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審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する F16C
審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する F16C
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する F16C
審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する F16C
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する F16C
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する F16C
管理番号 1346221
審判番号 訂正2018-390127  
総通号数 229 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-01-25 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2018-08-29 
確定日 2018-10-25 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5866801号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5866801号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第5866801号(以下、「本件特許」という。)は、平成23年5月24日に出願され、平成28年1月15日に特許権の設定登録がされ、平成30年8月29日に本件訂正審判請求がされたものである。

第2 請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、審判請求書の請求の趣旨に記載されるとおり、特許第5866801号の明細書及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものであって、その内容は次のとおりである(審決注:下線部分が訂正箇所である。)。

1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の
「 内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配置された複数のころと、前記内輪及び前記外輪の一方に形成したつばと、を備えたころ軸受において、
前記ころの端面が摺接する前記つばのつば面の表面粗さ(Ra,ring)が、0.05μm以上0.30μm以下であり、
前記つば面の表面粗さの分布曲線の中心線に対する上下のとがり程度を示すとがり度合い(Rku,ring)が、3以上7以下であり、
前記つば面の表面粗さ(Ra,ring)及び前記つば面に摺接するころの端面の表面粗さ(Ra,roller)が、0.1≦Ra,ring/Ra,roller≦1.0の関係であり、
前記ころの端面の表面粗さ(Ra,roller)が、
0.03≦Ra,roller≦0.1
であることを特徴とするころ軸受。」との記載を、
「 内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配置された複数のころと、前記内輪及び前記外輪の一方に形成したつばと、を備えたころ軸受において、
前記ころの端面が摺接する前記つばのつば面の表面粗さ(Ra,ring)が、0.1μmであり、
前記つば面の表面粗さの分布曲線の中心線に対する上下のとがり程度を示すとがり度合い(Rku,ring)が、3.4であり、
前記つば面の表面粗さ(Ra,ring)及び前記つば面に摺接するころの端面の表面粗さ(Ra,roller)が、Ra,ring/Ra,roller=0.30の関係であり、
前記ころの端面の表面粗さ(Ra,roller)が、0.03
であることを特徴とするころ軸受。」に訂正する(請求項1を直接的に引用する請求項2も同様に訂正する。)。

2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2の
「前記つば面の表面粗さの分布曲線の対称性を示すゆがみ値(Rsk,ring)を、-1.5以上-0.05以下に設定」との記載を
「前記つば面の表面粗さの分布曲線の対称性を示すゆがみ値(Rsk,ring)を、-0.4に設定」に訂正する。

3 訂正事項3
明細書の段落【0006】の
「本発明に係るころ軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配置された複数のころと、前記内輪及び前記外輪の一方に形成したつばと、を備えたころ軸受において、前記ころの端面が摺接する前記つばのつば面の表面粗さ(Ra,ring)が、0.05μm以上0.30μm以下であり、前記つば面の表面粗さの分布曲線の中心線に対する上下のとがり程度を示すとがり度合い(Rku,ring)が、3以上7以下であり、前記つば面の表面粗さ(Ra,ring)及び前記つば面に摺接するころの端面の表面粗さ(Ra,roller)が、0.1≦Ra,ring/Ra,roller≦1.0の関係であり、前記ころの端面の表面粗さ(Ra,roller)が、0.03≦Ra,roller≦0.1である。」との記載を、
「本発明に係るころ軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配置された複数のころと、前記内輪及び前記外輪の一方に形成したつばと、を備えたころ軸受において、前記ころの端面が摺接する前記つばのつば面の表面粗さ(Ra,ring)が、0.1μmであり、前記つば面の表面粗さの分布曲線の中心線に対する上下のとがり程度を示すとがり度合い(Rku,ring)が、3.4であり、前記つば面の表面粗さ(Ra,ring)及び前記つば面に摺接するころの端面の表面粗さ(Ra,roller)が、Ra,ring/Ra,roller=0.30の関係であり、前記ころの端面の表面粗さ(Ra,roller)が、0.03である。」に訂正する。

