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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 特174条1項 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1342378
審判番号 不服2017-12898  
総通号数 225 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-09-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-08-31 
確定日 2018-07-12 
事件の表示 特願2015- 16316号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 8月 8日出願公開、特開2016-140400号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成27年1月30日の出願であって、平成28年3月24日付けで拒絶の理由が通知され、同年5月23日に意見書及び手続補正書が提出され、同年10月26日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年12月28日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成29年5月23日付けで、平成28年12月28日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、それに対して、平成29年8月31日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 平成29年8月31日付け手続補正についての補正の却下の決定
〔補正の却下の決定の結論〕
平成29年8月31日付け手続補正書についての補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

〔理由〕
1 本件補正の内容
(1)本件補正は、特許請求の範囲についてするものであって、平成28年5月23日付け手続補正書によって補正された本件補正前の請求項1に、
「識別情報を変動表示させる識別情報表示手段を備え、前記識別情報の変動表示の結果が特定結果になると、遊技者に有利な特定遊技を実行する遊技機において、
前記識別情報の変動表示に伴って実行される遊技演出として、少なくとも、リーチ演出が発生しない非リーチ遊技演出と、リーチ演出が発生し且つ特定演出が発生しない第1リーチ遊技演出と、リーチ演出が発生し且つ特定演出が発生する第2リーチ遊技演出とのいずれかを実行可能である遊技演出実行手段と、
遊技球の検知に基づいて取得される取得情報を、所定数を限度に保留として記憶する取得情報記憶手段と、
を備え、
前記識別情報表示手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている保留に係る取得情報に基づいて前記識別情報の変動表示を行うものであり、
第2リーチ遊技演出又は非リーチ遊技演出の実行が予定されている保留の存在に基づき、特定の事前判定演出を実行可能であり、
第1リーチ遊技演出の実行が予定されている保留の存在に基づいては、前記特定の事前判定演出を実行しないよう構成されている
ことを特徴とする遊技機。」とあったものを、

「識別情報を変動表示させる識別情報表示手段を備え、前記識別情報の変動表示の結果が特定結果になると、遊技者に有利な特定遊技を実行する遊技機において、
前記識別情報の変動表示に伴って実行される遊技演出として、少なくとも、リーチ演出が発生しない非リーチ遊技演出と、リーチ演出が発生し低信頼度演出となる第1リーチ遊技演出と、リーチ演出が発生し高信頼度演出となる第2リーチ遊技演出とのいずれかを実行可能である所定の変動モードを設定可能な遊技演出実行手段と、
遊技球の検知に基づいて取得される取得情報を、所定数を限度に保留として記憶する取得情報記憶手段と、
を備え、
前記識別情報表示手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている保留に係る取得情報に基づいて前記識別情報の変動表示を行うものであり、
前記所定の変動モードが設定されている状況下、第2リーチ遊技演出又は非リーチ遊技演出の実行が予定されている保留の存在に基づき、高信頼度モード演出を実行可能であり、
前記所定の変動モードが設定されている状況下、第1リーチ遊技演出の実行が予定されている保留の存在に基づいては、前記高信頼度モード演出を実行しないよう構成されており、
前記高信頼度モード演出の実行開始から複数回の識別情報の変動表示に亘って、同一種類の演出画像を継続して表示する
ことを特徴とする遊技機。」とする補正を含むものである(下線は合議体が付した。以下同様。)。

(2)本件補正後の請求項1に係る上記(1)の補正は、次の6つの補正事項アないしカからなる。
ア 本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「リーチ演出が発生し且つ特定演出が発生しない第1リーチ遊技演出」との記載を「リーチ演出が発生し低信頼度演出となる第1リーチ遊技演出」とする補正

イ 本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「リーチ演出が発生し且つ特定演出が発生する第2リーチ遊技演出」との記載を「リーチ演出が発生し高信頼度演出となる第2リーチ遊技演出」とする補正。

ウ 本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「遊技演出実行手段」との記載を「所定の変動モードを設定可能な遊技演出実行手段」とする補正。

エ 本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「第2リーチ遊技演出又は非リーチ遊技演出の実行が予定されている保留の存在に基づき、特定の事前判定演出を実行可能であり、」との記載を「前記所定の変動モードが設定されている状況下、第2リーチ遊技演出又は非リーチ遊技演出の実行が予定されている保留の存在に基づき、高信頼度モード演出を実行可能であり、」とする補正。

オ 本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「第1リーチ遊技演出の実行が予定されている保留の存在に基づいては、前記特定の事前判定演出を実行しないよう構成されている」との記載を「前記所定の変動モードが設定されている状況下、第1リーチ遊技演出の実行が予定されている保留の存在に基づいては、前記高信頼度モード演出を実行しないよう構成されており、」とする補正。

カ 本件補正前の請求項1に対して「前記高信頼度モード演出の実行開始から複数回の識別情報の変動表示に亘って、同一種類の演出画像を継続して表示する」との記載を追加する補正。

2 本件補正の目的
(1)上記1(2)アの補正は、願書に最初に添付された特許請求の範囲、明細書及び図面(以下「当初明細書等」という。)の段落【0081】ないし【0091】、図14等の記載に基づいて、本件補正前の請求項1において記載されていた「第1リーチ遊技演出」が「低信頼度演出となる」ものに限定するものである。ここで削除された「且つ特定演出が発生しない」については、下記(4)及び(5)で後述するとおり、「特定演出」を「高信頼度モード演出」と限定し、さらに記載を明瞭としたものである。

(2)上記1(2)イの補正は、当初明細書等の段落【0081】ないし【0091】、図14等の記載に基づいて、本件補正前の請求項1において記載されていた「第2リーチ遊技演出」が「高信頼度演出となる」ものに限定するものである。ここで削除された「且つ特定演出が発生する」については、下記(4)及び(5)で後述するとおり、「特定演出」を「高信頼度モード演出」と限定し、さらに記載を明瞭としたものである。

(3)上記1(2)ウの補正は、当初明細書等の段落【0081】ないし【0082】の「低確率・非電サポ状態」等の記載に基づいて、本件補正前の請求項1において記載されていた「遊技演出実行手段」が「所定の変動モードを設定可能な」ものに限定するものである。

(4)上記1(2)エの補正は、当初明細書等の【0119】ないし【0128】、図17の記載に基づいて、本件補正前の請求項1の「特定演出」を「高信頼度モード演出」と限定し、且つ、本件補正前の請求項1の「特定の事前判定演出」を「高信頼度モード演出」と記載を明瞭にするとともに、「高信頼度モード演出を実行可能」であるのが「所定の変動モードが設定されている状況下」に限定するものである。

(5)上記1(2)オの補正は、当初明細書等の【0119】ないし【0128】、図17の記載に基づいて、本件補正前の請求項1の「特定演出」を「高信頼度モード演出」と限定し、且つ、本件補正前の請求項1の「特定の事前判定演出」を「高信頼度モード演出」と記載を明瞭にするとともに、「高信頼度モード演出を実行可能しない」のが「所定の変動モードが設定されている状況下」に限定するものである。

(6)上記1(2)カの補正は、上記(4)及び(5)のように、本件補正前の請求項1の「特定演出」を限定した本件補正後の請求項1の「高信頼度モード演出」について、当初明細書等の段落【0128】、図19の記載に基づいて、「実行開始から複数回の識別情報の変動表示に亘って、同一種類の演出画像を継続して表示する」ものに限定するものである。

(7)以上のとおり、本件補正後の請求項1に係る上記1(2)アないしカの補正は、新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。また、本件補正後の請求項1に係る上記1(2)アないしカの補正は、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が補正の前後において同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とすることを含むものである。

3 独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明を再掲すると、次のとおりのものである。なお、記号AないしHは、分説するため合議体が付した。

「A 識別情報を変動表示させる識別情報表示手段を備え、前記識別情報の変動表示の結果が特定結果になると、遊技者に有利な特定遊技を実行する遊技機において、
B 前記識別情報の変動表示に伴って実行される遊技演出として、少なくとも、リーチ演出が発生しない非リーチ遊技演出と、リーチ演出が発生し低信頼度演出となる第1リーチ遊技演出と、リーチ演出が発生し高信頼度演出となる第2リーチ遊技演出とのいずれかを実行可能である所定の変動モードを設定可能な遊技演出実行手段と、
C 遊技球の検知に基づいて取得される取得情報を、所定数を限度に保留として記憶する取得情報記憶手段と、
を備え、
D 前記識別情報表示手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている保留に係る取得情報に基づいて前記識別情報の変動表示を行うものであり、
E 前記所定の変動モードが設定されている状況下、第2リーチ遊技演出又は非リーチ遊技演出の実行が予定されている保留の存在に基づき、高信頼度モード演出を実行可能であり、
F 前記所定の変動モードが設定されている状況下、第1リーチ遊技演出の実行が予定されている保留の存在に基づいては、前記高信頼度モード演出を実行しないよう構成されており、
G 前記高信頼度モード演出の実行開始から複数回の識別情報の変動表示に亘って、同一種類の演出画像を継続して表示する
H ことを特徴とする遊技機。」

(2)引用例
平成29年5月23日付け補正の却下の決定の理由に引用例1として引用され、本願出願前に頒布された刊行物である特開2012-164号公報(以下同じく「引用例1」という。)には、次の事項が図とともに記載されている。
ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を開始し、表示結果を導出表示する可変表示部を備え、該可変表示部において導出表示された表示結果があらかじめ定められた特定表示結果となったときに特定遊技状態となる遊技機に関する。」

イ 「【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載された遊技機では、リーチ演出を行う場合の可変表示部における演出を変化させることによって、演出の変化に注目を集めさせ、遊技に対する興趣をある程度向上させることができる。しかし、背景の変化に対応させてリーチ演出を実行しているにすぎず、単調な演出を実行できるにとどまる。そのため、遊技者が演出に対して飽きを感じてしまい、遊技に対する興趣を十分に向上させることができない可能性がある。
【0009】
そこで、本発明は、リーチ演出を行う際に演出を変化させるように構成する場合に、演出態様を多様化できるとともに遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。」

