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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A63F
審判 全部申し立て 2項進歩性  A63F
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A63F
管理番号 1338091
異議申立番号 異議2017-700580  
総通号数 220 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-06-08 
確定日 2018-01-19 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6043819号発明「構築方法、プログラム、情報処理システム及び情報処理装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6043819号の明細書、及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-7〕、10、〔11-12〕、13について訂正することを認める。 特許第6043819号の請求項1乃至4、6、7、10乃至13に係る特許を維持する。 特許第6043819号の請求項8に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6043819号の請求項1乃至13に係る特許は、平成27年1月28日の出願であって、平成28年11月18日にその特許権の設定登録がされ、その後、平成29年6月8日に特許異議申立人 上杉 則亮により特許異議の申立てがなされ、同年8月25日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である同年10月24日に意見書の提出及び訂正請求(以下、「本件訂正請求」という)がなされ、同年11月16日付けで特許異議申立人 上杉 則亮により意見書が提出されたものである。


第2 訂正の適否についての判断
1.訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は以下の(1)乃至(7)のとおりである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「情報処理装置が実行する、ゲーム画面を再現した再現動画の構築方法であって、
前記ゲーム画面は、ユーザの入力に基づいて端末装置で進行されるゲームに関して、該端末装置に表示される画面であり、
前記端末装置により生成された前記ゲームの進行に関する処理のログ情報を、前記端末装置から取得する取得ステップと、
前記ログ情報に基づいて前記再現動画を構築する構築ステップと、
前記ログ情報に基づいて前記ゲームの進行状態に関する情報を生成するステップと、
前記ゲームの進行状態に関する情報をメタデータとして前記再現動画に対応付けるステップと
を含む構築方法。」と記載されているのを、
「情報処理装置が実行する、ゲーム画面を再現した再現動画の構築方法であって、
前記ゲーム画面は、ユーザの入力に基づいて端末装置で進行されるゲームに関して、該端末装置に表示される画面であり、
前記端末装置により生成された前記ゲームの進行に関する処理のログ情報を、前記端末装置から取得する取得ステップと、
前記ログ情報に基づいて前記再現動画を構築する構築ステップと、
前記ログ情報に基づいて前記ゲームの進行状態に関する情報を生成するステップと、
前記ゲームの進行状態に関する情報をメタデータとして前記再現動画に対応付けるステップと、
前記再現動画を閲覧可能な閲覧装置から受信した、前記再現動画に関する所定の条件を含む再現動画閲覧要求に基づいて、前記所定の条件に合致するメタデータに対応付けられた再現動画を抽出するステップと、
前記抽出した再現動画を前記閲覧装置に送信するステップと
を含む構築方法。」に訂正する。(下線は、訂正箇所を示す。以下、同じ。)

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項8を削除する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項9を削除する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項10に、
「情報処理装置として機能するコンピュータに、
ユーザの入力に基づいて進行されるゲームのゲーム画面を表示する端末装置により生成されたゲームの進行に関する処理のログ情報を、前記端末装置から取得する取得ステップと、
前記ログ情報に基づいて前記ゲーム画面を再現した再現動画を構築する構築ステップと
前記ログ情報に基づいて前記ゲームの進行状態に関する情報を生成するステップと、
前記ゲームの進行状態に関する情報をメタデータとして前記再現動画に対応付けるステップと
を実行させるプログラム。」と記載されているのを、
「情報処理装置として機能するコンピュータに、
ユーザの入力に基づいて進行されるゲームのゲーム画面を表示する端末装置により生成されたゲームの進行に関する処理のログ情報を、前記端末装置から取得する取得ステップと、
前記ログ情報に基づいて前記ゲーム画面を再現した再現動画を構築する構築ステップと
前記ログ情報に基づいて前記ゲームの進行状態に関する情報を生成するステップと、
前記ゲームの進行状態に関する情報をメタデータとして前記再現動画に対応付けるステップと、
前記再現動画を閲覧可能な閲覧装置から受信した、前記再現動画に関する所定の条件を含む再現動画閲覧要求に基づいて、前記所定の条件に合致するメタデータに対応付けられた再現動画を抽出するステップと、
前記抽出した再現動画を前記閲覧装置に送信するステップと
を実行させるプログラム。」に訂正する。

(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項11に、
「サーバ装置と少なくとも1つの端末装置とを含み、ゲーム画面を再現した再現動画を構築する情報処理システムであって、
前記端末装置は、
ユーザの入力に基づいてゲームを進行させて前記ゲームの進行に関する処理を行うとともに、該ゲームの進行に関する処理のログ情報を生成する端末制御部と、
前記ログ情報を前記サーバ装置に送信する端末通信部と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記ログ情報を前記端末装置から受信するサーバ通信部と、
前記受信したログ情報を記憶するサーバ記憶部と、
前記受信したログ情報に基づいて前記ゲーム画面を再現した再現動画を構築し、前記ログ情報に基づいて前記ゲームの進行状態に関する情報を生成し、前記ゲームの進行状態に関する情報をメタデータとして前記再現動画に対応付けるサーバ制御部と、を備える、情報処理システム。」と記載されているのを、
「サーバ装置と少なくとも1つの端末装置とを含み、ゲーム画面を再現した再現動画を構築する情報処理システムであって、
前記端末装置は、
ユーザの入力に基づいてゲームを進行させて前記ゲームの進行に関する処理を行うとともに、該ゲームの進行に関する処理のログ情報を生成する端末制御部と、
前記ログ情報を前記サーバ装置に送信する端末通信部と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記ログ情報を前記端末装置から受信するサーバ通信部と、
前記受信したログ情報を記憶するサーバ記憶部と、
前記受信したログ情報に基づいて前記ゲーム画面を再現した再現動画を構築し、前記ログ情報に基づいて前記ゲームの進行状態に関する情報を生成し、前記ゲームの進行状態に関する情報をメタデータとして前記再現動画に対応付け、前記再現動画を閲覧可能な閲覧装置から受信した、前記再現動画に関する所定の条件を含む再現動画閲覧要求に基づいて、前記所定の条件に合致するメタデータに対応付けられた再現動画を抽出し、前記抽出した再現動画を前記閲覧装置に送信するサーバ制御部と、を備える、情報処理システム。」に訂正する。

(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項13に、
「ゲーム画面を再現した再現動画の構築処理を実行する情報処理装置であって、
前記ゲーム画面は、ユーザの入力に基づいて端末装置で進行されるゲームに関して、該端末装置に表示される画面であり、
前記端末装置により生成された前記ゲームの進行に関する処理のログ情報を、前記端末装置から取得する通信部と、
前記ログ情報に基づいて前記再現動画を構築し、前記ログ情報に基づいて前記ゲームの進行状態に関する情報を生成し、前記ゲームの進行状態に関する情報をメタデータとして前記再現動画に対応付ける制御部と、
を備える情報処理装置。」と記載されているのを、
「ゲーム画面を再現した再現動画の構築処理を実行する情報処理装置であって、
前記ゲーム画面は、ユーザの入力に基づいて端末装置で進行されるゲームに関して、該端末装置に表示される画面であり、
前記端末装置により生成された前記ゲームの進行に関する処理のログ情報を、前記端末装置から取得する通信部と、
前記ログ情報に基づいて前記再現動画を構築し、前記ログ情報に基づいて前記ゲームの進行状態に関する情報を生成し、前記ゲームの進行状態に関する情報をメタデータとして前記再現動画に対応付け、前記再現動画を閲覧可能な閲覧装置から受信した、前記再現動画に関する所定の条件を含む再現動画閲覧要求に基づいて、前記所定の条件に合致するメタデータに対応付けられた再現動画を抽出し、前記抽出した再現動画を前記閲覧装置に送信する制御部と、
を備える情報処理装置。」に訂正する。

(7)訂正事項7
願書に添付した明細書の段落【0046】、【0058】、【0068】、【0069】、及び【0073】に記載された「アスキーデータ」を「アスキーコード」に訂正する。

2.訂正の目的の適否、特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否、及び新規事項追加の有無の適否
(1)訂正事項1について
ア.訂正の目的の適否
訂正事項1は、訂正前の請求項1に記載の「再現動画の構築方法」について、「前記再現動画を閲覧可能な閲覧装置から受信した、前記再現動画に関する所定の条件を含む再現動画閲覧要求に基づいて、前記所定の条件に合致するメタデータに対応付けられた再現動画を抽出するステップと、前記抽出した再現動画を前記閲覧装置に送信するステップ」と具体的に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ.新規事項追加の有無
当該訂正事項1に関連する記載として、願書に添付した明細書の発明の詳細な説明の段落【0036】に「…プレイヤは、閲覧を希望する進行内容を指定して再現動画要求を送信することにより、指定した進行内容に関する再現動画を閲覧できる。例えば、端末装置110でプレイされるゲームが、対戦相手にダメージを与えるゲームである場合であって、メタデータが進行内容として対戦相手に与えたダメージ量を含むとする。ユーザが所定量以上ダメージを与えた場面を、再現動画要求として端末装置110から送信した場合、再現動画共有サーバ130は、当該指定した所定量以上ダメージを与えた場面に対応付けられた進行時間を抽出し、抽出された進行時間の再現動画が端末装置110に提供される。…」と記載され、段落【0066】?【0067】に「そして、ユーザが、端末装置110を使用して再現動画閲覧要求を送信する所定の入力操作を行うと、端末装置110は、通信部112から再現動画共有サーバ130に、再現動画閲覧要求を送信する(ステップS110)。再現動画共有サーバ130は、端末装置110から再現動画閲覧要求を受信すると、制御部131により、再現動画閲覧要求において配信を要求された再現動画を選択する(ステップS111)。そして、再現動画共有サーバ130は、通信部132を介して、選択した再現動画を端末装置110に提供する(ステップS112)。」と記載され、段落【0078】に「再現動画構築条件は、例えば、ログ情報に関するいずれかの項目を参照して、特定の条件を満たすログ情報を抽出させるものである。」と記載され、段落【0089】に「再現動画構築サーバ120は、ステップS209においてログ情報を記憶すると、ログ情報記憶部125に記憶されたログ情報及び再現動画構築条件記憶部126に記憶された再現動画構築条件に基づき、再現動画及びメタデータを構築する(ステップS210)。再現動画構築サーバ120は、ステップS108で構築した再現動画及びメタデータを、通信部122から、再現動画共有サーバ130に送信する(ステップS211)。」と記載されていることから、再現動画の構築方法について、再現動画を閲覧可能な閲覧装置から受信した、再現動画に関する所定の条件を含む再現動画閲覧要求に基づいて、前記所定の条件に合致するメタデータに対応付けられた再現動画を抽出するステップと、前記抽出した再現動画を前記閲覧装置に送信するステップとすることは、願書に添付した明細書に記載された範囲内のものである。
したがって、当該訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであって、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

ウ.特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否
訂正事項1は、「再現動画の構築方法」について、上記ア.で述べたとおり限定しようとするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。
したがって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

(2)訂正事項2について
訂正事項2は、請求項8を削除する訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(3)訂正事項3について
訂正事項3は、請求項9を削除する訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(4)訂正事項4について
ア.訂正の目的の適否
訂正事項4は、訂正前の請求項10に記載の「プログラム」について、「前記再現動画を閲覧可能な閲覧装置から受信した、前記再現動画に関する所定の条件を含む再現動画閲覧要求に基づいて、前記所定の条件に合致するメタデータに対応付けられた再現動画を抽出するステップと、前記抽出した再現動画を前記閲覧装置に送信するステップ」と具体的に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ.新規事項追加の有無
当該訂正事項4に関連する記載として、願書に添付した明細書の発明の詳細な説明の段落【0036】に「…プレイヤは、閲覧を希望する進行内容を指定して再現動画要求を送信することにより、指定した進行内容に関する再現動画を閲覧できる。例えば、端末装置110でプレイされるゲームが、対戦相手にダメージを与えるゲームである場合であって、メタデータが進行内容として対戦相手に与えたダメージ量を含むとする。ユーザが所定量以上ダメージを与えた場面を、再現動画要求として端末装置110から送信した場合、再現動画共有サーバ130は、当該指定した所定量以上ダメージを与えた場面に対応付けられた進行時間を抽出し、抽出された進行時間の再現動画が端末装置110に提供される。…」と記載され、段落【0066】?【0067】に「そして、ユーザが、端末装置110を使用して再現動画閲覧要求を送信する所定の入力操作を行うと、端末装置110は、通信部112から再現動画共有サーバ130に、再現動画閲覧要求を送信する(ステップS110)。再現動画共有サーバ130は、端末装置110から再現動画閲覧要求を受信すると、制御部131により、再現動画閲覧要求において配信を要求された再現動画を選択する(ステップS111)。そして、再現動画共有サーバ130は、通信部132を介して、選択した再現動画を端末装置110に提供する(ステップS112)。」と記載され、段落【0078】に「再現動画構築条件は、例えば、ログ情報に関するいずれかの項目を参照して、特定の条件を満たすログ情報を抽出させるものである。」と記載され、段落【0089】に「再現動画構築サーバ120は、ステップS209においてログ情報を記憶すると、ログ情報記憶部125に記憶されたログ情報及び再現動画構築条件記憶部126に記憶された再現動画構築条件に基づき、再現動画及びメタデータを構築する(ステップS210)。再現動画構築サーバ120は、ステップS108で構築した再現動画及びメタデータを、通信部122から、再現動画共有サーバ130に送信する(ステップS211)。」と記載されていることから、プログラムについて、再現動画を閲覧可能な閲覧装置から受信した、再現動画に関する所定の条件を含む再現動画閲覧要求に基づいて、前記所定の条件に合致するメタデータに対応付けられた再現動画を抽出するステップと、前記抽出した再現動画を前記閲覧装置に送信するステップを実行させるプログラムは、願書に添付した明細書に記載された範囲内のものである。
したがって、当該訂正事項4は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであって、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

ウ.特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否
訂正事項4は、「プログラム」について、上記ア.で述べたとおり限定しようとするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。
したがって、訂正事項4は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

(5)訂正事項5について
ア.訂正の目的の適否
訂正事項5は、訂正前の請求項11に記載の「ゲーム画面を再現した再現動画を構築する情報処理システム」のサーバ装置のサーバ制御部について、「前記再現動画を閲覧可能な閲覧装置から受信した、前記再現動画に関する所定の条件を含む再現動画閲覧要求に基づいて、前記所定の条件に合致するメタデータに対応付けられた再現動画を抽出し、前記抽出した再現動画を前記閲覧装置に送信する」と具体的に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ.新規事項追加の有無
当該訂正事項5に関連する記載として、願書に添付した明細書の発明の詳細な説明の段落【0036】に「…プレイヤは、閲覧を希望する進行内容を指定して再現動画要求を送信することにより、指定した進行内容に関する再現動画を閲覧できる。例えば、端末装置110でプレイされるゲームが、対戦相手にダメージを与えるゲームである場合であって、メタデータが進行内容として対戦相手に与えたダメージ量を含むとする。ユーザが所定量以上ダメージを与えた場面を、再現動画要求として端末装置110から送信した場合、再現動画共有サーバ130は、当該指定した所定量以上ダメージを与えた場面に対応付けられた進行時間を抽出し、抽出された進行時間の再現動画が端末装置110に提供される。…」と記載され、段落【0066】?【0067】に「そして、ユーザが、端末装置110を使用して再現動画閲覧要求を送信する所定の入力操作を行うと、端末装置110は、通信部112から再現動画共有サーバ130に、再現動画閲覧要求を送信する(ステップS110)。再現動画共有サーバ130は、端末装置110から再現動画閲覧要求を受信すると、制御部131により、再現動画閲覧要求において配信を要求された再現動画を選択する(ステップS111)。そして、再現動画共有サーバ130は、通信部132を介して、選択した再現動画を端末装置110に提供する(ステップS112)。」と記載され、段落【0078】に「再現動画構築条件は、例えば、ログ情報に関するいずれかの項目を参照して、特定の条件を満たすログ情報を抽出させるものである。」と記載され、段落【0089】に「再現動画構築サーバ120は、ステップS209においてログ情報を記憶すると、ログ情報記憶部125に記憶されたログ情報及び再現動画構築条件記憶部126に記憶された再現動画構築条件に基づき、再現動画及びメタデータを構築する(ステップS210)。再現動画構築サーバ120は、ステップS108で構築した再現動画及びメタデータを、通信部122から、再現動画共有サーバ130に送信する(ステップS211)。」と記載されていることから、サーバ装置のサーバ制御部について、再現動画を閲覧可能な閲覧装置から受信した、再現動画に関する所定の条件を含む再現動画閲覧要求に基づいて、前記所定の条件に合致するメタデータに対応付けられた再現動画を抽出し、前記抽出した再現動画を前記閲覧装置に送信するサーバ制御部を備えることは、願書に添付した明細書に記載された範囲内のものである。
したがって、当該訂正事項5は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであって、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

ウ.特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否
訂正事項5は、「ゲーム画面を再現した再現動画を構築する情報処理システム」について、上記ア.で述べたとおり限定しようとするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。
したがって、訂正事項5は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

(6)訂正事項6について
ア.訂正の目的の適否
訂正事項6は、訂正前の請求項13に記載の「情報処理装置」の制御部について、「前記再現動画を閲覧可能な閲覧装置から受信した、前記再現動画に関する所定の条件を含む再現動画閲覧要求に基づいて、前記所定の条件に合致するメタデータに対応付けられた再現動画を抽出し、前記抽出した再現動画を前記閲覧装置に送信する」と具体的に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ.新規事項追加の有無
当該訂正事項6に関連する記載として、願書に添付した明細書の発明の詳細な説明の段落【0036】に「…プレイヤは、閲覧を希望する進行内容を指定して再現動画要求を送信することにより、指定した進行内容に関する再現動画を閲覧できる。例えば、端末装置110でプレイされるゲームが、対戦相手にダメージを与えるゲームである場合であって、メタデータが進行内容として対戦相手に与えたダメージ量を含むとする。ユーザが所定量以上ダメージを与えた場面を、再現動画要求として端末装置110から送信した場合、再現動画共有サーバ130は、当該指定した所定量以上ダメージを与えた場面に対応付けられた進行時間を抽出し、抽出された進行時間の再現動画が端末装置110に提供される。…」と記載され、段落【0066】?【0067】に「そして、ユーザが、端末装置110を使用して再現動画閲覧要求を送信する所定の入力操作を行うと、端末装置110は、通信部112から再現動画共有サーバ130に、再現動画閲覧要求を送信する(ステップS110)。再現動画共有サーバ130は、端末装置110から再現動画閲覧要求を受信すると、制御部131により、再現動画閲覧要求において配信を要求された再現動画を選択する(ステップS111)。そして、再現動画共有サーバ130は、通信部132を介して、選択した再現動画を端末装置110に提供する(ステップS112)。」と記載され、段落【0078】に「再現動画構築条件は、例えば、ログ情報に関するいずれかの項目を参照して、特定の条件を満たすログ情報を抽出させるものである。」と記載され、段落【0089】に「再現動画構築サーバ120は、ステップS209においてログ情報を記憶すると、ログ情報記憶部125に記憶されたログ情報及び再現動画構築条件記憶部126に記憶された再現動画構築条件に基づき、再現動画及びメタデータを構築する(ステップS210)。再現動画構築サーバ120は、ステップS108で構築した再現動画及びメタデータを、通信部122から、再現動画共有サーバ130に送信する(ステップS211)。」と記載されていることから、情報処理装置の制御部について、再現動画を閲覧可能な閲覧装置から受信した、再現動画に関する所定の条件を含む再現動画閲覧要求に基づいて、前記所定の条件に合致するメタデータに対応付けられた再現動画を抽出し、前記抽出した再現動画を前記閲覧装置に送信する制御部を備えることは、願書に添付した明細書に記載された範囲内のものである。
したがって、当該訂正事項6は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであって、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

ウ.特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否
訂正事項6は、「情報処理装置」について、上記ア.で述べたとおり限定しようとするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。
したがって、訂正事項6は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

(7)訂正事項7について
ア.訂正の目的の適否
訂正事項7は、訂正前の願書に添付した明細書の段落【0046】、【0058】、【0068】、【0069】、及び【0073】の「アスキーデータ」との記載を、「アスキーコード」に訂正するものであるところ、訂正前の明細書の段落【0046】の「アスキーデータ等の文字コード」との記載からみて、「アスキーデータ」が、文字コードの一例であることが技術常識といえる「アスキーコード」の誤記であることは明らかであって、誤記の訂正を目的とするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。

イ.新規事項追加の有無
当該訂正事項7は、アスキーコードが文字コードの一例であることが技術常識であることに基づいて誤記を訂正するものであるから、願書に添付した明細書に記載された範囲内のものである。
したがって、当該訂正事項7は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであって、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

ウ.特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否
訂正事項7は、上記ア.で述べたとおり誤記を訂正することを目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。
したがって、訂正事項7は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

(8)一群の請求項についての適否
訂正事項1乃至3に係る訂正前の請求項1乃至9について、請求項2乃至9はすべて直接的又は間接的に「請求項1」を引用しているものである。
したがって、訂正前の請求項1乃至9は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項に該当するものである。
よって、訂正事項1乃至3による訂正は、特許法第120条の5第4項に規定する「一群の請求項ごとに」適法に請求されたものである。
また、訂正事項5に係る訂正前の請求項11及び12について、請求項12は「請求項11」を引用しているものである。
したがって、訂正前の請求項11及び12は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項に該当するものである。
よって、訂正事項5による訂正は、特許法第120条の5第4項に規定する「一群の請求項ごとに」適法に請求されたものである。
また、訂正後の請求項1乃至7、及び請求項11乃至12は、それぞれ、一群の請求項である。

(9)むすび
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項ただし書き第1号及び第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-7〕、10、〔11-12〕、13について訂正を認める。


