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審決分類 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 取り消して特許、登録 H05B
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H05B
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H05B
審判 査定不服 特174条1項 取り消して特許、登録 H05B
管理番号 1329944
審判番号 不服2016-3602  
総通号数 212 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-08-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-03-08 
確定日 2017-07-25 
事件の表示 特願2011-198278号「照明器具」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 4月 4日出願公開、特開2013- 62064号、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成23年9月12日の出願であって、その手続の経緯は次のとおりである。
平成27年 3月20日付け 拒絶理由通知
6月 1日 意見書、補正書の提出
11月30日付け 拒絶査定
平成28年 3月 8日 審判請求書及び手続補正書の提出
平成29年 2月16日付け 拒絶理由通知
4月24日 意見書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。

[原査定の概要]
1.本願は、発明の詳細な説明の記載が、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。
2.本願の請求項1に係る発明は、以下の引用文献A、Bに記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献A:特開2009-200431号公報
引用文献B:特開2008-130438号公報

第3 当審の拒絶理由の概要
平成29年2月16日付けで当審において通知した拒絶理由の概要は次のとおりである。

[当審の拒絶理由の概要]
1.平成28年3月8日付け手続補正書でした補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
2.本願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
3.本願は、発明の詳細な説明の記載について、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。
4.本願の請求項1に係る発明は、以下の引用文献1、2に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:特開2009-200431号公報(原査定の引用文献A)
引用文献2:特開平11-67471号公報(当審において新たに引用した文献)

第4 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成29年4月24日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
接地相を有する交流電源から一対の給電路を介して入力された交流を整流および昇圧した直流電力を出力する非絶縁型の電源回路と、
前記電源回路が出力する前記直流電力によって点灯する複数の半導体発光素子、およびケースを有する光源ユニットと、
接地経路を介して接地された導電材料で形成されて、前記電源回路および前記光源ユニットを設けた器具外郭とを備えて、
前記接地相の給電路が遮断された場合、前記半導体発光素子は、前記交流電源から、前記光源ユニットと前記器具外郭との間に形成された浮遊容量、および前記接地経路を介して交流電力を供給され、
前記交流電源の電圧の最大振幅を前記半導体発光素子の直列接続数で除した値が閾値未満となり、前記閾値は、前記半導体発光素子の発光レベルが人の目に認識できない順電圧の値である
ことを特徴とする照明器具。」

第5 引用文献
1.引用文献1(引用文献A)に記載された事項及び引用発明1
当審の拒絶理由において引用された引用文献1であり、原査定の拒絶理由で引用された引用文献Aには、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審で付したものである。以下同様。)

