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審決分類 |
審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する G03G 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する G03G 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する G03G 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する G03G 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する G03G |
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管理番号 | 1326162 |
審判番号 | 訂正2017-390004 |
総通号数 | 209 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-05-26 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2017-01-20 |
確定日 | 2017-03-13 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第5145370号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第5145370号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第5145370号は、平成22年3月30日に特許出願され、その請求項1に係る発明は、平成24年11月30日にその特許権の設定登録がなされたものであって、平成29年1月20日に本件訂正審判が請求された。 第2 請求の趣旨及び訂正の内容 本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第5145370号の願書に添付した明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを求めるものであり、その訂正の内容は、以下のとおりである。 1.訂正事項1 本件特許の特許請求の範囲の請求項1について、請求項1に、「前記検知部材に当接して当該検出部材が膨らむに連れて変位すると共に」とあるのを、「前記検知部材に当接して当該検知部材が膨らむに連れて変位すると共に」に訂正する。 2.訂正事項2 本件特許の特許請求の範囲の請求項1について、請求項1に、「前記検知部材が前記平面を越える前に前記検出センサを作動させる当接部材とを備え、前記検知部材の膨らみが前記廃トナー回収ボトルの外壁面を含む平面を越えない範囲にて」とあるのを、「前記検知部材が前記廃トナー回収ボトルの外壁面を含む平面を越える前に前記検出センサを作動させる当接部材とを備え、前記検知部材の膨らみが前記平面を越えない範囲にて」に訂正する。 3.訂正事項3 本件特許明細書の段落【0010】に、「上記検知部材に当接して当該検出部材が膨らむに連れて変位すると共に」とあるのを、「上記検知部材に当接して当該検知部材が膨らむに連れて変位すると共に」に訂正する。 4.訂正事項4 本件特許明細書の段落【0038】に、「当接部材310は、検出部材200が膨らむに連れて変位すると共に、」とあるのを、「当接部材310は、検知部材200が膨らむに連れて変位すると共に、」に訂正する。 第3 当審の判断 これらの訂正事項1、2について検討する。 1.訂正事項1について (1)訂正の目的の適否について 本件訂正前の明細書である特許明細書の段落【0035】には、「この検知部材200の可撓性は、廃トナー回収ボトル100内が廃トナーで満杯になったときに、検知部材200が廃トナー回収ボトル100の上面外側に向けて膨張することができるように設定されている(図4参照)。・・・」(なお、下線は審決で付した。以下、同じ。)と記載され、段落【0036】には、「この取付部111の窪みの深さは、検知部材200が廃トナー回収ボトル100の上面外側に向けて膨張したときの上端部が廃トナー回収ボトル100の上面(外壁面)を含む平面Sを超えない範囲で可能な限り浅く形成され、廃トナー回収ボトル100の廃トナーの収納容量を削減しないように工夫されている。・・・」と記載され、段落【0037】には、「回収量検出部300は、検知部材200の膨らみが廃トナー回収ボトル100の外壁面を含む平面Sを越えない範囲にて廃トナー回収ボトル100が満杯であると検出するものであり、当接部材310と、検出センサ320とを備えている。」と記載されているように、検知部材が膨らむことが示されている。 