ウ 「【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
・・・略・・・
【0022】
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面は、後述する擬似連や連続予告演出が実行される場合には、それぞれ個別に所定の演出が実行される「左」、「中」、「右」の3つの演出領域に分割されることがある。この実施の形態では、「中」の演出領域を領域Aといい、「左」の演出領域を領域Bといい、「右」の演出領域を領域Cという。演出表示装置9では、各領域A?Cにおいて所定のストーリー性を有する演出が実行されるとともに、各領域A?Cにおいてそれぞれ実行する演出を共通の時間軸に従って実行する。例えば、この実施の形態では、領域Aでは、通常、女性キャラクタAが空を飛んでいる態様の演出が実行され、領域Bでは、通常、女性キャラクタBが地面の上を歩いている態様の演出が実行され、領域Cでは、通常、女性キャラクタCが買い物をしている態様の演出が実行される。
【0023】
なお、「演出を共通の時間軸に従って実行する」とは、任意のタイミングで必ず相互に時間的に同じタイミングを連想させる内容が各領域A?Cに表示されていることによって、時間的に共通していることをいう。例えば、領域Aにおいて朝の時間帯を連想させる態様で演出が実行されている場合には、領域Bおよび領域Cにおいても朝の時間帯を連想させる態様で演出が実行され、領域Aにおいて夜の時間帯を連想させる態様で演出が実行されている場合には、領域Bおよび領域Cにおいても夜の時間帯を連想させる態様で演出が実行される。なお、同じ場所に同時に表示されるようにすれば、各領域A?Cにおける演出が時間的に共通していることが分かりやすくなることから、各領域A?Cに登場するキャラクタなどを同じ場所に同時に表示するような演出を行うことが望ましい。そこで、この実施の形態では、例えば、後述する図62(3)や図63(4)に示すように、擬似連や連続予告演出が実行される場合にスーパーリーチとなった後に、演出が変化した領域に表示されていた各女性キャラクタが同じ場所に同時に表示されるような演出を実行することによって、演出が時間的に共通していることを分かりやすくしている。
【0024】
また、この実施の形態では、擬似連や連続予告演出が実行される場合に、演出図柄の変動表示中に各領域A?Cの演出が変化することがある。例えば、この実施の形態では、各領域A?Cに表示されている女性キャラクタA?Cが通常の態様からバトルに備えて鍛錬を行う態様の演出に切り替わったり、女性キャラクタA?Cがバトルに備えて武器を手に取る態様の演出に切り替わったりする。そして、演出図柄の変動表示中に領域A?Cのうちのいずれか1つまたは複数で演出が変化した場合には、領域A?Cが合体して1つの演出領域となり、その合体した1つの演出領域においてスーパーリーチの演出が実行される。なお、この実施の形態では、スーパーリーチの演出として、領域A?Cのうち演出が変化した領域に表示されていた女性キャラクタと敵キャラクタとがバトルを行う態様の演出が実行される。
【0025】
また、演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。具体的には、この実施の形態では、演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
【0026】
ただし、この実施の形態では、変動表示が開始された後、擬似連や連続予告演出中に領域A?Cに分割されて各領域A?Cにおいてそれぞれ所定の演出が実行されている間や、スーパーリーチの演出が実行されている場合には、演出表示装置9の表示画面の右下の端部分に、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する合計3つの図柄表示エリアを含む演出図柄表示領域が縮小表示される。
【0027】
なお、演出表示装置9の表示画面の右下の端部分に縮小表示または演出表示装置9の表示画面全体に拡大表示される図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。また、同様に、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面において3つの演出領域(領域A?C)が設けられているが、領域A?Cの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、領域A?Cの3つ演出領域が離れてもよい。
【0028】
演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
・・・略・・・
【0037】
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0?9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0?9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0?9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0?9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
【0038】
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0?9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00?99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
【0039】
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
【0040】
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
【0041】
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
・・・略・・・
【0051】
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
・・・略・・・
【0119】
図6および図7は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。このうち、図6は、可変表示結果が「はずれ」であるときの演出図柄の変動パターンを示しており、図7は、可変表示結果が「大当り」や「小当り」であるときの演出図柄の変動パターンを示している。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1-1?非リーチPA1-4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2-1?ノーマルPA2-2、ノーマルPB2-1?ノーマルPB2-2、スーパーPA3-1?スーパーPA3-9、スーパーPB3-1の変動パターンが用意されている。このうち、ノーマルPA2-1?ノーマルPA2-2は、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンであり、ノーマルPB2-1?ノーマルPB2-2は、ノーマルリーチとともに擬似連を伴う変動パターンである。また、スーパーPA3-1?スーパーPA3-9は、スーパーリーチとともに擬似連を伴う変動パターンであり、スーパーPB3-1は、スーパーリーチのみを伴う変動パターンである。
・・・略・・・
【0135】
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560側でリーチの種類や演出を変化させる領域を特定可能な変動パターンを決定する場合を示しているが、遊技制御用マイクロコンピュータ560側ではリーチの種類や演出を変化させる領域を決定しないようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側で決定するようにしてもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、単に擬似連の有無やリーチの有無のみを特定可能な変動パターンを決定して、決定した変動パターンを指定する変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドにもとづいて擬似連有りかつリーチ有りと特定した場合には、例えば、乱数を用いた抽選処理を行い、リーチ種類をノーマルリーチまたはスーパーリーチのいずれとするかを決定する。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、スーパーリーチとすることに決定した場合には、乱数を用いた抽選処理を行い、演出を変化させる領域を領域A?Cのいずれとするかを決定するようにすればよい。
【0136】
また、例えば、リーチの種類までは遊技制御用マイクロコンピュータ560側で決定し、演出を変化させる領域について演出制御用マイクロコンピュータ100側で独自決定するようにしてもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、リーチ種類をノーマルリーチとするかスーパーリーチとするかを特定可能な変動パターンを決定して、決定した変動パターンを指定する変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドにもとづいて、擬似連有りかつスーパーリーチと特定した場合には、例えば、乱数を用いた抽選を行い、演出を変化させる領域を領域A?Cのいずれとするかを決定するようにすればよい。
【0137】
また、この実施の形態では、領域A?Cのうち少なくとも1つの演出領域で演出が変化すれば必ずスーパーリーチに発展する場合を示しているが、いずれかの領域A?Cで演出が変化しても、スーパーリーチに発展せず、ノーマルリーチを実行したり、もしくはリーチ演出を全く行わずにそのまま最終停止図柄が導出表示されたりする場合があるようにしてもよい。この場合、例えば、非リーチPA1-4や、ノーマルPB2-1?ノーマルPB2-4の変動パターンも演出の変化を伴うように構成しておき、遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動パターンを決定することによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560側でいずれかの領域A?Cで演出が変化しても、ノーマルリーチを実行したり、もしくはリーチ演出を全く行わずにそのまま最終停止図柄が導出表示されたりすることを決定するようにすればよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100側で決定するようにしてもよく、この場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドにもとづいてリーチ無しと特定した場合や、乱数を用いた抽選処理によってノーマルリーチとすることに決定した場合であっても、さらに乱数を用いた抽選処理を行い、演出を変化させる領域を領域A?Cのいずれとするかを決定するようにしてもよい。
・・・略・・・
【0140】
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、リーチを伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、擬似連を実行可能に構成する場合には、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、擬似連に加えて滑り演出などの特定演出を実行可能に構成する場合には、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
・・・略・・・
【0171】
なお、「特定の可変表示パターン」とは、スーパーリーチを伴う変動パターンなど、少なくとも大当りに対する期待度が高く設定され、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる変動パターンのことである。また、「大当りに対する期待度(信頼度)」とは、その特定の可変表示パターンによる可変表示(例えば、スーパーリーチを伴う変動表示)が実行された場合や予告演出が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を示している。例えば、スーパーリーチを伴う変動表示が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合にスーパーリーチが実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびハズレと決定されている場合の両方にスーパーリーチが実行される割合)を計算することによって求められる。
・・・略・・・
【0242】
図22は、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図22(A)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図22(B)は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
【0243】
まず、図22(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
【0244】
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213A)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図23参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS214A)。なお、ステップS214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
【0245】
図23は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図23に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
・・・略・・・
【0319】
図30は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。」

