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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A24B
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A24B
審判 全部申し立て 2項進歩性  A24B
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  A24B
管理番号 1345855
異議申立番号 異議2017-700440  
総通号数 228 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-12-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-05-01 
確定日 2018-09-14 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6017546号発明「喫煙物品に使用するロッド」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6017546号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-9〕について、訂正することを認める。 特許第6017546号の請求項1ないし9に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第6017546号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし9に係る特許についての出願は、平成28年10月7日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、平成29年5月1日に特許異議申立人 山本美映子 により特許異議の申立てがされ、平成29年8月1日付けで取消理由が通知され、その指定期間内に特許権者より平成29年11月21日付けで意見書の提出及び訂正の請求がされ、その訂正の請求に対して特許異議申立人から平成29年12月28日付けで意見書が提出され、平成30年3月9日付けで取消理由(決定の予告)が通知され、その指定期間内に特許権者より平成30年7月2日付けで意見書の提出及び訂正の請求がされ、その訂正の請求に対して特許異議申立人から平成30年8月10日付けで意見書が提出されたものである。
なお、平成29年11月21日付けの訂正の請求は、特許法第120条の5第7項の規定により、取下げられたものとみなす。

第2 訂正の適否
1 平成30年7月2日付け訂正の請求の訂正の内容
平成30年7月2日付け訂正の請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は以下のとおりである。
(1) 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1、2、4、5、6及び7に「均質化タバコ材料シート」と記載されているのを「均質化タバコ材料キャストシート」と訂正する。

(2) 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に「シートはけん縮されている」と記載されているのを「シートは、粒子状タバコと該粒子状タバコの凝集を助ける結合剤とエアロゾルフォーマを含み且つ前記粒子状タバコを凝集することで形成され、けん縮されている」と訂正する。

(3) 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に「前記エアロゾル発生基体は、5mmから20mmの間の幅を有する、」と記載されているのを「前記エアロゾル発生基体は、5mmから20mmの間の長さを有するロッドである、」と訂正する。

(4) 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4に「シートは、5μmから300μmの間の厚さを有する、」と記載されているのを「シートは、50μmから300μmの間の厚さを有する、」と訂正する。

(5) したがって、特許権者は、特許請求の範囲を、以下のとおり、訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを請求する(下線は訂正箇所を示す。)。
「【請求項1】
エアロゾル発生基体を備える加熱式喫煙物品であって、該エアロゾル発生基体は、ラッパー(12)によって取り囲まれたギャザー付き均質化タバコ材料キャストシート(8)を有するロッド(22)を含み、前記均質化タバコ材料キャストシートは、粒子状タバコと該粒子状タバコの凝集を助ける結合剤とエアロゾルフォーマを含み且つ前記粒子状タバコを凝集することで形成され、けん縮されている、加熱式喫煙物品。
【請求項2】
前記均質化タバコ材料キャストシートは、少なくとも約25mmの幅を有する、請求項1に記載の加熱式喫煙物品。
【請求項3】
前記エアロゾル発生基体は、5mmから20mmの長さを有するロッドである、請求項1又は2に記載の加熱式喫煙物品。
【請求項4】
前記均質化タバコ材料キャストシートは、50μmから300μmの間の厚さを有する、請求項1から3のいずれかに記載の加熱式喫煙物品。
【請求項5】
前記均質化タバコ材料キャストシートは、乾燥重量ベースで5%よりも大きなエアロゾルフォーマ含有量を有する、請求項1から4のいずれかに記載の加熱式喫煙物品。
【請求項6】
前記均質化タバコ材料キャストシートは、乾燥重量ベースで5重量%から30重量%のエアロゾルフォーマ含有量を有する、請求項1から5のいずれかに記載の加熱式喫煙物品。
【請求項7】
前記エアロゾル発生基体は、1つ又はそれ以上の添加物が付加されている線条、糸、テープ、又は繊維を更に含み、前記線条、糸、テープ、又は繊維は、ギャザー付き均質化タバコ材料キャストシートに組み込まれる、請求項1から6のいずれかに記載の加熱式喫煙物品。
【請求項8】
可燃性熱源及び該可燃性熱源下流のエアロゾル発生基体を備える、請求項1から7のいずれかに記載の加熱式喫煙物品。
【請求項9】
電気加熱式エアロゾル発生システムに用いる、請求項1から7のいずれかに記載の加熱式喫煙物品。」

2 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否等
(1) 訂正事項1について
訂正事項1は、請求項1、2、4、5、6及び7の「均質化タバコ材料シート」について、「均質化タバコ材料キャストシート」と訂正することで、特許請求の範囲を限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合するものであり、また、本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件特許明細書」という。)の【0076】ないし【0078】等の記載からみて、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合するものである。

(2) 訂正事項2について
訂正事項2は、請求項1の「シート」について、その構成を「粒子状タバコと該粒子状タバコの凝集を助ける結合剤とエアロゾルフォーマを含み且つ前記粒子状タバコを凝集することで形成され」と訂正することで、特許請求の範囲を限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合するものであり、また、本件特許明細書の【0064】、【0067】、【0068】、【0072】及び【0078】等の記載からみて、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合するものである。

(3) 訂正事項3について
訂正事項3は、請求項1で「ロッド(22)を含」むことが特定された請求項3の「エアロゾル発生基体」について、本件訂正前には「5mmから20mmの間の幅を有する」と特定されていたから、ロッドのみに特定されていない形態の「エアロゾル発生基体」の構成として「5mmから20mmの間の幅」といえる寸法を有するとしていたのを「5mmから20mmの間の長さを有するロッドである」と訂正することで、「エアロゾル発生基体」を「ロッド」の形態に特定し、その寸法について「5mmから20mmの間の長さを有する」として特許請求の範囲を限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合するものであり、また、本件特許明細書の【0060】等の記載からみて、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合するものである。

(4) 訂正事項4について
訂正事項4は、請求項4の「シート」について、「5μmから300μmの間の厚さを有する」との構成を「50μmから300μmの間の厚さを有する」と訂正することで、特許請求の範囲を限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合するものであり、また、本件特許明細書の【0085】等の記載からみて、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合するものである。

(5) 一群の請求項について
本件訂正は本件訂正前の一群の請求項1ないし9について請求するものであるから、特許法第120条の5第4項の規定について適合するものである。

3 むすび
よって、本件訂正に係る訂正事項1ないし訂正事項4は、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条4項、並びに、同条9項で準用する同法126条5項及び6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-9〕について、訂正することを認める。

第3 当審の判断
1 本件特許に係る発明
本件特許の請求項1ないし9に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」ないし「本件発明9」という。)は、本件訂正により訂正された訂正特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定されるとおりのものである。(「第2 1 (5)」参照)

2 特許異議の申立てに係る甲各号証及び記載事項等
(1) 甲各号証
甲第1号証:特開平5-103836号公報
甲第2号証:特開平1-243979号公報
甲第3号証:特開平6-189733号公報
甲第4号証:国際公開第2010/113702号
甲第5号証:特開平6-46817号公報
甲第6号証:特開平6-30752号公報
甲第7号証:欧州特許出願公開第2062484号明細書
甲第8号証:米国特許第5016656号明細書
甲第9号証:米国特許第5415186号明細書
甲第10号証:特表2010-535530号公報
甲第11号証:国際公開第2010/110227号
甲第12号証:特開2007-259864号公報
甲第13号証:特表2009-502194号公報
甲第14号証:「リーダーズプラス EPWING CD-ROM」、株式会社研究社、1996年

(2) 甲各号証の記載事項等
1) 甲第1号証には、次の事項が記載等されている。
・「【0012】本発明の喫煙物品は、燃料素子とは物理的に別体とされ、長手方向に配置されたエアゾール発生手段を備えている。このエアゾール発生手段は、基材と、少くとも1つのエアゾール創生物質を含ム。エアゾール発生手段は、何らかの形態のタバコ材(例えば、圧縮タバコペレット、タバコ材抽出物又はタバコ材粉末)のようなエアゾール創生物質、又はその他のエアゾール創生物質(例えば、グリセリン及び、又はココア、甘草、糖類の如きタバコ香味料)を含むものであることが好ましい。エアゾール創生物質は、通常、ひだ寄せした紙、ひだ寄せしたタバコ紙のような基材、又は熱安定性基材(例えば、アルミナビード)に担持させる。基材が紙系の材料である場合は、基材を燃料素子に対して離隔させて配置することが好ましい。」

・【0012】の特に、「何らかの形態のタバコ材(例えば、圧縮タバコペレット、タバコ材抽出物又はタバコ材粉末)のようなエアゾール創生物質、又はその他のエアゾール創生物質(例えば、グリセリン及び、又はココア、甘草、糖類の如きタバコ香味料)」からすると、甲第1号証においては、「エアゾール創生物質」はタバコを含むことが理解できる。