してみると、本件訂正前の請求項1に記載の「前記検知部材に当接して当該検出部材が膨らむに連れて変位すると共に」における「当該検出部材」は、「当該検知部材」と記載するべきであった誤記であることは明らかであるから、訂正事項1は、誤記の訂正を目的とするものである。 したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とするものに該当する。 (2)本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて 本願の願書に最初に添付した明細書の段落【0035】ないし段落【0037】の記載は、上記(1)に示した本件特許明細書の段落【0035】ないし段落【0037】と同じ記載であるから、訂正事項1は、本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものである。 したがって、訂正事項1は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて 上記のとおり、訂正事項1における、訂正前の「当該検出部材」との記載は、訂正後の「当該検知部材」との記載の誤記であることが明らかである。 したがって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。 (4)訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるか否かについて 本件訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。 したがって、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 2.訂正事項2について (1)訂正の目的の適否について 本件訂正前の請求項1には、「前記平面」より前の記載に「平面」との記載や「平面」に係る記載はなく、「前記平面」の後の記載に「前記廃トナー回収ボトルの外壁面を含む平面」と記載されており、本件訂正前の請求項1の「前記検知部材が前記平面を越える前に前記検出センサを作動させる当接部材とを備え、前記検知部材の膨らみが前記廃トナー回収ボトルの外壁面を含む平面を越えない範囲にて」との記載は、不明瞭な記載であったところ、「前記検知部材が前記廃トナー回収ボトルの外壁面を含む平面を越える前に前記検出センサを作動させる当接部材とを備え、前記検知部材の膨らみが前記平面を越えない範囲にて」との記載に訂正しようとするものであるから、訂正事項2は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる事項を目的とするものに該当する。 (2)本願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて 本願の願書に添付した明細書の段落【0010】には、「・・・上記回収量検出部は、上記検知部材の膨らみが上記廃トナー回収ボトルの外壁面を含む平面を越えない範囲にて上記廃トナー回収ボトルが満杯であると検出するという構成を採用する。」と記載され、段落【0011】には、「・・・上記回収量検出部は、検出センサと、上記検知部材に当接して当該検出部材が膨らむに連れて変位すると共に上記検知部材が上記平面を越える前に上記検出センサを作動させる当接部材とを備えるという構成を採用する。」と記載されているから、訂正事項2は、本願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものである。 したがって、訂正事項2は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて 上記(1)のとおり、本件訂正前の請求項1の「前記平面」の後の記載に「前記廃トナー回収ボトルの外壁面を含む平面」と記載されていた記載順を単に是正したものにすぎない。 したがって、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。 3.訂正事項3、及び4について (1)訂正の目的の適否について 訂正事項3、及び4は、上記訂正事項1と実質的に同じであるので、本件訂正前の明細書である特許明細書の段落【0011】に記載の「上記検知部材に当接して当該検出部材が膨らむに連れて変位すると共に」における「当該検出部材」、及び段落【0038】に記載の「当接部材310は、検出部材200が膨らむに連れて変位すると共に、」における「検出部材200」は、それぞれ「当該検知部材」、及び「検知部材200」と記載するべきであった誤記であることは明らかであるから、訂正事項3、及び4は、誤記の訂正を目的とするものである。 したがって、訂正事項3、及び4は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とするものに該当する。 (2)本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて 上記1.