エ 「【0378】
図42および図43は、連続予告演出決定処理(ステップS800E)を示すフローチャートである。連続予告演出決定処理において、演出制御用CPU101は、まず、入賞時判定結果指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6000)。セットされていなければ、そのまま処理を終了する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS6001)、ステップS6002以降の連続予告演出の決定のための処理を実行する。従って、この実施の形態では、新たな始動入賞が発生し入賞時判定結果指定コマンドを受信したタイミングで、ステップS6000で入賞時判定結果指定コマンド受信フラグがセットされていることにもとづいて、連続予告演出の決定が行われる。ただし、新たな始動入賞が発生し入賞時判定結果指定コマンドを受信したタイミングが連続予告演出決定の禁止期間であった場合には、禁止期間が終了するまで待ってから(ステップS800A?S800E参照)、ステップS6000で入賞時判定結果指定コマンド受信フラグがセットされていることにもとづいて、連続予告演出の決定が行われる。
【0379】
次いで、演出制御用CPU101は、既に連続予告演出を実行中であることを示すいずれかの連続予告実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6002)。なお、連続予告実行中フラグは、後述するステップS6023においてセットされる。いずれかの連続予告実行中フラグがセットされていれば、そのまま処理を終了する。すなわち、既に連続予告演出を実行中である場合には、連続予告演出の決定処理を重ねて実行しないように制御する。
【0380】
なお、この実施の形態では、ステップS6002の処理が実行されることによって既に連続予告演出を実行中である場合には重ねて連続予告演出の実行有無の決定を行わないように制御しているのであるが、既に連続予告演出を実行中である場合であっても、重ねて連続予告演出の実行有無の決定を行ってもよい。例えば、後述する「保留球変化」の演出態様の連続予告演出を実行する場合に、予告対象となる複数の保留記憶の表示色や表示形状を変化させることによって、並行して同時に複数の予告対象の保留記憶に対して連続予告演出を実行してもよい。
【0381】
いずれの連続予告実行中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する入賞時判定結果を全て抽出する(ステップS6003)。この場合、演出制御用CPU101は、確変状態フラグまたは時短状態フラグがセットされているか否かを確認する。そして、演出制御用CPU101は、確変状態フラグおよび時短状態フラグのいずれもセットされていなければ(すなわち、通常状態(低ベース状態)であれば)、第1入賞時判定結果記憶バッファが記憶する入賞時判定結果を全て抽出する。また、演出制御用CPU101は、確変状態フラグまたは時短状態フラグがセットされていれば(すなわち、確変状態または時短状態(高ベース状態)であれば)、第2入賞時判定結果記憶バッファが記憶する入賞時判定結果を全て抽出する。
【0382】
なお、この実施の形態では、後述するステップS6005で判定対象となった変動表示が開始されるまでの各変動表示について全て「非リーチはずれ」となることを条件に連続予告演出を実行可能に構成している。そのような構成により、後述するように、連続予告演出の途中でリーチ演出が割り込むことにより連続予告演出の連続性が損なわれる事態を防止することができる。特に、この実施の形態では、後述するような「演出変化」の演出態様の連続予告演出が実行される場合があるのであるが、そのような場合に、いずれかの領域A?Cの演出が変化したにもかかわらずノーマルリーチが割り込んで、複数の領域A?Cで行う演出とリーチ演出との整合がとれなくなってしまう事態を防止することができる。なお、判定対象となった変動表示が開始されるまでの各変動表示について全て「はずれ(リーチはずれでもよい)」となるか否かの判定を行うステップS6005の処理を行わずに、最新の入賞時判定結果が「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」または「スーパーリーチ大当り」を示す判定結果であるか否かの判定を行うステップS6004の処理のみを行うように構成してもよい。
【0383】
次いで、演出制御用CPU101は、抽出した入賞時判定結果のうち最新の入賞時判定結果が「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」または「スーパーリーチ大当り」を示す判定結果であるか否かを確認する(ステップS6004)。この場合、演出制御用CPU101は、確変状態フラグおよび時短状態フラグのいずれもセットされておらず通常状態である場合には、ステップS6003で第1入賞時判定結果記憶バッファのみから抽出した入賞時判定結果のうち最新の入賞時判定結果が「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」または「スーパーリーチ大当り」を示す判定結果であるか否かを確認する。また、演出制御用CPU101は、確変状態フラグまたは時短状態フラグがセットされ確変状態または時短状態である場合には、ステップS6003で第2入賞時判定結果記憶バッファのみから抽出した入賞時判定結果のうち最新の入賞時判定結果が「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」または「スーパーリーチ大当り」を示す判定結果であるか否かを確認する。
【0384】
そして、演出制御用CPU101は、最新の入賞時判定結果が「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」または「スーパーリーチ大当り」を示す判定結果であると判定したことを条件に(ステップS6004のY)、ステップS6005に移行する。すなわち、この実施の形態では、ステップS6003,S6004の処理が実行されることによって、「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」または「スーパーリーチ大当り」となる変動表示が存在する場合に(さらに、ステップS6005で判定対象となった変動表示が開始されるまでの各変動表示において全て「非リーチはずれ」となると判定された場合に)、ステップS6006以降の処理で連続予告演出を実行するか否かが決定され、複数の変動表示にわたって連続予告演出が実行される場合がある。なお、「スーパーリーチ大当り」にかぎらず、大当りの判定結果が存在すれば、ステップS6006に移行して連続予告演出の判定を行うようにしてもよい。また、最新の入賞時判定結果にかぎらず、抽出した入賞時判定結果のうち未判定の入賞時判定結果が複数ある場合にはそれら全てについて判定を行い、1つでも「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」または「スーパーリーチ大当り」となる変動表示が存在する場合に、ステップS6006以降の処理で連続予告演出を実行するか否かを決定するようにしてもよい。
【0385】
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、ステップS6004において、抽出した最新の入賞時判定結果について変動パターン種別が非リーチCA2-1になることを示す値(具体的には、「00(H)」または「20(H)」。図16、図18参照)、スーパーCA2-7?スーパーCA2-10になることを示す値(具体的には、「07(H)」または「27(H)」。図16、図18参照)、またはスーパーCA3-3?スーパーCA3-7になることを示す値(具体的には、「0D(H)」、「10(H)」、「2D(H)」または「30(H)」。図17、図19参照)であるか否かを判定する(すなわち、リーチも擬似連などの特定演出も伴わないはずれ変動、スーパーリーチを伴うはずれ変動、またはスーパーリーチを伴う大当り変動となるか否かを確認する)。
【0386】
なお、この実施の形態では、予告対象の変動表示でスーパーPA3-1?スーパーPA3-9、スーパーPB3-1の変動パターンとなる場合に「スーパーリーチはずれ」となると判定されて連続予告演出が実行されたり、予告対象の変動表示でスーパーPA3-10?スーパーPA3-19、スーパーPB3-2の変動パターンとなる場合に「スーパーリーチ大当り」となると判定されて連続予告演出が実行される場合を説明するが、複数領域A?Cにおける演出変化の制御が複雑となることを防止するために、擬似連を伴わずスーパーリーチのみを含むスーパーPB3-1やスーパーPB3-2の変動パターンが指定された場合にのみ、連続予告演出を実行可能に構成してもよい(すなわち、スーパーリーチのみの場合に連続予告演出を実行可能とし、擬似連が実行される場合には連続予告演出を実行しないようにする)。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図24に示す入賞時演出処理を実行するときに、スーパーリーチとなる変動パターン種別に関しても、スーパーCA3-3?スーパーCA3-7、スーパーCA2-7?スーパーCA2-10のいずれとなるかも区別できるように閾値設定して入賞時判定を行い、入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにすればよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、擬似連を伴わずスーパーリーチのみを伴うスーパーPB3-2を含む変動パターン種別であるスーパーCA3-7となることを指定する入賞時判定結果指定コマンドを受信したときや、擬似連を伴わずスーパーリーチのみを伴うスーパーPB3-1を含む変動パターン種別であるスーパーCA2-10となることを指定する入賞時判定結果指定コマンドを受信したときのみ、ステップS6004でYと判定して、連続予告演出を実行可能に構成してもよい。なお、このように構成する場合にも、はずれとなる場合であって遊技状態が通常状態であれば、擬似連を伴わずスーパーリーチのみを伴うスーパーPB3-1を含む変動パターン種別であるスーパーCA2-10に対しては、共通の判定値(248?251)が割り振られていることから(図11(A)?(C)参照)、図24に示す入賞時演出処理において、閾値248以上であるか否かを判定すれば、少なくともスーパーCA2-10となることを容易に判定することができ、連続予告演出の内容と実際に実行された予告対象の変動表示との間に不整合が生じる事態を防止することができる。
【0387】
次いで、「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」または「スーパーリーチ大当り」を示す判定結果であると判定した場合には、演出制御用CPU101は、抽出した各入賞時判定結果にもとづいて、その判定結果の変動表示が開始されるまでの各変動表示において全て「非リーチはずれ」となるか否かを判定する(ステップS6005)。各変動表示において全て「非リーチはずれ」となると判定すると、ステップS6006に移行する。一方、1つでも「非リーチはずれ」とならない変動があると判定した場合には、そのまま処理を終了するすなわち、連続予告演出の実行中においてリーチ演出が実行されてしまったのでは、連続予告演出の連続性が損なわれて、連続予告演出による演出効果を十分に高めることができない可能性がある。そこで、判定対象となる変動表示が開始されるまでの各変動表示においてリーチも実行されないことを条件に連続予告演出を実行する場合があるように制御することによって、そのような連続性が損なわれる事態を防止している。
【0388】
入賞時判定結果が「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」または「スーパーリーチ大当り」のいずれかであり、且つ判定対象となった変動表示が開始されるまでの各変動表示において全て「非リーチはずれ」となる場合には、演出制御用CPU101は、確変状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6006)。確変状態フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、連続予告演出の有無および連続予告演出の演出態様を決定するためのテーブルとして連続予告振分テーブルBを選択する(ステップS6007)。なお、連続予告振分テーブルについては後述する(図45参照)。
【0389】
確変状態フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、時短状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6008)。時短状態フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、時短後回数カウンタの値が92?100になっているか(すなわち、時短状態移行後92?100回目の変動表示が実行される間に始動入賞し変動表示が実行される場合であるか)を確認する(ステップS6009)。なお、この場合、演出制御用CPU101は、具体的には、時短状態である場合には時短後回数カウンタの値が100以上となる場合はないはずであるので、時短後回数カウンタの値が92以上であるか否かを判定するようにすればよい。時短後回数カウンタの値が92?100でなければ、演出制御用CPU101は、停電復旧フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6010)。ステップS6009で時短後回数カウンタの値が92?100であった場合またはステップS6010で停電復旧フラグがセットされていた場合には、演出制御用CPU101は、連続予告演出の有無および連続予告演出の演出態様を決定するためのテーブルとして連続予告振分テーブルDを選択する(ステップS6011)。停電復旧フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、連続予告演出の有無および連続予告演出の演出態様を決定するためのテーブルとして連続予告振分テーブルCを選択する(ステップS6012)。
【0390】
時短状態フラグもセットされていなければ(すなわち、通常状態であれば)、演出制御用CPU101は、時短後回数カウンタの値が101?108になっているか(すなわち、時短状態移行後101?108回目の変動表示が実行される間に始動入賞し変動表示が実行される場合であるか)を確認する(ステップS6013)。なお、この場合、演出制御用CPU101は、具体的には、時短後回数カウンタの値が101以上であるか否かを判定するようにすればよい。時短後回数カウンタの値が101?108でなければ、演出制御用CPU101は、連続予告演出の有無および連続予告演出の演出態様を決定するためのテーブルとして連続予告振分テーブルAを選択する(ステップS6014)。時短後回数カウンタの値が101?108であれば、演出制御用CPU101は、連続予告演出の有無および連続予告演出の演出態様を決定するためのテーブルとして連続予告振分テーブルEを選択する(ステップS6015)。
【0391】
次いで、演出制御用CPU101は、連続予告演出を実行するか否かを決定するための連続予告決定用テーブルを用いて、連続予告演出の実行の有無を決定する(ステップS6016)。
【0392】
なお、ステップS6016の連続予告決定処理は、ステップS6002でいずれの連続予告実行中フラグもセットされていないことを条件に実行される。すなわち、この実施の形態では、連続予告演出を現在実行中でないことを条件に演出予告決定処理が実行される。そして、連続予告演出を開始した後には、既に連続予告実行中フラグがセットされていることから、連続予告決定処理を再度実行することなく、既に決定した演出態様で連続予告演出が実行される。
【0393】
なお、「非リーチはずれ」の入賞時判定結果にもとづき連続予告演出を実行しているときにスーパーリーチや大当りとなる始動入賞が発生した場合には、実行中の連続予告演出から切り替えてスーパーリーチや大当りの演出(例えば、リーチ予告や大当り予告)を実行するようにしてもよい。
【0394】
図44は、連続予告決定用テーブルの例を示す説明図である。図44に示すように、この実施の形態では、保留記憶数および遊技状態に応じて、異なる連続予告決定用テーブルが用意されている。このうち、図44(A)には、通常状態に用いられる保留記憶数4用の連続予告決定用テーブルが示されている。また、図44(B)には、通常状態に用いられる保留記憶数3用の連続予告決定用テーブルが示されている。また、図44(C)には、通常状態に用いられる保留記憶数2用の連続予告決定用テーブルが示されている。さらに、図44(D)には、確変状態または時短状態に用いられる確変・時短用の連続予告決定用テーブルが示されている。
【0395】
ステップS6016では、演出制御用CPU101は、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には(例えば、確変状態フラグおよび時短状態フラグのいずれもセットされておらず通常状態である場合には)、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数(ステップS652,S658参照)を特定する。また、演出制御用CPU101は、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には(例えば、確変状態フラグまたは時短状態フラグがセットされ確変状態または時短状態である場合には)、第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数(ステップS655,S661参照)を特定する。そして、演出制御用CPU101は、特定した保留記憶数が4であれば、図44(A)に示す保留記憶数4用の連続予告決定用テーブルを選択する。また、演出制御用CPU101は、特定した保留記憶数が3であれば、図44(B)に示す保留記憶数3用の連続予告決定用テーブルを選択する。また、演出制御用CPU101は、特定した保留記憶数が2であれば、図44(C)に示す保留記憶数2用の連続予告決定用テーブルを選択する。さらに、演出制御用CPU101は、確変状態フラグまたは時短状態フラグがセットされていれば、図44(D)に示す確変・時短用の連続予告決定用テーブルを選択する。
【0396】
ステップS6016では、演出制御用CPU101は、まず、連続予告を実行するか否かを決定するための連続予告決定用乱数を抽出する。そして、演出制御用CPU101は、抽出した連続予告決定用乱数の値が、選択した連続予告決定用テーブルに含まれる判定値と合致するか否かを判定することによって、連続予告演出を実行するか否かを決定する。なお、図44に示すように、この実施の形態では、保留記憶数が多くなるに従って判定値の割合が多くなるように設定されており、保留記憶数が多くなるに従って高い確率で連続予告演出を実行することに決定する。
【0397】
また、この実施の形態では、図44(D)に示すように、確変状態または時短状態である場合には判定値の割合が少なくなるように設定されており、確変状態または時短状態である場合には連続予告演出を実行することに決定する割合が低い。なお、確変状態または時短状態である場合には、連続予告演出を実行すると決定しないように制御してもよい。
【0398】
なお、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態であるか否かに応じて連続予告演出の実行有無を決定する場合を示したが、遊技状態に応じた連続予告演出の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、大当りとなる確率が高められていない低確率状態であるものの始動入賞しやすい低確率高ベース状態に制御されているか否かに応じて、連続予告演出の実行の有無を決定するようにしてもよい。また、逆に、例えば、大当りとなる確率が高められた高確率状態であるものの始動入賞しにくい高確率低ベース状態に制御されているか否かに応じて、連続予告演出の実行の有無を決定するようにしてもよい。この場合、例えば、低確率高ベース状態や高確率低ベース状態に制御されている場合には、連続予告演出を実行しないと決定するようにしてもよい。また、例えば、大入賞口エラーのエラー報知中であるか否かに応じて、連続予告演出の実行の有無を決定するようにしてもよい。なお、大入賞口エラーにかぎらず、満タンエラーなど他のエラー報知中であるか否かに応じて、連続予告演出の実行の有無を決定するようにしてもよい。
【0399】
また、遊技状態にもとづく連続予告演出の判定方法として、遊技制御用マイクロコンピュータ560から新たなコマンドを受信したか否かにもとづいて、連続予告演出を実行するか否かを決定するようにしてもよい。
【0400】
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS6016で連続予告演出を実行すると決定したか否かを確認する(ステップS6017)。連続予告演出を実行しないことに決定した場合には、そのまま処理を終了する。
【0401】
連続予告演出を実行することに決定した場合には、演出制御用CPU101は、連続予告演出の演出態様を決定するための連続予告演出態様決定用乱数を抽出する(ステップS6018)。そして、演出制御用CPU101は、抽出した連続予告演出態様決定用乱数の値が、ステップS6007,S6011,S6012,S6014,S6015で選択した連続予告振分テーブルに含まれるいずれの判定値と合致するかを判定することによって、連続予告演出の演出態様を決定する(ステップS6019)。
【0402】
図45は、連続予告演出の振り分けを示す連続予告振分テーブルの具体例を示す説明図である。現在の遊技状態が通常状態であり時短後回数カウンタの値が101?108でなければ、演出制御用CPU101は、ステップS6014で選択した図45(A)に示す通常状態時の連続予告振分テーブルAを用いて、受信した入賞時判定結果指定コマンドで示される入賞時判定結果にもとづいて、連続予告演出の演出態様を決定する。この実施の形態では、連続予告振分テーブルAを用いる場合、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第1始動入賞口13への始動入賞にもとづいて非リーチCA2-1の変動パターン種別となる(すなわち、リーチも擬似連などの特定演出も伴わない「非リーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「00(H)」である場合)には、図45(A)に示すように、「演出変化」の演出態様の連続予告演出を実行することに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第1始動入賞口13への始動入賞にもとづいてスーパーCA2-7?スーパーCA2-10の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「07(H)」である場合)には、図45(A)に示すように、「演出変化」または「保留球変化」のいずれかの演出態様の連続予告演出を実行することに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第1始動入賞口13への始動入賞にもとづいてスーパーCA3-3?スーパーCA3-7の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチ大当り」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「0D(H)」または「10(H)」である場合)には、図45(A)に示すように、「演出変化」または「保留球変化」のいずれかの演出態様の連続予告演出を実行することに決定する。
【0403】
また、連続予告振分テーブルAを用いる場合、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第2始動入賞口14への始動入賞にもとづいて非リーチCA2-1の変動パターン種別となる(すなわち、リーチも擬似連などの特定演出も伴わない「非リーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「20(H)」である場合)には、図45(A)に示すように、いずれの演出態様の連続予告演出に対しても割り振りがなく、連続予告を実行しないことに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第2始動入賞口14への始動入賞にもとづいてスーパーCA2-7?スーパーCA2-10の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「27(H)」である場合)には、図45(A)に示すように、いずれの演出態様の連続予告演出に対しても割り振りがなく、連続予告を実行しないことに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第2始動入賞口14への始動入賞にもとづいてスーパーCA3-3?スーパーCA3-7の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチ大当り」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「2D(H)」または「30(H)」である場合)には、図45(A)に示すように、いずれの演出態様の連続予告演出に対しても割り振りがなく、連続予告を実行しないことに決定する。
【0404】
なお、「演出変化」および「保留球変化」の各連続予告演出の演出態様の具体的な内容については後述する。
【0405】
また、現在の遊技状態が確変状態であれば、演出制御用CPU101は、ステップS6007で選択した図45(B)に示す確変状態時の連続予告振分テーブルBを用いて、受信した入賞時判定結果指定コマンドで示される入賞時判定結果にもとづいて、連続予告演出の演出態様を決定する。この実施の形態では、連続予告振分テーブルBを用いる場合、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第1始動入賞口13への始動入賞にもとづいて非リーチCA2-1の変動パターン種別となる(すなわち、リーチも擬似連などの特定演出も伴わない「非リーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「00(H)」である場合)には、図45(B)に示すように、いずれの演出態様の連続予告演出に対しても割り振りがなく、連続予告を実行しないことに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第1始動入賞口13への始動入賞にもとづいてスーパーCA2-7?スーパーCA2-10の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「07(H)」である場合)には、図45(B)に示すように、いずれの演出態様の連続予告演出に対しても割り振りがなく、連続予告を実行しないことに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第1始動入賞口13への始動入賞にもとづいてスーパーCA3-3?スーパーCA3-7の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチ大当り」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「0D(H)」または「10(H)」である場合)には、図45(B)に示すように、いずれの演出態様の連続予告演出に対しても割り振りがなく、連続予告を実行しないことに決定する。
【0406】
また、連続予告振分テーブルBを用いる場合、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第2始動入賞口14への始動入賞にもとづいて非リーチCA2-1の変動パターン種別となる(すなわち、リーチも擬似連などの特定演出も伴わない「非リーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「20(H)」である場合)には、図45(B)に示すように、いずれの演出態様の連続予告演出に対しても割り振りがなく、連続予告を実行しないことに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第2始動入賞口14への始動入賞にもとづいてスーパーCA2-7?スーパーCA2-10の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「27(H)」である場合)には、図45(B)に示すように、「演出変化」または「保留球変化」のいずれかの演出態様の連続予告演出を実行することに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第2始動入賞口14への始動入賞にもとづいてスーパーCA3-3?スーパーCA3-7の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチ大当り」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「2D(H)」または「30(H)」である場合)には、図45(B)に示すように、「演出変化」または「保留球変化」のいずれかの演出態様の連続予告演出を実行することに決定する。
【0407】
また、現在の遊技状態が時短状態であり時短後回数カウンタの値が92?100でなければ(すなわち、時短状態移行後1?91回目の変動表示が実行される間に始動入賞した場合であれば)、演出制御用CPU101は、ステップS6012で選択した図45(C)に示す連続予告振分テーブルCを用いて、受信した入賞時判定結果指定コマンドで示される入賞時判定結果にもとづいて、連続予告演出の演出態様を決定する。この実施の形態では、連続予告振分テーブルCを用いる場合、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第1始動入賞口13への始動入賞にもとづいて非リーチCA2-1の変動パターン種別となる(すなわち、リーチも擬似連などの特定演出も伴わない「非リーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「00(H)」である場合)には、図45(C)に示すように、いずれの演出態様の連続予告演出に対しても割り振りがなく、連続予告を実行しないことに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第1始動入賞口13への始動入賞にもとづいてスーパーCA2-7?スーパーCA2-10の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「07(H)」である場合)には、図45(C)に示すように、いずれの演出態様の連続予告演出に対しても割り振りがなく、連続予告を実行しないことに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第1始動入賞口13への始動入賞にもとづいてスーパーCA3-3?スーパーCA3-7の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチ大当り」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「0D(H)」または「10(H)」である場合)には、図45(C)に示すように、いずれの演出態様の連続予告演出に対しても割り振りがなく、連続予告を実行しないことに決定する。
【0408】
また、連続予告振分テーブルCを用いる場合、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第2始動入賞口14への始動入賞にもとづいて非リーチCA2-1の変動パターン種別となる(すなわち、リーチも擬似連などの特定演出も伴わない「非リーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「20(H)」である場合)には、図45(C)に示すように、いずれの演出態様の連続予告演出に対しても割り振りがなく、連続予告を実行しないことに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第2始動入賞口14への始動入賞にもとづいてスーパーCA2-7?スーパーCA2-10の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「27(H)」である場合)には、図45(C)に示すように、「演出変化」または「保留球変化」のいずれかの演出態様の連続予告演出を実行することに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第2始動入賞口14への始動入賞にもとづいてスーパーCA3-3?スーパーCA3-7の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチ大当り」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「2D(H)」または「30(H)」である場合)には、図45(C)に示すように、「演出変化」または「保留球変化」のいずれかの演出態様の連続予告演出を実行することに決定する。
【0409】
また、現在の遊技状態が時短状態であり時短後回数カウンタの値が92?100であれば(すなわち、時短状態移行後92?100回目の変動表示が実行される間に始動入賞した場合であれば)、演出制御用CPU101は、ステップS6011で選択した図45(D)に示す連続予告振分テーブルDを用いて、受信した入賞時判定結果指定コマンドで示される入賞時判定結果にもとづいて、連続予告演出の演出態様を決定する。また、現在の遊技状態が時短状態であり停電復旧フラグがセットされている場合(すなわち、遊技状態が時短状態に制御されているときに停電が発生し、その後、遊技機への電力供給が再開された場合)にも、演出制御用CPU101は、ステップS6011で選択した図45(D)に示す連続予告振分テーブルDを用いて、受信した入賞時判定結果指定コマンドで示される入賞時判定結果にもとづいて、連続予告演出の演出態様を決定する。
【0410】
この実施の形態では、連続予告振分テーブルDを用いる場合、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第1始動入賞口13への始動入賞にもとづいて非リーチCA2-1の変動パターン種別となる(すなわち、リーチも擬似連などの特定演出も伴わない「非リーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「00(H)」である場合)には、図45(D)に示すように、いずれの演出態様の連続予告演出に対しても割り振りがなく、連続予告を実行しないことに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第1始動入賞口13への始動入賞にもとづいてスーパーCA2-7?スーパーCA2-10の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「07(H)」である場合)には、図45(D)に示すように、いずれの演出態様の連続予告演出に対しても割り振りがなく、連続予告を実行しないことに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第1始動入賞口13への始動入賞にもとづいてスーパーCA3-3?スーパーCA3-7の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチ大当り」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「0D(H)」または「10(H)」である場合)には、図45(D)に示すように、いずれの演出態様の連続予告演出に対しても割り振りがなく、連続予告を実行しないことに決定する。
【0411】
また、連続予告振分テーブルDを用いる場合、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第2始動入賞口14への始動入賞にもとづいて非リーチCA2-1の変動パターン種別となる(すなわち、リーチも擬似連などの特定演出も伴わない「非リーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「20(H)」である場合)には、図45(D)に示すように、いずれの演出態様の連続予告演出に対しても割り振りがなく、連続予告を実行しないことに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第2始動入賞口14への始動入賞にもとづいてスーパーCA2-7?スーパーCA2-10の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「27(H)」である場合)には、図45(D)に示すように、「保留球変化」の演出態様の連続予告演出を実行することに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第2始動入賞口14への始動入賞にもとづいてスーパーCA3-3?スーパーCA3-7の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチ大当り」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「2D(H)」または「30(H)」である場合)には、図45(D)に示すように、「保留球変化」の演出態様の連続予告演出を実行することに決定する。
【0412】
図45(D)に示す連続予告振分テーブルDが用いられるのは、遊技状態が時短状態であるものの時短状態の残り回数が8回以内である(あと8回の変動表示が実行されるまでの間に時短状態が終了する)場合である。この実施の形態では、合算保留記憶数として最大8個記憶可能(すなわち、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14への合計の始動入賞を最大8個まで保留可能)なのであるから、時短状態の残り回数が8回以内となった場合には、入賞時判定を行うときには遊技状態が時短状態であるものの、その入賞時判定の対象となった変動表示が開始されるときには既に時短状態が終了している可能性がある。そのため、入賞時判定結果と実際の変動開始時の決定結果との整合がとれず、連続予告演出を適切に行えない虞がある。例えば、変動パターン種別判定用乱数として「220?229」の値を抽出した場合には、入賞判定時には時短状態であることにもとづいて図11(C)に示す確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを用いてスーパーリーチはずれ(スーパーCA2-7?スーパーCA2-10)と判定したにもかかわらず、実際に変動表示が開始されるときには通常状態に移行していることからスーパーリーチとならず(図11(A),(B)に示すようにノーマルCA2-5やノーマルCA2-6と決定されてしまう)、入賞時判定結果と実際の変動開始時の決定結果との整合がとれない可能性がある。また、変動パターン種別判定用乱数として「90?190」の値を抽出した場合には、入賞判定時には時短状態であることにもとづいて図11(C)に示す確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを用いて非リーチはずれ(非リーチCA2-3)と判定したにもかかわらず、実際に変動表示が開始されるときには通常状態に移行していることから擬似連などの特定演出やノーマルリーチが実行される場合があり(図11(A),(B)に示すように非リーチCA2-2やノーマルCA2-4?CA2-6と決定されてしまうことがある)、入賞時判定結果と実際の変動開始時の決定結果との整合がとれない可能性がある。すると、入賞時判定の対象となった変動表示が大当りやスーパーリーチとならない割合が高くなり、遊技者の期待感を損なう虞がある。そこで、この実施の形態では、図45(D)に示すように、遊技状態が時短状態であるものの時短状態の残り回数が8回以内である場合には、「保留球変化」の演出態様の連続予告演出しか行われないように連続予告演出の実行を規制し、遊技者の期待感を損なう事態を防止している。
【0413】
また、図45(D)に示す連続予告振分テーブルDは、遊技状態が時短状態であって停電復旧フラグがセットされている場合にも用いられる。この実施の形態では、既に説明したように、演出制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAMはバックアップ電源によってバックアップされておらず、時短後回数カウンタの値はバックアップRAM領域には保存されない。従って、遊技機への電源供給が停止した後に電源供給が再開された後には、いずれかの入賞時判定結果コマンドを受信した場合に、演出制御用CPU101は、時短状態に移行した後に変動表示が何回実行されたかを正しく判定することはできない。従って、時短状態の残り回数が8回以内であるときに停電復旧が行われた場合には、やはり入賞時判定結果と実際の変動開始時の決定結果との整合がとれない事態が生じる可能性があり、遊技者の期待感を損なう虞がある。そこで、この実施の形態では、図45(D)に示すように、遊技状態が時短状態であり且つ停電復旧が行われた場合にも、「保留球変化」の演出態様の連続予告演出しか行われないように連続予告演出の実行を規制し、遊技者の期待感を損なう事態を防止している。
【0414】
また、現在の遊技状態が通常状態であり時短後回数カウンタの値が101?108であれば(すなわち、時短状態移行後101?108回目の変動表示が実行される間に始動入賞した場合であれば)、演出制御用CPU101は、ステップS6015で選択した図45(E)に示す連続予告振分テーブルEを用いて、受信した入賞時判定結果指定コマンドで示される入賞時判定結果にもとづいて、連続予告演出の演出態様を決定する。
【0415】
この実施の形態では、連続予告振分テーブルEを用いる場合、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第1始動入賞口13への始動入賞にもとづいて非リーチCA2-1の変動パターン種別となる(すなわち、リーチも擬似連などの特定演出も伴わない「非リーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「00(H)」である場合)には、図45(E)に示すように、いずれの演出態様の連続予告演出に対しても割り振りがなく、連続予告を実行しないことに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第1始動入賞口13への始動入賞にもとづいてスーパーCA2-7?スーパーCA2-10の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「07(H)」である場合)には、図45(E)に示すように、「保留球変化」の演出態様の連続予告演出を実行することに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第1始動入賞口13への始動入賞にもとづいてスーパーCA3-3?スーパーCA3-7の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチ大当り」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「0D(H)」または「10(H)」である場合)には、図45(E)に示すように、「保留球変化」の演出態様の連続予告演出を実行することに決定する。
【0416】
また、連続予告振分テーブルEを用いる場合、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第2始動入賞口14への始動入賞にもとづいて非リーチCA2-1の変動パターン種別となる(すなわち、リーチも擬似連などの特定演出も伴わない「非リーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「20(H)」である場合)には、図45(E)に示すように、いずれの演出態様の連続予告演出に対しても割り振りがなく、連続予告を実行しないことに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第2始動入賞口14への始動入賞にもとづいてスーパーCA2-7?スーパーCA2-10の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「27(H)」である場合)には、図45(E)に示すように、いずれの演出態様の連続予告演出に対しても割り振りがなく、連続予告を実行しないことに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで第2始動入賞口14への始動入賞にもとづいてスーパーCA3-3?スーパーCA3-7の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチ大当り」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、EXTデータが「2D(H)」または「30(H)」である場合)には、図45(E)に示すように、いずれの演出態様の連続予告演出に対しても割り振りがなく、連続予告を実行しないことに決定する。
【0417】
図45(E)に示す連続予告振分テーブルEが用いられるのは、時短状態を終了して遊技状態が通常状態に移行された後に実行された変動表示の回数がまだ8回以内である場合である。この実施の形態では、合算保留記憶数として最大8個記憶可能(すなわち、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14への合計の始動入賞を最大8個まで保留可能)なのであるから、時短状態を終了しても変動表示の実行回数がまだ8回以内である場合には、それ以前に始動入賞して保留されている保留記憶については、変動表示が開始されるときには遊技状態が通常状態であるものの、その入賞時判定が行われたときには遊技状態がまだ時短状態であった可能性がある。そのため、時短状態を終了する以前に始動入賞した保留記憶について入賞時判定結果と実際の変動開始時の決定結果との整合がとれず、連続予告演出を適切に行えない虞がある。例えば、時短状態を終了する以前に始動入賞した保留記憶について、変動パターン種別判定用乱数として「90?190」の値を抽出して入賞時判定を行なった場合には、入賞判定時には時短状態であることにもとづいて図11(C)に示す確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを用いて非リーチはずれ(非リーチCA2-3)と判定したにもかかわらず、実際に変動表示が開始されるときには通常状態に移行していることから擬似連などの特定演出やノーマルリーチが実行される場合がある(図11(A),(B)に示すように非リーチCA2-2やノーマルCA2-4?CA2-6と決定されてしまうことがある)。すると、例えば、判定対象(連続予告演出の対象)の変動表示となるまでに各変動表示が全て「非リーチはずれ」であることを条件に連続予告演出を実行するように構成する場合には、時短終了直後であるときには、入賞時判定結果が全て「非リーチはずれ」であると判定して連続予告演出を開始したにもかかわらず、連続予告演出の途中で擬似連などの特定演出やノーマルリーチの変動が割り込む事態が生じてしまい、連続予告演出の連続性が損なわれる事態が生じ、遊技者の期待感を損なう虞がある。そこで、この実施の形態では、図45(E)に示すように、遊技状態が通常状態であるものの時短状態終了後の変動表示の実行回数がまだ8回以内である場合には、「保留球変化」の演出態様の連続予告演出しか行われないように連続予告演出の実行を規制し、遊技者の期待感を損なう事態を防止している。
【0418】
なお、連続予告振分テーブルA?Eに振り分けがないことにより連続予告演出を実行しないことに決定された場合には、後述するステップS6023,S6024の処理を実行しないように制御する。
【0419】
また、この実施の形態では、連続予告演出の実行有無を決定するための連続予告決定用テーブルと、連続予告演出の演出態様を決定するための連続予告振分テーブルとを別々のテーブルとして構成する場合を示したが、連続予告演出の実行有無および演出態様がともに対応付けられた1つのテーブルを用いて、連続予告演出の実行有無と演出態様とを1回の判定処理で決定するようにしてもよい。
【0420】
なお、この実施の形態では、擬似連が実行される場合にも領域分割を行い各領域A?Cにおける演出の変化を伴う場合があるので、予告対象の変動表示において演出の変化を伴う擬似連が実行される場合には、ステップS6019において、必ず「保留球変化」の演出態様を決定するようにしてもよい。そのように構成すれば、擬似連と連続予告演出とで各領域A?Cにおける演出を変化させる演出が重複してしまい、いずれのタイミングで演出を変化させるかの制御が複雑になることを防止することができる。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図24の入賞時演出処理において、いずれのスーパーリーチ用の変動パターン種別(スーパーCA3-3?スーパーCA3-7、スーパーCA2-7?スーパーCA2-10)となるかも個別に判断して、入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した入賞時判定結果指定コマンドに示される入賞時判定結果にもとづいて、単にスーパーリーチとなるか否かだけでなく、擬似連も伴うか否かを判定して、ステップS6019で連続予告演出の演出態様を決定するようにすればよい。
【0421】
なお、逆に、予告対象の変動表示において演出の変化を伴う擬似連が実行される場合には、ステップS6019において、必ず「演出変化」の演出態様を決定するようにしてもよい。この場合も、例えば、上記と同様に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図24の入賞時演出処理において、いずれのスーパーリーチ用の変動パターン種別(スーパーCA3-3?スーパーCA3-7、スーパーCA2-7?スーパーCA2-10)となるかも個別に判断して、入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した入賞時判定結果指定コマンドに示される入賞時判定結果にもとづいて、単にスーパーリーチとなるか否かだけでなく、擬似連も伴うか否かを判定して、ステップS6019で連続予告演出の演出態様を決定するようにすればよい。
【0422】
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS6019で連続予告演出の演出態様として「演出変化」に決定したか否かを確認する(ステップS6020)。演出態様として「演出変化」に決定しなかった場合(すなわち、「保留球変化」に決定した場合)には、ステップS6023に移行する。演出態様として「演出変化」に決定した場合には、演出制御用CPU101は、「演出変化」の演出態様の連続予告演出の演出変化パターンを決定するための演出変化パターン決定用乱数を抽出する(ステップS6021)。そして、演出制御用CPU101は、現在の保留記憶数や遊技状態に応じて、抽出した演出変化パターン決定用乱数の値が、演出変化パターンを決定するための演出変化パターン決定用テーブルに含まれるいずれの判定値と合致するかを判定することによって、「演出変化」の演出態様の連続予告演出の演出変化パターンを決定する(ステップS6022)。
【0423】
この実施の形態では、「演出変化」の演出態様の連続予告演出が実行される場合には、演出表示装置9の表示画面が領域A?Cに分割されて各領域A?Cにおいてそれぞれ所定の演出が実行される。そして、予告対象の変動表示が到来するまでの各変動表示において、変動表示ごとにいずれかの領域の演出が変化する。
・・・略・・・
【0481】
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出図柄を可変表示する演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(ステップS8022)。例えば、表示制御実行データに従って、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
・・・略・・・
【0543】
次に、「演出変化」の演出態様の連続予告演出が実行される場合や、擬似連およびスーパーリーチの演出が実行される場合の各領域A?Cで実行される所定の演出の演出態様のより具体的な例について説明する。図62および図63は、演出表示装置の表示画面上の各領域A?Cで実行される所定の演出の演出態様のより具体的な例を示す説明図である。このうち、図62は、領域A?Cのうち領域Aおよび領域Bの演出が変化する場合の具体例を示している。また、図62は、領域A?Cの全ての演出が変化する場合の具体例を示している。なお、図62および図63において、(1)(2)(3)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。
・・・略・・・
【0552】
次に、図63を用いて、領域A?Cの全ての演出が変化する場合を説明する。この実施の形態では、「演出変化」の演出態様の連続予告演出中の1つ目の変動表示を開始するときや、擬似連およびスーパーリーチを伴う変動表示を開始するときに、図63(1)に示すように、演出表示装置9の表示画面が3つの演出領域(領域A?C)に分割され、各領域A?Cにおいてそれぞれ所定の演出が開始される。例えば、図63(1)に示すように、「中」の領域A301では女性キャラクタA201が空を飛んでいる態様の演出が実行され、「左」の領域B302では女性キャラクタB202が地面の上を歩いている態様の演出が実行され、「右」の領域C303では女性キャラクタC203が買い物をしている態様の演出が実行される。
【0553】
また、図63(1)に示すように、演出表示装置9の表示画面上の領域A301?領域C303において所定の演出が実行されるとともに、演出表示装置9の表示画面の右下の端部分に設けられた演出図柄表示領域400において演出図柄の変動表示を縮小表示させる。なお、図63に示す例では、領域A301、領域B302、および領域C303の全ての演出を変化させる演出変化パターン10またはスーパーPA3-19の変動パターンが選択された場合について説明する。
【0554】
次いで、連続予告演出中の1回目の変動表示、または擬似連を伴う変動表示の初回変動中の所定の領域A演出切替タイミングとなると、図63(2)に示すように、領域A301の演出態様が、女性キャラクタA201が空を飛んでいる態様の演出から、バトルに備えて武器(本例では「槍」)を手に取る態様の演出に切り替わる。次いで、領域A301の演出が変化した後、連続予告演出中の2回目の変動表示、または擬似連を伴う変動表示の1回目の再変動中の所定の領域B演出切替タイミングとなると、図63(3)に示すように、領域B302の演出態様が、女性キャラクタB202が地面の上を歩いている態様の演出から、バトルに備えて武器(本例では「剣」)を手に取る態様の演出に切り替わる。さらに、領域B302の演出が変化した後、連続予告演出中の3回目の変動表示、または擬似連を伴う変動表示の2回目の再変動中の所定の領域C演出切替タイミングとなると、図63(3)に示すように、領域C303の演出態様が、女性キャラクタC203が買い物をしている態様の演出から、バトルに備えて武器(本例では「大砲」)を手に取る態様の演出に切り替わる。
【0555】
次いで、領域C303の演出が変化した後、連続予告演出の予告対象の変動表示、または擬似連を伴う変動表示の3回目の再変動中の所定のスーパーリーチ開始時間が経過すると、図63(4)に示すように、領域A301?領域C303が合体して1つの演出領域となり、その合体した1つの演出領域においてスーパーリーチの演出が開始される。なお、図63に示す例では、領域A301、領域B302、および領域C303の全ての演出が変化しているので、図63(4)に示すように、領域A301に表示されていた女性キャラクタ201、領域B302に表示されていた女性キャラクタ202、および領域C303に表示されていた女性キャラクタ303の全てが敵キャラクタ204とバトルを開始する態様の演出が開始される。なお、演出表示装置9の表示画面の右下の端部分に設けられた演出図柄表示領域400では、左右が同じ図柄(本例では、同じ「7」の図柄)で停止表示されてリーチ状態となる。
【0556】
次いで、スーパーリーチの演出において、図63(5)に示すように、例えば、女性キャラクタ201と敵キャラクタ204とがバトルを行い、図63(6)に示すように、一旦、恰も味方の女性キャラクタA201が敵キャラクタ204に一撃を加えられてバトルに敗北するような態様の演出が実行される。次いで、図63(7)に示すように、2人目の女性キャラクタC203が敵キャラクタ204とバトルを開始し、図63(7)(8)に示すように、大砲の砲撃で敵キャラクタ204に一撃を加えて、図63(9)に示すように、バトルに勝利するような態様の演出が実行される。
【0557】
そして、連続予告演出の予告対象となった変動表示を終了するときや、擬似連の最終変動を終了するときに、図63(10)に示すように、演出図柄表示領域400が演出表示装置9の表示画面全体に拡大されて、左中右の演出図柄が全て同じ図柄(本例では、同じ「7」の図柄)で揃った状態で大当り図柄が最終停止表示される(ステップS872参照)。
【0558】
なお、図63に示す例では、演出が変化した領域A301、領域B302、および領域C303にそれぞれ表示されていた女性キャラクタA201、女性キャラクタB202、および女性キャラクタC203のうち、2人の女性キャラクタ(女性キャラクタA201と女性キャラクタC203)がバトルを行う場合が示されているが、スーパーリーチの演出の態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、図63に示すように、3つの全ての領域の演出が変化した場合に、まず、3人の女性キャラクタのうちの1人がバトルを行い恰もバトルに敗北したような演出を実行した後に、他の1人の女性キャラクタがバトルを行い恰もバトルに敗北したような演出を実行し、さらに最後に残った1人の女性キャラクタがバトルを行ってバトルに勝利したような演出を実行して、大当りとなるようにしてもよい。また、例えば、各女性キャラクタが個別にバトルを行うのではなく、全ての女性キャラクタまたはいずれか2人の女性キャラクタが同時に敵キャラクタに対して攻撃するような態様の演出を実行してもよい。
【0559】
また、図62および図63に示したように、この実施の形態では、同じ領域であっても演出の変化の態様が異なる場合がある。具体的には、図62に示す例では、領域A301において女性キャラクタA201がバトルに備えて滝に打たれて鍛錬を行う態様の演出に変化するのに対して、図63に示す全ての領域A?Cの演出が変化する例では、同じ領域A301においてバトルに備えて武器(本例では「槍」)を手に取る態様の演出に変化する(例えば、スーパーPA3-4やスーパーPA3-13の変動パターンが指定されている場合に、ステップS8020やステップS8111で女性キャラクタA201がバトルに備えて滝に打たれて鍛錬を行う態様の演出に変化するプロセスデータを選択してステップS8022やステップS8105を実行するのに対して、スーパーPA3-19の変動パターンが指定されている場合に、ステップS8020やステップS8111で女性キャラクタA201がバトルに備えて武器(本例では「槍」)を手に取る態様の演出に変化するプロセスデータを選択してステップS8022やステップS8105を実行する。また、例えば、演出変化パターン4が選択されている場合に、ステップS8019で女性キャラクタA201がバトルに備えて滝に打たれて鍛錬を行う態様の演出に変化するプロセスデータを選択してステップS8022やステップS8105を実行するのに対して、演出変化パターン10が選択されている場合に、ステップS8019で女性キャラクタA201がバトルに備えて武器(本例では「槍」)を手に取る態様の演出に変化するプロセスデータを選択してステップS8022やステップS8105を実行する)。
【0560】
また、図62に示す例では、領域B302において女性キャラクタB202がバトルに備えて滝に打たれて鍛錬を行う態様の演出に変化するのに対して、図63に示す全ての領域A?Cの演出が変化する例では、同じ領域B302においてバトルに備えて武器(本例では「剣」)を手に取る態様の演出に変化する(例えば、スーパーPA3-4やスーパーPA3-13の変動パターンが指定されている場合に、ステップS8020やステップS8111で女性キャラクタB202がバトルに備えて滝に打たれて鍛錬を行う態様の演出に変化するプロセスデータを選択してステップS8022やステップS8105を実行するのに対して、スーパーPA3-19の変動パターンが指定されている場合に、ステップS8020やステップS8111で女性キャラクタB202がバトルに備えて武器(本例では「剣」)を手に取る態様の演出に変化するプロセスデータを選択してステップS8022やステップS8105を実行する。また、例えば、演出変化パターン4が選択されている場合に、ステップS8019で女性キャラクタB202がバトルに備えて滝に打たれて鍛錬を行う態様の演出に変化するプロセスデータを選択してステップS8022やステップS8105を実行するのに対して、演出変化パターン10が選択されている場合に、ステップS8019で女性キャラクタB202がバトルに備えて武器(本例では「剣」)を手に取る態様の演出に変化するプロセスデータを選択してステップS8022やステップS8105を実行する)
【0561】
また、この実施の形態では、既に説明したように擬似連中に全ての領域A?Cの演出が変化する場合には大当りとなることが確定する(例えば、ステップS94を実行するときに、図6および図7に示すように、大当りである場合にのみ領域A?C全ての演出が変化するスーパーPA3-19が決定される場合がある)。従って、この実施の形態では、同じ領域における演出の変化であっても、バトルに備えて武器を手に取る態様の演出に変化した場合には、全ての領域A?Cの演出が変化して大当りとなるのであるから、大当りに対する期待度(信頼度)が高いといえる。なお、はずれとなる場合であっても、図63に示した例と同様の態様で、女性キャラクタがバトルに備えて武器を手に取る態様の演出に変化するようにしてもよい。この場合、例えば、大当りである場合には、はずれである場合と比較して、高い割合で、演出の変化の態様として女性キャラクタがバトルに備えて武器を手に取る態様を決定するようにし、女性キャラクタがバトルに備えて武器を手に取る態様に演出が変化した場合には、女性キャラクタがバトルに備えて滝に打たれて鍛錬を行う態様に演出が変化する場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるようにしてもよい。具体的には、図6および図7において、はずれとなる場合にも、女性キャラクタがバトルに備えて武器を手に取る態様に演出が変化する変動パターンを用意しておくようにし、ステップS94を実行するときに、大当りとなる場合には、はずれとなる場合と比較して、高い割合で、女性キャラクタがバトルに備えて武器を手に取る態様に演出が変化する方の変動パターンを決定するようにすればよい。また、例えば、図46?図48において、女性キャラクタがバトルに備えて滝に打たれて鍛錬を行う態様に演出が変化する演出変化パターンと、女性キャラクタがバトルに備えて武器を手に取る態様に演出が変化する演出変化パターンとを区別して用意するようにし、ステップS6022を実行するときに、大当りとなる場合には、はずれとなる場合と比較して、高い割合で、女性キャラクタがバトルに備えて武器を手に取る態様に演出が変化する方の演出変化パターンを決定するようにすればよい。
【0562】
なお、各領域A?Cの演出の変化の態様は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、同じ領域の演出の変化の態様であっても、さらに複数の態様で変化可能であるように構成してもよい。そして、例えば、同じ領域の演出が変化した場合であっても、その演出の変化の態様の違いによって大当りに対する期待度(信頼度)を異ならせてもよく、また確変大当りとなることに対する期待度(信頼度)を異ならせてもよい。この場合、例えば、上記と同じように、いずれかの領域A?Cにおける演出の変化だけでなく、その演出の変化の態様を指定する演出変化パターンや変動パターンをあらかじめ用意しておくようにし、演出制御用マイクロコンピュータがステップS6022で演出変化パターンを決定したり、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS94で変動パターンを決定することによって、演出の変化の態様を複数態様のうちのいずれとするかも決定するようにしてもよい。そして、例えば、大当りの場合とはずれの場合とで各演出の変化の態様に対して異なる割合で判定値が割り振られた演出変化パターン決定用テーブル、変動パターン種別判定テーブルまたは変動パターン判定テーブルを用いるようにし、その演出の変化の態様の違いによって大当りに対する期待度(信頼度)を異ならせるようにすればよい。また、例えば、確変大当りの場合と通常大当りの場合とで各演出の変化の態様に対して異なる割合で判定値が割り振られた演出変化パターン決定用テーブル、変動パターン種別判定テーブルまたは変動パターン判定テーブルを用いるようにし、その演出の変化の態様の違いによって確変大当りとなることに対する期待度(信頼度)を異ならせるようにすればよい。
【0563】
例えば、上記の場合において、擬似連中の演出の変化の態様を決定する場合、いずれかの領域A?Cにおける演出の変化だけでなく、その演出の変化の態様を指定する変動パターンをあらかじめ用意するようにし、遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動パターンを決定することによって、いずれの領域A?Cの演出を変化させるかだけでなく、その演出の変化の態様も決定するようにしてもよい。また、例えば、擬似連中の演出の変化の態様を決定する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で決定するのではなく、演出制御用マイクロコンピュータ100側でステップS6022と同様の演出変化パターン決定処理を行って決定するようにしてもよい。この場合、例えば、いずれかの領域A?Cにおける演出の変化だけでなく、その演出の変化の態様を指定する演出変化パターンをあらかじめ用意するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100が演出変化パターンを決定することによって、いずれの領域A?Cの演出を変化させるかだけでなく、その演出の変化の態様も決定するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560や演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りの場合とはずれの場合とで各演出の変化の態様に対して異なる割合で判定値が割り振られた判定テーブルを用いて、ステップS94と同様の処理に従った変動パターン決定処理やステップS6022と同様の処理に従って乱数を用いた抽選処理を行い、その演出の変化の態様の違いによって大当りに対する期待度(信頼度)を異ならせるようにしてもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560や演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りの場合と通常大当りの場合とで各演出の変化の態様に対して異なる割合で判定値が割り振られた判定テーブルを用いて、ステップS94と同様の処理に従った変動パターン決定処理やステップS6022と同様の処理に従って乱数を用いた抽選処理を行い、その演出の変化の態様の違いによって確変大当りとなることに対する期待度(信頼度)を異ならせるようにしてもよい。
【0564】
また、例えば、連続予告演出中の演出の変化の態様を決定する場合、いずれかの領域A?Cにおける演出の変化だけでなく、その演出の変化の態様を指定する演出変化パターンをあらかじめ用意するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100が演出変化パターンを決定することによって、いずれの領域A?Cの演出を変化させるかだけでなく、その演出の変化の態様も決定するようにしてもよい。また、例えば、連続予告演出中の演出の変化の態様を決定する場合、演出制御用マイクロコンピュータ100側で決定するのではなく、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で決定するようにしてもよい。この場合、例えば、いずれかの領域A?Cにおける演出の変化だけでなく、その演出の変化の態様を指定する変動パターンをあらかじめ用意しておくようにし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS94において演出変化パターンも特定可能な変動パターンを決定することによって、いずれの領域A?Cの演出を変化させるかだけでなく、その演出の変化の態様も決定するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560や演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りの場合とはずれの場合とで異なる割合で判定値が割り振られた判定テーブルを用いて、ステップS94と同様の処理に従った変動パターン決定処理やステップS6022と同様の処理に従って乱数を用いた抽選処理を行い、その演出の変化の態様の違いによって大当りに対する期待度(信頼度)を異ならせるようにしてもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560や演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りの場合と通常大当りの場合とで異なる割合で判定値が割り振られた判定テーブルを用いて、ステップS94と同様の処理に従った変動パターン決定処理やステップS6022と同様の処理に従って乱数を用いた抽選処理を行い、その演出の変化の態様の違いによって確変大当りとなることに対する期待度(信頼度)を異ならせるようにしてもよい。
【0565】
次に、「演出変化」の演出態様の連続予告演出が実行される場合の演出表示装置9の表示画面上の各領域A?Cで実行される所定の演出の実行タイミングについて説明する。図64?図67は、「演出変化」の演出態様の連続予告演出が実行される場合の演出表示装置の表示画面上の各領域A?Cで実行される所定の演出の実行タイミングを示す説明図である。このうち、図64は、領域A?Cのうち領域Aのみの演出が変化する場合の実行タイミングを示している。また、図65は、領域A?Cのうち領域Aおよび領域Bの順に演出が変化する場合の実行タイミングを示している。また、図66は、領域A?Cのうち領域Bおよび領域Aの順に演出が変化する場合の実行タイミングを示している。また、図67は、領域A?Cの全ての演出が変化する場合の実行タイミングを示している。
【0566】
まず、図64を用いて、領域A?Cのうち領域Aのみの演出が変化する場合を説明する。この実施の形態では、「演出変化」の演出態様の連続予告演出中の1つ目の変動表示を開始するとき、図64に示すように、演出表示装置9の表示画面が3つの演出領域(領域A?C)に分割され、各領域A?Cにおいてそれぞれ通常時用の所定の演出(通常態様の演出A、通常態様の演出B、および通常態様の演出C)が開始される。また、演出表示装置9の表示画面の右下の端部分に設けられた演出図柄表示領域において演出図柄の変動表示を縮小表示させる。なお、図64に示す例では、一例として、領域Aのみの演出を変化させる演出変化パターン1を用いて「演出変化」の演出態様の連続予告演出を実行するものとする。
【0567】
次いで、連続予告演出中の1回目の変動表示中の所定の領域A演出切替タイミングとなると(図64の演出変化タイミング参照)、領域Aの演出が変化する。
【0568】
次いで、連続予告演出中の1回目の変動表示した後、連続予告演出の予告対象となった変動表示が開始される。連続予告演出の予告対象となった変動表示中の所定のスーパーリーチ開始時間が経過すると(図64のリーチ開始タイミング参照)、図64に示すように、領域A?Cが合体して1つの演出領域となり、その合体した1つの演出領域においてスーパーリーチの演出が開始される。
【0569】
次に、図65を用いて、領域A?Cのうち領域Aおよび領域Bの順に演出が変化する場合を説明する。この実施の形態では、「演出変化」の演出態様の連続予告演出中の1つ目の変動表示を開始するとき、図65に示すように、演出表示装置9の表示画面が3つの演出領域(領域A?C)に分割され、各領域A?Cにおいてそれぞれ通常時用の所定の演出(通常態様の演出A、通常態様の演出B、および通常態様の演出C)が開始される。また、演出表示装置9の表示画面の右下の端部分に設けられた演出図柄表示領域において演出図柄の変動表示を縮小表示させる。なお、図65に示す例では、一例として、領域Aおよび領域Bの順に演出を変化させる演出変化パターン4を用いて「演出変化」の演出態様の連続予告演出を実行するものとする。
【0570】
次いで、連続予告演出中の1回目の変動表示中の所定の領域A演出切替時タイミングとなると(図65の1つ目の演出変化タイミング参照)、領域Aの演出が変化する。次いで、連続予告演出中の1回目の変動表示を終了した後、連続予告演出中の2回目の変動表示が開始される。連続予告演出中の2回目の変動表示中の所定の領域B演出切替タイミングとなると(図65の2つ目の演出変化タイミング参照)、領域Bの演出が変化する。
【0571】
次いで、連続予告演出中の2回目の変動表示した後、連続予告演出の予告対象となった変動表示が開始される。連続予告演出の予告対象となった変動表示中の所定のスーパーリーチ開始時間が経過すると(図65のリーチ開始タイミング参照)、図65に示すように、領域A?Cが合体して1つの演出領域となり、その合体した1つの演出領域においてスーパーリーチの演出が開始される。
【0572】
また、この実施の形態では、演出が変化する領域の組み合わせが同じ領域Aおよび領域Bの場合であっても、演出が変化する順番が異なることがある。例えば、この実施の形態では、演出変化パターン5を用いて連続予告演出が実行される場合には、領域Bおよび領域Aの順に演出が変化する。」

