分離される)の流量での結果としての天然ガス流れはコンプレッサ12の入口において得られ、531kPaの圧力及び69℃の温度でコンプレッサを去る。所望なら、この温度を低下させるために、圧縮ステージ16、18間でのステージ間冷却を適用することができる。圧縮されたガスは強制蒸発器36からのガスと混合される。4168kg/hのLNGは800kPaの圧力で強制蒸発器36に供給され、一部は弁54、56の設定に従ってこの蒸発器36をバイパスする。蒸発器36への入口でのLNGの温度は-163℃である。位相セパレータ42に提供されるガスの温度は-100℃である。その圧力は530kPaである。724kg/hの一層重い炭化水素は位相セパレータ42において分離される。位相分離の下流側の強制的に蒸発されたガスは3444kg/hの流量を有し、次の組成を有する:
・・・
コンプレッサ12から供給されたガスとの混合時に、5090kg/hの流量、530kPaの圧力及び-44℃の温度での天然ガスの流れが形成される。この天然ガス混合物は次の組成を有する:
・・・
この組成はエンジン80に使用するのに適する。その理由は、この組成が十分に大きなメタン数を有するからである。」

第5 当審の判断
(1)本件特許発明1について
ア 対比
本件特許発明1と甲1発明とを対比する。
(ア)甲1発明の「ME-GIエンジン(ME-GI)」は、甲第1号証の7頁に図示された断面構造(上記第4 1.イ)からみて、少なくとも、クランク軸、コンロッド、ピストン、シリンダー及び排気弁を備えた内燃機関と理解することができ、さらに、「300barに圧縮されたガス(GAS)」が供給されるものであるから、ガス焚き可能であることも明らかである。したがって、甲1発明の「ME-GIエンジン(ME-GI)」と、本件特許発明1の「主機関として用いられるガス焚き可能な低速ディーゼル機関」とは、「ガス焚き可能な内燃機関」の限度で共通するものといえる。
(イ)甲1発明の「LNGカーゴタンク(LNG Cargo Tanks)」は、本件特許発明1の「液化ガスを貯蔵するタンク」に相当する。
(ウ)甲1発明の「BCA Laby-GI圧縮機(BCA Laby-GI compressor)」は、「前記LNGカーゴタンク(LNG Cargo Tanks)内で発生したボイルオフガス(BOG)」を「300barに圧縮」するものであるから、本件特許発明1の「前記タンク内で発生するボイルオフガスを圧縮する高圧ガスコンプレッサ」に相当する。
また、甲1発明の「前記LNGカーゴタンク(LNG Cargo Tanks)内で発生したボイルオフガス(BOG)は、BCA Laby-GI圧縮機(BCA Laby-GI compressor)を介して300barに圧縮されたガス(GAS)としてME-GIエンジン(ME-GI)に供給され」るというガスの供給構造と、本件特許発明1の「前記高圧ガスコンプレッサを通して前記タンクから前記低速ディーゼル機関へ燃料ガスを供給する第1燃料ガス供給ライン」とは、その技術的意義において「前記高圧ガスコンプレッサを通して前記タンクから前記内燃機関へ燃料ガスを供給する第1燃料ガス供給ライン」の限度で共通するものといえる。
(エ)甲1発明の「HP LNG ポンプ(HP LNG Pump)」は、「前記LNGカーゴタンク内の液化天然ガス(LNG)」を、「300barに圧縮」するものであるから、本件特許発明1の「前記タンク内の液化ガスを加圧する高圧液ポンプ」に相当する。
また、甲1発明の「前記LNGカーゴタンク内の液化天然ガス(LNG)は、少なくともHP LNG ポンプ(HP LNG Pump)及びHP 気化器(HP Vaporiser)を介して300barに圧縮されたガス(GAS)としてME-GIエンジン(ME-GI)に供給される」というガスの供給構造と、本件特許発明1の「前記高圧液ポンプを通して前記タンクから前記低速ディーゼル機関へ燃料ガスを供給する第2燃料ガス供給ライン」とは、その技術的意義において「前記高圧液ポンプを通して前記タンクから前記内燃機関へ燃料ガスを供給する第2燃料ガス供給ライン」の限度で共通するものといえる。
(オ)甲1発明の「LNGカーゴタンク(LNG Cargo Tanks)を具備する船舶におけるガス(GAS)の供給システム」は、本件特許発明1の「液化ガス運搬船用燃料ガス供給システム」に相当する。