2) 甲第2号証には、次の事項が記載等されている。
・「ヨーロッパ特許出願公告第174,645号及びヨーロッパ特許出願公告第212,645号に開示された紙巻タバコ型喫煙物品は、可燃燃料素子と、それとは物理的に別体のエアゾール発生手段を含むものである。燃料素子の燃焼によりエアゾール発生手段に熱が与えられ、エアゾールを発生する。」(3頁左上欄5?11行)

・「又、喫煙物品、特に、上記ヨーロッパ特許出願公告第174,645号に開示された型式の紙巻タバコ型喫煙物品の製造に用いるためのロッド(棒状体)を能率的、かつ、効率的に製造することができる装置を提供することが大いに望まれている。」(3頁左上欄19行?右上欄4行)

・「又、本明細書でいう「ひだ寄せ」とは、シート状材料のウェブを連続的に折重ね、ひだつけすることをいう。ひだ寄せされた材料は、その端面図でみて波形状に折重ねられた、あるいは何らかの形で収束された外観を呈する。」(3頁右下欄1?5行)

・「ロッド(棒状体)の形としたひだ寄せされた不織熱可塑性ウェブ部材は、主流エアゾールを冷却し、従って、手や口に触れたときに感じるホットスポットを減少させる放熱子として機能することができる。このような放熱作用は、主流エアゾールを大きな表面積に亙って、好ましくは吸口端部材の実質的に全表面積に亙って分配することによって得られると考えられる。主流エアゾールを大きな表面積に亙って分配することは、吸口端部材内でのエアゾールの滞留時間を長くすることによってエアゾールの近く温度を低下させうる働きをすると考えられる。更に、熱可塑性材のひだ寄せ不織ウエブを吸口端として用いた場合、タバコ煙のようなエアゾールのいろいろな成分を相当量除去する慣用の吸口端部材とは異なり、エアゾール成分(上述した独特の紙巻タバコ型喫煙物品のための、例えばグリセリン、各種風味成分等)の送給量を実質的に減少させることなく上述した知覚温度の低下を達成する。換言すれば、熱可塑性材のひだ寄せ不織ウエブのフィルタ効果は、酢酸セルローストウのような慣用の紙巻タバコフィルタ材のそれより相当に低い。従って、本発明の装置によって製造されたロッドは、広範囲の喫煙物品のための低効率フィルタ素子を形成するのに用いることができる。」(3頁右下欄16行?4頁左上欄20行)

・「再び第1図を参照して説明すると、ウエブ予備成形装置22の狭細出口領域169は、ひだ寄せされロッド状複合体(図示せず)の形に形成されたウエブがロッド形成ユニット13内へ受容されるうるように舌状部材175又は他の収束手段に対して位置づけされる。即ち、ひだ寄せウエブは、ほぼ円筒形状を有する。」(7頁左上欄18行?右上欄4行)

・「第8?10図を参照して説明すると、ロッド278は、実質的に円筒形を有し、ほぼ円形の断面形状を有する。各ロッドの両端面は、ロッドの長手軸線に対して垂直な平面を画定することが好ましい。ロッドは、そのシート状材料19のウェブに多数の長手方向に延長したひだを有するものであることが極めて望ましい。ひだ寄せされたウエブは、筒状に形成された紙巻タバコ用紙ラップ又は紙プラグのようなラップ材249によって包被する。」(8頁右上欄3?12行)

・「例1の装置を用いて、タバコ含有紙のウエブからロッドを形成した。この紙は、キンバリー-クラーク・コーポレーション社からP-144-185-GAPF再構成タバコシートとして販売されている再構成タバコ材であった。
この材料は、その材料全体の乾量を基準として約60%の、主として熱風乾燥させたバーレー種タバコ葉柄の形のタバコ材と、35%の軟質木材パルプを含むものであった。このシート状材料の湿分は、約11?14%であることが好ましい。この材料の乾燥状態での引張強さは約630?約1,299g/cm(約1,600?約3,300g/in)であり、乾量は約38?44g/m^(2)であった。この材料は、約2%のグリセリン又はその他の保湿剤、約1.8%の炭酸カリウム約1%の風味剤及び約0.1%の市販のサイズ剤を添加して慣用の紙製造工程を用いて製造したものである。サイズ剤は、米国ハーキュルズ・コーポレーション社からアクアペル360XC反応性サイズとして市販されているものである。ウエブの幅は、約20.32cm(約8.5in)とした。」(9頁右上欄13行?左下欄13行)

・FIG.8にはロッドの拡大端面図が示され、シート状材料19のひだ寄せされたウエブはラップ材249によって包被されていることが理解できる。

以上のことを総合すると、甲第2号証には、次の「甲2発明」が記載されていると認められる。

「燃料素子の燃焼によりエアゾール発生手段に熱が与えられ、エアゾールを発生する紙巻タバコ型喫煙物品であって、ロッド278は、ラップ材249によって包被されているシート状材料19のひだ寄せされたタバコ含有紙のウエブのロッドである、紙巻タバコ型喫煙物品。」

3) 甲第3号証には、次の事項が記載等されている。
・「【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、短い炭素質燃料素子と、該燃料素子とは物理的に別体のエアゾール発生手段を有するシガレットを改良すること、並びに、そのような改良されたシガレットを製造する改良された方法を提供することである。」

・「【0008】本発明のシガレットは、更に、基材と少くとも1種類のエアゾール生成物質から成るエアゾール発生手段を有する。エアゾール発生手段は、エアゾール生成物質(例えば、グリセリン)、何らかの形のタバコ材(例えば、タバコ粉末、タバコ材抽出物、又はタバコ微粉)、及びその他のエアゾール生成物質及び、又はタバコ香味料(例えば、ココア、甘草、砂糖)を含むことが好ましい。エアゾール生成物は、通常、再生タバコ材刻み補充料、タバコ材刻み補充料、ひだ寄せしたタバコ紙又はひだ寄せした紙等の基材に担持させる。」

・「【0017】ジャケット付燃料素子18の長手方向後方に、エアゾール発生手段が配置されている。エアゾール発生手段は、基本的に、基材と、該基材に担持させたエアゾール生成物質とから成る。図1及び2の実施例では、基材プラグ又は基材ロッド(以下、単に「基材」とも称する)22は、セルロース質材のひだ寄せウエブ(例えば、紙又はタバコ紙)で構成するのが有利であり、紙ラッパー24によって包被されている。」

・「【0024】使用において、喫煙者が燃料素子10に点火すると、燃料素子は燃焼して熱を発生する。シガレットを吸うと、空気が燃料素子の燃焼中の部分の周面に沿って、並びに、断熱・保持ジャケット12を通って吸引され、そのようにして吸引される空気は、燃料素子の燃焼中の部分に接触することによって、かつ、燃料素子から放射される熱によって加熱される。加熱された空気は、対流によって基材22へ熱を伝達する。基材に伝達された熱は、基材に担持されているエアゾール生成物質及び香味剤を揮発させる。揮発せしめられた物質は、高温の吸引空気に連行されて基材から流出し、基材の残部を通り、空隙30が設けられている場合は空隙30を通り、タバコ材セクション34を通って流れる間に冷却され、エアゾールが生成される。エアゾールは、タバコ材セクション34を通り、タバコ紙プラグ36が設けられている場合はそれを通ってタバコ香味を吸収し、フィルタ素子44を通って喫煙者の口中に吸込まれる。喫煙中燃料素子の高端部分は、燃焼しないので、燃料素子はシガレット内にしっかりと保持されており、シガレットから抜け落ちることがない。燃料素子が自動的に消火すると、熱を発生しなくなり、シガレットを捨てることができる。
【0025】図3?5を参照すると、本発明の図1、2に示された実施例のシガレットを製造するための本発明の好ましい方法の流れ図が示されている。この方法は、ジャケット付燃料素子、基材セクション、タバコ材セクション及びフィルタ素子等の各シガレットコンポーネントをそれぞれ別個に製造し、それらの個々に製造されたコンポーネントを特定の順序で組合せることから成る。図に示されるように、紙系ウエブ材をひだ寄せして連続した円筒形ロッドの形に形成し、その連続円筒形ロッドをラッパー材で包被することによって基材ロッド50を形成する。紙系ウエブ材のような基材材料は、しぼつけし、かつ、ひだ寄せすることが好ましい。このような基材ロッド50は、(i) 米国特許第4,807,809号に記載された装置、又は、 (ii) 米国特許第5,163,452号に記載された装置、又は、 (iii)デカフルs.a.r.b.社のCU-10、CU-20又はCU-20S型ロッド形成ユニットとドイツのケルバー&カンパニー社(以下、単に「ケルバー社」とも称する)のKDF-2型ロッド形成装置を組合せて用いることによって、得ることができる。紙系ウエブ材には、より均一なパターンでひだ寄せされるように、通常、機械方向に平行な複数のしぼつけ線をつける。
【0026】基材は、不使用中エアゾール生成物質を保持しており、喫煙中エアゾール生成物質を放出させるものであることが好ましい。基材として好ましいものの1例は、紙、炭素紙又はタバコ紙のような不織シート状材料である。通常、そのような基材は、ウエブ材をしぼつけしひだ寄せして円筒形ロッドの形に形成し、そのロッドをラッパー材で包被することによって得られる。他の種類のウエブ状の基材材料としては、紙/フォイル積層材のような積層材がある。」