オ 上記アないしエからみて、引用例1には、次の発明が記載されている。なお、aないしhについては本願補正発明のAないしHに対応させて付与し、引用箇所の段落番号を併記した。
「a 特別図柄を可変表示する特別図柄表示器が設けられ(【0037】、【0039】)、前記特別図柄表示器に大当り図柄が導出表示されたときに大当り遊技状態が生起するパチンコ遊技機1であって(【0017】、【0051】)、
b 特別図柄表示器で特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ(【0028】)、リーチを伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別のいずれかを決定して演出表示装置9で演出する演出制御CPU101(【0140】、【0481】)と、
時短フラグや確変フラグをリセットし得るCPU56(【0319】)と、
c 第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、第1保留記憶数が上限値に達していなければ、第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、ソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから抽出された値を格納する第1保留記憶バッファ(【0243】、【0244】)と、
を備え、
d 特別図柄の可変表示は、遊技球が始動入賞口を通過した後、保留記憶数が0でない場合であって、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であることにもとづいて開始され(【0041】)、
e 通常状態であり時短後回数カウンタの値が101?108でなければ、第1始動入賞口13への始動入賞にもとづいて、非リーチはずれ、スーパーリーチはずれ又はスーパーリーチ大当りであることを示す入賞時判定結果が示されている場合、「演出変化」の演出態様の連続予告演出又は擬似連を実行することに決定し(【0402】、【0543】)、
f 演出表示装置9の各領域A?Cのうち少なくとも1つの演出領域で演出が変化すれば必ずスーパーリーチに発展するものであり(【0022】、【0137】、【0402】、【0543】)、
g’連続予告演出中の1回目の変動表示、または擬似連を伴う変動表示の初回変動中の所定の領域A演出切替タイミングとなると、領域A301の演出態様が、女性キャラクタA201が空を飛んでいる態様の演出から、バトルに備えて武器を手に取る態様の演出に切り替わり、連続予告演出中の2回目の変動表示、または擬似連を伴う変動表示の1回目の再変動中の所定の領域B演出切替タイミングとなると、領域B302の演出態様が、女性キャラクタB202が地面の上を歩いている態様の演出から、バトルに備えて武器を手に取る態様の演出に切り替わり、連続予告演出中の3回目の変動表示、または擬似連を伴う変動表示の2回目の再変動中の所定の領域C演出切替タイミングとなると、領域C303の演出態様が、女性キャラクタC203が買い物をしている態様の演出から、バトルに備えて武器を手に取る態様の演出に切り替わる(【0554】)、
h パチンコ遊技機。」(以下「引用発明」という。)

