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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A23G
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A23G
管理番号 1342394
審判番号 不服2016-11297  
総通号数 225 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-09-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-07-27 
確定日 2018-07-11 
事件の表示 特願2014- 65796「菓子組成物及びキット」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 6月19日出願公開、特開2014-110818〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2007年4月4日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2006年4月5日、米国)を国際出願日とする特願2009-504291号の一部を平成23年7月11日に新たな特許出願(特願2011-153223号)とし、さらにその一部を平成26年3月27日に新たな特許出願としたものであって、平成27年6月19日付け拒絶理由通知に対して、平成27年11月20日付けで意見書及び手続補正書が提出され、その後、平成28年3月30日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成28年7月27日に拒絶査定不服審判が請求され、同時に手続補正がされ、平成28年12月12日付けで上申書が提出されたものである。

第2 平成28年7月27日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
本件補正を却下する。

[理由]
1 補正後の請求項1に記載された発明
本件補正は、補正前の特許請求の範囲の請求項1の
「【請求項1】
チューインガム組成物であって、
(a)ガムベースと、
(b)少なくとも1つの甘味料と、
(c)カゼインリンペプチド-リン酸カルシウムと、
(d)少なくとも1つの食品グレードの酸を含んでなり、
前記カゼインリンペプチド-リン酸カルシウムを前記チューインガム組成物に対して0.5?5重量%の量で含む、チューインガム組成物。」
を、
「【請求項1】
チューインガム組成物であって、
(a)ガムベースと、
(b)少なくとも1つの甘味料と、
(c)カゼインリンペプチド-リン酸カルシウムと、
(d)少なくとも1つの食品グレードの酸を含んでなり、
前記カゼインリンペプチド-リン酸カルシウムを前記チューインガム組成物に対して0.5?1.5重量%の量で含む、チューインガム組成物。」
(下線は補正箇所を示す。)とする補正を含むものである。

上記補正は、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「カゼインリンペプチド-リン酸カルシウム」について、含有量を「0.5?5重量%」から「0.5?1.5重量%」に限定するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。

2 引用例とその記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された本願の優先日前に頒布された引用例1?4には、以下の事項が記載されている。(「・・・」は記載の省略を意味し、下線は当審が付した。以下同じ。)

(1)引用例1:特開平5-38258号公報

(1a)「【請求項1】ガムベースおよび下記成分:
A.クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、コハク酸、グルコノデルタラクトン、アスコルビン酸、乳酸およびこれらの混合物よりなる群から選択される少なくとも1つの粒状の食用酸;
B.レシチン、ステアレート、ステアレートのエステル誘導体、パルミテート、パルミテートのエステル誘導体、オレエート、オレエートのエステル誘導体、グリセリド、グリセリドのエステル誘導体、スクロースポリエステル、ポリグリセロールエステル、動物性ワックス、植物性ワックス、合成ワックス、石油ワックスおよびこれらの混合物よりなる群から選択される乳化剤;および、
C.デリバリーシステムの総組成物の重量の約30?約93重量%の量で存在し、分子量約2,000?約65,000のポリ酢酸ビニル
を含有する酸の制御された放出を可能にする安定な食用酸デリバリーシステムを含有する延長された酸味、フレーバーおよびジューシーさの継続を有するチューインガム組成物。
【請求項2】食用酸がチューインガム組成物の約0.1?約10重量%の量で存在する請求項1記載のチューインガム組成物。
・・・
【請求項13】デリバリーシステム内に封入される前に食用酸が人工甘味料と合体される請求項1記載のチューインガム組成物。
【請求項14】甘味料が、デリバリーシステムの約0.01?約50重量%の量で存在し、人工強力甘味料および天然甘味料およびこれらの混合物よりなる群から選択される請求項13記載のチューインガム組成物。
・・・
【請求項21】充填剤、着色剤、フレーバー剤、軟化剤、可塑剤、エラストマー、エラストマー溶媒、甘味剤およびこれらの混合物が更に含有される請求項1記載のチューインガム組成物。」