第3 特許異議の申立て理由について
1.本件特許発明
本件訂正請求により訂正された訂正請求項1乃至13に係る発明(以下「本件特許発明1」乃至「本件特許発明13」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1乃至13に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】
情報処理装置が実行する、ゲーム画面を再現した再現動画の構築方法であって、
前記ゲーム画面は、ユーザの入力に基づいて端末装置で進行されるゲームに関して、該端末装置に表示される画面であり、
前記端末装置により生成された前記ゲームの進行に関する処理のログ情報を、前記端末装置から取得する取得ステップと、
前記ログ情報に基づいて前記再現動画を構築する構築ステップと、
前記ログ情報に基づいて前記ゲームの進行状態に関する情報を生成するステップと、
前記ゲームの進行状態に関する情報をメタデータとして前記再現動画に対応付けるステップと、
前記再現動画を閲覧可能な閲覧装置から受信した、前記再現動画に関する所定の条件を含む再現動画閲覧要求に基づいて、前記所定の条件に合致するメタデータに対応付けられた再現動画を抽出するステップと、
前記抽出した再現動画を前記閲覧装置に送信するステップと
を含む構築方法。
【請求項2】
前記構築ステップにおいて構築される前記再現動画に関する再現動画構築条件を記憶部に記憶する記憶ステップを含み、
前記構築ステップは、前記ログ情報及び前記再現動画構築条件に基づいて前記再現動画を構築する、請求項1に記載の構築方法。
【請求項3】
前記再現動画構築条件は、前記ログ情報のうち所定の条件を満たす前記ログ情報を抽出させる条件であり、
前記構築ステップは、前記抽出された前記ログ情報に関する再現動画を構築する、請求項2に記載の構築方法。
【請求項4】
前記所定の条件は、前記ログ情報が前記ゲームにおける所定のゲーム媒体に関連するログ情報である、請求項3に記載の構築方法。
【請求項5】
前記所定の条件は、前記ログ情報が前記ゲームにおける所定のコマンドに関連するログ情報である、請求項3に記載の構築方法。
【請求項6】
前記再現動画構築条件は、前記ログ情報のうち所定の条件を満たす前記ログ情報を抽出させ、該抽出された前記ログ情報に関する処理を他の形式に置換させる条件であり、
前記構築ステップは、前記抽出されたログ情報に関する処理を前記他の形式に置換して前記再現動画を構築する、請求項2に記載の構築方法。
【請求項7】
前記ログ情報は文字コードである、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の構築方法。
【請求項8】(削除)
【請求項9】(削除)
【請求項10】
情報処理装置として機能するコンピュータに、
ユーザの入力に基づいて進行されるゲームのゲーム画面を表示する端末装置により生成されたゲームの進行に関する処理のログ情報を、前記端末装置から取得する取得ステップと、
前記ログ情報に基づいて前記ゲーム画面を再現した再現動画を構築する構築ステップと
前記ログ情報に基づいて前記ゲームの進行状態に関する情報を生成するステップと、
前記ゲームの進行状態に関する情報をメタデータとして前記再現動画に対応付けるステップと、
前記再現動画を閲覧可能な閲覧装置から受信した、前記再現動画に関する所定の条件を含む再現動画閲覧要求に基づいて、前記所定の条件に合致するメタデータに対応付けられた再現動画を抽出するステップと、
前記抽出した再現動画を前記閲覧装置に送信するステップと
を実行させるプログラム。
【請求項11】
サーバ装置と少なくとも1つの端末装置とを含み、ゲーム画面を再現した再現動画を構築する情報処理システムであって、
前記端末装置は、
ユーザの入力に基づいてゲームを進行させて前記ゲームの進行に関する処理を行うとともに、該ゲームの進行に関する処理のログ情報を生成する端末制御部と、
前記ログ情報を前記サーバ装置に送信する端末通信部と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記ログ情報を前記端末装置から受信するサーバ通信部と、
前記受信したログ情報を記憶するサーバ記憶部と、
前記受信したログ情報に基づいて前記ゲーム画面を再現した再現動画を構築し、前記ログ情報に基づいて前記ゲームの進行状態に関する情報を生成し、前記ゲームの進行状態に関する情報をメタデータとして前記再現動画に対応付け、前記再現動画を閲覧可能な閲覧装置から受信した、前記再現動画に関する所定の条件を含む再現動画閲覧要求に基づいて、前記所定の条件に合致するメタデータに対応付けられた再現動画を抽出し、前記抽出した再現動画を前記閲覧装置に送信するサーバ制御部と、を備える、情報処理システム。
【請求項12】
前記端末通信部は、前記端末制御部が前記ゲームの進行に関する処理を実行するたびに、前記ゲームの進行に関する処理のログ情報を前記サーバ装置に送信する、請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
ゲーム画面を再現した再現動画の構築処理を実行する情報処理装置であって、
前記ゲーム画面は、ユーザの入力に基づいて端末装置で進行されるゲームに関して、該端末装置に表示される画面であり、
前記端末装置により生成された前記ゲームの進行に関する処理のログ情報を、前記端末装置から取得する通信部と、
前記ログ情報に基づいて前記再現動画を構築し、前記ログ情報に基づいて前記ゲームの進行状態に関する情報を生成し、前記ゲームの進行状態に関する情報をメタデータとして前記再現動画に対応付け、前記再現動画を閲覧可能な閲覧装置から受信した、前記再現動画に関する所定の条件を含む再現動画閲覧要求に基づいて、前記所定の条件に合致するメタデータに対応付けられた再現動画を抽出し、前記抽出した再現動画を前記閲覧装置に送信する制御部と、
を備える情報処理装置。」

2.取消理由の概要
訂正前の請求項1乃至4、6乃至8、10乃至13に係る特許に対して平成29年8月25日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は次のとおりである。
(1)取消理由1(特許法第29条第1項第3号)
請求項1、2、7、8、10?13に対して、
甲第1号証:特開2009-247563号公報

(2)取消理由2(特許法第29条第2項)
(取消理由2-1)請求項1、2、7、8、10?13に対して、
甲第1号証:特開2009-247563号公報

(取消理由2-2)請求項3、4、6?8に対して、
甲第1号証:特開2009-247563号公報
甲第2号証:特開2015-13103号公報

(取消理由2-3)請求項7、8に対して、
甲第1号証:特開2009-247563号公報
甲第6号証:特開2013-128586号公報
甲第7号証:特開2014-171496号公報
甲第8号証:特開2009-297221号公報

(取消理由2-4)請求項7、8に対して、
甲第1号証:特開2009-247563号公報
甲第2号証:特開2015-13103号公報
甲第6号証:特開2013-128586号公報
甲第7号証:特開2014-171496号公報
甲第8号証:特開2009-297221号公報

(3)取消理由3(特許法第36条第6項第2号)
請求項7の「ログ情報は文字コードである」との構成のうち,「文字コード」は不明確である。

3.各甲号証の記載
(1)甲第1号証
本件特許の出願日前の平成21年10月29日に頒布された特開2009-247563号公報には、以下の記載がある。
「【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム装置からプレーヤがゲームプレイ時に入力したキー入力の情報を取得して、前記ゲーム装置でプレイされたゲームを再現するゲーム再現手段と、
前記ゲーム再現手段によって再現されたゲームの動画データを生成する動画データ生成手段と、
前記ゲーム再現手段によって再現されたゲームが所定のサムネイル候補条件を満たす場面となった画像をサムネイル画像として生成するサムネイル画像生成手段と、
前記動画データ生成手段によって生成された動画データに前記サムネイル画像生成手段によって生成されたサムネイル画像を対応づけて記憶する動画データ記憶手段と、
を備える動画データ生成システム。
【請求項2】
前記ゲーム再現手段は、前記キー入力情報に基づいてゲーム開始から時間経過に従ったゲーム進行を再現し、
前記ゲーム再現手段でゲームが再現される際に、当該ゲームの進行場面が前記サムネイル候補条件を満たした時のタイミングを判定するサムネイル候補タイミング判定手段を更に備え、
前記サムネイル画像生成手段は、前記サムネイル候補タイミング判定手段によって判定されたタイミングに基づき、サムネイル画像とする場面を選択してサムネイル画像を生成する、
請求項1に記載の動画データ生成システム。
【請求項3】
前記サムネイル候補タイミング判定手段は、当該ゲームの登場キャラクタと所定のオブジェクトとが衝突したタイミングを前記サムネイル候補条件が満たすタイミングとして判定する請求項2に記載の動画データ生成システム。
【請求項4】
前記ゲームは、登場キャラクタ同士が攻撃し合うゲームであり、
前記ゲーム再現手段は、前記ゲームの登場キャラクタそれぞれのダメージ量を算出するダメージ量算出手段を有し、
前記サムネイル候補タイミング判定手段は、前記ダメージ量が所定量低減したタイミングを前記サムネイル候補条件として前記判定を行う、
請求項2に記載の動画データ生成システム。
【請求項5】
前記ゲーム再現手段は、ゲームの進行に応じて所定の特定エフェクトを発動させるエフェクト実行手段を有し、
前記サムネイル候補タイミング判定手段は、前記特定エフェクトの発動したタイミングを前記サムネイル候補条件として前記判定を行う、
請求項2?4の何れか一項に記載の動画データ生成システム。
【請求項6】
前記ゲーム再現手段は、前記キー入力情報が所定の特殊術技の発動操作入力であった場合に、プレーヤキャラクタに前記特殊術技を行わせる制御を実行する動作制御手段を有し、
前記サムネイル候補タイミング判定手段は、前記特殊術技の発動したタイミングを前記サムネイル候補条件として前記判定を行う、
請求項2?5の何れか一項に記載の動画データ生成システム。
【請求項7】
前記ゲーム再現手段は、プレーヤキャラクタに所定のアイテムを取得させる制御を実行するアイテム取得制御手段を有し、
前記サムネイル候補タイミング判定手段は、前記プレーヤキャラクタが前記アイテムを取得したタイミングを前記サムネイル候補条件として前記判定を行う、
請求項2?6の何れか一項に記載の動画データ生成システム。
【請求項8】
前記ゲームは、キャラクタ同士の対戦ゲームであり、
前記ゲーム再現手段は、登場するキャラクタを紹介する紹介場面を再現する紹介場面再現手段を有し、
前記サムネイル候補タイミング判定手段は、前記紹介画面が再現されたタイミングを前記サムネイル候補条件として前記判定を行う、
請求項2?7の何れか一項に記載の動画データ生成システム。」
「【0016】
[システムの構成]
図1は、本実施形態におけるシステム構成例を示すシステム構成図である。本実施形態におけるゲーム動画配信システム1400は、ゲームサーバ1410と、リプレイサーバ1420と、キャプチャサーバ1430と、動画配信サーバ1440と、動画変換サーバ1450とを含み、これらの各サーバの連携によって動画配信用の動画データを生成し、インターネットやローカルネットワーク、専用回線網、その他の回線網、及び通信を仲介する中継装置等でなる通信回線1を介したウェブサイトの閲覧が可能な携帯端末装置1500(外部端末装置)からの要求に応じて通信回線1を利用した動画配信をする。通信回線は、簡明化のために図中及び説明においては同一の符号を用いて説明するが、それぞれの通信形態に応じた通信網が構成されている。携帯端末装置1500としては、例えば携帯電話機、UMPC(Ultra-Mobile Personal Computer)、携帯型ゲーム装置、PDA(Personal Digital Assistant)といった情報処理装置が考えられる。」
「【0018】
業務用ゲーム装置1300は、具体的には、例えば図2に示すように、ゲーム装置本体1301に、(1)プレーヤが各種操作入力をするためのジョイスティック1306や複数のプッシュスイッチ1308といった入力デバイスが設けられた操作台1304と、(2)ゲーム画像を表示させるための液晶パネルディスプレイやCRTといった画像表示装置1322と、(3)スピーカ1324と、携行型の情報記憶媒体であるゲームカード1360からのデータ読み出しや書き込みをするゲームカードリーダライタ1330と、(4)コインカウンタ1340と、(5)制御ユニット1310と、図示されない電源装置とを備えて構成される。」
「【0022】
制御ユニット1310は、相手装置から受信した操作コードと、自装置への操作入力に基づく操作コードとに基づいて、3次元空間内に形成されたゲーム空間内のキャラクタのオブジェクトの動作等を制御する。そして、その様子を仮想カメラで撮影した画像をゲーム画面として生成し、適当なタイミングでBGMや効果音などのゲーム音を生成する。生成したゲーム画面は画像表示装置1322で表示され、生成したゲーム音はスピーカ1324で放音される。プレーヤは画像表示装置1322に映し出されるゲーム画面を見ながら、スピーカ1324から放音されるゲーム音を聞きつつゲームをプレイする。」
「【0024】
ゲームサーバ1410は、サーバアプリケーションソフトを実行するサーバ装置であり、記憶領域としてハードディスクなどのストレージ1412を備えている(図1参照)。
本実施形態では、先に述べたプレーヤ情報の登録・管理に係る処理をするととともに、対戦プレイに使用される一対の業務用ゲーム装置1300を登録して、それらから送信されるゲーム開始から終了に至るまでの操作コードをゲームプレイ単位のキーログデータとしてストレージ1412に構築されたキーログファイルライブラリ530に蓄積・登録する。そして、対戦ゲーム終了後に記憶したキーログデータを、所定の配信基準に照らして取捨選択し、動画配信に適当と判断したキーログデータを対戦した2名分のプレーヤ情報などとともに通信回線1を介してリプレイサーバ1420に送信する機能を実現する。
【0025】
リプレイサーバ1420は、業務用ゲーム装置1300の制御ユニット1310と同様の処理部を備えるとともにサーバアプリケーションソフトを実行するサーバ装置である。リプレイサーバ1420は、ゲームサーバ1410から受信したキーログデータに従って、業務用ゲーム装置1300で実現されたゲームプレイを再現し、その再現中のゲーム画像(ゲーム映像)及びゲーム音をケーブル4でキャプチャサーバ1430に出力する。
キャプチャサーバ1430は、動画キャプチャ機能を有するサーバ装置であり、リプレイサーバ1420から出力されたゲーム映像及びゲーム音を取り込み、所定の動画データ形式(動画フォーマット、ビデオフォーマットと同意)の動画データを生成し、ストレージ1432に構築された動画データライブラリ550に蓄積・登録する。」
「【0032】
[業務用ゲーム装置の機能構成の説明]
図3は本実施形態における業務用ゲーム装置1300の機能構成例を示す機能ブロック図である。業務用ゲーム装置1300は、操作入力部100と、カード読み書き部110と、処理部200と、音出力部350と、画像表示部360と、通信部370と、記憶部500とを備える。
【0033】
操作入力部100は、プッシュボタンや、レバー、タッチパッド、ダイヤル、キーボード、マウス、各種ポインタ、加速度センサ、傾斜センサなどの入力デバイスやセンサ類によって実現され、プレーヤによって為された各種の操作入力に応じて操作入力信号又は操作コードを処理部200に出力する。図2のジョイスティック1306やプッシュボタン1308がこれに該当する。」
「【0035】
処理部200は、例えばマイクロプロセッサや画像描画用プロセッサ、ASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリなどの電子部品によって実現され、各機能部との間でデータの入出力を行うとともに所定のプログラムやデータ及び操作入力部100からの操作入力信号に基づいて各種の演算処理を実行して業務用ゲーム装置1300の動作を制御する。図2では、ゲーム装置本体1301に内蔵された制御ユニット1310が該当する。そして、本実施形態における処理部200は、ゲーム演算部210と、操作コード送受信制御部212と、音生成部250と、画像生成部260と、通信制御部270とを備える。
【0036】
ゲーム演算部210は、対戦型格闘ゲームの進行に係る処理を実行する。例えば(1)3次元仮想空間中にゲーム空間(例えば、キャラクタが格闘を繰り広げるためのステージ)を形成する処理や、(2)ゲーム空間中に配置されたキャラクタ等のオブジェクトの配置制御処理、(3)操作入力部100への操作入力に基づく操作コード及び対戦相手の業務用ゲーム装置1300から取得した操作コードをもとにキャラクタの動作を制御する処理、(4)特定の条件を満たした場合にエフェクトを表示する処理、(5)攻撃技のヒット判定処理及びそのダメージ処理、(6)物理演算処理、(7)ゲーム結果の判定処理などが実行対象に含まれる。」
「【0038】
また、操作コード送受信制御部212は、自装置における操作コードを所定サイクルでゲームサーバ1410へ送信する処理を実行する。具体的には、図4に示すように、ゲーム開始前に、ヘッダー400として、自装置をネット空間で識別するためのゲーム装置識別情報401(例えば、IPアドレスなど)と、カード読み書き部110でゲームカード1360から読み出したプレーヤ情報402と、相手ゲーム装置識別情報411と、対戦プレイの開始日時412と、記憶装置500に予め記憶されている自装置の設置場所情報414と、ゲーム開始時にプレーヤによって選択されたゲームステージのステージ識別情報416を送信する。プレーヤ情報402には、例えば、ハンドルネーム404、プレーヤレベル406、使用キャラクタ種類408、通算勝敗数や連勝回数などの対戦履歴410といった情報を含む。
【0039】
そして、操作コード送受信制御部212は、ヘッダー400の送信に続いて、ゲーム開始からゲーム終了までの間、所定サイクルで自装置における操作入力に基づく操作コード420をゲーム装置識別情報417と、ゲーム開始からカウントされるフレーム番号418と対応づけて逐次送信する。そして、ゲーム終了時には何れのプレーヤが勝利したのか、それによる勝利プレーヤの連勝数などのプレイ結果情報422を送信する。」
「【0042】
画像生成部260は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、その制御プログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等の公知技術によって実現される。例えば画像生成部260は、ゲーム演算部210による処理結果に基づいて1フレーム時間(1/60秒)で1枚のゲーム画像を生成し、生成したゲーム画像の画像信号を画像表示部360に出力する。
【0043】
画像表示部360は、画像生成部260から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図2では画像表示装置1322がこれに該当する。」
「【0054】
ゲームサーバ1410は、サーバ管理のためにオペレータが何らかの操作入力をする為の操作入力部100と、処理部200Aと、サーバ管理の時に操作画面を表示するための画像表示部360と、通信部370と、記憶部500Aとを備える。」
「【0057】
本実施形態では、処理部200Aはキーログ管理部214と、キーログ送信制御部216と、統計処理部217とを含む。
【0058】
キーログ管理部214は、二つの業務用ゲーム装置1300からそれぞれ受信したヘッダー400やフレーム番号418、操作コード420などをゲームプレイ単位でまとめて一つのキーログファイル532を生成して記憶部500に構築されたキーログファイルライブラリ530に蓄積・登録する処理を実行する。また、キーログファイル532の内、登録日時から所定基準時間が経過したファイルを自動的に削除する管理処理を実行する。
【0059】
キーログファイル532は、例えば図6に示すように、(1)キーログ管理部214によって生成順に連番付与されるプレイID532aと、(2)登録日時532bと、(3)一方の業務用ゲーム装置1300から受信したヘッダー400に相当する第1ヘッダー532cと、(4)同ゲーム装置から受信したゲーム装置識別情報417、フレーム番号418及び操作コード420を時系列に格納した第1プレーヤキーログデータ532dと、(5)他方の業務用ゲーム装置1300から受信したヘッダー400に相当する第2ヘッダー532eと、(6)同ゲーム装置から受信したゲーム装置識別情報417、フレーム番号418及び操作コード420を時系列に格納した第2プレーヤキーログデータ532fとを含む。
【0060】
キーログ送信制御部216は、記憶部500Aの配信基準データ536に照らして、所定の配信基準を満たすキーログファイル532を、通信制御部270及び通信部370を介してリプレイサーバ1420に送信させる処理を実行する。」
「【0062】
ゲームサーバ1410の記憶部500Aには、図1のストレージ1412が含まれる。同記憶部500Aには、サーバシステムプログラム503と、処理部200Aをキーログ管理部214として機能させるためのキーログ管理プログラム504aと、統計処理部217として機能させるための統計処理プログラム504bと、キーログファイルライブラリ530と、配信基準データ536と、プレイ地区別配信統計データ538とが記憶される。
【0063】
配信基準データ536は、例えば図7に示すように、優先順536aと対応づけて選択基準536bと当該選択基準を満たす場合の選択確度を定義する選択確率536cとを格納する。キーログ送信制御部216は、優先順536aの順番に対象のキーログファイル532が同優先順536aに対応する選択基準536bを満たすか否かを判定し、基準を満たす場合には更に選択確率536cでの設定確率で実際の選択当否を決定し、選択された場合にはこれをリプレイサーバ1420に送信させる。
【0064】
選択基準536bは、ヘッダー400及びプレイ結果情報422(図4参照)に含まれる情報に基づいて動画配信の候補とするか否かを判定するための内容が定義されている。
例えば、本実施形態のように対戦型格闘ゲームの場合、「一方のプレーヤのプレーヤレベルが注目基準以上」や「一方のプレーヤの連勝回数が注目回数以上」などを選択基準に設定すると好適である。
また、動画配信ウェブサイトで対戦プレイの動画配信する目的の一つに、同じ地区で生活するプレーヤ間でのコミュニケーションの促進やきっかけ作りを含めるならば、配信される動画の元になった対戦プレイの場所に地区によって偏りが生じるのは得策ではない。よって、選択基準536bに、「プレイ地区別配信統計データにおいて他プレイ地区よりも配信用動画生成回数に基準以上の差がある」といった条件を含めると好適である。具体的には、地区別の動作生成回数の偏差値を算出し、偏差値が40未満の地区を選択するといった条件が考えられる。そして、当該条件の適/不適を判定するために、本実施形態ではゲームサーバ1410の記憶部500Aにはプレイ地区別配信統計データ538が記憶されている。」
「【0067】
リプレイサーバ1420は、外部装置から取得した1プレイ分の操作入力の履歴情報(キーログファイル532)に基づいてゲームプレイを再現する装置である。
リプレイサーバ1420は、サーバの管理のためにオペレータが何らかの操作入力をする為の操作入力部100と、処理部200Bと、通信部370と、記憶部500Bとを備える。」
「【0070】
本実施形態では、リプレイサーバ1420の処理部200Bは、業務用ゲーム装置1300におけるゲーム演算部210に相当するリプレイゲーム演算部218と、サムネイル画像生成部220と、インデックスデータ送信制御部222とを備える。」
「【0072】
サムネイル画像生成部220は、再現中のゲームプレイのゲーム進行状態が動画データのサムネイル画像の候補となる所定条件(サムネイル候補選択条件データ542)を満たす場合に、そのタイミングにおける動画のフレーム番号を逐次、記憶部500Bにサムネイル候補フレーム一覧544に登録する。そして、ゲーム終了後にサムネイル候補フレーム一覧544に登録されているフレーム番号から一つ選択して、そのフレーム番号に対応する画像を生成して所定形式のサムネイル画像を生成する。」
「【0081】
サムネイル候補選択条件データ542は、サムネイル画像の候補画像を選択するためのゲーム進行状態に関する条件を定義する情報であって、ゲームプレイで特徴的な画面や印象的な画面となるであろう条件が定義されている。」
「【0084】
また、「基準値以上の体力ゲージの減少」の条件は、体力ゲージのパラメータの変化量を監視することで条件との適合性を判断できる。この場合、大技が決まってダメージを受けた場面や、派手に投げ飛ばされているといった場面の画像を選択することができる。
【0085】
また、「所定のエフェクト処理開始」や「特定技モーションの開始」の条件では、それぞれ所定エフェクトの発動フラグや、実行中のモーションの識別情報を参照することで適合性を判断できる。これらの条件では、特定技が発動している画面を選択できるので、見た目にも格好良く人目を惹くサムネイル画像を作る事ができる。
【0086】
また、「特定武器のヒット」の条件では、キャラクタが使用する特定武器のオブジェクトが相手キャラクタのオブジェクトにヒットしたか否かで判定できる。この場合、武器による攻撃が決まった印象的な画面を選択できる。尚、ヒット判定の対象は相手キャラクタは勿論、所持する武器や防具でも良いし、特定の障害物、観客などのエキストラキャラクタなどゲームの内容に応じて適宜設定することができる。」
「【0088】
インデックスデータ546は、再現されたゲームのゲーム画像から作られる動画データの動画内容を知る手がかりや、複数の動画から当該データを選択するためのインデックスとなる情報を集めたデータであって、ゲームプレイ終了時にゲームプレイに一対一で生成される。具体的には、例えば図13に示すように、サムネイル画像データ546aと、インデックステキスト547とを含む。インデックステキスト547は、例えば再現されているゲームプレイの元になったキーログファイル532に含まれる情報が適宜コピーされる。例えば、プレイID547a、プレイ日時547b(登録日時532bに同じ)、設置場所情報547c、第1プレーヤ情報547d、第2プレーヤ情報547e、プレイ結果情報547fを含む。」
「【0090】
キャプチャサーバ1430は、リプレイサーバ1420で再現されたゲーム画像から動画データを生成するとともに、ストレージ1432に構築された動画データライブラリ550に登録・蓄積するサーバ装置である。
【0091】
キャプチャサーバ1430は、サーバ管理のためにオペレータが何らかの操作入力をする為の操作入力部100と、音入力部150と、映像入力部160と、処理部200Cと、画像表示部360と、通信部370と、記憶部500Cとを備える。キャプチャサーバ1430の記憶部500Cは、図1のストレージ1432を含む。」
「【0095】
本実施形態では、キャプチャサーバ1430の処理部200Cは、動画データ生成部224と、動画データライブラリ管理部226とを含む。
【0096】
動画データ生成部224は、音入力部150及び映像入力部160で入力した音声信号及び映像信号をデジタル化し、音声と映像とを同期させて所定の動画データ形式で動画データを生成する。そして、生成した動画データを、リプレイサーバ1420から受信したインデックスデータ546と対応づけて記憶部500C(特にストレージ1432)に構築された動画データライブラリ550に蓄積・登録する。
【0097】
具体的には、例えば図15に示すように、リプレイの音声及び映像の入力に前後して受信したインデックスデータ550a(実質的にはインデックスデータ546と同じ)と対応づけて、生成した動画データ550bと、対応する動画データの動画データ形式識別を格納する動画データ形式550cとを格納する。本実施形態では、デフォルトとしてAVI形式の動画データを生成するが、他の動画データ形式であっても良い。」
「【0104】
本実施形態における動画配信サーバ1440は、オペレータが管理操作するための操作入力部100と、処理部200Dと、管理操作に伴うインターフェースとして画像を表示するための画像表示部360と、通信部370と、記憶部500Dとを備える。動画配信サーバ1440の記憶部500Dには、図1のストレージ1442が含まれる。」
「【0107】
本実施形態では、動画配信サーバ1440の処理部200Dは、ウェブサイト管理制御部230と、動画配信制御部232と、データ形式適正化制御部234と、広告付与制御部236と、コンテンツライブラリ管理部238とを備える。」
「【0109】
動画配信制御部232は、動画配信ウェブサイトにアクセスしてきた携帯端末装置1500からの要求に応じて動画をストリーミング配信する為の制御を行う。動画配信の基本的な制御は、例えば公知の動画投稿サイトや、動画共有サイトにおけるサイト管理方法を適宜適用することで実現できる。
また、本実施形態における動画配信制御部232は、動画配信の要求が有った場合に、先ず記憶部500Dに構築されたコンテンツライブラリ568内から該当する動画データを含むコンテンツを検索配信する。コンテンツライブラリ568に該当するコンテンツが無ければ、キャプチャサーバ1430からに該当する動画データを対応するインデックスデータ550とともに取得し、これをコンテンツライブラリ568に登録して配信する制御を行う。
【0110】
データ形式適正化制御部234は、動画配信先の携帯端末装置1500から動画処理や動画表示能力に関する仕様情報、又はそれを元にして動画表示能力の仕様を判別することのできる情報を取得するとともに、配信予定の動画データのデータ形式の適/不適を判定する。そして、不適と判定した場合には、動画変換サーバ1450に配信予定の動画データと変換先のデータ形式についての情報を通信制御部270及び通信部370を介して送信させる。」
「【0126】
業務用ゲーム装置1300は、ゲーム処理を開始したならば(ステップS4)、従来のゲームと同様にして、互いの業務用ゲーム装置1300間で操作データ等の情報を随時通信・取得してゲームを進行制御する。そして、画像表示装置1222の描画フレーム毎に、ゲーム装置識別情報417と、フレーム番号418と、その時為された操作入力内容を示す操作コード420とをセットでゲームサーバ1410に送信し(ステップS6)、これをゲーム終了まで繰り返す(ステップS8のNO)。」
「【0138】
次いで、リプレイサーバ1420は、ゲームサーバ1410より受信したキーログファイル532の第1ヘッダー532c及び第2ヘッダー532eを元にして、インデックステキスト547(図13参照)を生成し(ステップS64)、先に生成したサムネイル画像を含むインデックスデータ546をキャプチャサーバ1430に送信する(ステップS66)。」
「【0144】
ページH4では更にインデックスデータ550aに含まれる情報やコンテンツライブラリ568の情報(例えば、最新配信日時568eや総配信回数568fなど)に基づいて選別できる幾つかのサブ分類表示32にリンクが設定されている。例えば「人気DL(ダウンロード)順」を選択すると、ページH6のように、動画データライブラリ一覧データ554のインデックスデータ550aのプレイ日時547b(図15参照)が本日で、コンテンツライブラリ568の総配信回数568fの降順に選択可能な動画案内34がスクロール可能に表示される。各動画案内34には、プレーヤの情報などのテキスト情報36ともにサムネイル画像38、リンク表示39が表示される。
【0145】
さて、ページH6のような動画案内34が表示された状態にて、携帯端末装置1500にてユーザが何れかの動画案内34のリンク表示39を選択操作すると、公知のウェブブラウズと同様に携帯端末装置1500は選択された動画の配信要求を動画配信サーバ1440に送信する(図23;ステップS102)。」
「【0161】
例えば、上記実施形態ではゲーム動画配信システム1400を複数のサーバ装置の連携によって実現する構成としているが、図26に示すように、単独のサーバ装置によってゲーム動画配信システム1400Bとすることができる。
この場合、ゲームサーバ1410、リプレイサーバ1420、キャプチャサーバ1430、動画配信サーバ1440、動画変換サーバ1450に分散していた機能ブロックを図27に示すように集約することができる。従って、処理の流れについても図21?図24で示したステップのうち、サーバ間におけるデータの送受信に関する処理を適宜省略することができる。また、ゲーム動画配信システム1000に含まれる各サーバ装置を全てひとまとめに実現するのではなく、例えばリプレイサーバ1420とキャプチャサーバ1430とをまとめて一台のサーバ装置で実現すると言った具合に適宜機能の集約を図ることもできる。」
上記甲第1号証の記載事項から、
ゲームサーバ1410は、対戦プレイに使用される一対の業務用ゲーム装置1300を登録して、それらから送信されるゲーム開始から終了に至るまでの操作コードをゲームプレイ単位のキーログデータとしてストレージ1412に構築されたキーログファイルライブラリ530に蓄積・登録するステップを有し、
リプレイサーバ1420は、ゲームサーバ1410から受信したキーログデータに従って、業務用ゲーム装置1300で実現されたゲームプレイを再現するステップ、その再現中のゲーム画像及びゲーム音をケーブル4でキャプチャサーバ1430に出力するステップ、及び再現されたゲームのゲーム画像から作られる動画データの動画内容を知る手がかりや、複数の動画から当該データを選択するためのインデックスとなる情報を集めたデータであるインデックスデータ546を、ゲームプレイ終了時にゲームプレイに一対一で生成するステップを有し、
キャプチャサーバ1430は、生成した動画データを、リプレイサーバ1420から受信したインデックスデータ546と対応づけて記憶部500Cに構築された動画データライブラリ550に蓄積・登録するステップを有し、
動画配信サーバの動画配信制御部232は、動画配信の要求が有った場合に、先ず記憶部500Dに構築されたコンテンツライブラリ568内から該当する動画データを含むコンテンツを検索配信するステップを有し、
動画配信ウェブサイトには、「人気DL(ダウンロード)順」を選択すると、動画データライブラリ一覧データ554のインデックスデータ550aのプレイ日時547bが本日で、コンテンツライブラリ568の総配信回数568fの降順に選択可能な動画案内34がスクロール可能に表示され、
上記ゲーム動画配信システム1400を構成する各サーバの処理ステップから、甲第1号証には、ゲーム動画配信システム1400における動画データ生成方法が記載されているものと認められる。