「【0040】
図1は、本発明の実施の形態1に係る発光ダイオード点灯回路および照明装置の概略構成回路の実施例1を示す回路状態図であり、(A)はスイッチをオンして発光ダイオードを点灯した場合の電流状況を示し、(B)はスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を示し、(C)は比較のためにpn接合素子を省いた状態でスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を示す回路状態図である。
【0041】
なお、図1(A)、(B)、(C)は、基本的に同等な回路構成であることから図上の符号を適宜省略してある。図3以下でも同様である。
【0042】
図2は、本発明の実施の形態に係る発光ダイオード点灯回路および照明装置に適用される発光ダイオードモジュールの概略構成を示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)の矢符B-Bでの端面図である。なお、端面図でのハッチングは図面の見易さを考慮して省略してある。
【0043】
本実施の形態に係る照明装置1は、交流電源ACSから供給された交流を直流に変換する発光ダイオード点灯回路10と、発光ダイオード点灯回路10から供給された直流によって駆動され発光(点灯)する発光ダイオードモジュール40とを備え、動作電流制御部としてのスイッチ15によって、発光ダイオードモジュール40(発光ダイオードLED1、発光ダイオードLED2)の発光(点灯/消灯)を制御する。
【0044】
なお、発光ダイオードモジュール40は、例えば金属製の照明器具本体1bに取り付けられている。また、照明器具本体1bは、安全性を確保するためにアース電位GNDに接地された状態となっている。
【0045】
また、照明装置1はスイッチ15で点灯/消灯するほか、リモートコントローラでスイッチング素子Q(スイッチングトランジスタQ)をオフすることにより消灯することも可能である(実施の形態3参照)。
【0046】
本実施例に係る発光ダイオード点灯回路10は、非接地側配線11および接地側配線12を有する交流電源ACSから供給される交流を整流する整流回路20と、整流回路20の整流出力をDC-DC変換して生成した直流を複数の発光ダイオードLED(発光ダイオードLED1、発光ダイオードLED2。以下、発光ダイオードLED1、発光ダイオードLED2を特に区別する必要が無い場合は、単に発光ダイオードLEDとする。)が直列接続された発光ダイオードモジュール40に供給して発光ダイオードLEDを点灯する直流供給回路30とを備える。
【0047】
本実施例に係る整流回路20は、非接地側配線11に接続される電源接続端子20pと、接地側配線12にスイッチ15を介して接続される電源接続端子20gと、交流を全波整流するようにブリッジ接続された整流ダイオード21、22、23、24と、整流ダイオード21、22、23、24によって形成された脈流を平滑化して直流化する平滑コンデンサCrとを備える。
【0048】
ブリッジ接続された整流ダイオード21、22、23、24で構成されるブリッジの一方のブリッジで直列接続された整流ダイオード21および整流ダイオード22の中間位置に非接地側配線11(電源接続端子20p)が接続され、他方のブリッジで直列接続された整流ダイオード23および整流ダイオード24の中間位置に接地側配線12(電源接続端子20g)が接続されている。
【0049】
したがって、カソードを共通に接続された整流ダイオード22および整流ダイオード23のカソード接続点からプラス側の配線経路34が導出され、アノードを共通に接続された整流ダイオード21および整流ダイオード24のアノード接続点からマイナス側の配線経路35が導出され、直流供給回路30に接続されている。なお、平滑コンデンサCrは、プラス側の配線経路34およびマイナス側の配線経路35に対応させて接続してある。
【0050】
本実施例に係る直流供給回路30は、「ローサイドスイッチ型降圧チョッパー方式」とした場合であり、転流用のダイオードDおよびスイッチング素子Qの直列回路がプラス側の配線経路34とマイナス側の配線経路35との間に接続してある。また、ダイオードDおよびスイッチング素子Qの接続点にコイルLの一方の端子が接続してある。なお、ダイオードDのカソードはプラス側の配線経路34に接続され、ダイオードDのアノードとマイナス側の配線経路35の間にスイッチング素子Qが接続され、ダイオードDおよびスイッチング素子Qの接続点にコイルLの一方の端子が接続してある。
【0051】
プラス側の配線経路34は、直流供給回路30の一方の出力端子となる出力プラス端子34tに接続され、マイナス側の配線経路35は、スイッチング素子QおよびコイルLを介して直流供給回路30の他方の出力端子となる出力マイナス端子35tに接続されている。」

「【0054】
本実施例に係る発光ダイオードモジュール40は、例えば発光ダイオードLED1および発光ダイオードLED2が直列接続してあり、直流電力供給端子となるモジュールプラス端子40pおよびモジュールマイナス端子40mに順方向となるように接続してある。モジュールプラス端子40pは、発光ダイオードLED1のアノードが接続された配線パターン43fに接続され、モジュールマイナス端子40mは、発光ダイオードLED2のカソードが接続された配線パターン43tに接続されている。
【0055】
また、発光ダイオードLED1および発光ダイオードLED2は、配線パターン43sを介して相互に接続されることから、発光ダイオードモジュール40の適宜の所望された位置に配置されることとなる。
【0056】
発光ダイオードモジュール40は、絶縁性基材42に積層した導体層を適宜パターニングすることによって形成された配線パターン43f、43s、43tを備えるプリント基板41と、配線パターン43f、43s、43tに接続された発光ダイオードLED1、発光ダイオードLED2を備える(図2)。配線パターン43fおよび配線パターン43sに発光ダイオードLED1が接続され、配線パターン43sおよび配線パターン43tに発光ダイオードLED2が接続されている。
【0057】
配線パターン43f、配線パターン43s、配線パターン43tは、照明器具本体1bとの間に絶縁性基材42をそれぞれ挟む構成となることから、その面積に比例した寄生容量Cf、寄生容量Cs、寄生容量Ctを有することとなる。特に、発光ダイオードLED1および発光ダイオードLED2の間に配置された配線パターン43sは、発光ダイオードLED1および発光ダイオードLED2を適宜の位置に配置するために他のパターンに比較して大きな面積(長い距離)とされることがある。
【0058】
したがって、配線パターン43sによって生じる寄生容量Csは、寄生容量Cf、寄生容量Ctに比較して大きな値となり、図1(C)で説明するようにバイポーラトランジスタ31が存在しない場合にスイッチ15をオフして発光ダイオードLEDを消灯したとき、寄生容量Csを介して寄生電流としての微弱電流Is(正周期微弱電流Isp、負周期微弱電流Ism)が流れ、消灯時に微弱発光を生じることがある。なお、正周期微弱電流Ispと負周期微弱電流Ismとを区別する必要が無い場合は、単に微弱電流Isとすることがある。」