(1b)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は延長された刺激、酸味および増強された唾液分泌を付与するチューインガムおよび菓子組成物に配合されるように考案された食用酸のためのデリバリーシステムに関する。更に詳しくは、本発明は、水分、pH、温度および他の反応性化学成分のような要因による悪影響から食用酸を保護する方法に関する。本発明のデリバリーシステムは食用酸および甘味料の供給に特に有用であるが、フレーバー、薬品等にも適用してよい。
【0002】
【従来の技術】1986年12月23日に出願された同時係属中の米国特許出願945,743号において、本発明のデリバリーシステムは甘味料の供給に用いられた。また同時係属中の米国特許出願270,892号においても、低分子量ポリ酢酸ビニルを用いる本発明のデリバリーシステムで食用酸が供給できることの開示がさなれている。今回、このデリバリーシステムは、分子量50,000を超えるより高分子量のポリ酢酸ビニルを使用して長時間の咀嚼時間にわたり食用酸を供給する能力を有することを発見した。
【0003】食用酸をチューインガム組成物に添加して所望の酸味作用を得ることは、特に柑橘類フレーバーにおいて、従来開示されている。一般的に、酸をチューインガム組成物の水溶性チューインガム部分に直接添加し、咀嚼の間の酸の放出を確保する。例えばReam等への米国特許4,088,788号および4,151,270号は、少なくとも3重量%の1つ以上の有機酸を甘味料と組合せたものを添加することにより、相乗唾液促進作用を達成したことを開示している。開示された酸は、コーティングまたはカプセル化されることなくその遊離形態でガム組成物に直接添加されている。
【0004】チューインガム組成物へ遊離形態で直接添加される食用酸の使用の別の例は、Mackay等への米国特許4,085,227号に開示されている。・・・
・・・
【0005】チューインガム組成物への遊離酸の配合の別の例は、米国特許4,800,191号に開示されており、・・・。」

(1c)「【0028】
【本発明の詳細な記述および好ましい実施態様】ポリ酢酸ビニルと上記した乳化剤の組合せにより、食用酸の上に優れた膜を形成するコーティングが得られる。これらのコーティングは実質的に水溶性に乏しく、食品酸または他の封入されている物質を加水分解から保護する。しかしなお、これらは水分の存在下である程度膨潤するのに十分な親水性も有しており、これにより、徐々にコア物質を放出する。グリセリルモノステアレートが最も好ましい乳化剤である理由は、これが意外にも、ポリ酢酸ビニルから酢酸とポリビニルアルコールへの加水分解を抑制する特性を有するためである。その他の利点は、例えば、コーティングが非齲食性であること、ポリ酢酸ビニルのコールドフロー特性が長期保存の間低いこと、デリバリーシステムの調製方法に溶媒の使用が含まれないこと、そして、デリバリーシステムが、食品酸または食品酸と甘味料の混合物を水分から保護することが望ましいような全ての食品、チューインガム、菓子、個人用製品または薬品用途に使用できることである。本発明の他の利点は明らかであろう。
【0029】デリバリーシステムを調製するには、所望の比率のポリ酢酸ビニルおよび乳化剤を溶融し、これらを短時間、例えば5分以上約85℃の温度で混合する。これらの物質が十分溶融し、均質な混合物が得られた後、適当な量の固体食用酸を添加し、更に短時間撹拌しながら溶融した塊と充分混合する。食用酸粒子を粉砕して微細粉末にした後にポリ酢酸ビニル/乳化剤混合物でカプセル化するのが好ましい。得られた混合物は半固体の塊であり、次にこれを、例えばほぼ室温に冷却して固体とし、米国標準メッシュサイズ約30?約200(600?75ミクロン)に粉砕する。
【0030】本発明のデリバリーシステムは、食品、菓子等、並びに、チューインガム組成物、薬学的組成物、義歯用製品、マウスウオッシュ等のような多くの摂取可能な製品に配合できる。」