4 対比・判断
(1)対比
ア 本願補正発明と引用発明1とを対比する。なお、以下の見出し(a)ないし(h)は、本願補正発明のAないしHに対応させている。
(a)引用発明の「特別図柄」、「可変表示」、「特別図柄表示器」、「『大当り図柄』の『導出表示』」、「大当り遊技状態」及び「パチンコ遊技機1」は、技術常識からみて、それぞれ、本願補正発明の「識別情報」、「変動表示」、「識別情報表示手段」、「識別情報の変動表示の結果が特定結果」、「遊技者に有利な特定遊技」及び「遊技機」に相当する。そして、引用発明の特定事項aは、「特別図柄」(識別情報)を可変表示(変動表示)する特別図柄表示器(識別情報表示手段)が設けられ、前記特別図柄表示器(識別情報表示手段)に「大当り図柄が導出表示」(識別情報の変動表示の結果が特定結果)されたときに「大当り遊技状態」(遊技者に有利な特定遊技)が生起する「パチンコ遊技機」(遊技機)であるから、本願補正発明の特定事項Aに相当する。
(b)引用発明の「リーチを伴わない変動パターンを含む変動パターン種別」、「ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別」及び「スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別」は、技術常識からみて、それぞれ、本願補正発明の「リーチ演出が発生しない非リーチ遊技演出」、「リーチ演出が発生し低信頼度演出となる第1リーチ遊技演出」及び「リーチ演出が発生し高信頼度演出となる第2リーチ遊技演出」に相当する。そして、引用発明の特定事項bは、特別図柄表示器(識別情報表示手段)で特別図柄(識別情報)の可変表示(変動表示)が実行されているときに、その可変表示(変動表示)に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるのであるから、本願補正発明の特定事項Bの「前記識別情報の変動表示に伴って実行される遊技演出」に相当する事項を備える。また、引用発明の特定事項bは、リーチを伴わない変動パターンを含む変動パターン種別(非リーチ遊技演出)と、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別(第1リーチ遊技演出)と、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別(第2リーチ遊技演出)のいずれかを決定して演出表示装置9で演出するから、本願補正発明の特定事項Bの「前記識別情報の変動表示に伴って実行される遊技演出として、少なくとも、リーチ演出が発生しない非リーチ遊技演出と、リーチ演出が発生し低信頼度演出となる第1リーチ遊技演出と、リーチ演出が発生し高信頼度演出となる第2リーチ遊技演出とのいずれかを実行可能である」に相当する事項を備える。さらに、引用発明は、演出制御CPU101が、前記演出表示装置9での演出を行い、CPU56が、時短フラグや確変フラグをリセットし得る、すなわち時短フラグや確変フラグでない通常の変動モードを設定可能であるから、本願補正発明の特定事項Bの「遊技演出実行手段」に相当する構成を備えることは明らかである。してみると、引用発明の特定事項bは、本願補正発明の特定事項Bに相当する。
(c)引用発明の「第1保留記憶バッファ」は、第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、第1保留記憶数が上限値に達していなければ、第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、ソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから抽出された値を格納するのであるから、本願補正発明の特定事項Cの「遊技球の検知に基づいて取得される取得情報を、所定数を限度に保留として記憶する取得情報記憶手段」に相当する。
(d)引用発明の特定事項dは、特別図柄(識別情報)の可変表示(変動表示)が、遊技球が始動入賞口を通過した後、保留記憶数が0でない場合であって、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であることにもとづいて開始されるのであるから、本願補正発明の「前記識別情報表示手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている保留に係る取得情報に基づいて前記識別情報の変動表示を行うものであり」との特定事項Dに相当する。
(e)引用発明の「通常状態であり時短後回数カウンタの値が101?108でなければ」との状態は、本願補正発明の「前記所定の変動モードが設定されている状況下」に相当することは明らかである。また、引用発明の特定事項eは、前記通常状態(前記所定の変動モードが設定されている状況下)で、第1始動入賞口13への始動入賞にもとづいて、非リーチはずれ(非リーチ遊技演出)、スーパーリーチはずれ(第2リーチ遊技演出)又はスーパーリーチ大当り(第2リーチ遊技演出)であることを示す入賞時判定結果が示されている場合、すなわち、当該保留の存在に基づき、「演出変化」の演出態様の連続予告演出又は擬似連を実行するのである。そうすると、引用発明の「『演出変化』の演出態様の連続予告演出又は擬似連」は、本願補正発明の「高信頼度モード演出」に相当することは明らかである。してみると、引用発明の特定事項eは、本願補正発明の特定事項Eに相当することは明らかである。
(f)引用発明の特定事項fは、演出表示装置9の各領域A?Cのうち少なくとも1つの演出領域で演出が変化すれば必ずスーパーリーチに発展するものであり、ノーマルリーチ(第1リーチ遊技演出)であることを示す入賞時判定結果に基づいては、演出表示装置9の演出領域での演出が変化しない、要するに、「演出変化」の演出態様の連続予告演出又は擬似連(高信頼度モード演出)を実行しないことは明らかであるから、本願補正発明の特定事項Fの「第1リーチ遊技演出の実行が予定されている保留の存在に基づいては、前記高信頼度モード演出を実行しない」に相当する構成を備える。また、引用発明の特定事項fは、上記(e)と同様に、通常状態(前記所定の変動モードが設定されている状況下)におけるものであることは明らかである。してみると、引用発明の特定事項fは、本願補正発明の特定事項Fに相当する。
(g)引用発明は、「演出変化」の演出態様において、一貫して女性キャラクタが表示されるものであるから、引用発明の特定事項g’と本願補正発明の特定事項Gとは、「前記高信頼度モード演出の実行開始から複数回の識別情報の変動表示に亘って、演出画像を継続して表示する」点で一致する。
(h)上記(a)でも述べたとおり、引用発明の「パチンコ遊技機」は、本願補正発明の「遊技機」に相当する。