「【0067】
次に本実施の形態での効果を比較説明するためにpn接合素子(バイポーラトランジスタ31)を省いた状態でスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を説明する(図1(C))。・・・
【0068】
図1(B)の場合と同様、発光ダイオードLEDを消灯する場合は、スイッチ15をオフする。スイッチ15をオフした場合、交流電源ACSの正の半周期では正周期微弱電流Ispが寄生容量Csを充電する形態で発光ダイオードLED1に流れ、負の半周期では負周期微弱電流Ismが寄生容量Csを逆方向に充電する形態で発光ダイオードLED2に流れる。したがって、発光ダイオードLEDは、交流電源ACSの正負状態に関係なく、常に微弱電流Isが流れる状態となり微弱発光を防止することはできない。
【0069】
つまり、交流電源ACSの正の半周期では、非接地側端子11t→非接地側配線11(電源接続端子20p)→整流ダイオード22→プラス側の配線経路34→出力プラス端子34t→モジュールプラス端子40p→発光ダイオードLED1→寄生容量Cs→アース電位GND(照明器具本体1bのアース電位GNDおよび交流電源ACSのアース電位GND)の経路で正周期微弱電流Ispが流れる。
【0070】
また、交流電源ACSの負の半周期では、接地側端子12t→接地側配線12→アース電位GND(交流電源ACSのアース電位GNDおよび照明器具本体1bのアース電位GND)→寄生容量Cs→発光ダイオードLED2→モジュールマイナス端子40m→出力マイナス端子35t→コイルL→ダイオードD→プラス側の配線経路34(電流を阻止するバイポーラトランジスタ31が存在しないことから、動作電流Idと逆方向の負周期微弱電流Ismが流れることが可能となる。)→平滑コンデンサCr→整流ダイオード21→電源接続端子20p(非接地側配線11)→非接地側端子11tの経路で負周期微弱電流Ismが流れる。
【0071】
したがって、バイポーラトランジスタ31が存在しないプラス側の配線経路34では、交流電源ACSの正負の半周期にそれぞれ対応する両方向で微弱電流Is(発光ダイオードLED1を流れる正周期微弱電流Ispおよび発光ダイオードLED2を流れる負周期微弱電流Ism)が流れることとなる。すなわち、上述したとおり、バイポーラトランジスタ31が存在しない場合、交流電源ACSの正負状態に関係なく、発光ダイオードLEDには常に微弱電流Isが流れる状態となり微弱発光を防止することはできない状態となる。」

【図1】(C)から、交流電源ACSは一方がアース電位GNDに接地されていること、整流回路20及び直流供給回路30からなる点灯回路10は非絶縁型の電源回路を構成していること、を看取しうる

以上のア?エの事項及び【図1】(C)の記載から、引用文献1(引用文献A)には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
〔引用発明1〕
「一方がアース電位GNDに接地された交流電源ACSの非接地側配線11及び接地側配線12から供給される交流を整流する整流回路20と、整流回路20の整流出力をDC-DC変換して生成した直流を発光ダイオードLED1と発光ダイオードLED2とが直列接続された発光ダイオードモジュール40に供給して発光ダイオードLED1、発光ダイオードLED2を点灯する直流供給回路30とからなる非絶縁型の電源回路である点灯回路10と、
発光ダイオードモジュール40が取り付けられ、アース電位GNDに接地された金属製の照明器具本体1bとを備えて、
接地側配線12に設けられたスイッチ15をオフしたとき、発光ダイオードLED1は、交流電源ACSから、発光ダイオードLED1と発光ダイオードLED2との間の配線43sと器具本体1bとの間に生じる寄生容量Cs、及びアース電位GNDを介して交流電力を供給される、
照明装置。」