以上の記載によれば、甲第1号証には以下の発明が記載されていると認められる。(以下「引用発明1」という。)
「ゲームサーバ1410と、リプレイサーバ1420と、キャプチャサーバ1430と、動画配信サーバ1440と、動画変換サーバ1450とを含み、これらの各サーバの連携によって動画配信用の動画データを生成し、インターネットやローカルネットワーク、専用回線網、その他の回線網、及び通信を仲介する中継装置等でなる通信回線1を介したウェブサイトの閲覧が可能な携帯端末装置1500からの要求に応じて通信回線1を利用した動画配信をするゲーム動画配信システム1400における動画データ生成方法であって、
業務用ゲーム装置1300は、ゲーム装置本体1301に、(1)プレーヤが各種操作入力をするためのジョイスティック1306や複数のプッシュスイッチ1308といった入力デバイスが設けられた操作台1304と、(2)ゲーム画像を表示させるための液晶パネルディスプレイやCRTといった画像表示装置1322と、(3)スピーカ1324と、携行型の情報記憶媒体であるゲームカード1360からのデータ読み出しや書き込みをするゲームカードリーダライタ1330と、(4)コインカウンタ1340と、(5)制御ユニット1310と、電源装置とを備えて構成され、
ゲームサーバ1410は、対戦プレイに使用される一対の業務用ゲーム装置1300を登録して、それらから送信されるゲーム開始から終了に至るまでの操作コードをゲームプレイ単位のキーログデータとしてストレージ1412に構築されたキーログファイルライブラリ530に蓄積・登録するステップを有し、
リプレイサーバ1420は、ゲームサーバ1410から受信したキーログデータに従って、業務用ゲーム装置1300で実現されたゲームプレイを再現するステップ、その再現中のゲーム画像及びゲーム音をケーブル4でキャプチャサーバ1430に出力するステップ、及び再現されたゲームのゲーム画像から作られる動画データの動画内容を知る手がかりや、複数の動画から当該データを選択するためのインデックスとなる情報を集めたデータであるインデックスデータ546を、ゲームプレイ終了時にゲームプレイに一対一で生成するステップを有し、
キャプチャサーバ1430は、生成した動画データを、リプレイサーバ1420から受信したインデックスデータ546と対応づけて記憶部500Cに構築された動画データライブラリ550に蓄積・登録するステップを有し、
動画配信サーバの動画配信制御部232は、動画配信の要求が有った場合に、先ず記憶部500Dに構築されたコンテンツライブラリ568内から該当する動画データを含むコンテンツを検索配信するステップを有し、
動画配信ウェブサイトには、「人気DL(ダウンロード)順」を選択すると、動画データライブラリ一覧データ554のインデックスデータ550aのプレイ日時547bが本日で、コンテンツライブラリ568の総配信回数568fの降順に選択可能な動画案内34がスクロール可能に表示される、ゲーム動画配信システム1400における動画データ生成方法。」

(2)甲第2号証
本件特許の出願日前の平成27年1月22日に頒布された特開2015-13103号公報には、以下の記載がある。
「【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームに係る処理を行うゲーム処理部と、
前記ゲーム処理部にて処理されたゲームのプレイを再現するための再現用データを生成する再現用データ生成部と、
前記再現用データ生成部が生成した再現用データに対する編集処理の条件の入力を受け付ける編集条件受付部と、
前記編集条件受付部が受け付けた条件に基づいて、前記再現用データ生成部が生成した再現用データに対する編集処理を行う編集処理部と、
前記編集処理部が編集した再現用データに基づいて、ゲームのプレイを再現して表示部に表示する処理を行う再現処理部と
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記再現用データ生成部が生成する再現用データには、前記ゲーム内にて発生したイベントに関する情報を含み、
前記編集処理部は、前記編集条件受付部が受け付けた条件及び前記再現用データに含まれるイベントに関する情報に基づいて、再現用データに対する編集処理を行う、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記再現用データ生成部が生成した再現用データに基づき、前記ゲーム内にて発生したイベントに関する情報を生成するイベント情報生成部を備え、
前記編集処理部は、前記編集条件受付部が受け付けた条件及び前記イベント情報生成部が生成した情報に基づいて、再現用データに対する編集処理を行う、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ゲームは、1つ以上のキャラクタが動作するゲームであり、
前記イベントに関する情報は、イベントに関与したキャラクタに係る情報、イベントの種別又はイベントの発生タイミングに係る情報を含む、請求項2又は請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ゲームは、複数のキャラクタが動作するゲームであり、
前記編集条件受付部が受け付ける条件は、再現対象のキャラクタ、再現するイベントの種別又は再現時間の少なくとも1つを含む、請求項2乃至請求項4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ゲームは、複数のキャラクタが動作するゲームであり、
前記編集条件受付部は、再現対象のキャラクタを条件として受け付け、
前記編集処理部は、前記再現用データ生成部が生成した再現用データから、前記編集条件受付部が受け付けたキャラクタに係るイベントが発生した部分を少なくとも抽出する処理を行う、請求項2乃至請求項4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記編集条件受付部は、複数のキャラクタを受け付け可能であり、
前記編集処理部は、各キャラクタに関して抽出量が同程度となるように、再現用データからイベントが発生した部分を抽出する、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記編集処理部は、前記再現用データ生成部が生成した再現用データから、所定のイベントが発生した部分を抽出する処理を行い、
前記編集条件受付部は、前記編集処理部が抽出するイベントに関する条件を受け付ける、請求項2乃至請求項4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記編集処理部は、前記編集条件受付部が受け付けた条件に応じて、抽出するイベントの全体に対する各イベント種別の含有率を変化させる、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記編集条件受付部が受け付ける条件と抽出するイベント種別の含有率との対応情報を記憶する記憶部を備え、
前記編集処理部は、前記編集条件受付部が受け付けた条件に応じて前記記憶部から取得した対応情報に基づき、再現用データからイベントが発生した部分を抽出する、請求項8又は請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記編集条件受付部は、前記編集処理部が編集した再現用データによるゲームの再現時間の条件を受け付け、
前記編集処理部は、編集後の再現用データによるゲームの再現時間が前記編集条件受付部にて受け付けた再現時間となるように、前記再現用データ生成部が生成した再現用データから、所定のイベントが発生した部分を抽出する、請求項2乃至請求項4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記編集処理部は、前記再現用データ生成部が生成した再現用データから複数の部分を抽出し、該複数の部分による再現時間の合計が前記編集条件受付部にて受け付けた再現時間を超えた場合、各部分の冒頭又は末尾を削除して再現時間を調整する、請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記編集処理部は、前記再現用データから抽出した部分が時系列的に再現されるよう、該再現用データを編集する、請求項6乃至請求項12のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記ゲーム処理部は、3次元仮想空間内でキャラクタが動作するゲームにおいて、前記3次元仮想空間内に配置された仮想カメラに基づいて生成した2次元画像を表示部に表示する処理を行い、
前記編集処理部は、イベントの種別に応じてゲームのプレイを再現する際の仮想カメラの挙動を変化させる、請求項2乃至請求項13のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記編集処理部は、前記ゲーム処理部によるゲームの結果に応じて、前記再現用データ生成部が生成した再現用データを編集する、請求項1乃至請求項14のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記ゲームは、複数のキャラクタが動作するゲームであり、
前記編集条件受付部は、再現対象のキャラクタを条件として受け付け、
前記編集処理部は、前記編集条件受付部が受け付けたキャラクタに関するゲームの結果に応じて、前記再現用データ生成部が生成した再現用データを編集する、請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記再現処理部による再現用データに基づくゲームのプレイの再現中に、該再現用データに係るイベントに関する情報に基づいてゲームのプレイの再現を演出する、請求項2又は請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記再現処理部によるゲームのプレイの再現中に、一又は複数のキャラクタを前記表示部に表示するキャラクタ表示処理部と、
前記再現処理部によるゲームのプレイの再現に伴って、前記キャラクタ表示処理部が表示するキャラクタに、前記イベントに関する情報に応じた動作を行わせるキャラクタ動作処理部と
を備える、請求項17に記載の情報処理装置。
【請求項19】
ゲームに係る処理を行うゲーム処理部と、
前記ゲーム処理部にて処理されたゲームのプレイを再現するための再現用データを生成する再現用データ生成部と、
前記再現用データ生成部が生成した再現用データに基づいて、ゲームのプレイを再現して表示部に表示する処理を行う再現処理部と
を備え、
前記再現処理部による再現用データに基づくゲームのプレイの再現中に、前記ゲーム内にて発生したイベントに基づいてゲームのプレイの再現を演出する、情報処理装置。
【請求項20】
前記再現処理部によるゲームのプレイの再現中に、一又は複数のキャラクタを前記表示部に表示するキャラクタ表示処理部と、
前記再現処理部によるゲームのプレイの再現に伴って、前記キャラクタ表示処理部が表示するキャラクタに、前記イベントに応じた動作を行わせるキャラクタ動作処理部と
を備える、請求項19に記載の情報処理装置。
【請求項21】
ゲームに係る処理を行うゲーム処理部と、
前記ゲーム処理部にて処理されたゲームのプレイを再現するための再現用データを生成する再現用データ生成部と、
前記再現用データ生成部が生成した再現用データに対する編集処理の条件の入力を受け付ける編集条件受付部と、
前記編集条件受付部が受け付けた条件に基づいて、前記再現用データ生成部が生成した再現用データに対する編集処理を行う編集処理部と、
前記編集処理部が編集した再現用データに基づいて、ゲームのプレイを再現して表示部に表示する処理を行う再現処理部と
を備える、情報処理システム。
【請求項22】
ゲームに係る処理を行うゲーム処理部と、
前記ゲーム処理部にて処理されたゲームのプレイを再現するための再現用データを生成する再現用データ生成部と、
前記再現用データ生成部が生成した再現用データに基づいて、ゲームのプレイを再現して表示部に表示する処理を行う再現処理部と
を備え、
前記再現処理部による再現用データに基づくゲームのプレイの再現中に、前記ゲーム内にて発生したイベントに基づいてゲームのプレイの再現を演出する、情報処理システム。
【請求項23】
コンピュータを、
ゲームに係る処理を行うゲーム処理手段と、
前記ゲーム処理手段にて処理されたゲームのプレイを再現するための再現用データを生成する再現用データ生成手段と、
前記再現用データ生成手段が生成した再現用データに対する編集処理の条件の入力を受け付ける編集条件受付手段と、
前記編集条件受付手段が受け付けた条件に基づいて、前記再現用データ生成手段が生成した再現用データに対する編集処理を行う編集処理手段と、
前記編集処理手段が編集した再現用データに基づいて、ゲームのプレイを再現して表示部に表示する処理を行う再現処理手段
として動作させる、情報処理プログラム。
【請求項24】
コンピュータを、
ゲームに係る処理を行うゲーム処理手段と、
前記ゲーム処理手段にて処理されたゲームのプレイを再現するための再現用データを生成する再現用データ生成部と、
前記再現用データ生成部が生成した再現用データに基づいて、ゲームのプレイを再現して表示部に表示する処理を行う再現処理部と、
前記再現処理手段による再現用データに基づくゲームのプレイの再現中に、前記ゲーム内にて発生したイベントに基づいてゲームのプレイの再現を演出する手段
として動作させる、情報処理プログラム。
【請求項25】
ゲームに係る処理を行うゲーム処理ステップと、
前記ゲーム処理ステップにて処理されたゲームのプレイを再現するための再現用データを生成する再現用データ生成ステップと、
前記再現用データ生成ステップにて生成した再現用データに対する編集処理の条件の入力を受け付ける編集条件受付ステップと、
前記編集条件受付ステップにて受け付けた条件に基づいて、前記再現用データ生成ステップにて生成した再現用データに対する編集処理を行う編集処理ステップと、
前記編集処理ステップにて編集した再現用データに基づいて、ゲームのプレイを再現して表示部に表示する処理を行う再現処理ステップと
を含む、情報処理方法。
【請求項26】
ゲームに係る処理を行うゲーム処理ステップと、
前記ゲーム処理ステップにて処理されたゲームのプレイを再現するための再現用データを生成する再現用データ生成ステップと、
前記再現用データ生成ステップにて生成した再現用データに基づいて、ゲームのプレイを再現して表示部に表示する処理を行う再現処理ステップと、
前記再現処理ステップによる再現用データに基づくゲームのプレイの再現中に、前記ゲーム内にて発生したイベントに基づいてゲームのプレイの再現を演出するステップと
を含む、情報処理方法。」
「【0034】
<システム概要>
図1は、本実施の形態に係る情報処理システムの概略を説明するための模式図である。本実施の形態に係る情報処理システムは、複数のゲーム機1が投稿サーバ3及び動画サーバ5との通信を行うことによって、ゲームのリプレイに係るデータの共有を実現する。ゲーム機1は、ユーザがゲームをプレイした際に、そのプレイ状況を再現するためのリプレイデータを生成する。本実施の形態においてリプレイデータは、ゲームにおけるプレイヤキャラクタ、敵キャラクタ、背景及び障害物等のオブジェクトの位置、位置変化、移動軌跡、行った動作、形状、色及びテクスチャ等の情報、並びに、ユーザによるゲーム操作情報等を含み得るものであり、ゲーム機1又は同様のゲームを実現するゲームプログラム等が読み込むことによってゲームのプレイ状況を再現することができるに足るデータである。ユーザは、ゲーム機1を利用して、リプレイデータに対するコメントを作成し、リプレイデータ及びコメントを投稿サーバ3へ投稿する。
【0035】
またゲーム機1は、生成したリプレイデータを、動画データに変換することができる。本実施の形態において動画データは、例えばMPEG(Moving Picture Expert Group)又はH.264等の形式のデータであり、同様のゲームを実現できない装置、例えばPC、スマートフォン又はタブレット型端末装置等であっても再生することができるデータである。ユーザは、ゲーム機1を利用して、リプレイデータを動画データに変換し、変換した動画データを動画サーバ5に投稿することができる。
【0036】
投稿サーバ3は、複数のゲーム機1から投稿されたリプレイデータ及びコメントを対応付けて記憶している。また投稿サーバ3は、ゲーム機1にてリプレイデータ及び動画データの両方が投稿された場合、動画データの記憶場所などに関する情報を記憶しておくことによって、リプレイデータ及び動画データの対応付けを行う。投稿サーバ3は、記憶したリプレイデータ及びコメントを、複数のゲーム機1に対して送信する。同様に動画サーバ5は、複数のゲーム機1から投稿された動画データを記憶しており、記憶した動画データを複数のゲーム機1に対して送信する。」
「【0042】
また本実施の形態に係るゲーム機1は、処理部10がゲームプログラム92を実行することにより、ゲーム処理部21、リプレイデータ生成部22、コメント処理部23、投稿処理部24、リプレイデータ要求部25、表示処理部26、編集処理部27及びキャラクタ処理部28等がソフトウェア的な機能ブロックとして実現される。
【0043】
ゲーム処理部21は、操作部14にて受け付けたユーザの操作などに応じて、ゲームに関する種々の判定処理又はイベント処理等を行う。またゲーム処理部21は、記憶部11のリプレイデータ記憶部11aに記憶されたリプレイデータに基づいて、ゲームのプレイを再現する処理を行う。リプレイデータ生成部22は、ゲーム処理部21にて行われたゲームを再現するためのリプレイデータを生成して記憶部11に記憶する処理を行う。またリプレイデータ生成部22は、リプレイデータをMPEG形式などの動画データに変換する処理を行う。」
「【0047】
表示処理部26は、ゲーム処理部21の処理結果に応じたゲーム画面を生成して表示部13へ与えることにより、表示部13にゲーム画面を表示する処理を行う。また表示処理部26は、記憶部11に記憶されたリプレイデータに基づいてゲーム処理部21によるゲームプレイの再現を表示部13に表示する処理を行う。また表示処理部26は、記憶部11に記憶されているリプレイデータのリスト表示、及び、投稿サーバ3が送信するリプレイデータ又は動画サーバ5が送信する動画データのリスト表示等を行う。」
「【0062】
リプレイデータ生成部22は、ゲーム処理部21のゲーム処理の過程にて生成される車輌の位置、向き及び速度等の情報、又は、ユーザによる操作内容などの情報等を、1回のゲームについて収集したものをリプレイデータとして生成する。リプレイデータ生成部22が生成するリプレイデータは、ゲーム処理部21が読み込むことによって、既に行われたゲームのプレイ状況を再現して表示部13に表示するのに足るデータが含まれている。リプレイデータは、一般的に、オブジェクトの位置、向き及び速度等の情報に基づくものと、ユーザの操作内容などの情報に基づくものとの2種がある。本実施の形態においては、リプレイデータにオブジェクトの位置、向き及び速度等の情報を含むものとして以降の説明を行う。ただしリプレイデータは、ユーザの操作内容などの情報を含むものであってもよい。リプレイデータ生成部22は、生成したリプレイデータを記憶部11のリプレイデータ記憶部11aに記憶する。
【0063】
またリプレイデータ生成部22は、生成した1回分のゲームのリプレイデータを基に、再現時間を短縮したリプレイデータを生成することができる。本実施の形態においては、再現時間を短縮されたリプレイデータをハイライトデータといい、再生時間を短縮されていない元のリプレイデータを全リプレイデータという。またリプレイデータは、全リプレイデータ及びハイライトデータを含むものとする。」
「【0078】
<リプレイデータ投稿受付>
ゲーム機1から投稿されたリプレイデータ及びコメントは、投稿サーバ3にて受け付けられる。投稿の受付処理は、処理部30の投稿受付部41にて行われる。投稿受付部41は、通信部33にて受信したゲーム機1からのリプレイデータを記憶部31のリプレイデータ記憶部31aに記憶すると共に、受信したコメントをコメントデータ記憶部31bに記憶する。リプレイデータ記憶部31aには、投稿された複数のリプレイデータを管理するためのリプレイデータ管理テーブルが記憶されている。またコメントデータ記憶部31bには、投稿された複数のコメントを管理するためのコメント管理テーブルが記憶されている。投稿受付部41は、投稿されたリプレイデータ及びコメントを記憶する際に、リプレイデータ管理テーブル及びコメント管理テーブルを更新する。
【0079】
図8は、リプレイデータ管理テーブルの一例を示す模式図である。リプレイデータ管理テーブルには、リプレイデータ記憶場所、コメント記憶場所、投稿者情報、動画データ記憶場所及びその他情報等が対応付けて記憶されている。リプレイデータ記憶場所は、記憶部31のリプレイデータ記憶部31aにて、リプレイデータが記憶されているアドレスの情報である。更にリプレイデータのサイズなどの情報を記憶してもよい。コメント記憶場所は、リプレイデータに対して投稿者が付与したコメントが記憶されているコメントデータ記憶部31bのアドレスの情報である。
【0080】
投稿者情報は、リプレイデータを投稿したユーザに関する情報であり、例えばユーザID(IDentifier)、ユーザの似顔絵として表示する画像、又は、ユーザの分身として表示するキャラクタに関する情報等が含まれ得る。動画データ記憶場所は、リプレイデータと共に動画データが作成されて動画サーバ5へ投稿された場合に設定される情報であり、対応する動画データが記憶されている動画サーバ5のアドレス情報である。動画データ記憶場所として設定されるアドレス情報は、動画サーバ5のURL(Uniform Resource Locator)又はIP(Internet Protocol)アドレス等の情報を含むものであってよく、投稿サーバ3が動画データにアクセスすることができる情報であればよい。その他情報は、例えばリプレイデータが投稿された日時情報、又は、プレイされたゲームの名称等の情報を含むことができる。」
「【0152】
また本実施の形態においては、情報処理装置としてゲーム機1を例に説明を行ったが、これに限るものではない。例えば汎用のコンピュータ、タブレット型端末装置又は携帯電話機等の種々の情報処理装置に同様の技術を適用可能である。また情報処理システムの装置構成及び各装置における機能の分担は、本実施の形態にて説明したものに限らない。例えば本実施の形態においてゲーム機1の機能として説明したものの少なくとも一部を、投稿サーバ3又は動画サーバ5が有していてもよい。また逆に、投稿サーバ3又は動画サーバ5の機能として説明したものの少なくとも一部を、ゲーム機1が有していてもよい。また投稿サーバ3又は動画サーバ5の機能は、1つのサーバ装置にて実現されるのではなく、複数のサーバ装置にて実現されるものであってよい。」
「【0170】
また、実施の形態2に係るゲーム機1が投稿するリプレイデータは、ゲームの全プレイを含む全リプレイデータであってもよく、再現時間を短縮したハイライトデータであってもよい。ハイライトデータの生成方法は、前述の実施の形態1に示した方法を採用してもよく、後述の実施の形態3に示す方法を採用してもよい。実施の形態2に係る情報処理システムでは、全リプレイデータ又はハイライトデータのいずれを投稿する場合であっても、ゲーム機1が動画サーバ5へ投稿する動画データは、投稿サーバ3へ投稿するリプレイデータと同内容のものとする。ただしゲーム機1は、投稿サーバ3へ全リプレイデータを投稿し、動画サーバ5へハイライトデータを動画データに変換したものを投稿する構成としてもよい。」
「【0179】
ゲーム機1のリプレイデータ生成部22は、ゲーム処理部21のゲーム処理の過程にて生成される車輌の位置、向き及び速度等の情報、又は、ユーザによる操作内容などの情報等を、1回のゲームにおいて全車輌について収集したものを全リプレイデータとして生成する。実施の形態3に係るリプレイデータ生成部22は、ゲーム中に所定のイベントが発生した場合、このイベントに関する情報をイベントデータとしてリプレイデータに付加する。
【0180】
実施の形態3においては、ゲームの再現に必要な車輌の位置などの情報に加えて、上記のイベントデータを含むものをリプレイデータ(全リプレイデータ、ハイライトデータ)という。このため実施の形態3に係る情報処理システムにてゲーム機1から投稿サーバ3へ投稿されるリプレイデータ、及び、投稿サーバ3からゲーム機1へ配信されるリプレイデータには、イベントデータが含まれている。
【0181】
イベントデータとして情報が付加されるイベントは、例えばレーシングゲームにおいてある車輌が他の車輌を追い抜いたイベント、複数台の車輌が衝突したイベント、車輌がドリフト走行したイベント、車輌がコースアウトしたイベント、車輌がジャンプしたイベント、レースのスタート又はゴール等のイベントなどを採用し得る。また例えばアクションゲームにおいて、キャラクタがジャンプなどの特定の動作を行ったイベント、あるキャラクタが別のキャラクタを攻撃したイベント、キャラクタが特定のアイテムを使用したイベントなどを採用し得る。イベントデータとして情報を付加するイベントは、上記のものに限らず、ゲームの種別及び内容等に適したものを採用することができる。
【0182】
1つのイベントにつきイベントデータとして記録される情報には、イベント番号、車輌番号、発生タイミング、イベント種別番号、イベント詳細情報、イベント間情報等が含まれる。イベントデータのイベント番号は、各イベントに対して一意に付される番号であり、例えばイベントの発生順に付される通し番号とすることができる。
【0183】
イベントデータに含まれる車輌番号は、このイベントに関わった車輌を特定するための番号である。例えば10台の車輌がレースに参加している場合、各車輌に1?10の番号を付し、イベントデータにはイベントにかかわった車輌の番号を記録しておく。なお1つのイベントに複数の車輌が関わっている場合、車輌番号として複数の番号が記録される。
【0184】
イベントデータに含まれる発生タイミングは、レースにおいてイベントが発生したタイミングを特定するための情報である。発生タイミングは、例えばレース開始からの経過時間としてもよく、また例えばゲーム画面の更新数(いわゆるフレーム数)としてもよく、これら以外のものとしてもよい。また発生タイミングは、例えばレース開始から30.25秒のように1時点を記録してもよく、また例えばレース開始から10.10秒?14.75秒のようにイベントの開始から終了までの区間として記録してもよい。」
「【0188】
ゲーム機1のリプレイデータ生成部22は、ゲームのプレイに伴ってリプレイデータを生成する際、ゲーム中にイベントが発生したか否かを判定する。リプレイデータ生成部22は、イベントが発生したと判定した場合、上記のようなイベントデータを生成してリプレイデータに付加する。実施の形態3に係るゲーム機1では、ユーザが好みの条件を設定し、リプレイデータ生成部22が生成した全リプレイデータを編集してハイライトデータを生成することができる。ゲーム機1の編集処理部27は設定された編集条件に従って全リプレイデータからイベント箇所を抽出し、抽出した複数のイベントを時系列的に再現するハイライトデータを生成する。
【0189】
図25は、実施の形態3に係るゲーム機1が表示する編集条件設定画面の一例を示す模式図である。図示の編集条件設定画面では、注目車輌、優先イベント、再現時間及びサウンドの4つの条件を設定することができる。編集条件設定画面には、設定可能な複数の条件が上下に並べて表示されている。各条件は、左側に条件名が表示され、右側に現時点で設定されている条件が表示されている。現時点の設定は、その左右に付された矢印アイコンに対する操作を行うことで変更することができる。
【0190】
編集条件の注目車輌は、ハイライトデータをいずれの車輌に注目して生成するかを設定するための条件である。ゲーム機1は、全リプレイデータから注目車輌として設定された車輌のプレイを優先して抽出してハイライトデータを生成する。本例において編集条件設定画面には4つの注目車輌の設定箇所が設けられており、ユーザは注目車輌として1?4台の車輌を設定することができる。ただし必ず1台の車輌を設定する必要がある。」
「【0197】
編集条件のサウンドは、ハイライトデータに効果音及びBGMを付すか否かを設定するものである。本実施の形態においてサウンドの設定は、サウンドなし、効果音のみ、BGMのみ、両方のいずれか1つが設定される。
【0198】
ゲーム機1は、ゲーム処理部21によるゲーム処理により1つのレースが終了した後、リプレイデータ生成部22が生成したリプレイデータに基づくリプレイの表示を行う。このときにゲーム機1は、リプレイデータの編集を行うか否かの選択を受け付ける。リプレイデータの編集を行う選択がなされた場合、実施の形態3に係るゲーム機1は、図25に示した編集条件設定画面を表示し、編集条件の入力を受け付ける。編集条件が確定した場合、ゲーム機1の編集処理部27は、全リプレイデータから設定された条件に適したイベントを抽出してハイライトデータを生成する。」
「【0206】
即ち、実施の形態3においてハイライトデータは、全リプレイデータに対して更に情報を付加したものである。ゲーム機1から投稿サーバ3へハイライトデータを投稿する場合、全リプレイデータにハイライト表示用情報を付加したハイライトデータが送信される。投稿サーバ3からゲーム機1へ配信されるハイライトデータも同様に、全リプレイデータにハイライト表示用情報を付加したものとなる。これにより投稿サーバ3からハイライトデータをゲーム機1にて受信したユーザは、自らが生成したリプレイデータと同様の方法で、他のユーザが生成したリプレイデータを編集することができる。」
「【0217】
また複数の車輌のキャラクタが動作するゲームである場合、ゲーム機1は、編集条件として再現対象のキャラクタの条件、注目車輌の条件を受け付ける。ゲーム機1は、注目車輌として設定された車輌が関わったイベントを抽出してハイライトデータを生成する。また注目車輌が複数設定された場合、各車輌に関して抽出量が同程度となるように、イベントの抽出を行う。」
「【0223】
またゲーム機1から投稿サーバ3へ送信するリプレイデータにはイベントデータが含まれるものとしたが、これに限るものではなく、イベントデータを削除したリプレイデータを送信してもよい。また全リプレイデータにハイライト表示用情報を付したものをハイライトデータとしたが、これに限るものではない。全リプレイデータから必要なイベントに関するデータのみを抽出して結合したものをハイライトデータとしてもよい。」
「【0225】
またゲーム機1は、設定された編集条件が同じであれば生成されるハイライトデータの内容が同じとなるよう乱数を発生させる構成としたが、これに限るものではない。編集条件が同じであっても、ハイライトデータを生成する都度、その内容が変化する構成であってもよい。」