(1d)「【0032】食用酸は食品産業では一般的に酸味料とも呼ばれており、総チューインガム組成物の約0.1?約10重量%、好ましくは約0.5?約7.5重量%、最も好ましくは約1?約2.5重量%の量で存在してよい。デリバリーシステムそのものの中の存在については、酸はデリバリーシステムの約1?約50重量%、好ましくは約20?約40重量%の量で存在する。存在する酸の特定の量は所望の酸味の所望の強度に応じて調節しなければならない。酸が多すぎたり、少なすぎる場合は、延長されたフレーバーの作用、所望の刺激および好ましい味が得られない。
・・・
【0034】酸は、単独で、または、相溶性のある甘味料、フレーバーまたは類似の従来のチューインガム成分と組合せてカプセル化してよい。あるいは、カプセル化された甘味料またはフレーバーを本発明の食用酸デリバリーシステムとは別に添加して放出特性の独特の組合せを得ることもできる。特定のフレーバー、甘味料および酸の組合せ、より長く、より強力なフレーバー、甘味、酸味およびジューシーさ(唾液分泌刺激)の作用相乗作用をもたらすことが解っている。特に、酸放出の延長は、咀嚼者により長い味の明らかな知覚を与える。この現象は、完全に解明されていないが、このような味の延長が存在し、延長された咀嚼期間にわたり実質的な進歩として咀嚼者に知覚され得ることは、味見から明らかである。
【0035】カプセル化された甘味料成分を添加しなければならない場合は、これは、強力な甘味を付与できるような、固体の天然または合成の甘味料から選択してよい。制限しないこれらの甘味料の例は、アミノ酸系甘味料、ジペプチド甘味料、グリチルリチン、サッカリンおよびその塩、エースサルフェーム塩、サイクラメート、ステビオサイド、タリン、ジヒドロカルコン化合物、塩素化スクロース重合体、例えばスクラロース、およびこれらの混合物を包含する。
【0036】デリバリーシステムの任意の一部である甘味料は、甘味を付与するのに必要な量で使用してよく、好ましくはデリバリーシステムの約0.01?約30重量%の量で配合する。アスパルテーム、サッカリンおよびその塩は好ましい甘味料であり、それぞれ、デリバリーシステムの約0.01?約50重量%および約0.01?約50重量%の量で使用してよい。これらの甘味料の好ましい量は、デリバリーシステムの約10?約20重量%、最も好ましくは約14?約18重量%である。当産業で標準的な従来の量で、副次的甘味料を最終製品、即ちチューインガム組成物中に使用してよい。
【0037】特に有効な甘味料の組合せは、アスパルテーム、サッカリンナトリウムおよびエースサルフェーム-K(エースサルフェームカリウム)である。・・・」

(2)引用例2:特表2002-540129号公報

(2a)「【請求項7】チューインガムであって、
(a)約10重量%?約95重量%のガムベース;および
(b)約0.1重量%?約15重量%の重炭酸ナトリウム、および
(c)約0.01重量%?約30重量%のCPP-ACPを含んでなるチューインガム。
【請求項8】ガムがシュガーレスガムである、請求項7記載のガム。
【請求項9】ガムが、
(a)約0.1重量%?約10重量%の重炭酸ナトリウム、および
(b)約0.01重量%?約10重量%のCPP-ACPを含んでなる、請求項7記載のガム。」

(2b)「【0002】
【先行技術の説明】
歯のう蝕の形成は充分に研究されてきている。う蝕は、歯垢の蓄積、および歯垢微生物が食物中の糖およびデンプンを発酵させるときの有機酸(歯垢酸(plaqueacids))の生成に起因すると理解されている。唾液によって洗浄される前に、それら酸は、pHを低下させて、ヒドロキシアパタイトとして知られるカルシウム-リン無機質である若干のエナメル質を溶解させる、すなわち、脱無機質化させるのに充分な長さで歯垢中に蓄積し、これがう蝕(虫歯)および過敏をもたらしうる。
【0003】
歯垢自体は、口内細菌およびそれらの産生物の粘着性の膜であり、最終的に歯の上に硬い無機質が形成されて石灰化され得る。それは、結石または歯石と称されることがあるが、歯の表面上に沈着して接着した石灰化物質の硬い塊である。成熟した結石が成長するにつれて、それは、視覚的には白色または黄色になる。歯垢形成は、歯肉炎、およびその後の歯周病をもたらすことがありうる。」

(2c)「【0006】
カゼインホスホペプチド-非晶質リン酸カルシウム錯体は、歯磨き剤として用いられた場合、抗う蝕性歯強化作用を有することが知られている。CPP-ACP錯体またはカルシウムカゼインペプトン-リン酸カルシウムとしても知られるそれら錯体は、カゼインホスホペプチドによって安定化された非晶質リン酸カルシウムである。CPP-ACPは、脱無機質化を抑制し、再無機質化を促進しながら、歯垢酸を緩衝化する。それは、歯の表面の歯垢中にカルシウムイオンおよびリン酸イオンを局在させることによって作用する。歯垢中のカルシウムおよびリン酸のレベルのこの増加は、歯垢酸を緩衝化するのを助け、溶液中、すなわち唾液中でカルシウムおよびリン酸の過飽和状態を維持するのを助ける。う蝕および歯垢形成の予防のためのカゼインホスホペプチド単独の使用も知られている。CPP-ACPの担体としてのチューインガムの使用が示唆されている。
【0007】
米国特許第5,130,123号および同第5,227,154号は、歯のう蝕の予防におけるカゼインホスホペプチドを教示している。WO98/40406号は、抗う蝕効力を提供するホスホペプチド-リン酸カルシウム錯体を教示している。」