(2)を踏まえれば、訂正事項3、及び4は、本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものである。 したがって、訂正事項3、及び4は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて 上記1.(3)を踏まえれば、訂正事項3、及び4は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。 (4)訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるか否かについて 本件訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。 したがって、訂正事項3、及び4は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 第4 むすび 以上のとおりであるから、本件審判の請求に係る訂正事項1ないし4は、特許法第126条第1項ただし書第2号、及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 画像形成装置 【技術分野】 【0001】 本発明は画像形成装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来から、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいは、これらのうちの複数の機能を備えた複合機等における画像形成装置においては、使用済みの廃トナーを廃トナー回収ボトルに送出して回収し、その廃トナー回収ボトルが満杯になったときに、空の廃トナー回収ボトルと交換するようにしている(特許文献1,2参照)。 【0003】 画像形成装置がフルカラー式の場合の廃トナー回収について説明する。先ず、画像形成装置の概略から説明すると、この画像形成装置には、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)及びブラック(BK)の各色にそれぞれ対応したドラムからなる複数の感光体が用意されている。そして、各感光体の周面には、レーザスキャニングユニットを用いて所定の静電潜像が形成されると共に、供給された各色のトナーによって各色のトナー像がそれぞれ生成される。各感光体の周面に生成された各色のトナー像は、回転駆動する無端ベルトからなる転写ベルトに順次重畳転写され、これにより、転写ベルト上にはカラー画像が合成される。次いで、この転写ベルト上に合成されたカラー画像は、用紙等からなる転写材に転写された後、加圧・加熱されて定着処理される。転写材に転写された後に転写ベルト上に残留したトナーは、クリーニング装置によって除去され、そのクリーニング装置によって清掃された転写ベルトは、再び各感光体側に送られて次のカラー画像の合成に使用される。 【0004】 クリーニング装置は、転写ベルトの回転方向に関して、転写材に転写する位置よりも下流側で、かつ、最初の感光体の位置よりも上流側に設けられる。そして、このクリーニング装置は、転写ベルト面に摺接するクリーニングブレードと、そのクリーニングブレードにより除去された残トナーを搬送するスクリュー等からなる搬送機構と、その搬送機構で搬送されてきた廃トナーを収容する廃トナー回収ボトルとから構成されている。 【0005】 廃トナー回収ボトルは、画像形成装置本体に対して着脱自在に設けられている。そして、この廃トナー回収ボトルが廃トナーで満杯になったことが満杯センサで検出されたときには(特許文献3?5参照)、その旨が利用者に報知されると共に画像形成装置の可動が停止され、廃トナー回収ボトルが画像形成装置本体から抜き出される。次いで、空の廃トナー回収ボトルが新たに画像形成装置本体に装着され、画像形成装置の駆動が再開される。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0006】 【特許文献1】 特開2007-310139号公報 【特許文献2】 特開平5-297775号公報 【特許文献3】 実開平1-142970号公報 【特許文献4】 実開平2-111167号公報 【特許文献5】 実開平2-113757号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 しかしながら、上記満杯センサが、廃トナー回収ボトルの一部に設けられた可撓性を有する検知部材の膨張によって満杯を検知するものである場合には、検知部材が膨張した状態で廃トナー回収ボトルが本体から引き抜かれると、膨張した部分が本体側に接触して破損し、廃トナーが装置内に飛散するおそれがあった。 【0008】 本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、可撓性を有する検知部材を用いて廃トナー回収ボトルにおける廃トナーの回収量を検知する画像形成装置において、廃トナー回収ボトルが本体から引き出される際、検知部材が本体側に接触しないようにすることを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。 