以上の記載によれば、甲第2号証には以下の発明が記載されていると認められる。(以下「引用発明2」という。)
「ゲームに係る処理を行うゲーム処理ステップと、
前記ゲーム処理ステップにて処理されたゲームのプレイを再現するための再現用データを生成する再現用データ生成ステップと、
前記再現用データ生成ステップにて生成した再現用データに対する編集処理の条件の入力を受け付ける編集条件受付ステップと、
前記編集条件受付ステップにて受け付けた条件に基づいて、前記再現用データ生成ステップにて生成した再現用データに対する編集処理を行う編集処理ステップと、
前記編集処理ステップにて編集した再現用データに基づいて、ゲームのプレイを再現して表示部に表示する処理を行う再現処理ステップと
を含む、情報処理方法。」

(3)甲第3号証
本件特許の出願日前の平成21年4月6日に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった「鉄拳5 Wikipedia」、[online]、平成21年5月3日保存、平成29年6月2日検索、インターネット<http://web.archive.org/web/20090503211647/https://ja.wikipedia.org/wiki/鉄拳5>には、以下の記載がある。
「『鉄拳5』(Tekken 5)は、ナムコより2004年に発売された3D対戦型格闘ゲームである。(1頁3行)
・アーケード版鉄拳5DARK RESURRECTION:2005年12月稼動開始(SYSTEM256)」(1頁36行)
「・風間飛鳥

・三島平八

・リリ

・マーシャル・ロウ」(3頁左下部 登場人物欄)

(4)甲第4号証
本件特許の出願日前の平成19年4月16日に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった「中級アーケードゲーマーの頑張り」、[online]、平成19年12月29日保存、平成29年6月2日検索、インターネット<http://web.archive.org/web/20071229191508/http://d.hatena.ne.jp/navy_fia/20070416>には、以下の記載がある。
「なんと鉄拳5DRで鉄拳王(黒)に昇格!!
と言ってもPS3版ですが。(笑)」(1頁記述1?2行)
「ちなみにPSP版では鉄拳王(黒)の上(鉄拳王(拳神)だったかな)があったようですが、PS3版ではアーケードと同様に鉄拳王(黒)が最高段位です。
一応下記に段位を載せます。」(1頁記述16?18行)
「(級レベル)入門生?一級 →
(段レベル)初段?七段 →
(灰色称号)師範→皆伝→拳士→拳達→拳豪→拳聖→
(緑称号)餓狼→修羅→羅刹→豪傑→無双→
(青称号)風神→雷神→闘神→武神→
(赤称号)龍王→鉄拳王→鉄拳王(黒)」(1頁記述25?30行)

(5)甲第5号証
本件特許の出願日前の平成17年1月21日に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった「ナムコ、PS2「鉄拳5」最新情報!段位システム、タイムリリースキャラなどを公開」、[online]、平成21年9月6日保存、平成29年6月2日検索、インターネット<http://web.archive.org/web/20090906083411/http://game.watch.impress.co.jp:80/docs/20050121/tk5.htm>には、以下の記載がある。
「株式会社ナムコは、3月31日に発売を予定しているプレイステーション2用3D対戦格闘ゲーム「鉄拳5」の最新情報を公開した。
■段位システム
プレーヤーの腕前を知るひとつの目安として「段位」を判定してくれる段位システム。段位が近いもの同士が対戦を行なうと、勝敗によってプレーヤーの段位が変動する。このシステムは、アーケード版と全く同じであるが、家庭用では「アーケードバトルモード」に登場する段位を持ったゴーストキャラクタを倒すことによって段位が変動する。」(1頁5?11行)

(6)甲第6号証
本件特許の出願日前の平成25年7月4日に頒布された特開2013-128586号公報には、以下の記載がある。
「【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーがゲームを行う際に利用する複数のユーザー端末がネットワークを介して接続されるように構成されたサーバー装置であって、
前記ユーザー端末で前記ユーザーがプレイした前記ゲームのプレイ画像を再現する際に利用される複数のリプレイ情報を記憶する記憶部と、
複数の前記ユーザー端末のうちのいずれかのユーザー端末から前記ゲームのプレイ画像を再現することを要求するリプレイ再生要求を受信した場合に、前記記憶部に記憶された複数の前記リプレイ情報のうちから、前記ゲームを行ったユーザーの技量を定めた所定条件に適合するリプレイ情報を抽出する制御部と、
を有することを特徴とするサーバー装置。
【請求項2】
請求項1に記載のサーバー装置であって、前記抽出されたリプレイ情報を、前記リプレイ再生要求を送信した前記ユーザー端末にネットワークを介して送信する通信部をさらに有することを特徴とするサーバー装置。
【請求項3】
請求項1に記載のサーバー装置であって、
前記ユーザーが行う前記ゲームは、所定のゲームプログラムが実行されることによって進行する対戦ゲームであって、予め設定されたゲーム進行単位毎に敵キャラクターとの対戦を行うことによって勝敗を決定する対戦ゲームであり、
前記所定条件は、前記敵キャラクターに勝つことと、前記ゲーム進行単位で行われる対戦回数が所定回数よりも少ないことと、を含み、
前記リプレイ情報には、前記敵キャラクターに勝ったときの前記対戦回数に関する情報が含まれており、
前記制御部は、前記リプレイ再生要求を受け取ったときに、前記記憶部に記憶された複数の前記リプレイ情報それぞれの前記対戦回数に関する情報について前記所定条件に適合するか否かを判定して、適合する前記リプレイ情報を抽出することを特徴とするサーバー装置。
【請求項4】
請求項1に記載のサーバー装置であって、
前記所定条件は、前記敵キャラクターに設定された強さを示すパラメーターが所定値よりも高いことが含まれており、
前記リプレイ情報には、対戦した前記敵キャラクターの前記パラメーターを含む敵キャラクター情報が含まれており、
前記制御部は、複数の前記リプレイ情報それぞれの前記敵キャラクター情報について前記所定条件に適合するか否かを判定して、適合する前記リプレイ情報を抽出することを特徴とするサーバー装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載されたサーバー装置であって、
前記制御部は、前記ユーザー端末から前記リプレイ再生要求を受信した際に、前記所定条件に関してユーザーが指定する指定情報を受け取った場合に、前記記憶部に記憶された複数の前記リプレイ情報のうちから、前記指定情報に基づく前記リプレイ情報を抽出することを特徴とするサーバー装置。
【請求項6】
請求項1に記載されたサーバー装置であって、
前記制御部は、抽出された前記リプレイ情報に基づいて、前記リプレイ再生要求を送信した前記ユーザー端末で再現可能なプレイ画像を生成し、
生成された前記プレイ画像を、前記リプレイ再生要求を送信した前記ユーザー端末にネットワークを介して配信することを特徴とするサーバー装置。
【請求項7】
ユーザーがゲームを行う際に利用する複数のユーザー端末がネットワークを介して接続されるように構成されたコンピューターにより実行されるプログラムであって、
前記コンピューターに、
前記ユーザー端末で前記ユーザーがプレイした前記ゲームのプレイ画像を再現する際に利用される複数のリプレイ情報を記憶部に記憶する処理と、
複数の前記ユーザー端末のうちのいずれかのユーザー端末から前記ゲームのプレイ画像を再現することを要求するリプレイ再生要求を受信した場合に、前記記憶部に記憶された複数の前記リプレイ情報のうちから、前記ゲームを行ったユーザーの技量を定めた所定条件に適合するリプレイ情報を制御部により抽出する処理と、
抽出された前記リプレイ情報に基づいて、前記リプレイ再生要求を送信した前記ユーザー端末で再現可能なプレイ画像を生成する処理と、
を実行させるためのプログラム。
【請求項8】
複数のユーザーがネットワークを介してゲームを行うゲームシステムであって、
前記ゲームを行う際に複数の前記ユーザーがそれぞれ操作入力する入力部と、
前記ユーザー端末で前記ユーザーがプレイした前記ゲームのプレイ画像を再現する際に利用される複数のリプレイ情報を記憶する記憶部と、
複数の前記ユーザー端末のうちのいずれかのユーザー端末から前記ゲームのプレイ画像を再現することを要求するリプレイ再生要求を受信した場合に、前記記憶部に記憶された複数の前記リプレイ情報のうちから、前記ゲームを行ったユーザーの技量を定めた所定条件に適合する前記リプレイ情報を抽出し、抽出された前記リプレイ画像に基づいて、前記リプレイ再生要求を送信した前記ユーザー端末で再現可能なプレイ画像を生成する制御部と、
を有することを特徴とするゲームシステム。」
「【0041】
このようにして勝敗が決定されることによって対戦ゲーム(1ゲーム分)が終了すると、対戦したユーザーのキャラクターに関する情報や、対戦した敵キャラクターに関する情報や、当該対戦ゲームのプレイ履歴に関する情報が、リプレイ情報として記録される。そのため、対戦ゲームが終了した後に、記録したリプレイ情報に基づいて、ユーザーが行ったプレイ画像を再現(リプレイ再生)することが可能となる。」
「【0048】
リプレイ情報は、対戦を行ったユーザーのキャラクターに関する情報、対戦した敵キャラクターに関する情報、対戦ゲームのプレイ履歴に関する情報を含み、ユーザーがプレイしたゲームのプレイ画像を再現する際に利用される情報である。本実施形態の対戦ゲームでは、1ゲームが複数のターンにより構成されている。そのため、このリプレイ情報は、1ゲームにおける各ターンを識別する出現IDと、この出現IDに関連付けられたリプレイ再生のための各種情報と、を含んで構成されている。たとえば、図8に示すように、対戦した敵キャラクターの種類を識別する敵キャラクターID、対戦した敵キャラクターの名前、対戦した敵キャラクターのレベル、対戦した敵キャラクターの攻撃力や防御力、対戦開始時における敵キャラクターの生命力(HP)、対戦終了時における敵キャラクターの生命力(HP)、キャラクターに対する敵キャラクターの攻撃パターン、対戦に参加したキャラクターに対応するゲームカードのカードID、対戦に参加したキャラクターのレベル、対戦に参加したキャラクターの並び順、対戦に参加したキャラクターの攻撃力や防御力、対戦開始時における対戦に参加したキャラクターの体力、対戦終了時における対戦に参加したキャラクターの体力が、リプレイ情報に含まれている。本実施形態のゲームシステム1は、このリプレイ情報に基づきリプレイ再生処理を行うことにより、ユーザーが行ったゲームのプレイ画像を正確に再現することができる。なお、このリプレイ情報は、対戦ゲームの1ゲームごとにそれぞれ記録される。」
「【0061】
次に、サーバー装置10は、この対戦ゲーム(1ゲーム分)についての対戦ゲーム処理を行うと、対戦した参戦キャラクターに関する情報(参戦キャラクター(カードID)、参戦キャラクターのレベル、攻撃力、防御力など)、対戦した敵キャラクターに関する情報(敵キャラクターID、敵キャラクターのレベル、攻撃力、防御力など)、当該対戦ゲームのプレイ履歴に関する情報(出現ID、出現IDに関連付けられた各データなど)を、リプレイ情報として登録する処理を行う(S106)。すなわち、制御部11は、図8に示すように、これらの各データをターンごとにリプレイ情報として登録することになる。このように、各データを記録することで、対戦ゲームにおいて行われた対戦内容を後に再現することが可能となる。」
「【0075】
次に、他のユーザー端末20は、受信したリプレイ情報に基づいて、ユーザーがゲームプレイしたプレイ画像を再現するリプレイ再生処理を行う(S110)。すなわち、端末制御部21は、受信したリプレイ情報に従って1コマ毎にプレイ画像を順次生成し、端末表示部24に連続表示する。これにより、他のユーザー端末20において、ターン毎の対戦シーンを正確に再現したプレイ画像(動画)が表示されることになるため、実際のプレイ画像を通じてユーザーの技量を具体的に認識させることが可能となる。たとえば、キャラクターX(カードID:100)とキャラクターY(カードID:105)とが協力して、敵キャラクターA(敵キャラクターID:001)と戦う対戦ゲームについて、リプレイ再生が行われた場合には、図4に示すように、画面中央に敵キャラクターA(敵キャラクターID:001)が配置され、画面左上にキャラクターX(カードID:100)とキャラクターY(カードID:105)が配置された状態で、対戦シーンが演出されるプレイ画像(リプレイ画像)が、端末表示部24に表示されることになる。」
図8より、リプレイ情報のデータが文字あるいは数字で記憶されていることが看取できる。

以上の記載によれば、甲第6号証には以下の技術事項が記載されていると認められる。(以下「甲第6号証記載の技術事項」という。)
「複数のユーザーがネットワークを介してゲームを行うゲームシステムであって、
前記ゲームを行う際に複数の前記ユーザーがそれぞれ操作入力する入力部と、
前記ユーザー端末で前記ユーザーがプレイした前記ゲームのプレイ画像を再現する際に利用される複数のリプレイ情報をデータが文字あるいは数字で記憶する記憶部と、
複数の前記ユーザー端末のうちのいずれかのユーザー端末から前記ゲームのプレイ画像を再現することを要求するリプレイ再生要求を受信した場合に、前記記憶部に記憶された複数の前記リプレイ情報のうちから、前記ゲームを行ったユーザーの技量を定めた所定条件に適合する前記リプレイ情報を抽出し、抽出された前記リプレイ画像に基づいて、前記リプレイ再生要求を送信した前記ユーザー端末で再現可能なプレイ画像を生成する制御部と、
を有し、
端末制御部は、受信したリプレイ情報に従って1コマ毎にプレイ画像を順次生成し、端末表示部に連続表示し、これにより、他のユーザー端末において、ターン毎の対戦シーンを正確に再現したプレイ画像(動画)が表示されることになる、ゲームシステム。」

