ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 F24F 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 取り消して特許、登録 F24F |
---|---|
管理番号 | 1316532 |
審判番号 | 不服2015-9658 |
総通号数 | 200 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2016-08-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2015-05-25 |
確定日 | 2016-07-21 |
事件の表示 | 特願2014-168003号「エアコン室外機蒸発熱冷却装置」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 4月 4日出願公開、特開2016- 44844号、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成26年8月20日の出願であって、平成26年10月29日付けで拒絶理由が通知され、平成26年11月29日に意見書及び手続補正書が提出され、平成27年2月6日付けで拒絶査定がされた。これに対し、平成27年5月25日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出されたものである。 第2 平成27年5月25日付けの手続補正の補正却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成27年5月25日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、平成26年11月29日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1の 「冷却水を貯水する貯水機構と、冷却水をエアコン室外機の放熱フィンに給水する給水機構とを備えるエアコン室外機蒸発熱冷却装置であって、前記貯水機構はエアコン室外機の天板上に設置された水槽であり、前記給水機構はエアコン室外機の放熱フィンの吸気側にほぼ密着して配置された吸水性と通風性の良い換気扇のフィルター等に使用される密度が粗く毛細管現象のみによって水面から上方へ水を供給する事が出来ない不織布による給水部材とそれを保持する為のワイヤー線等のフレームからなる給水機構であり、前記給水機構の上端は逆U字型又は逆V字型等のサイフォンの原理を利用可能な形状に折れ曲って前記水槽の冷却水に浸され、毛細管現象とサイフォンの原理により冷却水が前記給水部材を経由してエアコン室外機の放熱フィンへ供給されることを特徴とするエアコン室外機蒸発熱冷却装置。」を 「冷却水を貯水する貯水機構と、冷却水をエアコン室外機の放熱フィンに給水する給水機構とを備えるエアコン室外機蒸発熱冷却装置であって、前記貯水機構はエアコン室外機の天板上に設置された水槽であり、前記給水機構はエアコン室外機の放熱フィンの吸気側にほぼ密着して配置された吸水性と通風性の良い換気扇のフィルター等に使用される密度が粗く毛細管現象のみによって水面から上方へ水を供給する事が出来ない、対象粒子径が50μm以上で厚さが平均0.4mm以下の不織布を素材とした粗塵用エアフィルターによる給水部材とそれを保持する為のワイヤー線等のフレームからなる給水機構であり、前記給水機構の上端は逆U字型又は逆V字型等のサイフォンの原理を利用可能な形状に折れ曲って前記水槽の冷却水に浸され、本冷却装置始動時に前記給水機構上端の逆U字型部分の不織布全体を水で満たす事によって、毛細管現象とサイフォンの原理を始動し冷却水が前記給水部材を経由してエアコン室外機の放熱フィンへ供給されることを特徴とするエアコン室外機蒸発熱冷却装置。」と補正した。(下線は、補正された箇所を示す。) そして、この補正は、少なくとも、特許請求の範囲に記載した発明を特定するために必要な事項である「給水部材」について、「対象粒子径が50μm以上で厚さが平均0.4mm以下の不織布を素材とした粗塵用エアフィルター」であるとの限定を付加するものであるが、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)には、「給水部材5は吸水性と通風性のよい換気扇のフィルター等に使用される不織布を使用」(【0016】)することの記載があるのみで、不織布の対象粒子径や厚さについての具体的な記載はなく、又、吸水性と通風性のよい換気扇のフィルター等に使用される不織布の対象粒子径が一般に50μm以上で厚さが平均0.4mm以下であるとの技術常識もない。 そうすると、上記「給水部材」について、「対象粒子径が50μm以上で厚さが平均0.4mm以下の不織布を素材とした粗塵用エアフィルター」であるとの限定を付加することは、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものであって、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものである。 2 むすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 第3 本願発明について 平成27年5月25日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?3に係る発明は、平成26年11月29日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?3に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。 そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2016-07-05 |
出願番号 | 特願2014-168003(P2014-168003) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(F24F)
P 1 8・ 561- WY (F24F) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 田中 一正 |
特許庁審判長 |
千壽 哲郎 |
特許庁審判官 |
窪田 治彦 佐々木 正章 |
発明の名称 | エアコン室外機蒸発熱冷却装置 |