・「【0064】キンバリ・クラーク・コーポレーシヨン社からP-144-GNA-CBという商品番号で販売されているタバコ紙の中程度にしぼつけされた127mm幅のウエブから米国特許第4,807,809号に記載されているようなロッド形成装置を用いて直径約7.5mmのタバコ紙ロッドを形成する。」

・「【0072】基材ロッド
ヘッドボックスから約12%の固形分を有する下記成分から成る水性スラリーを約30ミルの呼称厚みで加熱されたステンレス鋼ベルト上へ流延することによって流延シート材を形成する。この流延スラリーは、抽出タバコ葉柄及び葉片から成る約32部のタバコパルプと、約8.75部の熱風乾燥タバコ葉片と、約8.75410部のバーレー種タバコ葉片と、約14.5部の抽出バーレー種タバコ葉柄を水中に分散させることによって調製する。かくして、約1部のタバコ材と約8部の水を有するスラリーが得られる。このスラリーをディスク精製器で精製し、ミキサーへ移送する。このスラリーに、それに含有されるタバコ材を32部として、約55部のグリセリンと、約6部の米国特許第5,159,942号の第11欄第5?37頁に記載されているタイプのタバコ材抽出物(タバコ材抽出物約8部に対して水約92部の割合で水によって稀釈されたもの)と、約2部の市販の香味料(例えば、ラビッジ香味料)を添加する。
【0073】このようにして得られたスラリーを均質になるように混合する。次いで、そのスラリーに、約5部のアルギン酸アンモニウム(例えば、マーク&カンパニー社のアモロイドHV)を添加する。得られたスラリーをブレッド・リクイファイア社の高剪断プロペラ混合器を用いて周囲条件下で完全に混合する。そのスラリーを約103℃に加熱されたステンレス鋼ベルト上に流延する。乾燥させた流延スラリーをダイで押出し、1in(2.54cm)当り約25カットの刻み補充料の形に裁刻する。その刻み補充料を調整し、約15%の含水量を有し、厚さ約6ミルの基材材料を得る。」

以上のことを総合すると、甲第3号証には、次の「甲3発明」が記載されていると認められる。

「基材と、該基材に担持させたエアゾール生成物質とから成るエアゾール発生手段を有し、燃料素子から放射される熱によって基材に担持されているエアゾール生成物質及び香味剤を揮発させるシガレットであって、該エアゾール発生手段は、ラッパー材で包被された均一なパターンでひだ寄せされたタバコ紙のウエブで形成される基材ロッドから成り、前記均一なパターンでひだ寄せされたタバコ紙のウエブは、しぼつけされている、シガレット。」

4) 甲第4号証には、次の事項が記載等されている。
・「本発明の他の側面によれば、円筒体と、この円筒中に折り畳まれて収容された本発明の非燃焼型喫煙物品用シートを備える非燃焼型喫煙物品が提供される。
本発明のさらに他の側面によれば、(i)炭素質熱源組成物のスラリー(a)および香味発生組成物のスラリー(b)をそれぞれ調製する工程と、(ii)支持体上にスラリー(a)および(b)を隣接させてキャストする工程と、(iii)前記キャストしたスラリー(a)および(b)を乾燥することによって炭素質熱源シートと香味発生シート部分とを隣接した状態で一体化させる工程とを含む非燃焼型喫煙物品用シートの製造方法が提供される。
前記工程(ii)において、支持体として裏打ちシートを用い、前記炭素質熱源組成物スラリーと前記香味発生組成物スラリーとを裏打ちシート上にキャストしてもよい。」([0008]?[0010])

・「本発明の非燃焼型喫煙物品用シートは、炭素質熱源組成物スラリーと炭素質熱源スラリーを隣接させてキャストし、乾燥するという非常に簡単な工程で簡便に作製することができる。本発明の非燃焼型喫煙物品用シートを用い、これを折り畳んで円筒体中に収容するだけで本発明の非燃焼型喫煙物品を簡便に作製することができる。本発明の非燃焼型喫煙物品は、非燃焼型喫煙物品用シートを折り畳んで円筒体中に収容しているので、中実の熱源を有するものと異なり、折り畳まれた炭素質熱源シートと空気との接触面積が増えるために比較的容易に着火させることができ、しかも喫煙物品1本につき平均してほぼ一定の香味を味わうことができる。」([0012])

・「非燃焼型喫煙物品用シート10は、裏打ちシート11上に、炭素質熱源シート部分12と香味発生シート部分13とが横並びに隣接して一体化されたものである。炭素質熱源シート部分12の幅W1は、通常、5?20mmであり、香味発生シート部分13の幅W2は、通常、20?40mmである。」([0016])

・「香味発生シート部分13は、香味発生組成物で作られる。香味発生組成物は、シート形成材と香味発生剤を含む。シート形成材としては、炭素質熱源シート部分に使用されるバインダ、カードランのようなグルカン等の熱不可逆凝固性グルカンを使用することができる。熱不可逆凝固性グルカンは、ゲル化臨界温度以上の温度(例えば、カードランにあっては80℃以上の温度)に加熱すると、ゲル化し、このゲルは、これを再び加熱しても溶融することがない。さらに、シート形成材としては、パルプと上記バインダとの組み合わせを用いることができる。
香味発生シート部分13に含まれる香味発生剤には、葉たばこ抽出エキス、天然植物性香料(例えば、リコリス、セントジョンズブレッド、スモモエキス、ピーチエキス等)、酸類(例えば、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等)、糖類(例えば、グルコース、フルクトース、異性化糖等)、ニコチン塩(例えば、クエン酸ニコチン等)等の親水性香味発生剤、メントール、ココア類(パウダー、エキス等)、エステル類(例えば、酢酸イソアミル、酢酸リナリル、プロピオン酸イソアミル、酪酸リナリル等)、天然精油類(植物性として、例えば、バニラエキス、スペアミント、ペパーミント、カシア、ジャスミン等;動物性として、例えば、ムスク、アンバー、シベット、カストリウム等)、単体香料(例えば、アネトール、リモネン、リナロール、オイゲノール等)等の疎水性香味発生剤が含まれる。これら香味剤は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これら香味発生剤の香味発生シート部分中の濃度は、香味発生材を加熱したときに、味覚・嗅覚を通じてヒトの嗜好を満足させるに充分な濃度であればよく、その濃度は、任意に調節することができる。より具体的には、香味発生剤は、最終香味発生材中に、極微量ないし20重量%、好ましくは5ないし10重量%の割合で存在する。さらに、香味発生剤としては、タバコ刻または粉末を用いることができる。タバコ刻または粉末は、香味発生シート部分中に、5?80重量%の量で配合することができる。
香味発生組成物は、加熱されることによりエアロゾルを発生するエアロゾル発生物質を含むことが好ましい。エアロゾル発生物質としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等の多価アルコール、ステアリン酸メチル、ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチル等のカルボン酸脂肪族エステルを用いることができる。エアロゾル発生物質は、香味発生シート部分中に、1?80重量%の量で用いることができる。」([0024]?[0026])

・「工程(ii)において、支持体上に炭素質熱源組成物スラリーと香味発生組成物スラリーとを隣接させてキャストする。支持体としては、例えば金属プレートを用いることができる。あるいは、支持体として上記裏打ち材を用い、その裏打ち材上に炭素質熱源組成物スラリー(a)と香味発生組成物スラリー(b)とを隣接させてキャストしてもよい。金属プレート上にキャストした場合には裏打ち材を含まない非燃焼型喫煙物品用シートを作製することができ、裏打ち材上でキャストした場合には裏打ち材を含む非燃焼型喫煙物品用シートを作製することができる。」([0029])

・「図2に示すように、本発明の非燃焼型喫煙物品20は、非燃焼型喫煙物品用シート10を折り畳んで円筒体21中に収容することで製造することができる。図3に、非燃焼型喫煙物品用シート10の円筒体21中での収容形態の一例を示す。図3では、1枚のシート10が、先端の熱源部から後端の香味発生部へ延びる空気流路101を形成するように折り畳まれて円筒体21中に収容されている。」([0031])

・「本発明の非燃焼型喫煙物品用シート10を収容する円筒体21は、例えば、通常のシガレット巻紙、再生タバコシート(圧延法、スラリー法、抄造法再生タバコシートあるいは不織再生タバコシート等)、高坪量の巻紙(坪量50g/m^(2)以上)のような紙シート、アルミニウムシート、アルミニウムラミネート紙等で構成することができる。円筒体21は、着火端を含む先端部と、後に説明するフィルタが接続する基端を含む基端部と、先端部と基端部との間に位置する中間部を規定すると規定することができる。折り畳まれ、円筒体に収容されたたシートにおいて、炭素質熱源シート部分は、円筒体の先端部内に配置される。」([0033])