4 訂正事項4
明細書の段落【0007】の「前記つば面の表面粗さの分布曲線の対称性を示すゆがみ値(Rsk,ring)を、-1.5以上-0.05以下に設定した。」との記載を、「前記つば面の表面粗さの分布曲線の対称性を示すゆがみ値(Rsk,ring)を、-0.4に設定した。」に訂正する。

5 訂正事項5
明細書の段落【0014】の「すべり摩擦抵抗を小さする」との記載を、「すべり摩擦抵抗を小さくする」に訂正する。

6 訂正事項6
明細書の段落【0028】の【表1】中の「実施例2」ないし「実施例13」との記載を、「参考例2」ないし「参考例13」にそれぞれ訂正する。
7 訂正事項7
明細書の段落【0026】の「実施形態1から実施形態12」との記載を、「実施例1、参考例2から13」に訂正し、明細書の段落【0027】の「表1で示した実施形態と比較例の一部のもの」との記載を、「表1で示した実施例、参考例、比較例の一部のもの」に訂正する。 。

8 訂正事項8
明細書の段落【0029】の「トルク低減率は減少し」との記載を、「トルクは減少し」に訂正する。

第3 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1のころ軸受について、つば面の表面粗さ(Ra,ring)を「0.05μm以上0.30μm以下」から「0.1μm」に特定し、つば面の表面粗さの分布曲線の中心線に対する上下のとがり程度を示すとがり度合い(Rku,ring)を「3以上7以下」から「3.4」に特定し、つば面の表面粗さ(Ra,ring)及びころの端面の表面粗さ(Ra,roller)の関係を「0.1≦Ra,ring/Ra,roller≦1.0」から「Ra,ring/Ra,roller=0.30」に特定し、ころの端面の表面粗さ(Ra,roller)を「0.03≦Ra,roller≦0.1」から「0.03」に特定するものである。
同様に、訂正事項1による訂正後の特許請求の範囲の請求項2は、当該訂正後の請求項1の記載を引用することにより発明特定事項をさらに減縮するものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
訂正前明細書の段落【0028】の【表1】には、「Ra,ring」が「0.1μm」であり、「Rku,ring」が「3.4」であり、「Ra,ring/Ra,roller」が「0.30」であり、「Ra,roller」が「0.03」である実施例1が記載されているから、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
したがって、当該訂正事項1は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
前記「(1)」のとおり、訂正事項1は、請求項1に係る発明の発明特定事項であるころ軸受のつば面の表面粗さ及びころの端面の表面粗さに関する各数値をさらに特定するものであり、請求項1に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではない。
また、訂正事項1は、訂正前の請求項1の記載以外に、請求項1を引用する訂正前の請求項2の記載について訂正するものではなく、請求項2に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではない。
したがって、当該訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)独立特許要件について
前記「(1)」のとおり、訂正事項1は、請求項1に係る発明の発明特定事項であるころ軸受のつば面の表面粗さ及びころの端面の表面粗さに関する各数値をさらに特定するだけであるから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、独立特許要件を満たす。
また、訂正事項1についての訂正後の請求項2は、訂正後の請求項1を直接的に引用することにより発明特定事項をさらに特定するだけであり、独立特許要件を満たさなくなるような事情は存在しない。
以上のことから、訂正事項1についての訂正後の請求項1及び2に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。

2 訂正事項2について
(1)訂正の目的について
訂正事項2は、訂正前の特許請求の範囲の請求項2のころ軸受について、つば面の表面粗さの分布曲線の対称性を示すゆがみ値(Rsk,ring)を「-1.5以上-0.05以下」から「-0.4」に特定するものであるから、当該訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
訂正前明細書の段落【0028】の【表1】には、「Rsk,ring」が「-0.4」である実施例1が記載されているから、当該訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
したがって、当該訂正事項2は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
前記「(1)」のとおり、訂正事項2は、請求項2に係る発明の発明特定事項であるころ軸受のつば面の表面粗さに関する数値をさらに特定するものであり、請求項2に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではない。
したがって、当該訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)独立特許要件について
ア 訂正後の請求項1について
前記「(1)」のとおり、訂正事項2は、請求項2に係る発明の発明特定事項であるころ軸受のつば面の表面粗さに関する数値をさらに特定するだけであるから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、独立特許要件を満たす。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第7項の規定に適合する。