(2d)「【0023】
実施例2
この実験は、CPP-ACPおよび重炭酸ナトリウムを1:5の重量比で含有するチューインガム中で用いられる場合のCPP-ACPの再無機質化における効力を示す。ペレット型チューインガムを次のように配合した。
【0024】
【表2】



(3)引用例3:特表2002-500626号公報

(3a)「1.ホスホペプチドがアミノ酸配列Ser(P)-Ser(P)-Ser(P)-Glu-Gluを含み、ホスホペプチド安定化無定形リン酸カルシウムまたはその誘導体を含有する安定化なリン酸カルシウム複合体。
2.前記無定形リン酸カルシウムは、x≧1の式[Ca_(3)(PO_(4))_(1.87)(HPO_(4))_(0.2)xH_(2)O]で示される請求の範囲第1項に記載の複合体。
3.前記無定形リン酸カルシウム誘導体は、x≧1の式[C_(a8)(PO_(4))_(5)FxH_(2)O]で示されであるフッ化リン酸カルシウムである請求の範囲第1項に記載の複合体。
・・・
8.活性成分として請求の範囲第1項から第7項のいずれか1項に記載の複合体を含み、カルシウム、フッ化物、およびリン酸イオンを目的部位に供給する運搬媒介物。
9.練り歯磨き、歯磨き粉、液体歯磨剤、マウスウォッシュ、トローチ、チューインガム、デンタルペースト、歯肉マッサージクリーム、含漱タブレット、乳製品および他の食料のいずれか1つである請求の範囲第8項に記載の運搬媒介物。」(第2頁2行?第3頁5行)

(3b)「我々は、カゼインホスホペプチドによって安定化されたX≧1のリン酸カルシウムCa_(3)(PO_(4))_(1.87)(HPO_(4))_(0.2)xH_(2)Oの無定形体が最も溶解性に優れ、非晶性リン酸カルシウムの基本的形態であり、齲歯を防ぎカルシウムの生理的利用性を増加するリン酸カルシウムの優れた形態であることを見出した。無定形リン酸カルシウム(例えば、ACP)は、ホスホペプチドの存在下に、pH7を越えた状態(好ましくは9.0)で、カルシウムイオン(例えば、CaCl_(2))とリン酸イオン(例えば、NaHPO_(4))とを注意深く滴下して形成されなければならない。ACPが形成されると、ホスホペプチドは発生期の核に結合しホスホペプチド-ACP複合体としてACPを安定化する。ホスホペプチドが無ければACPは溶液中で凝縮し、最も安定なリン酸カルシウム相と結晶水酸化アパタイト(HA)に数分以内に形を変える。HAは不溶性で抗顛食原性活性を制限し、カルシウムの生物的利用性が低い。水酸化アパタイトより溶解性に優れるが、リン酸カルシウムCaHPO_(4)の酸性相はホスホペプチドとの結合が弱く歯の表面に十分に存在できず、それゆえ抗齲食原性活性が制限される。無定形リン酸カルシウムを安定化する前述したホスホペプチドと、特にSer(P)モチーフの予期せぬ能力は、米国特許第5,015,628号に開示も示唆もされておらず、カルシウム治療および供給に優れる新規かつ明白な利点を有する安定化された無定形リン酸カルシウム複合体を生産する方法を初めて提供する。米国特許第5,015,628号は、前記ホスホペプチドによって安定化され、優れた抗齲食原性を付与するため歯の表面に局在しうることを我々が見出したX≧1のユニークな無定形カルシウムフルオライドホオスフェート相Ca_(8)(PO_(4))_(5)FxH_(2)Oを開示しない。無定形リン酸カルシウム体を安定化する予期されぬ能力は本願発明の基礎をなす。」(第6頁下から5行?第7頁下から10行)

