• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B32B
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  B32B
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  B32B
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  B32B
管理番号 1340164
異議申立番号 異議2018-700022  
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-06-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-01-10 
確定日 2018-05-09 
異議申立件数
事件の表示 特許第6163196号発明「赤外線反射フィルム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6163196号の請求項1?5に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第6163196号(以下「本件特許」という。)の請求項1?5に係る特許についての出願は、平成25年4月11日に出願した特願2013-83371号の一部を平成27年12月16日に新たな特許出願としたものであって、平成29年6月23日にその特許権の設定登録がされたものであり、その特許について、平成30年1月10日に特許異議申立人特許業務法人朝日奈特許事務所(以下「申立人1」という。)により、平成30年1月11日に特許異議申立人松永健太郎(以下「申立人2」という。)により、平成30年1月12日に特許異議申立人山田宏基(以下「申立人3」という。)により、それぞれ特許異議の申立てがされたものである。

2.本件発明
本件特許の請求項1?5に係る発明(以下「本件発明1?5」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1?5に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
透明フィルム基材上に、赤外線反射層および透明保護層をこの順に備える赤外線反射フィルムであって、可視光透過率が65%以上であり、遮蔽係数が0.60未満であり、前記透明保護層側から測定した修正放射率が0.20以下であり、
前記赤外線反射層は、前記透明フィルム基材側から、第一金属酸化物層、銀を主成分とする銀合金からなる金属層、および第二金属酸化物層を備え、
前記第一金属酸化物層および前記第二金属酸化物層のそれぞれは、前記金属層に直接接した、酸化亜鉛を含有する非晶質の複合金属酸化物層であり、
前記透明保護層の厚みは200nm以下であり、
前記透明フィルム基材と前記赤外線反射層との間、および前記赤外線反射層と前記透明保護層との間には、いずれも金属層を有していない、赤外線反射フィルム。
【請求項2】
前記金属層が、パラジウムを0.1重量%以上含有する、請求項1に記載の赤外線反射フィルム。
【請求項3】
前記第一金属酸化物層および前記第二金属酸化物層のそれぞれが、インジウム-亜鉛複合酸化物、亜鉛-錫複合酸化物、およびインジウム-錫-亜鉛複合酸化物からなる群から選択される複合金属酸化物層である、請求項1又は2に記載の赤外線反射フィルム。
【請求項4】
50℃の5重量%塩化ナトリウム水溶液に5日間浸漬後の放射率の変化が0.05以下である、請求項1?3のいずれか1項に記載の赤外線反射フィルム。
【請求項5】
前記透明保護層がウェットコーティングにより形成された有機物層である、請求項1?4のいずれか1項に記載の赤外線反射フィルム。」

3.申立理由の概要
(1)申立人1の申立理由
ア.本件発明1?5は、以下の(ア)?(カ)の理由により、甲1-1?甲1-7に記載された発明及び技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反するものであるから、その特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。
(ア)甲1-1を主な引用例とする理由
(イ)甲1-2を主な引用例とする理由
(ウ)甲1-3を主な引用例とする理由
(エ)甲1-4を主な引用例とする理由
(オ)甲1-5を主な引用例とする理由
(カ)甲1-7を主な引用例とする理由

イ.本件発明1?5は、以下の(キ)、(ク)の点で、発明の詳細な説明において「発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲」を超えるものであり、本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号の規定に違反するものであるから、その特許は、特許法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。
(キ)「銀を主成分とする銀合金からなる金属層」とは、いかなる銀合金か規定されていない
(ク)「前記透明保護層の厚みは200nm以下である」は、厚みが極めて薄い場合を含みうる

ウ.本件発明1?5は、以下の(ケ)、(コ)の点で明確でなく、本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号の規定に違反するものであるから、その特許は、特許法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。
(ケ)「銀を主成分とする銀合金」とは、銀をどの程度配合するのか不明である
(コ)実施例1?2、比較例1及び比較例7を参照すると、課題を適切に解決する範囲がいかなるものか不明である

エ.本件特許明細書の発明の詳細な説明には、以下の(サ)の点で、当業者が本件発明1?5を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されておらず、特許法第36条第4項第1号の規定に違反するものであるから、本件発明1?5に係る特許は、特許法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。
(サ)本件発明1?5の「酸化亜鉛を含有する非晶質の複合金属酸化物層」をいかにして作製するかについて記載されていない