3 訂正事項3について
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0006】には、訂正前の請求項1に対応する記載があり、訂正事項1による訂正後の請求項1の記載と一致せず、不明瞭となる。
訂正事項3は、明細書の記載を訂正事項1による訂正後の特許請求の範囲の記載に整合させるものであり、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
訂正事項3は、明細書の記載を訂正後の特許請求の範囲の記載に整合させるものに過ぎず、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であると言えるから、当該訂正事項3は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項3は、明細書の記載を訂正後の特許請求の範囲の記載に整合させるものに過ぎず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないから、当該訂正事項3は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

4 訂正事項4について
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0007】には、訂正前の請求項2に対応する記載があり、訂正事項2による訂正後の請求項2の記載と一致せず、不明瞭となる。
訂正事項4は、明細書の記載を訂正後の特許請求の範囲の記載に整合させるものであり、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
訂正事項4は、明細書の記載を訂正後の特許請求の範囲の記載に整合させるものに過ぎず、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であると言えるから、当該訂正事項4は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項4は、明細書の記載を訂正後の特許請求の範囲の記載に整合させるものに過ぎず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないから、当該訂正事項4は、特許法第126条第6項の規定に適合する。


5 訂正事項5について
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0014】の「すべり摩擦抵抗を小さする」との記載は、「すべり摩擦抵抗を小さくする」の誤記であることは明白である。訂正事項5は、明らかな誤記を本来の表記に訂正するものであるから、当該訂正事項5は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
訂正事項5は、上記(1)のとおり、日本語として明らかな誤記を本来の表記に訂正するものに過ぎず、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であると言えるから、当該訂正事項5は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項5は、上記(1)のとおり、日本語として明らかな誤記を本来の表記に訂正するものに過ぎず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないから、当該訂正事項5は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)独立特許要件について
訂正事項5は、上記(1)のとおり、日本語として明らかな誤記を本来の表記に訂正するものに過ぎず、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、独立特許要件を満たすから、当該訂正事項5は、特許法第126条第7項の規定に適合する。

6 訂正事項6について
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0028】の【表1】には、実施形態として、つば面及びころの端面の表面形状がそれぞれ異なる実施例1?13の態様が記載されている。
訂正事項1及び訂正事項2により、つば面及びころの端面の表面粗さに関する各数値を実施例1の表面粗さに対応する数値に特定したことにより、訂正前の実施例2ないし実施例13の態様は、訂正事項1及び訂正事項2による訂正後では実施例でなくなる。
訂正事項6は、明細書の記載を訂正事項1及び訂正事項2による訂正後の特許請求の範囲の記載に整合させるため、当該訂正後の特許請求の範囲に含まれなくなる態様を「参考例」に訂正するものであり、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
訂正事項6は、訂正後の特許請求の範囲との整合を図るために、訂正前の「実施例2」ないし「実施例13」を「参考例2」ないし「参考例13」にそれぞれ訂正するものに過ぎず、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であると言えるから、当該訂正事項5は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項6は、訂正後の特許請求の範囲との整合を図るために、訂正前の「実施例2」ないし「実施例13」を「参考例2」ないし「参考例13」にそれぞれ訂正するものに過ぎず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないから、当該訂正事項5は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