したがって、本件特許発明1と甲1発明とは、
「ガス焚き可能な内燃機関と、
液化ガスを貯蔵するタンクと、
前記タンク内で発生するボイルオフガスを圧縮する高圧ガスコンプレッサと、
前記タンク内の液化ガスを加圧する高圧液ポンプと、
前記高圧ガスコンプレッサを通して前記タンクから前記内燃機関へ燃料ガスを供給する第1燃料ガス供給ラインと、
前記高圧液ポンプを通して前記タンクから前記内燃機関へ燃料ガスを供給する第2燃料ガス供給ラインとを備える、
液化ガス運搬船用燃料ガス供給システム。」
の点で一致し、次の点で相違する。

[相違点1]
ガス焚き可能な内燃機関について、本件特許発明1は、「主機関として用いられる」、「低速ディーゼル機関」であるのに対して、甲1発明は、「ME-GIエンジン」である点。
[相違点2]
本件特許発明1は、「液化ガス積載時の運航において、前記低速ディーゼル機関の燃料消費量がボイルオフガス発生量以下のとき」には、「前記第1燃料ガス供給ラインのみを通して燃料ガスを前記低速ディーゼル機関へ供給」するのに対して、甲1発明はそのように特定されていない点。
[相違点3]
本件特許発明1は、「液化ガス空荷時の運航において、スプレー作業を行うとき」には、「前記第1燃料ガス供給ラインのみを通して燃料ガスを前記低速ディーゼル機関へ供給」するのに対して、甲1発明はそのように特定されていない点。
[相違点4]
本件特許発明1は、「液化ガス空荷時の運航において、スプレー作業を行わないときには、前記第2燃料ガス供給ラインのみを通して燃料ガスを前記低速ディーゼル機関へ供給する」のに対して、甲1発明はそのように特定されていない点。

イ 判断
[相違点1]について
上記ア(ア)で述べたとおり、甲1発明の「ME-GIエンジン」は、少なくとも、「300barに圧縮されたガス(GAS)」を燃料とし、クランク軸、コンロッド、ピストン、シリンダー及び排気弁を備えたガス焚き可能な内燃機関と理解することができる。
また、上記「ME-GIエンジン」の「GI」とは、「Gas Injection(高圧ガス噴射)」の略号とも解されるところ、甲1号証の7頁に図示された断面構造(上記第4 1.イ)には、シリンダヘッド部に点火プラグが示されていないこと、さらに、甲第1号証の1頁には「商業船の2ストローク推進用燃料としてのLNG」(上記第4 1.ア)と記載されていること、以上を併せ考慮すれば、甲1発明の「ME-GIエンジン」は、舶用エンジンとして技術常識でもある「低速ディーゼル機関」として構成されたものとも推察することができる。さらに、甲第1号証の15頁に示されるLNG船の推進機構を示す図(上記第4 1.ウ)によれば、それは、プロペラを回して船舶を推進するための「主機関として用いられる」ものと理解することもできる。
してみると、上記相違点1は実質的な相違点とはいえないか、または実質的に相違するとしても、当業者が容易に想到し得るものといえる。

[相違点2]について
甲第2号証には、上記第4 2.アのとおり「内燃機関のためのガス供給装置」に関する技術について開示されているところ、上記第4 2.ウによれば、ガス供給装置の具体的な実施の態様として、(i)第1のガス管システム4を通じて、貯蔵ダンク17内で蒸発して生じたNBOGを内燃機関3の方向へ送り込むこと(段落【0017】、段落【0018】)、及び、(ii)内燃機関3のためのNBOGの量が足りない場合は、第2のガス管システム22によって液体状態の天然ガスを貯蔵タンク17から取り出され、FBOGとしてガス化されとともに、第1のガス管システム4からのNBOGと混合ポイント31で混合され、内燃機関3へ供給されること(段落【0019】、段落【0020】)、が明らかである。
ここで、上記(ii)の内燃機関3のためのNBOGの量が足りない場合とは、上記(i)の第1のガス管システム4を通じたNBOGの量が足りない場合を意味することが明らかであるから、内燃機関3のためのNBOGの量が足りている場合には、上記(i)の第1のガス管システム4を通じたNBOGのみが内燃機関3の方向へ送り込まれるものと理解することができる。
そして、上記甲第2号証に記載されたガス供給装置は、甲1発明の液化ガス運搬船(LNGカーゴタンクを具備する船舶)と同様に、液化された天然ガスを貯留し輸送するガスタンカー等の乗り物のガス供給システムとして利用されることが想定されものであり(上記第4 2.イ)、さらに、タンク(貯蔵タンク17)内で発生したボイルオフガス(NBOG)を燃料ガスとして内燃機関に供給する第1燃料ガス供給ライン(第1のガス管システム4)と、タンク(貯蔵タンク17)内の天然ガス(液体状態の天然ガス)をガス化して内燃機関に供給する第2燃料ガス供給ライン(第2のガス管システム22)を具備するという、燃料ガスの供給構造も共通するから、甲1発明の液化ガス運搬船用ガス供給システムにおいて、上記甲第2号証に記載されたガス供給装置におけるガス供給の態様を適用する動機付けは十分存在する。
そして、上記「[相違点1]について」で述べたとおり、甲1発明の「ME-GIエンジン」は、「低速ディーゼル機関」として構成されるものとも推察し得るところ、上記甲第2号証に記載されたガス供給装置におけるガス供給の態様をも考慮すれば、液化ガス積載時の運航において、低速ディーゼル機関の燃料消費量がボイルオフガス発生量以下のとき、第1燃料ガス供給ラインのみを通して燃料ガスを前記低速ディーゼル機関へ供給することは当業者にとって格別困難なことではない。
したがって、上記相違点2に係る本件特許発明1の構成は、甲1発明及び甲第2号証に記載された技術事項から当業者が容易に想到し得たものといえる。