2.引用文献2に記載された事項及び引用発明2
当審の拒絶理由において引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1に示すように、商用交流電源31にダイオードブリッジ全波整流回路32の入力端子を接続し、この全波整流回路32の出力端子に抵抗33,34の直列回路からなる分圧回路を接続している。前記全波整流回路32の出力端子の負極側を接地している。
【0018】また、前記全波整流回路32の出力端子にインダクタとしてのチョークコイル35を介してスイッチ素子であるMOSFET(MOS型電界効果トランジスタ)36と抵抗37との直列回路を接続するとともに、前記チョークコイル35及びダイオード38を直列に介して平滑コンデンサ39を接続している。そして、前記平滑コンデンサ39に抵抗40と可変抵抗41との直列回路を並列に接続し、さらに、複数個の発光ダイオード42を直列接続した回路を2個並列接続した点灯回路43を接続している。
【0019】また、IC化した制御回路44を設け、・・・また、前記制御回路44に点灯ボタン、調光(1) ボタン、調光(2) ボタン、消灯ボタンを備えた操作部46を接続している。
【0020】この回路の基本動作を述べる。MOSFET36をオン動作させると、チョークコイル35、MOSFET36及び抵抗37を介して電流が流れ、チョークコイル35には流れる電流に見合った磁気エネルギーが蓄積される。そして、MOSFET36をオフ動作させると、MOSFET36を介して流れていた電流が遮断され、今度はチョークコイル35からダイオード38を介して平滑コンデンサ39に電流が流れる。これにより平滑コンデンサ39への電荷の蓄積が行われ、チョークコイル35の磁気エネルギーが減少する。
【0021】そして、チョークコイル35に流れる電流がゼロになるタイミングでMOSFET36を再びオン動作させる。以下、同様の動作を繰返す。チョークコイル35に流れる電流をゼロまで落とすには入力電圧のピークよりも平滑コンデンサ39の電位が高い必要があり、昇圧型の交流-直流変換である必要がある。
【0022】平滑コンデンサ39の充電はMOSFET36のオン、オフ動作に依存するので、MOSFET36を常時オン、オフ動作することで入力電圧に依存しつつも平滑コンデンサ39に対して電流が常時流入することになる。このときの平滑コンデンサ39のリップル成分はコンデンサインプットタイプに比べて少なくなる。
【0023】今、仮に発光ダイオード42の順方向電圧の最低が1V、最大が電流20mA流したときの1.5Vとすると、発光ダイオード42を200個直列に接続したときの順方向電圧の総和は、200V?300Vの範囲となる。すなわち、平滑コンデンサ39の両端電圧が0?200Vの間は発光ダイオード42には全く電流が流れず、200V?300Vの間は電圧に応じて発光ダイオード42に流れる電流量が決定され、発光ダイオード42の発光量が電圧により可変される。そして、300Vのときが点灯回路43として最大照度を出せる状態となる。このときの電圧と電流の関係をグラフで示せば図2に示すようになる。
【0024】平滑コンデンサ39の両端電圧は、MOSFET36のオン時間を長くすればチョークコイル35に蓄積される磁気エネルギーがそれだけ多くなり、結果的に平滑コンデンサ39に電荷エネルギーとして変換される量が多くなって高くなる。逆に、MOSFET36のオン時間を短くすれば平滑コンデンサ39の両端電圧は低くなる。これを利用すれば点灯回路43に印加する電圧を200V?300Vの範囲で変化させることができ、点灯回路43を調光制御できることになる。
【0025】そこで、制御回路44は操作部46の点灯ボタンが操作されたときには平滑コンデンサ39の両端電圧が300VになるようにMOSFET36をオン、オフ制御し、操作部46の調光(1) ボタンが操作されたときには平滑コンデンサ39の両端電圧が例えば270VになるようにMOSFET36をオン、オフ制御し、操作部46の調光(2) ボタンが操作されたときには平滑コンデンサ39の両端電圧が例えば230VになるようにMOSFET36をオン、オフ制御し、操作部46の消灯ボタンが操作されたときには平滑コンデンサ39の両端電圧が200V未満になるようにMOSFET36をオン、オフ制御するかオフ保持状態の制御をすれば、点灯ボタンの操作時には点灯回路43は最大照度で点灯し、調光(1) ボタンの操作時には点灯回路43は約70%の照度で点灯し、調光(2) ボタンの操作時には点灯回路43は約30%の照度で点灯し、消灯ボタンの操作時には点灯回路43は消灯することになる。これにより、消灯制御、調光制御、点灯制御が簡単にできる。」

以上のオの事項及び【図1】の記載からみて、引用文献2には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。
〔引用発明2〕
「商用交流電源31にダイオードブリッジ全波整流回路32の入力端子を接続し、
前記全波整流回路32の出力端子にインダクタとしてのチョークコイル35を介してスイッチ素子であるMOSFET36と抵抗37との直列回路を接続するとともに、前記チョークコイル35及びダイオード38を直列に介して平滑コンデンサ39を接続し、
前記平滑コンデンサ39に、複数個の発光ダイオード42を直列接続した回路を2個並列接続した点灯回路43を接続している、照明装置において、
点灯時または調光時には、MOSFET36をオン、オフ制御して、平滑コンデンサ39の両端電圧を発光ダイオード42が点灯する順方向電圧の総和の範囲となるようにし、
消灯時には、MOSFET36をオフ保持状態として、平滑コンデンサ39の両端電圧を上記の発光ダイオード42が点灯する順方向電圧の総和の範囲未満とし、発光ダイオード42に電流が流れないようにした、照明装置。」