7 訂正事項7について
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0026】には、「実施形態1から実施形態12、比較例1から比較例6の内輪1を備える円すいころ軸受を用いてトルクを比較した結果と、大つば面6a及び軌道面にショットブラストを施した内輪1(比較例7)を備える円すいころ軸受を用いたトルク結果を表1に記載する。」と記載されているが、訂正事項6によって表1中の「実施例2」ないし「実施例13」は「参考例2」ないし「参考例13」に訂正されたことに伴い、訂正前の明細書の段落【0026】には参考例の態様が実施形態として記載されていることになり、不明瞭である。
また、訂正前の明細書の段落【0026】の「実施形態1から実施形態12」及び段落【0027】の「実施態様」との記載は、訂正後の段落【0028】の【表1】の「実施例1」及び「参考例2」ないし「参考例13」との記載と一致せず、不明瞭である。
以上、訂正事項7は、訂正事項1及び訂正事項2による訂正後の特許請求の範囲の記載並びに訂正事項6による訂正後の明細書の記載との整合を図るため、訂正事項1及び訂正事項2による訂正後の特許請求の範囲に含まれない「実施形態」を「参考例」に訂正し、訂正事項6による訂正後の明細書の段落【0028】の【表1】の記載とも整合させるものであり、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
訂正事項7は、明細書の記載を訂正事項1及び訂正事項2による訂正後の特許請求の範囲の記載並びに訂正事項6による訂正後の明細書の記載に整合させるものに過ぎず、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であると言えるから、当該訂正事項3は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項7は、明細書の記載を訂正事項1及び訂正事項2による訂正後の特許請求の範囲の記載並びに訂正事項6による訂正後の明細書の記載に整合させるものに過ぎず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないから、当該訂正事項7は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

8 訂正事項8について
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0029】に「トルク低減率は減少し」と記載されている。一方、訂正前の明細書の段落【0005】には本発明の課題として「低速回転域のトルクを小さくすることができるころ軸受を提供する」と記載され、同段落【0010】には、本発明の効果として「短時間で低速回転域のトルクを小さくすることができる。」と記載され、発明の実施形態として同段落【0014】には「円すいころ軸受の起動トルクを低くするようにしている。」、同段落【0017】には「短時間で起動トルクを低くする。」、同段落【0026】には「低速回転域(250rpm)のトルクが10?80%低減している」と記載されている。また、同段落【0028】の【表1】の実施例1は、トルク低下率の欄に最大値「75%」が記載され、寿命試験の欄に最大値「100」が記載されており、同段落【0029】の末尾は「クリーンはくり寿命も向上することがわかる。」と記載されていて、表1の実施例1に関する記載に基いて本発明の効果を説明していると理解できる。
すると、同段落【0029】の「トルク低減率は減少し」との記載は、本発明の課題及び効果に反する記載であり、明細書の課題及び効果の記載との関係で不明瞭である。
同段落【0029】の「トルク低減率は減少し」との記載は、明細書の上述した他の記載に鑑みれば、トルク低下率が大きくなり、トルクが低下したこと、すなわち「トルクが減少し」が本来の意図であることは、当業者に自然に理解される。
そうであれば、明細書の他の記載と整合させ、本来の意味に正すため、訂正前の明細書の段落【0029】の「トルク低減率は減少し」を「トルクは減少し」に訂正することは、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
訂正事項8は、不明瞭な記載を本来の意味に訂正するものに過ぎず、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であると言えるから、当該訂正事項8は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項8は、不明瞭な記載を本来の意味に訂正するものに過ぎず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないから、当該訂正事項8は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