【0010】 第1の発明は、廃トナーを回収する廃トナー回収ボトルと、該廃トナー回収ボトルに設置されると共に廃トナー回収ボトルに回収した廃トナーの容量に応じて膨らむ可撓性を有する検知部材と、該検知部材の膨らみを検出して上記廃トナー回収ボトルにおける上記廃トナーの回収量を検出する回収量検出部とを備える画像形成装置であって、上記回収量検出部は、上記検知部材の膨らみが上記廃トナー回収ボトルの外壁面を含む平面を越えない範囲にて上記廃トナー回収ボトルが満杯であると検出するという構成を採用する。 【0011】 第2の発明は、上記第1の発明において、上記回収量検出部は、検出センサと、上記検知部材に当接して当該検知部材が膨らむに連れて変位すると共に上記検知部材が上記平面を越える前に上記検出センサを作動させる当接部材とを備えるという構成を採用する。 【0012】 第3の発明は、上記第1または2の発明において、上記廃トナー回収ボトルは、上記外壁面よりも窪むと共に上記検知部材を収容する窪みを有するという構成を採用する。 【発明の効果】 【0013】 本発明によれば、画像形成装置において、回収量検出部は、検知部材の膨らみが廃トナー回収ボトルの外壁面を含む平面を越えない範囲で廃トナー回収ボトルが満杯であると検出できるようにしているので、検知部材が膨張した状態で廃トナー回収ボトルが本体から引き抜かれても、膨張した部分が本体側に接触しないから、検知部材の損傷のおそれがなく、廃トナーが装置内に飛散するのを効果的に防止することができる。 【図面の簡単な説明】 【0014】 【図1】 本発明の一実施形態における画像形成装置を適用した複写機の概略構成を示す断面図である。 【図2】 本発明の一実施形態における画像形成装置の廃トナー回収ボトルの斜視図である。 【図3】 本発明の一実施形態における画像形成装置の回収量検出部の断面図で、図2における廃トナー回収ボトルのX-X線断面に相当する位置の断面図である。 【図4】 本発明の一実施形態における画像形成装置の回収量検出部の動作状態を示す断面図である。 【発明を実施するための形態】 【0015】 以下、図面を参照して、本発明に係る画像形成装置の実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。また、以下の説明においては、本発明の画像形成装置の一例として複写機を挙げて説明する。 【0016】 図1は、電子写真方式からなるフルカラー複写機Pの斜視図であり、この複写機Pは、周知の複写機と同様に、原稿の画像を読み取る画像読取部1と、読み取った画像データに基づいて記録紙(記録媒体)に印刷を行う印刷部2とを備えている。 【0017】 画像読取部1は、原稿の画像に光を照射し、その反射光を受光することによって原稿の画像を画像データとして読み取るものであり、原稿に光を照射する光源装置や原稿からの戻り光を受光して画像データに変換する受光センサ等を備えている。 【0018】 印刷部2は、ベルトユニット6と、画像形成ユニット7と、給紙カセット8と、給紙トレイ9と、二次転写部10と、定着部11と、排紙トレイ12と、搬送路13と、廃トナー回収ユニット14とを備えている。 【0019】 ベルトユニット6は、画像形成ユニット7において形成されるトナー画像が転写され、この転写されたトナー画像を搬送するものであり、画像形成ユニット7からトナー画像が転写される中間転写ベルト61と、中間転写ベルト61を架設すると共に無端回送させる駆動ローラ62と、従動ローラ63と、テンションローラ64と、クリーニング部65とを備えている。 【0020】 中間転写ベルト61は、駆動ローラ62、従動ローラ63及びテンションローラ64に張架される構成となっている。 駆動ローラ62は、モータ等の駆動源を有する駆動部に接続され、中間転写ベルト61に対しグリップ力を付与しつつ回走させるものである。 従動ローラ63は、駆動ローラ62の回転駆動に従動して回転駆動するものである。 テンションローラ64は、駆動ローラ62の回転駆動に従動して回転駆動する従動ローラの一種であり、バネ機構を有して中間転写ベルト61にテンションを与えるものである。 【0021】 クリーニング部65は、中間転写ベルト61に関して、駆動ローラ62の位置よりも下流側で、かつ、最初の画像形成ユニット7(イエロー(Y))よりも上流側に設けられている。このクリーニング部65は、図示しないが、中間転写ベルト61の面に摺接するクリーニングブレードを有していて、中間転写ベルト61に残留したトナー(廃トナー)を除去して中間転写ベルト61の面を清掃できるように構成されている。そして、このクリーニング部65で除去された廃トナーは、スクリュー等からなる搬送機構(不図示)を介して廃トナー回収ユニット14に送出できるように構成されている。 【0022】 なお、図示の例では、クリーニング部65の中間転写ベルト61を挟んだ反対側には何も図示されていないが、これは図面を簡略化するためである。