(3c)「発明の要旨
1の見地において、本発明は、ホスホペプチドによって安定化された無定形リン酸カルシウムまたはその誘導体を含有する、該安定なリン酸カルシウム複合体を提供し、該ホスホペプチドは、Ser(P)-Ser(P)-Ser(P)-Glu-Glu-配列を含む。
無定形リン酸カルシウム(ACP)は、好ましくはx≧1である式[Ca_(3)(PO_(4))_(1.87)(HPO_(4))_(0.2)xH_(2)O]である。リン酸カルシウム誘導体は、x≧1である式[Ca_(8)(PO_(4))_(5)FxH_(2)O)]のカルシウムフルオライドホスフェートであってもよく、無定形カルシウムフルオライトホスフェート(ACFP)がある。
ホスホペプチド(PP)はいずれに由来するものでもよく、コア配列Ser(P)-Ser(P)-Ser(P)-Glu-Glu-を含有するのであれば、ホスフィチン等の他の富リン酸タンパク質やカゼインのトリプシン消化、化学的または遺伝子組換えによって得られたものであってもよい。このコア配列の側面部の配列はいずれでもよい。しかしながら、α_(s1)(59-79)[1]、β(1-25)[2]、α_(s2)(46-70)[3]またはα_(s2)(1-21)[4]に含まれるフランキング配列(flanking sequence)であることが好ましい。このフランキング配列は、1以上の残基の置換、削除、追加によって任意に改変されたものであってもよい。このフランキング部の配列やアミノ酸組成は、ペプチドの構造が維持される限りこれに制限されるものではなく、カルシウムと相互作用するホスホリルやカルボキシル基の全ては、選択フランキング部がモチーフの構造的な機能に寄与するように維持される。
この形成された複合体は、好ましくはnが1以上、例えば6である式[(PP)(CP)_(8)]_(n)である。この複合体は、コロイド状の複合体であってもよい。
ホスホペプチドはACPクラスタに結合し、核形成や析出反応を開始する大きさへACPが成長することが害される準安定な溶液を製造する。このようにして、カルシウムやフッ化物イオンなどの他のイオンが例えば歯の表面におかれ、脱イオン症を防ぎ、齲歯の形成を防止する。」(第7頁下から9行?第8頁下から10行)

(3d)「次いで、第2の見地によれば、本発明は、前記した安定なリン酸カルシウム複合体を提供し、複合体は、カルシウムに限定されずフッ化物イオンやリン酸イオンなどを共に目的部位に存在させる媒介物として作用する。好ましい態様では、この複合体は、優れた抗齲歯有効性を示す緩速放出無定形体である。
本発明の特に好ましい態様では、該安定なカルシウム複合体が、齲歯の治療や予防を補助する練り歯磨き、マウスウォッシュまたは口腔用製剤などの歯磨き剤に配合される。このカルシウム複合体は、組成物中0.05?50重量%、より好ましくは1.0?50重量%である。口腔用組成物では、組成物中のCPP-ACPおよび/またはCPP-ACFPの配合量が、0.05?50重量%、より好ましくは1.0?50重量%である。前記薬剤を含有する本発明の口腔組成物は、練り歯磨き、歯磨き粉、液体歯磨き剤、マウスウォッシュ、トローチ、チューインガム、歯科用軟骨、歯肉マッサージクリーム、嗽剤、乳製品および他の食料品など歯磨き剤のように口腔に用いる種々の形態に使用しおよび調製することができる。本発明の口腔組成物は、更に特に口腔組成物を成型するための公知の配合物を含んでもよい。」(第8頁下から9行?第9頁6行)

(4)引用例4:一之瀬善憲著、「新しい抗う蝕性物質・リカルデント登場」、2002年12月1日、[平成22年10月28日検索]の記載事項

(4a)「新しい抗う蝕性物質・リカルデント登場」(標題参照)

(4b)「牛乳タンパク質から作られた新しい抗う蝕性物質・リカルデンTM(CCP-ACP)が入ったガムが2000年5月15日に発売になりました。」(1行?2行)

(4c)「*内容*
*う蝕の発生を抑えるためには、初期う蝕の段階で再石灰化を促すこと*
*脱灰と再石灰化(→リンク)の解説と牛乳タンパク質から作られた抗う蝕性物質「リカルデント」について講演がありました*
詳細:牛乳タンパク質から作られた抗う蝕性物質「リカルデント」について。
リカルデント(CPP-ACP)は、オーストラリア・メルボルン大学歯学部教授 エリック・C・レイノルズ博士の20年に渡る研究とオーストラリア最大の乳製品メーカーであるボンラック フーズ リミテッド社との研究・開発の末に生まれた新しい画期的な成分です。
CCP:カゼインホスホペプチド、牛乳タンパク質を酵素で消化したリン酸ペプチド。
ACP:非結晶性リン酸カルシュウム
リカルデント(CPP-ACP):リン酸カルシュウムを沈殿させないで過飽和の状態にするユニークな機能を有し、人や動物実験で歯牙表面に局在している自然発生したう蝕を抑制し、再石灰化することが確認されています。
特徴的なのは、歯面=エナメル質の内側まで透過し、再石灰化=う蝕を修復させる事です。
リカルデント(CPP-ACP)は、キシリトールのような代替甘味料ではありません。つまり、直接エナメル質表層下まで浸透し、初期う蝕を内部から修復させるという点において区別されます。
リカルデントガムは、キシリトールを糖質中50%含んでいます。」(「*内容*」の欄を参照)