第4 むすび
以上のとおり、本件訂正審判に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号ないし第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項から第7項までの規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
ころ軸受
【技術分野】
【0001】
本発明は、内輪と、外輪と、内輪及び外輪の間に転動自在に配された複数のころと、内輪及び外輪の少なくとも一方に形成されたつばと、を備えるころ軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
円すいころ軸受のようなころ軸受においては、内輪や外輪に設けられているつばところの端面とが回転時に摺動して摩擦が発生する。低速回転域では、つばところの端面との摩擦が大きいので、低速回転域のトルクが大きくなる。なお、以降においては、つばのうち、ころの端面と摺接する面を「つば面」と記す。前記のような問題があることから、低速回転域のトルクを低減する技術が提案されている。
【0003】
例えば特許文献1?特許文献4は、内輪や外輪のつば面、或いはころの端面にショットブラスト工法、あるいはショットピーニング工法を行なうことで、それら摺動面の表面粗さを所定範囲に設定し、摺動面の摩擦抵抗を小さくすることで、円すいころ軸受の低速回転域のトルクを低くしている。特に、特許文献1,4では、表面粗さの分布曲線の対称性を示すゆがみ値も規定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08-232964号公報
【特許文献2】特開2003-184883号公報
【特許文献3】特開2004-316699号公報
【特許文献4】特開2010-169182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、内輪や外輪のつば面及びころの端面の表面粗さの比率が大きすぎると、表面粗さが大きい(粗い)一方が、表面粗さが小さい(粗くない)他方の剥離を促進しまうおそれがある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、内輪や外輪のつば面及びころの端面のうちの一方が他方に対して剥離等の悪影響を与えない程度の表面粗さとして低速回転域のトルクを小さくすることができるころ軸受を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るころ軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配置された複数のころと、前記内輪及び前記外輪の一方に形成したつばと、を備えたころ軸受において、前記ころの端面が摺接する前記つばのつば面の表面粗さ(Ra,ring)が、0.1μmであり、前記つば面の表面粗さの分布曲線の中心線に対する上下のとがり程度を示すとがり度合い(Rku,ring)が、3.4であり、前記つば面の表面粗さ(Ra,ring)及び前記つば面に摺接するころの端面の表面粗さ(Ra,roller)が、Ra,ring/Ra,roller=0.30の関係であり、前記ころの端面の表面粗さ(Ra,roller)が、0.03である。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のころ軸受において、前記つば面の表面粗さの分布曲線の対称性を示すゆがみ値(Rsk,ring)を、-0.4に設定した。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るころ軸受によれば、ショットブラスト加工、或いはショットピーニング加工により表面仕上げを行なうことで、つば面の表面粗さ(Ra,ring)を0.05μm以上0.30μm以下に設定し、つば面の表面粗さの分布曲線の中心線に対する上下のとがり程度を示すとがり度合い(Rku,ring)を3以上7以下に設定したことで、ころとの間の油溜まりの保持能力を向上させ、音響が低下するとともに、油膜厚さが大きくなって焼きつきのおそれがない。
【0010】
また、つば面の表面粗さ(Ra,ring)及びつば面に摺接するころの端面の表面粗さ(Ra,roller)を、0.1≦Ra,ring/Ra,roller≦1.0の関係としたことで、表面粗さが小さい(粗くない)ものを剥離させるという現状を防止することができるとともに、表面粗さが大きい(粗い)部位が、表面粗さが小さい(粗くない)部位を摩耗することで、すべり摩擦抵抗を小さくすることができ、短時間で低速回転域のトルクを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係るころ軸受の一実施形態である円すいころ軸受の構造を示す部分縦断面図である。
【図2】トルク試験に用いた試験気の構造を示す断面図である。