甲1-1:特開2012-135888号公報
甲1-2:国際公開第2011/109306号
甲1-3:特開2013-10341号公報
甲1-4:特開平10-286900号公報
甲1-5:特開昭54-119582号公報
甲1-6:特開昭61-111940号公報
甲1-7:特開2007-250430号公報
なお、甲1-1?甲1-7は、それぞれ申立人1による特許異議申立書に添付された甲第1号証?甲第7号証である。

(2)申立人2の申立理由
ア.本件発明1?5は、以下の(ア)?(ウ)の理由で、甲2-1?甲2-11に記載された発明及び事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反するものであるから、その特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。
(ア)本件発明1?4に対する、甲2-1を主な引用例とする理由
(イ)本件発明1?4に対する、甲2-2を主な引用例とする理由
(ウ)本件発明1?5に対する、甲2-3を主な引用例とする理由

イ.本件特許明細書の発明の詳細な説明には、以下の(エ)、(オ)の点で、当業者が本件発明1?5を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されておらず、特許法第36条第4項第1号の規定に違反するものであるから、本件発明1?5に係る特許は、特許法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。
(エ)「銀を主成分とする銀合金からなる金属層」を有する赤外線反射フィルムが、「耐久性を兼ね備える」ものであって「可視光透過率が65%以上であり、遮蔽係数が0.60未満であり、前記透明保護層側から測定した修正放射率が0.20以下」として製造できるように記載されていない
(オ)「厚みは200nm以下」の「透明保護層」を有する赤外線反射フィルムが、「透明保護層側から測定した修正放射率が0.20以下」であって、「50℃の5重量%塩化ナトリウム水溶液に5日間浸漬後の放射率の変化が0.05以下」であり、「耐久性を兼ね備える」ものとして製造できるように記載されていない

ウ.本件発明1?5は、以下の(カ)、(キ)の点で、発明の詳細な説明において「発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲」を超えるものであり、本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号の規定に違反するものであるから、その特許は、特許法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。
(カ)「銀を主成分とする銀合金からなる金属層」との事項
(キ)「厚みは200nm以下」の「透明保護層」との事項

エ.本件発明1?5は、下記(ク)、(ケ)の点で明確でなく、本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号の規定に違反するものであるから、その特許は、特許法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。
(ク)請求項1の「銀を主成分とする銀合金」の「主」の意味が明確に理解できない
(ケ)請求項5の「ウェットコーティングにより形成された」は、特許請求の範囲にその物の製造方法が記載されている場合に該当する

甲2-1:特開昭62-196366号公報
甲2-2:特開2007-250430号公報
甲2-3:特開2008-36864号公報
甲2-4:特開2005-116646号公報
甲2-5:特開2000-117871号公報
甲2-6:「JIS 建築窓ガラス用フィルム JIS A5759:2008」平成20年6月20日改正、日本規格協会発行、3?8、18頁
甲2-7:「JIS 板ガラス類の熱抵抗及び建築における熱貫流率の算定方法 JIS R3107:1998」平成10年3月20日制定、日本規格協会発行、2、4、6頁
甲2-8:特開2008-221732号公報
甲2-9:特開2012-36076号公報
甲2-10:特開2001-52529号公報
甲2-11:特開2000-202941号公報
参考文献1:特開2010-248547号公報
参考文献2:大木道則他編集、「化学大辞典」、株式会社東京化学同人、第1版第6刷、2001年6月1日発行、1846頁
なお、甲2-1?甲2-11は、それぞれ申立人2による特許異議申立書に添付された甲第1号証?甲第11号証である。

(3)申立人3の申立理由
ア.本件発明1?5は、以下の(ア)?(オ)の点で、甲3-1?甲3-5のいずれかに記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当するから、その特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。
(ア)本件発明1、2、4、5は、甲3-1に記載された発明である
(イ)本件発明1、3、4は、甲3-2に記載された発明である
(ウ)本件発明1、4、5は、甲3-3に記載された発明である
(エ)本件発明1、4、5は、甲3-4に記載された発明である
(オ)本件発明1、3?5は、甲3-5に記載された発明である

イ.本件発明1?5は、以下の(カ)?(コ)の理由で、甲3-1?甲3-9に記載された発明及び技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反するものであるから、その特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。
(カ)本件発明1、2、4、5に対する、甲3-1を主な引用例とする理由
(キ)本件発明1?4に対する、甲3-2を主な引用例とする理由
(ク)本件発明1、4、5に対する、甲3-3を主な引用例とする理由
(ケ)本件発明1、2、4、5に対する、甲3-4を主な引用例とする理由
(コ)本件発明1?5に対する、甲3-5を主な引用例とする理由