実際には、廃トナーを効率よく除去するために、クリーニングを行う際に中間転写ベルト61をクリーニング部65に対して押し当て可能なローラ群あるいはローラが設置されている。 【0023】 画像形成ユニット7は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の各色にそれぞれ対応して設けられており、各色のトナー画像を形成するものである。そして、これらの画像形成ユニット7は、中間転写ベルト61の回転駆動方向に沿って上流側から下流方向に向って順に配列されている。 【0024】 各画像形成ユニット7は、感光体71と、帯電器72と、レーザスキャニングユニット73と、現像装置74と、一次転写ローラ75と、クリーニング装置76及び不図示の除電装置等とを有する。 【0025】 感光体71は、円柱に形状設定され、その周面に静電潜像及び当該静電潜像に基づくトナー像が形成されるものである。帯電器72は、感光体71に対して対向配置され、感光体71の周面を帯電状態とするものである。レーザスキャニングユニット73は、印刷形式の画像データに基づいて射出されるレーザ光を帯電状態の感光体71の周面において走査するものである。 【0026】 現像装置74は、感光体71の周面に対してトナーを供給することによって感光体71の周面上に静電潜像に基づくトナー像を現像するものである。 一次転写ローラ75は、中間転写ベルト61を挟んで感光体71と対向配置され、感光体71に現像されたトナー像を中間転写ベルト61に一次転写するものである。クリーニング装置76は、一次転写の後に感光体71上に残留したトナーを除去するものである。 【0027】 給紙カセット8は、装置本体に対して引き出し自在であり、記録紙を収容するものである。給紙トレイ9は、装置本体に対して開閉自在であり、記録紙を収容するものである。 二次転写部10は、中間転写ベルト61上に形成された画像を記憶媒体に二次転写するものであって、中間転写ベルト61を駆動させる駆動ローラ62と、中間転写ベルト61を挟んで該駆動ローラ62と対向配置される二次転写ローラ10aとから構成されている。 【0028】 定着部11は、記憶媒体上に二次転写されたトナー像を記録紙に定着させるものであり、加圧及び加熱することによりトナー像を記録紙に定着させる加熱ローラを備える。 搬送路13は、給紙カセット8から記憶紙を搬出するピックアップローラ13a、記憶媒体を搬送する給紙ローラ13b、排紙トレイ12に記憶媒体を排紙する排紙ローラ13c等を備える。 【0029】 廃トナー回収ユニット14は、本発明の特徴をなすもので、廃トナー回収ボトルと、検知部材と、回収量検出部とから構成されている。この廃トナー回収ユニット14には、上述したクリーニング部65で除去された廃トナーを受け入れて回収できるように構成されている。この廃トナー回収ユニット14については、後に図面を用いて詳述する。 【0030】 このような構成からなる複写機Pは、上述のように、画像読取部1において画像データが取得され、さらに印刷部2において当該画像データに基づいて記録紙にカラー印刷が行なわれる。 【0031】 以下、図2?図4を用いて廃トナー回収ユニット14について説明する。この廃トナー回収ユニット14は、廃トナー回収ボトル100と、検知部材200と、回収量検出部300とから構成されている。この廃トナー回収ユニット14は、複写機Pの本体内で比較的大きな空間を確保できる箇所に設けられている。しかも、その箇所は、複写機Pのカバー(不図示)を開けたときに外側に現れる所で、廃トナー回収ボトル100の着脱が容易に行なえるように配慮されている。 【0032】 廃トナー回収ボトル100は、図2に示されるように、内部に所定の空間を有する立方体なる合成樹脂製の容器で、その容器の長手方向の一方の端部には、回収口110が設けられていて、クリーニング部65で回収された廃トナーを複写機Pの本体側のフレームF側に設けられている廃トナーの排出口400を介して廃トナー回収ボトル100内に受け入れられるように構成されている。 すなわち、この廃トナー回収ボトル100は、複写機Pの本体側のフレームFに設けられている所定の回収ボトル収納部に装着されたときに、廃トナー回収ボトル100の回収口110と排出口400とが接合できるように構成されている。なお、図示しないが、この排出口400の内側には、廃トナー回収ボトル100が複写機Pから抜き取られているときにその排出口400を閉じるシャッターが設けられている。 また、この廃トナー回収ボトル100内の回収口110側には、回収口110に投入された廃トナーをボトル内部に押し込むスクリュウコンベアからなる押込み機構110aが設けられている(図3及び図4参照)。 【0033】 検知部材200は、図3及び図4にそれぞれ示されていて、可撓性を有するゴム等の膜材で構成されている。この検知部材200は、廃トナー回収ボトル100の上面の一部に設けられている取付部111(窪み)に設けられ、回収量検出部300によってその膨らみが検出されるものである。 