【図3】トルク試験の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るころ軸受の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るころ軸受の一実施形態である円すいころ軸受の構造を示す部分縦断面図である。図1の円すいころ軸受は、内輪1と、外輪2と、内輪1及び外輪2の間に転動自在に配された複数の円すいころ3と、内輪1及び外輪2の間に複数の円すいころ3を保持する保持器4と、で構成されており、内輪1の外周面及び外輪2の内周面の間に形成された軸受内部空間には、図示しない潤滑剤(例えば潤滑油,グリース)が封入されている。なお、保持器4は備えていなくてもよい。
【0013】
また、内輪1の外周面の軸方向両端部には、大つば5a及び小つば5bが径方向外方に突出して設けられている。外輪2には、つばは設けられていない。ただし、図1の例とは逆に、外輪2の内周面の軸方向両端部につばを設け、内輪1にはつばを設けない構成としてもよいし、内輪1及び外輪2の両方につばを設ける構成としてもよい。
大つば5aの内周面には大つば面6a、小つば5bの内周面には小つば面6bが形成されており、大つば面6aには円すいころ3の大端面3aが当接し、小つば面6bには円すいころ3の小端面3bが当接することで、円すいころ3が案内保持されている。
【0014】
そして、内輪1の大つば面6a及び小つば面6bは、ショットブラスト加工により表面仕上げが行なわれており、大つば面6a及び円すいころ3の大端面3a、小つば面6b及び小端面3bのすべり摩擦抵抗を小さくすることで、円すいころ軸受の起動トルクを低くするようにしている。
ここで、内輪1の大つば面6a及び小つば面6bに囲まれている軌道面にはショットブラスト加工を行なわない。内輪1の軌道面にショットブラスト加工を行なわない理由は、クリーン寿命(潤滑剤に水や異物が混入しないクリーンな条件下での寿命)が低下するおそれがあるからである。
【0015】
また、ショットブラスト加工を行なった大つば面6a及び小つば面6bには凹凸が形成されるが、凸部の研磨をすることが好ましい。凸部の研磨方法としては、超仕上げ砥石による超仕上げ加工、砥粒を含有する弾性体粒子によるショットブラスト、微細砥粒によるショットブラスト、砥粒を含有する流体による液体ホーニング等が採用されている。
内輪1の大つば面6a及び小つば面6bの表面粗さ(Ra,ring)は、0.05μm以上0.30μm以下に設定されていることが好ましい。表面粗さ(Ra,ring)が0.05μmを下回ると、円すいころ3との間の油溜まりの保持能力が低下するおそれがある。一方、表面粗さ(Ra,ring)が0.30μmを上回ると、音響の上昇し、油膜厚さが小さくなって焼きつきのおそれがある。
【0016】
また、内輪1の大つば面6a及び小つば面6bの表面粗さの分布曲線の中心線に対する上下のとがり程度を示すとがり度合い(Rku,ring)は、3以上7以下に設定されていることが好ましい。
また、内輪1の大つば面6a及び小つば面6bの表面粗さの分布曲線の対称性を示すゆがみ値(Rsk,ring)は、-1.5以上-0.05以下に設定されていることが好ましい。ゆがみ値(Rsk,ring)が-0.05を上回ると、油溜まりの効果を発揮することができない。一方、ゆがみ値(Rsk,ring)が-1.5を下回る大つば面6a及び小つば面6bを形成するためにはコストアップが上昇するおそれがある。
【0017】
また、内輪1の大つば面6a及び小つば面6bの表面粗さ(Ra,ring)と、円すいころ3の大端面3a及び小端面3bの表面粗さ(Ra,roller)は、0.1≦Ra,ring/Ra,roller≦1.0に設定されていることが好ましい。0.1≦Ra,ring/Ra,roller≦1.0に設定したことで、内輪1の大つば面6a及び小つば面6bと、円すいころ3の大端面3a及び小端面3bとの部材のうちの粗い部材が粗くない部材を摩耗することですべり摩擦抵抗が小さくなり、短時間で起動トルクを低くする。
【0018】
また、内輪1の大つば面6a及び小つば面6bの表面仕上げをショットブラスト加工で行なう際に使用される投射材は、多角形状のセラミック製であることが好ましく、例えば、多角形状の炭化けい素(SiC)を用いることが好ましい。球形のAl_(2)O_(3)やSiO_(2)で投射材を構成すると、投射材が割れるおそれがある。
また、ショットブラスト加工で使用する投射材の大きさは、10μm以上100μm以下とすることが好ましい。さらに好ましくは、投射材は、目開き75μmの篩を通過し、目開き20μmの篩は通過しないようにする。
【0019】
また、投射材の投射速度は、50m/sec以上とすることが好ましい。さらに、投射材の投射圧力は、0.1MPa以上0.9MPa以下とすることが好ましい。このような投射材の大きさ、投射速度及び投射圧力とすることで、内輪1の大つば面6a及び小つば面6bの表面粗さ(Ra,ring)を0.05μm以上0.30μm以下に容易に形成することができる。