3 対比
引用例1の上記記載(特に上記(1a)の請求項1、2、13、21)から、引用例1には、
「ガムベースおよび下記成分:
A.クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、コハク酸、グルコノデルタラクトン、アスコルビン酸、乳酸およびこれらの混合物よりなる群から選択される少なくとも1つの粒状の食用酸;
B.レシチン、ステアレート、ステアレートのエステル誘導体、パルミテート、パルミテートのエステル誘導体、オレエート、オレエートのエステル誘導体、グリセリド、グリセリドのエステル誘導体、スクロースポリエステル、ポリグリセロールエステル、動物性ワックス、植物性ワックス、合成ワックス、石油ワックスおよびこれらの混合物よりなる群から選択される乳化剤;および、
C.デリバリーシステムの総組成物の重量の約30?約93重量%の量で存在し、分子量約2,000?約65,000のポリ酢酸ビニル
を含有する酸の制御された放出を可能にする安定な食用酸デリバリーシステムを含有する延長された酸味、フレーバーおよびジューシーさの継続を有するチューインガム組成物であって、デリバリーシステム内に封入される前に食用酸が人工甘味料と合体され、充填剤、着色剤、フレーバー剤、軟化剤、可塑剤、エラストマー、エラストマー溶媒、甘味剤およびこれらの混合物が更に含有されるチューインガム組成物。」
の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

そこで、本願補正発明と引用発明とを比較する。
(ア)引用発明の「チューインガム組成物」は本願補正発明の「チューインガム組成物」に相当し、また、引用発明の「ガムベース」は本願補正発明の「(a)ガムベース」に相当する。
(イ)引用発明の「デリバリーシステム内に封入される前に食用酸が」合体される「人工甘味料」や更に含有される「甘味剤」は、本願補正発明の「(b)少なくとも1つの甘味料」に相当する。
(ウ)本願補正発明の「(d)少なくとも1つの食品グレードの酸」について、本願の明細書の記載を参照すると、段落【0024】には「本明細書で用いられる用語「食品グレードの酸」とは、食用組成物への使用が許可されているあらゆる酸のことを指す。」と記載され、段落【0122】には「チューインガム及び菓子組成物中に含有させる少なくとも1つの食品グレードの酸としては、限定されないが、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、リン酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、及びそれらの組み合わせが挙げられる。」と記載されていることから、引用発明の「A.クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、コハク酸、グルコノデルタラクトン、アスコルビン酸、乳酸およびこれらの混合物よりなる群から選択される少なくとも1つの粒状の食用酸」は、本願補正発明の「(d)少なくとも1つの食品グレードの酸」に相当する。

したがって、両者の間には、以下の一致点及び相違点がある。

(一致点)
チューインガム組成物であって、
(a)ガムベースと、
(b)少なくとも1つの甘味料と、
(d)少なくとも1つの食品グレードの酸を含んでなる
チューインガム組成物。

(相違点)
本願補正発明は、「(c)カゼインリンペプチド-リン酸カルシウム」を「チューインガム組成物に対して0.5?1.5重量%の量」で含むことを特定しているのに対し、引用発明は、カゼインリンペプチド-リン酸カルシウムを含まない点。

4 判断
(1)相違点について
引用例1の【従来の技術】に記載されているように、チューインガム組成物に柑橘類フレーバーなど、所望の酸味作用を得るために食用酸を添加することは良く行われていることであり(1b)、一方で、食品に含まれる酸の作用によって歯表面の脱石灰化が引き起こされることは、例えば下記引用例A?Dに記載されるように本願優先日前によく知られた事項である。これらのことは本願の明細書に背景技術として「更なる、多くのチューインガム及び菓子製品(特にフルーツ風味の製品)は、例えば風味又は味覚システムの一部として酸を含有する。現在では多くの消費者(特に児童)がフルーツ味のチューインガム及び菓子製品を消費している。しかしながら、上記の酸によって歯表面のミネラル物質の消失が生じ、齲食を生じさせやすくなる。」(【0003】)と記載されていることとも整合している。