ウ.本件発明1?5は、以下の(サ)、(シ)の点で明確でなく、本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号の規定に違反するものであるから、その特許は、特許法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。
(サ)請求項1の「銀を主成分とする銀合金」の「主成分」とは何を基準としたものであるのか不明である
(シ)請求項5の「ウェットコーティングにより形成された」は、特許請求の範囲にその物の製造方法が記載されている場合に該当する

甲3-1:特開2001-33622号公報
甲3-2:特開2008-105251号公報
甲3-3:特開平10-286900号公報
甲3-4:特公昭60-59147号公報
甲3-5:特開2012-135888号公報
甲3-6:「JIS 建築窓ガラス用フィルム JIS A5759:2008」平成20年6月20日改正、日本規格協会発行、1?28頁
甲3-7:「JIS 板ガラス類の熱抵抗及び建築における熱貫流率の算定方法 JIS R3107:1998」平成10年3月20日制定、日本規格協会発行、1?10頁
甲3-8:「JIS 板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射熱取得率の試験方法 JIS R3106:1998」平成10年3月20日改正、日本規格協会発行、1?19頁
甲3-9:山村方人、「精密ウェットコーティングの基礎」、表面技術、Vol.60、No.7、2012年2月2日、420頁
甲3-10:大木道則他編集、「化学大辞典」、株式会社東京化学同人、第1版第5刷、1999年6月1日発行、460頁
なお、甲3-1?甲3-10は、それぞれ申立人3による特許異議申立書に添付された甲第1号証?甲第10号証である。