なお、本発明に係るつば面が大つば面6a、小つば面6bに対応し、本発明に係るころが円すいころ3に対応している。
【0020】
また、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においてはころ軸受の例として円すいころ軸受をあげて説明したが、本発明は、他の種類の様々なころ軸受に対して適用することができる。例えば、円筒ころ軸受,針状ころ軸受,自動調心ころ軸受等である。ただし、本発明は、円すいころ軸受及び円筒ころ軸受に対してより好適であり、その中でも円すいころ軸受に対して特に好適である。
また、本実施形態では、ショットブラスト加工により内輪1の大つば面6a及び小つば面6bの表面仕上げを行なっているが、ショットピーニング加工により表面仕上げを行なっても良い。
【0021】
次に、円すいころ軸受を種々の回転速度で回転させて、その際のトルクを測定した。まず、このトルク試験に用いた試験機の構造を、図2を参照しながら説明する。
試験機20は、縦型内輪回転式の試験機である。試験機20では、支持軸受23に回転自在に支持された主軸24の端部24aは、試験軸受としての円すいころ軸受26の内輪26aに内嵌されている。内輪26aの外周面にはつば26dが形成されており、円すいころ26bに対して滑り接触を行う。内輪26a及び円すいころ26bと共に円すいころ軸受26を構成する外輪26cは、本体部28に内嵌されている。本体部28の軸方向上端面には静圧軸受31が設けられており、その上面にはアキシアル荷重が付与される。
【0022】
また、本体部28の側面には棒材34を介してロードセル33が接続されており、本体部28に掛かる動摩擦トルクがロードセル33により検出される。さらに、本体部28には、円すいころ軸受26の転がり接触面及び滑り接触面に外部から潤滑油を供給するための通路36が形成されている。また、転がり接触面及び滑り接触面の温度を検出する熱電対38が、本体部28の側面から取り出されている。
【0023】
上記構成を有する試験機20では、アキシアル荷重、ラジアル荷重、回転速度、潤滑油量を任意に変えて試験することができ、回転中の動摩擦トルク及び前記接触面の温度上昇を同時に測定することができる。
このような試験機20に、大つば5aの大つば面6aにショットブラストを施した内輪1を備える円すいころ軸受を試験軸受として装着し、以下の条件でトルク試験を行った。また、そして、大つば面6a及び軌道面にショットブラストを施した内輪1を備える円すいころ軸受の場合と比較した。
【0024】
(トルク試験の条件)
試験軸受の呼び番号:HR32008XJ(内径40、外径60)
アキシアル荷重:4000N
ラジアル荷重:0N
回転速度:0?3000rpm
潤滑油:ISO粘度グレードがISO VG32である鉱油
潤滑油量:500ml/min
潤滑油温度:50±5℃
【0025】
なお、トルクの測定を行う前に、3000rpmで1時間以上回転させる慣らし運転を行い、十分にトルクが安定したことを確認した。また、軸受の個体差の影響を排除するため、以下のような手順でトルク試験を行った。すなわち、前記通常の円すいころ軸受に対して慣らし運転を行い、トルク試験(ショットブラスト処理前の軸受のトルク試験)を行った。その後、内輪のつばのうち、円すいころの小端面に摺接するつばを切除して円すいころを取り出した。そして、大つば5aの大つば面6aにショットブラストを施した後、先ほどの軸受に再度組み込んで再び慣らし運転を行い、トルク試験(ショットブラスト処理後の軸受のトルク試験)を行った。
【0026】
結果を図3のグラフに示す。このグラフから、ショットブラスト処理後の軸受は、処理前の軸受に比べて、低速回転域(250rpm)のトルクが10?80%低減していることが分かる。
試験条件は上記と同一とし、材質、形状及び粒径が異なる投射材をショット条件を変化させて大つば5aの大つば面6aにショットブラストを施し、大つば面6aを所定の表面形状(表面粗さRa、とがり度合いRku、ゆがみ値Rsk)とした実施例1、参考例2から13、比較例1から比較例6の内輪1を備える円すいころ軸受を用いてトルクを比較した結果と、大つば面6a及び軌道面にショットブラストを施した内輪1(比較例7)を備える円すいころ軸受を用いたトルク結果を表1に記載する。
また、ショットブラストを行なうことで寿命の低下が懸念されるので、下記の条件でクリーンはくり寿命試験を行なった。
【0027】
(クリーンはくり寿命試験の条件)
試験軸受の呼び番号:HR32008XJ(内径40、外径60)
アキシアル荷重:5000N
ラジアル荷重:20000N
回転速度:3000rpm
潤滑油:ISO粘度グレードがISO VG32である鉱油
潤滑油量:油浴潤滑
潤滑油温度:80±5℃
表1で示した実施例、参考例、比較例の一部のものについて、ワイブル分布の結果から実施例1の基本定格寿命L_(10)を100とした場合の寿命比を、表1の右端に示した。
【0028】
【表1】