・「実施例1および比較例1?2
カーボン粒子30重量%、炭酸カルシウム45重量%、グリセリン15重量%、およびアルギン酸アンモニウム(バインダ)10重量%からなる炭素質熱源混合物と、タバコ粉末58重量%、パルプ30重量%、グリセリン5重量%、メチルヒドロキシエチルセルロース(バインダ)7重量%からなる香味発生混合物をそれぞれミキサで混合した。各混合物に、それらをスラリーとするのに必要な量の水を加えて、炭素質熱源混合物のスラリーと、香味発生混合物のスラリーとをそれぞれ調製した。これら2種のスラリーを、金属プレート上での厚さが0.15mmとなるように隣接させながら流延した後、80℃に設定した恒温槽で約1時間乾燥した。こうして、炭素質熱源シート部分と香喫味発生シートが隣接して一体化した喫煙物品用シートを得た。炭素質熱源シート部分が幅(W1、図1参照)10mmで長さ90mmとなるように、香味発生シート部分が幅(W2、図1参照)31mmで長さ90mmとなるように切断した。
図4は、加熱源として炭素質材料の押し出し中実成形体(円柱体)を有する、市販されていた非燃焼型喫煙物品(商品名:エアーズ)30の概略断面図である。この非燃焼型喫煙物品30は、紙シート342で包まれた、炭素質材料の押し出し中実成形体341からなる加熱源43を備える。加熱源34に続いて、エアロゾル発生部32が設けられている。このエアロゾル発生部32は、不燃性円筒体321に収容された、グリセリンを含むエアロゾル発生材322からなる。エアロゾル発生部32に続いて、香味発生部36が設けられている。この香味発生部36は、不燃性円筒体361に収容された、タバコ刻からなる香味発生材362からなる。香味発生部36の基端には、紙シート382で包まれた、セルロースアセテート繊維のトウからなるフィルタ部材381を有するフィルタ部38が接続されている。エアロゾル発生部32の基端部分と、香味発生部36と、フィルタ部38は、それらの外周面が巻紙40により包まれている。巻紙40と紙シート382を貫通してフィルタ部材に至る開口OPが設けられている。」([0038]、[0039])

・図2に非燃焼型喫煙物品の一例を概略的に示す斜視図が示され、図3に図2に示す非燃焼型喫煙物品を長手方向に直交する方向に切断した断面を示す断面図が示され、図4に市販されていた非燃焼型喫煙物品(日本たばこ産業(株)製、商品名:エアーズ)を長手方向に切断した断面を示す断面図が示されている。

以上のことを総合すると、甲第4号証には、次の「甲4発明」が記載されていると認められる。

「炭素質熱源シート部分と加熱されることによりエアロゾルを発生するエアロゾル発生物質を含む香味発生シート部分との非燃焼型喫煙物品用シートを折り畳んで円筒体中に収容した非燃焼型喫煙物品であって、該香味発生シート部分の非燃焼型喫煙物品用シートは、香味発生組成物のスラリーをキャストして乾燥したものであって、バインダ等のシート形成材とタバコ粉末等の香味発生剤及びグリセリン等のエアロゾル発生物質を含み、円筒中に折り畳まれて収容された、非燃焼型喫煙物品。」

5) 甲第5号証には、次の事項が記載等されている。
・「表 6 (その1) 」(【0085】)に再構成タバコシートについて記載され、「シート厚さ(1/1000in)」と記載された行には「5.7」及び「5.1」と記載されていることから、再構成タバコシートのシート厚さは5.1や5.7(1/1000in)であることが理解できる。

6) 甲第6号証には、次の事項が記載されている。
・「【0003】
【発明が解決しようとする課題】喫煙用物品、特にシガレットは過剰量のエアゾール形成材料を担持する必要無く、使用中にこげ或は焼けることの無い基材を具備することが有益である。然し乍ら、そうした基材はシガレットの10乃至15回の喫煙回数に渡りエアゾールを提供するための十分なエアゾール形成材料を保持し得ない。基材はまた、貯蔵中の安定性を有するべきである。即ちエアゾール形成材料は喫煙用物品の例えば他の構成部品に移行しないことが望ましい。最後に、そうした基材を従来通りのシガレット作製装置を使用して形成し得ることが有益である。従って、解決しようとする課題は、前述の如き有益性を有する基材を使用することにより、望ましい喫煙用物品、特にシガレットを提供することである。」

・「【0006】代表的に、紙の基本重量は約10乃至90g/m^(2)(以下、単にgsmとも略記する)であり、より好ましくは約10乃至約60gsm、最も好ましくは約30乃至40gsmである。紙ウエブの直線幅は充填されるべき基材ロッド帯域に依存し通常は約25mmから約305mmであり、また基材ロッドの直径は約4mmから約8mmの範囲であり得る。仮に直径4.5mmの基材ロッドが所望される場合、紙ウエブの直線幅は約25mm乃至125mm、好ましくは約50乃至約90mmである。」

・「【0043】図8には、エンボス加工の程度の大小に基き夫々圧力降下が異なる前記3つの基材対(各対は同一の単位重量を有する)における基材/燃料素子の結合体におけるエアゾール密度値が、基材の空気ピーク温度値に対するグラフとして表わされている。各基材は基本重量が26gsmである紙から製造された。各基材対はしわ付けウエブの幅寸法254mm、203mm、152mmにより判定された。各基材対には少ない(L)か或いは多い(H)エンボス加工が為された。3つの異なる単位重量、即ち66mg、53mg、そして40mgが得られた。これらの基材に於て50/30の喫煙条件下で測定されたH_(2)Oのmmでの圧力降下は夫々、31.1対7.1;20.4対2.3;そして11.2対2.4であった。各々の基材は長さが10mm直径が7.5mmであり、275重量%のグリセリンをエアゾール形成材料として含んでいた。」

・【表1】(【0042】)には紙基材特性が記載され、「幅mm」の列に「99」ないし「254」の数字が記載され、「エンボス/縮み」の列に「L」、「M」、「H」が記載されている。

・【0043】及び【表1】の記載から、紙基材はエンボス加工され、その幅は99?254mmであることが理解できる。

7) 甲第7号証には、次の事項が記載されている。
・「The invention relates to a process of manufacturing smokeless tobacco articles and a corresponding smokeless tobacco article for oral consumption.(当審訳:本発明は、無煙タバコ物品を製造する方法、および経口消費のための対応する無煙タバコ物品に関する。)」([0001])

・「In the process illustrated in Fig. 1 , a tobacco web 1a (filler web) is fed from a bobbin through an optional embossing unit 2. A casing is applied to the web 1a by spraying an additive onto the web 1a in a spraying unit 3 or by any other suitable process, e.g. by sizing. The web 1a is then led through a funnel-shaped device 4 where it is stochastically folded into a round strand 1b. Wrapping material 5a is fed from a second bobbin and a glue track 7 can be applied onto the wrapping material 5a by means of a nozzle 6. An additional wrapping material 5b can be optionally applied together with the first wrapping material 5a. Preferably, the second wrapping material 5b (forming the outer layer of the wrapped rod) has a larger width than the first wrapping material 5a. A suitable format unit 8 is used to wrap the wrapping material 5a (or 5a and 5b) around the tobacco material strand. A heating zone 9 can be used to facilitate the gluing of the seam of the wrapper material. The endless wrapped rod is then cut into cylindrical portions 11 by cutting means 10.(当審訳:図1に示された方法では、タバコウェブ1a(フィラーウェブ)が、ボビンから任意選択のエンボス加工ユニット2を通して供給される。吹付けユニット3においてウェブ1aに添加物を吹き付けることにより、または、任意の他の適切な方法、例えばサイジングにより、ウェブ1aに被覆が適用される。次いで、ウェブ1aは、漏斗状デバイス4に通され、漏斗状デバイス4において、ウェブ1aは、円形のストランド1bに確率的に折り曲げられる。包装材料5aが第2のボビンから供給され、線状の接着剤7が、ノズル6により包装材料5a上に塗布され得る。第1の包装材料5aと一緒に、追加の包装材料5bが任意選択で適用されてもよい。第2の包装材料5b(包装されたロッドの外側の層を形成する)は、第1の包装材料5aよりも広い幅を有することが好ましい。タバコ材料ストランドに包装材料5a(または5aおよび5b)を巻き付けるために、適切な整形ユニット8が使用される。包装材料の合わせ目の接着を促進するために、加熱帯9が使用されてもよい。次いで、包装された無端のロッドは、切断手段10により円筒形ポーション11に切断される。)」([0012])