(7)甲第7号証
本件特許の出願日前の平成26年9月22日に頒布された特開2014-171496号公報には、以下の記載がある。
「【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの指示に従ってキャラクタを動作させ、ゲームを進行させるゲーム進行部と、
前記キャラクタを動作させるために、前記ユーザにより選択又は設定される動作指示情報を予め記憶する動作指示情報記憶部と、
前記キャラクタの動作により所定のプレイ結果が得られた場合、前記動作指示情報にしたがって動作した前記キャラクタの、少なくとも前記動作指示情報の動作指示に関わる一部が拡大又は強調されたリプレイ画像を生成し、表示部に表示させるリプレイ画像生成部とを含むゲーム装置。
【請求項2】
前記動作指示情報に従って動作した前記キャラクタのプレイ結果をプレイ履歴として管理する履歴管理部を更に備え、
前記リプレイ画像生成部は、前記プレイ履歴に基づいて、前記プレイ結果が所定の条件を満たすか否かを判定し、前記条件を満たす場合、前記キャラクタの動作を拡大又は強調表示したリプレイ画像を生成する請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記プレイ履歴には、ゲーム内のキャラクタ間の対戦結果が含まれ、
前記条件は、ゲーム内のキャラクタ間の過去の対戦結果と最新のプレイ結果とによって規定されるものである請求項2記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記リプレイ画像生成部は、前記プレイ履歴に基づいて、同一の動作指示情報に対して同一のプレイ結果が繰り返されたと判定した場合、前記プレイ結果が得られた際の前記キャラクタの動作を拡大又は強調表示したリプレイ画像を生成する請求項2又は3記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記リプレイ画像生成部は、前記プレイ履歴に基づいて、前記プレイ結果が所定の条件を満たすか否かを判定し、前記条件を満たす場合、前記プレイ結果が得られた際の前記キャラクタの動作をスローモーション又はストップモーションで拡大又は強調表示したリプレイ画像を生成する請求項2?4のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記ゲーム進行部は、前記動作指示情報に従って動作する第1キャラクタと、前記第1キャラクタとは異なる第2キャラクタとを前記ゲーム空間内で対戦させ、
前記リプレイ画像生成部は、前記第2キャラクタが所定の属性を持つキャラクタである場合に、前記リプレイ画像を生成する請求項1?5のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記リプレイ画像生成部は、前記動作指示情報を報知するための報知情報を前記リプレイ画像に含ませる請求項1?6のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記ゲーム進行部は、前記動作指示情報に従って所定のオブジェクトを移動させる動作を前記キャラクタに行わせ、
前記リプレイ画像生成部は、前記キャラクタの動作に応じて前記オブジェクトが移動を開始するタイミングにおいて、前記表示部の中央から所定のオフセット距離離れた位置に前記オブジェクトが表示され、且つ、前記中央側に前記キャラクタが表示されるように仮想カメラの視線を設定し、前記オブジェクトが移動するにつれて前記オフセット距離が短くなるように前記視線を設定する請求項1?7のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記ゲーム進行部は、前記キャラクタに対して予め定められた動作パターンで前記キャラクタを動作させて前記キャラクタに前記オブジェクトを移動させ、
前記オフセット距離は、前記動作パターンに応じて異なる請求項8記載のゲーム装置。
【請求項10】
ユーザの指示に従って投手キャラクタにボールオブジェクトを投球させ、打者キャラクタに前記ボールオブジェクトを打撃させるゲームを進行するゲーム進行部と、
前記投手キャラクタに前記ボールオブジェクトを投球させるために、前記ユーザによって選択又は設定される前記ボールオブジェクトの球種を予め記憶する動作指示情報記憶部と、
前記打者キャラクタの打撃結果が所定の結果であった場合に、当該打撃結果に対して行われた前記投手キャラクタの投球時における、少なくとも前記ボールオブジェクトを握る部分が拡大されたリプレイ画像を生成し、表示部に表示させるリプレイ画像生成部とを含むゲーム装置。
【請求項11】
ユーザの指示に従ってゲーム空間内でキャラクタを動作させ、ゲームを進行させるゲーム進行部と、
前記キャラクタを動作させるために、前記ユーザにより選択又は設定される動作指示情報を予め記憶する動作指示情報記憶部と、
前記キャラクタの動作により所定のプレイ結果が得られた場合、前記動作指示情報記憶部に記憶された前記動作指示情報にしたがって動作した前記キャラクタの、少なくとも前記動作指示情報の動作指示に関わる一部が拡大又は強調されたリプレイ画像を生成し、表示部に表示させるリプレイ画像生成部としてコンピュータを機能させるゲーム制御プログラム。
【請求項12】
端末装置と、前記端末装置と通信可能に接続されたゲーム制御装置とを含むゲームシステムであって、
ユーザの指示に従ってゲーム空間内でキャラクタを動作させ、ゲームを進行させるゲーム進行部と、
前記キャラクタを動作させるために、前記ユーザにより選択又は設定される動作指示情報を予め記憶する動作指示情報記憶部と、
前記キャラクタの動作により所定のプレイ結果が得られた場合、前記動作指示情報にしたがって動作した前記キャラクタの、少なくとも前記動作指示情報の動作指示に関わる一部が拡大又は強調されたリプレイ画像を生成し、表示部に表示させるリプレイ画像生成部とを含むゲームシステム。
【請求項13】
コンピュータが、ユーザの指示に従ってゲーム空間内でキャラクタを動作させ、ゲームを進行させるゲーム進行ステップと、
前記キャラクタの動作により所定のプレイ結果が得られた場合、動作指示情報記憶部に予め記憶された前記キャラクタを動作させるための動作指示情報のうち、前記ユーザにより選択又は設定された動作指示情報にしたがって動作した前記キャラクタの、少なくとも前記動作指示情報の動作指示に関わる一部が拡大又は強調されたリプレイ画像を生成し、表示部に表示させるリプレイ画像生成ステップとを含むゲーム制御方法。」
「【0063】
履歴管理部207は、ゲーム進行部203から通知されたプレイ結果をプレイ履歴として管理する。プレイ結果としては、打者キャラクタの各打席における打撃結果が採用される。打撃結果には、ホームラン、シングルヒット、3塁打、バント、3塁ゴロといった、打者キャラクタがボールオブジェクトを打撃できたときの打撃内容が含まれる。また、打撃内容には、空振り三振、見送り三振といった打者キャラクタがボールオブジェクトを打撃できなかった内容も含まれる。更に、打撃結果には、打撃時のイニング数やボールカウント(例えば、2ストライク、2ボール)といったデータも含まれる。
【0064】
図5は、試合IDが「AAA」の試合のプレイ履歴を記録するプレイ履歴テーブルの一例を示した図である。なお、図5の例では、ユーザのチームが守備側であるときのプレイ履歴テーブルが示されている。ユーザのチームが攻撃側であるときのプレイ履歴テーブルも図5と同様のものが採用され、履歴管理部207に管理されている。なお、履歴管理部207は、ユーザが過去に行った全ての試合についても図5と同様のプレイ履歴テーブルを用いて管理している。
【0065】
プレイ履歴テーブルには、イニング、投手、打者、打撃内容、球種、ストライクカウント、アウトカウント、ランナー、及び弾道データの欄が含まれる。
【0066】
イニングの欄には、該当する試合を構成するイニングの番号が格納されている。投手の欄にはユーザが操作する投手キャラクタのキャラクタIDが格納されている。打撃内容の欄には、打者キャラクタの投手キャラクタに対する打撃内容が格納されている。球種の欄には、打者キャラクタが打撃したボールオブジェクトの球種が格納されている。ストライクカウントの欄には、打者キャラクタが打撃したときのストライクカウントが格納されている。アウトカウントの欄には打者キャラクタが打撃したときのアウトカウントが格納されている。ランナーの欄には、打者キャラクタが打撃したときにランナーが出塁していれば、そのランナーが出塁しているベースの番号が格納されている。弾道データの欄には、打者キャラクタが打撃したボールオブジェクトの弾道データが格納されている。
【0067】
投手キャラクタA1は、1イニング目において打者キャラクタB1、B2、B3と対戦している。そのため、図5では、1イニング目の投手の欄にA1が格納され、打者の欄にB1、B2、B3が格納されている。
【0068】
また、1イニング目において、投手キャラクタA1は、アウトカウントが0アウト、ストライクカウントが2ストライク2ボールのときにカーブを投げて、打者キャラクタB1をサードゴロに打ち取っている。そのため、1イニング目において、打者キャラクタB1の打撃内容の欄にはサードゴロの情報が格納され、球種の欄にはカーブの情報が格納され、ストライクカウントの欄には、2ストライク2ボールの情報が格納され、アウトカウントの欄には0アウトの情報が格納されている。」
「【0097】
第1、第2リプレイ画像を生成するに際し、リプレイ画像生成部204は、リプレイするゲームシーンの打撃結果をプレイ履歴テーブルから取得し、取得した打撃結果にしたがって、該当するゲームシーンに登場する全てのキャラクタをゲーム空間内に配置する。そして、リプレイ画像生成部204は、打撃結果にしたがって、該当するゲームシーンと同じ動作を各キャラクタに行わせ、レンダリングすることで第1、第2リプレイ画像を生成すればよい。
【0098】
図5の例において、2イニング目に打者キャラクタB5が投手キャラクタA1からホームランを打ったゲームシーンの第1又は第2リプレイ画像を生成する場合、リプレイ画像生成部204は、2イニング目の打者キャラクタB5の打撃結果をプレイ履歴テーブルから読み出す。そして、リプレイ画像生成部204は、投手キャラクタA1、打者キャラクタB5をゲーム空間内に配置し、投手キャラクタA1にゲーム実行時と同じ投球動作を行わせ、弾道データにしたがってボールオブジェクトをゲーム空間内で移動させ、打者キャラクタB5にゲーム実行時と同じ打撃動作を行わせる。そして、リプレイ画像生成部204は、投手キャラクタA1、打者キャラクタB5のこれら一連の動作をレンダリングすることで、第1又は第2リプレイ画像を生成すればよい。」
図5より、プレイ履歴のデータが文字あるいは数字で記憶されていることが看取できる。

以上の記載によれば、甲第7号証には以下の技術事項が記載されていると認められる。(以下「甲第7号証記載の技術事項」という。)
「コンピュータが、ユーザの指示に従ってゲーム空間内でキャラクタを動作させ、ゲームを進行させるゲーム進行ステップと、
プレイ履歴を、イニング、投手、打者、打撃内容、球種、ストライクカウント、アウトカウント、ランナー、及び弾道データの欄が含まれるプレイ履歴テーブルに、データが文字あるいは数字で記録し、
前記キャラクタの動作により所定のプレイ結果が得られた場合、動作指示情報記憶部に予め記憶された前記キャラクタを動作させるための動作指示情報のうち、前記ユーザにより選択又は設定された動作指示情報にしたがって動作した前記キャラクタの、少なくとも前記動作指示情報の動作指示に関わる一部が拡大又は強調されたリプレイ画像を生成し、表示部に表示させるリプレイ画像生成ステップとを含むゲーム制御方法。」

(8)甲第8号証
本件特許の出願日前の平成21年12月24日に頒布された特開2009-297221号公報には、以下の記載がある。
「【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置からの操作入力に基づいて行われるゲーム処理を再現するためのリプレイデータを記憶手段に記憶するゲーム装置のコンピュータで実行されるゲームプログラムであって、
前記ゲーム装置のコンピュータに、
過去に行われた第1のゲーム処理時に前記入力装置からの操作入力に基づいて生成されて前記記憶手段に格納された当該第1のゲーム処理を再現するための第1のリプレイデータを、前記記憶手段から読み出すリプレイデータ読出ステップ、
前記リプレイデータ読出ステップで前記記憶手段から読み出された前記第1のリプレイデータと前記入力装置からの現在の操作入力との両方に基づいた第2のゲーム処理を実行するゲーム処理ステップ、および、
前記ゲーム処理ステップで実行される前記第2のゲーム処理を再現するための第2のリプレイデータを生成して前記記憶手段に格納するリプレイデータ生成ステップを実行させる、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記ゲーム処理ステップは、前記第1のリプレイデータに基づいて前記第1のゲーム処理を再現するとともに、当該第1のゲーム処理の再現速度を前記入力装置からの現在の操作入力に応じて変化させる再現速度変更ステップを含む、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記ゲームプログラムは、前記第1のリプレイデータに基づいて前記第1のゲーム処理を再現するとともに、当該第1のゲーム処理の再現速度を前記入力装置からの現在の操作入力に応じて変化させる再現速度可変処理と、前記第1のリプレイデータに基づいて当該第1のリプレイデータが生成されたときと同じ速度で前記第1のゲーム処理を再現する再現速度不変処理のいずれか一方を選択するゲーム処理選択ステップを前記コンピュータに更に実行させ、
前記ゲーム処理ステップでは、前記再現速度可変処理または前記再現速度不変処理のうち、前記ゲーム処理選択ステップで選択された方の処理を前記第2のゲーム処理として実行する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記ゲーム処理は、前記入力装置からの操作入力に応じて楽曲を演奏する処理を含む、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記第1のゲーム処理は、前記入力装置からの操作入力に応じて楽曲を演奏する処理であり、
前記ゲーム処理ステップは、前記第1のリプレイデータに基づいて前記第1のゲーム処理で行われた楽曲の演奏を再現するとともに、当該再現される演奏のテンポを前記入力装置からの現在の操作入力に応じて変化させるテンポ変更ステップを含む、請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記テンポ変更ステップでは、前記入力装置からの操作入力が発生する度に前記テンポを変更する、請求項5に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記テンポ変更ステップでは、前記入力装置からの操作入力の発生間隔に応じて前記テンポを決定する、請求項6に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記テンポ変更ステップでは、前記入力装置からの操作入力が発生する度に、直近の一定期間における前記入力装置からの操作入力の発生間隔の平均または加重平均に応じて前記テンポを決定する、請求項7に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記ゲーム処理ステップは、
前記記憶手段に記憶されている楽曲データおよび/または前記リプレイデータ読出ステップで前記記憶手段から読み出された前記第1のリプレイデータに基づいて楽曲を演奏する楽曲演奏ステップ、
前記楽曲演奏ステップで演奏される前記楽曲の演奏テンポを、前記リプレイデータ読出ステップで前記記憶手段から読み出された前記第1のリプレイデータまたは前記入力装置からの現在の操作入力に応じて変更するテンポ変更ステップ、および、
前記楽曲演奏ステップで前記楽曲が演奏されている間および当該楽曲の途中で演奏が一時停止されている間に、前記入力装置からの操作入力に応じて音出力手段より音を出力する音出力ステップを含み、
前記リプレイデータ生成ステップは、前記音出力ステップで出力された各音の出力タイミングを示す時刻情報を含む第2のリプレイデータを生成して前記記憶手段に格納し、
前記楽曲が演奏されている間に前記音出力ステップで出力された音については、前記楽曲内のどの位置で当該音が出力されたかを示す楽曲内位置情報が前記時刻情報として記憶され、前記楽曲の演奏が一時停止されている間に前記音出力ステップで出力された音については、前記楽曲内位置情報に加えて、前記楽曲の演奏が一時停止してからどれだけ後に当該音が出力されたかを示す一時停止期間内位置情報が前記時刻情報として記憶される、請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記楽曲内位置情報は、楽曲データの再生制御のための時間単位であるティック値により表され、
前記一時停止期間内位置情報は、フレーム数もしくは実時間により表される、請求項9に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記時刻情報は、前記楽曲内位置情報の値を上位N桁(Nは1以上の整数)とし、前記一時停止期間内位置情報の値を下位M桁(Mは1以上の整数)とした、(N+M)桁の数値データによって表される、請求項9に記載のゲームプログラム。
【請求項12】
前記ゲームプログラムは、前記第1のリプレイデータに基づいて前記第1のゲーム処理で行われた楽曲の演奏を再現するとともに、当該再現される演奏のテンポを前記入力装置からの現在の操作入力に応じて変化させる再現速度可変処理と、前記第1のリプレイデータに基づいて当該第1のリプレイデータが生成されたときと同じテンポで、前記第1のゲーム処理で行われた楽曲の演奏を再現する再現速度不変処理のいずれか一方を選択するゲーム処理選択ステップを前記コンピュータに更に実行させ、
前記ゲーム処理ステップでは、前記再現速度可変処理または前記再現速度不変処理のうち、前記ゲーム処理選択ステップで選択された方の処理を前記第2のゲーム処理として実行する、請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項13】
前記ゲーム処理ステップは、
前記記憶手段に記憶されている楽曲データおよび/または前記リプレイデータ読出ステップで前記記憶手段から読み出された前記第1のリプレイデータに基づいて楽曲を演奏する楽曲演奏ステップ、
前記楽曲演奏ステップにおける前記楽曲の演奏に合わせて、仮想世界の奏者を含むように仮想カメラから撮影した演奏画像を生成して表示装置に出力する演奏画像出力ステップ、および、
前記仮想カメラの各種パラメータを、前記入力装置からの操作入力に応じて設定するカメラパラメータ設定ステップを含み、
前記リプレイデータ生成ステップは、前記カメラパラメータ設定ステップで設定された前記仮想カメラの各種パラメータの設定履歴情報を含む第2のリプレイデータを生成して
前記記憶手段に格納する、請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項14】
前記ゲーム処理は、前記第1のリプレイデータおよび前記入力装置からの操作入力に基づいて楽曲を複数のパートにより合奏する処理を含み、
前記第1のリプレイデータには1以上のパートの演奏内容データが含まれており、
前記ゲームプログラムは、前記入力装置からの操作入力に応じて演奏すべきパートを選択するパート選択ステップを前記コンピュータに更に実行させ、
前記演奏パート選択ステップで選択されたパートの演奏内容データが前記第1のリプレイデータに含まれている場合には、前記ゲーム処理ステップにおいて、前記入力装置からの操作入力に応じて当該パートを演奏するとともに、前記リプレイデータ生成ステップにおいて、前記第1のリプレイデータに含まれている当該パートの演奏内容データを更新することによって前記第2のリプレイデータを生成する、請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項15】
入力装置からの操作入力に基づいて行われるゲーム処理を再現するためのリプレイデータを記憶手段に記憶するゲーム装置であって、
前記入力装置と、
前記記憶手段と、
過去に行われた第1のゲーム処理時に前記入力装置からの操作入力に基づいて生成されて前記記憶手段に格納された当該第1のゲーム処理を再現するための第1のリプレイデータを、前記記憶手段から読み出すリプレイデータ読出手段と、
前記リプレイデータ読出手段によって前記記憶手段から読み出された前記第1のリプレイデータと前記入力装置からの現在の操作入力との両方に基づいた第2のゲーム処理を実行するゲーム処理手段と、
前記ゲーム処理手段によって実行される前記第2のゲーム処理を再現するための第2のリプレイデータを生成して前記記憶手段に格納するリプレイデータ生成手段と、を備えるゲーム装置。」
「【0065】
演奏ゲームが開始されると、まずユーザはコントローラ7を操作して、楽曲の演奏に先立って、合奏を行うための7つのパート(メロディ1・メロディ2・ベース・コード・パーカッション・指揮者・カメラ)の中から、自分が担当するパート(以下、担当パートと称す)を選択する(ステップS1)。続いて、担当パートで用いる楽器(音色)を選択する(ステップS2)。なお、ステップS1でユーザが選んだパートが指揮者またはカメラの場合にはステップS2は省略される。
【0066】
担当パートの選択、および必要に応じて楽器の選択が完了すると、合奏が開始される(S3)。合奏が開始されると、ユーザは、担当パートに応じた入力操作を行うことによって、合奏に参加することができる。例えば、担当パートがメロディ1である場合には、スピーカから出力される楽曲に合わせて、コントローラ7を振ったりコントローラ7上のスイッチを押したりすることによって、ユーザは、メロディ1のパートに対応する音をスピーカから出力させることができる。担当パート以外のパートについては、予め用意された楽曲データにしたがってコンピュータ(例えばCPU10)によって自動的にそれらのパートの楽器が演奏され、それらの楽器の音がスピーカ2aから出力される。なお、上記楽曲データとしては、例えばMIDI(Musical Instruments Digital Interface)規格に則った楽曲データ(ここでは単にMIDIデータと称す)を利用することができる。もちろん、他の方式の楽曲データであってもよい。なお、標準的なMIDIデータの例として、SMF(標準MIDIファイル)がある。」
「【0072】
合奏が行われている間、キャラクタC1?C5の動作制御が行われ、キャラクタC1?C5が楽器を演奏している動画像がテレビ2の画面に映し出される。また、それと並行して、合奏時におけるユーザの演奏内容(または指揮内容、カメラ制御内容)を時系列的に表した履歴データが生成され、外部メインメモリ12(内部メインメモリ11eであってもよい)に記録される(S4)。なお、外部メインメモリ12にすでに履歴データが存在する場合には、その履歴データが更新される。
【0073】
合奏が終了すると、ユーザは、ゲームを続けるか終了するかを選択することができる(S5)。ゲームを続ける場合には、担当パートや楽器を必要に応じて変更して、再び演奏を行うことができる。このとき、ユーザによって現在選択されているパートについては、前述のように、ユーザによるコントローラ7の操作に応じて楽器を演奏したり合奏を指揮したりカメラを制御したりすることができ、残りの5つのパートのうち、ユーザが過去に選択したことのあるパートについては、外部メインメモリ12に記録されている履歴データに基づいて、そのパートの演奏(もしくは合奏の指揮やカメラの制御)が自動的に行われる(すなわち、過去に行ったユーザ自身の演奏内容がコンピュータによって再現される)。」
「【0085】
履歴データ123は、前述のように、合奏時におけるユーザの演奏内容(または指揮内容、カメラ制御内容)を表したデータである。本実施形態では、履歴データ123は、パート毎に管理されている。すなわち履歴データ123は、メロディ1のパートの履歴データ123a、メロディ2のパートの履歴データ123b、ベースのパートの履歴データ123c、コードのパートの履歴データ123d、パーカッションのパートの履歴データ123e、指揮者のパートの履歴データ123fおよびカメラのパートの履歴データ123gを含んでいる。
【0086】
図20は、履歴データ123(例えばメロディ1のパートの履歴データ123a)の一例を示している。履歴データ123は、時系列で記録された複数の演奏イベントデータの集合として構成される。各演奏イベントデータは、「時刻」、「入力ボタン」、「ボリューム」、「振り鋭さ」および「楽器の種類」の5つの情報で構成される。」
「【0088】
履歴データ123における「時刻」の情報は、音を鳴らすタイミング(指揮者のパートの履歴データ123fの場合は指揮棒を振るタイミング、カメラのパートの履歴データ123gの場合はカメラの位置等を変更するタイミング)を示すものであって、合計4バイトの値で表される。図21に示すように、「時刻」の値の上位2バイトは楽曲上での位置(楽曲の先頭部分から数えたティック数)を表しており、下位2バイトは演奏停止中の位置(演奏が停止してからの経過フレーム数)を表している。」
「【0092】
履歴データ123における「入力ボタン」の情報は、コントローラ7に設けられた複数のボタンの状態(例えば、複数のボタンのうちのどのボタンが押されているか)を表している。
【0093】
履歴データ123における「ボリューム」の情報は、音の大きさを表している。前述のように、ユーザがギターを演奏するときには、スピーカ2aから出力される音の大きさは、ユーザがコントローラ7を振り下ろしたときの振りの強さ(図12参照)に応じて変化する。したがって、楽器がギターである場合には、振りの強さに応じた値が「ボリューム」として記録される。なお前述のように、ユーザがトランペットを演奏するときには、スピーカ2aから出力される音の大きさは、コントローラ7の姿勢によって変化する。したがって、楽器がトランペットである場合には、図13に示すように、水平面とコントローラ7の長軸との間の角度θに応じた値が「ボリューム」として記録される。
【0094】
履歴データ123における「振り鋭さ」の情報は、ユーザがコントローラ7を振り下ろしたときの振りの鋭さ(図12参照)を表すものである。
【0095】
履歴データ123における「楽器の種類」の情報は、ユーザが選択した楽器の種類を表すものである。なお前述のように、指揮者やカメラのパートについては楽器の選択は不要であるので、指揮者のパートの履歴データ123fやカメラのパートの履歴データ123gにおいては「楽器の種類」の情報の記録は不要である。
【0096】
なお、本実施形態では、図16に示すように、履歴データ123をパート毎に纏めて記録しているが、本発明はこれに限らず、図22に示すようにパートに関わらず演奏イベントデータを時系列に沿って記録するようにしてもよい。この場合、各演奏イベントデータには、その演奏イベントデータがどのパートに関連するものかを表す「パート」の情報が付加される。」
図20及び図22より、履歴データが文字あるいは数字で記憶されていることが看取できる。