第6 当審の拒絶理由について
1.理由1(特許法第17条の2第3項)、理由2(特許法第36条第6項第2号)について
平成29年4月24日の手続補正により特許請求の範囲が補正されたことにより、理由1、2は解消した。

2.理由3(特許法第36条第4項第1号)について
当審では、明細書の発明の詳細な説明には、どのような原理により光源ユニット全体と直列に浮遊容量が発生するのか十分に開示されていないため、請求項1に係る発明の「前記交流電源の電圧の最大振幅を前記半導体発光素子の直列接続数で除した値が閾値未満となり、前記閾値は、前記半導体発光素子の発光レベルが人の目に認識できない順電圧の値である」との事項が、課題を解決しうるものとは認められない、との拒絶理由を通知した。
これに対して、請求人は、平成29年4月24日の手続補正により、請求項1に係る発明の「光源ユニット」が「ケースを有する」ものであると補正するとともに、同日付けの意見書において次のとおり釈明している。
「・理由3:特許法第36条第4項第1号について
・・・
特に、光源ユニット2の電極がケースから外部に露出していることから、電極と器具外郭4との間に発生する浮遊容量は、他の部位(半導体発光素子3、基板、光源ユニット2のケースなど)と器具外郭4との間に発生する浮遊容量に比べて支配的になります。すなわち、電極と器具外郭4との間に発生する浮遊容量についてのみ対策をすれば、微発光の抑制に対して効果的です。
そして、光源ユニット2の正側の電極と器具外郭4との間の浮遊容量を介して流れる電流は、光源ユニット2を流れないので微発光に寄与しません。
一方、光源ユニット2の負側の電極と器具外郭4との間の浮遊容量を介して流れる電流は、直列接続された全ての半導体発光素子3を流れます。そこで、本願発明では、微発光の抑制に最も効果的な負側の電極に発生する浮遊容量に着目しました。
すなわち、本願発明は、光源ユニットの負側の端からのみ浮遊容量が発生することを前提としたものではなく、光源ユニット2の各部に分布する浮遊容量を考慮しながらも、微発光の抑制に最も効果的な負側の電極に発生する浮遊容量に着目したものです。言い換えると、本願発明では、光源ユニット2の負側の電極に発生する浮遊容量を、考慮すべき支配的な浮遊容量としています。このことは、出願時の段落0027の記載(特に、『光源ユニット2と器具外郭4との間には、浮遊容量Caが発生している。………なお、浮遊容量Caは、半導体発光素子3と器具外郭4との間の浮遊容量、半導体発光素子3が実装された基板と器具外郭4との間の浮遊容量、光源ユニット2のケースと器具外郭4との間の浮遊容量等で形成される。』という記載)、及び図1(特に、浮遊容量Caの発生箇所)から自明であると考えます。
また、図1中の浮遊容量Caは、出願時の段落0027にも記載しているように、『半導体発光素子3と器具外郭4との間の浮遊容量、半導体発光素子3が実装された基板と器具外郭4との間の浮遊容量、光源ユニット2のケースと器具外郭4との間の浮遊容量等で形成される』ものです。しかし、光源ユニット2の負側の電極に発生する浮遊容量が、考慮すべき支配的な浮遊容量であることから、図1中では、浮遊容量Caを光源ユニット2の負側に接続させています。
・・・」
請求人の上記釈明は、光源ユニット2のケースから外部に露出している電極と器具外郭4との間に発生する浮遊容量が、他の浮遊容量に比べて支配的になり、特に、負側の電極と器具外郭4との間の浮遊容量により直列接続された全ての半導体発光素子3に微発光に寄与する電流が流れることになるため、これに着目し【図1】のように、浮遊容量Caを光源ユニット2の負側に接続しているとし、段落【0027】の記載について釈明していると認められる。
請求人の意見書における釈明は一応の合理性を有するとともに、また、手続補正により請求項1に係る発明を上記「第4」のとおり補正し意見書における釈明と整合させている。
したがって、理由3は、当該手続補正による請求項1に係る発明の補正と、上記の意見書における釈明により解消したといえる。