・「Tobacco webs that are suitable for the inventive process can be obtained by tobacco reconstitution processes which are familiar to those skilled in the art, e.g. the paper-type or slurry-type process. Usable for the process are also cellulose materials that are coated with a tobacco slurry. Typically, such webs have a thickness between 0.05 and 0.5 mm. Preferably, the width of the tobacco web is in a range of 100 to 1000 mm, depending on the thickness and the diameter of the rod to be formed.
As common in the process of manufacturing paper filters, the tobacco web might also be embossed or corrugated with a suitable set of rollers, e.g., as used in the commercially available CUB-400 device (Burghart Tabaktechnik, Hamburg, Germany).(当審訳:本発明の方法に適したタバコウェブは、当業者にはよく知られているタバコ再構成法、例えば紙タイプまたは懸濁液タイプの方法によって得ることができる。本方法での使用に適したものはまた、タバコ懸濁液で被覆されたセルロース材料である。典型的には、そのようなウェブは、0.05から0.5mmの間の厚さを有する。タバコウェブの幅は、厚さ、および形成すべきロッドの直径に応じて、100から1000mmの範囲内であることが好ましい。
紙フィルタの製造方法においてよく見られるように、タバコウェブもまた、例えば市販のCUB-400デバイス(Burghart Tabaktechnik, Hamburg, Germany)で使用されるような適切な一式のローラーによりエンボス加工またはしわ加工されてよい。)」([0016]、[0017])

8) 甲第8号証には、次の事項が記載されている。
・「The present invention also provides a method of making a cigarette comprising the steps of forming a sheet of tobacco material, forming corrugations in the sheet of tobacco material, forming the corrugated sheet of tobacco material into a generally cylindrical tube with the ridges and grooves of the corrugations extending longitudinally of the tube, wrapping a sheet of combustible material circumferentially around the tube of tobacco, locating a smoke filter rod coaxially with the tube of tobacco at one end thereof, and folding a tipping material circumferentially overlapping the wrapped tube of tobacco at the end of the tube of tobacco adjacent the filter rod.(当審訳:本発明はまた、巻きタバコを製造する方法を提供し、この方法は、タバコ材料シートを形成するステップと、タバコ材料シートにしわを形成するステップと、しわ付きのタバコ材料シートを、しわの尾根および溝が管の長手方向に延在するようにして、全体的に円筒形の管に形成するステップと、可燃性材料のシートをタバコの管の周りに円周方向に巻き付けるステップと、タバコの管の一方の端部においてタバコの管と同軸上に煙フィルタロッドを配置するステップと、フィルタロッドに隣接するタバコの管の端部において包装されたタバコの管に重ね合わせて円周方向にチップ材料を折り曲げるステップと、を含む。)」(1欄27?39行)

・「Referring now to FIG. 7, the tobacco tube 12, 112 of the cigarette 10, 110 is manufactured by forming a flat sheet 30 of tobacco material. The tobacco sheet 30 can be formed of, for example, reconstituted tobacco material. A number of processes are well known in the art for making such sheets 30 of tobacco material. By way of example, such sheets 30 of tobacco material can be manufactured by mixing tobacco material such as particles of tobacco leaves, stems, veins, and fines with water to form a slurry. Binder material, such as Guar gum, methylcellulose, sodium carborxymethylcellulose, is added to the slurry to assist in forming a coherent sheet of tobacco material. The slurry is then cast or formed into the flat sheet 30 and the water is removed by, for example, heating the sheet 30 of tobacco material.
With reference now to FIG. 8, a corrugated sheet 32 of tobacco material is made from the flat sheet 30 by forming a series of sequential, parallel, alternating back and forth folds in the sheet 30 to form the corrugations defining the alternating grooves 18 and ridges 20.
With reference to FIG. 9, the corrugated sheet 32 is folded to form the cylindrical tube 12, of the cigarette 10 shown in FIGS. 1 and 2 with the grooves 18 and ridges 20 extending longitudinally of the cylindrical tube 12. The longitudinal edges of the folded corrugated sheet 32 can be adhesively attached together to maintain the sheet 32 in the cylindrical configuration of the tube 12. The cylindrical tobacco tube 12 is circumferentially wrapped with the wrapper 22 and the longitudinal edges of the wrapper 22 are overlapped and adhesively affixed together.(当審訳:次に図7を参照すると、巻きタバコ10、110のタバコ管12,112は、タバコ材料の平坦なシート30を形成することによって製造される。タバコシート30は、例えば、再構成タバコ材料で形成されてもよい。そのようなタバコ材料シート30を作るためのいくつかの方法が、当技術分野でよく知られている。例として、そのようなタバコ材料シート30は、タバコの葉、茎、葉脈、および微粉の粒子などのタバコ材料を水と混ぜ合わせて懸濁液を形成することにより、製造され得る。タバコ材料の密着したシートの形成を助長するために、グアーガム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどの結合材料が、懸濁液に加えられる。次いで、懸濁液は、平坦なシート30にキャストまたは形成され、そして例えばタバコ材料シート30を加熱することにより、水分が除去される。
次に図8を参照すると、連続で平行な、表面と裏面を交互に行き来する一連の折り目をシート30に形成して交互に並んだ溝18と尾根20とを画定するしわ(corrugation)を形成することにより、平坦なシート30からタバコ材料のしわ付きシート(corrugated sheet)32が作られる。
図9を参照すると、しわ付きシート32は、図1および2に示された巻きタバコ10の円筒形の管12を形成するように折り曲げられ、溝18および尾根20が、円筒形の管12の長手方向に延びる。折り曲げられたしわ付きシート32の長手方向縁部は、シート32を管12の円筒形の形状に維持するように、互いに接着され得る。円筒形のタバコ管12は、ラッパー22で円周方向に包装され、ラッパー22の長手方向縁部は、重ね合わされて互いに接着される。)」(2欄下から9行?3欄22行)

9) 甲第9号証には、次の事項が記載されている。
・「In one preferred embodiment of a substrate according to this invention, a tobacco sheet or web, such as reconstituted tobacco or tobacco paper is formed and this sheet is coated, e.g., by spraying or printing with a film composition comprising a mixture of from about 20 weight percent to about 95 weight percent, preferably about 50 to 90 weight percent, most preferably from about 79 weight percent to about 85 weight percent by weight of glycerin, and from about 1 to about 25, preferably from about 2 weight percent to about 20 weight percent, most preferably from about 6 to about 15 weight percent ammonium alginate, such as that available from the Kelco Division of Merck & Co., Inc., San Diego, Calif., under the designation Amoloid LV (low viscosity) or Amoloid HV (high viscosity) or Collatex A/RN (Kelco).(当審訳:本発明による基材の1つの好ましい実施形態において、タバコシートまたはウェブ、例えば、再構成タバコまたはタバコ紙が形成され、このシートは、例えば、約20重量パーセントから約95重量パーセント、好ましくは約50?90重量パーセント、最も好ましくは約79重量パーセントから約85重量パーセントのグリセリンと、約1?約25、好ましくは約2重量パーセント?約20重量パーセント、最も好ましくは約6?約15重量パーセントのアルギン酸アンモニウムとの混合物を含むフィルム組成物、例えば、Amoloid LV (低粘度)もしくはAmoloid HV (高粘度)またはCollatex A/RN(Kelco)の指定の下で、Kelco Division of Merck & Co., Inc., San Diego, Calif.から利用可能なもので噴霧又は印刷することによって、コーティングされる。)」(4欄18?33行)

・「If desired, the tobacco sheet, bearing the aerosol former stabilized with ammonium alginate or other binder can be formed into a gathered or rolled web, and this formed web may be used as a substrate.(当審訳:望まれるならば、アルギン酸アンモニウム、または他の結合材で安定化されたエアロゾルフォーマを有する、タバコシートは、ギャザー付きまたは巻かれたウェブに形成することができ、この形成されたウェブは、基材として使用されてもよい。)」(4欄38?41行)

・「EXAMPLE 3
A stabilized substrate composition is prepared in a two step method, by first spray applying 30.5 parts of a 1:1 water glycerin solution onto 69.5 parts reconstructed tobacco cut filler. The treated tobacco is then dried using a laboratory Master Heat Gun (Model No. HG-75/B from the Master Appliance Corp. of Racine, Wis.) at an air temperature of about 90.degree. C. for sufficient time to provide a final moisture content of from about 12-15%.
Subsequently, a binder solution consisting of a 99:1 aqueous ammonium alginate (Kelco Co. Amoloid LV) is spray applied to the dried tobacco to yield a substrate product consisting of 1 part binder and 99 parts tobacco and glycerin (based on dry weight). This mixture is dried with the Master Heat Gun at an air temperature of about 90.degree. C. to a produce a substrate composition having a final moisture content of from about 8-12%.(当審訳:実施例3
安定化基材組成物を、最初に30.5部の1:1水グリセリン溶液を69.5部の再構成タバコカット充填剤に噴霧適用することによって、2ステップ法で調整する。次いで、処理されたタバコを、実験室用Master Heat Gun(Master Appliance Corp. of Racine, Wis.製のモデル番号HG-75/B)を使用して、約90℃の空気温度で約12?15%の最終水分含有量を与えるのに十分な時間乾燥させる。
この後、この乾燥タバコに、99:1水性アルギン酸アンモニウムからなる結合剤溶液(Kelco Co. Amoloid LV)を噴霧適用して、1部の結合剤と99部のタバコ及びグリセリン(乾燥重量に基づく)とからなる基材生成物を得る。この混合物を、Master Heat Gunを用いて約90℃の空気温度で乾燥させて、約8?12%の最終水分含有量を有する基材組成物を生成させる。)」(22欄13?30行)