【0034】 廃トナー回収ボトル100の取付部111は、廃トナー回収ボトル100の上面の位置よりも少し窪み、かつ、その窪みの中央部分に設けられた開口部112を有して構成され、検知部材200は、その開口部112を緩く覆うように設けられている。 【0035】 この検知部材200の可撓性は、廃トナー回収ボトル100内が廃トナーで満杯になったときに、検知部材200が廃トナー回収ボトル100の上面外側に向けて膨張することができるように設定されている(図4参照)。さらに、この検知部材200の可撓性は、後述する当接部材310が載置されたときで、かつ、その検知部材200の下側に廃トナーが充填されていないとき、その当接部材310の自重で検知部材200を下方へ押し下げることができるように設定されている(図3参照)。 【0036】 この取付部111の窪みの深さは、検知部材200が廃トナー回収ボトル100の上面外側に向けて膨張したときの上端部が廃トナー回収ボトル100の上面(外壁面)を含む平面Sを超えない範囲で可能な限り浅く形成され、廃トナー回収ボトル100の廃トナーの収納容量を削減しないように工夫されている。 なお、取付部111を設けることなく検知部材200を設置しても良い。ただし、取付部111を設けることにより、検知部材200の上端部が廃トナー回収ボトル100の上面(外壁面)を含む平面Sを越えないまでの可動範囲を広げることができ、検知精度を向上させることが可能となる。 【0037】 回収量検出部300は、検知部材200の膨らみが廃トナー回収ボトル100の外壁面を含む平面Sを越えない範囲にて廃トナー回収ボトル100が満杯であると検出するものであり、当接部材310と、検出センサ320とを備えている。 【0038】 当接部材310は、複写機Pの本体のフレームFに設けられているトナー回収ボトル100の装着・脱着方向(図3の矢印参照)から見て下方に向けて膨らむように湾曲し、一端部(図3において右端部)がフレームFに支軸311を介して回転自在に軸支されている。そして、この当接部材310の湾曲部310aは、廃トナー回収ボトル100の開口部112に挿入できる大きさに設定されている。そして、当接部材310は、廃トナー回収ボトル100が複写機本体側のフレームFの回収ボトル収納部に装着されたとき、湾曲部310aが開口部112に位置して検知部材200と当接するように設置されている。 そして、当接部材310は、検知部材200が膨らむに連れて変位すると共に、検知部材200が上記平面Sを越える前に検出センサ320を作動させる。 【0039】 当接部材310の他端部は、当接部材310の湾曲部310aが開口部112に位置している状態を保持するストッパ部312が設けられている(図3参照)。そして、このストッパ部312は、当接部材310の自重によりフレームF側に設けられている受け部に載置できるように構成されていると共に、そのストッパ部312の上部には、上方へ少し突出した遮光片313が設けられている。そして、遮光片313が検出センサ320に対応する位置まで上昇することによって検出センサ320が作動する。 【0040】 検出センサ320は、発光素子及び受光素子からなる光電センサからなり、当接部材310が支軸311を中心にして回転したときの遮光片313の回転軌跡上で、複写機Pの本体側のフレームF側に設けられている。そして、検出センサ320の発光素子と受光素子との間隔は、遮光片313が間に入り込むことができるように設定されている。また、検出センサ320の発光素子と受光素子との高さは、検知部材200が凹んでいる場合の遮光片313の高さよりも高く(図3参照)、検知部材200が平面Sを越えない範囲で膨らんでいる場合の遮光片313に対向する高さに設定されている(図4参照)。 すなわち、この検出センサ320によって、当接部材310が廃トナー回収ボトル100の取付部111の窪みの深さの範囲内で上下動したことを検出できるように構成されている。 なお、検出センサ320を上述のような透過型センサではなく、いわゆる反射型センサを用いることもできる。この場合には、遮光片313に換えて反射板を設置し、当該反射板を検出センサに対向させることによって検出センサ320を作動させる。 【0041】 なお、本実施形態の複写機Pは、全体の制御を行う不図示の制御装置を備えている。そして、当該制御装置は、検出センサ320と電気的に接続されており、検出センサ320が作動することにより廃トナー回収ボトル320が満杯であると判定する。 【0042】 上記構成からなる廃トナー回収ユニット14は、廃トナー回収ボトル100が本体側のフレームFの回収ボトル収納部に装着され、その廃トナー回収ボトル100の回収口110が複写機Pの本体内に設けられている廃トナーの排出口400に接合されると、回収量検出部300の当接部材310の湾曲部310aが開口部112に位置される(図3参照)。この状態における検出センサ320が遮光片313で遮光されていない状態にあるため、廃トナー回収ボトル100が満杯でないと判定される。 