イ 上記アからみて、本願補正発明と引用発明1とは、
「A 識別情報を変動表示させる識別情報表示手段を備え、前記識別情報の変動表示の結果が特定結果になると、遊技者に有利な特定遊技を実行する遊技機において、
B 前記識別情報の変動表示に伴って実行される遊技演出として、少なくとも、リーチ演出が発生しない非リーチ遊技演出と、リーチ演出が発生し低信頼度演出となる第1リーチ遊技演出と、リーチ演出が発生し高信頼度演出となる第2リーチ遊技演出とのいずれかを実行可能である所定の変動モードを設定可能な遊技演出実行手段と、
C 遊技球の検知に基づいて取得される取得情報を、所定数を限度に保留として記憶する取得情報記憶手段と、
を備え、
D 前記識別情報表示手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている保留に係る取得情報に基づいて前記識別情報の変動表示を行うものであり、
E 前記所定の変動モードが設定されている状況下、第2リーチ遊技演出又は非リーチ遊技演出の実行が予定されている保留の存在に基づき、高信頼度モード演出を実行可能であり、
F 前記所定の変動モードが設定されている状況下、第1リーチ遊技演出の実行が予定されている保留の存在に基づいては、前記高信頼度モード演出を実行しないよう構成されており、
G’ 前記高信頼度モード演出の実行開始から複数回の識別情報の変動表示に亘って、演出画像を継続して表示する
H 遊技機。」である点で一致し、次の点で相違する。