3.理由4(特許法第29条第2項)について
(1)対比・判断(その1)
本願発明と引用発明1とを対比する。
ア 後者の「一方がアース電位GNDに接地された交流電源ACS」は、前者の「接地相を有する交流電源」に相当する。
イ 後者の交流電源ACSの「非接地側配線11及び接地側配線12」は、前者の交流電源からの「一対の給電路」に相当する。
ウ 後者の「供給される交流を整流する整流回路20と、整流回路20の整流出力をDC-DC変換して生成した直流を発光ダイオードLED1と発光ダイオードLED2とが直列接続された発光ダイオードモジュール40に供給して発光ダイオードLED1、発光ダイオードLED2を点灯する直流供給回路30とからなる非絶縁型の電源回路である点灯回路10」は、全体の点灯回路10としては、入力された交流を整流し直流電力として出力する非絶縁形の電源回路であるので、前者の「入力された交流を整流および昇圧した直流電力を出力する非絶縁型の電源回路」と、「入力された交流を整流し直流電力を出力する非絶縁型の電源回路」である限りにおいて一致する。
エ 後者の「発光ダイオードLED1」は、点灯回路10の直流供給回路30で生成された直流を供給され、後記「キ」に述べるように寄生容量Csが負側の電極に発生するものであるので、前者の「電源回路が出力する直流電力によって点灯する複数の半導体発光素子、およびケースを有する光源ユニット」と、「電源回路が出力する直流電力によって点灯する半導体発光素子を有する光源」である限りにおいて一致する。
オ 後者の「発光ダイオードモジュール40が取り付けられ、アース電位GNDに接地された金属製の照明器具本体1b」は、前者の「接地経路を介して接地された導電材料で形成されて、電源回路および光源ユニットを設けた器具外郭」と、「接地経路を介して接地された導電材料で形成されて、光源を設けた器具外郭」である限りにおいて一致する。
カ 後者の「接地側配線12に設けられたスイッチ15をオフしたとき」は、前者の「接地相の給電路が遮断された場合」に相当する。
キ 前者の「光源ユニットと器具外郭との間に形成された浮遊容量」は、上記「2.」に記載した請求人の意見書における釈明によれば、微発光に寄与する支配的な浮遊容量である光源ユニット2の負側の電極と器具外郭4との間の浮遊容量であるといえる。
そうすると、後者の「発光ダイオードLED1と発光ダイオードLED2との間の配線43sと器具本体1bとの間に生じる寄生容量Cs」は、前者の「光源ユニットと器具外郭との間に形成された浮遊容量」と、「光源と器具外郭との間に形成された浮遊容量」である限りにおいて一致する。
ク 後者の「接地側配線12に設けられたスイッチ15をオフしたとき、発光ダイオードLED1は、交流電源ACSから発光ダイオードLED1と発光ダイオードLED2との間の配線43sと器具本体1bとの間に生じる寄生容量Cs、及びアース電位GNDを介して交流電力を供給される」ことは、前者の「接地相の給電路が遮断された場合、半導体発光素子は、交流電源から、光源ユニットと器具外郭との間に形成された浮遊容量、および接地経路を介して交流電力を供給され」ることと、「接地相の給電路が遮断された場合、半導体発光素子は、交流電源から、光源と器具外郭との間に形成された浮遊容量、および接地経路を介して交流電力を供給され」ることである限りにおいて一致する。
ケ 後者の「照明装置」は、前者の「照明器具」に相当する。

そうすると、両者の一致点、相違点は次のとおりである。
〔一致点1〕
「接地相を有する交流電源から一対の給電路を介して入力された交流を整流し直流電力を出力する非絶縁型の電源回路と、
前記電源回路が出力する前記直流電力によって点灯する半導体発光素子を有する光源と、
接地経路を介して接地された導電材料で形成されて、前記光源を設けた器具外郭とを備えて、
前記接地相の給電路が遮断された場合、前記半導体発光素子は、前記交流電源から、前記光源と前記器具外郭との間に形成された浮遊容量、および前記接地経路を介して交流電力を供給される、
照明器具。」
〔相違点1〕
本願発明は、「電源回路」が「昇圧した直流電力を出力」するものであり、「光源ユニット」が「複数の」半導体発光素子「およびケース」を有するものであり、接地相の給電路が遮断された場合、半導体発光素子は、交流電源から、「光源ユニット」と器具外郭との間に形成された浮遊容量、および接地経路を介して交流電力を供給され、「交流電源の電圧の最大振幅を半導体発光素子の直列接続数で除した値が閾値未満となり、閾値は、半導体発光素子の発光レベルが人の目に認識できない順電圧の値である」と、特定されているのに対して、引用発明1は、光源の発光ダイオードLED1は複数とは特定されていないとともにケースを有しておらず、交流電源ACSの電圧の最大振幅と発光素子との関係が前記のように特定されていない点。
〔相違点2〕
本願発明は、器具外郭が「電源回路」も設けたものであるのに対して、引用発明1は、器具本体1bが電源回路である点灯回路10を設けているとは特定されていない点。