【0029】
表1から回転速度によりトルク低減率は異なるが、おおむね内輪1の大つば面6a及び小つば面6bの表面形状が、表面粗さ(Ra,ring)が0.05μm以上0.30μm以下に設定され、表面粗さの分布曲線の中心線に対する上下のとがり程度を示すとがり度合い(Rku,ring)が3以上7以下に設定され、表面粗さの分布曲線の対称性を示すゆがみ値(Rsk,ring)が-1.5以上-0.05以下に設定され、0.1≦Ra,ring/Ra,roller≦1.0に設定され、投射材は、多角形状の炭化けい素(SiC)であり、投射材の大きさは10μm以上100μm以下に設定され、投射材の投射速度は50m/sec以上であり、投射材の投射圧力が0.1MPa以上0.9MPa以下であるときに、トルクは減少し、クリーンはくり寿命も向上することがわかる。
【符号の説明】
【0030】
1…内輪、2…外輪、3…円すいころ、3a…大端面、3b…小端面、4…保持器、5a…大つば、5b…小つば、6a…大つば面、6b…小つば面
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配置された複数のころと、前記内輪及び前記外輪の一方に形成したつばと、を備えたころ軸受において、
前記ころの端面が摺接する前記つばのつば面の表面粗さ(Ra,ring)が、0.1μmであり、
前記つば面の表面粗さの分布曲線の中心線に対する上下のとがり程度を示すとがり度合い(Rku,ring)が、3.4であり、
前記つば面の表面粗さ(Ra,ring)及び前記つば面に摺接するころの端面の表面粗さ(Ra,roller)が、Ra,ring/Ra,roller=0.30の関係であり、
前記ころの端面の表面粗さ(Ra,roller)が、0.03
であることを特徴とするころ軸受。
【請求項2】
前記つば面の表面粗さの分布曲線の対称性を示すゆがみ値(Rsk,ring)を、-0.4に設定していることを特徴とする請求項1記載のころ軸受。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2018-09-28 
結審通知日 2018-10-02 
審決日 2018-10-17 
出願番号 特願2011-116268(P2011-116268)
審決分類 P 1 41・ 856- Y (F16C)
P 1 41・ 851- Y (F16C)
P 1 41・ 852- Y (F16C)
P 1 41・ 853- Y (F16C)
P 1 41・ 854- Y (F16C)
P 1 41・ 855- Y (F16C)
最終処分 成立  
前審関与審査官 小野 孝朗  
特許庁審判長 平田 信勝
特許庁審判官 尾崎 和寛
内田 博之
登録日 2016-01-15 
登録番号 特許第5866801号(P5866801)
発明の名称 ころ軸受  
代理人 松山 美奈子  
代理人 松山 美奈子  

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