・「EXAMPLE 5
A. The two-step procedure of Example 3 is repeated, using volume expanded tobacco as the substrate base material, to form a substrate composition consisting of 30 parts glycerin, 1 part Amoloid LV binder and 69 parts tobacco.
B. The one-step procedure of Example 4 is repeated, using volume expanded tobacco as the substrate base material, to form a substrate composition consisting of 30 parts glycerin, 1 part Amoloid LV binder and 69 parts tobacco.(当審訳:実施例5
A.基材ベース材料として体積膨張タバコを使用して、実施例3の2ステップ手順を繰り返して、30部のグリセリン、1部のAmoloid LV結合剤および69部のタバコからなる基材組成物を形成する。
B.基剤ベース材料として体積膨張タバコを使用して、実施例4の1ステップ手順を繰り返して、30部のグリセリン、1部のAmoloid LV結合剤および69部のタバコからなる基材組成物を形成する。)」(22欄42?52行)

10) 甲第10号証には、次の事項が記載されている。
・「【0033】
有利な態様においては、植物ベースの材料は、例えば、フィルタプラグラップのような紙の適切な包装紙によって外接される。そのような包装紙は、喫煙物品の組立てを容易にする働きをする場合があり、有利な態様では、熱伝導要素からエーロゾル発生基体への熱伝達に対して殆ど影響を与えないか又は実質的に全く影響を与えない。必要に応じて、包装紙は、揮発性化合物の放出に寄与することができる。例えば、包装紙は、タバコのウェブとすることができる。本発明によると、より好ましいのは、蒸留ベース喫煙物品であり、エーロゾル発生基体に含まれる植物ベースの材料は、基本的にタバコ材料、最も好ましくは、均質化されたタバコ材料から成る。タバコ材料は、細断片、ビーズ、ペレット、フィラメント、又はこれらの混合物の形態にすることができる。好ましくは、タバコ材料は、重量で約5%から約40%のエーロゾル形成体、より好ましくは、重量で約10%から約20%のエーロゾル形成体を含む。エーロゾル形成体のそのような装荷をタバコ材料に与える方法は、当業技術で公知であり、例えば、US-A-6、378、528に記載されている。」

11) 甲第11号証には、次の事項が記載されている。
・「通常のたばこは燃焼を伴うため、煙や好ましくない燃焼生成物が発生することがある。これに対して、煙や好ましくない燃焼生成物が発生することのない非燃焼タイプの香味吸引物品の開発が行われている。非燃焼タイプの香味吸引物品のうち、たばこシートを加熱して蒸気状のたばこ有効成分を吸引するものは、構造や取り扱いが簡便であるという利点がある。しかし、このような非燃焼タイプの香味吸引物品は、香喫味の発現が弱い傾向がある。そこで、たばこシートの製造方法を改良して、香喫味の発現を強くすることが考えられる。」([0002])

・「たばこシートを長さ10mm×幅27mmのサイズに裁断し、長さ10mm×径8mmの円筒状に成形した。図1に示すように、円筒状のたばこシート21と、長さ48mm×径8mmの円筒状のマウスピース30とを突き合せ、たばこシート21とマウスピース30の周囲に熱伝導性の高い包装材22を巻いて両者を接合した。熱伝導性の包装材22としては、代表的にはアルミニウム箔やアルミ・紙貼合紙が用いられる。以下、たばこシート21と包装材22との複合材を巻20という。」([0018])

・「図4に加熱デバイス10の斜視図を示す。上記のように加熱デバイス10は中空円筒構造をなすヒータ11を有する。加熱デバイス10の内部には制御回路12、温度センサ(図示せず)および電池13が収容されている。温度センサとしては熱電対やサーミスタが挙げられる。制御回路12は電池13によって動作し、温度センサによって検知されるヒータ11の温度が80?140℃となるようにフィードバック制御を行う。」([0022])

・「巻20をヒータ11に挿入した後、制御回路12により10秒程度でヒータ11を115℃に制御して加熱した。使用者が通常のシガレットと同じ方法でマウスピース30から吸引すると、香喫味を与える葉たばこ由来の有効成分を蒸気として摂取することができる。この際、たばこシート21から煙や燃焼生成物が発生することはないため、周囲への迷惑を気にすることなく、香味を楽しむことができる。また、通常のシガレットに見られる灰やコゲも発生しないため、使用後の巻を容易に回収して廃棄することができる。」([0023])

12) 甲第12号証には、次の事項が記載されている。
・「【0064】
グリセリンがタバコ材料70の乾燥重量で約10-14%、最も好ましくはおおよそ12%のレベルでタバコ材料70に保湿剤としてそしてエアロゾル先駆物質として添加されるが、この添加レベルはタバコ材料70の乾燥重量でほぼ5%から20%またはそれ以上の高さまでのどこにでも変えられてもよい。グリセリンがほんの約5乃至7%の構成の乾燥重量まで減ぜられると、タバコウエブ66は幾分かより硬くなり筒状形に巻かれるときに折られることに対して一層抵抗する。」

13) 甲第13号証には、次の事項が記載されている。
・「【0079】
成型シート材料、特に水で抽出されたある量のタバコパルプ材料を内蔵する成型シート材料は、タバコおよびそのように製造された材料内のエアロゾル形成材料の乾燥重量に基づく、約65パーセントまでの、しばしば約60パーセントまでの、かつ頻繁に約55パーセントまでのエアロゾル形成材料をしばしば含むことができる。紙タイプ再構成タバコ材料、特に水で抽出され、その水溶性抽出構成要素のいくらかまたは全部をそのパルプに戻して加え直さないある量のタバコパルプ材料を内蔵するそれらの材料は、タバコおよびそのように製造された材料内のエアロゾル形成材料の乾燥重量に基づく、約55パーセントまでの、しばしば約50パーセントまでの、かつ頻繁に約45パーセントまでのエアロゾル形成材料をしばしば含むことができる。エアロゾル形成材料でタバコストリップまたは切断充填材をスプレーすることによって製造される材料は、タバコおよびそのように製造された材料内のエアロゾル形成材料の乾燥重量に基づく、しばしば約20パーセントを超える、かつ頻繁に約15パーセントを超えるエアロゾル形成材料を含まない。エアロゾル形成材料の比較的高い装填レベルを有する材料は、重量で約4パーセントから約5パーセントの湿分含有量に(例えば、熱い空気流に曝すことによって)乾燥させることができ、次いでこの乾燥された材料は設計された形態の構成要素を形成するように加工され、次いでこれらの構成要素は約12重量パーセントから約13重量パーセントの湿分含有量に再平衡させることができる。」

14) 甲第14号証には、次の事項が記載されている。
・「crimp」の日本語訳として「…にひだ[しわ]を寄せる;(鉄板・ボール紙など)に波形模様を入れる(corrugate);・・・」と記載され、「ridge」の日本語訳として「隆起(線)」及び「《畑・織物の》うね」と記載され、「cor-ru-ga-ttion」の日本語訳として「波形にすること;《鉄板などの》波形,しわ,ひだ,うね」と記載されている。

3 通知した取消理由について
本件訂正前の本件特許に対し、平成30年3月9日付け及び平成29年8月1日付けで通知した取消理由の概要は、次のとおりである。なお、上記取消理由は特許異議申立書に記載したすべての特許異議申立理由を含んでいる。
(取消理由1) 本件特許は、特許請求の範囲の記載が(ア)請求項1に記載された「ギャザー付き」と「けん縮されている」との違いが明確でない、(イ)請求項3に記載された「幅」が「エアロゾル発生基体」のどの部分を意味するのか明確でない、(ウ)請求項5及び6に記載された「エアロゾルフォーマ」は「タバコ」を含むのか否か明確でない、の各点で不備のため、特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであり、取り消すべきものである。
(取消理由2) 本件特許は、(ア)請求項1に記載された「ギャザー付き」と「けん縮されている」との違い、(イ)請求項3に記載された「幅」、(ウ)請求項5及び6に記載された「エアロゾルフォーマ」は「タバコ」を含むのか否かの点について、当業者が本件発明1ないし9の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるとはいえず、発明の詳細な説明の記載が不備のため、特許法36条4項1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであり、取り消すべきものである。
(取消理由3) 本件発明1及び7ないし9は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲第2号証に記載された発明であって、特許法29条1項3号に該当し、特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
(取消理由4) 本件発明1ないし9は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲第2号証、甲第3号証又は甲第4号証に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。