【0043】 一方、廃トナー回収ボトル100内が廃トナーで満杯になったときには、検知部材200は、上記平面Sを越えない範囲で廃トナー回収ボトル100の上面外側に向けて膨張される(図4参照)。これによって検出センサ320が遮光片313で遮光されて作動し、廃トナー回収ボトル100が満杯であると判定される。このように、廃トナー回収ボトル100の満杯が検出されと、複写機Pの図示しない表示画面(フロントパネル等)にその旨が報知され、複写機Pは休止状態とされる。 【0044】 ここで、廃トナー回収ボトル100が満杯になった場合、検知部材200の上面は、廃トナー回収ボトル100の外壁面を含む平面Sよりも突出していないので、廃トナー回収ボトル100を本体側のフレームFの回収ボトル収納部から抜き出すときに検知部材200が外部の部材に接触することがなく、検知部材200の損傷を効果的に防止することができる。 また、廃トナー回収ボトル100を複写機P内の回収ボトル収納部に装着するときは、当接部材310の湾曲部310aが廃トナー回収ボトル100上面に当たることにより、当接部材310が容易に押し上げられ、その後に検知部材200に当接配置されるので、当接部材310が邪魔になることなく廃トナー回収ボトル100をスムースに装着することができる。 【0045】 以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。 例えば、上述の例では、廃トナー回収ボトル100には、中間転写ベルト61上のクリーニング部65で除去された廃トナーのみを受け入れて回収できるようにしているが、画像形成ユニット7のクリーニング装置76で除去された廃トナーも回収できるようにしてもよい。 また、上述の例では、フルカラー式の場合の廃トナー回収について説明したが、モノクロ式の場合の廃トナー回収であってもよい。 また、上述の例では、検知部材200の膨らみを検知することによって廃トナー回収ボトル100の満杯を検知する構成について説明した。しかしながら、検知部材200の膨らみを検知することによって、廃トナー回収ボトル100が満杯になるより前の状態を検知するようにすることもできる。 【符号の説明】 【0046】 P……複写機(画像形成装置)、6……ベルトユニット、61……中間転写ベルト、65……クリーニング部、7……画像形成ユニット、14……廃トナー回収ユニット、100……廃トナー回収ボトル、110……回収口、110a……押込み機構、111……取付部、112……開口部、200……検知部材、300……回収量検出部、310……当接部材、310a……湾曲部、311……支軸、312……ストッパ部、320……検知センサ、400……排出口、F……フレーム、S……平面 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 廃トナーを回収する廃トナー回収ボトルと、該廃トナー回収ボトルに設置されると共に廃トナー回収ボトルに回収した廃トナーの容量に応じて膨らむ可撓性を有する検知部材と、該検知部材の膨らみを検出して前記廃トナー回収ボトルにおける前記廃トナーの回収量を検出する回収量検出部とを備える画像形成装置であって、 前記回収量検出部は、検出センサと、前記検知部材に当接して当該検知部材が膨らむに連れて変位すると共に前記検知部材が前記廃トナー回収ボトルの外壁面を含む平面を越える前に前記検出センサを作動させる当接部材とを備え、前記検知部材の膨らみが前記平面を越えない範囲にて前記廃トナー回収ボトルが満杯であると検出し、 前記廃トナー回収ボトルは、前記外壁面よりも窪むと共に前記検知部材を収容する窪みを有し、 前記検知部材は、前記廃トナー回収ボトルに前記廃トナーが充填されていない場合に、前記当接部材の重さによって下方に押し下げられる ことを特徴とする画像形成装置。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2017-02-16 |
結審通知日 | 2017-02-20 |
審決日 | 2017-03-03 |
出願番号 | 特願2010-79204(P2010-79204) |
審決分類 |
P
1
41・
856-
Y
(G03G)
P 1 41・ 854- Y (G03G) P 1 41・ 841- Y (G03G) P 1 41・ 852- Y (G03G) P 1 41・ 853- Y (G03G) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 松本 泰典 |
特許庁審判長 |
吉村 尚 |
特許庁審判官 |
黒瀬 雅一 植田 高盛 |
登録日 | 2012-11-30 |
登録番号 | 特許第5145370号(P5145370) |
発明の名称 | 画像形成装置 |
代理人 | 高橋 久典 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 高橋 久典 |
代理人 | 森 隆一郎 |
代理人 | 森 隆一郎 |