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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A23L
管理番号 1327930
異議申立番号 異議2017-700076  
総通号数 210 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-06-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-01-31 
確定日 2017-05-10 
異議申立件数
事件の表示 特許第5964586号発明「ビフィドバクテリウム・ロンガム及び海馬BDNF発現」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5964586号の請求項1ないし13に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第5964586号(以下、「本件特許」という。)は、平成21年4月8日(優先権主張 2008年4月15日(EP)欧州特許庁)を国際出願日とする特許出願に係るものであって、平成28年7月8日にその特許権の設定登録がされたものであり、その後、その特許に対し、特許異議申立人大藪朋子により特許異議の申立てがされたものである。

2.本件特許発明
特許第5964586号の請求項1?13に係る発明(以下、それぞれ、「本件特許発明1」?「本件特許発明13」という。)は、それぞれ、本件特許の特許請求の範囲の請求項1?13に記載された事項により特定されるとおりのものである。

3.特許異議申立人の主張、及び、提出した証拠方法
特許異議申立人大藪朋子は、本件特許発明1?13に係る特許は取り消すべきものである旨主張し、その理由として、以下の理由1?2を主張し、証拠方法として甲第1?13号証を提出している。

理由1
本件特許発明1?13は、甲第7号証に記載された発明と、甲第1?13号証に記載された事項及び技術常識に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、それらの発明に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。

理由2
本件特許発明1?13は、甲第1号証に記載された発明と、甲第1?13号証に記載された事項及び技術常識に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、それらの発明に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。

証拠方法
甲第1号証 松本ら、「Oral administration of Bifidobacterium longum prevents gut-derived Pseudomonas aeruginosa sepsis in mice」、J. Applied Microbiology 104巻 3号 2008年 p.672-680 (2008年3月発行)
甲第2号証 A. C. Logan, et al 、「Major depressive disorder: probiotics may be an adjuvant therapy」、Medical Hypotheses 64巻 2005年 p.533-538
甲第3号証 堅田ら、「Dextran sulfate sodium-induced acute colonic inflammation in angiotensin II type 1a receptor deficient mice」、Inflammation Research 57巻 2号 2008年 p.84-91(2008年2月発行)
甲第4号証 U. Sairanen et al 、「The effect of probiotic fermented milk and inulin on the functions and microecology of the intestine」、Journal of Daily Research 74巻 2007年 p.367-373
甲第5号証 A. Frank et al 、「Effects of Feeding Bifidobacterium longum and Inulin on Some Gastrointestinal Indices in Human Volunteers」、Bioscience and Microflora 23巻 2004年 p.11-20
甲第6号証 F. Fumagalli et al、「The expanding role of BDNF: a therapeutic target for Alzheimer's desease?」、The Pharmacogenomics Journal 6巻 2006年 p.8-15
甲第7号証 特表2006-525313号公報
甲第8号証 特表2007-508233号公報
甲第9号証 特開2003-252771号公報
甲第10号証 L. Capuron et al、「Association of Exaggerated HPA Axis Response to the Initial Injection of interferon-Alpha With Development of Depression Druing Interferon-Alfa Therapy」、The American Journal of Psychiatry 160巻 2003年 p.1342-1345
甲第11号証 神庭重信、「ストレスから精神疾患に迫る:海馬神経新生と精神機能」、日本薬理学雑誌 128巻 2006年 p.3-7
甲第12号証 特表2006-519875号公報
甲第13号証 特表2000-502724号公報


4.判断
4-1.理由1について
4-1-1.請求人が主張する甲7発明
請求人が主張する理由1は、甲第7号証に以下の発明(以下、「甲7発明」という。)が記載されている(審判請求書21/32頁30?33行)ことを前提とするものであるから、まず、甲7発明が甲第7号証に記載されているといえるか検討する。