4.当審の判断
(1)特許法第29条第1項第3号及び同法第2項に係る申立理由
ア.申立人1の申立理由(ア)?(オ)、申立人2の申立理由(ウ)、申立人3の申立理由(ア)?(コ)について
(ア)上記申立理由は、それぞれ、甲1-1(甲3-5と同じ)、甲1-2、甲1-3、甲1-4(甲3-3と同じ)、甲1-5(甲3-4の公開公報)、甲2-3、甲3-1、あるいは、甲3-2に記載された発明に基づくものである。
これらの発明は、いずれも、「透明フィルム基材上に、赤外線反射層および透明保護層をこの順に備える赤外線反射フィルム」に係るものではあるものの、本件発明1のように、その「赤外線反射層」が、「透明フィルム基材側から、第一金属酸化物層、銀を主成分とする銀合金からなる金属層、および第二金属酸化物層を備え、前記第一金属酸化物層および前記第二金属酸化物層のそれぞれは、前記金属層に直接接した、酸化亜鉛を含有する非晶質の複合金属酸化物層」として構成されたものではない。
本件発明1は、このような「銀を主成分とする銀合金からなる金属層」と、それに直接接する「酸化亜鉛を含有する非晶質の複合金属酸化物層」からなる「赤外線反射層」を採用することにより、「金属層が単層であっても、遮熱性と断熱性を両立し、かつ可視光の透過性および耐久性を兼ね備える」(本件特許明細書の【0009】)ことができるものである。
(イ)この点、甲1-7(甲2-2と同じ)には、樹脂フィルム基板の少なくとも片面に「銀若しくは銀を主成分とする合金からなる金属膜と、該金属膜との両面に設けられたSnとZnとOとを主成分とする非晶質のZn-Sn-O系酸化物膜とから構成される」透明導電膜を設けた透明導電性フィルムが記載されている(請求項1、請求項8、【0016】)。しかし、この「SnとZnとOとを主成分とする非晶質のZn-Sn-O系酸化物膜」の金属酸化物層は、導電体である「銀若しくは銀を主成分とする合金からなる金属膜」を保護するためのもので、本件発明1のように、「赤外線反射層」を構成する「銀を主成分とする銀合金からなる金属層」を保護するものではない。
しかも、導電体である「銀若しくは銀を主成分とする合金からなる金属膜」を保護するとはいえ、甲1-7(甲2-2)の「SnとZnとOとを主成分とする非晶質のZn-Sn-O系酸化物膜」の金属酸化物層が、「遮熱性と断熱性を両立し、かつ可視光の透過性および耐久性」が求められる赤外線反射フィルムに用いられ得るか否かについては、甲1-7(甲2-2)において記載も示唆もされていない。
そのため、たとえ甲1-7(甲2-2)に「SnとZnとOとを主成分とする非晶質のZn-Sn-O系酸化物膜」からなる金属酸化物層が記載されているとしても、本件発明1のような「遮熱性と断熱性を両立し、かつ可視光の透過性および耐久性を兼ね備える」ことが求められるものではない甲1-7(甲2-2)の金属酸化物層を、甲1-1(甲3-5)、甲1-2、甲1-3、甲1-4(甲3-3)、甲1-5(甲3-4)、甲2-3、甲3-1、あるいは、甲3-2に記載された発明において、あえて採用しようとする動機付けがあるとはいえない。
また、申立人1?3が提出したいずれの証拠にも、「赤外線反射層」において、「遮熱性と断熱性を両立し、かつ可視光の透過性および耐久性を兼ね備える」ために「SnとZnとOとを主成分とする非晶質のZn-Sn-O系酸化物膜」の金属酸化物層を備えることは、記載も示唆もされていない。
(ウ)なお、申立人1は、甲1-2([060])に「インジウム亜鉛酸化物(IZO)、・・・・酸化亜鉛、酸化錫及びその他の金属酸化物又はこれらの組み合わせ」と、甲1-3(【0036】)に「酸化インジウム亜鉛(IZO)からなる半透明金属層」と、甲1-6(請求項1、請求項4)に「合金が本質的に亜鉛とスズとからなる」酸化反応生成物とが記載され、これらの酸化物が、本件発明1の「酸化亜鉛を含有する非晶質の複合金属酸化物層」に相当する旨、
また、申立人3は、甲3-1(【0014】)に高屈折率誘電体膜の材料としては「・・・・酸化亜鉛・・・・から選択される少なくとも1種の化合物が挙げられ、とくに酸化インジウムを主成分としこれに二酸化チタンや酸化錫、酸化セリウムを少量含ませたものが好ましく用いられる。」と、甲3-2(【0051】)に「上記金属酸化物としては、とりわけ、可視光に対する屈折率が比較的大きいなどの観点から、酸化チタン(IV)(TiO2)、チタン酸塩、ITO、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)などを好適なものとして例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。」と、甲3-5(【0038】)に「上記金属酸化物としては、具体的には、例えば、チタンの酸化物、亜鉛の酸化物、インジウムの酸化物、スズの酸化物、インジウムとスズとの酸化物、マグネシウムの酸化物、アルミニウムの酸化物、ジルコニウムの酸化物、ニオブの酸化物、セリウムの酸化物などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。また、これら金属酸化物は、2種以上の金属酸化物が複合した複酸化物であっても良い。」と記載され、これらの酸化物が、本件発明1の「酸化亜鉛を含有する非晶質の複合金属酸化物層」であるか、もしくは、そうである蓋然性が高い旨、それぞれ主張する。
しかし、いずれの文献にも、これらの酸化物が「非晶質」であるとは記載されていないし、これらの酸化物が「非晶質」を構成することが技術常識であるともいえないから、申立人1及び申立人3の上記主張は、いずれも採用することはできない。
(エ)よって、本件発明1は、甲3-2、甲3-3、甲3-4、甲3-5のいずれかに記載された発明ではなく、甲1-1(甲3-5)、甲1-2、甲1-3、甲1-4(甲3-3)、甲1-5(甲3-4)、甲2-3、甲3-1、あるいは、甲3-2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
(オ)さらに、本件発明2?5は、本件発明1の発明特定事項をすべて含むものであるところ、上記のように、本件発明1は本件発明1は、甲3-2、甲3-3、甲3-4、甲3-5のいずれかに記載された発明ではなく、甲1-1(甲3-5)、甲1-2、甲1-3、甲1-4(甲3-3)、甲1-5(甲3-4)、甲2-3、甲3-1、あるいは、甲3-2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもないから、本件発明2?5についても、甲3-2、甲3-3、甲3-4、甲3-5のいずれかに記載された発明ではなく、甲1-1(甲3-5)、甲1-2、甲1-3、甲1-4(甲3-3)、甲1-5(甲3-4)、甲2-3、甲3-1、あるいは、甲3-2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
(カ)以上のとおり、申立人1の申立理由(ア)?(オ)、申立人2の申立理由(ウ)、申立人3の申立理由(ア)?(コ)のいずれも、理由があるものではない。