引用例A:特開昭62-212317号公報(第2頁左上欄13行?15行):「歯科学において通常遭遇する問題の一つに、酸の作用により引き起こされる歯の脱石灰化がある。」と記載されている。
引用例B:特開平10-87461号公報(段落【0005】第2欄14行?17行):「乳酸飲料、炭酸飲料、一部のキャンデーなども、そのものに酸が含まれているため、歯を直接溶解することが問題となっている。」と記載されている。
引用例C:特表2001-515019号公報(段落【0001】第5頁7行?9行)「歯の侵食は、とりわけ、正常な無機質化プロセスにより置換されうるよりも早く歯からカルシウムを浸出させる酸性食品により引き起こされると考えられている。」と記載されている。
引用例D:特表2004-505027号公報(段落【0002】第2頁下から4行?2行)「虫歯および歯芽浸食は、歯の表面のエナメル(質)に酸が作用することにより起こる。歯芽浸食は典型的に、果実酸などの酸を直接消費することに関係しており、虫歯は糖の消費に関係している。」と記載されている。

そして、引用例2?4に記載されているとおり(2c、3b、3c、4c)、歯表面の脱石灰化を抑制し、再石灰化を促進させる物質としてカルシウムカゼインペプトン-リン酸カルシウム(CPP-ACP)は本願優先日前によく知られた物質であり、また、当該物質をチューインガムに含有させて使用することも、引用例2?4に記載されているとおり(2a、2c、3a、3d、4b、4c)、本願優先日前によく行われていたことである。
なお、カルシウムカゼインペプトン-リン酸カルシウム(CPP-ACP)は、カゼインリンペプチド-リン酸カルシウムと同じものであることは、本願の明細書段落【0004】にも「カゼインリンペプチド-リン酸カルシウム錯体・・・(別名CPP-ACP錯体又はカルシウムカゼインペプトン-リン酸カルシウム)」と記載されているとおり、明らかである。
そうすると、引用発明の酸を含んだチューインガム組成物において、酸によって歯の脱石灰化が引き起こされるとのよく知られた事項に照らし、これを抑制するという課題が内在することが明らかであり、当該課題を解決するために、歯の再石灰化を促進させる物質であるCPP-ACP、すなわち本願補正発明の「(c)カゼインリンペプチド-リン酸カルシウム」を含有させることは、引用例2?4に記載された周知の技術を参照して当業者が容易になし得たことである。
その際、酸による歯の脱石灰化を抑制し、歯の再石灰化を促進させるようにCPP-ACPの含有量を決定することは、通常の設計事項であり、引用例2には、チューインガム中に約0.01重量%?約30重量%程度、あるいは、約0.01重量%?約10重量%程度、含ませることが(2a)、また、実施例としては、ペレット型チューインガム中にCPP-ACPを0.71重量%含むことが(2d)記載され、さらに、引用例3には、チューインガムなど口腔用組成物中に0.05?50重量%、より好ましくは1.0?50重量%配合することが(3d)記載されていることを参照すれば、CPP-ACPの具体的な含有量を、本願補正発明の「0.5?1.5重量%」と設定することも、当業者が適宜になし得たことである。
したがって、相違点に係る本願補正発明の構成は、引用発明及び引用例2?4に記載された周知の技術に基いて、当業者が容易に想到し得たものである。

(2)本願補正発明の効果について
哺乳類の歯表面を再石灰化し、及び/又は酸耐性を付与するための、酸含有組成物の提供に関するものであって、CPP-ACPを含まない同様の組成物よりも顕著に高いレベルで、歯表面を再石灰化させ、及び/又は酸耐性を付与することができるなどの本願補正発明の効果は、引用発明及び引用例2?4に記載された周知の技術から当業者が予測し得たものであり、格別顕著なものとはいえない。