「ビフィドバクテリウム・ロンガムを有効成分として含む、うつ病、不安障害、ストレスの治療のための医薬組成物。」

4-1-2.甲第7号証の記載事項
甲第7号証には、以下の事項が記載されている。
「【請求項1】
細菌菌株を対象に投与する過程からなるうつ病の治療方法。
【請求項2】
前記細菌菌株がラクトバシルス菌である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記菌株がビフィドバクテリウム菌である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記細菌菌株がプロバイオティック細菌である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記プロバイオティック細菌がラクトバシルス・サリバリウスである請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記プロバイオティック細菌がラクトバシルス・カゼイである請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記プロバイオティック細菌がビフィドバクテリウム・ロンガム/インファンティスである請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記細菌菌株がラクトバシルス・サリバリウス菌UCC118である請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記細菌菌株がラクトバシルス・カゼイ菌AH113である請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記細菌菌株がビフィドバクテリウム・インファンティス菌35624である請求項1に記載の方法。
【請求項11】
プロバイオティック細菌を対象に投与する過程からなり、視床下部-脳下垂体-副腎軸過敏性により特徴付けられる疾患を治療する方法。
【請求項12】
前記疾患が、クッシング病、不安障害、心理社会的障害、ストレス、非定型うつ病、パニック障害及び疲労感からなる群から選択される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記プロバイオティック細菌が、ラクトバシルス菌、ビフィドバクテリウム菌、ラクトバシルス・サリバリウス、ラクトバシルス・カゼイ、ビフィドバクテリウム・ロンガム/インファンティス、ラクトバシルス・サリバリウス菌UCC118、ラクトバシルス・カゼイ菌AH113、及びビフィドバクテリウム・インファンティス菌35624からなる群から選択される請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記対象がヒト、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、哺乳動物又は爬虫類である請求項11に記載の方法。
【請求項15】
ラクトバシルス菌、ビフィドバクテリウム菌、ラクトバシルス・サリバリウス、ラクトバシルス・カゼイ、ビフィドバクテリウム・ロンガム/インファンティス、ラクトバシルス・サリバリウス菌UCC118、ラクトバシルス・カゼイ菌AH113、及びビフィドバクテリウム・インファンティス菌35624から選択される群からなる細菌細胞であって、前記細胞又はその成分若しくは突然変異体が死んでいる細菌細胞。
【請求項16】
食品、錠剤、カプセル又は他の製剤として投与するための、プロバイオティック、又はその活性誘導体、断片若しくは突然変異体からなる医薬組成物。」
「【0003】
視床下部-脳下垂体-副腎軸(HPA)の機能の障害は、大部分のうつ病において一貫して最もよく現れる神経内分泌異常である。デキサメタゾンを一晩投与することで抑制されるコルチゾール過剰症及び関連する不全がしばしば認められる。また、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)免疫反応性の高いCSFレベルが、CRH刺激によるACTH放出の鈍化と共に報告されている。これらの変化は、CT又はMRI画像のいずれによっても証明可能な副腎過形成がある場合に起こる(Dinan T著, Glucocorticoids and the genesis of depressive illness: a psychobiological model, Brit. J. Psychiat, 1984年 ; 21: P.813-829)。
【0004】
また、大部分のうつ病には、インタロイキン-1(IL1)及びIL6のような炎症性サイトカインの著しい増加を示す証拠がある(Maes M著, The immunoregulatory effects of antidepressants, Hum. Psychopharmacol, 2001年; 16: P.95- 103.)。これらサイトカインは両方とも、HPAを強く活性化することが知られており、かつうつ病に見られるHPA活性化を持続する役割を果たすことがある。うつ病の有効な治療は、炎症性サイトカインの抑制及びHPAの活性化の減少を伴う。」
「【0007】
本発明は、HPA軸の調節により仲介されたプロバイオティック細菌の中心効果(central effect)に関する。プロバイオティック生物がHPAに影響を与え得るメカニズムの1つは、粘膜性上皮及び関連するリンパ様構造との相互作用を通じてのものであり、それによりホストに抗炎症性である分子を上方制御させかつ表現させる。これらは、IL-10及びTGFβのようなサイトカインを含むものである。本発明は、免疫調節機能及びHPA活性を減少させる能力を有するプロバイオティック菌株を目的としている。」
「【実施例1】
【0008】
血清サイトカインレベルへのプロバイオティック効果
ビフィドバクテリウム35624を15人の健康なボランティアに3週間に亘って摂取させた。血清サイトカインレベルを摂取前及び摂取後で検査した。可溶性IL-6受容体(sIL-6R)及びIL-8レベルが、プロバイオティック給餌後に著しく減少した(図1)。SIL-6RがIL-6シグナル伝達に必要であるのに対し、IL-8は炎症性ケモカインである。
【実施例2】
【0009】
PBMCサイトカイン産生へのプロバイオティック効果
末梢血単核細胞を健康なドナー(N=5)から密度勾配遠心分離法により分離した。PBMCをプロバイオティック菌株で72時間に亘って37℃で刺激した。このとき、培養上清を収集し、遠心分離し、分割し、ELISA(R&Dシステムズ)を用いてIL-10レベルについて評価されるまで-70℃で保管した。Lb.パラカゼイAH113によりPBMCからのIL-10分泌を刺激した(図2)。
【実施例3】
【0010】
リンパ節サイトカイン産生へのプロバイオティック効果
ヒト腸間膜リンパ節細胞(MLNC)を切除標本から分離し、かつ生体外でLb.サリバリウスUCC118、B.インファンティス35624又はサルモネラ・ティフィムリウムで3日間刺激した。上清を収穫し、かつELISAを用いてサイトカインレベルを評価した。
【0011】
プロバイオティック細菌Lb.サリバリウスUCC118及びB.インファンティス35624が、TNFαまたはIL-12のような炎症性サイトカインの誘導無しで、IL-10及びTGFβの産生を刺激した。対照的に、S.ティフィムリウムでの共インキュベーションにより、IL-10又はTGFβの放出無しで炎症性サイトカインの産生を誘導した。これらプロバイオティック細菌との接触後の生体内でのIL-10又はTGFβの産生により、異常なHPA活性を下方制御することができた(図3)。
【実施例4】
【0012】
実例の報告
患者1は、6週間のうつ病の症歴を有する36歳の男性であった。この男性は以前に4年前にうつ病を患っていた。患者1は、落ち込み、アンヘドニア、早朝覚醒、食欲不振、2kgの体重減少、大きな不安及び将来に関する悲観的な考えを訴えた。患者1のハミルトンうつ病スコアは23であった。
【0013】
患者1は気分障害に強い家系の病歴を持っていた。患者1は現れたとき薬物治療を課されていなかった。患者1にビフィドバクテリアをミルクに懸濁させて投与し、患者1はこれを12週間毎日摂取した。第2週の終わりには、患者1の精神状態に著しい改善があり、第3週までに患者1は症状が無くなり、ハミルトンうつ病スコアが4であった。
【0014】
患者2は2年間の病歴を有する56歳の女性であった。肉体的検査は全て陰性であったが、その症状に基づいて、疾病管理センターの規準を用いて慢性疲労症候群を患っていると診断された。患者2は、1クールの認知行動療法及び一定回数の選択的セロトニン再取り込み阻害剤の投与に反応できなかった。患者2には、ビフィドバクテリアをミルクに懸濁させて与え、これを20週間に亘って毎日摂取させた。
【0015】
第6週までに、患者2はその精力レベルに改善を示した。6週間後、患者2は散歩を毎日3.2km(2マイル)行っていた。このような力を発揮することは、最初に現れたときは不可能であった。18週間までに、患者2はパートタイムで働き始めた。」