イ.申立人1の申立理由(カ)、申立人2の申立理由(イ)について
(ア)甲1-7(甲2-2)に記載された発明は、「太陽電池、液晶表示素子、その他、各種の受光素子等の電極として利用されるほか、自動車窓ガラスや、建築物の窓ガラス等に用いる熱線反射膜、各種の帯電防止膜、冷凍ショーケースなどの防曇用の透明発熱体としても利用」(甲1-7(甲2-2)の【0002】)され得る「透明導電性フィルム」に係るものである。
そのため、甲1-7(甲2-2)に記載された発明の「透明導電性フィルム」は、本件発明1の「赤外線反射フィルム」のように「可視光透過率が65%以上であり、遮蔽係数が0.60未満であり、透明保護層側から測定した修正放射率が0.20以下」とすることが求められるものではなく、そのような性能を有するものではない。また、甲1-7(甲2-2)に記載された発明の「透明導電性フィルム」には、そのような性能を備える必要もないから、甲1-7(甲2-2)に記載された発明の「透明導電性フィルム」を、上記性能を有する本件発明1の「赤外線反射フィルム」のように構成しようとする動機付けもできない。
(イ)よって、本件発明1は、甲1-7(甲2-2)に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
さらに、本件発明2?5についても、甲1-7(甲2-2)に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(ウ)以上のとおり、申立人1の申立理由(カ)、申立人2の申立理由(イ)のいずれも、理由があるものではない。

ウ.申立人2の申立理由(ア)について
(ア)甲2-1には、亜鉛52.4重量%および錫47.6重量%からなる亜鉛/錫合金のスパッタリング表面を含むものであり、真空化して、アルゴン/酸素の雰囲気において圧力4ミリトルの被覆室に基体を配置してスパッタリングして、フィルム厚約540オングストロームの錫酸亜鉛のフィルムを基体上に溶着し、その上に銅プライマー層、銅プライマー層上にフィルム厚約90オングストロームの銀層、銀層上に銅プライマー層を形成し、さらに、フィルム厚約430オングストロームの錫酸亜鉛のフィルムをスパッタリングにより形成した、高透過率、低放射率物品の発明が記載されている。
(イ)この甲2-1に記載された発明と本件発明1を対比すると、本件発明1の「第一金属酸化物層」および「第二金属酸化物層」が、「金属層に直接接」するのに対し、甲2-1に記載された発明は、錫酸亜鉛の酸化物層が銅プライマ一層を介して銀からなる金属層に接する点で、少なくとも相違する。
(ウ)この点に関し、甲2-1(6頁左上欄9行?同右上欄1行)には、「本発明のプライマー層の結果として、金属フイルムと金属酸化物フイルムとの間のすぐれた接着から生じた被覆物品のすぐれた耐久性は、被覆表面を湿布をもつて拭うことからなる簡単な摩耗試験によって容易に示される。本発明によるプライマー層のない、錫酸亜鉛/銀/錫酸亜鉛を用いて被覆された表面は、湿布の数回のパス後の反射率が約6%から約18%に増大し、上層錫酸亜鉛および下にある銀フイルムの両者の除去が分かる。対照的に、湿布をもつて長時間激しく摩擦することによつて、本発明のプライマ一層を含む錫酸亜鉛/銅/銀/銅/錫酸亜鉛被覆物品に明白な変化は生じない。」と記載されている。このことからすると、甲2-1に記載された発明において、錫酸亜鉛と銀層の間の銅プライマー層は、錫酸亜鉛と銀層の耐久性向上のために必要な構成とされており、このような銅プライマー層を備えないようにしようとはしないはずである。
すると、銅プライマー層を備え、錫酸亜鉛の酸化物層が銅プライマー層を介して銀からなる金属層に接するものである甲2-1に記載された発明を、銅プライマ一層を備えないようにして、本件発明1のように金属酸化物層を金属層に直接接するようにすることの動機付けがあるとはいえない。
(エ)よって、本件発明1は、甲2-1に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
さらに、本件発明2?5についても、甲2-1に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(オ)以上のとおり、申立人2の申立理由(ア)には理由がない。