(3)請求人の主張について
請求人は、
「弱い有機酸をチューイングガムに添加することは、歯のエナメル及びCPP-ACPの両方に直接的な有害な効果を直接的に有するので、このIn situ研究からは、酸のキレート効果の存在はCPP-ACPのプラスの効果を打ち消すこと、及びCPP-ACP及び酸の両方を含むチューイングガム(表の2段目)はCPP-ACPも酸も含まないチューイングガム(表の3段目)と同等にすぎないか又は有効性がより低いこと、すなわちせいぜい、約9.4%の再石灰化レベルを有するに過ぎないと予測されます。
しかしながら、実際に観察されたことは、表の2段目における再石灰化のレベルは、表の3段目における再石灰化のレベルに比べ約40%超と極めて顕著です。この顕著な効果は、CPP-ACP及び酸の両方を含むチューイングガムが、実際にはCPP-ACPも酸も含まないチューイングガムと比較して再石灰化の点でかなり良好であることを示します。当業者であっても、この効果を予測できるものではありません。」(審判請求書 第3 3.(2)イ(ウ))、
「引用文献1は、反応性化学成分による悪影響から食用酸を保護するため、本願発明に用いられるCPP-ACPのような反応性化学成分を含まない構成を有するものとなっています。
一方、本願の請求項1に記載された発明(本願発明1)は、・・・「食用酸に抗して哺乳類の歯表面の保護」を図る発明であり、「食用酸を保護する」ことを意図する引用発明1とは、技術的思想において根本的に相違します。
上述のように、悪影響を及ぼす反応性化学成分を極力排除することが前提の引用文献1に、引用文献2?4に記載されたCPP-ACPを適用することには妨げがある、と思料致します。」(平成28年12月12日付け上申書)
と主張する。

しかし、前述のとおり、食品に含まれる酸の作用によって歯表面の脱石灰化が引き起こされること、及び、CPP-ACPが歯表面の脱石灰化を抑制し、再石灰化を促進させることは、いずれも周知であり、このことから、酸の存在がCPP-ACPの再石灰化の作用を打ち消す方向に働くことが予測されるとしても、再石灰化に対する有効性は、酸とCPP-ACPの作用の優劣に依存すると予測される。そうすると、CPP-ACP及び酸の両方を含むチューイングガムの再石灰化に対する有効性が、CPP-ACPも酸も含まないチューイングガムより高い場合もあることは、普通に予測されることである。よって、酸とCPP-ACPの含有量のバランスを適切に決定して、再石灰化の点で良好な結果を得ることは、当業者が予測し得た効果であり、格別顕著な効果であるとはいえない。
また、引用例1には「本発明は、水分、pH、温度および他の反応性化学成分のような要因による悪影響から食用酸を保護する方法に関する。」(【0001】)と記載されているところ、「本発明は ・・・ 食用酸または他の活性成分の十分な保護と徐放(遅延した放出)を与えるようなコーティング組成物を提供しようとするものである。」(【0020】)、「このコーティングは、水分および反応性物質、pH変動等のような他の条件に対する有効な障壁を与える。」(【0025】)との記載も踏まえると、引用発明は、反応性化学成分を極力排除することを前提とするものではなく、反応性化学成分のような要因が存在し得ることを前提に、食用酸をコーティングにより保護する発明といえる。そして、CPP-ACPについて記載する引用例2、3には、酸味剤やクエン酸等の酸を添加し得る旨の記載もあるから(引用例2の【0017】、引用例3の9頁14?18行)、引用発明にCPP-ACPを加えることは特に妨げられない。
したがって、上記請求人の主張はいずれも理由がない。

(4)まとめ
したがって、本願補正発明は、引用発明及び引用例2?4に記載された周知の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

5 むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成27年11月20日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
チューインガム組成物であって、
(a)ガムベースと、
(b)少なくとも1つの甘味料と、
(c)カゼインリンペプチド-リン酸カルシウムと、
(d)少なくとも1つの食品グレードの酸を含んでなり、
前記カゼインリンペプチド-リン酸カルシウムを前記チューインガム組成物に対して0.5?5重量%の量で含む、チューインガム組成物。」

2 引用例の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用例1?4及びその記載事項は、前記「第2 2」に記載したとおりである。

3 対比・判断
本願発明は、前記「第2」で検討した本願補正発明から、「カゼインリンペプチド-リン酸カルシウム」の含有量を「0.5?1.5重量%」から「0.5?5重量%」へと範囲を拡張したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに限定したものに相当する本願補正発明が、前記「第2 4」に記載したとおり、引用発明及び引用例2?4に記載された周知の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用発明及び引用例2?4に記載された周知の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

なお、請求人は、平成28年12月12日付け上申書において、補正案1及び補正案2を提示しているが、前述のとおり、歯表面を再石灰化させ酸耐性を付与することは、引用発明及び周知の技術から当業者が予測し得たことであるから、仮に補正案を考慮しても結論は左右されない。

4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用例2?4に記載された周知の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-02-07 
結審通知日 2018-02-13 
審決日 2018-02-26 
出願番号 特願2014-65796(P2014-65796)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A23G)
P 1 8・ 575- Z (A23G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 松原 寛子松田 芳子  
特許庁審判長 中村 則夫
特許庁審判官 山崎 勝司
紀本 孝
発明の名称 菓子組成物及びキット  
代理人 藤田 和子  

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