相違点1について検討する。
引用文献2には「全波整流回路32の出力端子にインダクタとしてのチョークコイル35を介してスイッチ素子であるMOSFET36と抵抗37との直列回路を接続するとともに、前記チョークコイル35及びダイオード38を直列に介して平滑コンデンサ39を接続し」た回路が記載されており(上記「第5 2.」で述べた「引用発明2」参照)、その回路構成及び発光ダイオード42点灯時に供給する電圧からみて、非絶縁型の昇圧回路といえる。
そして、引用文献2には、その段落【0023】の記載を【図1】を参照して解釈すると、非絶縁型の昇圧回路により昇圧された直流電圧により、直列接続された複数個の発光ダイオード42が点灯するものにおいて、昇圧回路が動作しない場合に、商用交流電源31の電圧(最大振幅約141V)がそのまま印加されたとしても複数個の発光ダイオード42(200個)の1つあたりの順方向電圧(約0.7V)は点灯に要する閾値(1V)を越えるものでなく点灯しないことが、記載または示唆されているといえる。
しかしながら、引用文献2には、複数個の発光ダイオード42がケースを有することは記載されておらず、また、筐体を有しているとの記載もない。
照明装置が導電材料で形成され接地された筐体を有することは特に例示するまでもなく周知の事項であり、引用文献2に記載のものも筐体を有している蓋然性が高いとしても、複数個の発光ダイオード42のどこから筐体との間で支配的な浮遊容量が発生するのか特定することはできず、また、上述のとおり複数個の発光ダイオード42はケースを有するものではないので、請求人の意見書における釈明(上記「2.」参照)で述べるところの原理により、複数個の発光ダイオード42の最も負極側の電極と筐体との間で支配的な浮遊容量が発生するものともいえない。
そうすると、引用発明1の、負極側の電極に寄生容量Csが発生する発光ダイオードLED1の抱える課題を解決する手段として、引用文献2に記載の事項を適用することは、その複数個の発光ダイオード42の最も負極側の電極と筐体との間で支配的な浮遊容量が発生するとはいえないことから、前提となる浮遊容量(寄生容量)の発生箇所において相違し動機付けに欠けるといえる。
よって、引用発明を相違点1に係る本願発明の構成とすることは、引用文献2から当業者が容易に想到し得るということはできない。
したがって、本願発明1は、相違点2について検討するまでもなく、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の事項に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

(2)対比・判断(その2)
本願発明と引用発明2とを対比する。
ア 後者の「商用交流電源31」は、前者の「接地相を有する交流電源」と、「交流電源」である限りにおいて一致する。
イ 後者の「全波整流回路32の出力端子にインダクタとしてのチョークコイル35を介してスイッチ素子であるMOSFET36と抵抗37との直列回路を接続するとともに、前記チョークコイル35及びダイオード38を直列に介して平滑コンデンサ39を接続し」た回路は、その回路構成及び点灯時の出力電圧からみて非絶縁型の昇圧回路といえる。そうすると、後者の商用交流電源31に接続した「ダイオードブリッジ全波整流回路32」及び「全波整流回路32の出力端子にインダクタとしての・・・(略)・・・を直列に介して平滑コンデンサ39を接続した」回路は、前者の「交流電源から一対の給電路を介して入力された交流を整流および昇圧した直流電力を出力する非絶縁型の電源回路」に相当する。
ウ 後者の「複数個の発光ダイオード42を直列接続した回路を2個並列接続した点灯回路43」は、平滑コンデンサ39に並列接続されているので、前者の「電源回路が出力する直流電力によって点灯する複数の半導体発光素子、およびケースを有する光源ユニット」と、「電源回路が出力する直流電力によって点灯する複数の半導体発光素子を有する光源ユニット」である限りにおいて一致する。
エ 後者の「消灯時」は、前者の「接地相の給電路が遮断された場合」と、「給電を遮断する場合」である限りにおいて一致する。
オ 後者の「MOSFET36をオフ保持状態」としたときの「平滑コンデンサ39の両端電圧」は、引用文献2の【図1】を参照すると、商用交流電源31の最大振幅の電圧になるといえる。
そうすると、後者の「MOSFET36をオフ保持状態として、平滑コンデンサ39の両端電圧を上記の発光ダイオード42が点灯する順方向電圧の総和の範囲未満とし、発光ダイオード42に電流が流れないようにした」ことは、前者の「交流電源の電圧の最大振幅を半導体発光素子の直列接続数で除した値が閾値未満となり、前記閾値は、前記半導体発光素子の発光レベルが人の目に認識できない順電圧の値である」ことに相当する。
カ 後者の「照明装置」は、前者の「照明器具」に相当する。