[相違点3]について
上記相違点3に係る本件特許発明1の構成は、「液化ガス空荷時の運航において、スプレー作業を行うとき」には、「前記第1燃料ガス供給ラインのみを通して燃料ガスを前記低速ディーゼル機関へ供給」するというものであるところ、申立人は、甲第3号証には、甲1発明と同じLNG運搬船を対象として、「LNG空荷時であるバラスト航海中に断続的に行われるスプレー作業時に発生するBOGを推進用として消費する」点が記載されているから、かかる技術を甲1発明に適用して、「LNG空荷時のスプレー作業時に、第1燃料ガス供給ラインのみを通してBOGをME-GIエンジンへ供給する」ことは、容易に想到し得るものである、旨主張するので(特許異議申立書19頁20?27行)、以下検討する。
甲第3号証には、上記第4 3.アのとおり「(3) タンククールダウン作業 ・・・タンククールダウン作業は,・・・バラスト航海中,断続的に行っている。・・・ヒールは,カーゴタンク内に装備されているスプレーポンプを使用し・・・タンク内のスプレーノズルにより噴霧される。・・・この時発生するボイルオフガス(BOG)は,本船の低負荷コンプレッサーでボイラに導かれ,推進用の燃料として消費される。」と記載されていることから、甲第3号証には、申立人が主張するとおり「LNG空荷時であるバラスト航海中に断続的に行われるスプレー作業時に発生するBOGを推進用として消費する」点が記載されているといえる。
しかし、かかる技術は、LNG空荷時であるバラスト航海中において、「スプレー作業時に発生するBOGを推進用として消費する」というものではあるものの、バラスト航海中に供給される推進用の燃料供給についての具体的な態様は必ずしも明らかでない。
ここで、甲第3号証には、上記第4 3.イのとおり「(4) 航海中のBOGの有効利用 LNG船は,一般に推進燃料としてFuel Oil(C重油)とBOGを使用し,ボイラで混焼を行っており,タンククールダウン作業中は,BOG発生が一時的に増加し,タンククールダウン作業を行う場合,1日当りのBOG発生量の変動が大きくなる。この特性を活かし,BOGの発生量に応じて速度調整を行っており,BOGが多く発生するタンククールダウン作業中は船速を上げ,タンククールダウン終了後は船速を下げBOGを有効利用し,また,Fuel Oil消費の節減にも努めている。」と記載されているとおり、LNG船は、航海中に推進燃料としてFuel Oil(C重油)とBOGを使用し、ボイラで混焼するものとされているから、その燃料供給構造において、甲1発明のように、300barに圧縮されたガス(GAS)を供給する2つの供給ライン(第1燃料ガス供給ライン及び第2燃料ガス供給ライン)を具備するものではない。
さらに、タンククールダウン作業中(スプレー作業中)においては、それにより発生するBOGを船速の速度調整用に有効利用する(船速を上げる)ものとされているから、上記甲第3号証に記載された技術事項は、船舶推進用に、スプレー作業時に発生するBOGのみを推進用として供給するものでもない。
してみると、甲1発明に甲第3号証に記載された技術事項を適用しても「LNG空荷時のスプレー作業時に、第1燃料ガス供給ラインのみを通してBOGをME-GIエンジンへ供給する」という構成には至らない。
したがって、甲第3号証に記載された技術事項を根拠に、上記相違点3に係る本件特許発明1の構成が容易に想到できたものということはできない。