(2)特許法第36条第4項第1号に係る申立理由
ア.申立人1の申立理由(サ)について
本件特許明細書の【0030】には、「金属酸化物層21,22中の酸化亜鉛の含有量は、金属酸化物の合計100重量部に対して、3重量部以上が好ましく、5重量部以上がより好ましく、7重量部以上がさらに好ましい。酸化亜鉛の含有量が上記範囲であれば、金属酸化物層が非晶質層となりやすく、耐久性が高められる傾向がある。一方、酸化亜鉛の含有量が過度に大きいと、逆に耐久性が低下したり、可視光線透過率が低下する傾向がある。そのため、金属酸化物層21,22中の酸化亜鉛の含有量は、金属酸化物の合計100重量部に対して、60重量部以下が好ましく、50重量部以下がより好ましく、40重量部以下がさらに好ましい。」と記載され、その金属酸化物層の厚みと製膜方法については、同じく【0032】に「上記金属層25および金属酸化物層21,22の厚みは、赤外線反射層が、可視光線を透過し近赤外線を選択的に反射するように、材料の屈折率等を勘案して適宜に設定される。・・・・金属酸化物層21,22の厚みは、例えば、3nm?80nm、好ましくは3nm?50nm、より好ましくは3?35nmの範囲で調整され得る。金属層および禁則酸化物層の製膜方法は特に限定されないが、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法、電子線蒸着法等のドライプロセスによる製膜が好ましい。」と記載されている。
そして、実施例1?3、比較例1?9において、具体的な製膜方法とその性能の評価が記載されているから、これらの記載からすれば、申立人1が主張するように、本件特許明細書に「酸化亜鉛を含有する非晶質の複合金属酸化物層」をいかに作製するかが記載されていないとまではいえない。
よって、申立人1の申立理由(サ)には理由がない。

イ.申立人2の申立理由(エ)について
本件特許明細書には、金属層について、【0025】に「銀を96?99.9重量%含有することが好ましい。銀の含有量を96重量%以上とすることで、透過率および反射率の波長選択性を高め、可視光線透過率を高めることができる。赤外線反射フィルムの可視光線透過率を高める観点から、銀の含有量は97重量%以上がより好ましく、98重量%以上がさらに好ましく、99重量%以上が特に好ましい。金属層25における銀の含有量が増加するにしたがって、赤外線反射フィルムの可視光線透過率が高められる傾向がある。」と記載され、同じく【0027】に「耐久性を高める観点から、金属層25は、銀以外の金属を0.1重量%以上含有することが好ましく、0.2重量%以上含有することがより好ましく、0.3重量%以上含有することがさらに好ましい。金属層の耐久性を高める目的で添加される金属としては、パラジウム(Pd),金(Au),銅(Cu),ビスマス(Bi),ゲルマニウム(Ge),ガリウム(Ga)等が好ましい。中でも、銀に高い耐久性を付与する観点から、Pdが最も好適に用いられる。Pd等の添加量を増加させると、金属層の耐久性が向上する傾向がある。一方で、Pd等の添加量が過度に多いと、赤外線反射フィルムの可視光線透過率が低下する傾向がある。そのため、金属層25中の銀以外の金属の含有量は、4重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましく、2重量%以下がさらに好ましく、1重量%以下が特に好ましい。」と記載されている。
さらに、実施例1?3、比較例1、2の記載も踏まえれば、当業者であれば、「銀を主成分とする銀合金からなる金属層」を有するものであって、「耐久性を兼ね備え」、「可視光透過率が65%以上であり、遮蔽係数が0.60未満であり、前記透明保護層側から測定した修正放射率が0.20以下」の赤外線反射フィルムを製造し得るものといえる。
よって、申立人2の申立理由(エ)には理由がない。

