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審決分類 |
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 C23C 審判 全部申し立て 2項進歩性 C23C 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 C23C |
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管理番号 | 1319138 |
異議申立番号 | 異議2015-700091 |
総通号数 | 202 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2016-10-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2015-10-15 |
確定日 | 2016-03-03 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第5705642号「In-Ga-Zn系酸化物スパッタリングターゲット及びその製造方法」の請求項1ないし8に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第5705642号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1ないし5、7、8について訂正することを認める。 特許第5705642号の請求項1ないし5、7、8に係る特許を維持する。 |
理由 |
1 手続の経緯 特許第5705642号の請求項1ないし8に係る発明についての出願は、平成23年5月10日に特許出願され、平成27年3月6日に特許の設定登録がされ、その後、その特許について、特許異議申立人により特許異議の申立てがなされ、平成27年12月22日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成28年1月28日に意見書の提出及び訂正請求があったものである。 2 訂正の適否についての判断 (1)訂正の内容 本件訂正請求による訂正の内容は以下のアないしウのとおりである。 ア 請求項6を削除する。 イ 請求項7の「請求項1?6のいずれかに記載の」を「請求項1?5のいずれかに記載の」に訂正する。 ウ 請求項8の「請求項1?7のいずれかに記載の」を「請求項1?5及び請求項7のいずれかに記載の」に訂正する。 (2)訂正要件の検討 上記アの訂正は、請求項6を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、このため、当該訂正は特許明細書に記載した事項の範囲内においてなされたもので、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 また、上記イ及びウの訂正は、請求項6の削除に伴い、請求項7及び8における請求項6の引用を削除するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であり、このため、当該訂正は特許明細書に記載した事項の範囲内においてなされたもので、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 そして、これら訂正は一群の請求項ごとに請求されたものである。 (3)小活 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項及び同条第9項において準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するので訂正を認める。 3 特許異議の申立てについて (1)本件発明 本件訂正請求により訂正された訂正請求項1ないし5、7、8に係る発明(以下、請求項の項番に従い「本件発明1」などという。)は、その特許請求の範囲の請求項1ないし5、7、8に記載された事項により特定される、次のとおりのものである(訂正された箇所を下線で示す。)。 「 【請求項1】 下記酸化物Aと、InGaZnO_(4)とを含有し、 全体の95重量%以上100重量%以下がIn、Ga及びZnの酸化物であるスパッタリングターゲット。 酸化物A:X線回折測定(Cukα線)により得られるチャートにおいて、下記のA?Kの領域に回折ピークが観測される酸化物。 A.2θ=7.0°?8.4° B.2θ=30.6°?32.0° C.2θ=33.8°?35.8° D.2θ=53.5°?56.5° E.2θ=56.5°?59.5° F.2θ=14.8°?16.2° G.2θ=22.3°?24.3° H.2θ=32.2°?34.2° I.2θ=43.1°?46.1° J.2θ=46.2°?49.2° K.2θ=62.7°?66.7° 【請求項2】 ZnGa_(2)O_(4)で表されるスピネル構造のX線回折測定(Cukα線)によるピークが、最大ピークの3%以下である請求項1に記載のスパッタリングターゲット。 