(1) 取消理由1及び2について
1) 請求項1に特定された「ギャザー付き」と「けん縮されている」の違いが明確でないとの理由に関し、本件発明1において「エアロゾル発生基体は、ラッパー(12)によって取り囲まれたギャザー付き均質化タバコ材料キャストシート(8)を有するロッド(22)を含み、均質化タバコ材料キャストシートは、粒子状タバコと該粒子状タバコの凝集を助ける結合剤とエアロゾルフォーマを含み且つ前記粒子状タバコを凝集することで形成され、けん縮されている」と特定しているところ、本件特許明細書には「本明細書で使用する場合、用語「ギャザー付き」は、均質化タバコ材料シートが、ロッドの円柱軸に対して横方向に巻き込まれる、折り畳まれる、又は別の方法で圧縮若しく収縮されることを意味する。」(【0023】)及び「本明細書で使用する場合、用語「けん縮シート」は、用語「クリープシート」同義語であることが意図されており、複数の実質的に平行なリッジ又はコルゲーションを有するシートを意味する。好ましくは、均質化タバコ材料のけん縮シートは、本発明によるロッドの円柱軸に実質的に平行な複数のリッジ又はコルゲーションを有する。これは、好都合には、均質化タバコ材料のけん縮シートにギャザーを付けてロッドを形成することを容易にする。」(【0033】)と記載されていることを参酌して検討する。均質化タバコ材料キャストシートにおいて「けん縮されている」ことは、「複数の実質的に平行なリッジ又はコルゲーションを有する」ことで、好都合には、けん縮シートにギャザーを付けてロッドを形成することを容易にする機能を有するものであって、「ギャザー付き」であるか否かに関わるものではない。対して、均質化タバコ材料キャストシートにおいて「ギャザー付き」とは「均質化タバコ材料キャストシートが、ロッドの円柱軸に対して横方向に巻き込まれる、折り畳まれる、又は別の方法で圧縮若しく収縮される」結果であって、ロッドを形成する際に、「けん縮されている」シートが巻き込まれる、折り畳まれる、又は別の方法で圧縮若しく収縮されることで「ギャザー付き」となる。そうすると、「ギャザー付き」であることと「けん縮されている」こととは必ずしも一致するものではなく、両者は異なる概念を示すものであってそれらは明確である。したがって、上記理由に関し本件発明1ないし9は明確でないとはいえず、また、発明の詳細な説明は、当業者が本件発明1ないし9を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものでないともいえない。

2) 請求項3に特定された「幅」が「エアロゾル発生基体」のどの部分を意味するのか特定できないとの理由に関し、本件訂正により「エアロゾル発生基体は、5mmから20mmの間の幅を有する」は「エアロゾル発生基体は、5mmから20mmの長さを有するロッドである」と訂正され、本件訂正後の請求項3に「幅」との特定はない。よって、上記理由に関し本件発明3は明確でないとはいえず、また、発明の詳細な説明は、当業者が本件発明3を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものでないともいえない。

3) 請求項5及び6に特定された「エアロゾルフォーマ」は「タバコ」を含むのか否か明確でないとの理由に関し、本件特許明細書には「本発明に用いる均質化タバコ材料シートは、タバコ内生結合剤である1つ又はそれ以上の固有結合剤、タバコ外生結合剤である1つ又はそれ以上の外来結合剤、又はそれらの組み合わせを含むことができ、粒子状タバコの凝集を助けるようになっている。別の方法として又は追加的に、本発明に用いる均質化タバコ材料シートは、限定されるものではないが、タバコ及び非タバコ繊維、エアロゾルフォーマ、湿潤剤、可塑剤、香味物質、充填剤、水性又は非水性溶剤、及びこれらの組み合わせを含む他の添加物を含むことができる。」(【0067】)と記載されているから、本件特許に係る発明の「タバコ」と「エアロゾルフォーマ」とは別のものであると解すべきであるし、さらに本件特許明細書には「本発明に用いる均質化タバコ材料シートに含有する適切なエアロゾルフォーマ及び湿潤剤は従来から公知であり、限定されるものではないが、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、及びグリセリン等の多価アルコール、モノアセテート、ジアセテート、トリアセテート等の多価アルコールエステル、及びドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチル等のモノカルボン酸、ジカルボン酸、又はポリカルボン酸の脂肪族エステルを含む。」(【0072】)と記載されていて「エアロゾルフォーマ」として「タバコ」が例示されていないから、本件特許に係る発明の「エアロゾルフォーマ」は「タバコ」を含ないと解すべきである。また、本件特許明細書の【0066】に「少なくとも約40重量%」「のタバコ含有量」が例示されていることと特許請求の範囲の請求項6では「乾燥重量ベースで5重量%から30重量%のエアロゾルフォーマ含有量」と特定していることからすると、タバコ含有量がエアロゾルフォーマ含有量より多いことを意味し、先に見たエアロゾルフォーマはタバコを含まないこととも整合する。したがって、本件特許に係る発明の「エアロゾルフォーマ」は「タバコ」を含まないから、上記理由に関し本件発明5及び6は明確でないとはいえず、また、発明の詳細な説明は、当業者が本件発明5及び6を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものでないともいえない。
なお、特許異議申立人は、甲第1号証に記載された事項からすると「エアロゾルフォーマ」は「タバコ」を含むとして扱うこともあることを示して、請求項5及び6に特定された「エアロゾルフォーマ」は「タバコ」を含むのか否か明確でない旨主張する(特許異議申立書42頁)が、本件特許に係る発明に関しては上記のとおりであるから、当該主張は採用できない。

4) まとめ
以上のとおり、取消理由1及び2によっては、本件発明1ないし9は明確でないとはいえず、また、発明の詳細な説明は、当業者が本件発明1ないし9を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものでないともいえない。

(2) 取消理由3及び4について
1) 甲第2号証に記載された発明について
ア 本件発明1について
本件発明1と甲2発明とを対比すると、本件発明1の「ギャザー付き均質化タバコ材料キャストシート」と甲2発明の「シート状材料の」「タバコ含有紙のウエブ」とは「シート」の概念で共通しているから、両者は、少なくとも次の点で相違している。
[相違点1]
「シート」に関し、本件発明1では「ギャザー付き均質化タバコ材料キャストシート」であって「粒子状タバコと該粒子状タバコの凝集を助ける結合剤とエアロゾルフォーマを含み且つ前記粒子状タバコを凝集することで形成され、けん縮されている」のに対し、甲2発明では「シート状材料の」「タバコ含有紙のウエブ」であって「ひだ寄せされ」ている点。

相違点1について検討する。
甲第2号証の「ひだ寄せされた材料は、その端面図でみて波形状に折重ねられた、あるいは何らかの形で収束された外観を呈する。」(3頁右下欄3?5行)の記載からすると、甲2発明の「ひだ寄せされ」ていることは本件発明1の「ギャザー付き」に相当するといえるところ、既に「(1) 1)」で述べたとおり、「ギャザー付き」であることと「けん縮されている」こととは必ずしも一致するものではなく、両者は異なる概念を示すものであるから、甲2発明は必ずしも「けん縮されて」いるとはいえないのであって、「けん縮されて」いるか不明であるというべきである。また、甲2発明の「タバコ含有紙のウエブ」と本件発明1の「粒子状タバコと該粒子状タバコの凝集を助ける結合剤とエアロゾルフォーマを含み且つ前記粒子状タバコを凝集することで形成され」る「均質化タバコ材料キャストシート」とは技術常識からして異なるものである。したがって、相違点1は実質的な相違点であるから、本件発明1は甲2発明でない。
そして、甲2発明において、「シート状材料の」「タバコ含有紙のウエブ」をして「粒子状タバコと該粒子状タバコの凝集を助ける結合剤とエアロゾルフォーマを含み且つ前記粒子状タバコを凝集することで形成され」る「均質化タバコ材料キャストシート」とするとともに「けん縮され」たものとする動機付けは見当たらないし、甲第1ないし14号証には「粒子状タバコと該粒子状タバコの凝集を助ける結合剤とエアロゾルフォーマを含み且つ前記粒子状タバコを凝集することで形成され」る「均質化タバコ材料キャストシート」であって「けん縮され」た「ギャザー付き均質化タバコ材料キャストシート」が記載されていないから、少なくとも甲2発明をして相違点1に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことではない。
よって、本件発明1は甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

イ 本件発明2ないし9について
上記のとおり、本件発明1は甲2発明でなく、甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないところ、本件発明2ないし9は本件発明1の構成をすべて含みさらに限定したものであるから、本件発明7ないし9は甲2発明でないし、本件発明2ないし9は甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