以上の記載によれば、甲第8号証には以下の技術事項が記載されていると認められる。(以下「甲第8号証記載の技術事項」という。)
「ユーザはコントローラ7を操作して、楽曲の演奏に先立って、合奏を行うための7つのパート(メロディ1・メロディ2・ベース・コード・パーカッション・指揮者・カメラ)の中から、自分が担当するパート(以下、担当パートと称す)を選択し(ステップS1)、続いて、担当パートで用いる楽器(音色)を選択し(ステップS2)、
担当パートの選択、および必要に応じて楽器の選択が完了すると、合奏が開始され(S3)、合奏が開始されると、ユーザは、担当パートに応じた入力操作を行うことによって、合奏に参加することができ、
合奏時におけるユーザの演奏内容(または指揮内容、カメラ制御内容)を時系列的に表した履歴データが生成され、外部メインメモリ12(内部メインメモリ11eであってもよい)に文字あるいは数字で記録され(S4)る、演奏ゲーム。」

(9)甲第9号証
本件特許の出願日前の平成20年6月4日に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった「通信用語の基礎知識」、[online]、平成29年6月5日検索、インターネット<http://wdic.org/w/TECH/%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%BC5E3%82%BF>には、以下の記載がある。
「人間に優しい保存形式。人間が可読の保存形式である。テクストとほぼ同義。
■特徴
文字コードの規格であるASCII(ANSI X3.4)で決められているうち、一部の制御文字を除く表示可能な文字(英数文字や記号文字など)のみで記述されたデータをいう。」(1頁6?9行)

(10)甲第10号証
本件特許の出願日前の平成25年8月10日に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった「文字コード Wikipedia」、[online]、平成26年8月4日保存、平成29年6月2日検索、インターネット<http://web.archive.org/web/20140804044442/https://ja.wikipedia.org/wiki/文字コード>には、以下の記載がある。
「文字コード(もじコード)はコンピュータ上で文字(キャラクタ(コンピュータ))を利用するために各文字に割り当てられるバイト表現。もしくは、バイト表現と文字の対応関係(文字コード体系)のことを指して「文字コード」と呼ぶことも多い。」(1頁3?4行)

(11)甲第11号証
本件特許の出願日前の平成25年3月8日に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった「ASCII Wikipedia」、[online]、平成26年8月3日保存、平成29年6月2日検索、インターネット<http://web.archive.org/web/20140803233420/https://ja.wikipedia.org/wiki/ASCII>には、以下の記載がある。
「ASCII印字可能文字
ASCII 32は、空白文字である。キーボードのスペースキーから入力でき言葉の間に空白を表示する。ASCII 33?126は印刷可能な文字(printable characters)であり、半角英数の数字、句読点や記号を表す。
下の図では、16進数・10進数・8進数の順でASCIIコードの値を示しています。」(2頁1?4行)


4.判断
(1)取消理由1について
ア.対比
本件特許発明1と引用発明1とを対比すると、
後者の「動画データ」は、再現されたゲームのゲーム画面から作られるものなので、ゲーム画面を再現した再現動画といえるから、後者の「ゲーム動画配信システム1400における動画データ生成方法」は、前者の「ゲーム画面を再現した再現動画の構築方法」に相当する。
後者の「『液晶パネルディスプレイやCRTといった画像表示装置1322』に表示される『ゲーム画像』」、「ゲーム開始から終了に至るまでの操作コードをゲームプレイ単位のキーログデータとしてストレージ1412に構築されたキーログファイルライブラリ530に蓄積・登録するステップ」、「ゲームサーバ1410から受信したキーログデータに従って、業務用ゲーム装置1300で実現されたゲームプレイを再現するステップ」、「『ゲームプレイ終了時にゲームプレイに一対一で』『再現されたゲームのゲーム画像から作られる動画データの動画内容を知る手がかりや、複数の動画から当該データを選択するためのインデックスとなる情報を集めたデータであ』る『インデックスデータ546』を『生成するステップ』」、「『生成した動画データ』に、『リプレイサーバ1420から受信したインデックスデータ546と対応づけ』」ること、「『動画配信制御部232』が、『動画配信の要求が有った場合に、先ず記憶部500Dに構築されたコンテンツライブラリ568内から該当する動画データを含むコンテンツを検索配信するステップ』」は、それぞれ、前者の「『該端末装置に表示される画面』である『ゲーム画面』」、「端末装置により生成されたゲームの進行に関する処理のログ情報を前記端末装置から取得する取得ステップ」、「ログ情報に基づいて再現動画を構築する構築ステップ」、「ログ情報に基づいてゲームの進行状態に関する情報を生成するステップ」、「ゲームの進行状態に関する情報をメタデータとして再現動画に対応付けるステップ」、「『再現動画を閲覧可能な閲覧装置から受信した、再現動画閲覧要求に基づいて、再現動画を抽出するステップ』、及び『前記抽出した再現動画を前記閲覧装置に送信するステップ』」に相当する。
後者の「業務用ゲーム装置1300」は、「(1)プレーヤが各種操作入力をするためのジョイスティック1306や複数のプッシュスイッチ1308といった入力デバイスが設けられた操作台1304」を備えるものであるから、前記「業務用ゲーム装置1300」で実施される「ゲーム」は、「ユーザの入力に基づいて端末装置で進行されるゲーム」といえる。

したがって、両者は、
「情報処理装置が実行する、ゲーム画面を再現した再現動画の構築方法であって、
前記ゲーム画面は、ユーザの入力に基づいて端末装置で進行されるゲームに関して、該端末装置に表示される画面であり、
前記端末装置により生成された前記ゲームの進行に関する処理のログ情報を、前記端末装置から取得する取得ステップと、
前記ログ情報に基づいて前記再現動画を構築する構築ステップと、
前記ログ情報に基づいて前記ゲームの進行状態に関する情報を生成するステップと、
前記ゲームの進行状態に関する情報をメタデータとして前記再現動画に対応付けるステップと、
前記再現動画を閲覧可能な閲覧装置から受信した、再現動画閲覧要求に基づいて、再現動画を抽出するステップと、
前記抽出した再現動画を前記閲覧装置に送信するステップと
を含む構築方法。」
の点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1]
本件特許発明1が、「再現動画に関する所定の条件を含む」再現動画閲覧要求に基づいて、「前記所定の条件に合致するメタデータに対応付けられた」再現動画を抽出するステップを含むのに対し、引用発明1は、そのようなものでない点。

イ.相違点1についての判断
引用発明1は、上記相違点1に係る本件特許発明1の発明特定事項を具備していない。
したがって、本件特許発明1が、引用発明1であるとすることはできない。
また、本件特許発明2、及び7は、本件特許発明1の発明特定事項に加えてさらなる発明特定事項を追加して限定を付したものであるから、本件特許発明2、及び7は、引用発明1であるとはいえない。
また、本件特許発明10、11、及び13は、本件特許発明1の「構築方法」を、それぞれ「プログラム」、「情報処理システム」、及び「情報処理装置」とカテゴリーを変えたものであって、実質的に本件特許発明1と相違しないから、本件特許発明10、11、及び13は、引用発明1であるとはいえない。
また、本件特許発明12は、本件特許発明11の発明特定事項に加えてさらなる発明特定事項を追加して限定を付したものであるから、本件特許発明12は、引用発明1であるとはいえない。

(2)取消理由2について
(2-1)取消理由2-1について
上記(1)のとおり、本件特許発明1と引用発明1とを対比すると、本件特許発明1と引用発明1とは、上記相違点1で相違する。
そこで、上記相違点1について以下検討する。
上記相違点1に係る本件特許発明1の発明特定事項は、引用発明1に示唆もされていない。
また、異議申立人が提出したその他の甲号証にも、上記相違点1に係る本件特許発明1の発明特定事項は記載も示唆もされていないし、設計的事項とする理由もない。
そして、本件特許発明1は、上記相違点1に係る本件特許発明1の発明特定事項により、本件特許明細書に記載の「ユーザは、例えばゲーム画面のうち特に閲覧を希望する場面を抽出した再現動画を構築させることができる。」(【0079】参照。)という効果を奏するものである。
したがって、本件特許発明1は、引用発明1、及び異議申立人が提出したその他の甲号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
また、本件特許発明2、及び7は、本件特許発明1の発明特定事項に加えてさらなる発明特定事項を追加して限定を付したものであるから、本件特許発明2、及び7は、引用発明1、及び異議申立人が提出したその他の甲号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
また、本件特許発明10、11、及び13は、本件特許発明1の「構築方法」を、それぞれ「プログラム」、「情報処理システム」、及び「情報処理装置」とカテゴリーを変えたものであって、実質的に本件特許発明1と相違しないから、本件特許発明10、11、及び13は、引用発明1、及び異議申立人が提出したその他の甲号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
また、本件特許発明12は、本件特許発明11の発明特定事項に加えてさらなる発明特定事項を追加して限定を付したものであるから、本件特許発明12は、引用発明1、及び異議申立人が提出したその他の甲号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

(2-2)取消理由2-2について
本件特許発明3と引用発明1とを対比すると、本件特許発明3と引用発明1とは、上記相違点1に加え、以下の点で相違する。
[相違点2]
本件特許発明3が、「前記再現動画構築条件は、前記ログ情報のうち所定の条件を満たす前記ログ情報を抽出させる条件であり、前記構築ステップは、前記抽出された前記ログ情報に関する再現動画を構築する」ものであるのに対し、引用発明1は、そのようなものでない点。

そこで、上記相違点1,及び相違点2について以下検討する。
引用発明2の「再現用データに対する編集処理の条件」、及び「編集処理ステップにて編集した再現用データ」は、それぞれ、本件特許発明3の「所定の条件」、及び「『構築ステップ』で構築する『抽出された再現動画』」に相当する。
しかし、引用発明2には、上記相違点2に係る本件特許発明3の「再現動画構築条件は、ログ情報のうち所定の条件を満たす前記ログ情報を抽出させる条件」である点は記載も示唆もされていない。
また、引用発明2には、相違点1に係る本件特許発明3の発明特定事項は記載も示唆もされていない。
また、異議申立人が提出したその他の甲号証にも、上記相違点1、及び相違点2に係る本件特許発明3の発明特定事項は記載も示唆もされていないし、設計的事項とする理由もない。
そして、本件特許発明3は、上記相違点1,及び相違点2に係る本件特許発明3の発明特定事項により、本件特許明細書に記載の「ユーザは、例えばゲーム画面のうち特に閲覧を希望する場面を抽出した再現動画を構築させることができる。」(【0079】参照。)という効果を奏するものである。
したがって、本件特許発明3は、引用発明1、引用発明2、及び異議申立人が提出したその他の甲号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
ここで、本件特許発明7は、本件特許発明1の発明特定事項に加えてさらなる発明特定事項を追加して限定を付したものである。また、本件特許発明3,及び6は、本件特許発明1の発明特定事項に加えてさらなる発明特定事項を追加した本件特許発明2の発明特定事項に加えてさらなる発明特定事項を追加して限定を付したものである。また、本件特許発明4は、本件特許発明3の発明特定事項に加えてさらなる発明特定事項を追加して限定を付したものである。
よって、本件特許発明3、4、6、及び7は、引用発明1、引用発明2、及び異議申立人が提出したその他の甲号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

(2-3)取消理由2-3について
本件特許発明7と引用発明1とを対比すると、本件特許発明7と引用発明1とは、上記相違点1に加え、以下の点で相違する。
[相違点3]
前記ログ情報は文字コードである、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の構築方法。
本件特許発明7が、「ログ情報は文字コードである」のに対し、引用発明1は、その点が明らかでない点。
上記相違点3について以下検討する。
上記甲第6号証記載の技術事項、乃至甲第8号証記載の技術事項に示されているように、ゲームのプレイ情報のデータを、文字・数字で記憶することは、ゲームの技術分野において周知の技術事項である(以下「周知の技術事項」という。)。
しかし、上記相違点1に係る本件特許発明7の発明特定事項は、甲第6号証記載の技術事項、乃至甲第8号証記載の技術事項のいずれにも、記載も示唆もされていない。
また、異議申立人が提出したその他の甲号証にも、上記相違点1に係る本件特許発明7の発明特定事項は記載も示唆もされていないし、設計的事項とする理由もない。
そして、本件特許発明7は、上記相違点1に係る本件特許発明7の発明特定事項により、本件特許明細書に記載の「ユーザは、例えばゲーム画面のうち特に閲覧を希望する場面を抽出した再現動画を構築させることができる。」(【0079】参照。)という効果を奏するものである。
したがって、本件特許発明7は、引用発明1、上記周知の技術事項、及び異議申立人が提出したその他の甲号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

(2-4)取消理由2-4について
上記(2-3)のとおり、本件特許発明7と引用発明1とを対比すると、本件特許発明7と引用発明1とは、上記相違点1に加え、上記相違点3で相違する。
そして、上記(2-3)のとおり、上記相違点3は、上記周知の技術事項である。
しかし、上記(2-2)のとおり、引用発明2には、相違点1に係る本件特許発明7の発明特定事項は記載も示唆もされていない。
また、異議申立人が提出したその他の甲号証にも、上記相違点1に係る本件特許発明7の発明特定事項は記載も示唆もされていないし、設計的事項とする理由もない。
そして、本件特許発明7は、上記相違点1に係る本件特許発明7の発明特定事項により、本件特許明細書に記載の「ユーザは、例えばゲーム画面のうち特に閲覧を希望する場面を抽出した再現動画を構築させることができる。」(【0079】参照。)という効果を奏するものである。
よって、本件特許発明7は、引用発明1、引用発明2、及び上記周知の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

(3)取消理由3について
上記訂正事項7により、請求項7における記載不備は解消された。

なお、本件特許明細書の段落【0048】?【0058】、及び図2の「ログ情報」に関する記載は、上記訂正事項7から、アスキーコードで記載されるべきところ、アスキーコード以外の表記がある。
しかし、一般に、アスキーコードは、コンピュータや通信機器等においてよく用いられている文字コードであって、本件特許明細書の上記アスキーコード以外の表記がアスキーコードに対応する文字や数字を表したものであることは、当業者であれば明らかなものであるから、上記段落【0048】?【0058】、及び図2の「ログ情報」に関する記載が、アスキーコードで記載されていないからといって、本件特許が取り消されるほどの記載不備とはいえない。


第4 むすび
以上のとおりであるから、取消理由によっては、本件特許発明1乃至4、6、7、10乃至13を取り消すことはできない。
また、他に本件特許発明1乃至4、6、7、10乃至13を取り消すべき理由を発見しない。
本件請求項8に係る特許は、本件訂正により削除されたため、本件請求項8に係る特許に対する特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。

よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
構築方法、プログラム、情報処理システム及び情報処理装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、構築方法、プログラム、情報処理システム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームをプレイするユーザが、プレイしたゲームの画面を動画として録画する技術が知られている(例えば、非特許文献1参照)。ユーザは、録画した動画を再生することにより、過去の自らのゲームのプレイ内容を閲覧できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“iOS Quick Start Guide”、[online]、平成27年1月8日検索、インターネット<URL:http://docs.kamcord.com/documents/platform/ios/getting-started/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザが、録画した動画を他のユーザと共有するために、動画を他のユーザが閲覧可能なサーバにアップロードする場合、動画のデータをサーバに送信する必要がある。動画のデータは、例えばテキストのデータ等と比較して容量が大きく、アップロードするまでに長時間を要する場合があり、ユーザにとっては、アップロードの時間が煩わしく感じる場合がある。動画のアップロードに失敗し、リトライをする必要がある場合、ユーザはさらに煩雑に感じる場合がある。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的のひとつは、煩雑さを低減可能な構築方法、プログラム、情報処理システム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る構築方法は、
情報処理装置が実行する、ゲーム画面を再現した再現動画の構築方法であって、
前記ゲーム画面は、ユーザの入力に基づいて端末装置で進行されるゲームに関して、該端末装置に表示される画面であり、
前記端末装置により生成された前記ゲームの進行に関する処理のログ情報を、前記端末装置から 取得する取得ステップと、
前記ログ情報に基づいて前記再現動画を構築する構築ステップと、
前記ログ情報に基づいて前記ゲームの進行状態に関する情報を生成するステップと、
前記ゲームの進行状態に関する情報をメタデータとして前記再現動画に対応付けるステップとを含む。
【0007】
また、本発明の一実施形態に係る構築方法において、
前記構築ステップにおいて構築される前記再現動画に関する再現動画構築条件を記憶部に記憶する記憶ステップを含み、
前記構築ステップは、前記ログ情報及び前記再現動画構築条件に基づいて前記再現動画を構築することが好ましい。
【0008】
また、本発明の一実施形態に係る構築方法において、
前記再現動画構築条件は、前記ログ情報のうち所定の条件を満たす前記ログ情報を抽出させる条件であり、
前記構築ステップは、前記抽出された前記ログ情報に関する再現動画を構築することが好ましい。
【0009】
また、本発明の一実施形態に係る構築方法において、
前記所定の条件は、前記ログ情報が前記ゲームにおける所定のゲーム媒体に関連するログ情報であることが好ましい。
【0010】
また、本発明の一実施形態に係る構築方法において、
前記所定の条件は、前記ログ情報が前記ゲームにおける所定のコマンドに関連するログ情報であることが好ましい。
【0011】
また、本発明の一実施形態に係る構築方法において、
前記再現動画構築条件は、前記ログ情報のうち所定の条件を満たす前記ログ情報を抽出させ、該抽出された前記ログ情報に関する処理を他の形式に置換させる条件であり、
前記構築ステップは、前記抽出されたログ情報に関する処理を前記他の形式に置換して前記再現動画を構築することが好ましい。
【0012】
また、本発明の一実施形態に係る構築方法において、
前記ログ情報は文字コードであることが好ましい。
【0013】
また、本発明の一実施形態に係る構築方法において、
前記再現動画を閲覧可能な閲覧装置から受信した再現動画閲覧要求に基づいて、構築した前記再現動画を前記閲覧装置に送信するステップ
をさらに含むことが好ましい。
【0014】
また、本発明の一実施形態に係る構築方法において、
前記再現動画閲覧要求は、前記再現動画に関する所定の条件を含み、
前記所定の条件に合致するメタデータに対応付けられた再現動画を抽出するステップをさらに含み、
前記送信するステップは、前記抽出した再現動画を前記閲覧装置に送信することが好ましい。
【0015】
また、本発明の一実施形態は、上述した構築方法に実質的に相当するプログラム、情報処理システム及び情報処理装置としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【0016】
例えば、本発明の一実施形態に係るプログラムは、
情報処理装置として機能するコンピュータに、
ユーザの入力に基づいて進行されるゲームのゲーム画面を表示する端末装置により生成されたゲームの進行に関する処理のログ情報を、前記端末装置から取得する取得ステップと、
前記ログ情報に基づいて前記ゲーム画面を再現した再現動画を構築する構築ステップと
前記ログ情報に基づいて前記ゲームの進行状態に関する情報を生成するステップと、
前記ゲームの進行状態に関する情報をメタデータとして前記再現動画に対応付けるステップとを実行させる。
【0017】
また、例えば、本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、
サーバ装置と少なくとも1つの端末装置とを含み、ゲーム画面を再現した再現動画を構築する情報処理システムであって、
前記端末装置は、
ユーザの入力に基づいてゲームを進行させて前記ゲームの進行に関する処理を行うとともに、該ゲームの進行に関する処理のログ情報を生成する端末制御部と、
前記ログ情報を前記サーバ装置に送信する端末通信部と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記ログ情報を前記端末装置から受信するサーバ通信部と、
前記受信したログ情報を記憶するサーバ記憶部と、
前記受信したログ情報に基づいて前記ゲーム画面を再現した再現動画を構築し、前記ログ情報に基づいて前記ゲームの進行状態に関する情報を生成し、前記ゲームの進行状態に関する情報をメタデータとして前記再現動画に対応付けるサーバ制御部と、を備える。
【0018】
また、本発明の一実施形態に係る情報処理システムにおいて、
前記端末通信部は、前記端末制御部が前記ゲームの進行に関する処理を実行するたびに、前記ゲームの進行に関する処理のログ情報を前記サーバ装置に送信することが好ましい。
【0019】
また、例えば、本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、
ゲーム画面を再現した再現動画の構築処理を実行する情報処理装置であって、
前記ゲーム画面は、ユーザの入力に基づいて端末装置で進行されるゲームに関して、該端末装置に表示される画面であり、
前記端末装置により生成された前記ゲームの進行に関する処理のログ情報を、前記端末装置から取得する通信部と、
前記ログ情報に基づいて前記再現動画を構築し、前記ログ情報に基づいて前記ゲームの進行状態に関する情報を生成し、前記ゲームの進行状態に関する情報をメタデータとして前記再現動画に対応付ける制御部と、
を備える。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一実施形態に係る生成方法、プログラム、情報処理システム及び情報処理装置によれば、煩雑さを低減可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る情報処理システムの要部の機能ブロック図である。
【図2】図1の情報処理システムにおけるログ情報の一例を模式的に示す図である。
【図3】第1実施形態に係る情報処理システムにおける再現動画の構築及び提供の一連の動作の一例を示すシーケンス図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る情報処理システムの要部の機能ブロック図である。
【図5】第2実施形態に係る情報処理システムにおける再現動画の構築及び提供の一連の動作の一例を示すシーケンス図である。
【図6】第3実施形態に係る情報処理システムにおける再現動画の構築及び提供の一連の動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について、図を参照して説明する。
【0023】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報処理システムの要部の機能ブロック図である。情報処理システム100は、端末装置110と、再現動画構築サーバ120と、再現動画共有サーバ130とを備える。図1では、簡便のため、端末装置110を1つのみ示しているが、情報処理システム100は、複数の端末装置110を備えていてもよい。端末装置110と、再現動画構築サーバ120と、再現動画共有サーバ130とは、インターネット等のネットワークを介して互いに通信できるように接続可能である。なお、端末装置110と、再現動画構築サーバ120と、再現動画共有サーバ130との通信形態はこれに限られず、端末装置110と、再現動画構築サーバ120と、再現動画共有サーバ130とは、有線又は無線により互いに通信可能に接続されていればよい。
【0024】
情報処理システム100において、ユーザは端末装置110を使用してゲームをプレイする。再現動画構築サーバ120は、ユーザが端末装置110でプレイしたゲームの進行状態に関する画面(ゲーム画面)を再現した動画(再現動画)を構築する。つまり、再現動画構築サーバ120は、ゲームのプレイ時にユーザが実際に見ているゲーム画面そのものではなく、ゲーム画面とは別の、ゲーム画面を再現した再現動画を構築する。再現動画構築サーバ120が構築した再現動画は、再現動画共有サーバ130に記憶される。ユーザは、再現動画を閲覧する場合、端末装置110から再現動画共有サーバ130に、再現動画を閲覧する要求(再現動画閲覧要求)を送信する。再現動画共有サーバ130は、再現動画閲覧要求に応じて、記憶した再現動画を端末装置110に提供する。
【0025】
端末装置110は、ユーザがプレイするゲームを実行する。端末装置110で実行されるゲームのアプリケーション(ゲームアプリ)は、例えば端末装置110に予めインストールされている。端末装置110において、ユーザによる入力部115への入力操作等に基づいてゲームが進行する。端末装置110は、制御部111と、通信部112と、記憶部113と、表示部114と、入力部115とを備える。
【0026】
制御部111は、端末装置110の各機能ブロックをはじめとして、端末装置110の全体を制御及び管理するプロセッサである。本実施形態において、制御部111は、例えば、ゲームの進行に関する処理を行った場合に、当該ゲームの進行に関する処理のログ情報を記憶部113に記録する。ログ情報の詳細については後述する。また、制御部111は、例えばユーザによる入力部115への所定の入力操作に基づいて、記憶部113に記録したログ情報を、通信部112から再現動画構築サーバ120に送信する。
【0027】
通信部112は、再現動画構築サーバ120及び再現動画共有サーバ130と有線通信又は無線通信を行うことにより、各種データの送受信を行う。通信部112は、制御部111の制御に基づき、例えば記憶部113に記憶されたログ情報を再現動画構築サーバ120に送信する。また、通信部112は、制御部111の制御に基づき、再現動画閲覧要求を再現動画共有サーバ130に送信する。
【0028】
記憶部113は、各種情報を記憶する。記憶部113は、例えば制御部111の制御に基づき、ログ情報を記憶する。記憶部113は、記憶されたログ情報が再現動画構築サーバ120に送信された後は、制御部111の制御に基づき、当該送信されたログ情報を消去してもよい。また、記憶部113は、端末装置110により提供するゲームのゲームアプリを記憶する。また、記憶部113は、制御部111がログ情報の記録に関する制御を実行するためのSDK(Software Development Kit:ソフトウェア開発キット)を記憶する。
【0029】
表示部114は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、又は無機ELディスプレイ等の表示デバイスである。表示部114は、各種情報を表示する。表示部114は、例えばゲームの進行状態に応じたゲーム画面を表示する。また、表示部114は、再現動画共有サーバ130により提供された再現動画を表示する。
【0030】
入力部115は、ユーザからの操作入力を受け付ける。入力部115は、操作ボタン(操作キー)から構成されていてもよい。端末装置110がタッチパネルを有する場合には、タッチパネルが、ユーザの指及びスタイラスペン等の接触を検出して操作入力を受け付けることにより、入力部115として機能する。
【0031】
再現動画構築サーバ120は、端末装置110から受信したログ情報に基づいて、ユーザがプレイしたゲームの再現動画を構築する。再現動画構築サーバ120は、制御部121と、通信部122と、記憶部123とを備える。
【0032】
制御部121は、再現動画構築サーバ120の各機能ブロックをはじめとして、再現動画構築サーバ120の全体を制御及び管理するプロセッサである。本実施形態において、制御部121は、ログ情報に基づいて再現動画の構築処理を実行する再現動画構築部124を備える。再現動画構築部124は、ログ情報に基づいて再現動画を構築可能なアプリケーションを使用して、再現動画の構築処理を行う。かかるアプリケーションは、例えば記憶部123に予め記憶される。再現動画構築部124は、具体的には、ログ情報を参照して、ゲームのプレイ中に表示されたゲーム画面を再現することにより、再現動画を構築する。再現動画構築部124は、再現動画を、例えばゲーム画面とは異なる汎用的な動画ファイルとして構築する。これにより、特定のファイルを再生する専用のソフトウェアがインストールされていない端末装置110を有するユーザであっても再現動画を閲覧しやすくなり、より多くのユーザが再現動画を閲覧しやすくなる。
【0033】
なお、再現動画構築部124は、他の方法により再現動画を構築してもよい。例えば、再現動画構築部124は、ログ情報に基づいて、端末装置110で行われたゲームの進行に関する処理と同様の処理を実行することにより、ゲーム動画を再生し、再生したゲーム動画をキャプチャすることにより、再現動画を構築してもよい。
【0034】
また、再現動画構築部124は、ログ情報に基づいて、構築した再現動画の進行状態に関する情報をメタデータとして構築し、作成したメタデータを、構築した再現動画に対応付ける。メタデータは、例えば、ユーザが端末装置110を使用して再現動画閲覧要求を行う際に、閲覧を希望する再現動画を選択又は検索する場合等に使用される。
【0035】
メタデータは、例えば、後述するスキルの名称等のゲーム媒体パラメータに関する情報を含む。また、メタデータは、ゲームをプレイしたユーザ又は再現動画を閲覧したユーザの操作に基づく所定の情報を含んでいてもよい。メタデータは、例えば、再現動画により再現されたゲーム画面に関するゲームタイトル及びゲームをプレイしたユーザに関する情報等を含む。ゲームをプレイしたユーザに関する情報は、例えば、ゲームにおけるユーザのレベル等のユーザに対応付けられたパラメータに関する情報、及びゲームにおいてユーザが使用するゲーム媒体に関する情報等を含む。また、ユーザに関する情報は、再現動画の構築処理を行うためのアプリケーション以外の他のアプリケーション、又は所定のセンサから取得される情報(センサ情報)を含んでいてもよい。具体的には、ユーザに関する情報は、例えば、端末装置110が備えるGPS(Global Positioning System)又は振動センサ等から取得される情報であってもよい。メタデータが、これらの情報を含むことにより、ユーザに関するより詳細な情報を、再現動画に対応付けることができる。また、再現動画の閲覧を希望するユーザからは、より詳細な情報を指定した再現動画閲覧要求を指定できる。
【0036】
また、メタデータは、ゲームの進行内容に関する情報と、ゲームの進行時間に関する情報とを含んでいてもよい。ゲームの進行内容に関する情報は、各進行内容が発生したゲームの進行時間と対応付けられている。プレイヤは、閲覧を希望する進行内容を指定して再現動画要求を送信することにより、指定した進行内容に関する再現動画を閲覧できる。例えば、端末装置110でプレイされるゲームが、対戦相手にダメージを与えるゲームである場合であって、メタデータが進行内容として対戦相手に与えたダメージ量を含むとする。ユーザが所定量以上ダメージを与えた場面を、再現動画要求として端末装置110から送信した場合、再現動画共有サーバ130は、当該指定した所定量以上ダメージを与えた場面に対応付けられた進行時間を抽出し、抽出された進行時間の再現動画が端末装置110に提供される。ユーザが、例えば、最も大きなダメージを与えた場面を再現動画要求として指定した場合には、端末装置110には、再現動画において最もダメージ量が大きい場面の動画が提供される。このようにして、ユーザが所定の進行内容を入力することによって、当該進行内容に対応する時間の再現動画がユーザに提供される。なお、ここでいうゲームの進行時間に関する情報は、後述する図2のログ情報の説明において「タイムスタンプ」として説明されている。
【0037】
また、再現動画構築部124は、ログ情報又はセンサ情報を分析し、分析結果に基づく情報をメタデータに含めてもよい。例えば、記憶部123が、ログ情報又はセンサ情報に関する所定のパターンを複数記憶しており、再現動画構築部124は、取得したログ情報又はセンサ情報が記憶部123に記憶されたいずれかのパターンと所定の相関性を有すると判断した場合に、当該パターンに関する情報をメタデータに含める。より具体的には、例えば、記憶部123が、片手でプレイ可能なゲームについてのログ情報又はセンサ情報に関するパターンを記憶しており、再現動画構築部124は、取得したログ情報又はセンサ情報が当該片手でプレイ可能なゲームについてのログ情報又はセンサ情報に関するパターンと所定の相関性を有していると判断したとする。この場合、再現動画構築部124は、片手でプレイ可能なゲームであることを示す情報をメタデータに含める。メタデータが、かかる情報を含むことにより、ゲームに関するより詳細な情報を、再現動画に対応付けることができる。また、再現動画の閲覧を希望するユーザからは、より詳細な情報を指定した再現動画閲覧要求を指定できる。
【0038】
また、メタデータは、ユーザが例えば端末装置110から入力した情報(入力情報)を含んでいてもよい。また、再現動画構築部124は、入力情報を含むメタデータが含む他の情報が、複数のメタデータ間に共通に含まれる場合、かかる他の情報のパターンを、記憶部123に記憶させてもよい。これにより、再現動画構築部124は、記憶部123に記憶させた他の情報のパターンに基づいて、メタデータに含める情報を自動的に抽出できるようになる。
【0039】
通信部122は、端末装置110及び再現動画共有サーバ130と有線通信又は無線通信を行うことにより、各種データの送受信を行う。通信部122は、例えば端末装置110からログ情報を受信する。また、通信部122は、例えば再現動画構築部124が構築した再現動画と、当該再現動画に対応付けられたメタデータとを再現動画共有サーバ130に送信する。
【0040】
記憶部123は、各種情報を記憶する。本実施形態において、記憶部123は、ログ情報記憶部125を備える。ログ情報記憶部125は、制御部121の制御に基づき、再現動画構築サーバ120が端末装置110から受信したログ情報を記憶する。
【0041】
再現動画共有サーバ130は、再現動画構築サーバ120が構築した再現動画を記憶する。また、再現動画共有サーバ130は、端末装置110からの再現動画閲覧要求に応じて、ユーザが端末装置110で再現動画を閲覧できるように、記憶した再現動画を端末装置110に提供する。再現動画共有サーバ130は、制御部131と、通信部132と、記憶部133とを備える。
【0042】
制御部131は、再現動画共有サーバ130の各機能ブロックをはじめとして、再現動画共有サーバ130の全体を制御及び管理するプロセッサである。制御部131は、再現動画共有サーバ130が再現動画構築サーバ120から再現動画及びメタデータを受信すると、受信した再現動画及びメタデータを記憶部133に記憶させる。また、制御部131は、再現動画閲覧要求に応じて、記憶部133に記憶された再現動画のうち、当該再現動画閲覧要求において配信を要求された再現動画を選択し、選択した再現動画を端末装置110に提供する。
【0043】
通信部132は、端末装置110及び再現動画構築サーバ120と有線通信又は無線通信を行うことにより、各種データの送受信を行う。通信部132は、例えば再現動画構築サーバ120から、再現動画を受信する。また、通信部132は、端末装置110からの再現動画閲覧要求を受信し、当該再現動画閲覧要求に関する再現動画を端末装置110に提供する。
【0044】
記憶部133は、各種情報を記憶する。本実施形態において、記憶部133は、特に再現動画構築サーバ120から受信した再現動画を記憶する。
【0045】
なお、本実施形態では、上述のように、再現動画構築サーバ120及び再現動画共有サーバ130は、それぞれ独立した異なるサーバ装置であるとして説明したが、情報処理システム100は、再現動画構築サーバ120及び再現動画共有サーバ130に代わって、再現動画構築サーバ120及び再現動画共有サーバ130の双方の機能を有する1つのサーバ装置を備えていてもよい。
【0046】
次に、ログ情報について説明する。ログ情報は、再現動画構築サーバ120が再現動画を構築するための基礎となるデータであり、再現動画よりも容量が小さい任意のデータである。ログ情報は、例えばアスキーコード等の文字コードであり、本明細書では、以下、ログ情報は、アスキーコードであるとして説明する。すなわち、ユーザが端末装置110を使用してゲームを開始すると、制御部111は、アスキーコードであるログ情報の記憶部113への記録を開始する。制御部111は、例えば、ユーザによるログ情報を記録させるための所定の操作に基づいて、ログ情報の記録を開始してもよい。また、制御部111は、例えば、ユーザがゲームのプレイを終了すると、ログ情報の記録を終了する。制御部111は、例えば、ユーザによるログ情報の記録を終了させるための所定の操作に基づいて、ログ情報の記録を終了してもよい。また、制御部111は、例えば、端末装置110により提供されるゲームが、一定のプレイ内容ごとに区切ることが可能である場合、プレイ内容によって区切られるたびに、ログ情報の記録を終了させてもよい。具体的には、例えば、端末装置110により提供されるゲームがサッカーの試合を行うゲームである場合、制御部111は、1試合が終了するたびに、ログ情報の記録を終了してもよい。この場合、制御部111は、ログ情報の記録を終了した後、次にプレイされるゲームのログ情報の記録を開始する。
【0047】
端末装置110の制御部111は、端末装置110でプレイされるゲームの内容に応じた処理の内容を、ログ情報として記憶部113に記録する。本実施形態の端末装置110では、一例として、複数のプレイヤが、各プレイヤに対応付けられたゲーム媒体を使用して、所定の相手と対戦するゲームが提供されるとする。ゲーム媒体は、ゲームに使用される電子データであり、例えば、カード、アイテム、キャラクタ及びアバタ等を含む。また、ゲーム媒体は、ゲームの進行に応じ、プレイヤによって取得、保有、使用、管理、交換、合成、強化、売却、廃棄、及び/又は贈与等され得る電子データであるが、ゲーム媒体の使用態様は本明細書で明示されるものに限られない。各ゲーム媒体は、それぞれ固有のパラメータ(ゲーム媒体パラメータ)を有する。ゲーム媒体パラメータは、ゲーム媒体のレベル、ゲーム媒体の攻撃力及び防御力等の戦闘力、ゲーム媒体の攻撃手段及び防御手段等の戦闘手段、ゲーム媒体のスキル情報、ゲーム媒体のスキルのレベル、ゲーム媒体のアバタに関する情報、ゲーム媒体の属性、ゲーム媒体の希少度(レアリティ)を示す指標等である。スキルは、ゲームにおいて所定の効果を発生させる、ゲーム媒体に固有の能力であり、例えばゲーム媒体の必殺技等である。ゲーム媒体の希少度を示す指標は、ノーマル、レア、スーパーレア、ウルトラレア等の階層により表されてもよい。
【0048】
図2は、本実施形態におけるログ情報の一例を模式的に示す図である。図2に示すように、本実施形態におけるログ情報は、ログ情報に関する項目として、タイムスタンプと、ゲームタイトルIDと、デバイスIDと、処理対象ゲーム媒体IDと、コマンドと、コマンドパラメータとを含む。
【0049】
タイムスタンプは、ログ情報の処理を行った日時を示す情報であり、例えばユニックス時間により記録される。
【0050】
ゲームタイトルIDは、ログ情報の処理を行ったゲームタイトルを一意に特定する、各ゲームタイトルに固有の情報である。すなわち、ゲームタイトルIDは、ユーザが端末装置110を使用してプレイしたゲームのゲームタイトルを示す。
【0051】
デバイスIDは、ログ情報の記録を行ったデバイスを一意に特定する、各デバイスに固有の情報である。本実施形態では、端末装置110がログ情報を記録しているため、デバイスIDとして、端末装置110に対応付けられたIDが記録される。
【0052】
処理対象ゲーム媒体IDは、ログ情報に関するゲームの進行処理の対象となったゲーム媒体を一意に特定する、各ゲーム媒体に固有の情報である。図2の例は、「CID0001」というIDに対応付けられたゲーム媒体及び「CID0004」というIDに対応付けられたゲーム媒体について、ゲームの進行処理を行ったことを示している。
【0053】
コマンドは、ログ情報に関するゲームの進行処理を示す情報である。例えば、図2に示すコマンド「Move」は、ゲームを実行するフィールド上においてゲーム媒体を移動させる処理を示し、コマンド「Skill」は、ゲーム媒体に対応付けられたスキルに関する処理を示す。
【0054】
コマンドパラメータは、ログ情報に関するコマンドの内容を示す情報である。例えば、図2においてコマンド「Move」に対応付けられたコマンドパラメータ「vx+=5,vy-=7」は、ゲーム媒体の座標を、x軸の正の方向に5、y軸の負の方向に7移動させることを示す。また、図2においてコマンド「Skill」に対応付けられたコマンドパラメータ「SkillID=7,px=140,py=130」は、各スキルが固有に有するIDのうち「7」というIDに対応付けられたスキルを、ゲームを実行するフィールド上のx座標が140でy座標が130により特定される位置で、処理を行ったことを示す。
【0055】
従って、これらをまとめると、図2のログ情報のうち、タイムスタンプ「1417612800」に関するログ情報は、タイムスタンプ「1417612800」で示される日時に、「GTID001」というゲームタイトルのゲームにおいて、「DID00001」に対応付けられた端末装置110が、「CID0001」に対応付けられたゲーム媒体を、ゲームのフィールド上においてx軸の正の方向に5、y軸の負の方向に7移動する処理を行ったことを示す。例えば、「CID0001」に対応付けられたゲーム媒体が、端末装置110を使用してゲームをプレイするユーザに対応付けられたゲーム媒体である場合、制御部111は、ユーザからの入力部115への入力操作に基づいて、かかる移動の処理を行い、移動の処理に関するログ情報を記録する。
【0056】
また、図2のログ情報のうち、タイムスタンプ「1417612801」に関するログ情報は、タイムスタンプ「1417612801」で示される日時に、「GTID001」というゲームタイトルのゲームにおいて、「DID00001」に対応付けられた端末装置110が、「CID0004」に対応付けられたゲーム媒体について、ゲームを実行するフィールド上のx座標が140でy座標が130により特定される位置で、「7」というIDに対応付けられたスキルの処理を行ったことを示す。例えば、「CID0004」に対応付けられたゲーム媒体が、端末装置110の制御部111が自動的に操作するゲーム媒体である場合、制御部111は、自ら当該ゲーム媒体を操作した場合に、かかるスキルの処理を行い、スキルの処理に関するログを記録する。
【0057】
なお、図2に示すログ情報は一例である。ログ情報は、図2に示すものに限られない。また、ログ情報に関する項目は、図2に示すタイムスタンプ、ゲームタイトルID、デバイスID、処理対象ゲーム媒体ID、コマンド及びコマンドパラメータに限られない。ログ情報は、端末装置110でプレイされるゲームの内容等に応じて、他の項目を含んでいてもよい。
【0058】
このようにして記録されたログ情報は、アスキーコードとして、ユーザの操作に基づき又は自動的に、端末装置110から再現動画構築サーバ120に送信される。本実施形態において、ログ情報はアスキーコードであるため、記録された一連のログ情報は、複数に分割されて再現動画構築サーバ120に送信されてもよい。
【0059】
再現動画構築サーバ120が端末装置110からログ情報を受信すると、制御部121がログ情報記憶部125に受信したログ情報を記憶させる。
【0060】
そして、再現動画構築部124は、ログ情報記憶部125に記憶されたログ情報に基づいて、再現動画の構築処理を実行する。具体的には、再現動画構築部124は、ログ情報として記録されたタイムスタンプに沿って、ログ情報として記録されたゲーム媒体を、ログ情報として記録されたコマンド及びコマンドパラメータに従って、ゲームの進行を動画として再現することにより、再現動画の構築処理を行う。
【0061】
構築された再現動画は、再現動画構築サーバ120から再現動画共有サーバ130に送信され、記憶部133に記憶される。
【0062】
次に、図3を参照しながら、第1実施形態に係る情報処理システム100における再現動画の構築及び提供の一連の動作の一例について説明する。
【0063】
まず、端末装置110は、制御部111により、ユーザからのゲームを開始するための所定の入力操作に基づき、ゲーム開始の入力を受け付ける(ステップS101)。端末装置110は、ゲーム開始の入力を受け付けると、制御部111により、ログ情報の記録を開始する(ステップS102)。そして、ユーザが、ゲームをプレイし終え、ゲームを終了する所定の入力操作を行うと、端末装置110は、ユーザの当該入力操作に基づき、制御部111により、ゲーム終了の入力を受け付ける(ステップS103)。端末装置110は、ゲーム終了の入力を受け付けると、制御部111により、ログ情報の記録を終了する。端末装置110は、通信部112から、記録したログ情報を、再現動画構築サーバ120に送信する(ステップS105)。
【0064】
再現動画構築サーバ120は、通信部122を介して、端末装置110からログ情報を受信すると、制御部121により、受信したログ情報をログ情報記憶部125に記憶させる(ステップS106)。そして、再現動画構築サーバ120は、ログ情報記憶部125に記憶されたログ情報に基づいて、再現動画構築部124により、再現動画及びメタデータを構築する(ステップS107)。再現動画構築サーバ120は、ステップS108で構築した再現動画及びメタデータを、通信部122から、再現動画共有サーバ130に送信する(ステップS108)。
【0065】
再現動画共有サーバ130は、通信部132を介して、再現動画構築サーバ120から再現動画及びメタデータを受信すると、制御部131により、受信した再現動画及びメタデータを記憶部133に記憶させる(ステップS109)。
【0066】
そして、ユーザが、端末装置110を使用して再現動画閲覧要求を送信する所定の入力操作を行うと、端末装置110は、通信部112から再現動画共有サーバ130に、再現動画閲覧要求を送信する(ステップS110)。
【0067】