【請求項3】 インジウム元素(In)、ガリウム元素(Ga)及び亜鉛元素(Zn)の原子比が、下記式(1)及び(2)を満たす請求項1又は2に記載のスパッタリングターゲット。 0.25≦Zn/(In+Ga+Zn)≦0.55 (1) 0.15≦Ga/(In+Ga+Zn)<0.33 (2) 【請求項4】 インジウム元素(In)及び亜鉛元素(Zn)の原子比が、下記式(3)を満たす請求項3に記載のスパッタリングターゲット。 0.51≦In/(In+Zn)≦0.68 (3) 【請求項5】 インジウム元素(In)及びガリウム元素(Ga)の原子比が、下記式(4)を満たす請求項3に記載のスパッタリングターゲット。 In/(In+Ga)≦0.58 (4) 【請求項6】(削除) 【請求項7】 抵抗が10mΩcm以下、相対密度95%以上である請求項1?5のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。 【請求項8】 請求項1?5及び7のいずれかに記載のスパッタリングターゲットをスパッタリングして成膜する、酸化物薄膜の製造方法。」 (2)取消理由の概要 本件発明6及び7に係る特許に対して平成27年12月22日付けで特許権者に通知した取消理由は、要旨次のとおりである。 本件発明6及び7に係る特許は、特許請求の範囲の記載が同法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであり、取り消されるべきものである。 (3)判断 本件訂正請求による訂正により、請求項6は削除され、請求項7及び8における請求項6の引用は削除された。 したがって、明確性要件違反を根拠とする上記取消理由は解消した。 4 むすび 以上のとおりであるから、取消理由によっては、本件請求項1ないし5、7、8に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1ないし5、7、8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記酸化物Aと、InGaZnO_(4)とを含有し、 全体の95重量%以上100重量%以下がIn、Ga及びZnの酸化物であるスパッタリングターゲット。 酸化物A:X線回折測定(Cukα線)により得られるチャートにおいて、下記のA?Kの領域に回折ピークが観測される酸化物。 A.2θ=7.0°?8.4° B.2θ=30.6°?32.0° C.2θ=33.8°?35.8° D.2θ=53.5°?56.5° E.2θ=56.5°?59.5° F.2θ=14.8°?16.2° G.2θ=22.3°?24.3° H.2θ=32.2°?34.2° I.2θ=43.1°?46.1° J.2θ=46.2°?49.2° K.2θ=62.7°?66.7° 【請求項2】 ZnGa_(2)O_(4)で表されるスピネル構造のX線回折測定(Cukα線)によるピークが、最大ピークの3%以下である請求項1に記載のスパッタリングターゲット。 【請求項3】 インジウム元素(In)、ガリウム元素(Ga)及び亜鉛元素(Zn)の原子比が、下記式(1)及び(2)を満たす請求項1又は2に記載のスパッタリングターゲット。 0.25≦Zn/(In+Ga+Zn)≦0.55 (1) 0.15≦Ga/(In+Ga+Zn)<0.33 (2) 【請求項4】 インジウム元素(In)及び亜鉛元素(Zn)の原子比が、下記式(3)を満たす請求項3に記載のスパッタリングターゲット。 0.51≦In/(In+Zn)≦0.68 (3) 【請求項5】 インジウム元素(In)及びガリウム元素(Ga)の原子比が、下記式(4)を満たす請求項3に記載のスパッタリングターゲット。 In/(In+Ga)≦0.58 (4) 【請求項6】(削除) 【請求項7】 抵抗が10mΩcm以下、相対密度95%以上である請求項1?5のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。 【請求項8】 請求項1?5及び7のいずれかに記載のスパッタリングターゲットをスパッタリングして成膜する、酸化物薄膜の製造方法。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2016-02-22 |
出願番号 | 特願2011-105720(P2011-105720) |
審決分類 |
P
1
651・
113-
YAA
(C23C)
P 1 651・ 537- YAA (C23C) P 1 651・ 121- YAA (C23C) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 安齋 美佐子 |
特許庁審判長 |
新居田 知生 |
特許庁審判官 |
真々田 忠博 中澤 登 |
登録日 | 2015-03-06 |
登録番号 | 特許第5705642号(P5705642) |
権利者 | 出光興産株式会社 |
発明の名称 | In-Ga-Zn系酸化物スパッタリングターゲット及びその製造方法 |
代理人 | 佐藤 猛 |
代理人 | 田中 有子 |
代理人 | 渡辺 喜平 |
代理人 | 森島 なるみ |
代理人 | 田中 有子 |
代理人 | 渡邊 喜平 |
代理人 | 佐藤 猛 |
代理人 | 森島 なるみ |