ウ.申立人2の申立理由(オ)について
本件特許明細書には、透明保護層について、【0034】に「透明保護層30は、高い可視光線の透過率を有することに加えて、遠赤外線の吸収が小さいことが好ましい。遠赤外線の吸収率が大きいと、室内の遠赤外線が透明保護層で吸収され、熱伝導によって外部に放熱されるため、赤外線反射フィルムの断熱性が低下する傾向がある。一方、透明保護層30による遠赤外線の吸収が少ない場合、遠赤外線は、赤外線反射層20の金属層25により室内に反射されるため、赤外線反射フィルムの断熱効果が高められる。透明保護層30による遠赤外線吸収量を小さくする方法としては、透明保護層の厚みを小さくする方法や、透明保護層の材料として遠赤外線の吸収率が小さいものを用いる方法が挙げられる。」と記載され、【0035】に「透明保護層の厚みを調整して遠赤外線吸収を小さくする場合、透明保護層の厚みは、300nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、100nm以下がさらに好ましい。透明保護層の厚みが小さい場合、遠赤外線吸収量の低減によって断熱効果を高められる一方で、赤外線反射層の耐久性を高めるための保護層としての機能が低下する場合がある。そのため、透明保護層の厚みが200nm以下の場合は、透明保護層として強度に優れる材料が用いられると共に、赤外線反射層自体の耐久性も高められることが好ましい。赤外線反射層自体の耐久性を高める方法としては、金属層25における銀の含有量を小さくして、パラジウム等の成分の含有量を大きくする方法が挙げられる。」とも記載されている。
さらに、「厚みは200nm以下」の「透明保護層」を有し、「透明保護層側から測定した修正放射率が0.20以下」であって、「50℃の5重量%塩化ナトリウム水溶液に5日間浸漬後の放射率の変化が0.05以下」である実施例3及び比較例8が、本件特許の発明の詳細な説明の【0079】の【表1】に記載されており、そのいずれも「耐擦傷性」及び「耐塩水性」は良好であることから、「耐久性を兼ね備える」ものである。
したがって、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載は、当業者が本件発明1?5の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものではないとはいえないから、申立人2の申立理由(オ)には理由がない。

(3)特許法第36条第6項第1号に係る申立理由
ア.申立人1の申立理由(キ)、申立人2の申立理由(カ)について
本件特許明細書には、「金属層が単層であっても、遮熱性と断熱性を両立し、かつ可視光の透過性および耐久性を兼ね備える赤外線反射フィルム」を得る(【0009】)との発明の課題を解決するために、金属層については、「積層数を増加させることなく、可視光線透過率と近赤外線反射率を高める観点から、金属酸化物層の間に挟持される金属層として、銀を主成分とする銀合金層が好適に用いられる。銀は高い自由電子密度を有するため、近赤外線・遠赤外線の高い反射率を実現することができ、赤外線反射層20を構成する層の積層数が少ない場合でも、遮熱効果および断熱効果に優れる赤外線反射フィルムが得られる。」(【0024】)と記載され、さらにその「銀を主成分とする銀合金層」については、「銀の含有量が増加するにしたがって、赤外線反射フィルムの可視光線透過率が高められる傾向がある」(【0025】)と記載されている。そして、本件特許明細書には、「銀は、水分、酸素、塩素等が存在する環境下に暴露された場合や、紫外光や可視光が照射された場合に、酸化や腐食等の劣化を生じる場合がある」ことから、「金属層25は、耐久性を向上させる目的で、銀以外の金属を含有する銀合金層であることが好ましい」(【0026】)と記載され、「耐久性を高める観点から、金属層25は、銀以外の金属を0.1重量%以上含有することが好ましく、0.2重量%以上含有することがより好ましく、0.3重量%以上含有することがさらに好ましい。金属層の耐久性を高める目的で添加される金属としては、パラジウム(Pd),金(Au),銅(Cu),ビスマス(Bi),ゲルマニウム(Ge),ガリウム(Ga)等が好ましい」(【0027】)と記載されている。
これらの記載からすると、金属層が単層である赤外線反射フィルムにおいては、可視光線透過性、遮熱性及び断熱性を高めるために、当該金属層として銀を主成分とする銀合金が好ましく、銀への他の金属の含有割合を調整することにより、可視光線透過性、遮熱性及び断熱性と共に、耐久性を兼ね備えるように設定し得るものと認識できる。そして、本件発明1?5は、いずれも「銀を主成分とする銀合金からなる金属層」を赤外線反射層として含むものであるから、発明の課題を解決できることを、当業者が認識できる範囲内のものである。
よって、申立人1の申立理由(キ)及び申立人2の申立理由(カ)には、理由があるとはいえない。