・相違点
「高信頼度モード演出の実行開始から複数回の識別情報の変動表示に亘って」、「継続して表示」される「演出画像」が、
本願補正発明では、「同一種類」であるのに対し、
引用発明では、同じ女性キャラクタであるが、該女性キャラクタの異なる態様の画像であり、「同一種類」といえるかどうかが明らかでない点。

(2)判断
上記相違点について検討する。
ア 本願の明細書には、「【0128】・・・図19に示すように、高信頼度モード演出としては、例えば、演出表示装置27の表示画面上に「リーチ演出は必ず高信頼度演出」という文字を表示する。このような高信頼度モード演出は複数回の図柄変動遊技に亘って表示される。」と記載されている。当該記載中、特定の「リーチ演出は必ず高信頼度演出」との文字を継続して表示することしか例示がないものの、本願補正発明の「同一種類の演出画像」は、全く同じ内容の画像だけを意味するものではなく、若干内容が異なるものの、ほぼ同内容の画像までをも含むものと解される。
イ 本願の明細書で先行技術文献として提示され、平成28年3月24日付け拒絶理由通知でも引用された特開2014-200432号公報(以下「引用例2」という。)には、その【0181】ないし【0184】及び図26に、特定のリーチ演出が実行される信頼度が高い「超寿モード」において、液晶ディスプレイ32に「超寿モード」及び「終了まであと○回転」という文字が継続的に表示されていること(以下「引用例2の記載事項」という。)が記載されている。
ウ 引用発明は、特定事項g’に示されるように、女性キャラクタが武器を持っていない態様の演出から、バトルに備えて武器を手に取る態様の演出に切り替わるものであり、「演出変化」の演出態様(高信頼度モード演出)において、女性キャラクタが継続的に表示されるものである。上記アの前提に照らすと、引用発明の「女性キャラクタ」が継続的に表示される「同一種類の演出画像」と断定することはできないものの、上記イの引用例2の記載事項に接した当業者であれば、引用発明において、「演出変化」の演出態様(高信頼度モード演出)の実行開始から複数回の(識別情報)の(変動表示)に亘って、「女性キャラクタ」の継続表示に加え、モード等、すなわち同一種類の演出画像を継続して表示するようになすことは適宜なし得たことである。
エ 以上のとおり、引用発明において、上記相違点に係る本願補正発明の構成となすことは、当業者が引用例2の記載事項に基づいて適宜なし得たことである。
オ 本願補正発明の奏する効果は、引用発明の奏する効果及び引用例2の記載事項の奏する効果から予測することができた程度のものである。
カ 審判請求人の主張について
(ア)審判請求人は審判請求書の特に「5.」の「(5-3)引用文献発明に基づく想到困難性」について、概略以下のとおり主張している。
a 引用文献1発明は、「高信頼度モード演出」の実行条件として「所定の変動モードが設定されている」ことが加重されていない(例えば、引用文献1の図42に示されるように、連続予告演出決定処理では、変動モードに応じて連続予告演出の実行有無を切り分ける処理が存在しない)し、引用文献1には全体的に、そのように構成することについて何ら開示も示唆もされていない。
b 引用文献1発明では、高信頼度モード演出に相当する「演出変化」の演出パターンは複数パターンである(引用文献1の段落0543乃至0559に記載されているように、複数回の図柄変動に亘って演出を変化させることを趣旨としている)点で、「前記高信頼度モード演出の実行開始から複数回の識別情報の変動表示に亘って、同一種類の演出画像を継続して表示する」<相違点2>となる構成を具備していないといえ、これでは同一種の演出画像によって、高信頼度モード演出の趣旨(リーチ演出は必ず高信頼度演出)を遊技者に分かり易く伝達することができない。そして、引用文献1には全体的に、<相違点2>のように構成することについて何ら開示も示唆もされていない。
(イ)上記(ア)aの主張について検討すると、引用発明の特定事項b、e及びf(上記3(2)オ)や引用例1の図42のS6006?S6015及び図45からも明らかなとおり、引用発明は、確変状態等でない通常状態において、「演出変化」の演出態様の連続予告演出又は擬似連(高信頼度モード演出)を実行するものである。
上記(ア)bの主張については、上記アないしオで示したとおりである。
以上のとおり、審判請求人の主張を採用することはできない。

(3)独立特許要件のむすび
以上のとおりであるから、本願補正発明は、当業者が引用例1に記載された発明及び引用例2の記載事項に基づいて容易に発明をすることができたものである。
よって、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

5 小括
以上のとおり、本願補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものである。
したがって、本件補正は、同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成28年5月23日付けで補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定されるものであるところ、請求項1に係る発明は、上記第2〔理由〕1(1)に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。本件補正前の請求項1に係る発明を再掲すると、以下のとおりである。

「識別情報を変動表示させる識別情報表示手段を備え、前記識別情報の変動表示の結果が特定結果になると、遊技者に有利な特定遊技を実行する遊技機において、
前記識別情報の変動表示に伴って実行される遊技演出として、少なくとも、リーチ演出が発生しない非リーチ遊技演出と、リーチ演出が発生し且つ特定演出が発生しない第1リーチ遊技演出と、リーチ演出が発生し且つ特定演出が発生する第2リーチ遊技演出とのいずれかを実行可能である遊技演出実行手段と、
遊技球の検知に基づいて取得される取得情報を、所定数を限度に保留として記憶する取得情報記憶手段と、
を備え、
前記識別情報表示手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている保留に係る取得情報に基づいて前記識別情報の変動表示を行うものであり、
第2リーチ遊技演出又は非リーチ遊技演出の実行が予定されている保留の存在に基づき、特定の事前判定演出を実行可能であり、
第1リーチ遊技演出の実行が予定されている保留の存在に基づいては、前記特定の事前判定演出を実行しないよう構成されている
ことを特徴とする遊技機。」(以下「本願発明」という。)

2 原査定の理由の概略
(新規事項)平成28年5月23日付け手続補正書でした補正は、下記の点で当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

・請求項1
・備考
上記手続補正により請求項1には、「第2リーチ遊技演出又は非リーチ遊技演出の実行が予定されている保留の存在に基づき、特定の事前判定演出を実行可能であり、第1リーチ遊技演出の実行が予定されている保留の存在に基づいては、前記特定の事前判定演出を実行しないよう構成されている」と記載されている。
しかしながら、上記の点は、当初明細書等には記載されていない。

3 合議体の判断
(1)請求人の主張する平成28年5月23日付け手続補正書でした補正の根拠
請求人は、平成28年5月23日付けで手続補正書とともに提出した意見書において、以下のように補正の根拠を主張している。
「(2-1-1)請求項1について
「前記識別情報の変動表示に伴って実行される遊技演出として、少なくとも、リーチ演出が発生しない非リーチ遊技演出と、リーチ演出が発生し且つ特定演出が発生しない第1リーチ遊技演出と、リーチ演出が発生し且つ特定演出が発生する第2リーチ遊技演出とのいずれかを実行可能である遊技演出実行手段と、」との規定内容(特に、下線部)へ変更した。尚、当該変更した規定内容の根拠は、本願当初明細書等における段落0085乃至0091(図14)等の記載事項であり、当該記載事項における『外れ変動パターンNHP1?NHP3が選択された場合は、リーチ演出を行うことなく、識別図柄27a,27b,27cをバラケ目(非特定結果)で停止表示させる図柄変動演出を実行する』との点が「リーチ演出が発生しない非リーチ遊技演出」に相当し、『キャラクターB1?B3が出現するリーチ演出が実行された場合は大当り信頼度が低いので、以下では、これらのリーチ演出を「低信頼度演出」とも表現する。』との点が「リーチ演出が発生し且つ特定演出が発生しない第1リーチ遊技演出」に相当し、『キャラクターA1?A3が出現するリーチ演出が実行された場合は大当り信頼度が高いので、以下では、これらのリーチ演出を「高信頼度演出」とも表現する。』との点が、「リーチ演出が発生し且つ特定演出が発生する第2リーチ遊技演出」に相当する。
「遊技球の検知に基づいて取得される取得情報を、所定数を限度に保留として記憶する取得情報記憶手段と、を備え、前記識別情報表示手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている保留に係る取得情報に基づいて前記識別情報の変動表示を行うものであり、第2リーチ遊技演出又は非リーチ遊技演出の実行が予定されている保留の存在に基づき、特定の事前判定演出を実行可能であり、第1リーチ遊技演出の実行が予定されている保留の存在に基づいては、前記特定の事前判定演出を実行しないよう構成されている」との規定内容(特に、下線部)へ変更した。尚、当該変更した規定内容の根拠は、旧請求項3における記載事項、本願当初明細書等における段落0092、段落0119乃至0128(図17)等の記載事項であるが、図17のS706でnoとなる場合(S714でYes又はNoとなる場合)が、「第2リーチ遊技演出又は非リーチ遊技演出の実行が予定されている保留の存在に基づき、」に相当し、この場合における、図17のS722で実行される高信頼度モードが「特定の事前判定演出」に相当する。また、図17のS706でYesとなる場合が、「第1リーチ遊技演出の実行が予定されている保留の存在に基づいては」に相当し、この場合、図17のS722が実行されない点が記載されている。」