2) 甲第3号証に記載された発明について
ア 本件発明1について
本件発明1と甲3発明とを対比する。
機能・構造からして、甲3発明の「基材と、該基材に担持させたエアゾール生成物質とから成るエアゾール発生手段」は本件発明1の「エアロゾル発生基体」に相当し、以下同様に、「エアゾール発生手段を有(し)」する態様は「エアロゾル発生基体を備える」態様に、「燃料素子から放射される熱によって基材に担持されているエアゾール生成物質及び香味剤を揮発させるシガレット」は「加熱式喫煙物品」に、「ラッパー材で包被された」態様は「ラッパー(12)によって取り囲まれた」態様に、「ひだ寄せされた」態様は「ギャザー付き」の態様に、「しぼつけ」は「けん縮」に、それぞれ相当する。
また、本件発明1の「均質化タバコ材料キャストシート」と甲3発明の「タバコ紙のウエブ」とは、「シート」の限りにおいて一致するから、結局、本件発明1の「均質化タバコ材料キャストシート(8)を有するロッド(22)を含(み)」む態様と甲3発明の「タバコ紙のウエブで形成される基材ロッドから成(り)」る態様とは、「シートを有するロッドを含(み)」む態様の限りにおいて一致する。
したがって、両者は、
「エアロゾル発生基体を備える加熱式喫煙物品であって、該エアロゾル発生基体は、ラッパーによって取り囲まれたギャザー付きシートを有するロッドを含み、前記シートは、けん縮されている、加熱式喫煙物品。」
で一致し、以下の点で相違している。
[相違点2]
「シート」に関し、本件発明1では「均質化タバコ材料キャストシート」であって「粒子状タバコと該粒子状タバコの凝集を助ける結合剤とエアロゾルフォーマを含み且つ前記粒子状タバコを凝集することで形成され(ている)」のに対し、甲3発明では「タバコ紙のウエブ」である点。

相違点2について検討する。
甲3発明の「タバコ紙のウエブ」と本件発明1の「粒子状タバコと該粒子状タバコの凝集を助ける結合剤とエアロゾルフォーマを含み且つ前記粒子状タバコを凝集することで形成され」る「均質化タバコ材料キャストシート」とは技術常識からして異なるものであるところ、「タバコ含有紙のウエブ」を「粒子状タバコと該粒子状タバコの凝集を助ける結合剤とエアロゾルフォーマを含み且つ前記粒子状タバコを凝集することで形成され」る「均質化タバコ材料キャストシート」とする動機付けは見当たらないし、甲第1ないし14号証には「粒子状タバコと該粒子状タバコの凝集を助ける結合剤とエアロゾルフォーマを含み且つ前記粒子状タバコを凝集することで形成され」る「均質化タバコ材料キャストシート」であって「けん縮され」た「ギャザー付き均質化タバコ材料キャストシート」が記載されていないから、少なくとも甲3発明をして相違点2に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことではない。
なお、甲第3号証には、基材ロッドを本件発明1の「キャストシート」のようにスラリーから作製することが記載されている(【0072】、【0073】)ものの、それは「1in(2.54cm)当り約25カットの刻み補充料の形に裁刻」(【0073】)されるから、「シート」として用いるものではない。また、特許異議申立人は、特公昭61-37906号公報(参考資料1)、特公昭64-1114号公報(参考資料2)を提出し、平成30年8月10日付け意見書において、甲3発明の「シート」として公知の「強度を向上・増加させた」「キャストシート材」を適用することに何ら困難性がない旨、主張している。しかし、前者の参考資料1には「巻きタバコ充填材に細切され」ることが例として記載されている(5頁9欄24、25行)ところ、「けん縮」することの記載や示唆もないし、後者の参考資料2には「乾燥、調湿工程においても破断するようなことがなく、シートの製造工程が極めて安定化すると同時に強度の強いシートが得られ」ことが記載されている(6頁12欄の行表示の14?16行)ものの、「けん縮」することの記載や示唆もないから、特許異議申立人の当該主張は採用できない。
よって、本件発明1は甲3発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

イ 本件発明2ないし9について
上記のとおり、本件発明1は甲3発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないところ、本件発明2ないし9は本件発明1の構成をすべて含みさらに限定したものであるから、本件発明2ないし9は甲3発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

3) 甲第4号証に記載された発明について
ア 本件発明1について
本件発明1と甲4発明とを対比すると、本件発明1の「ギャザー付き均質化タバコ材料キャストシート」と甲4発明の「非燃焼型喫煙物品用シート」とは「シート」の概念で共通しているから、両者は、少なくとも次の点で相違している。
[相違点3]
「シート」に関し、本件発明1では「ギャザー付き均質化タバコ材料キャストシート」であって「粒子状タバコと該粒子状タバコの凝集を助ける結合剤とエアロゾルフォーマを含み且つ前記粒子状タバコを凝集することで形成され、けん縮されている」のに対し、甲4発明では「非燃焼型喫煙物品用シート」であり「該香味発生シート部分の非燃焼型喫煙物品用シートは、香味発生組成物のスラリーをキャストして乾燥したものであって、バインダ等のシート形成材とタバコ粉末等の香味発生剤及びグリセリン等のエアロゾル発生物質を含み、」「折り畳まれて」いる点。

相違点3について検討する。
甲4発明は、「非燃焼型喫煙物品用シートを折り畳んで円筒体中に収容した非燃焼型喫煙物品」であるから、その「折り畳まれて」いることは本件発明1の「ギャザー付き」に相当するところ、既に「(1) 1)」で述べたとおり、「ギャザー付き」であることと「けん縮されている」こととは必ずしも一致するものではなく、両者は異なる概念を示すものであるから、甲4発明は必ずしも「けん縮されて」いるとはいえないのであって、「けん縮されて」いるか不明であるというべきである。
そして、甲4発明において、「非燃焼型喫煙物品用シート」として「けん縮され」たものを用いる動機付けは見当たらないし、甲第1ないし14号証には「粒子状タバコと該粒子状タバコの凝集を助ける結合剤とエアロゾルフォーマを含み且つ前記粒子状タバコを凝集することで形成され」る「均質化タバコ材料キャストシート」であって「けん縮され」た「ギャザー付き均質化タバコ材料キャストシート」が記載されていないから、少なくとも甲4発明をして相違点3に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことではない。
よって、本件発明1は甲4発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

イ 本件発明2ないし9について
上記のとおり、本件発明1は甲4発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないところ、本件発明2ないし9は本件発明1の構成をすべて含みさらに限定したものであるから、本件発明2ないし9は甲4発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

4) まとめ
よって、取消理由3及び4によっては、本件発明1及び7ないし9は甲2発明であるとはいえず、本件発明1ないし9は、甲2、3又は4発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

第4 むすび
以上のとおり、本件発明1ないし9に係る特許は、上記取消理由によって取り消すことはできない。
また、他に本件発明1ないし9に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生基体を備える加熱式喫煙物品であって、該エアロゾル発生基体は、ラッパー(12)によって取り囲まれたギャザー付き均質化タバコ材料キャストシート(8)を有するロッド(22)を含み、前記均質化タバコ材料キャストシートは、粒子状タバコと該粒子状タバコの凝集を助ける結合剤とエアロゾルフォーマを含み且つ前記粒子状タバコを凝集することで形成され、けん縮されている、加熱式喫煙物品。
【請求項2】
前記均質化タバコ材料キャストシートは、少なくとも約25mmの幅を有する、請求項1に記載の加熱式喫煙物品。
【請求項3】
前記エアロゾル発生基体は、5mmから20mmの間の長さを有するロッドである、請求項1又は2に記載の加熱式喫煙物品。
【請求項4】
前記均質化タバコ材料キャストシートは、50μmから300μmの間の厚さを有する、請求項1から3のいずれかに記載の加熱式喫煙物品。
【請求項5】
前記均質化タバコ材料キャストシートは、乾燥重量ベースで5%よりも大きなエアロゾルフォーマ含有量を有する、請求項1から4のいずれかに記載の加熱式喫煙物品。
【請求項6】
前記均質化タバコ材料キャストシートは、乾燥重量ベースで5重量%から30重量%のエアロゾルフォーマ含有量を有する、請求項1から5のいずれかに記載の加熱式喫煙物品。
【請求項7】
前記エアロゾル発生基体は、1つ又はそれ以上の添加物が付加されている線条、糸、テープ、又は繊維を更に含み、前記線条、糸、テープ、又は繊維は、ギャザー付き均質化タバコ材料キャストシートに組み込まれる、請求項1から6のいずれかに記載の加熱式喫煙物品。
【請求項8】
可燃性熱源及び該可燃性熱源下流のエアロゾル発生基体を備える、請求項1から7のいずれかに記載の加熱式喫煙物品。
【請求項9】
電気加熱式エアロゾル発生システムに用いる、請求項1から7のいずれかに記載の加熱式喫煙物品。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-09-06 
出願番号 特願2014-513188(P2014-513188)
審決分類 P 1 651・ 536- YAA (A24B)
P 1 651・ 121- YAA (A24B)
P 1 651・ 537- YAA (A24B)
P 1 651・ 113- YAA (A24B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 土屋 正志  
特許庁審判長 紀本 孝
特許庁審判官 田村 嘉章
莊司 英史
登録日 2016-10-07 
登録番号 特許第6017546号(P6017546)
権利者 フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
発明の名称 喫煙物品に使用するロッド  
代理人 西島 孝喜  
代理人 弟子丸 健  
代理人 上杉 浩  
代理人 近藤 直樹  
代理人 豊島 匠二  
代理人 須田 洋之  
代理人 須田 洋之  
代理人 田中 伸一郎  
代理人 豊島 匠二  
代理人 近藤 直樹  
代理人 大塚 文昭  
代理人 弟子丸 健  
代理人 西島 孝喜  
代理人 田中 伸一郎  
代理人 上杉 浩  
代理人 大塚 文昭  

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