再現動画共有サーバ130は、端末装置110から再現動画閲覧要求を受信すると、制御部131により、再現動画閲覧要求において配信を要求された再現動画を選択する(ステップS111)。そして、再現動画共有サーバ130は、通信部132を介して、選択した再現動画を端末装置110に提供する(ステップS112)。
【0068】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム100によれば、端末装置110が、ゲーム画面に関する情報をアスキーコードであるログ情報として記録し、ログ情報を再現動画構築サーバ120に送信する。再現動画構築サーバ120は、ログ情報に基づいて再現動画を構築して、構築した再現動画を再現動画共有サーバ130に送信する。このように、ユーザが再現動画を再現動画共有サーバ130にアップロードするにあたり、端末装置110からは、アスキーコードであるログ情報が再現動画構築サーバ120に送信される。従って、再現動画を直接送信してアップロードする場合と比較して、端末装置110が送信するデータの容量が小さくなり、端末装置110からデータを送信する時間が短くなる。そのため、情報処理システム100によれば、ユーザが感じる煩雑さを低減可能である。
【0069】
また、上述のように端末装置110は、ユーザがゲームをプレイしている間に、ゲーム画面に関する情報をアスキーコードであるログ情報として記録するため、ゲーム画面そのものを録画等により記録する場合と比較して、端末装置110にかかる処理負荷が軽くなりやすい。また、再現動画構築サーバ120の記憶部123が記憶する情報もログ情報であるため、ゲーム画面そのものを記憶する場合と比較して、容量が小さい。そのため、例えば、同一のユーザの長期間にわたるゲームの進行に関する情報、又は複数のユーザにより進行されるゲームの処理に関する情報等、より多くの情報を記憶できる。
【0070】
また、再現動画構築サーバ120は、ゲーム動画を汎用的な動画ファイルの形式で構築するため、実際にゲームをプレイしないで再現動画の閲覧のみを行うユーザであっても、プレイされたゲームやゲーム動画閲覧用の専用ツール等を保持していなくても、汎用的な動画再生ツール又はブラウザ等で再現動画を閲覧できる。
【0071】
さらに、再現動画を閲覧するユーザは、メタデータに含まれる詳細な情報を参照して再現動画を検索することができる。そのため、ユーザは、特定の再現動画に関する具体的な情報を保持していなくても再現動画を検索することができる。例えば、ユーザは、閲覧したいゲームのイメージ(例えば、短時間でプレイが終了するゲーム、ゲームのプレイにおける入力操作の種類が所定数以下のゲーム、又はロールプレイングゲーム等)のみを有しており、閲覧を希望する対象のゲームタイトルが決まっていない場合であっても、ログ情報又はセンサ情報等に基づいて、複数のゲームに関する再現動画を横断的に検索できる。
【0072】
また、本実施形態に係る情報処理システム100によれば、ユーザは、ゲームをプレイしながら再現動画を自ら録画する処理を同時に行う必要がないため、ユーザの煩雑さを低減できる。
【0073】
また、ログ情報はアスキーコードであるため、端末装置110は、記録したログ情報を分割して複数回に分けてログ情報を送信することもできる。
【0074】
(第2実施形態)
第1実施形態では、再現動画構築部124が、ログ情報記憶部125に記憶されたログ情報に基づいて再現動画を構築する場合について説明した。第2実施形態では、再現動画構築部124が、ログ情報記憶部125に記憶されたログ情報に加えて、記憶部123がさらに備える再現動画構築条件記憶部126に記憶された再現動画構築条件に基づいて再現動画を構築する場合について説明する。
【0075】
図4は、本発明の第2実施形態に係る情報処理システムの要部の機能ブロック図である。第2実施形態に係る情報処理システム100において、再現動画構築サーバ120の記憶部123は、ログ情報記憶部125に加えて、再現動画構築条件記憶部126を備える。以下、第1実施形態と同じ点については説明を省略し、異なる点について説明を行う。
【0076】
再現動画構築条件記憶部126は、再現動画構築条件を記憶する。再現動画構築条件は、再現動画構築部124により構築される再現動画に関する所定の条件である。再現動画構築条件は、例えば、ユーザが端末装置110の入力部115を使用して入力し、通信部112から再現動画構築サーバ120に送信される。再現動画構築条件記憶部126は、制御部121の制御に基づき、端末装置110から受信した再現動画構築条件を予め記憶する。
【0077】
第2実施形態において、再現動画構築部124は、ログ情報記憶部125に記憶されたログ情報と、再現動画構築条件記憶部126に記憶された再現動画構築条件とに基づき、再現動画を構築する。以下、再現動画構築条件と、構築される再現動画とについて、例を挙げて説明する。
【0078】
再現動画構築条件は、例えば、ログ情報に関するいずれかの項目を参照して、特定の条件を満たすログ情報を抽出させるものである。ここで、ログ情報記憶部125に、図2に示すログ情報が記憶されているとして説明する。ユーザが、例えば、端末装置110を操作して、再現動画構築条件として、処理対象ゲーム媒体IDが「CID0001」であるログ情報を抽出させることを入力したとする。この場合、再現動画構築部124は、再現動画を構築するに際し、かかる再現動画構築条件を参照して、ログ情報のうち、処理対象ゲーム媒体IDが「CID0001」であるログ情報を抽出する。そして、再現動画構築部124は、抽出したログ情報に基づいて再現動画を構築する。再現動画構築部124は、例えば抽出したログ情報に対して、当該ログ情報の前後の所定時間の再現動画を構築することにより、ログ情報に関する処理を含む再現動画を構築してもよい。当該所定時間は、予め記憶部123に記憶されていてもよく、又はユーザの入力部115に対する入力に基づいて決定されてもよい。ここでの例では、再現動画構築部124は、IDが「CID0001」であるゲーム媒体についての再現動画を構築するため、構築される再現動画は、IDが「CID0001」であるゲーム媒体に関する動画により構成される。
【0079】
他の例として、例えば、ユーザが、端末装置110を操作して、再現動画構築条件として、コマンドが「Skill」であるログ情報を抽出させることを入力したとする。この場合、再現動画構築部124は、再現動画を構築するに際し、かかる再現動画構築条件を参照して、ログ情報のうち、コマンドが「Skill」であるログ情報を抽出する。そして、再現動画構築部124は、抽出したログ情報に基づいて再現動画を構築する。ここでの例では、再現動画構築部124は、「Skill」のコマンドの処理についての再現動画を構築するため、構築される再現動画は、ゲーム内の各ゲーム媒体によるスキルに関する動画により構成される。ユーザは、再現動画構築条件として「SKillID」を具体的に特定することにより、特定のスキルについてのゲーム画像を構築させることもできる。このようにして、ユーザは、例えばゲーム画面のうち特に閲覧を希望する場面を抽出した再現動画を構築させることができる。
【0080】
再現動画構築条件が、特定の条件を満たすログ情報を抽出させるものである場合の例は、上述の例に限られない。ユーザは、ログ情報に関する他の任意の項目について、特定の条件を満たすログ情報を抽出させるように、再現動画構築条件を設定してもよい。ユーザは、例えば、タイムスタンプについて、所定の期間のログ情報を抽出させる再現動画構築条件を設定することにより、当該所定の期間をトリミングした再現動画を構築させることができる。かかる再現動画構築条件により、ユーザは、プレイしたゲームの全体から、所定の一場面を再現動画として構築させることができる。例えば、ユーザがゲームを提供する企業であれば、ゲームの販売促進のためにゲームを紹介する動画を作成するに際し、ゲームの需要者に購買意欲を喚起する場面を再現動画として構築させることができる。
【0081】
また、例えば、ユーザは、再現動画構築条件として、所定の期間のログ情報を除いた他のログ情報を抽出させる再現動画構築条件を設定することにより、プレイしたゲームの全体から、共有を希望しない一場面を除いた再現動画を構築させることもできる。そのため、例えば、ユーザがゲームを提供する企業であれば、ゲームの販売促進のためにゲームを紹介する動画を作成するに際し、内容が知られることを希望しない場面を除いた再現動画を構築することができる。
【0082】
再現動画構築条件は、例えば、ログ情報に関する所定の処理を、他の形式に置換させるものであってもよい。例えば、スキルのIDが「SkillID=7」のスキルに関する処理のゲーム画面において、残酷な画像が表示される場合、ユーザは、再現動画構築条件として、「SkillID=7」のスキルの表現を、残酷な画像を表示しない他の形式に置換させる再現動画構築条件を設定できる。この場合、再現動画構築部124は、再現動画を構築するに際し、かかる再現動画構築条件を参照して、ログ情報のうち「SkillID=7」の処理を行ったログ情報を抽出する。そして、抽出したログ情報に基づく再現動画の構築において、ゲーム画面におけるスキルの表現を、ユーザが再現動画構築条件として指定した表現に置換して、再現動画を構築する。これにより、実際にゲームをプレイした際には、残酷な画像が表示されたゲームであっても、当該残酷な画像を含まない再現動画を構築することができる。これは、例えば、残酷な画像を見せることが望ましくない子供に対して再現動画が共有される可能性がある場合に、残酷な画像を含まない再現動画を構築できるため、特に有効である。
【0083】
また、ユーザは、例えば、所定の処理対象ゲーム媒体IDに対応するゲーム媒体を、プレイしたゲームとは異なる他の形態(外見)に置換して再現動画を構築させる再現動画構築条件を設定できる。例えば、ユーザが、「CID0001」のゲーム媒体について、かかる再現動画構築条件を設定すると、再現動画構築部124は、「CID0001」のゲーム媒体を、実際にはプレイしたゲームにおける形態とは異なる形態で表示するように、再現動画を構築する。例えば、「CID0001」のゲーム媒体がキャラクタである場合、再現動画構築条件に応じて、構築された再現動画のキャラクタが、実際にプレイされたゲームのゲーム画面として表示されたキャラクタと異なるキャラクタとして表示されたり、構築された再現動画のキャラクタが、実際にプレイされたゲームで表示されたキャラクタと異なる衣装で表示されたりする。これにより、ユーザは、プレイしたゲームの内容を、ゲーム画面とは異なる形態で再現動画に表示させることができるため、再現動画における形態の変化を楽しむことができる。
【0084】
また、ユーザが、例えば、所定のゲーム媒体IDのゲーム媒体を、半透明又は透明にして再現動画を構築させる再現動画構築条件を設定した場合、再現動画構築部124は、再現動画構築条件に基づいて、所定のゲーム媒体を半透明又は透明にして表示される再現動画を構築する。このようにして、ユーザは、ゲーム媒体ごとに表示の態様を変更できる。再現動画構築条件における半透明又は透明に表示するゲーム媒体の指定によっては、再現動画構築部124は、半透明又は透明になっていない特定のゲーム媒体に注目させる再現動画を構築できる。
【0085】
次に、図5を参照しながら、第2実施形態に係る情報処理システム100における再現動画の構築及び提供の一連の動作の一例について説明する。
【0086】
まず、端末装置110は、制御部111により、ユーザからの再現動画構築条件を入力する所定の入力操作に基づき、再現動画構築条件の入力を受け付ける(ステップS201)。端末装置110は、再現動画構築条件の入力を受け付けると、通信部112から、再現動画構築条件を再現動画構築サーバ120に送信する(ステップS202)。
【0087】
再現動画構築サーバ120は、通信部122を介して、端末装置110から再現動画構築条件を受信すると、制御部121により、受信した再現動画構築条件を再現動画構築条件記憶部126に記憶させる(ステップS203)。
【0088】
そして、端末装置110は、制御部111により、ユーザからのゲームを開始するための所定の入力操作に基づき、ゲーム開始の入力を受け付ける(ステップS204)。その後のステップS205からステップS209は、それぞれ図3のステップS102からステップS106と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0089】
再現動画構築サーバ120は、ステップS209においてログ情報を記憶すると、ログ情報記憶部125に記憶されたログ情報及び再現動画構築条件記憶部126に記憶された再現動画構築条件に基づき、再現動画及びメタデータを構築する(ステップS210)。再現動画構築サーバ120は、ステップS108で構築した再現動画及びメタデータを、通信部122から、再現動画共有サーバ130に送信する(ステップS211)。その後のステップS212からステップS215は、それぞれ図3のステップS109からステップS112と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0090】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム100によれば、ユーザは、端末装置110を使用して、再現動画構築条件を入力できる。再現動画構築サーバ120は、ユーザが端末装置110に入力した再現動画構築条件を受信し、ログ情報と、再現動画構築条件とに基づいて再現動画を構築する。そのため、ユーザは、再現動画構築条件の設定により、所望の再現動画を構築させることができる。
【0091】
また、情報処理システム100では、ゲーム画面に関する情報がログ情報として記録されるため、再現動画構築サーバ120の記憶部123にログ情報が記憶されている限り、ユーザは、再度ゲームをプレイしてゲーム画面の記録を行うことなく、再現動画構築条件を設定することにより、様々な条件の再現動画を構築させることができる。
【0092】
(第3実施形態)
第1及び第2実施形態では、端末装置110の制御部111が、ログ情報を記憶部113に記録し、記録したログ情報を再現動画構築サーバ120に送信する場合について説明した。第3実施形態では、制御部111が、ゲームの進行に関する処理を実行するたびに、ログ情報を通信部112から再現動画構築サーバ120に送信する場合について説明する。
【0093】
第3実施形態に係る情報処理システムの要部の機能ブロック図は、図1又は図4と同様である。ここでは、図1を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、ユーザが端末装置110を使用してゲームをプレイしている場合に、制御部111は、ゲームの進行に関する処理を行うたびに、通信部112から再現動画構築サーバ120にログ情報を送信する。制御部111は、例えば、ユーザがゲームを開始してからゲームを終了するまで、通信部112から再現動画構築サーバ120にログ情報を送信する。つまり、制御部111は、ユーザによる端末装置110への所定の入力操作に基づいてゲームの終了の入力を受け付けると、ログ情報の送信を終了する。制御部111は、例えば、ユーザによるログ情報の記録を終了させるための所定の操作に基づいて、ログ情報の送信を終了してもよい。制御部111は、ログ情報の送信を終了する場合、ログ情報の送信が終了したことを示す終了通知を、端末装置110から再現動画構築サーバ120に送信してもよい。
【0094】
再現動画構築サーバ120が端末装置110からログ情報を受信すると、制御部121は、受信したログ情報をログ情報記憶部125に記憶させる。再現動画構築部124は、ログ情報記憶部125に記憶されたログ情報に基づいて再現動画を構築する。
【0095】
次に、図6を参照しながら、第3実施形態に係る情報処理システム100における再現動画の構築及び提供の一連の動作の一例について説明する。
【0096】
まず、端末装置110は、制御部111により、ユーザからのゲームを開始するための所定の入力操作に基づき、ゲーム開始の入力を受け付ける(ステップS301)。こうしてゲームが開始されると、制御部111は、ゲームの進行に関する処理を実行する(ステップS302)。制御部111は、ステップS302においてゲームの進行に関する処理を実行するたびに、当該処理に関するログ情報を、通信部112から再現動画構築サーバ120に送信する(ステップS303)。
【0097】
再現動画構築サーバ120は、端末装置110からログ情報を受信すると、受信したログ情報をログ情報記憶部125に記憶する(ステップS304)。
【0098】
また、端末装置110では、制御部111が、ゲームの終了の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS305)。制御部111が、ゲームの終了の入力を受け付けていないと判断すると(ステップS305のNo)、このフローは、ステップS302に移行して、制御部111がゲームの進行に関する処理を実行する。一方、制御部111は、ゲームの終了の入力を受け付けたと判断すると(ステップS305のYes)、通信部112から、再現動画構築サーバ120に、終了通知を送信する(ステップS306)。
【0099】
終了通知を受信した再現動画構築サーバ120は、ログ情報記憶部125に記憶されたログ情報に基づき、再現動画及びメタデータを構築する(ステップS307)。その後のステップS309からステップS312は、それぞれ図1のステップS109からステップS112と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0100】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム100によれば、端末装置110は、ゲームの進行に関する処理を実行すると、当該処理に関するログ情報を再現動画構築サーバ120に送信する。これにより、ユーザが端末装置110から再現動画構築サーバ120にログ情報を送信するという操作を行わなくとも、ユーザがプレイしたゲームのゲーム画面を再現した再現動画が再現動画共有サーバ130において共有される。つまり、本実施形態に係る情報処理システム100は、ユーザに再現動画のアップロードをする時間すら感じさせることなく、再現動画を共有させることができる。
【0101】
複数のユーザが対戦又は協力等して同時にゲームを進行させるいわゆるリアルタイムマルチプレイのゲームにおいて、再現動画を構築するためには、複数のユーザのログ情報が必要であるため、第3実施形態に係る情報処理システム100が有効である。
【0102】
以上、本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0103】
例えば、第2実施形態において、ログ情報が端末装置110でプレイされるゲームの内容等に応じて図2に示す項目以外の他の項目を含む場合、ユーザはこれらの他の項目に関して、再現動画構築条件を設定できる。
【0104】
例えば端末装置110でプレイされるゲームが3次元で表示されるゲームである場合、ログ情報は、端末装置110の表示部114においてゲーム画面として表示された視点に関する視点情報を含んでいてもよい。ユーザが、例えば、視点を変更して再現動画を構築させる再現動画構築条件を設定した場合、再現動画構築部124は、ユーザが指定した所定の視点における再現動画を構築する。かかる視点の変更により、例えば端末装置110でプレイされるゲームがアクションゲーム又はスポーツゲーム等の場合、ユーザは、ゲームにおける動作を所望の位置から見た再現動画を閲覧できる。
【0105】
また、例えば端末装置110でプレイされるゲームが、複数のプレイヤのチャットを表示するチャット機能を有する場合、ログ情報は、端末装置110のゲームにおいてゲーム画面に表示されたチャットに関するチャット情報を含んでいてもよい。ユーザが、例えば、チャットを表示又は非表示にして再現動画を構築させる再現動画構築条件を設定した場合、再現動画構築部124は、再現動画構築条件に応じてチャットを表示又は非表示にした再現動画を構築する。また、ユーザは、例えば特定のチャットのみを表示させる再現動画構築条件を設定してもよい。この場合、再現動画構築部124は、当該特定のチャットのみを表示させた再現動画を構築する。
【0106】
また、例えばログ情報は、入力操作情報を含んでいてもよい。入力操作情報は、ゲームにおいてユーザが入力部115に対して行った入力操作に関する情報である。例えば、入力部115が操作ボタンである場合、入力操作情報は、ユーザが押下したボタンを特定する情報であり、入力部115がタッチパネルにより実現される場合、入力操作情報は、ユーザがタッチパネルに対して行った、タッチ操作及びフリック操作等の操作と、当該操作を行ったタッチパネルの位置(座標)に関する情報である。
【0107】
ユーザが、例えば、入力操作情報を表示させる再現動画構築条件を設定した場合、再現動画構築部124は、入力操作情報を含む再現動画を構築する。つまり、例えば端末装置110でプレイされるゲームがタッチパネルへの入力操作に基づいて進行される場合、構築された再現動画には、ユーザがゲームで行ったタッチ操作及びフリック操作等の操作と、当該操作を行ったタッチパネルの位置とが含まれる。従って、構築された動画を閲覧したユーザは、どのような入力操作が行われた結果、どのような処理が行われ、どのようにゲームが進行したかを知ることができる。
【0108】
また、再現動画に入力操作情報を含めるにあたり、ユーザは、例えば入力操作情報を、当該入力操作の所定時間(例えば1秒)前に、表示させる再現動画構築条件を設定してもよい。この場合、再現動画構築部124により構築された再現動画において、ユーザがゲームで行った操作は、当該操作が行われた所定時間前に表示される。従って、構築された再現動画を閲覧したユーザは、所定時間後に再現動画内に表れる処理が、どのような入力操作に基づくものであるかを知ることができる。
【0109】
また、第2実施形態において、ユーザは、ログ情報が端末装置110から再現動画構築サーバ120に送信された後に、再現動画構築条件を端末装置110に入力してもよい。入力された再現動画構築条件は、端末装置110から再現動画構築サーバ120に送信され、再現動画構築条件記憶部126に記憶される。そして、再現動画構築部124は、新たに記憶された再現動画構築条件に基づいて、再現動画を構築する。このようにして、ログ情報の送信後であっても、ユーザは、再現動画構築条件を端末装置110に入力して、再現動画構築サーバ120に、構築を希望する再現動画を構築させることができる。これは、特に、ログ情報が端末装置110から再現動画構築サーバ120に送信された後に、ユーザが構築を希望するようになった再現動画構築条件を設定する場合に有効である。
【0110】
また、第1乃至第3実施形態において、ユーザは、再現動画を閲覧する場合、閲覧に関する所定の閲覧条件を指定してもよい。閲覧条件は、ユーザが閲覧を希望すると選択した再現動画のうち、所定の一部を指定する条件である。ユーザが閲覧条件を指定した場合、端末装置110は、再現動画共有サーバ130により提供された再現動画に対応付けられたメタデータを参照して、閲覧条件として指定された場面を抽出して表示部114に表示する。このようにして、ユーザは、再現動画のうち所望場面を指定して閲覧することができる。
【0111】
また、第1乃至第3実施形態において、再現動画構築サーバ120は、1つのゲームタイトルに関する再現動画を構築可能な専用のサーバであってもよく、複数のゲームタイトルに関する再現動画を構築可能なサーバであってもよい。再現動画構築サーバ120が複数のゲームタイトルに関する再現動画を構築可能に構成される場合、再現動画構築部124は、図2に示すログ情報の「ゲームタイトルID」を参照して、ユーザにより端末装置110でプレイされたゲームタイトルを特定する。そして、予め記憶部123に記憶された、特定されたゲームタイトルに応じた再現動画構築用のファイルに基づいて再現動画を構築する。
【0112】
また、上記実施形態に係る情報処理システム100において、ゲームの進行画面を、所定のサーバ装置が生成したデータに基づき、端末装置110に表示されるウェブ表示とし、その他のメニュー画面等を、端末装置110にインストールされているネイティブアプリによって表示されるネイティブ表示とすることもできる。このように、情報処理システム100は、サーバ装置と端末装置110のそれぞれが処理の一部を担うハイブリッドゲームとすることもできる。
【0113】
また、上記実施形態に係る再現動画構築サーバ120として機能させるために、コンピュータ又は携帯電話等の情報処理装置を好適に用いることができる。このような情報処理装置は、上記実施形態に係る再現動画構築サーバ120の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、再現動画構築サーバ120の記憶部123に格納し、再現動画構築サーバ120のCPUによって当該プログラムを読出して実行させることにより実現可能である。
【符号の説明】
【0114】
100 情報処理システム
110 端末装置
111 制御部(端末制御部)
112 通信部(端末通信部)
113 記憶部(端末記憶部)
114 表示部
120 再現動画構築サーバ
121、131 制御部(サーバ制御部)
122、132 通信部(サーバ通信部)
123、133 記憶部(サーバ記憶部)
124 再現動画構築部
125 ログ情報記憶部
126 再現動画構築条件記憶部
130 再現動画共有サーバ
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が実行する、ゲーム画面を再現した再現動画の構築方法であって、
前記ゲーム画面は、ユーザの入力に基づいて端末装置で進行されるゲームに関して、該端末装置に表示される画面であり、
前記端末装置により生成された前記ゲームの進行に関する処理のログ情報を、前記端末装置から取得する取得ステップと、
前記ログ情報に基づいて前記再現動画を構築する構築ステップと、
前記ログ情報に基づいて前記ゲームの進行状態に関する情報を生成するステップと、
前記ゲームの進行状態に関する情報をメタデータとして前記再現動画に対応付けるステップと、
前記再現動画を閲覧可能な閲覧装置から受信した、前記再現動画に関する所定の条件を含む再現動画閲覧要求に基づいて、前記所定の条件に合致するメタデータに対応付けられた再現動画を抽出するステップと、
前記抽出した再現動画を前記閲覧装置に送信するステップと
を含む構築方法。
【請求項2】
前記構築ステップにおいて構築される前記再現動画に関する再現動画構築条件を記憶部に記憶する記憶ステップを含み、
前記構築ステップは、前記ログ情報及び前記再現動画構築条件に基づいて前記再現動画を構築する、請求項1に記載の構築方法。
【請求項3】
前記再現動画構築条件は、前記ログ情報のうち所定の条件を満たす前記ログ情報を抽出させる条件であり、
前記構築ステップは、前記抽出された前記ログ情報に関する再現動画を構築する、請求項2に記載の構築方法。
【請求項4】
前記所定の条件は、前記ログ情報が前記ゲームにおける所定のゲーム媒体に関連するログ情報である、請求項3に記載の構築方法。
【請求項5】
前記所定の条件は、前記ログ情報が前記ゲームにおける所定のコマンドに関連するログ情報である、請求項3に記載の構築方法。
【請求項6】
前記再現動画構築条件は、前記ログ情報のうち所定の条件を満たす前記ログ情報を抽出させ、該抽出された前記ログ情報に関する処理を他の形式に置換させる条件であり、
前記構築ステップは、前記抽出されたログ情報に関する処理を前記他の形式に置換して前記再現動画を構築する、請求項2に記載の構築方法。
【請求項7】
前記ログ情報は文字コードである、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の構築方法。
【請求項8】(削除)
【請求項9】(削除)
【請求項10】
情報処理装置として機能するコンピュータに、
ユーザの入力に基づいて進行されるゲームのゲーム画面を表示する端末装置により生成されたゲームの進行に関する処理のログ情報を、前記端末装置から取得する取得ステップと、
前記ログ情報に基づいて前記ゲーム画面を再現した再現動画を構築する構築ステップと
前記ログ情報に基づいて前記ゲームの進行状態に関する情報を生成するステップと、
前記ゲームの進行状態に関する情報をメタデータとして前記再現動画に対応付けるステップと、
前記再現動画を閲覧可能な閲覧装置から受信した、前記再現動画に関する所定の条件を含む再現動画閲覧要求に基づいて、前記所定の条件に合致するメタデータに対応付けられた再現動画を抽出するステップと、
前記抽出した再現動画を前記閲覧装置に送信するステップと
を実行させるプログラム。
【請求項11】
サーバ装置と少なくとも1つの端末装置とを含み、ゲーム画面を再現した再現動画を構築する情報処理システムであって、
前記端末装置は、
ユーザの入力に基づいてゲームを進行させて前記ゲームの進行に関する処理を行うとともに、該ゲームの進行に関する処理のログ情報を生成する端末制御部と、
前記ログ情報を前記サーバ装置に送信する端末通信部と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記ログ情報を前記端末装置から受信するサーバ通信部と、
前記受信したログ情報を記憶するサーバ記憶部と、
前記受信したログ情報に基づいて前記ゲーム画面を再現した再現動画を構築し、前記ログ情報に基づいて前記ゲームの進行状態に関する情報を生成し、前記ゲームの進行状態に関する情報をメタデータとして前記再現動画に対応付け、前記再現動画を閲覧可能な閲覧装置から受信した、前記再現動画に関する所定の条件を含む再現動画閲覧要求に基づいて、前記所定の条件に合致するメタデータに対応付けられた再現動画を抽出し、前記抽出した再現動画を前記閲覧装置に送信するサーバ制御部と、を備える、情報処理システム。
【請求項12】
前記端末通信部は、前記端末制御部が前記ゲームの進行に関する処理を実行するたびに、前記ゲームの進行に関する処理のログ情報を前記サーバ装置に送信する、請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
ゲーム画面を再現した再現動画の構築処理を実行する情報処理装置であって、
前記ゲーム画面は、ユーザの入力に基づいて端末装置で進行されるゲームに関して、該端末装置に表示される画面であり、
前記端末装置により生成された前記ゲームの進行に関する処理のログ情報を、前記端末装置から取得する通信部と、
前記ログ情報に基づいて前記再現動画を構築し、前記ログ情報に基づいて前記ゲームの進行状態に関する情報を生成し、前記ゲームの進行状態に関する情報をメタデータとして前記再現動画に対応付け、前記再現動画を閲覧可能な閲覧装置から受信した、前記再現動画に関する所定の条件を含む再現動画閲覧要求に基づいて、前記所定の条件に合致するメタデータに対応付けられた再現動画を抽出し、前記抽出した再現動画を前記閲覧装置に送信する制御部と、
を備える情報処理装置。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-01-09 
出願番号 特願2015-14023(P2015-14023)
審決分類 P 1 651・ 537- YAA (A63F)
P 1 651・ 113- YAA (A63F)
P 1 651・ 121- YAA (A63F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 中村 和正  
特許庁審判長 黒瀬 雅一
特許庁審判官 森次 顕
藤本 義仁
登録日 2016-11-18 
登録番号 特許第6043819号(P6043819)
権利者 グリー株式会社
発明の名称 構築方法、プログラム、情報処理システム及び情報処理装置  
代理人 岡野 大和  
代理人 田中 伸次  
代理人 河野 英仁  
代理人 太田 昌宏  
代理人 杉村 憲司  
代理人 杉村 憲司  
代理人 甲原 秀俊  
代理人 甲原 秀俊  
代理人 岡野 大和  
代理人 太田 昌宏  

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