4-1-3. 検討
甲第7号証には、「細菌菌株を対象に投与する過程からなるうつ病の治療方法」(請求項1)に係る「細菌菌株」として、「ビフィドバクテリウム・ロンガム」(請求項7)が例示されている。また、「プロバイオティック細菌を対象に投与する過程からなり、視床下部-脳下垂体-副腎軸過敏性により特徴付けられる疾患を治療する方法。」(請求項11)に係る「プロバイオティック細菌」として「ビフィドバクテリウム・ロンガム」(請求項13)が例示され、前記「疾患」として「不安障害」、「ストレス」が例示されている。しかしながら、甲第7号証の発明の詳細な説明には、「ビフィドバクテリウム・ロンガム」がうつ病、不安障害、ストレスの治療のために有効であることについて一般的な説明や薬理データ(実施例)が記載されていない。すなわち、発明の詳細な説明には「ビフィドバクテリウム・ロンガム」という単語自体が全く記載されていないし、実施例も、「ビフィドバクテリウム35624」(実施例1。なお、この細菌菌株は、請求項11に記載の「ビフィドバクテリウム・インファンティス菌35624」を略記したものと認められる。)、「Lb.パラカゼイAH113」(実施例2)、「Lb.サリバリウスUCC118、B.インファンティス35624又はサルモネラ・ティフィムリウム」(実施例3)、「ビフィドバクテリア」(実施例4)を使用するものに限られており、「ビフィドバクテリウム・ロンガム」をうつ病、不安障害、ストレスの治療のために投与した例は、記載されていない。
また、ビフィドバクテリウム・ロンガムがうつ病、不安障害、または、ストレスの治療に有効であることが本件特許の優先日当時の技術常識であったともいえない。
そうすると、甲第7号証には、ビフィドバクテリウム・ロンガムを有効成分として含むうつ病、不安障害、ストレスの治療のための医薬組成物が記載されているとはいえない。
したがって、甲第7号証に甲7発明が記載されているとは認められない。

そして、理由1は、甲第7号証に甲7発明が記載されてことを前提とするものであるから、甲第7号証に甲7発明が記載されているとは認められない以上、さらに理由1におけるその余の主張を検討するまでもなく、本件特許発明1?13に係る特許は、理由1により取り消すべきものであるとはいえない。


4-2. 理由2について
4-2-1. 請求人が主張する甲1発明
請求人が主張する理由2は、甲第1号証に以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている(審判請求書10/32頁4?7行)ことを前提とするものであるから、まず、甲1発明が甲第1号証に記載されているといえるか検討する。

「ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA-999を有効成分として含む、TNF-α及びIL-1βの抑制剤。」

4-1-2.甲第1号証の記載事項
甲第1号証には、以下の事項が記載されている。なお、原文は英語であるので、当審による訳で示す。
(あ)
「ビフィドバクテリウム・ロンガムの経口投与は、緑膿菌(シュードモナス・アエルギノサ)による腸由来敗血症をマウスにおいて予防する。」(672頁、タイトル)
(い)
「結論:ビフィドバクテリウム・ロンガムの経口投与は、緑膿菌による腸由来敗血症をマウスにおいて予防する。その効果は、緑膿菌が腸上皮細胞に接着することを阻害することによるものと推定される。」(672頁、概要の結論の項)
(う)
「ビフィドバクテリウム・ロンガムBB536株とビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株をプロバイオティクス菌株として使用した。ビフィドバクテリウム菌株は、ヒトの腸内細菌叢の優勢菌種の一つであり、主要なプロバイオティクスの一つであるため選択した。」(673頁左欄、「材料と方法」の項の「細菌株」と題する記載の7?12行)
(え)
「炎症誘導性サイトカイン、特にTNF-αやIL-1は敗血症の重要な関与因子である。これらサイトカインの増加の程度は、敗血症の重症度を反映する。我々は、血中のTNF-αやIL-1βのレベルを測定した。これらサイトカインレベルはビフィドバクテリウムロンガム投与群で他の群(図3(情報提供者注:対照群とB.ブレーベ投与群))と比べて有意に低下した。ビフィドバクテリウムロンガム投与群の炎症性サイトカインレベルの低下は、他の群のマウスと比較して感染の重症度を軽減している可能性がある。」(675頁左欄、「結果」の項の「ビフィドバクテリウムロンガムの投与による、全身炎症の重症度の抑制」と題する記載の1?10行)
(お)


」(675頁図3)


4-2-3. 検討
甲第1号証には、ビフィドバクテリウムロンガム投与群で血中のTNF-α及びIL-1βのレベルを測定したところ有意に低下したこと(記載事項(え)、(お)参照。)が記載されている。
しかしながら、甲第1号証は、そのタイトルなどからみて、ビフィドバクテリウム・ロンガムBB536株(当審注:本件特許発明に係る「ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA-999」と同じ菌株である。)の経口投与による、緑膿菌(シュードモナス・アエルギノサ)による腸由来敗血症のマウスにおける予防(記載事項(あ)及び(う)参照。)について報告する論文であり、概要の結論の項において、上記予防の効果は緑膿菌が腸上皮細胞に接着することを阻害することによるものと推定されること(記載事項(い)参照。)及び敗血症の重症度を反映するTNF-α及びIL-1βのレベルを低下させたことが記載されている(記載事項(え)及び(お)参照。)。
してみると、これら甲第1号証の記載に接した当業者は、ビフィドバクテリウム・ロンガムBB536株の効果は、緑膿菌の腸上皮細胞への接着阻害によるものであり、該効果によって敗血症の重症度が下がったことにより該重症度を反映するTNF-α及びIL-1βのレベル、いわば該重症度のマーカーのレベルが低下したと理解し、上記BB536株がTNF-α及びIL-1βの抑制のために用いられているわけではないと理解するものといえる。
そうすると、甲第1号証には、ビフィドバクテリウム・ロンガムBB536株を有効成分として含むTNF-α及びIL-1βの抑制剤が記載されているとはいえない。
したがって、甲第1号証に甲1発明が記載されているとは認められない。

そして、理由2は、甲第1号証に甲1発明が記載されてことを前提とするものであるから、甲第1号証に甲1発明が記載されているとは認められない以上、さらに理由2におけるその余の主張を検討するまでもなく、本件特許発明1?13に係る特許は、理由2により取り消すべきものであるとはいえない。


5. むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1?13に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1?13に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2017-04-24 
出願番号 特願2011-504422(P2011-504422)
審決分類 P 1 651・ 121- Y (A23L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小金井 悟  
特許庁審判長 内藤 伸一
特許庁審判官 穴吹 智子
蔵野 雅昭
登録日 2016-07-08 
登録番号 特許第5964586号(P5964586)
権利者 ネステク ソシエテ アノニム
発明の名称 ビフィドバクテリウム・ロンガム及び海馬BDNF発現  
代理人 清水 義憲  
代理人 黒川 朋也  
代理人 長谷川 芳樹  
代理人 池田 正人  
代理人 城戸 博兒  
代理人 戸津 洋介  
代理人 池田 成人  

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