そうすると、両者の一致点、相違点は次のとおりである。
〔一致点2〕
「交流電源から一対の給電路を介して入力された交流を整流および昇圧した直流電力を出力する非絶縁型の電源回路と、
前記電源回路が出力する前記直流電力によって点灯する複数の半導体発光素子を有する光源ユニットとを備えて、
給電を遮断する場合、
前記交流電源の電圧の最大振幅を前記半導体発光素子の直列接続数で除した値が閾値未満となり、前記閾値は、前記半導体発光素子の発光レベルが人の目に認識できない順電圧の値である、
る照明器具。」
〔相違点3〕
本願発明は、「交流電源」が「接地相を有」し、「光源ユニット」が「ケース」を有するものであり、「接地経路を介して接地された導電材料で形成されて、電源回路および光源ユニットを設けた器具外郭」を備えており、「接地相の給電路が遮断された場合、半導体発光素子は、交流電源から、光源ユニットと器具外郭との間に形成された浮遊容量、および接地経路を介して交流電力を供給され」るものであるのに対して、引用発明2は、そのように特定されていない点。

相違点3について検討する。
本願発明は、請求人の意見書における釈明(上記「2.」参照)によれば、ケースを有した光源ユニットの負側の電極と器具外郭との間に支配的な浮遊容量が発生することを前提として、「接地相の給電路が遮断された場合、半導体発光素子は、交流電源から、光源ユニットと器具外郭との間に形成された浮遊容量、および接地経路を介して交流電力を供給され」るものである。
照明装置が導電材料で形成され接地された筐体を有することは特に例示するまでもなく周知の事項であり、引用発明2も筐体を有している蓋然性が高いとしても、複数個の発光ダイオード42のどこから筐体との間で浮遊容量が発生するのか特定することはできない。また、引用発明2の複数個の発光ダイオード42はケースを有するものではないので、請求人の意見書における釈明(上記「2.」参照)で述べるところの原理により、複数個の発光ダイオード42の最も負極側の電極と筐体との間で支配的な浮遊容量が発生するものともいえない。
引用文献1には、「一方がアース電位GNDに接地された交流電源ACS」、交流電源ACSの「接地側配線12に設けられたスイッチ15」が記載されているものの(上記「第5 1.」で述べた「引用発明1」を参照)、発光ダイオードモジュール40とアース電位GNDに接地された金属製の照明器具本体1bとの間に発生し、微発光に寄与する支配的な浮遊容量Csは、発光ダイオードLED1と発光ダイオードLED2との間の配線43sと器具本体1bとの間に生じるものであり、「複数の半導体発光素子、およびケースを有する」光源ユニットの負側の電極と器具外郭との間に発生することを示唆するものではない。
そうしてみると、引用発明2に、周知の事項または引用文献1に記載の事項を適用したとしても、相違点3に係る本願発明の「光源ユニット」が「ケース」を有すること、及び、「接地相の給電路が遮断された場合、半導体発光素子は、交流電源から、光源ユニットと器具外郭との間に形成された浮遊容量、および接地経路を介して交流電力を供給され」る構成とすることを当業者が容易に想到しうるということはできない。
したがって、本願発明は、当業者であっても、引用発明2、周知の事項及び引用文献1に記載の事項に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

第7 原査定の拒絶理由について
1.理由1(特許法第36条第4項第1号)について
原査定の理由1は、当審の拒絶理由にける理由3と同趣旨のものであり、上記「第6 2.」で述べたと同様に、解消している。

2.理由2(特許法第29条第2項)について
本願発明と引用文献Aに記載された発明である引用発明1とを対比すると、両者は上記「第6 3.(1)」で述べたとおりの「一致点1」で一致し、「相違点1、2」で相違する。

相違点1、2について検討する。
引用文献Bは、「昇圧チョッパ型LED点灯回路」が周知であることの例示として挙げられたものであり、相違点1、2に係る本願発明の構成を示すものではない。
したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献Bに記載の事項に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

第8 むすび
以上のとおり、本願発明は、当業者が引用発明及び引用文献2または引用文献Bに記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由及び当審において通知した拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-07-10 
出願番号 特願2011-198278(P2011-198278)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (H05B)
P 1 8・ 55- WY (H05B)
P 1 8・ 536- WY (H05B)
P 1 8・ 121- WY (H05B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 三島木 英宏  
特許庁審判長 氏原 康宏
特許庁審判官 平田 信勝
島田 信一
発明の名称 照明器具  
代理人 特許業務法人北斗特許事務所  
代理人 北出 英敏  
代理人 仲石 晴樹  
代理人 西川 惠清  
代理人 坂口 武  

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