[相違点4]について
上記相違点4に係る本件特許発明1の構成は、「液化ガス空荷時の運航において、スプレー作業を行わないときには、前記第2燃料ガス供給ラインのみを通して燃料ガスを前記低速ディーゼル機関へ供給する」というものであるところ、申立人は、甲第4号証には、「LNG空荷時であるバラスト航海時、エンジンに供給される燃料ガス中の成分比率が、LNGの強制気化ガスが7割、BOGが3割である」点が記載されており、かかる技術はタンクからBOG及びLNGの強制気化ガスをエンジンへ供給する点で甲1発明と共通するから、甲1発明に適用して「LNG空荷時であるバラスト航行中のスプレー作業時以外に、燃料として、BOGを少量使用しつつLNGの強制気化ガスを多量に使用する」ことは、容易に想到し得るものであり、また、バラスト航行時にはタンク内のLNGの量が少なく、BOGの発生量が少ないことに鑑みれば、「燃料としてLNGの強制気化ガスのみを使用する」ことは、適宜なし得ることにすぎない、旨主張するので(特許異議申立書19頁下から2行?20頁10行)、以下検討する。
甲第4号証には、上記第4 4.ア及びオのとおり、「船舶のエンジンに燃料を供給する目的」に適した技術に関し、バラスト航行時のエンジン80への燃料の供給態様として、貯蔵タンク2内で自然気化する燃料供給に必要な量のほぼ30%に相当するガス(BOG)に、貯蔵タンク2内のLNGを強制的に蒸発させて生成したガスを混合させて、エンジン80に供給することが記載されているから、甲第4号証には、申立人が主張するとおり、「LNG空荷時であるバラスト航海時、エンジンに供給される燃料ガス中の成分比率が、LNGの強制気化ガスが7割、BOGが3割である」点が記載されているといえる。
しかし、かかる技術は、LNG空荷時であるバラスト航海中においても、貯蔵タンク2内で自然気化したガス(BOG)を燃料ガスとして供給するものであって、貯蔵タンク2内のLNGを強制的に蒸発させて生成したガスのみを燃料ガスとして供給するものではない。
また、甲第4号証には、上記第4 4.イのとおり、「・・・本発明に係る方法及び装置を例として・・・説明する。・・・貯蔵タンク2内の液体レベルの上方には目減り空間6が当然存在する。LNGが大気よりも十分低い温度で気化するので、・・・体積4から目減り空間6へのLNGの連続的な蒸発が存在する。この蒸発した天然ガスはタンカーのエンジン80又は船内で燃料として使用される。」と記載され、また、上記第4 4.ウのとおり、「通常、エンジン80が燃料を要求する割合は、貯蔵タンク2内のLNGの自然の蒸発により満たすことのできる割合よりも大きい。不足分は貯蔵タンク2から又は別の同様のタンクから取り出されたLNGの強制蒸発により埋め合わされる。・・・」と記載されているから、貯蔵タンク2内で自然気化したガス(GOB)は、タンカーのエンジン80等での使用が前提とされていることが明らかであり、LNG空荷時であるバラスト航海中においても、上記第4 4.エの積載時の運行と同様に、貯蔵タンク2内で自然気化したガス(BOG)は燃料ガスとして使用するものと解するのが自然である。
してみると、甲第4号証には、液化ガス空荷時の運航において、スプレー作業を行わないときに、燃料としてLNGの強制気化ガスのみを供給する、という技術思想の開示は認められないことから、甲1発明に甲第4号証に記載された技術事項を適用しても上記相違点4に係る本件特許発明1の構成には至らないし、また、甲1発明において、燃料としてLNGの強制気化ガスのみを供給することが、適宜なし得ることにすぎない、と解すべき合理性もない。
したがって、甲第4号証に記載された技術事項を根拠に、上記相違点4に係る本件特許発明1の構成が容易に想到できたものということはできない。

以上のとおりであるから、本件特許発明1は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2ないし4号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明することができたものとはいえない。

(2)本件特許発明2ないし5について
本件特許発明2ないし5は、本件特許発明1を直接的又は間接的に引用し、少なくとも本件特許発明1の構成を更に限定して発明を特定するものであって、上記(1)のとおり、本件特許発明1が当業者にとって容易に発明することができたものとはいえないのであるから、同様に、本件特許発明2ないし5は、当業者が容易に発明することができたものとはいえない。

第6 むすび
以上のとおり、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1ないし5に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものとはいえないことから、特許法第113条第2号の規定に該当するものとして取り消すことはできない。
また、他に請求項1ないし5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2016-04-14 
出願番号 特願2013-213773(P2013-213773)
審決分類 P 1 651・ 121- Y (B63H)
最終処分 維持  
前審関与審査官 寺川 ゆりか  
特許庁審判長 島田 信一
特許庁審判官 和田 雄二
氏原 康宏
登録日 2015-05-15 
登録番号 特許第5746301号(P5746301)
権利者 三井造船株式会社
発明の名称 液化ガス運搬船用燃料ガス供給システム  
代理人 小倉 洋樹  
代理人 松浦 孝  
代理人 藤 拓也  

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