イ.申立人1の申立理由(ク)、申立人2の申立理由(キ)について
本件特許明細書には、透明保護層の厚みについて、発明の詳細な説明の【0035】に、「透明保護層の厚みを調整して遠赤外線吸収を小さくする場合、透明保護層の厚みは、300nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、100nm以下がさらに好ましい。透明保護層の厚みが小さい場合、遠赤外線吸収量の低減によって断熱効果を高められる一方で、赤外線反射層の耐久性を高めるための保護層としての機能が低下する場合がある。そのため、透明保護層の厚みが200nm以下の場合は、透明保護層として強度に優れる材料が用いられると共に、赤外線反射層自体の耐久性も高められることが好ましい。赤外線反射層自体の耐久性を高める方法としては、金属層25における銀の含有量を小さくして、パラジウム等の成分の含有量を大きくする方法が挙げられる。」と記載されている。
この記載からすると、透明保護層の厚みを、「より好ましい」とされる「200nm以下」にすることにより、求められる赤外線反射層の耐久性と断熱効果を備えるようにし得るものと認識できるから、「前記透明保護層の厚みは200nm以下である」との事項は、本件特許明細書の発明の詳細な説明において「発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲」を超えるものではない。
よって、申立人1の申立理由(ク)及び申立人2の申立理由(キ)には、理由があるとはいえない。

(4)特許法第36条第6項第2号に係る申立理由
ア.申立人1の申立理由(ケ)、申立人2の申立理由(ク)、申立人3の申立理由(サ)について
本件発明1?5の「銀を主成分とする銀合金」について、「主成分」とは「ある物質の主な成分」(広辞苑6版)であるところ、そのとおりの意味に解して、本件発明1?5を理解することができる。
そして、そのことは、本件特許明細書の【0025】の「金属層25は、銀を96?99.9重量%含有することが好ましい。銀の含有量を96重量%以上とすることで、透過率および反射率の波長選択性を高め、可視光線透過率を高めることができる。赤外線反射フィルムの可視光線透過率を高める観点から、銀の含有量は97重量%以上がより好ましく、98重量%以上がさらに好ましく、99重量%以上が特に好ましい。金属層25における銀の含有量が増加するにしたがって、赤外線反射フィルムの可視光線透過率が高められる傾向がある。」という記載とも矛盾しない。
よって、申立人1の申立理由(ケ)、申立人2の申立理由(ク)及び申立人3の申立理由(サ)には理由がない。

イ.申立人2の申立理由(ケ)、申立人3の申立理由(シ)について
本件発明5には、「透明保護層がウェットコーティングにより形成された有機物層である」旨の特定事項を含んでいるが、本件特許明細書の「透明保護層の形成方法は特に限定されないが、例えば、水素化ニトリルゴム等の高分子を、必要に応じて架橋剤と共に溶剤に溶解させて溶液を調整し、この溶液を赤外線反射層20上に塗布した後、溶媒を乾燥させることにより形成される。」(【0046】)との記載や当該技術分野における出願時の技術常識を考慮すれば、この「ウェットコーティングにより形成された有機物層である」「透明保護層」の構造や特性が明確でないとまではいえず、申立人2及び申立人3が主張するように、この記載が「その物の製造方法が記載されている場合」に該当するものとはいえない。
よって、申立人2の申立理由(ケ)及び申立人3の申立理由(シ)には理由がない。

ウ.申立人1の申立理由(コ)について
透明保護層が、遠赤外線の吸収率が小さい水素化ニトリルゴム(HNBR)等以外の一般的な有機物からなる場合には、遠赤外線吸収を小さくするために厚みを小さくすることが求められているところ、本件発明1?5では、有機物の材料は特定せずに、透明保護層の厚みを特定したものと理解できるから、実施例1?2及び比較例1が、本件発明1?5に含まれる態様に該当しないことで、本件発明1?5が不明確であるとはいえない。
また、比較例7は、比較例7の金属酸化物層は酸化亜鉛を含んでいないため、本件発明1に含まれる態様ではなく、比較例に整理されることで、本件発明1?5が不明確であるとはいえない。
よって、申立人1の申立理由(コ)には理由がない。

5.むすび
以上のとおり、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件発明1?5に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1?5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2018-04-27 
出願番号 特願2015-244920(P2015-244920)
審決分類 P 1 651・ 113- Y (B32B)
P 1 651・ 537- Y (B32B)
P 1 651・ 121- Y (B32B)
P 1 651・ 536- Y (B32B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小石 真弓  
特許庁審判長 久保 克彦
特許庁審判官 井上 茂夫
竹下 晋司
登録日 2017-06-23 
登録番号 特許第6163196号(P6163196)
権利者 日東電工株式会社
発明の名称 赤外線反射フィルム  
代理人 上杉 浩  
代理人 那須 威夫  
代理人 須田 洋之  
代理人 近藤 直樹  
代理人 西島 孝喜  
代理人 弟子丸 健  
代理人 大塚 文昭  
代理人 田中 伸一郎  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