(2)当初明細書等には、次の記載がある。
ア 「【請求項1】
識別情報を変動表示させる識別情報表示手段を備え、前記識別情報の変動表示の結果が特定結果になると、遊技者に有利な特定遊技を実行する遊技機において、
前記識別情報の変動表示に伴って実行される遊技演出として、少なくとも、所定の演出態様の第1遊技演出と、前記第1遊技演出と演出態様が異なる第2遊技演出とを実行可能である遊技演出実行手段と、
複数回の前記識別情報の変動表示に亘って、前記第2遊技演出が実行されることを示す特定演出を実行可能である特定演出実行手段と、
を備え、
前記遊技演出実行手段は、前記特定演出の実行中に前記遊技演出を実行する場合には、当該遊技演出として前記第2遊技演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機において、
前記遊技演出として、複数のリーチ演出を有し、
前記第2遊技演出は、前記複数のリーチ演出のうちの、所定のリーチ演出である
ことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の遊技機において、
遊技球の検知に基づいて取得される取得情報を、所定数を限度に記憶する取得情報記憶手段を備え、
前記識別情報表示手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている取得情報に基づいて前記識別情報の変動表示を行うものであり、
前記識別情報の変動表示開始前に、前記取得情報記憶手段に記憶されている取得情報が所定の情報であるか否かを判定する事前判定を実行可能であり、
前記取得情報記憶手段に記憶されている取得情報について前記事前判定を行った結果、当該取得情報に基づいて行われる前記識別情報の変動表示に伴って前記第2遊技演出以外の前記遊技演出が行われる場合は、前記特定演出実行手段は前記特定演出を実行しない
ことを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の遊技機において、
前記特定演出の実行中に前記取得情報記憶手段に記憶された前記取得情報について前記事前判定を行った結果、当該取得情報に基づいて行われる前記識別情報の変動表示に伴って前記第2遊技演出以外の前記遊技演出が行われる場合は、当該遊技演出が行われる前に前記特定演出を終了させる
ことを特徴とする遊技機。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の遊技機において、
遊技者による入力を検知可能な入力検知手段を備え、
前記特定演出実行手段は、前記入力検知手段が検知した遊技者による入力に基づいて、前記特定演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。」
イ 「【0092】
ここで、本実施例のパチンコ機1では、図柄変動遊技を開始するための変動開始条件が成立すると、上述したように該図柄変動遊技における変動パターンを選択するところ、特図保留が記憶されたタイミングでも、図8を用いて前述した事前判定(図8のS262,S282)において同様の処理を行う。すなわち、特図保留(第1特図保留または第2特図保留)が記憶されると、変動開始条件が成立する前であっても、該特図保留について上述の大当り判定(図11のS414)と同様に、該特図保留に基づく図柄変動遊技の結果として大当りが発生するか否か(大当りの特図保留か外れの特図保留か)を事前判定する。そして、今回記憶した特図保留が大当りの特図保留である場合は、該特図保留について上述の大当り変動パターン選択処理(図12のS426)と同様の処理を行うことによって、該特図保留に基づく図柄変動遊技で何れの大当り変動パターンが選択されるかを事前判定する。これに対して、今回記憶された特図保留が外れの特図保留である場合は、該特図保留について上述の外れ変動パターン選択処理(図12のS442)と同様の処理を行うことによって、該特図保留に基づく図柄変動遊技で何れの外れ変動パターンが選択されるかを事前判定する。図8のS264,S284の処理でサブ制御基板220に向けて送信される第1保留記憶コマンドおよび第2保留記憶コマンドには、このような事前判定の結果を示す情報が含まれる。本実施例のパチンコ機1では、以上のように事前判定を行うので、特図保留が記憶されると、該特図保留について変動開始条件が成立する前であっても、該特図保留に基づく図柄変動遊技が行われる場合の変動パターンを判定することができ、ひいては、該特図保留に基づいた図柄変動遊技にて高信頼度演出が行われるか、低信頼度演出が行われるかを判定することができる。尚、特図保留に基づいた図柄変動遊技にて高信頼度演出が行われることとなる場合の当該特図保留を、以下では、「高信頼度保留」とも表現し、特図保留に基づいた図柄変動遊技にて低信頼度演出が行われることとなる場合の当該特図保留を、以下では、「低信頼度保留」とも表現する。」
ウ 「【0119】
変動開始時処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず、変動開始時コマンドを受信しているか否かを判断する(S700)。図12を用いて前述したように、変動開始時コマンドは、図柄変動遊技が開始される際に主制御基板200から送信されるコマンドである。その結果、変動開始時コマンドを受信していない場合は(S700:no)、図17および図18に示す変動開始時処理をそのまま終了する。これに対して、変動開始時コマンドを受信している場合は(S700:yes)、「低確率・非電サポ状態」中であるか否かを判断する(S702)。その結果、「低確率・非電サポ状態」中である場合は(S702:yes)、「高信頼度モード」中であるか否かを判断する。ここで、詳しくは後述するが、本実施例のパチンコ機1では、「低確率・非電サポ状態」における複数回の図柄変動遊技に亘って「高信頼度モード」が設定されることがあり、高信頼度モード中は「リーチ演出が行われるとしたら当該リーチ演出は必ず高信頼度演出となることを示す高信頼度モード演出」が行われる。S702の処理では、このような高信頼度モード中(すなわち、高信頼度モード演出の実行中)であるか否かが判断される。
【0120】
その結果、高信頼度モード中でない場合は(S706:yes)、高信頼度モードの開始に係る次のような処理が行われる。先ず、第1特図保留記憶領域または第2特図保留記憶領域に低信頼度保留(大当り変動パターンAHP4?6,外れ変動パターンRHP4?6)が記憶されているか否かを判断する(S706)。ここで、低信頼度保留が記憶されていれば、当然ながら、該低信頼度保留に対応する図柄変動遊技にて低信頼度演出が行われるので、S706の判断処理では「所定回数(記憶可能な特図保留数と同数の1?8回)後の図柄変動遊技にて低信頼度演出が行われることが決定されているか否か」が判断されると捉えることもできる。この結果、低信頼度保留が記憶されている場合は(S706:yes)、高信頼度モードを開始することなく、図16を用いて前述した第1特図保留記憶領域または第2特図保留記憶領域に記憶されている特図保留の変動パターンをシフトする(S708)。具体的には、先ず、第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域に記憶されている特図保留の変動パターンのうち、今回開始する図柄変動遊技に対応する特図保留の変動パターンを当該変動記憶領域に移動させる。すなわち、本実施例のパチンコ機1では第2特図保留を優先消化するので、第2特図保留の変動パターンが記憶されていれば該第2特図保留の変動パターンのうち最先に記憶された第2特図保留の変動パターンを当該変動記憶領域に移動させ、第2特図保留の変動パターンが記憶されていなければ第1特図保留の変動パターンのうち最先に記憶された第1特図保留の変動パターンを当該変動記憶領域に移動させる。
【0121】
例えば、図16には第2特図保留が記憶されていない例が示されているので、第1特図保留記憶領域に記憶されている第1特図保留のうち最先に([1]の領域に)記憶された第1特図保留の変動パターン「NHP2」を当該変動記憶領域に移動させる。次に、当該変動記憶領域に最先の特図保留の変動パターンが移動されることで、該特図保留の変動パターンが記憶されていた領域が空くので、該領域側に残りの特図保留を1つずつ移動させる。図16に示す例では、[2]の領域に記憶されている第1特図保留の変動パターン「NHP1」を[1]の領域に移動し、[3]の領域に記憶されている第1特図保留の変動パターン「AHP1」を[2]の領域に移動する。
【0122】
こうして、第1特図保留記憶領域または第2特図保留記憶領域に記憶されている特図保留をシフトしたら(S708)、第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域の記憶内容に基づいて、第1保留表示領域27eおよび第2保留表示領域27f(図4参照)に保留図柄を表示する。つまり、記憶されている第1特図保留の変動パターンと同数の保留図柄を第1保留表示領域27eに表示し、記憶されている第2特図保留の変動パターンと同数の保留図柄を第2保留表示領域27fに表示する。
【0123】
そして、S700の処理で受信した変動開始時コマンドに基づいて特定される変動パターンに対応する図柄変動演出を開始する(S712)。尚、当然ながら、今回開始する図柄変動遊技の変動パターンは、当該変動記憶領域にも記憶されているので、変動開始時コマンドから特定せずに、当該変動記憶領域から読み出してもよい。
【0124】
図柄変動演出としては、例えば図14を用いて前述したように、今回開始する図柄変動遊技の変動パターンが大当り変動パターンAHP1?3である場合には、キャラクターA1?A3が出現するリーチ演出(高信頼度演出)が行われた後、識別図柄27a,27b,27cがゾロ目(特定結果)で停止表示する図柄変動演出が行われる。また、大当り変動パターンAHP4?6である場合には、キャラクターB1?B3が出現するリーチ演出(低信頼度演出)が行われた後、識別図柄27a,27b,27cがゾロ目(特定結果)で停止表示する図柄変動演出が行われる。
【0125】
また、今回開始する図柄変動遊技の変動パターンが外れ変動パターンRHP1?3である場合には、キャラクターA1?A3が出現するリーチ演出(高信頼度演出)が行われた後、識別図柄27a,27b,27cがバラケ目(非特定結果)で停止表示する図柄変動演出が行われる。また、外れ変動パターンRHP4?6である場合には、キャラクターB1?B3が出現するリーチ演出(低信頼度演出)が行われた後、識別図柄27a,27b,27cがバラケ目(非特定結果)で停止表示する図柄変動演出が行われる。また、外れ変動パターンNHP1?NHP3である場合には、リーチ演出が行われないまま(高信頼度演出および低信頼度演出の何れも行われないまま)識別図柄27a,27b,27cがバラケ目(非特定結果)で停止表示する図柄変動演出が行われる。
【0126】
以上のように、本実施例のパチンコ機1では、低信頼度保留が記憶されている場合は高信頼度モード演出(高信頼度モード)を開始しない。ここで、低信頼度保留が記憶されていれば、所定回数(記憶可能な特図保留数と同数の1?8回)後の図柄変動遊技にて低信頼度演出が行われる。このように低信頼度演出が行われることが決定されているにも拘わらず、「リーチ演出が行われるとしたら当該リーチ演出は必ず高信頼度演出となることを示す高信頼度モード演出」を開始すると、該高信頼度モード演出の実行中(高信頼度モード中)に低信頼度演出が行われてしまうという不具合が発生してしまう虞がある。そして、このような不具合を回避するためには、低信頼度演出が行われる前に高信頼度モード演出を終了させる必要がある。すなわち、高信頼度モード演出を開始したとしても、所定回数(1?8回)後の図柄変動遊技が行われる前に該高信頼度モード演出を終了する必要がある。しかしながら、こうすると、高信頼度モード演出の実行期間(高信頼度モードの期間)が短くなってしまうので、遊技興趣を冷ましてしまうという問題が発生する。この点、本実施例のパチンコ機1では、低信頼度保留が記憶されている場合、すなわち、所定回数(1?8回)後の図柄変動遊技にて低信頼度演出が行われることが決定されている場合は、高信頼度モード演出(高信頼度モード)を開始しないので、このような問題の発生を防止することができる。
【0127】
以上は、S706の判断処理で、第1特図保留記憶領域または第2特図保留記憶領域に低信頼度保留が記憶されていると判断された場合の処理(S706:yes)について説明した。これに対して、低信頼度保留が記憶されていない場合は(S706:no)、第1特図保留記憶領域または第2特図保留記憶領域に高信頼度保留(大当り変動パターンAHP1?3,外れ変動パターンRHP1?3)が記憶されているか否かを判断する(S714)。ここで、高信頼度保留が記憶されていれば、当然ながら、該高信頼度保留に対応する図柄変動遊技にて高信頼度演出が行われるので、S714の判断処理では「所定回数(記憶可能な特図保留数と同数の1?8回)後の図柄変動遊技にて高信頼度演出が行われることが決定されているか否か」が判断されると捉えることもできる。この結果、高信頼度保留が記憶されている場合は(S714:yes)、所定確率(例えば20%)で高信頼度モードの開始が決定される高信頼度モード開始抽選Aを行う(S716)。高信頼度モード開始抽選Aでは、先ず、周期的に更新されている開始抽選乱数を取得する。そして、所定の乱数範囲に対応させて高信頼度モードの「開始」と「非開始」が設定されている開始抽選テーブルA(図示省略)を参照して、取得した開始抽選乱数に対応する「開始」または「非開始」を今回の高信頼度モード開始抽選Aの結果として決定する。これに対して、高信頼度保留が記憶されていない場合は(S714:no)、高信頼度モード開始抽選Aより低い確率(例えば5%)で高信頼度モードの開始が決定される高信頼度モード開始抽選Bを行う(S718)。高信頼度モード開始抽選Bでも、先ず、周期的に更新されている開始抽選乱数を取得する。そして、所定の乱数範囲に対応させて高信頼度モードの「開始」と「非開始」が設定されている開始抽選テーブルB(図示省略)を参照して、取得した開始抽選乱数に対応する「開始」または「非開始」を今回の高信頼度モード開始抽選Bの結果として決定する。当然ながら、開始抽選テーブルBでは、開始抽選テーブルAより狭い乱数範囲に対応させて高信頼度モードの「開始」が設定されている。尚、以下では、高信頼度モード開始抽選Aと高信頼度モード開始抽選Bを特に区別しない場合は、まとめて「高信頼度モード開始抽選」と表現する。
【0128】
高信頼度モード開始抽選を行った結果(S716、S718)、高信頼度モードの「開始」が決定されたら(S720:yes)、高信頼度モード演出を実行することで高信頼度モードを開始する(S722)。図19は、高信頼度モード演出の一例を示す説明図である。図19に示すように、高信頼度モード演出としては、例えば、演出表示装置27の表示画面上に「リーチ演出は必ず高信頼度演出」という文字を表示する。このような高信頼度モード演出は複数回の図柄変動遊技に亘って表示される。こうして高信頼度モード(高信頼度モード演出)を開始したら(S722)、上述したS708?S712の処理を行う。つまり、第1特図保留記憶領域または第2特図保留記憶領域に記憶されている特図保留の変動パターンをシフトすると共に(S708)保留図柄を表示した後(S710)、図柄変動演出を開始する(S712)。尚、高信頼度演出(第2遊技演出)が実行されることを示す高信頼度モード演出(特定演出)を実行するサブ制御基板220のCPU221は、「特定演出実行手段」として機能するものである。」

(3)上記(2)の記載から、次のアないしエのことが把握できる。
ア 請求項3の「前記識別情報の変動表示開始前に、前記取得情報記憶手段に記憶されている取得情報が所定の情報であるか否かを判定する事前判定を実行可能であり、前記取得情報記憶手段に記憶されている取得情報について前記事前判定を行った結果、当該取得情報に基づいて行われる前記識別情報の変動表示に伴って前記第2遊技演出以外の前記遊技演出が行われる場合は、前記特定演出実行手段は前記特定演出を実行しない」との記載から、「事前判定」の結果により、第2遊技演出(第2リーチ遊技演出)が行われる場合は、「特定演出」が実行されること
イ 【0126】の「低信頼度保留が記憶されている場合は高信頼度モード演出(高信頼度モード)を開始しない。」との記載から、第1リーチ遊技演出の実行が予定されている保留の存在に基づいては、高信頼度モード演出を実行しないように構成されていること
ウ 【0127】ないし【0128】の「低信頼度保留が記憶されていない場合は(S706:no)、・・・高信頼度モード開始抽選を行った結果(S716、S718)、高信頼度モードの「開始」が決定されたら(S720:yes)、高信頼度モード演出を実行することで高信頼度モードを開始する(S722)。」との記載から、第2リーチ遊技演出又は非リーチ遊技演出の実行が予定されている保留の存在に基づき、高信頼度モード演出を実行可能であること
エ 【0128】の「高信頼度モード演出(特定演出)」の記載から、「高信頼度モード演出」は、「特定演出」に相当するものであること

(4)上記(3)からみて、「高信頼度モード演出」を実行可能な、若しくは、実行しないように構成されていることは、当初明細書等の記載から把握できる事項であるが、当初明細書等の記載において、「特定の事前判定演出」を実行可能な、若しくは、実行しないように構成されたものであることは記載も示唆もされていないだけでなく自明であるともいえない。
また、当初明細書等に記載されている「高信頼度モード演出」は、上記(3)エのとおり、本願発明の「特定演出」に相当するものであり、「特定の事前判定演出」に相当するものではない。このように、本願発明において、「特定演出」と「特定の事前判定演出」とは、互いに異なる演出であることは明らかであり、本願発明は、「特定演出」に相当する「高信頼度モード演出」に加え、当該演出とは別の演出である「特定の事前判定演出」をさらに実行可能であるものを含むと解される。
してみると、「特定の事前判定演出を実行可能」との事項を含む補正は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものでない。
したがって、上記1の本願発明のようにした補正を含む平成28年5月23日付け手続補正書でした補正は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものでないので、当初明細書等に記載した事項の範囲内でなされたものではない。

4 むすび
以上のとおり、平成28年5月23日付け手続補正書でした補正は、願書に最初に添付された特許請求の範囲、明細書及び図面に記載した事項の範囲内においてしたものでなく、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
したがって、本願は、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-05-09 
結審通知日 2018-05-15 
審決日 2018-05-28 
出願番号 特願2015-16316(P2015-16316)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 55- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岩永 寛道尾崎 俊彦齋藤 智也藤澤 和浩  
特許庁審判長 瀬津 太朗
特許庁審判官 鉄 豊郎
櫻井 茂樹
発明の名称 遊技機  
代理人 伊藤 温  

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